幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 2月9日 ● 名古屋は「地方」だけど。

 昨日書いたグラフとの試合の後、伊達がインタビューの時に「こうして地方で試合する機会もあまりないですが」というようなことを言いました。その時のレインボーホールを埋め尽くしていた名古屋のファンの反応がちょっと面白かったんです。「地方?地方、ねぇ…」という微妙なざわめきが会場に広がったのです。

 多分伊達は何も考えずに素直に話しただけだと思います。名古屋は地方、なにかおかしいですか?ってなもんです。ところが名古屋人は名古屋を「地方」だと思っていません。少なくとも「東京」に対する「地方」という概念の範疇に名古屋を入れてはいないのです。「東京」に対する言葉は「名古屋」であって、「地方」というのは東京・大阪・名古屋以外の地域を示す時の言葉だと何となく思っています。

 これを大阪人に聞くと、どうやら大阪では東京と大阪とそれ以外の「地方」という区分けになるらしいです。名古屋は札幌や広島や福岡と同列です。そして東京人は、東京以外は例え大阪と言えども全て「地方」だと思っているようです。

 各種の指標を見比べても、このあたり、かなり微妙なものがあります。イメージ的には東京を10とすると大阪4、名古屋2、札幌や福岡が1、というような比率になるようなものが多いからです。圧倒的な1位と絶対の2位がはっきりしているだけに、名古屋は万年三男坊から抜け出せません。

 名古屋が強みを発揮するのは経済力、特に製造業です。製品出荷額では愛知県はずっと日本一ですから、大阪はおろか東京とも互角です。しかしそれに比べて文化面、特にその発信力の弱さが致命的です。これが名古屋の実力の割にそのイメージを引き上げられない大きな要因となっています。

 東京から名古屋に来た人に「思っていたよりずっと大きな街なんだ」と言われることがあります。発信力が弱いから実際よりも小さなイメージしか持ってもらえないのです。もっと言えば、その小さなイメージを名古屋人は何となく諦めているところもあります。背伸びをしない、必要以上に大きそうに見せない地味な性格が、逆に何かにつけて派手な性格の横浜や神戸に比べて余計に落差を生んでしまうのでしょう。伊達に「地方」と言われて違和感は感じつつも、「地方」でいいかと納得してしまう人の良さにもそれが表れています。

 もっとも東京も少しは自分たちもまた「地方」なんだ、という意識を持って欲しいと思いますけどね。東京というローカルに住んでいるという意識が希薄で、東京=日本という思い込みには辟易することがあります。それに「地方」からの視点でないと見えないことがいろいろあると思いますし、その視点こそが行き詰まっている日本を転換させるヒントになると思うのですが。  

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