A SIGN OF THE TIMES (CONCORD)

TAL FARLOW (1976/8/2)

A SIGN OF THE TIMES


【パーソネル】

TAL FARLOW (g) RAY BROWN (b) HANK JONES (p)
【収録曲】

(01-03) FASCINATING RHYTHM / YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS / PUT ON A HAPPY FACE
(04-06) STOMPIN' AT THE SAVOY / GEORGIA ON MY MIND / YOU ARE TOO BEAUTIFUL
(07-08) IN YOUR OWN SWEET WAY / BAYSIDE BLUES
【解説】 ( 2012年01月15日更新 / 連載 1,015回 )

 冬休みも終わって、ヤングのみんなは学校が始まったんじゃないかと思うんですが、いいですなぁ、ヤングは。 ペヤング・ソース焼きそばとか、ヤングドーナツとか、ヤングコーンとか、食べたい放題ですもんね。 いや、別にヤングドーナツとかを中高年が食べてもいいんですが、むしろ無駄に小金を貯め込んでいる分だけ、金銭的な面ではオッサンのほうが有利なんですけどね。金に糸目を付けずにイトメンのチャンポンめんを大人買い出来るしー。 ただ、年を食うにつれて、ヤングドーナツを食い過ぎると胸焼けするようになってしまうので、やはりあれはヤングのためのドーナツなんだなと、そんな気がするわけです。 いやあ、いいですなぁ、ヤングは。 じゃ、学生時代に戻りたいかと言われると、僕の場合はまったくそんなことはなくて、2度と学校になんか行きたいとは思いません。 虐められていたので何にも楽しくなかったし、運動が大の苦手なので体育の授業は苦痛以外の何物でもなかったしー。 未だにときどき、体操服や赤白帽を忘れてしまって、どうしようかと焦りまくっている夢を見たりします。 教科書でも、宿題でも、書道セットでも、絵の具でも、検便でも、ぎょう虫検査のペッタンするやつでもなく、いつも必ず体操服か赤白帽。 それだけ体育の授業がトラウマだったんでしょうな。 で、体操服を忘れてどうしたのかというと、クラスでいちばん可愛い○○子ちゃんのブルマを拝借して、頭からかぶって、ハアハア♪ …とか、そんな夢のある展開にはならなくて、 どうしようかと焦っているところでいつも目が覚めてしまうんですが、あとは給食の時間も苦痛でありましたな。 靴を隠されるのと同じくらい苦痛。 食べるのがめっちゃ遅くて、時間内に食べきれなくて、掃除が始まっても一人だけ教室の隅っこで食べさせられるという屈辱を味わいました。 どうせなら屈辱ではなく、靴底を味わいたいところだったんですが、昔 『探偵!ナイトスクープ』 でやってましたよね、靴を食べたいという依頼。 靴底がめっちゃいい感じのビーフシチューみたいになっていたような記憶があります。ちなみにどういう味がするのかというと、「靴の味」らしいんですけど。 で、僕の場合、どうして食べるのが遅かったのかというと、ただ何となく。 嫌いなものがあれば当然遅くなっちゃうんですが、じゃ、具体的に何が嫌いだったのかというと、今となってはよく思い出せなかったりもします。 ししゃものフリッターが嫌だったのは覚えているんですけどね。 サカナの卵系が好きではない僕にとって、シシャモが子持ちなのが気持ち悪くて駄目でした。 フリッターとフリチン、どちらかを選べと言われたら、迷わずフリチンを選びます。 いや、悪いのはフリッターではなくてシシャモの卵のほうなんですが、 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」 と言いますからね。 とまあそんなこんなで、僕にとってはあまりい思い出のない給食なんですが、みんなにとってはどうかな? 「所変われば品変わる」 で、地域によってローカルなメニューとかもあったりするようですが、某 “2ちゃんねる” で 『変った給食、ローカルな給食紹介して』 というスレを発見したので、今日はそれを元に、何とか1回分の原稿をでっち上げてみたいと思います。

 え? ピーナッツバターってそんなに珍しくもないような気がするんですが、千葉県限定っすかぁ? 言われてみれば桑名の給食には出ませんでしたけどね。 ちなみにパンは “桑名パン” のコッペパンだったんですが、学区内に工場があったので、義理で発注していたんでしょうな。 一般公募入札ではなく、随意契約で業者を選定していたとしか思えないんですが、普段はノーマルなコッペパンで、月に2回ほど “揚げパン” に進化したのではなかったかと。 で、普通のパンの時も、週に1回程度はイチゴジャムやらホイップクリームやらがおまけで付いてきたように記憶しております。ジャムは普通のイチゴとかの奴で、ピーナッツバターが出た記憶はありませんな。 ただ調べてみると別に千葉県限定というワケではないみたいですね。 “google” で 「ピーナッツバター き…」 まで入力すると、候補として 「筋トレ」「桐生」「機械」「給食」 と出てくるくらい、メジャーであるようです。 個人的には給食よりも 「ピーナッツバター 筋トレ」 のほうに興味を持ってしまったんですが、調べてみたらエネルギー補給にはいいみたいですな、ピーバタ。 で、桐生にはいいピーバタ屋さんがあるのかも知れず、機械で作ったりして、給食に出されることなるようですが、ピーナッツ関連では “ピーナッツ味噌” の話も出ておりました。 美味しいですよね、あれ。 給食に出たことはないんですが、大人になって食ったら、うまかったっす。 冷蔵庫から出したばかりだと固くて食べにくいんですが、熱いゴハンの上にのせると、とろーっと柔らかくなって、ウマー♪ そういうのが出るエリアの学校に通っていれば、給食も少しは楽しいものになっていたかも知れませんが、ただ、それらの地域ではピーナッツと同じような頻度で “納豆” も出るみたいです。 どういうふうに出るのかというと、普通に。ただしカラシは抜きで。 鯛は “おかしら付き” 、納豆は “おカラシ付き” やろ!? そう主張してやまない人にとっては許せない供出方法でありますが、お子様にはちょっと刺激が強すぎますからね。 “粘膜カラシぷれい♪” はオトナになってからの楽しみに取っておきましょう。 ちなみに僕は納豆が嫌いなので、給食で納豆を食うのは納得がいかなかったりするんですが、業者側としては何としても納豆を食わせようと策略を巡らせているようで、 こんなもの もあるみたいです。

 納豆モナカ・ナゥピー♪ まずその、微妙に発音しにくい商品名を何とかしろよ!…と言いたくなっちゃいますが、パンの時でも食べられる納豆って、余計なものを考えてくれましたなぁ、富士食品の柿本さん。 ま、僕はナゥピーの実害を被ったわけではないので別にいいんですが、北海道の納豆嫌いの児童はグレたり、拗ねたり、道を踏み外したりしているに違いありません。 とまあそんなことで、次。

 この書き込みはスルーされちゃっているんですが、もしかして桑名の人っすかね? 世間一般では “しぐれ” と言えば牛肉を甘辛く煮たのを頭に浮かべるかも知れませんが、ここでいう “しぐれご飯” は、たぶん これ 。 僕が小学生だった頃の給食の主食は桑名パンで、6年生くらいになって初めて、試験的に週に1回程度の “米飯給食” が導入されたんですが、その当時はまだ、このメニューはありませんでした。 ま、しぐれがさほど好きではなかったりするので、別にうらやましくはないんですが、 1月24日のスクールランチ には出るみたいですな。 ちなみに僕が子供だった頃、小学校は給食で、中学になると自前の弁当持参だったんですが、最近の中学校は出前サービスがあるみたいです。 ちなみに1月16日のメニューは これ 。 写真だとちょっと寂しいものがあるんですが、2種類のうち、好きなほうを選べるというのはいいですよね。 Aランチのおかずが “ししゃものフリッター” で、Bランチが “軍鶏(しゃも)のフリチン焼き” なら、後者を選べばいいわけです。 フリチン焼きという調理法は、ちょっとどうか? …という気もするんですが、下手にパンツとかを穿かれても布きれが喉に引っかかるだけなので、ま、いいんじゃないかと。 嫌いなものは食べなくてもいいって、そこまで中学生を甘やかすのは、将来の為によくないんじゃないか? そういう意見もあるでしょうが、ま、嫌いなものを無理やり食わせて、グレられたり、拗ねられたり、道を踏み外されたりしてもアレだしー。 ただ一部、共通のメニューもあるんですな。 1月16日の場合は “ひじき五目煮” “ばんさんすう” “レーズンポテト” の3品目がそれなんですが、 “ばんさんすう” って、何? …と思って調べてみたら、 これ っすか。 昔、大森屋 (←親戚のおっさんがやっていた近所の八百屋) にもよく売っていた春雨サラダみたいなもんっすかね? いつの間にやら給食の定番メニューということになっているようですが、これならまあ、酢の物嫌いの中学生でなければ大丈夫っすかね? レーズンポテトも無難なところなんですが、中にはレーズンが苦手な女子生徒とかもいたりしますよね。 「しゃあないなぁ。じゃ、僕の“ひじき五目煮”と替えたるわ。」 「ああん、さばクン、ありがとぉ♪」 とか、いや、なかなか楽しそうな昼食風景ではありますな。 とまあそんなことで、次。

 あんた、静岡県民やろっ! いやあ、郷土食豊かですなー。 “桜海老のかき揚げ” はこの正月、駿河健康ランドの中の蕎麦屋で丼になってるのを食ったんですが、桜海老の殻を干したヤツではなくて、ちゃんとした身のある桜海老だったので、美味しかったっす。 で、 “さくらごはん” というのは何なんですかね? 桜海老の殻を干したヤツを炊き込んだゴハンだとすれば、それは激しく食いたくはない代物なんですが、調べてみたら こんなん でした。 え? 単なる醤油メシ? ま、ヘンに海老の殻を炊き込まれるよりはぜんぜんマシなんですが、色がほんのり桜色になるから、こんな名前が付いたんですかね? ほんのり桜色というより、普通に醤油色のような気もするんですけど。 で、続いては “黒はんぺん” なんですが、懐かしいですなぁ。 ここ に登場していますよね。 どこに出てくるのかというと後半にしか出て来ないので、前半のどうでもいいネタは読むだけ無駄なんですが、酒気帯び運転はするわ、せっかく貰ったお土産の黒はんぺんは腐られるわ、若さ故の過ちとはいえ、もったいないお化けがでたり、日体大お化けにしごかれたりしても、文句は言えないレベルですよね、あの頃の僕って。 「下痢覚悟で食べる」 と言っておきながら、実はこっそり捨てちゃったんですが、別の機会に食べた “黒はんぺん” は正直、ちょっと癖が強くて、魚貝類の類いがあまり好きではない僕にとっては、あまり好ましくない種類のハンペンだったというのもあるんですけど。 フライにしちゃえばまだ大丈夫なんですが、で、続いては“鰹のへそカレー”。 魚類の類いである鰹に “へそ” は無いと思うんですが、どうやらこれは心臓みたいですな。 サカナに限らず、内臓系が駄目な僕としては、んなもん、カレーに入れるな! …と思わずにはいられませんが、鰹1匹につき“へそ”は1個しかないと思われるので、けっこうな珍味ではあるんでしょうな。 どうやら静岡県でも焼津限定の食い物らしいんですが、でもって、デザートは “お茶ゼリー” でありますかぁ。 ゼリーなら万人に受け入れられるのかと思ったらそうでもなくて、僕の小学生時代の同級生のアイスまんじゅうちゃんはゼリーが苦手らしいんですが、 「しゃあないなぁ。じゃ、僕の“鰹のへそ”と替えたるわ。」 「ああん、イナバくん、ありがとぉ♪」 って、何故かここだけ本名になっちゃったんですが、そういえばアイスまんじゅうちゃんはカレーが嫌いだとも言っておりましたな。 その替わり、僕の苦手な魚貝類やらウニやらが大好きだったりするようなので、取っ替えっこするにはピッタリで、嬉しい限りです。

 あとはえーと、 “枝豆クレープ” と “納豆最中” が愛知県でも出たという話とか、サイコロ状の味付け鯨肉を揚げてケチャップにからめたヤツ = “鯨のノルウェー風” が出たという話だとか、島根県民ならケチャップの代わりにマヨネーズを絡めた “アルジェリア風” も知ってるだろうな? …とか。 えー、そんなんあったん? ちなみに魚貝類の類いがあまり好きではない僕も、クジラは魚貝類では無いので好きでした。 家でもよく作って貰ったんですが、僕の説明が悪かったのか給食メニューの実態がうまく伝わらずに、カーチャンの作る “鯨のノルウェー風オリジナル版” は、僕が期待していたものとは微妙に違ったものになっておりました。 揚げるのではなくて、フライパンで焼いてケチャップをまぶした感じぃ? ま、アルジェリア風があるのなら、何でもアリなのかも知れませんが、 “あべかわマカロニ” が出た。そんな話もありました。 マカロニを茹でたやつに、きな粉と砂糖をまぶして食うんだとか。 大分の郷土料理 “やせうま” のイタリアン版? きな粉が大好きな僕としてはちょっとソソられるものがあるんですが、何もマカロニである必然性は無いっすよね。 が、別にマカロニで問題ないような気もしますよね。 食えたもんじゃないというのと、うちのクラスでは奪い合いだったという、両極端な意見があって、評価が大きく分かれているようですが、あと、関西のほうでは “被災メニュー” というのがあったりするみたいですね。 1月17日のお昼は乾パンとスープだけで過ごしたり、地域によってはそれがゴハンと味噌汁とミカンだけだったり。今年から東北地方でも同じような試みが行われたりするのかも知れませんが、そういう話を聞くと何だかもう、毎日、温かい給食を食べさせて貰えるだけで幸せという感じがしますな。シシャモが子持ちで気持ち悪いとか、贅沢言うなー! とまあそんなことで、続いては 『★実際あった、微妙な給食の献立表★』 というスレ。 こっちで何かインパクトがあるのを探し出して、それで終わりにしたいと思うんですが、まずはえーと、 これ とか。 よくもまあ、昆布とパンのコンボだけで5号まで展開したものですなぁ。 で、続いては これ とか。 おお、ししゃも嫌いの同志よ! しかし子持ちでは無い、おすのシシャモも駄目なんっすな。 そういえば卵以外の普通の身の部分もそんなに美味しくはなかったような気がします。 で、続いては これ 。 おお、これこれ♪ 桑名の給食のホイップクリームがそうでした。土人のマークが付いてました。 あの当時、 「トムとジェリー」 にも普通に土人のキャラとかが出てきたような気がするんですが、探してみたら動画がありました。 これ です。 おお、トムくん、屈辱…ではなくて、靴底を味わったりしておりますなー。 釜入ル、釜入ル! オ前、芋切ル! 早ク切ル! 人参切ル! 私、タマネギ嫌イヨ!! 改めて見直すと、音楽のセンスが抜群ですよね。けっこうジャズっぽかったりします。 「土曜の夜は」 なんて、完璧にビ・バップのジャム・セッションだったりして、ミミワ・ドジンのジャムもびっくり。 ちなみにこの作品には 「黒」 と 「白」 とがあるようで、どこが違うのかと思ったら、黒人のボリューム感満点のお手伝いさんが、白人のスマートなお姉さんに変身しちゃってるという。 本国でも色々と難しい問題があったんでしょうなぁ。。。

 で、給食ネタとしては こんなの が。 「わーい、ノリピーごはん、うれピー♪ いただきマンモス♪」 みたいなリアクションを期待したんだと思うんですが、めっちゃ不味そうですな、こりゃ。。。 で、最近、“昭和の給食” を食べられるのが売りの食堂というのもあったりしますよね。 御前崎の ここ だとか。 このメニュー を見ると “ししゃものフライ” もあるみたいですな。 これはもう、ギャルと一緒に行くしかありませんなぁ。 で、彼女の嫌いな “サバの味噌煮” と取っ替えっこして、「ああん、サバくん、ありがとぉ♪」 と言われる絶好のチャンス♪ 正直、サバの味噌煮というのもそんなに好きでは無かったりするんですが、彼女に感謝されるためなら、好き嫌いだって克服するぜっ! が、よく考えたらこういう店で、彼女が自分の嫌いなものを注文するワケがありませんよね。 仕方なく自分でサバとシシャモを頼んで、結局は自分で両方とも食べる羽目になってしまって、ああん。。。 きゅ…給食なんて、大嫌いだぁぁぁ!!

 とまあそんなことで、おいまい♪

 

 ということで、今日はタル・ファーロウです。 このところ、あまり素性がよく分からない人の、あまり気が進まないアルバムばかりを取り上げていて、正直ちょっと苦痛だったんですが、今回は違います。 タル・ファーロウ。そこそこ有名ですよね。 ま、あまり気が進まないという点では似たようなものんですが、とりあえずネタ用に新規に購入してみることにしました。  『ア・サイン・オブ・ザ・タイムズ』 というのがソレなんですが、この、タルくん(?)がペンキ塗りをしているジャケットは何かの本で見たことがあるような気がします。 一時期、ジャズの世界から離れてペンキ屋をやっていたという逸話をパロったものだとか、何とか。 なかなか洒落たセンスだと思います。 で、共演者もレイ・ブラウンハンク・ジョーンズだったりして、基本的にジャズ・ギターがそれほど好きではない僕でも、そこそこ楽しめるのではないかと踏んだんですが、ただこれ、録音年が1976年なんですな。 50〜60年代、命! …の僕としては、ちょっぴり不安に感じてしまうところなんですが、ジャズ暗黒時代ですからね、70年代。 ジャズだけでは飯が食えずに、アンコウを食うほど暗黒だったと言われておりますが、アンコウが食えれば十分だという気もするんですけどね。 ただ僕の場合は魚貝類が好きではないので、アンコウよりはアンコのほうがまだマシだと思うんですが、甘い物は決して嫌いではないですからね。 ま、過度の期待は禁物かも知れませんが、ほどほどには大丈夫だったりするのかも知れず、とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずはガーシュイン・ナンバーの 「ファシネイティング・リズム」 。 日本語では確か 「魅惑のリズム」 とか、そんなタイトルではなかったかと思うんですが、アート・ペッパーが何かのアルバムで演ってましたよね。 『ジ・アート・オブ・ペッパー』 でしたっけ? 個人的に 「魅惑の〜」 というと、『ノックは無用!』 の “魅惑の変身” が頭に浮かんでくるんですが、横山ノックが 「ふぉん、て〜ぬ♪」 と言ってたヤツ。 土曜日の正午からの放送でしたか、学校が半ドン (←既に死語) で給食が無いので、家で “日清焼きそば” とかを食べながら、親の見ているテレビをぼーっと眺めていた記憶があります。 で、1時からは 『天チンの土曜リポート』 (←名古屋ローカル?) とか。 天野鎮雄= “アマチン” って何か、 “フリチン” みたいやな。 …と子供心に思ってしまったんですが、で、演奏のほうはアレです。適度にリズミカルで、そこそこ魅惑的。 そんな感じに仕上がっているんですが、ギターとピアノの絡みによるテーマ部に続いて、ソロ先発はハンクでありますか。 この人のプレイは毒がないので、偏執的な日本のジャズヲタの間では、あまり人気がなかったりするんですが、ここでの弾きっぷりは適度にスインギーで、そこそこブルージー。 悪くないんじゃないでしょうか。 背後からはベース以外に、ドラムス…とまでは言えないまでも、ドラム (←単数系) っぽい音が聞こえてきたりするんですが、残った人員から考えると、タルくんの仕業っすかね? ギターでこういう効果が出せるのかどうかはよく知らんのですが、なかなかい感じです。 で、続いてタルが本職のギター・プレイを披露するんですが、それなりのテクニックと歌心が感じられて、これまた悪くないと思います。終盤は3者によるインタープレイみたいな感じになって、そこそこ盛り上がって、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続いては歌物ナンバーの 「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」 。 日本名 「恋を知らないあなた」 でありますな。 バラードではなく、ミディアム・スローくらいのテンポで料理されているんですが、テーマ部はピアノが主導するメロディに、ギターが軽く絡む感じ。 微妙に室内楽っぽい風情が漂っていたりして、うーん、まあまあ? サビのフレーズはハンクのピアノが珠玉っぽくて、なかなかい感じです。 で、ソロ先発はタルくんですか。 タルるートくん的なマジカルさを感じさせる弾きっぷりで、冒頭では 「木の葉の子守歌」 っぽいフレーズを引用したりもしているんですが、タルと言えばタルタルソースっすよね。 昔、うちの学校の給食で集団食中毒が発生し、白身魚フライのおまけに付いてきたタルタルが原因なんじゃないか? …と疑われたりしておりましたが、真実はどうだったんすかね? 給食のおばちゃんが指に怪我をしていて、そのバイ菌がレタスに付着したという説もあって、だとしたら給食のおばちゃん、駄目じゃん! ま、僕は罹患しなかったので、別にどうでもいいんですが、で、続くハンクのピアノは、ソロ・パートでも立派に珠玉してますなぁ。 続くレイ・ブラウンの褐色光線的なピチカート・ソロもいい感じだし、その後、ハンクがチェレスタっぽい楽器 (もしくはエレピ?) を弾くという演出まであったりして、さすが70年代物だけあって、変に凝ってたりしますな。 今のところはそれが嫌みを感じさせない、よい方向に進んでいるんですが、とまあそんなことで、おしまい。

 ということで、次。  「プット・オン・ア・ハッピー・フェイス」 。 恐らく歌物ナンバーだと思うんですが、デキシーランドっぽい雰囲気のハッピーな楽曲に仕上がっております。 テーマの後、短めのベース・ソロがあって、以下、ギター、ピアノと続いて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 ベニー・グッドマン作曲の 「ストンピン・アット・ザ・サヴォイ」 。 日本語で言うと、紅良男作曲の 「サヴォイでストンプ」 ということになろうかと思いますが、グッドマンくんは善人そうな見た目とは裏腹に、けっこう陰険なヤツで、ちっとも良男ではないという話を聞いたことがあるんですけど。 もしかしたら金正男のほうが正しい男だったりするのかも知れませんが、曲そのものは調子がよくて、まずまずの良曲だったりしますよね。 ま、ただ調子がいいだけで、個人的にはさほど好きなタイプではなかったりするんですが、ここでのテーマ部でのアレンジはちょっぴり哀愁が漂っていたりして、やや異色な展開であると言えようかと。 ハンクの呼びかけにタルくんが応答するという形なんですが、ピアノのトーンが妙にメランコリックだったりするんですよね。 ま、演奏が進むに連れて、普通にスインギーになってくるというか、タルのギターがパット・マルティーノ風に前衛っぽくなる場面もあったりして、何だか予想外の展開。 貝類があまり好きではない僕にとって、予想外というのは何だかちょっと貝類っぽくてアレなんですが、これはこれで悪くないと思います。 7分35秒という長めの演奏で、参加者各位のソロも十分にフィーチャーされていて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。  「ジョージア・オン・マイ・マインド」 。 「我が心のジョージア」 っすか。 ジョージアと言えば、山本譲二や。 そんな印象を持っている人が多いと思うんですが、朗々と歌い上げるのが定番であるこの曲を、ここでのタル一味はアップ・テンポでスインギーに料理しておりまして、ここでもちょっと意表を突かれてしまいました。 秘孔を突かれるほど致命的ではないのでいいんですが、なかなかやってくれますな、タルくんも。 演目を見て、退屈なスタンダード集を覚悟していたら、意外と頑張ってくれているんですが、ギターのソロもけっこう前衛だし、ピアノのソロは相変わらずラブリー&キュートだし、その背後では打楽器っぽい音も聞こえてスイングしているし、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、6曲目。  「ユー・アー・トゥ・ビューティフル」 。 今度は気を衒わずに普通にバラードでやっておりまして、これで正解だと思います。 途中にベースの無伴奏ソロを挟むなど、それなりに実験精神も見られるし、単純なソロ回しに終わらず、適度に化粧まわしな展開だったりするし、でもって、皿回し、猿回し、さだまさし。 ということで、7曲目。  「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」 。 デイブ・ブルーベックのペンによる超ラブリー・ナンバーでありますな。 ピアニストが書いた曲だけに、ピアノで演奏するのがお似合いなんですが、ギターでもわりとイケそうな気がするので、それなりに期待したんですが、果たして、なかなか悪くない仕上がりとなっておりました。 ハンクのピアノもいい感じに華を添えてくれて、で、そこにレイ・ブラウンも絡んできて、三位一体なインタープレイが展開されることになります。ということで、おしまい。

 で、ラスト。  「ベイサイド・ブルース」 はレイ・ブラウンのオリジナル。 湾岸っぽさがたまらないブルースなんですが、かなりディープな上がりなので、それなりに覚悟は必要かと。 演奏時間も 7分04秒と、無駄に長かったりするしー。 でもまあ、これで最後だと思えば何とか耐えられる範囲だし、とまあそんなことで、おしまい。

【総合評価】

 思ってたより、ずっとよかったっす。 ジャズ・ギターがさほど好きではない僕でも、余裕で最後まで付き合えるレベル。 ハンクとレイ・ブラの好サポートが後押ししてくれたという一面もあるんですが、タルくんのギターそのものもペンキ屋としては上出来。 今後、70年代モノもあまり毛嫌いせずに聴いてみることにしよう。 そう思わせてくれる出来でありました。 今後、毛嫌いせずに毛ガニも食べてみよう。 そんな気にはあまりなれなかったんですが、とまあ、そんな1枚なのでありました。


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