【アルバム名】
EDDIE HIGGINS (VEE JAY)
【リーダー名】
EDDIE HIGGINS (1960)
【パーソネル】
EDDIE HIGGINS (p) RICHARD EVANS (b) MARSHALL THOMPSON (ds)
PAUL SERANO (tp) FRANK FOSTER (ts) JIM ATLAS (b)
【収 録 曲】
ZARAC,THE EVIL ONE / FALLING IN LOVE WITH LOVE /
YOU LEAVE ME BREATHLESS / AB'S BLUES / BLUES FOR BIG SCOTIA /
FOOT'S BAG / SATIN DOLL / HOW LONG HAS BEEN GOIN' ON /
LITTLE GIRL BLUES / UNKNOWN BLUES
【内   容】
 ここに1冊の本があります。福島章著「非行心理学入門」(中公新書)。中公新 書というのは中央公論新書の略であって、中堅ハチ公新書の略ではありませんね。だい たい、それを言うなら「忠犬」やし。そういえば全然関係ありませんが鉄鋼業界には「 鼠鋳鉄」というのがありますよね。「ねずみ・チュウてつ」。なんか、むっちゃラブリ ーって感じ。おもわず「犬わん鉄」とか「猫にゃー鉄」とか作りたくなりますよね。い いなあ、ねこにゃー鉄。というような、どうでもいい話はおいといて、と。この本の冒 頭には、いかにも非行少年らしいネーミングの「少年A」というのが登場します。この 少年、小学校時代はとくに問題行動はなかったのですが、中学に入るとすぐに非行に走 りました。いわゆる「中学デビュー」というやつですね。以下、この少年の非行的行動 を列挙してみましょう。
 
中1:飲酒、シンナー吸引、睡眠薬遊び。
中2:いんねんつける。金をたかる。校庭に石灰をまく。行為室、なんていう漢字 変換をしてくれるのだ。更衣室にシンナーをまき、火をつける。
 
そしてついに、おそるべき悪の道にまで手を染めてしまったのであります。
 
保険室に入りこんで「ミイラ男」と称した。
 
なんてことするんだ、少年A!ついでにこの頃から自傷癖も見られるようになり、 カミソリで自分の腕を傷つけたり、タバコの火を身体に押しつけたりしたらしいです。 いわゆる「根性焼きに目覚める年頃」と言ったところでしょう。さて、続いては少女B の話。彼女の不良行為は、なかなかに独創的なものがあります。
 
・他人の家にあがりこんで赤ちゃんの顔をひっかく。
・老人の挿し歯を引き抜く。
・よその家の飼犬をかってに連れ出して電信柱に縛りつけて鞭打つ。
 
「女王様とお呼び!」タイプですね。お、シンナー遊びの話もあるなー。なんでも シンナー遊びは昭和40年代の始めに、群馬県太田市または北海道釧路市の少年が発見 して始めたのが最初だとか。お前やったんかい、太田!(←動物好きの26歳。特にカ バがお気に入り。)今でも太田市と釧路市では「シンナー遊び発祥の地」を巡って、「 うちが元祖だ!」「うちが本家だ!」という争いが絶えないそうです。そこに桑名市も 参入して、「うちはハマグリや!」
関係ないやん、桑名市!
 
 @ さて本日はエディ・ヒギンズ。先週買ったMPSとヴィージェイのCDのう ち、ヴィージェイ盤の『エディ・ヒギンズ』(←そのまんま。)いってみましょう。別 テイクがわんさとついて「+7」という無茶なCDとなっております。オリジナルでい うと9曲入りなんですが、うち3曲がホーン入り、残り6曲がトリオ演奏という構成に なっております。ホーン入りのほうはポール・セラーノとフランク・フォスター。こう 言っちゃなんですが、「それほど嬉しくないなー。」という感じのサイドですね。そん な失礼なことを言ってはいけません。1曲目、「ザラック・ジー・イーヴル・ワン」は エディ・ヒギンズのオリジナルでクインテットによる演奏。エディちゃんは白人の兄ち ゃんなんだけど、むっちゃファンキーな曲やん!こういうウォーキング風のベースのイ ントロで始まる演奏って個人的には族族、いや、ゾクゾクするなあ。賊賊という漢字で もいいですね。俗俗だとちょっぴり俗っぽくなっちゃいますが。いいなあ、こういう「 B級ハードバップ」の香り。ソロ1番手はエディ・ヒギンズ。ヴィージェイだからか、 ちょっぴりケリーみたいな感じもしますね。続くセラーノのトランペットは音色的には 毛に井戸ハム(ケニー・ドーハムです。念のため。)みたい。フレージングでいうとナ ット・アダレイかなあ。続くフランク・フォスターのソロも悪くありません。フォスタ ーってサイドに入っていると「なんだ、フォスターかぁ。」って感じなんだけど、聴い てみると意外と悪くなかったりします。ということで、アルバム冒頭のこの1曲だけで 「買い」です。
 
 2曲目はスタンダードの「恋に恋して」。池で飼ってるサカナと花札遊び?それ は「鯉とコイコイして」。するなよ。トリオ演奏です。トリオになるとちょっと特徴が ぼやけますね。なんとも言いようがないので3曲目。再びクインテットになって「ユー ・リーブ・ミー・ブレスレス」。歌モノっぽい演奏です。フォスターのソロがなかなか よく歌っております。つづくセラーノのトランペットも、よく知らん人のわりには健闘 しております。今度はそれほど「ナットはいって」ませんが。エディのピアノもそんな に「ケリーはいって」ないです。先程の論理が崩壊しそうなので、急いで4曲目いきま しょう。「ABズ・ブルース」、日本名「海老のブルース」。ヒギンズのオリジナル。 軽快にスイングする快調な演奏です。CD解説で岡崎正通センセーは「ピーターソンみ たい。」と書いてますが、そうかもしれません。と、他人に責任転換しておいてと。そ のピーターソンのオリジナルが5曲目の「ブルース・フォー・ビッグ・スコティア」。 白人にしてはかなりディープな味がありますね。ソロは途中からダブル・テンポになっ て大いに盛り上がってるかい?状態。これまたやっぱりピーターソンっぽいですね。
 
 6曲目の「フッツ・バッグ」、日本名「富津の鞄」はヒギンズのオリジナル。ク インテットで演奏されます。ラテン風のリズムにのった、エキゾチック風のナンバー。 いい曲書くやん、エデ・ヒギくん。ここでもやっぱりフォスターが好演しております。 むっちゃモダンです。やってくれます。続くセラーノも好演しております。やってくれ ます。ヒギくんのピアノもやってくれます。以上、やってくれました。拍手。続いて「 サテンドール」。一転してカクテルピアノっぽい弾きっぷり。リチャード・エバンスの ベースが張り切きっております。次。「ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイ ン・オン」はガーシュイン・ナンバー。この曲聴くと、なんか知らんが学校から家に帰 りたくなるなぁ。こんな感じの曲、小学校の下校時間に校内放送で流れてませんでした っけ?もっとも土曜日の「集団下校」の時は「交通安全マーチ」でしたが。手をあげて 〜、合図して〜、横断歩道を渡ろうよ〜♪大きなお世話やっちゅうねん!アルバムの最 後を飾るのは「リトル・ガール・ブルー」。ワルツタイムのイントロがむっちゃ「昼下 がりのシナモンティーとアップルパイ」風。やっぱりあんた、白人やわ。ってな感じ。 テーマに入ると「しっとりタイプ」になりますが。個人的にこの曲、好きなんですよね ー。(ロリコン趣味?)ベースの有る子、いや、アルコも重厚ムードを醸し出していま す。アルバムの最後を飾るにふさわしい、「ちょっとした小品」でありました。という ことで、別テイクは無視。
 
 結論:いやあ、なかなか。


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