幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月2日 ● 2000年に相応しいCM。

 テレビ番組の相変わらずのくだらなさに突っ込みをいれつつぼんやりとブラウン管を見ていると、CMの方はかなり新年から変わっていて時々ハッとさせられます。

 特に目立ったのはローソンのKONISHIKI。年末にチラッとその姿を見せた時には「なんだ、また小錦か。そろそろ食傷気味かな」なんて思っていたのですが、実際に年が明けてみると、小錦をリンカーンばりにローソンの新しいリーダーとして登場させていて、なかなかメッセージ性の高いCMになっています。

 かつてローソンのCMと言えば、ふんだんに有名タレントを起用して「金かけてんぞぉ」というスタイルで一世を風靡したものでした。ところが本体のダイエーが苦しくなったのに合わせるように、昨年からいきなりスケールダウン。出稿量は相変わらずなのに、タレント費だけ削ったようなCMで、どこかの偉いさんに「無駄使いしやがって」とか何とか言われ自粛ポーズを取っているのかと思わせるような地味さでした。

 今回もタレントは現在のところ小錦ひとりですから、かつてのように高額なタレント費は払っていないことでしょうが、ローソンがどうユーザーのために変わっていくか、というメッセージ性の強い表現になったために、インパクトもかなりアップしました。

 シリーズのひとつに「閑静な住宅街だったのにコンビニなんか出来ちゃって」というのがあります。ネガティブアプローチの典型ですが、コンビニでここまでシビアにやるとは思いませんでした。かつてのボルボの広告のようで、ローソンのCMが変わったことをユーザーに示すには相応しい第一弾です。2000年のローソンには大いに注目したいと思います。

 もうひとつ注目されるのが、シャープの液晶テレビCM。吉永小百合というビッグタレントを起用して、ブラウン管テレビを「20世紀に置いていくもの」、液晶テレビを「21世紀に持っていくもの」と規定してしまったメッセージは強烈です。こんなCMを流す以上、シャープはもうブラウン管のテレビを製造しないのでしょう。「液晶のシャープ」が売りとは言え、かなり思い切ったものです。

 ローソンといいシャープといい、企業が新しいミレニアムに当たり、自らの姿勢を強く示しているところが新鮮です。今や広告の世界は商品ではなく、ブランド・アイデンティティを売るのが主流ですから、この2つのCMはその文法にもきちんと則っています。そして、ここまで思いきるには、トップの強い意志がないととてもできません。そしてCMを見た社員は、必ずやトップのその意志を読み取って何かを感じるはずです。下手な年頭所感を発表するよりも、はるかに内外に自らの意志を感じさせることができるのですから、両社ともCM上手だと思います。  
 
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