JAZZ (JUBILEE)

JOE PUMA (1957)

JAZZ


【パーソネル】

JOE PUMA (g) OSCAR PETTIFORD (b)
EDDIE COSTA (vib) <#1-3> BILL EVANS (p) <#4-6> PAUL MOTIAN (ds) <#4-6>
【収録曲】

(01-03) UBAS / BLUES FOR MIDGE / STABLEMATES
(04-06) I GOT IT BAD (AND THAT AIN'T GOOD) / MOTHER OF EARL / INDIAN SUMMER
【解説】 ( 2012年01月08日更新 / 連載 1,014回 )

 新年、明けましておめでとうございます。 お正月休みも終わっちゃいましたが、みんなはどのように過ごしていたかな? うちの会社は12/29〜1/4が休みだったんですが、初日は超地味な仕事が入ったので、養老町に行っておりました。2時間弱で終わってしまって、そのまま家に帰るのもアレなので、会社の近くにある 東洋健康ランド に行って、のんびりしてきました。 施設そのものは老朽化していて昭和の香りが漂いまくっているんですが、風呂も食堂も休憩室も人が少なくて、快適でありました。 お食事は “東洋大飯店” で 「鉄鍋麻婆豆腐定食」 といったものを食ったんですが、鉄鍋に入っているので猫舌の僕にはちょっと辛いくらいアツアツだったし、辛いのが苦手な僕でも辛くはないくらいの辛さだったし、何でもいいけど 「辛(つら)い」 と 「辛(から)い」 は漢字が同じなので、ちょっと分かりにくいですな。カレーは辛い。加齢は辛い。前後の文脈から判断するしかありませんな。 じゃ、鰈の場合はどうなのかというと、平ぺったいサカナが嫌いな人には辛いだろうし、味付けが濃すぎれば辛いだろうし、難しいところです。 で、けっこうボリュームもあったので、ここの中華料理はお年寄りにはちょっと辛いかも知れませんが、そういう人は大広間レストランで大衆演芸でも見ながら 「健康定食 (日替わり) 980円」 を食べるというのが無難かも知れません。 ひじきを煮たり、高野豆腐を煮たり、切り干し大根を煮たり、ニタリ貝を煮たり、そういう地味なおかずばかりなんでしょうな、多分。 いや、ニタリ貝はお年寄りには刺激が強すぎて、ちょっぴり健康に害があるかも知れませんけど。

 で、大晦日の夜にはオウム真理教の平田信クンが出頭したというニュースが飛び込んで来たりしました。 新大阪から新幹線に乗って上京したようなんですが、駅のコンコースとかって、思いきり 「この顔にピンと来たら110番」 のポスターが貼ってあったりしませんか? その昔、米原駅で人と待ち合わせして、携帯で「どこにいるー?」と聞かれた時、「んーと、菊池直子の前っ!」 …と答えたような記憶があります。 ちなみに直子タンはオウム真理教陸上競技部出身なんだそうですが、それだけに逃げ足が早いですなー。大阪国際女子マラソン (127位) という実績もあるようで、途中で道を踏み外さずにちゃんとマラソンのコースを走っていれば、高橋尚子と一緒に “Wナオコ” としてデビュー出来た可能性もあるのに、残念な限りです。 それはそうと平田信クンなんですが、新大阪駅で見掛けて、手配写真と見比べて、 「ん?似とるんちゃう?」 と思った人もいたんじゃないですかね? あの時、ピンと来て110番しておけば、報奨金500万円貰えたかも知れんのにぃ。。。 東京の五反田あたりで見掛けた人もいるかも知れず、地団駄を踏んで悔しがっているに違いありませんが、本人が捕まる気満々で堂々としていたりすると、案外、気付かれないものなんすかね? 僕にもそういう経験があるんですが、昔、東洋健康ランドでベロベロに酔っ払って、館内着をそのまま持って帰っちゃったことがあるんですよね。 パクる気満々だったりすると、ドキドキして、オドオドして、挙動不審になって、怪しまれて、捕まっちゃうんですが、無の境地だと意外とスルーされるものなんですなー。 去年の秋、横浜から高速バスに乗って帰った時も、膝掛け用の毛布を持って帰っちゃったしー。 朝早く桑名駅前に到着して、半分寝ぼけながら膝の上の毛布を下ろして、シートの上に置いて、背中にリュックを背負ってバスから降りたんですが、500mくらい歩いたところで、腰の辺りに違和感を覚えました。 「ん?」 と思って手で探ってみると、背中とリュックの間に思い切り毛布が挟まってるやんっ! 降りる時、よく運転手に見つからなかったものですなぁ。 降りてすぐ、近くの公衆便所に入って用を足したりしたんですが、隣で運転手も用を足していて、 「ありがとうございましたぁ♪」 と、明るく声を掛けられたりもしたんですけどね。 悪事をする時は、堂々とすべし。 そんな教訓が得られた次第でありますが、いざとなると、どうしてもオドオドして挙動不審になっちゃう僕は、根っからの善人であると言わずにはいられません。

 で、年が明けて1月1日。 いきなり、ちょっと大きめの地震があったりしましたよね。うちのほうでは、まったく気付かないレベルだったんですがですが、関東や東北で最大震度4を記録したようです。 震源は鳥島近海で、マグニチュードは 「7.0」 と、けっこう大きめ。 あまりにも僻地で、おまけに震源の深さが約370キロというマントル以下の地点だったので、地上での揺れはさほど大きくはなかったんですが、1月1日という発生日が、世間で言われている縁起の悪い数字= “11” に関連のあるものだったので、嫌な予感がした人も少なくなかったようです。 そもそも鳥島ってどこなのかと思ったら、伊豆諸島の向こうのほうなんですな。 そういえば静岡の海岸にリュウグウノツカイが打ち上げられたというニュースがあったんですが、何か関連があるのかも? こじつけようと思えば何とでも言えるんですが、東海地震の前兆ではないかとか、富士山大爆発、あるかも? …とか、いろいろと言われてますよね。 とまあそんなことで、行ってみました、静岡県。 いや、行き先は別にどこでもよかったんですが、ずっと家にいても暇なので、1月3日に日帰りでプチ旅行に行くことにしたんですよね。 セントレアで夕日の写真を撮ろうかとか、琵琶湖で夕日の写真を撮ろうかとか、浜名湖で夕日の写真を撮ろうかとか、いろいろと案を考えたんですが、天気予報を見たら滋賀のほうは微妙に雪が降りそうな雰囲気だったので、とりあえずパス。 愛知や静岡のあたりは晴れマークが出ていたんですが、15時以降は曇りとなっていて、夕日の撮影もちょっと微妙なところかと。 ということで、昼間の晴れているうちに富士山を狙うことにしたんですが、最近、長距離ドライブが億劫になって来ちゃったし、Uターン・ラッシュで高速道路が混みそうな日程なので、新幹線で行くことにしました。 日本平 に行ってみようかと思ったんですが、バスの便が今ひとつ不便そうなので諦めて、じゃ、三保の松原 にでも行ってみようかと。 東海大学の海洋科学博物館とか自然史博物館なんかもあって、地味に暇が潰せそうですよね。 清水からのバスの便も悪くなさそうだし、シュミーズ好きの僕にとって清水という地名は、ちょっぴりソソられるものがあったりします。 シュミーズの次郎長とか、マニアにはもう、たまらんっ♪

 ということで、 “さった峠” というところに行ってみることにしました。 いろいろと調べているうちにここを発見して、こっちのほうがいいかな? …という気がしたので、三保リンは捨てることにしました。 さった峠。 どういう字を書くのかと思ったら、“薩?峠”。 「た」 というのが特殊な漢字のようで、コピペしても “?” に化けちゃうので平仮名で表記されることが多いんですが、どういうところなのかというと、 こういうところ 。 ん? 今、管理者・天野がウインクしたような気がするんですが、気のせいっすかね?  こういう趣向は気持ち悪いのでやめて欲しいとことですが、これに対抗して三保の松原は、美保純のパンツがチラっと見えるようなヤツを作ってみたらどうっすかね? それなら僕は迷わず、さったを捨てて三保に走ったと思うんですが、さった峠の場合、バスに乗らなくても駅から歩いていけるというのがお手軽でいいっすよね。 ま、片道4キロくらいあるようなので、ちっともお手軽ではないんですが、日頃の運動不足解消の意味もあるので、頑張るとして。 興津駅を出てしばらくすると “宗像神社” の入口が見えてきます。 そ…宗像神社? し…宗像神社? 正しくは、む…宗像神社と読むんですが、石に彫られた看板(?)には 「女体の森」 などと書かれていて、ソソられること、この上なし。 ただ神社そのものはシケていそうで、女体が鑑賞出来そうな雰囲気も感じられなかったので、素通りすることにしたんですが、で、しばらくすると 駿河健康ランド の建物が見えて来ます。 そう、今回、さった峠を散策した後、この健康ランドでメシを食ったり風呂に入ったりして、のんびりと過ごそう。 そういう健康的なプランだったりするんですが、後で美味しい食い物と、温かい温泉と、素敵な女体が待っているかと思うと、頑張って歩こうという気になりますよね。 いや、もしかしたら女体は待っていないかも知れませんが、とりあえず頑張りましょう。

 駅を出てしばらくは、 (←) この断面図を見ても分かるように、平坦な道のりです。ごく普通の地方都市の郊外といった感じで、うっすら海の気配が感じられる意外、さほど楽しい道のりではありません。 鑑賞スポットとしては、 ちょっといい感じの河口 があったり、 たむけんが出動 していたりするくらい。 で、詳しいルートは後から地図上で紹介するとして、踏切を渡って狭い道を歩いて行くと、海岸寺 というのが出てきます。 「百体観世音菩薩」 と書いてあり、いい感じの石段があったので、帰りがけにちょっと昇ってみたんですが、ざっとみた感じ、ただの民家風の建物があるだけで、とてもそんな立派な観音様が拝めるようには見えませんでした。 で、更に進むと今度は “白髭神社” というのが出てきます。 こちらも帰りがけに初詣がてら覗いてみたんですが、ま、ちょっとした普通の神社でありましたな。 こんな感じ です。 この神社の入口のところに こんな標識 が立っているので、後はそれに従って下さい。 ちなみに 「さった峠」 への案内標識は興津川の河口あたりにも立っているんですが、それに従うと遠回りになっちゃうので、要注意。 恐らく、クルマで途中まで行く人向けの案内であるものと思われ、 管理人・天野のブログの地図 で言うと、赤の道に近いルート。 歩きの場合は青い道で正解だと思うんですが、で、道に立ってる看板に書かれている所要時間は実際の1.5倍くらいの数字になってたりするので、これを見てメゲたり、諦めて引き返したりしないよう、頑張りましょう。 で、ここを過ぎると 墓場 があって、便所や休憩所があったり、無料サービスのレンタル杖が置いてあったりするので、ありがたく利用させて頂くことにしましょう。 杖があると、とりあえずの手持ちぶさた感は解消されます。 ただ、腕に通す紐が無いタイプなので、写真を撮る際にはちょっと邪魔だったりするんですが、で、クルマで来ることが出来るのはここまで。 この先、ちょっと急な坂道が続くことになるので、覚悟を決めましょう。

 ここからが実質的なハイキングコースであると行っていいと思うんですが、周囲はミカン畑になっていて、今の時期には黄色いミカンの実がたくさん成っているので、心が和みます。 無論、無断で採って食ったりしてはいけません。 ビクビクしながらミカンを盗もうとすると、挙動不審になって怪しまれて、農家のオッサンに怒られて、せっかくの楽しい旅の思い出が台無しになっちゃうので、どうしてもミカンが食いたければ、もう少しだけ我慢しましょう。 ここまで来ると、ちらちらと海も見えてくるし、今の時期には水仙の花も咲いていたりするし、そしてなにより、目の前にドーンと富士山が見えてきたりして、気分は最高♪ 今まで出し惜しみして、地味な写真ばかりを小出しにしてきたんですが、みんな、お待たせ! ここで 「さった峠」 のハイライトを一挙にお見せしますぜ!

< さった峠 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 雪の積もり具合がやや寂しいのと、中腹あたりの雲が邪魔くさいのがちょっとアレなんですが、ここまで来ても富士山が見えないことが多いらしいので、これだけ拝むことが出来れば、上出来…っすかねー? ここの売りは駿河湾越しに見る富士山と、東名高速道路と国道1号線の立体交差。その2本立てであるわけなんですが、自然美と人工美の究極のコラボレーションというか、何というか。 何でもいいけど東名も1号線もUターン・ラッシュで大渋滞っすなー。 僕は標高70mくらいの山の上にいるから大丈夫なんですが、もし、この身動きの取れない大渋滞の中、東海地震が発生して、大津波が押し寄せて来たりしたら…? ま、諦めるしかありませんなー。 富士山を眺めながら死ねるなら、日本人としては本望かも? …などと、他人事のように思っていたら、いきなり富士山が大噴火して火山岩が飛んできて、山の上にいる僕のほうが頭に直撃を受けて死んじゃうかも知れないんですが、で、展望台を過ぎてもうしばらく歩くと、由比のほうからクルマで来た人の為の駐車スペースに到着します。 ここからなら何の苦労も無く展望台にたどり着けそうなんですが、頑張って歩いたほうが感動の度合いも大きくなるので、駅からウォークが正解ではないかという気がしないでもありません。 で、駐車場付近にはミカンの無人販売所 (4個くらいで100円♪) があったりするので、どうしてもミカンが食べたかったけど、パクらずにここまで我慢した人は、心置きなく食って下さいね。 僕は何となく買うのをやめちゃったんですが、今になって食っておけばよかったと、ちょっぴり後悔。。。 以上、駅から約1時間のお手軽なハイキングコースでありましたな。 墓場から展望台まで、ずっと上り坂が続くのかと思ったら、途中からは下り坂だったので、最初に覚悟していたほど、大変ではなかったっす。 富士山もそれなりに見えたし、とまあそんなことで、すっかり満足して 「さった峠」 を去ったのでありました。 おしまい♪

 ということで今日はジョー・ピューマなんですが、あ、 「さった峠散策」 のGPSログを載せるのを忘れてましたな。 これ なんですが、で、諸般の都合により書くことが出来なかった “健康ランド” に関しては、この先、曲解説に行き詰まった時点で適当に織り交ぜるとして。 とまあそんなことでジョー・ピューマなんですが、またまたよく分からんギタリストが登場しちゃいましたな。  “JAZZ名盤999 BEST&MORE” のシリーズはあまりにもマニアック過ぎて、個人的には嬉しい限りなんですが、今日はそんなピューマくんの 『ジャズ』 というアルバムを紹介したいと思います。 あまりにもシンプルなタイトルで、あるいは 『ジョー・ピューマ・カルテット・アンド・トリオ』 というのが正式名称だったりするのかも知れませんが、そのカルテットとトリオの内訳というのがですね、ちょっと凄いです。 共通の参加者としてベースの大御所、オスカー・ペティフォードの名前があって、で、3人組のほうにはエディ・コスタが追加。 この人はピアノでもヴァイブでも、どちらでもいけるクチなんですが、ここではヴァイブ奏者として参加している模様です。 で、4人組のほうはピアノのビル・エバンスと、ドラムスのポール・モチアンが追加。 どうせならピューマくんは裏に隠して、エバンス名義で出したほうが日本では売れそうなんですが、さすがに半分しか参加してないとなると、それも厳しいっすか。 ただ、日本盤CDの表記は 「ジョー・ピューマ〜ビル・エバンス」 という名義になっていたりして、何だかちょっとインチキ臭いし、エディ・コスタの立場がなかったりするんですが、コスタの参加もマニアにはウケがよさそうですよね。 リーダーのジョー・ピューマがいちばんの 「いらない子」 といった感じなんですが、とまあそんなことで、まずは1曲目。

  「アバス」 はオスカー・ペティフォードのオリジナルで、まずはトリオのほうのセッションから始まります。 曲そのものはシンプルなものであるように思われるんですが、ギターとヴァイブとベースの組み合わせによるサウンドは、何だかけっこう前衛風。 ジュビリーというレーベルだし、1957年の録音だし、オーソドックスなハード・バップ系だと踏んでいたんですが、ちょっぴり踏み違えました。 ジャケットのデザインがとってもアブストラクトなんですが、それに似合った仕上がりでありますな。 小難しいのを通り越して、中難しい領域にまで達していんですが、ギターとヴァイブのユニゾンによるテーマに続いて、まずはピューマのソロがフィーチャーされます。 背景のエディ・コスタのプレイがコンピングの域を逸脱していて、集団即興演奏に近いものとなっているんですが、で、続くバイブのソロのバックではオスペ師匠が張り切っておりますな。 コスタのプレイはタコス的なラテンのノリとは対極の斬新なスタイルでありまして、そこのところが保守派の僕にはちょっと辛かったりするんですが、で、最後に短いベースのソロと、三位一体なインタープレイ的なパートがあって、おしまい。 想像していたのとはかなり乖離があって、この調子ではあまり書くこともなさそうなので、早めに横道に逸れておきますが、ということで、さった峠を去った僕は、駿河健康ランドへと向かいました。 国道1号線のバイパスの下を潜るのに、行き過ぎてからちょっと戻る感じになって、目の前に見えているのになかなかたどり着けなかったんですが、お正月ということもあってか、随分と賑わっておりましたな。 振り袖ギャルがにこやかに出迎えてくれて、東洋健康ランドとは対極的な華やかさだったんですが、受付にはけっこうな行列が出来ていたりして、ゆっくりと寛げないのではないかという、若干の不安も。

 ということで、次。  「ブルース・フォー・ミッジ」 はピューマくんのオリジナルです。 ジョー・ピューマに星飛雄馬ばりの作曲センスを期待していいものなのか、ちょっぴり不安だったりしたんですが、聴いてみたら、うーん、まあまあ? そもそも飛雄馬なんで音楽のセンスは皆無としか思えないので、それを下回ることはないに違いないんですが、ブルージーなブルースで、極微量ながらM.J.Q.っぽい雰囲気が感じられるような、そうでもないような。 ピューマのソロも、コスタのコンピングも落ち着いた感じで、前曲に比べると普通に聴けるレベルでありますな。 コスタくんはソロに入っても落ち着いていて、で、ベースのソロも地味にフィーチャーされていて、ギターとヴァイブの4バースのようなパートがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 アルバムの出来としてはどうやら、最悪の事態は避けられそうなんですが、で、健康ランドのほうはフロントで受付を済ませた後、2階に上がって風呂部門の受付のようなところでタオルと館内着と貰って、ロッカールームで着替える。そういう段取りになっておりました。 ロッカーや風呂コーナーの綺麗さは東洋健康ランドの比ではなく、風呂そのものも一応は温泉みたいだし、色んな種類の浴槽があって、なかなか楽しめます。 浴槽ごとに高・中・低温と分かれているのもいいですなー。 露天風呂は海からの風が心地よく、立ち上がらないと景色は見えないんですが、目の前が海なので、ロケーションも抜群。 お値段のほうは2,000円近くもして、ちっちもお値打ちではないんですが、ま、納得のいく出来ではありますなー。

 で、続いてはベニー・ゴルソンのペンによる 「ステイブルメイツ」 。 よく知られた曲なので、安心系のコンテンツと言えそうなんですが、ピューマ一味も変に奇を衒わずにオーソドックスに料理していて、好感が持てますな。 で、健康ランドの風呂のほうはそこそこの混雑ぶりで、目の前のオッサンの睾丸が持てそうな感じでありました。 いや、持ちたくはないんですけどね、そんなもん。 で、演奏のほうはヴァイブ主導のテーマに続いて、そのままコスタのソロへと流れていって、続いてギターのソロが出てきて、最後にベースが地味にフィーチャーされて、テーマに戻って、おしまい。 で、この健康ランドは飲食部門の充実ぶりが半端でないんですが、無難なところで蕎麦屋に入ってみました。 駿河湾らしさを優先して、桜エビのかき揚げ丼&ざる蕎麦のセットをチョイス。 さくら海老のかき揚げって、石松鍋 (←アルミ容器に入った鍋焼きうどん) に入っているヤツだと、桜エビを干したヤツの殻しか入ってなかったりしますよね。 海老の殻嫌いの僕としては、むしろ何も入ってないほうがマシな代物だったりするんですが、そこはさすが、桜エビの本場である由比 (の近く) 。 健康ランド内の蕎麦屋とはいえ、ちゃんとした桜エビの身が入ったかき揚げになっておりまして、普通に美味しかったっす。 この前、新年の挨拶回りの時、会社の近くのわりとちゃんとした蕎麦屋に入って、そこでも “かき揚げ丼” を食べたんですが、それよりも美味しかったくらい。 とまあそんなことで、次。

 ここからエバンス入りのカルテット演奏になるんですが、まず手始めは歌物ナンバーの 「アイ・ガット・イット・バッド・アンド・ザット・エイント・グッド」 。 これまた、超安全パイと言えそうな選曲なんですが、で、演奏のほうはというと、ちょっぴり野暮ったい風情が感じられるものの、まずまずそこそこ。 そんな感じに仕上がっておりました。 ギター主導のテーマに続いて、ペティフォードのピチカート・ソロが出てきて、で、その後、エバンスの登場となります。 わりと若い頃のプレイなので、変態的なまでの耽美さはまだ感じられないんですが、ノーマルな気品の萌芽のようなものが見られて、なかなか興味深い仕上がりとなっております。 で、その後、ジョー・ピューマとかいう人のギターがおまけで出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、ここまでロッカーと風呂部門で勝利して、飲食部門でも地元らしさという点では東洋大飯店に勝っていると評価出来る駿河健康ランドなんですが、唯一の弱点と言えるのが休憩部門。 1階と3階に畳の休憩室があって、それ意外にも男女別のレストエリアがいくつかあるんですが、繁盛している割には、やや量的に不足が見られました。 テレビ付きのところもマッサージチェアが置いてあるところも仮眠室も、どこも中途半端な大きさで、既にオッサン共に占拠されておりました。 東洋健康ランドは余裕で仮眠出来たのにぃ。 ま、客が少なかったという一面もあるんですが、駿河の法は立派なホテルが併設されているので、こっちのほうで夜を明かす人の都合はあまり考えてないんでしょうなぁ。

 ということで、残り2曲です。  「マザー・オブ・アール」 はアール・ジンダースの作品。 エバンスでお馴染みの 「エルザ」 を作った人なので、この 「アールの母」 にも大いに期待が持てるんですが、聴いてみたら果たして、日本人好みの哀調を帯びた作風であるように思われ、ま、期待した程ではなかったんですが、悪くはないと言えるのでは無かろうかと。 というか、ギターの人が邪魔のように思われ、純粋にピアノ・トリオで聴きたくなったりするんですが、ま、しばらく我慢すればそのうちにエバンスのソロが出てくるので、とりあえず耐えましょう。 ま、そのエバンスも期待するほどの出来ではなかったりするんですが、で、最後にベースのソロが出てきて、テーマに戻って、おしまい。 で、アルバムの最後を飾るのは歌物ナンバーの 「インディアン・サマー」 。 「インディアンの夏」 というのは日本で言う 「小春日和」 のことでしたっけ? 「インディアン、嘘つかない。」 というのは日本では常識なんですが、インディアン・サマーの語源は 「嘘つきの夏」 なんだとか。 人種差別の一例として、興味深い事案でありますが、曲そのものは穏やかで、まさに小春日和の風情。 …と思っていると、ゆったりしているのは冒頭だけで、すぐに激しいテンポに転じたりするんですが、テーマの後、ギターのソロが出てきて、以下、ベース、ピアノと続いて、最後にもう一度ギターが出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 エバンスは、ま、そこそこ個性を発揮してくれたのではないかと思うんですが、とまあそんなことで、健康ランド。 休憩室が空いてなかったので、しかたなく漫画部屋のようなところで過ごすことにしたんですが、東洋のほうにも似たようなスペースがありましたな。僕は自前の電子書籍を読んでいたんですが、漫画の品揃えは駿河のほうがショボかった気がします。 が、客層の点では圧倒的な勝利を収めておりました。 東洋健康ランドの漫画部屋はオッサンと兄ちゃんしかいなかったんですが、駿河には小学生の女子児童の姿が。 で、しばらくすると女子中学生らしき2人組がやってきたりもしました。 しかも、彼女たちは僕のすぐ近くに座ってくれたりして、ラフな作りの館内着姿が

  (;´Д`)ハァハァ

駿河健康ランド、最高っ♪ ま、東洋健康ランドのほうも、まったり感が半端ないし、係のおばちゃん達も親切だったので、甲乙付けがたいものがあるんですが、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 最初の1曲を聴いた時点で、この先どうなっちゃうのかと心配になったんですが、その後は何とか持ち直しました。 ヴァイブ入りトリオと、ピアノ入りカルテット。 2つの異なるセッションが楽しめるのは、変化があって悪くないですな。 エバンスも決して悪くはないんですが、所詮は半分だし、わざわざ副リーダー格として名前を併記するほどの存在感は無いので、過度の期待は禁物です。 演目もメジャー系が半分ほどあってそこそこだし、最初の壁さえ乗り越えてしまえば、ま、そこそこは楽しめる。 そんな気がしないでもありません。


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