幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月13日 ● パソコンをタレントで選ぶ時代。

 広告におけるタレントの役割というものを考えるとき、アイキャッチになる、キャラクターになる、メッセンジャーとなる、と言ったことが考えられますが、時には素直にセールスマンになるということも、もちろん考えられます。

 知り合いのコピーライターA木さん(女性)は、この正月にコンパックのデスクトップパソコンを購入しました。彼女はこれまでずっとMacを使っていたのですが、父親と共有だったし、最近流行のiMacのデザインにも馴染めない(「すぐに飽きそうなデザインだもん」とのこと)ということもあって、自分のパソコンとしてWindows機購入に踏み切ったようです。

 そこでなぜコンパックなのか。NECでも富士通でもSONYでもデルでもゲートウェイでもなく、コンパック。確かにコンパックはブランドイメージが高いメーカーです。ただしそれはアメリカでのこと。日本ではマイナーとは言わないまでも、決してメジャーとも言えません。あまりパソコンに詳しくない女性の選択としては、結構意外な線です。そんな彼女がコンパックを選んだ理由はただひとつ。TOKIOの熱烈なファンだからです。

 TOKIOと言えば、SMAPとのセット売りで紅白に出させてもらっているという評判のジャニーズの中間管理職的グループ。コンパックのCMも、SMAPのNTTのCMのパクリのようで、決して評判になっているとは思えません。しかしながらやっぱり彼らにも熱烈なファンはいるのです。TOKIOが出ているからコンパックのパソコンを買う。実に広告キャラクターとして彼らを起用した甲斐があったという話です。

 パソコンは大昔からタレント広告が盛んな業界です。松田聖子が出ていたり斉藤由貴が出ていたり宮沢りえが出ていたりしたのは、もう10年以上前のこと。しかし、タレントでパソコンを選んで済むほど昔のパソコンはユーザーに優しいものではありませんでした。ところが最近のパソコンときたら、どのメーカーを選んだところで基本的には一緒。とりわけ女性に多いインターネットとメールが主目的ということなら、どのパソコンだって簡単に始められるのが売りですから本当に大差ありません。

 商品自体で差別化が図りにくくなるほど、広告におけるタレントは生きてきます。どうせ同じようなものなら、好きなタレントが出ているメーカーの商品にしようと考えるからです。現在、携帯電話各社は激烈なタレントによる広告競争を繰り広げていますが、パソコンメーカーも、商品に大差ないし、価格も下がってきて買いやすくなったしで、今後ますますタレント依存傾向が強まるのではないか僕は予想しています。起用するタレントとその使い方の善し悪しで、パソコンのメーカー別シェアが変動する時代がそこまで来ています。

 

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