幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 2月3日 ● 電話調査はどこまで正確か。

 新聞社が世論調査をする時によく電話調査を行っています。昨日も朝日新聞がプロの五輪参加について電話調査を行った結果を発表していました。しかし、その調査結果よりも、僕は電話調査という方法自体に違和感を感じてしまいました。

 我々広告代理店もしばしば各種調査を行います。それは一人ずつ質問する面談形式だったり調査票に記入させたりグループインタビューだったり、時には電話やインターネットによる調査だったりするわけですが、必要に応じて調査方法を選んで行います。

 で、プロ野球選手の五輪参加について調査を行う時に、無作為抽出による電話調査というのは果たして適当な調査方法なのでしょうか?想像してみてください。いきなり朝日新聞と名乗る人間から電話口で「プロ野球選手が五輪に参加することに対して賛成ですか?」なんて聞かれて、果たしてどれほど真摯に思いを語りますか?そもそもそんなことに真面目に答えるほどあなたは暇ですか?

 「あなたはどの球団のファンですか?」という質問くらいなら、反射神経で答えられます。例え『笑っていいとも』を見ていようが、トイレ掃除をしていようが「もちろん巨人」とか「実は千葉ロッテです」とか言えるのですが、「シーズン中なのにスター選手を五輪に出してまで協力すべきでしょうか?」なんて難しい質問、日頃からプロ野球やオリンピックに関心が深くないと、簡単には答えられません。適当に電話で聞くような質問ではないと思います。

 こんな調査結果を突きつけられてコメントを求められた高須セ・リーグ会長が「世論判断しかねる」と答えたのは、なにも自分を会長に据えたナベツネに遠慮しただけではないでしょう。そもそもプロ野球の五輪参加問題に関心があると答えたのが50%しかいない調査方法自体に疑問を呈しているのですから。いつもプロ野球を熱心に見てくれているファンを対象に、きちんと聞き取り調査したのなら信用しましょうと高原会長は暗に言っているのです。

 実は同じ日の朝日新聞には「世論調査に手法の転換」というコラムが掲載されています。しかし、そこで問題とされているのは「電話帳に番号を載せない人が増えてきた」ために「調査の精度」に問題があるので、RDD方式(電話帳から選ぶのではなく、コンピュータで番号を適当に決めて調査する方式)を採用するというだけで、電話調査自体に問題があるとは書かれていません。どうもポイントがずれているような気がしてなりません。

 朝日新聞は五輪参加問題と一緒に内閣・政党支持率や吉野川可動堰問題なども同時に電話調査したそうです。なんでもかんでも一緒に聞けば、調査する方は楽できるでしょうが(そもそも電話調査自体が楽したいという発想ですからね)、聞かれた方にしてみれば、そんなバラバラなことをいろいろ聞かれても困ってしまいます。もっと足を使おうよ、新聞社なんだからさ。

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