SOULERO (ATLANTIC)

EDDIE HIGGINS (1965/8/25)

SOULERO


【パーソネル】

EDDIE HIGGINS (p) RICHARD EVANS (b) MARSHALL THOMPSON (ds)
【収録曲】

(01-02) TANGO AFRICAINE / LOVE LETTERS
(03-04) SHELLEY'S WORLD / SOULERO
(05-06) MR.EVANS / DJANGO
(07-08) BEAUTIFUL DREAMER / MAKIN' WHOOPEE
【解説】 ( 2013年04月21日更新 / 連載 1,073回 )

 前回 までのあらすじ ) 竹原を散策した。 で、弓削島に移動した。 1日目の宿に関しては ここ 参照。 ということで、 「尾道〜しまなみ海道らへんの旅 (2日目) 」 であります。 事前に頭の中に描いていた行程は これ 。 週末は全国的に大荒れになるとの予報が出ていたので、公共交通機関が乱れるという事態に備え、行動が全般的に前倒しになっちゃいましたが、初日はほぼ予定通り、行きたいところに行って、見たいものを見て、食べたいものを食うことが出来ました。 竹原での滞在時間を削った分、弓削島をゆっくり散策することが出来たんですが、どちらかというと竹原のほうが見所が多いので、どちらかを削るとなれば、弓削島だったな。 そんな気はするんですが、名前からして、削られて当然。 そんな感じだったりするしー。 でもまあ、強風で船が欠航になると、せっかくの露天風呂付き客室がパーになっちゃうし、やむを得ない選択でありました。 とまあそんなことで、2日目。 天気は回復傾向にあったんですが、まだ風は強いようで、露天ジャグジーでブクブクしている時に聞こえてきた町内放送によると、7時50分発、今治行きの 芸予汽船 は欠航が決まった模様。 ほぉ。そりゃ結構。 …とか言ってる場合ではなく、マジかよぉ! この日の予定では 10時25分発の船に乗って伯方島に上陸して、そこからバスで大三島の大山祇神社に行くことになっていたんですが、その便が運航する保証はどこにもありません。 運航というと、うんこネタしか思いつかないし、便というと大小便しか頭に浮かんでこなかったりするんですが、とりあえず対策を考えなければなりません。 幸い、部屋にパソコンがあったので、ネットを駆使して代替案を作成することが出来たんですが、とりあえず因島までの船は運航しているものと思われるので (←多分)、土生港まで行って、そこからバスに乗って生口島の瀬戸田まで行ってみることにしました。

 この瀬戸田というところは三原から船が出ているし、尾道からも船とバスが出ているので、上のほうからだとわりとアクセスが何とかなるんですが、下のほうからだと、めっちゃ不便。 大三島の大山祇神社と生口島の耕三寺はセットで回りたいところなんですが、公共交通機関では極めて困難だったりします。 生口島の路線バスは こんな感じ 。 愛媛県側からだと、しまなみライナーに乗って、瀬戸田BSで乗り換えることになるんですが、ここに止まるバスって、1日3便かよ! 頻尿の爺ィなら一晩に3回くらいは小便に起きるんですが、それにも惨敗しちゃうレベル。 ま、 「光明坊」 というバス亭まで歩けば何とかなりそうではあるんですが、クソ面倒っす。 幸い、この生口島の路線バスは因島の土生港発のやつが午前中に3便くらいはあるので、そいつを利用することにしました。 宿から歩いて弓削港まで行ってみると、芸予汽船のほうは絶賛欠航続行中。 最上級の惚れ方さ〜、続行〜♪ ( ← シブがき隊 「Zokkon命」 の節で歌ってね♪ ) 幸い、因島行きの弓削汽船は運航していたので、弓削島に幽閉される事態は避けることが出来たんですが、ということで、船に乗って、バスに乗りついて、 耕三寺 に到着〜。

< 耕 三 寺 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 回復傾向にあると思われていた天候のほうも今ひとつ思わしくなく、瀬戸田に着いた頃には小雨が降ってきたんですが、すぐに止んで青空も見えてくるようになって、結構な傾向でありますな。 とまあそんなことで、耕三寺。 “西の日光” などと呼ばれているようですが、出来たのは昭和の時代だったりします。 耕三寺耕三クンという金持ちが、カーチャンの菩提を弔うために東照宮の陽明門そっくりのパチモンの門、略して、パチ門を作ったという、それだけの話。 その後も金に飽かせて、日本の有名な仏教建築のパクリを造りまくったようでありますが、歴史的な価値は皆無だし、無駄にケバくて趣味が悪いし、世間の評価は今ひとつな模様。 入場料 1,200円って、ぼったくりだしー。 桜の名所ではあるらしいので、ネタ用に一応は押さえておくことにしたんですが、当初の予定では3日目に30分だけ見学時間を割り当てられておりました。 実際、入口の門のあたりとか、いかにもパチモンくさい雰囲気が漂いまくっていたんですが、中に入ってみたら思ったほど酷くはなくて、これはこれで、ありかもー? 幸い、桜が散りきらずに残ってくれていたんですが、ケバい色遣いの建造物が桜の花を引き立ててくれて、写真を撮るにはいい感じでありました。 歴史がないので国宝とか重要文化財とか、そういうのは駄目なんですが、一応は15くらいの建造物が国登録有形文化財というのに指定されている模様です。 ま、全国で 8,331件くらいあるらしいので、ぜんぜん大したことはないんですが、桑名だと、ちんこくさんの楽翁公百年祭記念宝物館だとか、石取会館(旧桑名信用金庫京町支店) だとか。 わっ、ショボっ! あんなものと同レベルの扱いでは、耕三クンの努力も報われませんなぁ。。。 で、この 「寺の部」 のほうは思ってたほどテラ広くはなく、メガよりも下で、キロ広い程度だったんですが、奥のほうに 未来心の丘 というのがあるようなので、あまり期待せずに行ってみることにしました。 で、行ってみた結果、


< 未来心の丘 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 テラ凄ぇぇぇぇ! 辺り一面が真っ白な岩で覆い尽くされていて、ただただ圧巻。 想像以上の資源の無駄遣いでありまして、芸術としての出来がどうのこうのというより、その物量にただただ圧倒させてしまいます。 小高い丘になっているので海の眺めもいいし、いい感じに桜も咲いているし、ちょうどここを散策している間だけ青空が広がってくれたのもラッキーでありました。 ギリシャか、ここは!? そう思わずにはいられない光景でありまして、金の恐ろしさをまざまざと思い知らされました。 世の中、金や! 金さえあれば、何でも出来るんや! 一応、ひとつひとつの作品には意味が込められているようですが、例えば こんな感じ 。 あまのじゃくはいないか〜(笑)。 世の中、金があってもセンスだけはいかんともしがたいようですが、とまあそんなことで、寺の分にもどって、続いては 千仏洞地獄峡 。 入口のところに受付のようなものがあって、もしかして、別料金? …と思って、近づかないようにしていたんですが、そっと様子を窺ってみると、タダで入っても大丈夫そうだったので、入ってみることにしました。 結果、タダでも大丈夫だったんですが、ただものではありませんな、こりゃ。 善光寺みたいな立派なお寺にある戒壇巡り。 桑名の十念寺みたいなシケたお寺にもある戒壇巡り。 あれの不真面目バージョンとでも言いましょうか、どちらかというとお化け屋敷のノリ。 プラス、そこに鍾乳洞フレーバーを加味。 金にあかせて、無駄に本格的だったりするんですが、入口付近にはたくさんの地蔵が展示されていたりします。 ほれ 。 で、その先には様々なタイプの地獄の様子を描いたレリーフが掲げられていたりします。  ほれ( ← グロ注意!!) 金棒を振り回す鬼。 超バラバラな死体。 とてもこの世の光景とは思えません。 まるで地獄絵図のような凄惨さでありますな。 生首を手にぶら下げたり、思いきり刀で突き刺したり、あんたら人間じゃねぇ。 鬼や! …と、さすがにこれだけではあまりにも救いがなさ過ぎるんですが、先に進むと今度は “極楽の部” が現れるので、大丈夫。 ほれ 。 正直、今ひとつインパクトが薄かったりするんですが、 「地獄で仏」 の境地をお手軽に味わえるアトラクション。 そう考えれば、ま、納得のいくレベルではなかろうかと。 とまあそんなことで、耕三寺は、おしまい♪

 後から気が付いたんですが、 書院 潮聲閣 とか ミュージアム とか、そんな出し物もあったんですな。 これで1,200円なら、そこそこお得かもー? とまあそんなこんなで、ランチタイムっす。 事前に調べを付けておいた たこ処 憩 というところに行ってみることにしました。 クチコミにもあるように、見た目は地味。 超地味。 潰れたか? そんな不安がよぎったりするんですが、でも大丈夫。 ちゃんとやってました (2013年4月7日現在) 。 12時という超昼メシ時間だったんですが、客はほかに誰もいません。 後になって来ましたけどね。 普通の兄ちゃんと、松葉杖をついた兄ちゃんの2人連れ。 スキーか? スキーでコケて、左下腿骨を骨折したんか? それで1ヶ月半くらい仕事を休んだんか? だとすれば、著しく社会人としての自覚に欠けると糾弾せねばなりませんが、店の人は別に糾弾するでなく、「吸盤の唐揚げ。」 という注文に素直に頷いておりました。 ちなみに僕は 「たこ天定食」 とかいうのを頼んだんですが、食べてみたかったんですよね、たこの天麩羅。 店の人に 「白いご飯になりますけど、いいですかぁ?」 と聞かれたんですが、たこ飯とかは別に食べてみたくはないので、いいっす。 ということで、注文の品、到着。 ほれ 。 たこ天をアップにしてみると、ほれ 。 タコ以外に、大葉の天麩羅が1枚だけ付いておりました。 で、タコから食べてみました。 サクッとした衣の食感と天つゆの味が、美味ちい♪ で、その後、口の中にタコの固まりが残ります。 大ダコ入りのタコ焼きに入っている大きなタコ。 あれの数倍くらい大きいタコをずっと噛み続けているような感覚。 ずーっと噛み続けていても噛みきれることがなく、諦めて飲み込む他に手立てがないんですが、うーん。 新鮮なタコほど硬くて噛み応えある。 新鮮でないタコは柔らかい。 どうやらそういうものらしいので、何て新鮮で歯応えあるタコなんや! そう、感激するというのが正しい方策なんでしょうな。 たかがタコとは思えないような結構なお値段だったりするんですが、本場モノを堪能した。そんな気分に浸ることは出来たので、ま、よかったのではなかろうかと。


< 向上寺・潮音山公園 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、次。 耕三寺はまあ、パチモンにしては頑張っていたと思うんだけど、やっぱりパチでないものを見たい。 そういうホンモノ志向の人には 「向上寺」 がオススメ♪ ちょっとした山の上にあるので歩くのは大変なんですが、どうしても向上寺を見たいという向上心さえあれば、ぜんぜん大丈夫。 案内地蔵に導かれながら坂を上っていくと、やがて海が見えてきます。 桜も何とか散らずに生き延びております。 横切る電線…は、見なかったことにして、で、そうこうするうちに三重塔が見えてきます。 テラ国宝。めっちゃ本物。凄ぇぇぇぇ! 国宝の三重塔の中では最も新しいそうですが、それでも建立は1432年。 金閣寺において、立小便を笑われた僧侶が逆上、大騒乱に発展した。 そんな事件があった頃に建てられたんですな。 周囲は潮音山公園というのになっていて、桜の花は滅びかけていたんですが、ツツジがちょうど盛っておりました。 三重塔越しに見える穏やかな海は、これぞ “ザ・瀬戸内” といった感じ。 いいぢゃん♪ …とまあそんなことで、生口島は以上っす。 海沿いのエリアは翌日にまた再訪することになるんですが、とりあえずのところの

  【生口島の散策軌跡】 (←Click Here!!)

 歩行距離は3キロ強、所要時間は昼メシ込で2時間強。 耕三寺の博物館や平山郁夫クンの美術館も見るとなると、+1.0〜1.5時間といったところでしょうか? お手頃な半日観光コースでありますな。 とまあそんなこんなで、本土に移動。 瀬戸田港から尾道行きの船に乗る予定だったんですが、強風の為に欠航しておりました。 三原行きは大丈夫でした。 JR山陽線も50分くらい遅れていたし、大荒れの予想。 ぜんぜん大したことないぢゃん! …とか思っていたんですが、意外と色んなところに影響があった模様です。 個人的な理由により、三原駅から福山まで行って、会社用の義理お土産&自分用のおやつとして、 「檸檬クッキー」「乳団子」 を買いました。 ヘンなのを持ってって会社の人に “乳好き” だと誤解されても嫌なので、後者が自分用です。 庄原のお土産なので、今回の行き先とはあまり関係がないしー。 んなもん、福山で売るなよ! そう思わずにはいられませんが、大の “乳好き” である僕としては、大いに期待♪ で、食べてみた結果、どうだったのかというと、うーん…、ちょっと微妙? 団子というより餅系で、乳の味があまり感じられませんでした。 ほぼ羽二重餅っすな。 甘くってモチモチしていて、美味ちい♪ が、 「乳団子」 ではないっすよね、これ。 で、檸檬クッキーのほうはというと、普通に檸檬のクッキーでありました。 美味しいんですが、サイズ的にこれを1枚だけ配布されると、ちょっと微妙? ま、義理だからこんなものでいいんですけどね。 で、それらのお土産と、使用済みのパンツなんかを駅のコインロッカーに詰め込んで、ちょっぴり身軽になったところでJR山陽線に乗り込んで、来た道を少し戻って、尾道に到着〜。 意外と駅前は普通に都会だったりするんですが、人口142,281人っすか。 ほぼ桑名と同レベルですな。 駅前はかなり小綺麗に整備されています。 で、すぐ近くまで山が迫ってます。 見上げると、 こんな感じ 。 尾道城が見えておりますな。 お隣の福山城に対抗して、何の由来もないのに昭和の時代に商工会のオッサンが建てちゃったみたいですが、今は廃墟と化しております。 その隣に見えているのが ビュウセイザンホテル 。 予約を入れたものの途中で気が変わって、 千光寺山荘 のほうに鞍替えしちゃったので、ちょっぴり後ろめたいものがあったりするんですが、とりあえず千光寺公園を目指して、移動開始〜。 駅からバスに乗って、そこからロープウェイに乗るというのが楽なアクセス方法であるようですが、歩いて歩けない距離でもなさそうなので、とりあえず歩いてみることにしました。 「古寺めぐりコース」 という看板があったので、それに従うことにしたんですが、噂に聞いていたとおり、狭い坂道だらけの町なんですなぁ。  こんなん とか、 こんなん とか。 個人的に尾道には多大なる期待を抱いていたんですが、思っていたほどの絶景というワケでもなくて、正直、微妙な感じが。 お寺のほうも現時点ではシケたものばかりだし、時おり小雨が降る生憎の天気だったからなのか、楽しみにしていたネコも こいつ 1匹だけだしぃ。うーん。。。


< 尾道散策(夕暮れ編) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 …とか思っていたんですが、駅から離れるにつれて、且つ、山を昇っていくにつれて、だんだんと雰囲気がよくなってきました。 天寧寺の三重塔はさすがに国の国重要文化財だけあって、丁寧な造り。 スマートさよりも寸胴さが目立つんですが、1388年の築造なので、向上寺のやつよりも歴史は古いんですな。 で、山の上からは川のように狭い尾道水道やら、そこに架かる尾道大橋やらがよく見えて、素敵♪ 前日来の大荒れの天気にも負けず、桜の花の何とか散らずに残っていてくれたし、 千光寺 というお寺もテラいい感じだったし、展望台からの展望もブラボー♪ とまあそんなこんなで、

  【尾道の散策軌跡】 (←Click Here!!)

 展望台にたどり着く手前で切れちゃってますが、距離にして約2キロ。 歩こうという気になる、ぎりぎり限界でありますな。 ただ、終盤は標高差100m級のプチ登山だったりするんですけど。 今回の僕の場合、山を登りきったら、後は宿に向かって、チェックインして、部屋でダラダラして、ぐだぐだして、風呂に浸かって、飯を食えばいいだけなので、頑張ろうという気になったんですが、そうでない場合は大人しくロープウェイを利用して、帰りに歩いて山を下りながら周囲を散策するのがベターでしょうな。 とまあそんなことで、最初はちょっと微妙かと思った尾道も、結果的には期待通りの出来だったワケでありますが、で、この続きは、次回♪

 ということで、エディ・ヒギンズです。 誰? …と聞かれると、僕も困るんですが、遙か昔に取り上げたことがあるような記憶が。 えーと、 これ っすな。 ああ、この若々しい顔の白人の兄ちゃんでありますか。 で、今回は 『ソウレロ』 というアルバムを取り上げたいと思うんですが、こちらは若々しい顔の姉ちゃんがジャケットを飾っておりますな。 最近、似たようなヤツの絵を描いた記憶があるんですが、えーと、 これ っすな。 髪型や、顔の大きさや、顔の傾き具合が違うので、今回、これをそのまま流用するわけにはいかなさそうなんですが、で、今日も前半が長過ぎて、かなり押し気味なので、早速本題に入ることにしましょう。 ということで、1曲目。  「タンゴ・アフリケイン」 。 次回の旅は8月頃、行き先は丹後半島にしようか? そう画策しているところだったりするんですが、途中まではクルマで行って、パーク・アンド・ライドで北近畿タンゴ鉄道に乗ってみようかと。 で、お土産に 「乳タンゴ」 でも買ってみようかと。 ま、売ってないとは思うんですけど。 で、曲のほうはアレです。 タンゴです。 でもって、アフリケインです。 ゆったりとしたテンポで、グルーヴィな雰囲気が漂っていて、悪くないっす。 ちょっぴりB級っぽいベタな空気も感じられたりするんですが、眉間に皺を寄せて聴くべきタイプのピアニストとも思えないので、ま、いいかと。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次。  「ラブ・レターズ」 はビクター・ヤングが同名の映画の主題歌として書いたナンバー。 そう、日本語ライナーに岡崎正通クンが書いているので、それで間違いないものと思われます。 物事に精通してますからね、正通クン。 曲そのものは愛に満ち溢れたラブリィ&キュート路線でありまして、ヒギンズくんは小粋なタッチで、軽やかにカロヤン。 そんな仕上がりだったりして、ま、いいんじゃなかろうかと。 バラードぉ? …と思わせておいて、すぐにテンポが速くなって、スインギー路線に転じるという手法なんですが、マーシャル・トンプソンのブラッシュ・ワークもなかなか軽快でありますな。 最終的にはアップ・テンポといっていいくらいまで加速することになるんですが、とまあそんなことで、次。  「シェリーズ・ワールド」 。 物事に精通している正通クンによると、アルバムの監修をつとめたビル・トラウトがヒギンズの娘のために書いた作品。 そういうアレらしいっす。 シェリーたんという名前なんでしょうな、ヒギンズの娘。 で、トラウトは恐らく、鱒好きのオッサンではないかと推測されるんですが、鮭がサーモンで、鱒がトラウトなんですよね、確か。 ワルツ・タイムの何ともラブリィ&キュートな作品に仕上りだったりして、とてもマスが書いたとは思えなかったりするんですが、「ワルツ・フォー・デビー」 の亜種というか、そんな雰囲気が漂っていたりします。 精通とか、マスが書くとか、今日の解説は何だか不健全な空気が漂っているんですが、ヒギンズのプレイは健全そのものなので、うぶなギャルにも超安心。 とまあ、そんなこんなで4曲目。 アルバム・タイトル曲の 「ソウレロ」 。 「早漏」 ではありません。 …って、また不健全な方向に話が逸れてしまいそうなんですが、ベーシストのリチャード・エヴァンスが書いたオリジナル。 3拍子のしっかりした構成のナンバーで、アーマッド・ジャマル・トリオあたりに通じる洗練されたノリを持っている。 そういうアレのようです。 物識りの正通クンをしてもタイトルの意味には触れられていないんですが、ググってみてもこのアルバムしか出て来なかったりして、よく分かりませんでした。 ソウル・エロ、略して、ソウレロ? その真偽の程は定かではないんですが、言われてみれば確かに、ちょっぴりジャマルっぽいっすかね? というかこれ、3拍子っすかぁ? ツン、チャカチャチャチャン、ツン、チャン♪ そんなリズムに思えたりもするんですが、スインギーなノリっぷりがなんとも 「のりピー」 で、すっからピー、たのピー♪ ( ← 「のりピー語辞典」 参照。 )

 で、次。 ここから後半っすな。 ここまで来れば今日は終わったも同然なんですが、5曲目の 「ミスター・エヴァンス」 はベーシストのリチャード・エヴァンスに捧げられたエディ・ヒギンズのオリジナルっすかね? 日本語ライナーを読む前に、想像で書いてみたんですが、書いてから読んでみたら、リチャード・エヴァンスが自分で書いた曲でした。 僕が 「さばくん」 という名前のサバの燻製を売りに出すようなものですな。 こちらはラムゼイ・ルイス・トリオを思わせるハッピーな1曲だ。 そう、レビューにあるように、コール&レスポンスなゴスペル・タッチの作品に仕上がっております。 無論、エヴァンスのベース・ソロもたっぷりフィーチャーされております。 ヒギンズのプレイそのものは泥臭さとは無縁なんですが、この人なりのファンキーさは十分に感じることが出来る、豚汁。 そういったアレだったりして、で、続いてはお馴染み、 「ジャンゴ」 でありますか。 出だしはバラード調に、しっとりと。 途中からテンポを速めて、スインギーに。 ただし、格調の高さを損なわぬように。 この曲を演る場合の黄金パターンは、なかなか崩すことが出来ないようですが、ここでのヒギンズは格調最優先といったところでしょうか? 「特捜最前線」 みたいで、ちょっと語呂がいいっすよね。 スインギー要素はどちらかというと抑え気味なんですが、決して退屈な展開というわけではなく、最後までそれなりのテンションを維持していて、とまあそんなこんなで、ゆったりとしたテンポのテーマに戻って、おしまい。

 で、続いては日本人の小学生にも超お馴染みな作曲家であるフォスターの作品で、 「ビューティフル・ドリーマー」 。 これ、英語で歌えるという日本人も少なくないんじゃないでしょうか? 僕も大丈夫です。 ビューティフル、ドリーマー、ふんふんふふー、ふんふんふ、ふんふんふ、ふんふんふ、ふー♪ 完璧っすな。 ジャズの世界で取り上げるというのは、ちょっと珍しいような気もするんですが、ヒギンズのピアノ・スタイルにはとてもよくマッチしていて、近藤真彦も納得の仕上がり。 人命救助さりげなく。 和歌山の白良浜で溺れている男児を救助して、新聞にそう書かれていましたよね、マッチ。 I got you baby, I need you baby, I want you baby, Right on! …とか言ってるうちに、ラストっす。 ウォルター・ドナルドソンが1928年に書いた古いスタンダード曲らしい 「メイキン・フーピー」 。 このタイトルを見ると、どうしてもウーパールーパーが頭に浮かんできてしまうんですが、ウーパーとフーピー。 そんなに似てはいないんですけどね。 「ウーパールーパー丼」 で画像検索するとかなりグロいのが出てくるので、まったくもってオススメはしないんですが、うわぁ、こんな姿、見たくなかった。。。 アナゴやフグに似た味なんだそうですが、よく考えてみたらタコの天麩羅なんても、けっこうグロい食い物ですよね。 ぶつ切りになっているからいいようなものの、イイダコを丸揚げにしたヤツだったりすると、ちょっと嫌かも? ちなみに 「イイダコを丸揚げ」 でググると、何故だか 「イカの 丸焼き」 に強制変換させられるんですが、イイダコの天麩羅というのは普通にあるみたいです。 画像を見たら、やっぱりプチグロ。 で、一方、曲のほうはというと、普通に小粋なのでまったく問題はないんですが、ゆったりとしたテンポで、何とも言えないノスタルジックな空気が漂っておりますな。 …と油断させておいて、途中からテンポが速くなるのは2曲目と同じ手法なんですが、ちょっぴり、ザ・スリー・サウンズを髣髴させるサウンドだったりして、ベースやドラムスの人も適度にフィーチャーされていて、でもって、今日は以上です。

【総合評価】 肩肘張らない、小粋なピアノ・トリオ。 そういった仕上がりだったりして、辛口のオタからは激しく馬鹿にされそうなんですが、ま、たまにはいいんじゃないっすかね? 粋がるばかりが能じゃない。 静かに微笑むとってもオトナな貴男に、オススメ♪


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