幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月11日 ● 大河ドラマと月9の第一回。

 今年のNHK大河ドラマは『葵 徳川三代』。関ヶ原から400年の今年ならではのテーマです。第一回では特別編として関ヶ原の合戦をたっぷりと見せてくれました。徳川幕府誕生の大きな分岐点となったイベントとしてだけではなく、複雑多岐にわたる今回の登場人物群をまとめて登場させられるという意味もあったのでしょう。

 今年の大河は昨年の『元禄繚乱』とは対照的です。『元禄繚乱』が忠臣蔵を現代的な視点で描いた、ほとんど現代劇として作られていたのに対し、今年は時代劇の王道をいく徹底的にコンサバティブな作り方をしています。キャストを比べるだけでもそれは明確で、昨年はジャニーズをはじめトレンディドラマでお馴染みの人気タレントがぞろぞろと出てきたのに対し、今年は演技派のベテランが勢揃い。浮ついたところが全くありません。

 演出にしても去年は鈴木保奈美にしろ安達祐実にしろ吉田栄作にしろ滝沢秀明にしろ、役名よりも出演者名の方が印象に残りました。ところが今年はパッと見てこれは誰だ、とわかる役者がほとんどいません。それは無名の役者だからではなく、それぞれが役になり切っているからです。津川雅彦と西田敏行くらいはさすがにわかりましたが、それ以外は「あれ、江守徹かな」「うーん、もしかして蟹江敬三?」というくらい出演者名が引っ込んでいます。それだけ役者を見せるのではなくドラマを見せようとしている演出家の意気込みを感じます。

 そしてなにより特徴的なのが脚本ジェームズ三木のセリフ。とにかく見事なまでの重厚な言い回し。最近の時代劇はともすればわかりやすくするためか現代語のような軽いセリフが多いのですが、このドラマでは思わず聞き惚れるほどの伝統芸的セリフ回しが楽しめます。確かにこの脚本ではジャニーズのタレントにはこなせないかもしれません。

 若年層を切り捨てて中高年以上にターゲットを絞った大河ドラマ。これはこれでひとつの見識だと評価したいと思います。

 ところで大河ドラマ同様に高視聴率枠であるフジテレビの月曜9時。今回は中山美穂&金城武の『二千年の恋』です。事前の番組告知から不安には感じていましたが、もう見始めて10分でチャンネルを変えたくなりました、って言うか実際にNHKのSPEEDのドキュメンタリーに一瞬変えてしまいました。気を取り直してもう一度チャンネルを戻してみたものの、本当に見ていられないドラマです。

 金城武が某国(どうやら北朝鮮をイメージしているようです)の工作員として日本に潜入して、というあたりですでに「やばいな」と思っていたのですが、本当にリアリティのかけらもないコントのような展開に目を覆いたくなりました。ある意味では大映ドラマのように突っ込みどころ満載で面白いという見方もできますが、それでは懸命に演技している中山美穂や金城武が可哀想というものです。悪いのは脚本家と演出家なのですから。こんな高校生の作った映画のようなドラマでは、月9の復活は難しいでしょうねぇ。

 

とりあえず、読むたびに(1日1回)


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