A TUBA JAZZ (JUBILEE)

RAY DRAPER (1958/11)

A TUBA JAZZ


【パーソネル】

RAY DRAPER (tuba) JOHN COLTRANE (ts)
JOHN MAHER (p) SPANKY DeBREST (b) LARRY RITCHIE (ds)
【収録曲】

(01-03) ESSIL'S DANCE / DOXY / I TALK TO THE TREES
(04-06) YESTERDAYS / OLEO / ANGEL EYES
【解説】 ( 2012年05月13日更新 / 連載 1,031回 )

 広島と岩国に行ってきました。出発は4連休の初日である5月3日。 このサイト に出発ICと到着IC、出発日時を入力すると、渋滞予測を含めた所要時間が出てくるんですが、朝7時に出発すると広島まで8時間強。 6時に出ると7時間強。 5時に出れば6時間強。 基本的に吹田JCTから中国自動車道の宝塚ICまでの間がムチャ混みするようで、そこを過ぎれば山陽道は通常より5〜20分ほど余分に掛かる程度の渋滞で済みそうな感じ。 当初は7時に出発する予定だったんですが、これを見て1時間早めることにしました。 6時に出れば休憩とかで1時間の余裕見ても、昼の1時頃には着けそうですよね。 向こうに着いてから昼飯を食べるぅ? そんなプランを立てていたんですが、いやあ、甘かったっす。大甘でした。 もう、大海人皇子 (おおあまのみこ) が尼さんコスプレをして尼崎で甘食パンに甘エビと甘栗と甘納豆を挟んで食べるのを甘受しなければならないレベル。 渋滞予測が大ハズレだったのか、あるいは渋滞予測を見て出発時間を早める人が多発して、結果的に早い時間から渋滞しちゃったのか、電光掲示板には 「宝塚東トンネルまで45キロ、90分」 。 そんな情報が掲示されておりました。 通常より1時間余分に掛かるくらいの渋滞は織り込み済みだったんですが、この “90分” がですね、まったく減らないんですよね。 1時間経っても “90分” のまま。 どうやら 「わんこ蕎麦」 のように、進んだ端からすぐ所要時間が補充されるシステムになっているようなんですが、結局、大渋滞を抜けた時は11時を過ぎておりました。 そこから先、山陽自動車道も予測に反して、至るところでけっこう混んでいて、その日の宿泊地に近い五日市ICに到着したのは17時前。 桑名から四日市までは20分くらいだったんですが、五日市までは11時間近く掛かりました。 ま、四日市と五日市なので、その間、まる一日掛かっても文句は言えませんからね。 三日に家を出て、三日のうちに五日市に着けたんだから、ま、よかったと言えるのではなかろうかと。 で、この日のお泊りは 広島サンプラザ だったんですが、この宿に関してはまた、別の機会に取り上げるとして。 で、チェックインの手続きを済ませた後、 「商工センター入口」 という駅から広島電鉄に乗って、原爆ドームを見に行くことにしました。 ついでにその近辺でお好み焼きを食べようという、そういう算段だったりするんですが、広島で有名なお好み焼き屋と言えば、何といっても 「うずしお」 っすよね。 大山のぶ代もオススメ♪ ここ でも話題に上っておりますな。 ということで、とりあえず他の店にしたんですが、その前に原爆ドーム近辺の写真を5枚ほど。


< 原爆ドーム周辺 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・上から2枚) は “広電” っすな。 レトロなのやら、近未来的なのやら、いろんなタイプの車両が走っていて楽しいんですが、乗り方が今ひとつよく分かりませんでした。 基本、バスと同じく乗車時に整理券を取って、降りる際に運賃表を見て、所定の金額の運賃箱に投入。 そういうシステムになっているようですが、整理券が出てきそうな機械はあるのに券が出てこなくて、どうすんねん!? 「ステーキけん券」 とかでも代用可能なんすかね? ま、そんな券は持ってないので、可能だとしても駄目なんですけど。 もしかしたら発券ボタンのようなものがあったのかも知れませんが、めっちゃ混んでいるし、焦っているしで、発券ボタンを発見出来ず、どこから乗車したのか証明する術 (すべ) が無いまま電車は走り続け、カーブを曲がる度にコケそうになるし、いやぁ、何とも心が落ち着きませんなぁ、広電は。 水嶋ヒロ、何とかしろ! そう思わずにはいられませんが、ヒロくんは何にもしてくれないまま、 「原爆ドーム前」 に到着してしまいました。 ドキドキしながら料金の200円だけを投入したんですが、特にお咎めはなかったので、問題は無かったんですけど。 とまあそんなことで、(写真・ちょうど真ん中)(同・下から2番目) は、明るい時点での原爆ドーム。 平和記念公園のあたりは川沿いリバーサイドなロケーションで、観光客のたまり場と、市民の憩いの場とが混在している雰囲気。 で、ドームそのものはアレです。 “日本3大行ってみたら思ったよりも小さかった観光名所” のひとつとして、札幌の時計台と並んで賞されるだけのことはあって、何だか思ったよりも小さかったんですが、で、後のひとつはと言うと、んーと、鎌倉の大仏っすかね? アレは思ったよりもショボイという実態が知れ渡り過ぎて、 「思ったより」 のハードルがかなり低くなっているので、思ったよりもマシだった。 そういう意見も少なくなくて、微妙なところではあるんですけど。 で、原爆ドームも過度に 「思ったより」 さえしなければ、それなりにアレだったりするし、そもそも、立派だとかショボイとか、そういう観点で評価するべきものではないし、とまあそんなことで、お好み焼き。 手近なところで 「徳兵衛・紙屋町店」 というところに行くことにしました。 うちのほうで 「徳兵衛」 と言えば寿司屋なんですが、広島ではお好み焼き屋…というか、鉄板居酒屋なんですな。チェーン店なので過度の期待は禁物なんですが、お好み焼き以外の焼き物メニューが充実しているのは、いいのではなかろうかと。 とまあそんなことで、入店〜。 座敷のほうは満席だったのでカウンターのほうに座りました。 目の前の鉄板でオニーサンやオッサンがお好み焼きを焼いております。 こんな感じ っすな。

 で、お好み焼きは これ っす。 薄暗い店内で人知れずこっそり、ボケたりブレたりしてない、美味しそうな料理の写真を撮りたい。 そういう目論見で “Nikon 1” を買って、今回、実戦に投入してみたんですが、成果のほどは、うーん、まあまあ? で、お味のほうはというと、中の焼き蕎麦がパリパリ系で、普通に美味しかったっす。 その他、ギョーザも頼んだんですが、こちらも皮がパリパリしていて、美味しかったっす。 写真のほうはブレて失敗しちゃったので、省略。 で、この店の最大の収穫は、いちばん最後に頼んだ 「ドイツ農家の黒ベーコン」 でありました。 ベーコンと言ってもペラペラの奴ではなく、目の前でオッサンが焼いているのを見たら、コンビニの幕の内弁当に入っているペラペラの自称・鮭。 (←実態は鱒)。 あれくらいの厚みはありました。 こんがり焼き上がったら細かく切られて、ネギをまぶされて供給されるんですが、うめぇ! めっちゃ、うめえ! 徳兵衛、やるじゃん♪ いや、徳兵衛のオッサンは鉄板で焼いて、切って、ネギをまぶしただけなので、ドイツ農家のオッサン、やるじゃん♪ そっちのほうを賞賛するのが筋かも知れませんが、いやあ、満足。 すっかり満足。 豚足は食べなかったんですが、満足。 で、店から出ると、外はすっかり暗くなっていたので、とりあえずライトアップされた原爆ドームも撮影してみました。 さすがにセンサーの小さい“Nikon 1” で、ISO 3200はちと厳しいっすなぁ。ノイズリダクションかけ過ぎで、のっぺりとした塗り絵みたいな仕上がりになってしまいましたが、ま、これはこれで、アレかと。 ということで、大渋滞で到着が遅れたおかげで、広島の市内観光は必要超最小限で終わってしまいましたが、以上っす。

 ということで、翌日です。 四日は五日市から足を延ばして、廿日市にある宮島に行くことにしました。 車で行くと道が混む。超混む。駐車場待ちも半端ない。 事前にそういう情報を得ていたので、ホテルの駐車場にクルマを止めておいて、電車で行くことにしました。 チェックインの際、駄目モトで係のオニーサンに 「明日、昼頃まで駐車場にクルマを止めておいたら、駄目っすよね?」 に聞いてみたら、 「いいですよー。」 と、即答で快諾してくれたので、すっかり安心。 で、チェックアウトの際、念のため、違うオッサンに 「昼頃まで駐車場にクルマを止めておいても、いいっすよね?」 と聞いたら、 「うーん…」 と考え込んでしまったので、焦りました。 しまった!余計なことを聞くんじゃなかった! もし、 「駄目っ!」 と聞かれたら、 「昨日はいいって言ったやんっ!」 と、ゴネる気満々だったんですが、幸い、オッサンは何とか許してくれました。 ここは結婚式場も兼務しているので、式の予定が入ってたりしたらアウトなんでしょうな。 時と場合によるものと思われるので、もし今後、オッサンに駄目出しされる事があったとしても、 「塩サバにいいって書いてあったやんっ!」 とか、ワケのわからんゴネかたはしないで頂きたいんですが、大人なら大人しく、 こっちの駐車場 を利用して下さいね。 僕としても610円くらいの出費はまったく厭わないんですが、入場時間が午前8時からというのがネックでありました。 というのもですね、厳島神社は満潮の時に行かないと、今ひとつ。 事前にそういう情報を得ていたんですが、調べて見ると、この日の満潮時間は朝の8時頃。 移動に1時間くらい掛かるものと思われるので、8時入庫だと、微妙な感じになっちゃいます。 もし、オッサンに 「申し訳ございませんが、有料駐車場のほうをご利用願います。」 とか言われたら、 「神社が干上がったらどうするっ!」 と、ゴネる気満々だったんですが、朝からお互いに不愉快な思いをすることなく、何よりだったと思います。 何だか、渋々という態度だったところがちょっとアレなんですけどね。 もっと気持ちよく、すっきりと快諾しろって! …ということで、7時に出発。 新井口 (しんいのくち) という駅からJRに乗って、宮島口でフェリーに乗り換えて、で、宮島に到着〜。


< 宮島・厳島神社 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 宮島にはですね、鹿がいました。 宮島には鹿がいる。 しかも、けっこう凶暴。 外で弁当とか食べてると、確実に奪われる。一万円札とかも食われる。 事前にそういう情報を得ていたので、警戒していたんですが、思ってたより数が少なかったし、性格も大人しそうだったので、ちょっと拍子抜け。 「鹿ぁぁぁ♪」 と叫んで駆け寄って、ぺたぺたとオサワリしようとする幼女が襲われるんじゃないかとドキドキしていたんですが、大丈夫でした。 で、拍子抜けと言えばもうひとつ、厳島神社の大鳥居。 強風で屋根の一部が壊れて、修理中。 事前にそういう情報を得ていたので覚悟はしていたんですが、こんな状況。 知らずに来た人は、かなりガックリしたでしょうな。 知ってて来た僕でも、想像以上に駄目でしたからね。 で、拍子抜けというのは、大鳥居が思ってたよりも陸地に近かった事なんですが、もっとこう、海のど真ん中に浮いているものだとばかり思っていました。 “日本3大行ってみたら思ったよりも陸に近かった観光名所” のひとつに挙げていいと思うんですが、他の2つはどこなのかというと、ちょっと思い付かないんですけど。 で、大鳥居はちょっとアレだったんですが、神社本体のほうは、よかったっす。 満潮時を見計らって来ただけの甲斐はあって、いい感じに満ちておりました。 潮が満ちていると何だかこう、満ち足りた気分になりますよね。 みっちゃんみちみち、うんこたれて〜♪ そんな歌を歌うことが憚られるような、荘厳な気持ちにもなります。


< 宮島・厳島神社 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、続き。 五重塔もあります。能舞台もあります。太鼓橋もあります。 反橋 という名前なんですな、これ。 「橋やなぁ。」 と思いながら何気なく写真を撮っていたんですが、重要文化財だったんですな。 1557年に毛利元就・隆元親子によって再建されたものらしいんですが、何でもいいけどこのサイト、無断で勝手にコピペしてやろうと思ったら、拒否されて、何だかちょっとムカつきますな。 不愉快なので、 「揚げもみじ」 を食ってやるぅ! …ということで、(写真・下から2枚) 。 今回は長距離ドライブになるので、交代の運転手要員としてサバ兄を動員したんですが、バス会社・陸援隊と違って、立派な心掛けだと思います。 で、サバ兄ジュニア1号・2号も付随して、総勢4名だったので、あんこ味、クリーム味、チーズ味、各2個ずつの 「揚げもみじ」 を注文したんですが、ちなみにお店は ここ 。 チーズ味だけは 「4番の番号札でお待ちのお客様」 状態だったので、写真には写ってないんですが、揚げたてということもあって、これがいちばん美味かったっす。 アツアツで、衣がサクサク♪ あんこ味は、まあ、紅葉まんじゅうに衣をつけて揚げたような、予想通りの味。 クリーム味は僕のところには回ってこなくて、食いそびれました。 ま、恐らく、クリーム味の紅葉まんじゅうに衣をつけて揚げたような味だと思われ、何となく想像はつくんですけど。 で、その他、食べ歩き in 宮島としてはですね、「あなご竹輪」。  揚げもみじの籠を持つサバ兄の手に握られている銀色の筒のようなものがその残骸なんですが、これも普通に美味しかったっす。 どういう味なのかというと、普通にチクワ。 穴子らしさは皆無と言ってよく、わざわざアナゴさんに出向いて頂く必要は無かったような気もするんですが、同じ魚肉練り製品なら 「にぎり天」 のほうが、いいかも? 手持ちの写真が無かったので、勝手に ♪8705号ミーハールーム♪ のリンクを貼らせて頂くことにしますが、アスパラベーコンと、ごぼう。 その2種類を賞味しました。 特にゴボウのほうはアツアツだったので、美味ちい♪ いやあ、世の中、やっぱり揚げたてっすなぁ。

 ということで、今回は時間の都合により、宮島観光は厳島神社だけで終わってしまいましたが、天気がいい日はロープウェイに乗って弥山に登ると絶景らしいし、お子様向けには 『みやじマリン』 があるし、なかなか楽しめるスポットでありますな。 厳島神社も干潮時には大鳥居のところまで歩いていけるみたいで、干からびていたらいたらで、それなりに楽しめそうだし、春は桜が、秋は紅葉が綺麗そうだし、夏には花火大会もあるし、またいつか、大鳥居の足場が解体された状態で訪れたいものでありますが、ということで、続いては岩国の「錦帯橋」。

< 錦帯橋周辺 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 所詮は橋があるだけだし、しかも、つい最近になってからの再建だしぃ。 …というので、あまり多くは期待していなかったんですが、それが幸いしたのか、思ったよりもよかったっす。 五連の橋で、どれも同じ形状なのかと思ったら、両端の2つは少し小ぶりなんですな。 この部分は河原にしているので下に足も生えていて、傾斜もなだらか。 2つめからの三連部分は反り具合が大きくて、上りと下りのところは階段状になってます。 いちばん高いところは平坦なんですが、ぼーっと歩いているといきなり階段が始まるので、不意を突かれて、膝がガクンとなっちゃいます。 で、3つめを上っているうちにその事を忘れてしまって、また下りになった時に、膝がガクン。 4つめでもまたしても、ガクン。 学習能力がありませんなー。 さすがに4回目ともなると状況が頭に入ってくるので、ガクンとならないように足下に注意しながら歩くんですが、そういう時に限って、最後は段差が無かったりするので、何だか拍子抜け。 いやあ、よく考えられてますなぁ。 で、錦帯橋って、ただ橋があるだけではなくて、周辺が手頃に観光開発されているんですなー。 こんな感じ 。 再建のパチモン臭いんで今回は省略したんですが、ロープウェイの上には岩国城なんかもあったりします。 シロヘビもいます。外の光がガラスに反射して、写真を撮りにくいのが難点なんですが、確かに白い蛇でした。 ルビーのような赤い目が特徴のようで、赤目軽減モードにしたいところなんですが、フラッシュを焚くのはまずいと思うし、もともと目が赤いのは軽減のしようがないような気もするし、で、公園の噴水のところでは犬と幼女が楽しそうに遊んでいたし、ま、手頃な観光スポットであると評価していいのではなかろうかと。 で、最後に 佐々木屋小次郎商店 でソフトクリームを買って食って、ということで、次回に続く♪

 とまあそんなことで、今日はレイ・ドレイパーです。漢字で書くと、霊奴隷破唖。 厨二心をくすぐられる物がありますが、その他の楽器編として、チューバなどというのを吹いております。 漢字で書くと、忠馬。 忠犬の馬バージョンみたいで、ちょっといい感じなんですが、この人、日本の一般的なジャズ・ファンの間では、 これ1枚 のお陰で、そこそこ知名度があったりしますよね。 リーダーの魅力というより、サイドマンにコルトレーンが参加しているという、その1点で評価されているんですが、これで 「前半いらんこと書き過ぎ」 なのか!? …と、遥か昔の原稿を懐かしく読み返すことが出来ました。 どこでこのコーナーは道を間違えちゃったんでしょうなぁ。 で、今日取り上げるジュビリー盤の 『ア・チューバ・ジャズ』 はアレです。 プレスティッジ盤 『ザ・レイ・ドレイパー・クインテット』の続編と言ってもいい1枚でありまして、コルトレーン以下、サイドマンも、かぶりまくり。 ピアノがギル・コギンズからジョン・マハーに変わっているだけですな。 マイナー・レーベルの作品である為、今まで日の目を見ることが無かったようですが、この度、めでたく “ジャズ名盤 ベスト&モア” のシリーズでCD化されることになって、レイ・ドレイパーの霊も草葉の陰で喜んでいることでありましょう。 チューバに下手クソな目鼻を付けたジャケットも秀逸。 欲を言うなら、背後に隠れたオネーサンの露出度がもうちょっと多ければ、言うことは無かったんですが、ま、書くのが楽という点では、これくらいのほうが有り難かったりはするんですけど。 とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょうか。

 まずはドレイパーのオリジナルで、 「エシルズ・ダンス」 。 タイコに始まり、そこにベース、ピアノと、順に楽器が追加されていく形式のイントロに続いて、テナーとチューバの絡みでテーマが演奏されるんですが、ぶっちゃけ、チューバはオマケのようなもので、実質的にはコルトレーンのワン・ホーン+毛。 そういったものだと思っておいたほうがいいかも知れません。 ナメクジに毛が生えて、けなげな毛ナメクジに進化した程度の存在感と言うか。 ま、曲そのものはエキゾチックな味と香りのオリエンタル・マースカレー風のワルツ。 そういった風情が感じられて悪くないので、ドレイパーくんはそんなに悲観しなくてもいいと思うんですけど。 そもそも、こんな地味な楽器を選んだ自分が悪いんだから、目立たないのは自業自得っすよね。 自縄自縛のセルフSM状態とも言えるんですが、ま、自分の縄なら、長縄クンよりはマシだと思って、諦めるしかありません。 で、ソロ先発はジョン・マハー。 ギル・コギンズのギルコギ的な弾きっぷりと比べると、こっちのほうはプルコギ。 そんな感じだったりするんですが、ちょっぴりファンキーで、びっくりドンキー。 個人的には嫌いではありません。 で、続いてはドレイパーのソロ。 いくら地味な楽器でも、前面に押し出されると、それなりにアレだったりするんですが、スイング感とか、ドライブ感とか、ツナ缶とか、伊予柑とかは端から期待出来ないので、ま、こんなもんかな? …と。 続いて出てくるコルトレーンのバリバリなソロとの対比が半端無かったりするんですが、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、その他の楽器感は存分に味わえるので、その意味ではよかったのではなかろうかと。

 ということで、次。 ソニー・ロリンズの 「ドキシー」 。 テナーとチューバのユニゾンでテーマが演奏された後、コルトレーンのソロが登場します。 個人的にプレスティッジ時代のコルトレーン、略してプレーンは、ミキプルーンほどにも好きではなかったりするんですが、こうして聴いてみると、悪くはないっすよね。 功徳は無いけど、クドい工藤くん。 そんな感じで、それなりに楽しめます。 続くドレイパーのソロは、あまり過度の期待さえしなければ、それなりに味があるように思えなくもなくて、とりあえず、お好み焼きソースとマヨネーズをかければ、食えるかな? …と。 お土産に買ってきたんですよね、オタフクソース。 んなもん、うちの近所のスーパー一号館にも売っているんですが、一応、広島限定と書いてあるヤツがあったので。 んーと、 これ っすな。広島でしか購入できないお好みソースを通販で全国に売るなっ! …とか、広島のメーカーの癖に 「広島焼」 とか言うなっ! …とか、言いたい事はいろいろあるんですが、広島のお好み焼きのことを 「広島焼き」 と言うと、怒るらしいんですよね、広島人は。 じゃ、何と言えばいいのかというと、お好み焼き。 百歩譲って、広島風のお好み焼き。 どうしてなのかというと、広島に 「広島焼き」 という名前の食べ物はなくて、あるのは 「お好み焼き」 っ! どうやらそういう事のようですが、いやあ、魂を売り渡しちゃいましたなぁ、オタフク。 広島のお好み焼きヲタに、オタフクが焼きを入れられるのは時間の問題なんですが、パッケージを広島っぽくしただけで、中身は一号館にも売ってる普通のオタフクソースと、まったく一緒。 そういう疑念も拭いきれません。 ま、普通に美味しいからいいんですけどね、一号館に売ってる普通のオタフクソース。 …と、余計なことを言ってるうちに、チューバが終わってジョン・ハマのピアノが出て来て、その後、スパンキー・デブレストのベース・ソロがフィーチャーされて、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。  「アイ・トーク・トゥ・ザ・トゥリーズ」 。 「私は木に話しかけます」 っすか。 かなりアブナイっすなぁ。 猫に話しかけてる分にはまだ大丈夫なんですが、相手が 「木」 となると、かなり重症っすよね。 猫ならまだ 「うにゃー」 とか返事をしてくれるんですが、 「木」 は十万石まんじゅうの 「風」 と違って、語りかけてもくれませんからね。 やばい。やばすぎる。 ただ、曲のほうはというと、普通に歌物っぽい、わりと軽快な仕上がりだったりして、周囲が気に病むほど、心を病んでる風ではないんですけどね。 2管の絡みによるテーマに続いて、チューバ、テナー、ピアノの順で各位の良好なソロが披露されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ちょっとした小さな小品といった感じで、悪くはなかったっす。 で、続いては超有名なスタンダードの 「イエスタデイズ」 。 バラードなのかと思ったら、アップ・テンポで料理されていて、ちょっぴり意表をつかれて、うひょー。 アレンジなんかもけっこう凝っていて、かなり異色の仕上がりだったりするんですが、チューバ、テナー、ピアノの順に登場する各位のソロは、これまでのところ限定で、最高の盛り上がりであると評価しても、あながちそれほど大きな間違いではないと言っていいのではなかろうかと。 で、終盤は tuba→ds→ts→ds の4バースで、これまた大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、熱かったっす。 で、次。 ソニー・ロリンズの 「オレオ」 。 美味しいっすよね、あれ。 森永のマリーとチョイスとハーバードの中では断然ハーバード派で、それも “黒” が好きだった僕としては、オレオも贔屓せずにはいられません。 一方、ロリンズの 「オレオ」 はそんなに好きな曲では無かったりするので、そんなに贔屓したくはありません。 何でもいいけど 「贔屓」 という漢字には 「貝」 という字が4つも入っていて、貝類があまり好きでない僕としては、ちょっと貝を買いかぶり過ぎなんじゃないか? そう思わずにはいられませんが、貝かブリかと言われたら、迷わずブリのほうを選びますからね、僕の場合。 で、曲の好き嫌いは別にして、ここでのコルトレーンのソロは、さすがと言っていいと思うんですが、それに対してチューバのソロは、ちょっと無理があるような気が。 ま、本人がこれで納得しているのなら、他人がとやかく言う筋合いはないんですけどね。 で、その後、ピアノとベースのソロがフィーチャーされて、最後は ts→ds→tuba→ds の4バースでそれなりに盛り上がって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 超有名なスタンダードの 「エンジェル・アイズ」 。 「イエスタデイズ」 同様、意表をついたアップ・テンポ戦術、またしても炸裂するか? …と思ったら、さすがに今度は素直に来ましたな。 チューバをフィーチャーしたバラードというのは、ま、アップ・テンポよりは、マシ? …という気がしないでもないんですが、決して褒められたものではなくて、で、バラードに定評があるコルトレーンも、ここではさほど良くは無かったりして、全体的には、うーん、まあまあ? その程度の出来だったりしたんですが、とまあそんなこんなで、今日は以上です。

【総合評価】

 チューバでモダン・ジャズ。 やはり、無理があり過ぎました。 これはコルトレーンのリーダー作で、ドレイパーくんは 「枯れ木も山の賑わい」 的な存在。 そう自分に言い聞かせれば、チューバの枯れた味わいもそれなりに楽しめるんですが、どう足掻いても本筋にはなれない、超裏筋楽器でありますな、こりゃ。 個人的に嫌いではないんですけどね、裏筋。 ま、多くを期待さえしなければ、それなりではあるので、裏ヲタなら、まあ、そこそこは楽しめるかもー?


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