幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月1日 ● 一番好きな季節。

 日本の四季の豊かさを僕はとても好ましく思っていますが、とりわけ好きな季節がこの3月早春の頃。寒さが底を打ち、少しずつ春の兆しを示しながら暖かさが日に日に増してくる様は、まさに誕生の季節と呼ぶに相応しいと思います。その冬が寒ければ寒いほど、春の予感は嬉しいもの。今年は年が明けてからずっと寒かったので、これから少しずつ春めいてくるのが大いに楽しみです。

 そう言えば僕が小学生の頃に一番好きだった歌手は南沙織、そして彼女の歌で一番好きだったのが『春の予感』と『女性』でした。特に『女性』は「雪解けの せせらぎが大好き」と始まる早春の情景描写が女性の成長に例えられる名曲です。この歌が僕の心に響いた、その理由を当時はまだ自分自身、分析も理解もできていなかったのですが。

 春の予感はまず日の長さに感じます。いつも夕方5時までテニスをしているのですが、1月はまだ4時半頃には暗くなってしまうのに、今の時期になると5時までテニスができるようになります。ああ、もうすぐ春分の日だもんなぁ、なんて思うと嬉しくなります。

 テニス愛好家には雨は天敵ですが、この季節はひと雨ごとに春めいてきますから、何となく雨に降られても許せる気になります。冷たくて凍えそうな雨が、いつの間にか「春雨じゃ、濡れていこう」(なんて今の若い人は知らないよね)という気分にさせる雨に変わっているのも早春ならでは。

 日本の春は万葉の昔から梅と桜を愛でてきましたが、僕は実は桃の花が好きです。梅は2月、桜は4月、そして桃は3月というイメージがあるからです。華やかなピンクの桃の花を「下品だ」と評する人もいるようですが、春の雨に濡れて嫣然と咲く桃の花の美しさと徒っぽさが良いのです。

 3月は卒業シーズン。明るさと希望に満ちた4月の入学シーズンよりも、終わることのセンチメンタリズムと旅立ちの予感に支配される3月の方が人生を感じます。そう「さよならだけが人生さ」。僕は思い出を作るために人生を生きているのかも知れません。

 
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