幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月31日 ● 女子マラソンはますます混沌。

 大阪国際女子マラソンで弘山晴美が日本歴代3位の好記録で2位に入りました。しかも負けたとは言え、あのシモン相手に堂々のレース。弘山のマラソン経験を考えると、十分過ぎる結果だと思います。弘山自身、1万メートルのシドニー五輪代表を辞退してまでマラソン代表の座にこだわっただけに、この結果は嬉しかったことでしょう。

 しかし、これでますます女子マラソン五輪代表の選考は難しくなってきました。早々に市橋有里に内定を出してしまってから、東京で山口衛里が日本歴代2位の記録をマークし、大阪ではスピードに定評のある弘山がその力を見せつけました。さらに残る名古屋のレースには日本最高記録を持つ高橋尚子や鈴木博美が控えています。名古屋は大阪と比べて記録が出にくいと言われています。ここで高橋が優勝しながらタイム的には弘山らに劣ったら、どちらを選ぶのか本当に困ることになると思います。

 毎回毎回、女子マラソンの代表選びは揉めに揉めます。陸連が一発勝負で代表を決めないからいけない、という意見も毎回言われます。敢えて何回も選考会をやるのは、ひとつにはなるべく実力を見極めて本当に力のある選手を選びたい、という陸連の建前がありますが、本音のところでは各マラソン大会の主催者である新聞各社に気を遣っているからです。どれかの大会を一発勝負の選考会に決めてしまったら、他のレースの価値がガクンと落ちてしまいますからね。

 今や百花繚乱、実力のある選手が次々と現れて、黄金時代を感じさせる日本女子マラソン界ですが、かつてはマラソンへの取り組みが遅れたせいで、世界から大きく取り残されていました。そんな時に東京、大阪、名古屋の3大女子マラソンが生まれてどれほど日本女子の実力アップに貢献したことか。スポンサーがつかず、次々とプロの大会が中止の憂き目にあっているテニス界から見れば、このマラソン人気は羨ましい限りです。大きな大会があってこそ、トップ選手のレベルも引き上げられます。陸連もそれがわかっているから、敢えて楽な一発勝負を選ばずに、どの大会にも有力選手が回るようにしているのだと思います。

 選手選考に明瞭さを、と言いたてるのは簡単ですが、新聞社も自分のところのレースが代表選考レースから外されるのも困りますから、一発勝負を提案するところまではいきません。選手にしてみても、体調が悪くても無理に出なければならない一発勝負よりも、何回かチャンスがある現在の方式の方がいいと思っているかも知れません。三者三様の思惑をはらみながら、また春には大混乱の予感が十分します。ま、野次馬的には面白いからそれもまたいいんですけど。

 それにしても、これだけ選手層が厚いのだから、駅伝が五輪種目に採用されたら女子は金メダル間違いなしです。高橋、山口、弘山、市橋、鈴木、安部、浅利、千葉、有森、小幡。まだまだ有力選手がいますから、駅伝の代表ですら簡単には決められませんね。

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