MAL−1 (PRESTIGE)

MAL WALDRON (1956/11/9)

MAL-1


【パーソネル】

IDREES SULIEMAN (tp) GIGI GRYCE (as)
MAL WALDRON (p) JILIAN EUELL (b) ARTHUR EDGEHILL (ds)
【収録曲】

(01-03) STABLEMATES / YESTERDAYS / TRANSFIGURATION
(04-06) BUD STUDY / DEE'S DILEMMA / SHOME
【解説】 ( 2012年12月09日更新 / 連載 1,056回 )

 ということで、 和歌山の旅 (2日目) です。 初日 は周参見でイノブタを食べて、白浜に移動して、白良浜を散策して崎の湯に浸かっただけで終わってしまったんですが、天気が今ひとつだったせいもあって、写真の出来も何だか地味でありましたなぁ。 が、今回は大丈夫。 お天気も回復してご陽気だったし、千畳敷、三段壁、円月島、アドベンチャーワールドという “白浜四天王” な観光スポットを網羅しちゃったので、 モーラー くらいにはソソられるネタが展開されるのではなかろうかと。 自分で動くのかと思ったら、人間が糸で操ってるだけやんっ! そんなオトナの裏事情が発覚して、この上なく期待外れだったんですけどね、モーラー。 騙されてムカついて、壁に投げつけたり、床に叩きつけたり、鉛筆で刺したりといった虐待を繰り返して 「傷だらけのモーラー」 にしちゃった人もいると思うんですが、とまあそんなことで、まずはこちらから。


< 千畳敷〜三段壁 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 お泊りしていた湯崎館のすぐ近くの 「湯崎」 というバス停からバスに乗って、 「千畳口」 というところで降りると、そこが千畳敷の口あたりです。 歩いても行けそうな距離なんですが、アドベンチャーワールドでかなり歩くことになると思うので、ここは体力温存の方向で。 明光バスの 「とくとくフリー乗車券」 というのを買ったので、無理にでも使ったほうが得した気分になるしー。 とまあそんなことで、千畳敷。 どういうところなのかというと、見ての通りです。 ちなみに写真の出来はというと、失敗しました。 夜、暗いところで撮ろうとする → シャッタースピード、遅っ! → ISOを上げる → 結果良好 → 満足する → 温泉に入る → 飯を食う → 酒を飲む → 寝る → 何もかも忘れる → 新しい朝を迎える → 写真を撮る → 快調にバチバチ撮りまくる → 白飛び&高ノイズ作品量産 → ガックシ。 そういう経緯をたどった上でのISO1600なんですが、幸いRAWで撮っていたので、何とか現像でごまかした若山弦蔵。 そういうアレだったりします。 で、千畳敷はアレでした。 三段壁に比べると何かショボそうなので、あまり多くは期待していなかったんですが、それが幸いしたのか、思ってたよりもよかったっす。 岩が柔らかく、誰でもお手軽に硬貨とかで彫刻出来るみたいで、いたるところ落書きまるけだったりするんですが、それもまた御一興。 「都市公園の損壊行為は10万円以下の罰金」 という条例も作ったみたいですが効果はなく、落書きをやめさせるにはもっと抜本的な対策が必要な気がします。 硬貨を軟骨製にしてやれば柔らかくて岩が掘れなくなって効果抜群だと思うんですが、この画期的なアイデア、5万円以下の賞金で譲ってあげていいと思っているので、もし白浜町の役場の人がこれを見ておられましたらご連絡のほど、ヨロシク!

 ということで、続いては三段壁。 千畳敷から余裕で歩いていける距離で、遊歩道もあるということなのでバスの利用は見合わせることにしたんですが、どこをどうやって遊んで歩けば遊歩道なのかがよく分からなくて、普通の道路を適当に歩いた結果、 洞窟 の辺りにたどり着いたんですが、まだ時間が早かったからなのか、他に観光客はあまりいなくて、一人では入り辛い雰囲気が漂いまくっていたし、バスの時間もちょっとアレだったので洞窟探検はヤメにして、とりあえず展望台らしきところから周囲を眺めるだけにしました。 千畳敷に比べると相当にイケてそうなので、思い切り多くを期待していたんですが、それが災いしたのか、思ってたよりもちょっとアレでしたな。 もうちょっとデンジャラスなのかと思ったら、凄く立派な柵が設えてあったりして、高所超恐怖症の僕からしても、ちょっと物足りないような。 が、改めて (写真・下から2番目) を見ると、何にも柵がない崖のところに人が立ち入ったりしておりますな。 どんなことろにも出没する磯釣りの奴らは、滑ってコケで膝の皿が割れようが、高波にさらわれようが、自業自得としか思えないので別にどうでもいいんですが、右端の崖の上には普通のオバチャンらしき人たちの後ろ姿が。 遊歩道だとこういうところを歩かされるんですかね? とても遊び半分で歩けるとは思えなくて、行かなくてよかったぁ♪ そう安堵すると同時に、ちょっぴり損しちゃったような気もするんですが、ま、洞窟共々、次回の課題ということで。 で、よく見ると (写真・いちばん下) にも磯釣りの奴らの姿が見えたりするんですが、どこからどうやってそこまで降りたのか、命知らずにも程があります。 下手に崖を降りたりするよりも、一度海に飛び込んでから這い上がったほうが楽に思えてしまうんですが、こうして見ると確かになかなかの崖っぷりだったりするので、過度の期待さえ持たなければ、ま、普通にオススメな観光スポットと言えるのではなかろうかと。 で、今回僕が歩いた道のりは、このようになっております。

  【千畳敷〜三段壁の散策軌跡】 (←Click Here!!)

 遊歩と洞窟抜きで 37分23秒。 抜かなければ、所要時間は1時間といったところでしょうか? 明光バスの運行系統は こう なっていて、白浜駅から反時計方向に三段壁まで行くバスはけっこう本数が多いんですが、三段壁からアドベンチャーワールドに向かう便は1時間に1本程度。 乗り遅れると大変なので洞窟は諦めることにしたんですが、おかげでバスの発車時刻には余裕で間に合いました。 湯崎から千畳口までの区間は僕以外には誰も乗っていなかったので、明光バス=超赤字。 そんなイメージだったんですが、アドベン方面行きのバスは超満員。 白浜の観光スポットの人気の度合いは、アドベン>>>(超えられない壁)>>>三段壁。 そういう状況にあるようです。3段くらいの壁では済みませんな、こりゃ。 とまあ、そんなこんなで、到着〜。 さすがは3連休の中日だけあって、かなりの人出でありますなー。チケットを買うにも10分くらいは並ばなければなりません。 あまりにも情けない話なので黙っていようかと思ったんですが、恥を忍んで告白すると、実は湯崎館でチェックアウトする時に前売りのチケットを買ったんですよね。 200円引きで 3,600円でした。 高っ! ま、水族館の部1,300円+サファリの部1,200円+遊園地の部500円+特別パンダ代800円−割引き200円=3,600円と考えれば、諦めかつかないこともないんですが、その決してお安くないチケットをわずか5分で紛失しちゃったんですよね、僕ってば。 必至で探したんですが、見つかりませんでした。 探し物はなんですかー? (アドベンのチケットや!) 見つけにくい物ですかー? (小さな紙切れ1枚や!) 鞄の中も、財布の中も、ポケットの中も探したけれど、見つからないのに、まだまだ探す気ですかー? (探すわいっ!) それより僕と踊りませんか? (踊ってる場合じゃねえ!!) 領収証と一緒に受け取って、宿のオネーサンに 「無くさないで下さいねー。」 と言われて、確かに無くしそうやな、こりゃ。 そのように思った記憶はあるんですが、歩きながら領収証を畳んで鞄にしまったりしているうちに、風でどこかに飛んでっちゃったみたいです。 「探すのをやめた時、見つかることもよくある話で♪」 という展開に一縷の望みを託してバスに乗り込んだんですが、結局、アドベンに到着した時点でも発見出来ず。 仕方がないので10分くらい並んでチケットを買ったんですが、バスのフリー券に付いていた100円の割引券を使って、3,700円。 完璧、無駄な出費でしたな、こりゃ。 ま、パッケージの写真に惹かれて買った “すけべビデオ” が大ハズレだったと思って諦めるしかありませんが、で、チケットを買ってから何気なくパンツの中に手を突っ込んでみたら、ああん、こんなところにぃ!! …とか、そういった展開もなくて未だに見つからず仕舞いなので、ま、しゃあないな。 そんな気はします。 とまあそんなこんなで中に入って、何はともあれ アドベンチャーワールド と言えば


< 白浜アドベンチャーワールド(その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ぱんだ〜♪ 今年の8月10日に生まれた優浜(ゆうひん)タンを見るのに、1時間ほど並びました。 焦らされたわりには写真の出来が今ひとつだったりするんですが、凄く混んでいるので 「歩きながらの見学」 ということになって、じっくりと腰を据えて撮ることが出来ませんでした。 ちょっとでも立ち止まろうとすると、係のオネーサンにそれとなく注意されるんですよね。 オネーサンに嫌われたくない。 決まり事をちゃんと守ってくれる、素敵な好青年やわぁ♪ そう思われたい一心で、必要以上に 「歩きながらの見学」 をした結果がコレなんですが、赤パン、後ろ姿しか写ってねぇ。。。 ま、赤ちゃんパンダ以外の普通パン、特に外に放置されていた、たぶん双子と思われる奴らは十分に激写することが出来たので、7,500円 (←チケット2枚分) の元は十分に取れた! そう、自分に言い聞かせでもしないとやりきれませんが、こうやって改めて値段を書くと、失ったものの大きさが実感出来ますなぁ。 来年の6月1日から大人の入園料が4,000円になるみたいで、落としたのが値上がり前だったのは不幸中の幸いなんですが、でもって、(写真・上から3枚目と4枚目) のモデルではないかと思われる双子パンの愛浜(あいひん)と明浜(めいひん) は中国に旅立っちゃうんですな。 一般公開は12月10日までのようで、ぎりぎり、その勇姿を見ることが出来たのはラッキーでありました。 仰向けに寝転がってバリバリを笹を食いまくっておりましたが、中国でも元気に笹を食って欲しいと願わずにはいられません。 あっちに行っていきなり 「油淋鶏、ウメぇ!」 とか言い出したら、それはそれでアレなんですけど。

 ということで、続いてはサファリの部。 サファリというと基本、自家用車で回るというイメージが強いんですが、ここの場合は ケニア号 だったり、 自転車 だったり、 歩き だったり。 幸せ家族な人たちは カート に乗っていたりして、正直、ちょっぴりうらやましかったりしたんですが、4人乗り 4,000円/台もするんですかー。 高っ! そんなところに無駄金を費やすくらいなら、チケットを紛失する道を選びますね、僕なら。 歩きのほうがじっくりと写真を撮れたりするしー。 で、その成果の程はというと、 (写真・いちばん下) のヤツだったり、


< 白浜アドベンチャーワールド(その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 こいつらだったり。 基本、草食動物にはヤル気が感じられたんですが、肉食動物はダラケきっておりました。 で、カンガルーはおっさん臭かったっす。 とまあそんなことで、アドベンは以上です。 イルカのショーとかも凄く評判がいいみたいですが、ひとりだと浮いちゃいそうなので、ペンギンをざっと見る程度にして、水族館と遊園地の部は今回はパス。 で、歩行の記録はこんな感じでありました。

  【アドベンチャーワールドの散策軌跡】 (←Click Here!!)

 やっぱり4キロくらい歩いてますなー。 4,000円払ってもカートで楽したい気持ちが分かりますが、所要時間はパンダ+サファリだけなら3時間弱といったところ。 赤パンの人気が低下すれば 30分ほど時間を節約出来るものと思います。 その後の予定やら都合やらがあったので、僕は昼過ぎに退場することにしたんですが、高い金を払って半日で帰る人はいないみたいで、白浜駅行きのバスの乗客は僕一人でありました。 駅のコインロッカーに荷物を預け、再び明光バスに乗って、 とれとれ市場 に向かうことにします。 観光客向けの市場で、地元民の評価は必ずしもよくなかったりするようですが、昼メシを食ったり、お土産を買ったりするのに、観光客にとっては便利で無難な選択だったりするので、人気は上々。 駅からのバスもまずまずの乗車率でありました。 韓国人っぽいペヤングが僕の後ろに座っていて、 「次は、とれとれ市場前〜。」 という車内放送が流れて、率先して僕が「次、降ります。」のブザーを押したところ、ギャルのほうに 「スミマセン、とれ、とれ?」 と聞かれたので、 「次、とまりますよー。」 と、親切に教えてあげたんですが、 「こいつ、何言ってんの?」 みたいな顔をされて、相手は無言のままで会話が途切れてしまって、何か不満。めっちゃ不満。 で、バスが “とれとれ前” に着いて、韓国っぽいペヤングを含む多数がここで降りたんですが、無駄に広い駐車場はクルマでびっしりと埋まっていて、えらく盛況でありますな。 食い物屋コーナーには長蛇の列が出来てきて、当分、食い物にありつけそうにはありません。 ここで食うのは諦めて、とりあえずお土産 ( ←「かげろう」 ほか) を買って、市場の中にある宅急便コーナーで自分ちに送りつけて、隣接する とれとれの湯 に移動〜。 この日は串本まで行って、 「民宿はし杭」 というところに泊まることになっているんですが、ここは部屋に小さな風呂が付いているものの大浴場はないので、白浜で温泉に浸かっておこうという、そういう算段だったりします。 お値段は700円。 昼メシとのセットで1,200円というのがあったので、それにしました。 Aランチ、Bランチ、Cランチの3種類が日替わりになっていて、そこから選択するというシステムなんですが、この日のメニューは(A)まぐろ丼とざる蕎麦 (B)何だったか忘れた (C)鶏の唐揚げ定食。 そんな感じ。 とりあえず鶏の気分ではなかったので、(A)をチョイス。 これがなかなか泣けました。 泣けるほどショボイとか、涙が出るほど美味しいとか、そういうことはなくてめっちゃ普通だったんですが、まぐろ丼もざる蕎麦もワサビがめっちゃよく効いて、マジ泣きしそうになりました。 品質的に650円くらいの価値はありそうだったので、ま、150円くらいはお得と言えるのではなかろうかと。

 で、続いて風呂の部でありますが、こちらは小綺麗なスーパー銭湯風で、まったく問題無し。 風情とか泉質とか白浜らしさといった点で低い評価を下す温泉通の人とかもいるようですが、そういうのは前日の崎の湯で満喫したので、別にいいぢゃん。そんな気がします。 地図を見ると海からちょっと離れているんですが、高台にあるので露天風呂からの景色が最高っ♪ いやあ、よかったっす。 ということで、続いては円月島。 「白浜四天王」 の中で、時間がなければここはパスしてもいいかなという気がしていたんですが、天気がよければ話は別。 とにかく夕日が最高らしいんですよね。 幸い、この日は雲ひとつない絶好の夕日観賞日和でありまして、これはもう、行くしかありません。 「臨海」 というバス停から歩いてすぐみたいなんですが、ここを通るバスは本数が少ないのがネック。 「白浜バスセンター」 からでも歩いて15分くらいらしいので、そっちのルートで行くことにしました。 いや、意外と遠かったっす。 島に穴が空いている状況を確認出来る地点までは確かに15分程度なんですが、穴が空いている状況を確認出来ない、島を真横から見るスポットまで行こうとすると倍は掛かる感じです。 円月島を真横から見てもほとんど意味はないんですが、日が沈むまでにはまだ1時間くらいあるので、水族館で時間を潰す。 そういう意図で、そっちのほうまで歩いて行くことにしました。


< 京都大学白浜水族館 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、到着〜。 ここ っすな。 ぶっちゃけ、適度に時間が潰せること以外には何も期待していなかったんですが、思ってたよりもよかったっす。 アドベンチャーワールドの13%くらいの入場料で、17%くらいの満足感が得られるのではなかろうかと。 無脊椎動物好きの人なら、ま、それなりに楽しめるものと思われます。 とまあそんなことで、適度に時間が潰れたところで、夕日観賞ターイム♪


< 円月島 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 結論から言うと成果のほどは、セイカノート程度? 雲ひとつないと思っていたら、海と接するあたりに雲ひとつあって、夕日そのものはあまり綺麗に見えませんでした。 でもまあ、夕焼けっぷりはバッチリだったし、ウザいDQNカップルも絶好の被写体と考えれば必要悪のようなものだし、総体的に見れば、ま、よかったんじゃないっすかね? ちなみに春分の日や秋分の日あたりだと、円月島の穴と沈む夕日がばっちり一致するんだそうで、いつの日かその様子をカメラに収めてみたいものでありますなぁ。 で、歩行の軌跡はこんな感じでありました。

  【円月島の散策軌跡】 (←Click Here!!)

 バスセンターから水族館まで往復すると約5キロ、移動時間は1時間強。 やはり結構な距離があったんですなぁ。 帰りは色んな場所から夕日を撮ることが出来るので歩いたほうが無難なんですが、行きは臨海行きのバスを利用したほうが無難な気がします。 僕のその予定だったんですが、バスを乗り間違えちゃったんすよね。 ま、無駄に疲れただけでさほど大きな問題はなかったので、アドベンチャーワールドのチケットを落としたヤツに比べればぜんぜんマシなんですが、とまあそんなことで、本日の予定はすべて終了。 ミッション・コンプリート、お疲れ様っしたぁ♪ あとは白浜駅から 「くろしお」 に乗って串本に移動して、民宿で飯を食って寝るだけでありますなぁ。 …とか思っていたら、思わぬ落とし穴が待ち受けていたんですが、この続きはCMの後。

 ということで、今日はマル・ウォルドロンなんですが、前半が無駄に長くなってしまったので、レビューのほうはお手軽に済ませておきましょう。 「この続き」 もまだ書かなければならないし、とまあそんなことで、 『マル−1』 っす。 “マル・シリーズ” は1〜4までが確認されていて、このコーナーでは 「3」 「2」 の順で取り上げてきたんですが、でもって、今回が 「1」 。 1作ごとに楽器編成やコンセプトが違っていたりするんですが、本作はトランペットとアルトサックスが入ったオーソドックスなカルテットで、至極真っ当なハードバップが展開されているものと思われるんですが、アイドリース・シュリーマンジジ・グライスと、フロントの2人が今ひとつ微妙だったりするところが、ちょっとどうかな? …と。 でもまあ、あまり多くを期待さえしなければそれなりだと思うし、とまあそんなことで、では1曲目。 まずはゴルソン・ナンバーの 「ステイブルメイツ」 。 わりと有名な作品で、タイトルの意味とかあまり深く考えたことはなかったんですが、何なんですかね、ステイブルメイツ。 スクールメイツの親戚みたいな? で、調べてみました。同じ厩舎の馬。 ほぉ。 ググってみたら ステイブルメイツ という名前の馬もいるようですが、戦績は1戦0勝、総賞金 0.0万円。 同じ厩舎で暮らしていても、形見が狭いでしょうな、こりゃ。 で、曲のほうはと言うと、いかにもゴルソンっぽいハードバップ・チューンだったりするんですが、ここではゴルソン本人がアレンジを担当している模様です。 となると、どういうサウンドなのかほぼ見当がつくんですが、始まってみれば案の定、ほぼ思っていた通りの仕上がりになっておりました。 2管がいい感じにハモるテーマ部に続いて、ジジ・クラ、アイ・シュリの順でソロが繰り広げられて、で、ピアノがそれに続くのかとかと思ったら as→tp→as→tp の4バースだったのはちょっと意外だったんですが、その後、いい感じにマルが出てきてアドリブを披露して、最後は第2テーマっぽいハモリのパートがあって、でもって、本テーマに戻って、おしまい。 典型的なハード・バップの主流な本筋といった感じで、個人的には悪くなかったと思うんですが、ぼく自身ゴルソン・ハーモニーが好きになれないため、今一つ乗り切れないのだ。 日本語ライナーで小西啓一クンはそんなことを書いておりますな。 個人サイトなら何をほざこうと個人の勝手なんですが、ライナーノートでゴルソンの悪口を言うのは、ちょっとどうかという気も。 ま、別にいいんですが、とまあそんなことで、次。

 2曲目はお馴染みの歌物ナンバー、 「イエスタデイズ」 。 小西クンはこういうのがタイプみたいで、ジェローム・カーンの名作を、マルがその持てる才のすべてを投入して、緊張感と香気に溢れるジャズ・バラードへ作り変えた本作品中屈指のナンバー。 そのように絶賛しております。 保守派の僕としては、あまりにも実験的過ぎて、素直な気持ちで楽しめない。 そんな気がしないでもないんですが、ま、蓼食う虫も好き好きということで。 字を見ただけで不味そうな気がしますけどね、蓼。 蕁麻疹が出ちゃいそうなんですが、ラボラトリーなのは基本テーマ部だけで、アドリブに入ってしまえばわりと普通に楽しめます。 ソロの一番手をシュリーマンがしみじみと唄い上げ、続いてマルが深く沈静した哀感的なソロを取り、グライスの清澄なアルト・ソロでそれを受けている。 この部分の解説には概ね同意します。強いて難点を挙げるとすれば、 「唄う」 という漢字を使うと京唄子の顔が浮かんでしまうので、普通に 「歌い上げる」 でいいじゃん。 …という、その点くらいでしょうか? ま、たとえ失敗に終わったとしても、実験精神を持つのは大切なので、その意味では評価していいと思うんですが、ということで、次。  「トランス・フィギレーション」 。 リー・シアーズの作ったスインギーなナンバーで、ハード・バップの良さが満喫できる好作品だ。 そういうアレのようです。 リー・シアーズというのが誰なのかは知らないし、トランス・フィギレーションというのがどういう意味なのかを調べる気力もないんですが、スインギーなナンバーで、ハード・バップの良さが満喫できる、そういう仕上がりだったりしております。 小西クンともわりと意見が合うようになってきましたな。 ブラウン=ローチ・クインテットの何とかという演奏を髣髴させる、ちょっぴりお茶目なイントロに続いて、2管のハモリでテーマが演奏され、以下、アルト、トランペット、ピアノの順に各自のソロが披露され、続いてジジとシュリーマンの絡みがあって、最後はそこにアーサー・エッジヒルのタイコも絡んできて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 基本に忠実で、ま、よかったんじゃなかろうかと。

 ということで、次。 マルのオリジナルで、 「バド・スタディ」 。 ヨーロッパ的なクラシカルな味わいを持ったナンバーで、彼が後年トリオで吹き込んだ 『インプレションズ』 にも通じる印象的な作品である。 そういう小西クンの見解に全面的に同意。 演奏のほうは、ソロ・パートの冒頭にいきなり2管の絡みが出てくるところがちょっと斬新なんですが、概ね王道で、悪くないっす。 尿道プレイ好きの変態とかにはちょっと物足りないかも知れませんが、とまあそんなことで、次。 …に行く前に、前半の和歌山ネタの続きを片付けておきましょうか。 勿体ぶったわりにはぜんぜん大したことなくて、 「くろしお」 に乗り遅れちまった。 それだけの話なんですけどね。 日没タイムが16時50分頃なので、16時半くらいまでは円月島の付近で粘って、その後、歩いてバスセンター方面に移動。 16:54発のバスに乗れば白浜駅に17:07に着いて、17:19発の 「くろしお17号」 、余裕じゃん。 そのように計画を立てて、指定席の特急券を買っておいたんですが、渋滞に巻き込まれてバスがぜんぜん予定通りに走ってくれなくて、さば君、ピンチ! 初日の新幹線から 「くろしお」 への乗り継ぎもギリギリだったんですが、気ばかり焦って精神衛生上よくありません。 で、前回は思ったよりも余裕があって何とかなったんですが、今度ばかりはどう足掻いたところでどうにもならない時間になってしまって、ああん。。。 同じバスには17:32発の大阪方面行きの 「くろしお」 に乗ろうとしている人もいて、途中でバスを降りて駅までダッシュするというギャンブルに出たんですが、降りた途端に道がちょっと空いてバスに追い抜かれて、車内に 「あちゃー。」 という空気が漂ったりしておりました。 僕みたいに完全に間に合わないほうが諦めがついて、まだマシだったかもー?

 ということで、5曲目です。 これまたマルくんのオリジナルで、 「ディーズ・ジレンマ」 。 いかにもマルらしい、ディープでほの暗いムードを持った哀愁の佳曲でありまして、日本人ウケすること、この上なし。 無論、僕も生粋の日本人で、ニッスイの竹輪(ちくわ)が犬のチワワよりも好きだったりするので、大いに心に響くものがありました。 テーマ部はバラードと言っていいようなスローなテンポ設定なんですが、アドリブ・パートに入るとミディアムに転じて、ジジ、シュリーマン、マルの順で、各自の歌心に富田林なソロを堪能することが、玄翁。 トンカチの一種ですよね、玄翁。 面倒になってきて、書いてることが適当極まりなんですが、で、 「くろしお」 に乗り遅れた話の続き。 指定の列車に乗り遅れても後続の特急の自由席には乗れるので、金銭的が損失はほとんど無かったりするのは不幸中の幸い。 奮発して買ったグリーン券はパーになっちゃいましたが、仕方がありません。 で、次の特急は何時に出るのかと思ったら、19:32分発って、2時間近くも先かいっ! 19:01発の普通列車が後の特急より串本に3分ほど先に着くみたいなので、そっちに乗ることにしたんですが、結局グリーン券と特急券の両方が無駄になっちゃいましたな。 でもまあ、アドベンチャーワールドのチケットを落とした奴よりはマシだし、民宿の下のうどん屋で 「天ぷら付釜揚げうどん」 を食う予定が、白浜駅前の店の 「天ぷら定食」 に代わったくらいで大勢に影響はなくて、今になって思えば乗り遅れちゃったのも、いい思い出かと。 とまあそんなことで、ラストっす。  「ショーム」 。 トランペットのシュリーマンの書いたブルース・ナンバー。 テーマ・アンサンブルにもソロ・パートにも、イースト・コースト・ジャズ特有の若々しい情動性が脈打っており、この当時がジャズの最も良き時代であったことを自ずと思い起こさせてくれるような演奏だったりして、ということで、今日は以上っす。

【総合評価】

 ぼく自身 「イエスタデイズ」 が好きになれないため、今一つ乗り切れないのだで何となく敬遠していたんですが、改めて聴き直してみたら他の演奏とか、普通にいいじゃん。 地味なサイドマンも前向きに捉えれば、通好みの面子だと言えるし、事実、ジジくんとシュリーマンはなかなかいい働きをしてくれてました。 ほの暗いピアノは根が暗いネガティブな僕の心に染みるし、マルちゃん、やるじゃん♪


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