JAUNTY−JOLLY (CAPITOL)

HOWARD ROBERTS (1967)

JAUNTY-JOLLY


【パーソネル】

HOWARD ROBERTS (g) BILL PITTMAN (rhythm-g) DAVE GRUSIN (el-org) 
CHUCK BERGHOFER (b,fender-b) SHELLY MANNE (ds)
LALLY BUNKER (ds,perc) EMIL RICHARDS (ds,perc)
【収録曲】

(01-03) I WILL WAIT FOR YOU / SO NICE (SUMMER SAMBA) / WINCHESTER CATHEDRAL
(04-06) SING NO BLUES / THEME FROM "THE SAND PEBBLES" (AND WE WERE LOVERS) / A MAN AND A WOMAN
(07-09) MUSIC TO WATCH GIRLS BY / ALL / IF SHE WALKED INTO MY LIFE
(10-11) THE FACE I LOVE / MERCY , MERCY , MERCY
【解説】 ( 2012年01月01日更新 / 連載 1,013回 )

 新年、明けましておめでとうございます。 いや、これを書いているのはまだ旧年なので、もしかしたら新しい年が明けないまま、人類が滅亡しちゃってる可能性もあるんですが、ま、たぶん大丈夫だとは思うんですけど。 マヤ暦によると、世界の終わりは2012年の12月末ということになってるみたいだしー。 ということで今日は、旧年を振り返り、新年を展望する。そういったテーマでお届けしたいと思うんですが、2011年は色んな事があった。その事に異論を唱える人はいないと思います。 まずは 「グルーポンのおせち問題」 なんてのがありましたよね。 バードカフェ謹製の半額おせちが届いたんだけど、見本とあまりにも違い過ぎぃ。 そういうアレでありました。 今から思えばおせちの容器の仕切が “田” の字ではなく、 “凶” の字みたいになっちゃってたのが凶年の前触れだったんですなぁ。 で、4人分ということだからなのか、6Pチーズではなくて、8Pチーズなんてのが入っていたんですが、6Pだと1人あたり1.5Pになるので、分け方で喧嘩になっちゃいそうですもんね。 でも8Pならちゃんと4で割れるから大丈夫♪ もっとも、その8Pチーズが1個しか入っていないので、どっちにしろ喧嘩になっちゃうんですが、それはそうと、今から思えばこの “8” という数字も、あの悲劇を予見していたんですな。 「8Pチーズで、ハッピ〜♪」 などと暢気なことを言ってたら、大変なことになっちゃったんですが、ま、その話は後から書くとして。

 その後、新萌岳の噴火だとか、京大入試のカンニング事件とかがあったんですが、 “3.11” の 「東日本大震災」 と、それに続く福島第1原発の事故で全部持ってかれちゃいました。 去年の今頃、まさかこんなことになろうとは誰も予想してなかったっすよね。 事前に誰かが予言して警鐘を鳴らしてくれていたら、事態はもう少し軽傷で済んだと思うんですが、とまあそんなことで、 『アセンション!マヤ暦!人類滅亡予言完全ファイル』 。 予言について、もうちょっと真剣に検証したほうがいいんじゃないか? そんな思いに駆られて、マヤ暦関連の電子書籍を探したところ、この本が見つかったので、とりあえず買ってみました。 というか、これしかヒットしなかったので他に選択肢が無かったんですが、呪淋陀という人が書いたものでありますな。 の…のろい・さみしいだ? あるいは “じゅりんだ” と読むのがミリンダ。 そういうことなのかも知れませんが、昔ありましたよね、ミリンダという名前のジュース。 味醂味だからミリンダ? …と思ったら、普通にファンタのパチモン風だったりしたんですが、発行所は山口敏太郎タートルカンパニーとなっております。 “びんたろう” なのか、 “としたろう” なのか、どちらが正解なのかは分かりませんが、都市伝説の本とかを書いている太郎ですよね、敏太郎くん。 で、タートルカンパニーというのが “トータル” の書き間違いなのか、あるいは “亀会社” なのか、どちらが正解なのかは定かでありませんが、で、このアセンション本。 僕は軽いネタのつもりで買ってみたんですが、すべてを読み終えた今、読んでしまったことをちょっぴり後悔しております。 想像を遙かに越えた、あまりにも衝撃的な内容に言葉を失ってしまいました。 ・・・・・。 が、何とか立ち直って少しずつ言葉を取り戻しつつあるので、中身の一端を簡単に紹介しておきましょう。

 まずはこれです。 「人類の未来を予言する悪魔の数字!? 日本で最終決戦ハルマゲドン!?」 。 どういう話なのかというと、アメリカの同時多発テロが9月11日、阪神淡路大震災が1月17日、東日本大震災が3月11日。 どれも “11” という数字が絡んでいて縁起が悪いね。 …という、そういう話だったりします。 それだけなら今までに何度も語られて来て、新鮮味がまったくないんですが、呪クンはここからが凄いんです。 この3つの事件や災害のあった時間に着目してみると、それぞれ8時46分、5時46分、14時46分と、すべて “46分” に起きているんだそうです。 おおっ、マジかよ!? ちなみにこの “46” という数字は、地球が誕生してから46億年だし、人間の染色体は46本だし、かつお風味のほんだし〜♪ …ということで、地球とか、人間とか、カツオとか、カツオ人間とか、何かそういうのに関わっているのではなかろうかと。 さらに呪クンは新約聖書の “ヨハネの黙示録” で 「獣の数字」 と呼ばれている “666” という数字にも着目しております。 例えば、サンフランシスコ大地震は10月17日だったので、1+17=18っ! 阪神淡路大震災は1月17日なので、1+17=18っ! パキスタン大地震は10月8日で、10+8=18っ! 中国青海省大地震は4月14日で、4+14=18っ! 何だかよく分からない大地震がいくつか混ざっておりますが、偶然の一致として片づけるにはあまりにも18過ぎます。 でも、伊代はまだ16じゃん。 そういう意見は無視するとして、大地震に関しては自信を持って18だったりします。 一方、獣の数字のほうははというと、6+6+6=18っ! で、ここに東日本大震災も絡んできたりするんですが、2011年3月11日、すなわち2+0+1+1+3+11=18っ! おおっ、凄ぇ!  「1たす2たす1たす2たすサンバルカン♪」 と同じくらい、もの凄く強引な足し算っ! こうなってくると、グルーポンのおせち問題も無視できなくなってきますよね。 3月11日、すなわち11−3=8Pチーズっ! で、グルーポンというのは今から思えば、原発の 「ぽぽぽぽーん♪」 あれを予見したものだったんですな。 去年の正月の時点でその事実に気付いていれば。。。 返す返すも残念でなりません。

 ということで次。  「 “まもなく富士山大噴火” の予言を追う!」  沖縄の伝説的な神人 (かみんちゅ) である比嘉ハツの五男として生まれた良丸クンの予言によると、4月22日あたりに富士山で小規模の噴火が起こり、夏至あたりには大噴火の可能性があるとのこと。 五男の言ってることなので、御難に関する予言は信憑性が高いと言わざるを得ませんが、それに先立つ4月17日には東南海・南海地方で強い地震があるとの啓示があったとの事。 マジかよ!? ちなみに、この予言は2011年4月11日の日記に書かれたもののようですが、もしかしてソレって、既に大ハズレが確定しちゃったという事なのでは? ただそのことで、五男を馬鹿にしてはいけません。 良丸クンは祈りの力によって大難を小難に、小難を無難に変えることが出来るそうですからね。 大地震や富士山の大噴火が起こらなかったのは、ひとえに良丸クンの祈りのお陰であるに違いなくて、感謝こそすれ、インチキ呼ばわりするなど、もってのほかです。 じゃ、どうして東日本大震災の時は祈ってくれなかったのか、残念でならないんですが、ま、ハルマゲドンが起こらなかったので自発的にテロに走ってしまったオウム真理教に比べればマシだと思って、諦めるしかありませんね。 大難を小難にすることは出来なかったものの、無難が何事もなく無難のままで終わったのは、無難な結末の名探偵コナン。 そういうことで手を打とうではありませんかぁ。

 あとはえーと、地震兵器の “HAARP” だとか、 「ノストラダムスの大予言!  “2012年人類滅亡” 恐怖の大王が降ってくる!?」 とか、え? それって1999年7月で、大ハズレが確定したんじゃなかったん? …と思ったら、違ったんですな。 何でもノストラダムスは “カバラ数秘術” というので予言してたんだけど、解読の間違いでカバラ数字の “13” を足し忘れていたんだとか。 カバ並みのバカな間違いだと言わずにはいられませんが、1999年に13を足すと、2012年じゃんっ! 五島勉はそんなこと、何も弁解してなかったような気がするんですが、人間誰しも、うっかりミスはありますからね。 13を足すの忘れてたぁ。 テへッ♪ そういうことなら仕方ありません。 ただ、せっかく世紀末の危機を何事もなく無難にクリア出来たというのに、今更、ちょっとした計算ミスだったと言われても困りますよね。 おまけにマヤ暦による人類滅亡の年と重なっているというのが気がかりなんですが、ここで簡単にマヤ文明についておさらいしておくと、紀元前4世紀ごろに発生し、8世紀頃に中央アメリカのグアテマラからメキシコのユカタン半島にかけての地域で大いに栄えた、とっても豊かでユカタンな文明。 そういうアレだったりするんですが、高度な天文学の知識があって、それに基づいた暦を持っていたことで知られております。  「天才クイズ」 で天才賞を獲得して賞品に天体望遠鏡を貰ったのが天文に目覚めるきっかけだったと言われておりますが、1日はキンという単位で呼ばれ、20キンが1ウィナル。 ちなみに 「天才クイズ」 の勝ち組賞は食パン10キンなので、0.5ウィナルという事になりますな。

 18ウィナルが1トゥン、20トゥンが1カトゥン、20カトゥンが1バクトゥンとなり、これはすなわち144000キンに相当すると。 で、結局は何がなんだかよく分からんのですが、25640年を大きな歴史のサイクルと考え、それを5等分して5128年毎に分けたと。 何だか覚えにくい数字で日本人としては馴染めないものがあるんですが、5つに分けたサイクルのうち、すでに4つまではクリアしていて、今は最終の第5サイクルということになっているそうです。 第5サイクル元年の始まりが紀元前3113年で、その5128年後が2012年。 その年の12月21日から23日頃にマヤの暦は終わりとなるそうです。 ということはもしかして、この前の12月24日が人類最後のクリスマス・イヴだったとか? そうとも知らず、骨付きチキンの照り焼きを食っただけで、これといった進展もないまま過ぎ去ってしまいましたなぁ。。。 数年前のイヴはスキーでコケて脚の骨を折って、骨付きチキンとか言ってる場合では無かったし、僕のクリスマスは結局、何の輝きも見せないままで終わってしまいそうなんですが、ただマヤちゃんは2012年で歴史の大きなサイクルが一区切りを迎えると言ってるだけで、人類が滅亡するなどとは一言も言ってないんですよね。 そこのところに微かな期待が持てそうな気がしないでもないんですが、で、後はえーと、江戸時代の予言書 『をのこ草紙』 だとか、放射能を克服する最強の食事とか、そんな話が書いてありますな。 塩辛い味噌汁、塩で握ったおむすび等を食べる。 水分を控え、塩分を摂る。砂糖類は厳禁。 それが最強の食事なんだそうです。 放射能は克服出来ても、高血圧で早死にしちゃうのは必至でありまして、で、放射性物質キャラクター 「プルト君」 などという、どうでも話が出てきて、おしまい。 え、たったのこんだけ? 315円というリーズナブルな料金だったので喜んでいたんですが、実質40ページくらいしかなくて、コスパ的には最悪。 すべてを読み終えた今、あまりの内容の無さに、こんな本を買ってしまったことを激しく後悔しているんですが、こんなもので善良な読者から小銭を巻き上げたりして、激しく呪ってやるぜ、呪淋陀っ! ノロウイルスにやられて、下痢にでもなっちまえ〜!

 ということで、マヤ暦のほうはそんなに気にしなくてもよさそうなんですが、到来が延期になっちゃったノストラダムスのほうはちょっと気になりますよね。 ちなみに西暦の年数のほうはカバラ数字を足し忘れちゃったみたいですが、空から “恐怖の大王” が降ってくるという物事の本質そのものに変更は無いんっすかね? いきなり空からオオイヌノフグリが降ってきて、何かと思ったら、あーっ! うっかり 「てんてん」 を付けるのを忘れてたぁ! 実は “大王” なんかじゃなくて、 “恐怖の犬玉” だったぁ。テヘッ♪ …とまあそんなことで、おしまい♪

 ということで、今日はハワード・ロバーツなんですが、新年早々、地味っすな。 誰?…と聞かれても、僕にはまったく答えられないレベルだったりするんですが、例の如く “JAZZ名盤999 BEST&MORE” のシリーズで見掛けて、ネタ用にと思って駄目モトで確保しておきました。  『ジョウンティ・ジョリィ』 のがソレです。微妙に宝塚歌劇っぽいセンスのジャケットが、今ひとつ僕の趣向にマッチしないんですが、ま、書きやすそうだから特別に許します。 書きやすいと言えば、柿安の肉の食うのがお正月の唯一無二の楽しみだったりするんですが、クリスマスに食った骨付きチキンも柿安でありましたな。岡山の “森林鶏” と書いてあったんですが、M字開脚するニワトリなんっすかね? …って、それは“インリン鶏” っすか。 森林のほうのニワトリの太股もなかなか美味しかったんですが、それはそうと呪淋陀って、女の人だったんですなー。 どんな野郎かと思ってググってみたら、意外にも若いギャルだったので、ちょっとビビったんですが、そういう事なら 「下痢の呪い」 は無かったことにしてあげてもいいかも? よく考えたら呪淋陀ちゃんはつまらない本を書いちゃっただけの話で、それを利用して金儲けを企んだのは敏太郎の野郎ですからね。 ビン太郎なんか、猪木にビンタされちまえ〜! …という方向で手を打っておこうかと思うんですが、とまあそんなことで、 『ジョウンティ・ジョリィ』 。 “JOLLY” が 「楽しい、愉快な、素晴らしい」 、 “JAUNTY” が 「陽気な、颯爽とした、スマートな」。 そんな意味があるようですが、スマートな金正恩 (キム・ジョンウン) って、イイっ♪ そのように覚えておくといいかも知れません。 “JOLLY” のほうは、 「ジョリジョリと剃毛、楽しいな♪」 とでも、何とでも。 で、これ、後にフュージョンの世界でめっちゃ有名になるデイブ・グルーシンが何気にオルガンを弾いてたりします。 いいっすよね、グルーシン。 少なくともグルーポンよりは信用出来そうなんですが、ドラムスはシェリー・マンだったりするし、サイドマンが何気に豪華。 ギターとオルガンの組み合わせというと、コテコテのソウル風になっちゃう恐れがあるんですが、フェンダーベースやパーカッションなんかも入ってたりするし、もしかしたらソッチ系のサウンドだったりするのかも知れませんが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずは 「アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー」 。 そのまま訳せば 「私はあなたを待ちましょう」 となるんですが、CDの記載は 「シェルブールの雨傘」 となっております。 同名映画の主題歌か何かなんでしょう。 聴いてみたら確かにどこかで聴いたことがあるような曲だったんですが、哀愁味を帯びた日本人好みのメロディだったりして、若いギャルのウケもよさそうです。 で、演奏のほうはというと、ギターとオルガンの絡み具合が、何とも言えず軽いっす。 ロバーツもグルーシンも、それなりにソロらしきものを披露してくれてはいるんですが、基本的にはお気楽なイージー・リスニング風でありまして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ソー・ナイス」 。 括弧書きで (サマー・サンバ) という注釈があるんですが、ワルター・ワンダレイでお馴染みの、あの 「夏サンバ」 でありますな。 いちにっサンバ、にぃにぃサンバっ、お嫁、お嫁、お嫁サンバー♪ …という、郷ひろみでお馴染みのアレではありません。 ワンダレイもオルガン弾きなので、似たような編成のこっちバージョンも、ま、似たような仕上がりになっていたりするんですが、 「ああん、私、この曲、聴いたことあるぅ♪」 というので、若いギャルにもそれなりに喜んで頂けるのではなかろうかと。 一般人にも分かりやすいジャズというのはそう無いっすので、この 「ソー・ナイス」 はそれなりにナイスなチョイスであると評価していいかも知れません。 一応、オルガンとギターのソロもフィーチャーされているし、とまあそんなことで、テーマに戻らず、ロバーツくんが頑張っているところでフェードアウトして、おしまい。

 で、続いては 「ウインチェスター・カテドラル」 。 “Cathedral” というのは大聖堂のことだと思うんですが、 「ウィンチェスターの鐘」 という邦題が付いております。 同名映画の主題歌か何かなのかと思ったらそうではなく、イギリスの6人組ポップ・グループ “ニュー・ボードビル・バンド” が66年に放った大ヒット曲なんだそうで。ポップっすかぁ。 ま、鳩山由紀夫の “ぽっぽ” よりはマシなような気がするんですが、正直なところ、 「売らんかな」 の精神が見て取れる選曲ではありますな。 さて、ここで問題です。鉄腕アトムの妹の名前は何でしょう? う…ウランかな? そんな精神は特に見て取れないんですが、しかし何ですな。 こんな名前を付けられた日にゃ、 「放射能がうつる〜!」 と、学校で虐められちゃうのは必至。 せめてセシウムさんとか、穏健な名前にして欲しかったところでありますが、で、これはアレですな。確かにポップですな。 ロックンロール風とかではなく、カントリー&ウエスタンっぽいダサい仕上がりだったりして、ま、あまり多くを語る必要はないかな…と。 「びよ〜〜ん♪」 というエンディングも笑えると言うより、 「何これぇ?」 と若いギャルに馬鹿にされるレベル。 若井おさむほどにも笑いは取れません。 ということで、4曲目。  「シング・ノー・ブルース」 はデイブ・グルーシンのオリジナル。 泥臭いブルースでなく、スマートにブルース・フィーリングを押し出してゆくのが、いかにもロバーツらしい。 そう、日本語ライナーで岡崎正通クンが評している通りのプレイが展開されています。 ギターのソロもたっぷりフィーチャーされていて、これまでの中ではもっともジャズっぽい。 そう評価していいのではないかと思うんですが、オルガンとの絡み具合もなかなかいい感じです。 ま、若干イージーな雰囲気があったりはするんですが、いい痔と同じくらい悪性ではないので、さほど問題はないと思います。

 で、次。  「テーマ・フロム “ザ・サン・パブロス” 」 。 括弧書きで (アンド・ウイ・ワー・ラバーズ) とあるんですが、総合して 「砲艦サンパブロのテーマ 〜 “愛しあったふたり” 」 といった日本語訳になる模様です。 A-TOK では最初、 「訪韓三派風呂」 と変換されちゃったりしたんですが、そういう映画があったみたいです。 で、そのテーマ曲がこれのようなんですが、あまり砲艦っぽくはなくて、どちらかというと、ヤカン。 そういった感じの仕上がりでありました。 ポップで軽い作風で、あまり愛しあってる感も得られなかったんですが、ま、これはこれで悪くはないと思います。 で、続いては 「ア・マン・アンド・ア・ウーマン」 。 英語だと “A” の連発がウザいんですが、日本語だと 「男と女」 。至ってシンプルですな。 「ああん、私、この曲、聴いたことあるぅ♪」 と、若いギャルも納得の選曲なんですが、いや、むしろあまり若くないギャルのほうがお馴染みだったりするかも知れません。 ダバダバダ、ダバダバダ、ダーバーダー、ダバダバダ、ダバダバダ、ダーバーダー♪ …という、昔、よく耳にしたあのナンバーです。 ロバーツくんはこれを意表をついたアップ・テンポで料理しておりまして、最初はちょっと違和感を覚えてしまうんですが、慣れれば大丈夫。 慣れれば、なれ寿司だって食えちゃいます。 いや、僕はあまり食いたくはないですけどね、なれ寿司。 腐った魚のなれの果て。何もそんなもんを寿司にしなくても。。。 ということで、次。  「ミュージック・トゥ・ワッチ・ガールズ・バイ」 。 日本名 「恋はリズムにのせて」 っすか。 もともとは作編曲家のシド・ラミンがTVコマーシャルのために作った曲で、うんぬん。 根がコマソンだけに、「売らんかな」 の精神が見て取れるのは仕方の無いところでありますが、というかこれ、めっちゃよく耳にする超お馴染みのメロディであることが発覚したんですが、八角親方でも知ってますよね、多分。 元横綱北勝海をも魅了する、そういうアレだったりするんですが、いい感じにリズムにのっていて、ま、ベタの極みではあるんですが、悪くはないと思います。

 で、次。  「オール」 。 無駄に長い曲名と日本語併記が続いて、それだけで適度に暇がつぶれて好都合だったんですが、急にシンプルなのが来ちゃいましたな。 イタリアのコメディ 『ラン・フォー・ユア・ワイフ』 のテーマ曲なんだそうですが、イタリアというよりもパリのエスプリを感じさせるような、寒ブリ。 そんな仕上がりだったりするんですが、で。次。  「イフ・シー・ウォークト・イントゥ・マイ・ライフ」 。 さっきのがユア・ワイフで、今度はマイ・ライフ。 ジェリー・ハーマンの手になるもので、66年にミュージカル化された 『メイム』 の中の愛らしいナンバーである。 そう、岡崎クンが書いているんですが、いいっすよね、愛らしいナンバー。 いやらしいサンマより断然ソソられるものがあるんですが、スローなボサノヴァっぽいリズムに乗せて、リラックスした南方熊楠。 そういった演奏が展開されていて、ということで、次。  「ザ・フェイス・アイ・ラヴ」 。 ふたたびマルコス・ヴァールによる躍動感あふれる作品とのことなんだそうですが、ふたたびって事は、ひとたびめは、どこ? …と思って遡ってみたら、 「ソー・ナイス」 がそーだったみたいです。ブラジルのシンガー・ソング・ライターなんですな、マルコス・ヴァール。 「夏サンバ」 の作曲者となると、こっちのほうにも期待が持てるんですが、果たして、いかにもブラジリアンなご陽気なサウンドに仕上がっておりまして、ロバーツのギターもグルーシンのオルガンも快調、バビル2世のしもべのロプロスは怪鳥、空腸から続く小腸の一部で、大腸に続く臓器は回腸。

 ということで、ラストです。 頭が禿げぬるも、作曲家として秀でた才能を持ったジョー・ザビヌルが作ったヒット・ナンバー、 「マーシー・マーシー・マーシー」 。 超ゴスペル・ライクな作風で、田代まさし好きの僕としても、ちょっと辛いものがあるんですが、アメリカ人相手にはこういうのが大ウケするみたいです。 グルーシンの弾くオルガンが教会の雰囲気をうまく醸し出していて、それほどディープにアーシーではないので、その点ではちょっとマシだと言えそうなんですが、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 中途半端にポップに走ったりすると、イタいことになりがちなんですが、ここまで徹底してベタだと、いっそ清々しいばかり。 お馴染みのナンバーも多いし、適度に能天気だし、それなりにギターやオルガンのソロも聴けたりするし、堅苦しくないカタクチイワシの稚魚といった感じで、意外と悪くありません。 お正月に田作りをつっつきながら聴くには、いいかもー?


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