RIGHT ON BROTHER (PRESTIGE)

BOOGALOO JOE JONES (1970/2/16)

RIGHT ON BROTHER


【パーソネル】

RUSTY BRYANT (as,ts) BOOGALOO JOE JONES (g) CHARLES EARLAND (org)
JIMMY LEWIS (fender-b) BERNARD PURDIE (ds)
【収録曲】

(01-03) RIGHT ON / THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE / POPPIN'
(04-06) SOMEDAY WE'LL BE TOGETHER / BROWN BAG / LET IT BE ME
【解説】 ( 2012年01月22日更新 / 連載 1,016回 )

 ネットの口コミサイトの 「やらせ問題」 が話題になっておりますな。 ま、そういうことは絶対にあると思っていたら案の定なんですが、テレビ・ラジオ・新聞なんかのマスメディアでも今ひとつ信用出来なかったりしますからね。 話半分くらいに思っていたほうがいいのではなかろうかと。 で、これが雑誌ということになると信頼性は更に低下して、半値八掛け二割引きくらいだったりします。 中には学研の 『ムー』 のように、書かれていることの大半が怪しいものもあったりしますよね。さすがに全部が嘘だとは言いませんが、 「盗人にも五分の理」 で、信頼度は、ま、5%程度なのではなかろうかと。 で、 『ムー』 と言えば、安久津和巳クンがお亡くなりになりましたな。 誰? …と思ったら、 『ムー』 の表紙のイラストを30年描き続けた人なんだそうですが、先日、思うところあって、何年かぶりにバックナンバーを取り寄せたところだったんですよね。 思うところというのは、近いうちに安久津クンの身に何かよくない事が起こるという、予感めいたものがあった。 …とか、そういうことではなくて、ネタになるかと思ったからなんですが、結果はというと、玉砕しました。 もし中身に見るべきものがあるようなら、これを期に定期購読に踏み切ろうかと思ったりもしたんですが、バックナンバーを1冊買っちゃったのを激しく後悔するレベル。 お正月休みでどうしようもないほど暇だったので、ぱらぱらと読んではみたんですが、その後にすぐ 「資源ゴミの日」 がやってきたので、桑名市に引き取って貰いました。 そのうち、第2の人生をトイレットペーパーとして有意義に過ごすことになるのではなかろうかと。人心を惑わせる妄言を撒き散らすより、便後の処理をするほうがまだマシですもんね。 安久津クンの訃報は2ちゃんねるのスレにもなっておりましたが、その中には こんな書き込み が。貴重な5%を、こんなところで浪費しちまったかぁ!

 これに比べればまだ、ネットの口コミのほうがマシなような気がするんですが、やらせ半分と分かった上で利用するなら、それなりに有意義な情報が得られたりしますからね。 関係者の自演による超高評価と、誰かの嫌がらせによる超低評価の両方が考えられるので、オリンピックの採点競技のように最高得点と最低得点を除外して真ん中付近だけを見るようにすれば、わりと妥当な線が得られるような気がします。 その点、“Amazon” の場合は 「評価が高くない有用性のあるレビュー」 とか 「評価が高くない有用性のあるレビュー」 とかが一目で分かるようになっていて、便利ですよね。 評価の “高い・低い” は製品に対する評価で、有用性の “ある・なし” はレビューした人の資質に対する評価。 あまり参考にならない意見を書いちゃった人は冷遇されるというドライな世界なので、ドライフルーツとかが嫌いな人には駄目だと思うんですが、僕は評価しますね。 “Amazon” には “konozama” 問題があったりするんですが、こういうところはさすがだと思います。 ただ、商品を送ってくる段ボール箱が無駄に大きかったりするのがちょっとアレなんですが、省力化の為にサイズをあまりたくさん用意してないんですかね? 大きな荷物が届いて何だかすごく得した気分になるのに、手に持ったらすごく軽くて、で、開けてみたらシケた物しか入ってなくて、お土産に “大きなつづら” を選んでしまった 「舌きり雀」 の欲張りな婆さんの気分。 前貼りの婆さんよりはマシかも知れませんが、婆さんだからこそ、前貼りで隠蔽して頂きたいと思うし、ま、自分で注文したものだから、どんな物が届くのかは見当が付くんですけどね。 が、一瞬でも期待しちゃった分だけ、何だか騙された気分になってしまいます。 山崎ハコのCD1枚でも、でかい箱で送ってくるのはやめて欲しいんですが、そういえば僕も“Amazon” に 「やらせレビュー」 を何度か書いたことがあるのを思い出しました。 某わかこ先生に頼まれて、漫画本や絵本の評価に気前よく “五つ星” を進呈させて頂きました。 他にも絶賛している人がいたので聞いてみたら、 「息子の嫁が書いた。」 と言っておりましたが、こういうのは厳密に言うと “やらせ” ではありませんよね。 “大人の事情” 。 そのように理解して頂きたいと思います。

 今は無きジャズ雑誌の 『スイングジャーナル』 にアルバム・レビューのコーナーがあったんですが、たまに凄く低い評価を付けられている奴がありましたよね。 これ で言うと、 “うなだれおじさん (貧弱) +ワニ (おまけ) ” みたいな。 点数は参考程度に考えていた僕も、これだけうなだれられてしまうと、さすがに購入を手控えたものでありますが、営業妨害で訴えられても文句は言えないレベル。 レコード会社の営業担当者が評論家の先生への付け届けを怠ったとか、何かそんな大人の裏事情でもあったんっすかね? もしくは“Amazonギフト” で商品を送ったところ、段ボールの大きさに比べて中身があまりにも小さかったので不興を買っちゃったとか。 そもそも電化製品とかならまだしも、音楽や小説や漫画なんかの好き嫌いは、個人によって大きく評価が変わりますからね。 他人の口コミだけで判断するのはよって無理があると思います。 よって、僕がこのコーナーの後半で誰かの演奏を貶していたとしても、それはあくまでも個人的な思いを述べただけなので、参考程度にして頂きたいと思います。 で、もし、レコード会社の営業担当者が僕になんらかの便宜を図ってくれるようであれば、論評に若干の手心を加えるに吝かでは無かったりするので、そこんとこ、ヨロシク♪ で、今回 「食べログ」 なんかも “やらせ” が問題になっているんですが、飲食店の評価というのも難しいものがありますよね。 ある人が 「美味しい♪」 と絶賛していたとしても、実際に自分で食ってみたら、それほどでも無かった。 そんな経験は腐るほどあります。 その人に 「やらせ」 の意図が無かったとしても、食べ物の好き嫌いなんて主観に左右されまくるものなので、仕方が無いっすよね。 また、有名な店であれば何でも美味しいと感じるタイプの人もいれば、有名なところは、とりあえず貶す。そういう人もいます。名前ばっかりで、ぜんぜん大したことねーじゃん!…みたいな。 人と違った考えを持ってる俺様って、カッケぇ! 厨二病をこじらせると、そういう大人になったりします。ひねくれたジャズ・ファンなんかにそういうタイプが多い気がします。 また、郷土愛が過ぎるあまり、四日市のトンテキとか、津ギョーザとか、ぜんぜん大したこと無いじゃん! 桑名の “アイスまんじゅう” のほうが、よっぽどいいじゃん! そんなことを言い出すヤツもいたりして、食い物に関してはもはや、人間は客観的な判断を下せなくなってしまっているような気がしますなー。

 基本、口コミ情報というのは客からの一方通行なんですが、例外的にサービスを提供する側からの反撃が認められている場もあったりします。 “楽天トラベル” や “じゃらん” なんかのホテル・旅館の口コミがそれなんですが、あれには宿泊施設からの返答がありますよね。 基本、無難な定型文でお茶を濁しているところが大半なんですが、時には、あまりにも人間的なバトルが繰り広げられることもあったりして、端から見ている分にはなかなか面白かったりします。 とまあそんなことで、 『お客さまの声 ヲチスレ』 。 期待していた 『ムー』 が何の役にも立たなかったので、またしても “2ちゃんねる” に依存することにしたいと思うんですが、楽天、じゃらん、トクー、ニフティ等の熱い投稿を貼りましょう。逆切れした宿側の投稿も歓迎。 ※客側、宿側のイタイ投稿をコピペまたはリンクして、スレの皆でマターリヲチするスレです。 そういうアレのスレからいくつか興味深い案件を紹介して、それで何とか乗り切ることが出来ないものかと。 さ、頑張りましょう。

 ということで、まずは これ 。 朝っぱらから何をやっていたのか、非常に気になるところでありますなぁ。 ちなみに僕は学生時代、ナガ○マ温泉でバイトしていたことがあります。 基本は遊園地の切符切りだったんですが、一度だけ “ホ○ル花水木” の掃除係に配属されたことが。そういえば一緒に働いてたオバチャン、鍵が掛かっていても平気で合い鍵を使って中に侵入してましたなぁ。 幸い、あんなことやら、こんなこと。ああん、そんなことまでぇ♪ そういった場面に遭遇することは無かったんですが、普通に浴衣姿の人妻とかがいたりして、シャイな僕には辛い職場でありました。 いくらシャイとは言え、謝意を求められても文句は言えないレベル。 実際、この猿ヶ京の温泉旅館は室料をサービスしたみたいですが、逆に考えると、布団係のおばちゃんが入って来そうな時間帯にそういう行為に耽っていれば、宿泊料金を踏み倒せるチャンスだったりするとか? 誰か僕と一緒に猿ヶ京温泉に行って、試してみませんか? あ、でも、 こういうシチュエーション はお断りさせて頂きたいと思います。 男性2名様での大変仲の良いお客様。 あまりにもワケあり過ぎて、 「どこからいらっしゃいましか?」 などとプライバシーに踏み込むのに躊躇しちゃったんでしょうな。 下手に 「昨晩はお休みいただけましたか?」 などと聞いて、 「ケンジが激しすぎて、ほとんど寝られなかったのぉ♪」 とか言われたりしても、どういうリアクションを取ればいいのか悩むことになるしー。 旅館側としてはお客に気を遣ったつもりだったのに、悪いほうに取られて 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」 の心理で部屋や温泉や食事にまでケチを付けられて、お気の毒な限りです。 ということで、次です。 これ 。 あー、気持ちは分かります。ビデオと言っても “すけべ” なのばかりではなく、すけべ×2チャンネル+そうでないもの1チャンネル。 そういう構成だったりするので、たとえ 「ビデオチャンネル見放題」 だったとしても、俺は “そうでないもの” を見たくてこのプランを選んだんや! そんな心意気で堂々としていればいいと思うんですが、実際に見たのは “すけべ” オンリー。 しかも、よさそうなシーンを求めて2つのチャンネルを行ったり来たりしていたという事実を顧みると、シャイな僕としてはどうしても卑屈にならざるを得ません。フロント係が若いオネーチャンだったりすると、尚さらツライです。 こんな辱めを受けたからには、室料をサービスして貰わないと割が合わないんですが、宿泊客の怒りが “!?” という記号に如実に表れていて、簡潔ながら優れた作品だと思います。

 で、次。 これ。 おお! ま、気持ちは分からんでもないんですけどね。 いや、何となく。 僕はおにいさんとかオッサンが大嫌いで、出来ることならあまり関わり合いにならずに人生を過ごしたいと思っているんですが、接客面ですごく爽やかで素敵な好男子がいたりするのも事実です。もう、講談師としても食っていけそうなレベル。 愛想のないネーチャンより、いいかも? …と、間違った道に迷い込んでしまいそうになったりもするんですが、その一面、 こんな男子社員 も。 そうっすかぁ。教育しても駄目っすかぁ。 というか、この件に関して今年入社の若い男性はそんなに悪くはないと思うんですが、何もこのニーチャンが羽織のポケットに女性の下着 (パンツ) を入れたわけじゃないんだしー。 というか、羽織のポケットにパンツって、けっこう嬉しいプレゼントのような気がするんですが、男性 / 50代の心に響かないオバチャンっぽいデザインの下着だったとか? 自分も50代なんだから、贅沢言うな! そう思わずにはいられませんが、それはそうと、何をどうやったらパンツが羽織のポケットに入っちゃうんですかね? 酔っ払うとパンツを脱いじゃう癖がある人なのか、あるいはこの男性 / 50代が女風呂に侵入して脱衣かごからこっそり拝借したのがバレそうになったので、逆ギレしたとか。 真意の程はよく分かりませんが、とりあえず次。これ 。 実を言うと僕はこの手のレビューを書くのがちょっぴり苦手だったりするんですが、変に笑いを取ろうとしたりして、結果としてスベっちゃうという。 このキャッスルホテル高松の人も、何だか同じような匂いがしますなぁ。 これなんか全然マシなほうで、この人の特徴は意味も無く無駄に文章が長いことなんですが、 これ なんか酷いですなー。半分近く (中略) したんですが、スクロールしないと全文が読めない返信なんて初めて見たような気がします。ディスプレイによっては自動で縮尺されて字が読みにくくなっちゃってるんじゃないかと思いますが、ちなみに最後に書いてある 「2点」 というのは恐らく、客の口コミに対する評価なのではなかろうかと。 宿のほうが の数で評価されるので、それに対抗しているんですかね? 投稿者さんの総合 ★★ 2点。 そういうことなんでしょう。わりといい事を書いて貰っているのに、シャワーが使いづらいと言われたのにカチンときたのか、なんとも辛口な評価でありますな。 無論、辛辣なレビューを投稿した人には 容赦ない返答 が。酷ぇ。。。 “旅行の目的…レジャー 同伴者…友達” となっているのに友達のいない根暗認定されてしまって、良く無し4974くん、立場がありません。 で、さらに読み進めると、先ほどの「2点」というのが、実は星の数 (=5点が最高) では無かったことが判明するんですが、楽天トラベルのシステムに関する こんな実情 も。

 ちなみにこの人、 キャッスルホテル高松 の他に、姉妹館らしい フレンドリー高松 の返答も担当しているんですが、厨二病をこじらせた二十歳そこそこのヤングな若者なのかと思ったら、どうやら50歳を超えてるみたいです。 僕と同じく、一銭の得にもならない駄文書きに血道を上げているこのオッサンには親近感を持たずにいられませんが、と同時に、意味のない無駄に長いだけの文というのも、何だかなぁ。。。 そんな気持ちにもなってしまいましたが、ということで、おしまい♪

 とまあそんなことで、今日はブーガルー・ジョー・ジョーンズなんですが、あ、他のホテルの部屋の狭さを非難うんぬんというのは、たとえば これ のことですな。口コミへの採点は基本的に10点満点のようで、先ほどの26点は例外的な高得点だったようですが、他のホテルに対するネガティブキャンペーン、半端ねぇ! 去年のゴールデンウィークに高松のほうへ遊びに行ったんですが、どうせならここに泊まればよかったですなぁ。 この先、香川のほうに行く予定は無いんですよねー。 そんなことを書いたら、『香川のほうに行く予定は無い』と書かれていましたので、1月いっぱいスタッフ一同泣き崩れておりました。 そんな答えが返ってきちゃいそうなんですけど。 とまあそれはそうと、ブーガルー・ジョー・ジョーンズ。 このところ白人ギタリストのちょっと小粋な作風系ばかりを取り上げていたんですが、今回はガラッとイメージが変わります。 “パパ・ジョー” のジョー・ジョーンズでも、 “フィリー” のジョー・ジョーンズでもない、この“ブーガルー” なジョー・ジョーンズに関して、僕は何の知識も持ち合わせていないんですが、ジャケットの写真を見る限りではいかにも田舎臭いアンチャン風で、何だか親しみが持てますよね。 ただ、都会的なアンニュイとか、そっち方面にはまったく期待が持てそうにはなくて、作風的にはコテコテのソウル系であるに違いないんですが、ま、たまにはそういうのもいいのではなかろうかと。 ラスティ・ブライアントのサックスに、チャールス・アーランドのオルガン。 プレスティッジの “そっち系” の面子を掻き集めた強力な布陣に、リリー婦人も期待♪ そんな感じだったりするんですが、プロ野球関連のスレによく登場しますよね、リリー婦人。 リリーフ陣の話になると出てきたりするんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずはブーガルー・ジョーのオリジナルで、 「ライト・オン」 。 何でもいいけどこの “ブーガルー” という呼び名はちょっと変ですよね。 ジャズ・ファンなら真っ先にルー・ドナルドソンの 『アリゲーター・ブーガルー』 を連想するんでしょうが、一般人の場合、高木ブーがルー大柴に変身するシーンとかが浮かんできちゃうんじゃなかろうかと。 ま、そんなものが浮かんだところで実害は無いので別にいいんですが、で、曲そのものはアレです。スカスカなリズムがいかにも70年物っぽかったりするんですが、テナーのオルガンの絡み具合がファンクっぽくて、ちょっといい感じ。 その後に出てくるギターのソロは、やっぱりちょっとダサかったりするんですが、単純なフレーズを執拗に、不必要なくらい繰り返す手法はちょっぴりグラント・グリーンっぽくて、悪くありません。グリーンに黄色を加えて、黄緑っぽくしたスタイルだと思って頂ければ分かりやすいかと。 で、続くラスティ・ブライアントのテナー・ソロもいい感じにワイルドだし、続くチャールス・アーランドのオルガンは真っ黒く盛り上がっているし、で、ジミー・ルイスのベースもフェンダーがよく効いておりますなー。 会社の名前みたいなんですけどね、フェンダー。 「アンパンマンとナンカヘンダー」 とはあまり関係が無さそうんですが、とまあそんなことで、おしまい。 もっとアーシーで泥臭いのを想像してたんですが、意外とヤング向けのカッコいい出来だったりして、なかなか楽しめる1曲でありました。

 で、次。エリントン・ナンバーの 「シングス・エイント・ホワット・ゼイ・ユースト・トゥ・ビー」 。 あ、これはいけません。 アーシーで、泥臭くて、田舎臭くて、泥鰌臭くて、僕の好きになる要素がみじんも感じられないタイプの曲だったりします。 「昔はよかったね」 という邦題もオッサン臭いのを通り越して、老人の域に達してますよね。子供の頃、若い頃、そして今。 いつも時代にもおしなべて、楽しいことなど何も無かった僕の人生において、昔を振り返る必然性など、どこにも無かったりします。 ま、確かに日本という国全体で考えてみると、今よりも昔のほうが輝いていたのは事実なんですが、過去を懐かしむのでなく、精一杯、今を生きるのが大切。 今いくよがそんな事を言ってたような気がします。なかなかいいことを言いますなぁ、今くるよの相方も。 もしかしたら、そんなことは言ってなかったかも知れませんが、で、演奏のほうはというと、思った通りのムサ苦しい仕上がりだったので、何だか妙に納得。 これでもし、都会的でアーバンな出来だったらどうしよかと思っていたんですが、期待を裏切ることはありませんでした。 ま、好きではないんですけどね、こういうの。 テナーとギターのユニゾンによるテーマに続いて、ラス・ブラ、ブー・ジョー、チャー・アーの順で各自のソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 個人的にはちょっとアレだったんですが、でもまあ、たで食う虫も好き好き好き好き好き好き〜、愛してる〜、好き好き好き好き好き好き〜、一休さ〜ん♪ そんな諺もあるくらいなので、ま、好き好きなんでしょうな。

 ということで、次。ブーガルーくんのオリジナルで、 「ポッピン」 。 急速調で、それなりに勢いのある演奏だったりするんですが、曲そのものはダサい感じだったりするので、ギャルのウケはよくないものと思われます。 ブーガルーのソロそのものは、例の黄色が混じったグラント・グリーン風のスタイルが堪能出来たりして、かなり頑張っていると思うんですけどね。 続くチャールス・アーランドのオルガン・ソロも長島アーランド的な盛り上がりを見せているし、ラスティ・ブライアントの豪快なブロウも、とっても海賊戦隊ゴーカイジャー。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 とにかく、熱過ぎるほどの仕上がりである点は、それなりに評価していいのではなかろうかと。 でもって、4曲目のナンバーは何とも言えずにベタでありますな。それもその筈、当時のポップ・ヒット、シュープリームスの 「サムデイ・ウイル・ビー・トゥゲザー」 のカバーなんだそうで、こういうのが恥ずかしげもなく出てくるあたり、70年代がジャズの不毛時代と呼ばれる所以でありますな。 厨二病のオッサンに馬鹿にされる大きな要因にもなっています。 当時はこういうのがナウかったんでしょうが、今となってはナウいのを通り越して、 「イマイ」 の領域に達しちゃってる感じ? 今井メロの 「メロラップ」 に通じるものがあるんですが、ガンガン、ズンズン、グイグイ、上昇♪ (中略) 戦場・炎上・技・特上 燃えた瞳が物語る〜♪ ま、とりあえず 「炎上」 だけでも実現したのはよかったと思うんですが、 こんなAA も作って貰えたみたいだしぃ。 AA職人には是非、 『ムー』 の連載で頑張っている、あすかあきおのアスキーアートを作って頂きたいところなんですが、そんなの作ったところで誰にも分かって貰えないので、やるだけ無駄なような気もするんですけど。 で、演奏のほうはというと、ベタはベタなりに、それなりに頑張ってくれていて、その点では評価していいと思うんですが、ラスティ・ブライアントのめっちゃイカすサックス・ソロは、純真なロック少年のハートをがっちりキャッチするには必要十分だしぃ。

 ということで、次。  「ブラウン・バッグ」 。 グレン・ミラーの有名なヒット曲に 「茶色の小瓶」 というのがあって、太田裕美のあまり有名ではないヒット曲に 「茶いろの鞄」 というのがあったりするんですが、そのどちらとも関係ないブーガルー・ジョー・ジョーンズのオリジナルだったりします。 茶色シリーズで 「茶色の尿瓶(しびん)」 というのがあってもよさそうなんですが、実際にないところを見ると、やはり尿瓶で茶色というのは不似合いだったりするんでしょうな。 尿にウンコが混じって茶色く変色したりしても気付きにくいというデメリットがあるしぃ。 で、このブーガルーな 「茶色の鞄」 はというと、なかなかいい感じのファンク・チューンに仕上がっておりますな。アルバム冒頭の 「ライト・オン」 の続編というか、2番煎じというか、2匹目の泥鰌というか、宍戸錠というか、そんな感じがしないでもないんですが、そこはまあ、大人の事情ということで。 大人の情事に比べれば健全なムードだし、目くじらを立てるほどの事でもないでしょう。 あまり目くじらを立てるとシーシェパードが鬱陶しいし、で、テーマの後、ブーガルーのノリノリなギター・ソロが披露されることになります。 続くラスティ・ブライアントのサックスもカッコいいし、チャールスくんもアーランドだし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 で、ラストです。歌物ナンバーっぽい 「レット・イット・ビー・ミー」 。 これがもしビートルズの 「レット・イット・ビー」 だったりしたら、ちょっぴりブーガルーくんを軽蔑しちゃうところでしたが、さすがに節度はわきまえていたようです。 で、最後に 「ミー」 が付くとどうなるのかと思ったら、しみじみとしたバラードになるんですな。 アーランドのアーシーでランドなオルガンをバックに淡々とテーマ・メロディを奏でるブーガルーが、とっても高木ブー。 ちなみに高木ブーの公式ブログのタイトルはブーガルーではなくて 『TAKAGIのBoolog』 。 2010年3月15日で更新が止まっていて、ヤル気なし。もしかして、人知れず孤独死しちゃってるんじゃないかと心配になりますが、本名:高木友之助。 何か普通にカッコいいっすな。 で、テーマに続いて登場するラスティ・ブライアントのソロは抑制が効いていて、普通にソウルフル。 この人たちが単なる下品なオッサン集団でないことを知らしめてくれる、そんな仕上がりでありまして、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 ま、意外とよかったんじゃないでしょうか。 素人ウケする1曲目と5曲目、アドリブが超絶的な3曲目、心が安らぐ6曲目。 ま、残る2つは好き好きでしょうが、この勝率なら十分に元が取れるモト冬木。 ブライアントとアーランドのアン・ラン・コンビも頑張ってるし、津軽三味線っぽいブーガルー・ジョーの弾きぷりも、結構、いいじょー♪


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