MINGUS THREE (JUBILEE)

CHARLES MINGUS (1957/7/9)

MINGUS THREE


【パーソネル】

HAMPTON HAWES (p) CHARLES MINGUS (b) DANNY RICHMOND (ds)
【収録曲】

(01-03) YESTERDAYS / BACK HOME BLUES / I CAN'T GET STARTED
(04-05) HAMP'S NEW BLUES / SUMMERTIME
(06-07) DIZZY MOODS / LAURA
【解説】 ( 2011年08月21日更新 / 連載 994回 )

 いやあ、高校野球でしたなぁ。 僕がこれを書いている 8月20日AM 9:44分現在、ちょうど決勝戦が始まったところなんですが、光星学院 VS 日大三でありますか。超本命と伏兵が勝ち残りましたな。 伏兵と波平となら伏兵のほうが強そうなんですが、日大さんが相手となると、コーセーくんはちょっと厳しい? ま、この原稿が書き終わる頃には結果が判明しているものと思われますが、とまあそんなことで、行ってきました甲子園。 いつ行ったのかと言うと、去年のお盆休みなんですが、詳しくは、ま、 ここ を見て貰うとして。 で、今年もまた行ってきました、甲子園。 8月14日(日)の2回戦3試合。 去年、駐車場での仮眠作戦が大失敗に終わった反省を踏まえ、今年は健康ランドで健康的な一夜を過ごすことにしたんですが、夜の9時過ぎに桑名を出発して、12時少し前に あま湯 に到着〜。 「あま湯」 でググったら、候補として 「あま湯 解雇」 やら 「あま湯 フレディ」 やらが出てきたんですが、調べてみたら こんな問題 が発生していたんですな。 一方、フレディのほうは何かと思ったら、おお、 このオッサン っすかー。 今でも “Mr.フレディ” という名前で出演しているようですが、ちなみに 8月13日は “大谷龍一郎歌謡ショー” でありました。 どんなオッサンなのかと思って調べてみたら、1978年生まれのめっちゃ爽やかなイケメン兄ちゃんだったんですが、ライブはとっくに終わってしまっていて、 「宗右衛門町ブルース」 を生で聞けなくて、無念。 とまあそれはそうと、この 「あま湯」 、入場料金 1,575円+深夜割増料金 1,365円=2,940円でお泊り出来るようで、あの悪夢の “車中泊@熱帯夜” のことをを思えば安いものですよね。 ま、僕1人なら普通にビジネスホテルに泊まるところなんですが、さば兄+さば兄ジュニア2号という追加メンバーが貧乏なので、お付き合いということで。 とりあえず僕だけ 840円の追加料金を払ってカプセルルームに泊まるつもりだったので、安眠は約束されたようなものなんですけど。 さば兄ジュニア2号はレストルームで仮眠する羽目になると思うんですが、ま、せいぜい親の貧乏を憎んで、将来グレることによって恨みを晴らして下さいね。

 とまあそんなことで、今回、寝ることに関してはまったく何の心配もしていなかったんですが、いやあ、甘かったっす。 あま湯を甘く見過ぎていた。そう言わざるを得ませんが、カプセルルームは満室で利用出来ず。ああん。。。 ま、レストルームで仮眠する羽目になったところで、将来グレればそれですむ話なんですが、そのレストルームもとっくの昔に満員になっちゃったみたいで、寝るところ無し。ああん。。。 廊下やら通路やらに毛布に包まったオッサンが累々と横たわっていて、気をつけて歩かないと蹴飛ばしたり踏んづけたりしちゃいそうな惨状でありました。 何とか毛布だけは確保出来たものの枕は品切れで、仕方なく分厚い漫画本2冊をバスタオルに包んで代用して、床の上に寝転がりました。 一晩中、灯りは煌々と照っているし、ゲームコーナーはピロピロピロピロと喧しいし、板の上に直だから背中は痛いし、とても素面では寝れません。 自販機で缶チューハイを買って飲んで、いい感じに酔っ払って、何とか睡魔に襲われることに成功したんですが、従業員通路のすぐ横だったので人の移動が激しく、うとうとしたらすぐ目が覚めて、そのうちに酔いも醒めて、仕方が無いので缶チューハイをもう1本飲んで、それで何とか3時頃には眠りにつきました。 で、朝5時に起床〜。 とりあえず朝風呂に入ろうと思ったら掃除中で果たせず、6時前に出発。 何だかもう、実質的運営会社「シップスエンタープライズ」(シ社)=神戸市中央区=などを相手取り、睡眠環境の改善と、深夜割増料金の返却や慰謝料など計560円の賠償を求め たくなるレベルでありましたな。 ま、あま湯の名誉の為に行っておくと、“温泉の部” のほうはよかったんですけどねー。 お昼前に到着すればカプセルも確保出来るかも知れず、昼食〜大谷龍一郎(1回目)〜温泉〜仮眠〜大谷龍一郎(2回目)〜夕食〜温泉〜チューハイでベロベロ〜カプセルで熟睡〜朝風呂〜朝食。 それくらいの余裕を持って利用すべき施設なのかも知れません。 ま、今回の印象があまりにも悪過ぎたので、2度と行くことはないと思うんですけど。

 今年の大会は節電の関係で、3試合日でも第1試合の開始時間が8時なので、朝が早いっす。 JR尼崎駅前の「あま湯」を6時頃に出て、そこから阪神尼崎駅まで車で移動して、その辺のコインパーキングに駐車して、電車に乗って、7時前に甲子園駅に到着〜。 7時15分頃からチケットの販売が始まって、7時30分に中央特別自由席に着席〜。 去年は欲張って前のほうの席に座ったら、影が無くてクソ暑くて大変だったので、その反省を踏まえて、今年は銀傘の影になる場所を確保しました。 こんな感じ に見える席です。 結果、1日を通して快適な環境で何よりだったんですが、その分、撮影には今ひとつなロケーションでした。アップにすると、ちょうどバックネットの太い縦線部分にピッチャーやバッターが重なっちゃうんですよね。 そのため、写真に関しては最小限のお披露目に留めておこうと思うんですが、とまあそんなことで、第1試合開始〜。 今さら感が半端無いんですが、せっかくなので簡単に振り返ってみたいと思います。


第1試合 : 能代商(秋田) VS 英明(香川)  ( 試合結果 ) ← Click Here!!

 僕がこの日、もっとも期待していたのがこのカードであります。両チーム共あまりにも地味過ぎて、低レベルなところで実力が拮抗して、好勝負になりそう? ちなみに秋田の能代商はアレです。 去年の夏、鹿児島実と対戦して 15-0 とフルボッコにされ、2ちゃんねるの 「最弱代表校スレ」 で最弱に認定されたという、この上ない屈辱を味わったチームです。 その雪辱を果たすべく、その試合のスコアを目に見えるところに貼って苦しい練習に耐えてきたという、まさしく 「臥薪嘗胆」 な学校なんですが、その甲斐あって、今年は1回戦で同じ鹿児島の神村学園と対戦して、見事 5-3 で勝利。 やったね! お祝いに 「キモ食べ放題」 の店に連れてってあげよう! ちなみに秋田県勢としては14年ぶりの初戦突破だったそうで、地元では号外が出るわ、知事が泣くわの大騒ぎだった模様です。 で、一方の英明はというと、名前が “ヒデアキ” である以外はこれと言った特徴のないチームでありますな。 個人的には 「明るい人になりたい〜♪」 という暗いメロディーの校歌にちょっぴり注目していたんですが、1回戦では沖縄の糸満に 4-1 で勝利。 長身左腕の 松本クン が注目を集めました。 で、この両チームの対戦はどうだったのかというと、超絶的な淡々試合。 能代商の打線は松本クンをまったく打てそうにもなかったんですが、4回ツーアウトから、ぽん、ぽんと連打が出て、暴走スレスレの好走塁もあって、あっさり先制。 6回にはエラーで出たランナーを2塁に置いて、ピッチャーの保坂クンが一塁へ強襲ヒット。 球を弾いている間に2塁ランナーが暴走スレスレの好走塁でホームに帰ってきて、1点追加。 その場面とはまったく関係無いんですが、とりあえず 打者の写真 を1枚。 で、一方のヒデアキ打線はというと、能代商のエース保坂クンからそれなりにヒットは打っていたんですが、送りバントの失敗とかも多く、終わってみれば完封負け。 息の詰まる投手戦…と言えなくもなかったんですが、正直、何だかあまり盛り上がらないうちに終わってしまいましたな。 試合開始 8:01 試合終了 9:22 って、早っ! プロ野球は1試合で3時間半くらい掛かったりするんですが、その気になればこんなに早く片付くものなんですなぁ。 ちなみにこの能代商は3回戦で如水館と死闘を繰り広げて、惜しくも延長12回で逆転サヨナラ負けしちゃいましたが、今大会で最も日本人のハートをキャッチしたチームでありましたな。 打てそうで打てない軟投派の保坂クンは最後に力尽きちゃいましたが、敗戦の弁も爽やかだったし、2ちゃんねるでも人気が沸騰していて、何より。


第2試合 : 智弁和歌山(和歌山) VS 白樺学園(北北海道)  ( 試合結果 ) ← Click Here!!

 試合前からフルボッコが確実視されていて、まったく期待の持てない対戦だったんですが、白樺学園なんて “最弱代表校” の有力候補ですもんね。 そんなところがどうして2回戦まで勝ち上がってきたのかというと、1回戦の相手が同じく最弱候補の鳥取商だったからなんですけど。くじ運だけは強いタイプぅ? 低レベル同士なのが幸いしたのか、延長11回 3-2 という接戦だったんですが、次の対戦相手が智弁和歌山とは、くじ運が悪かったですなぁ。。。 で、試合のほうはというと、1回の裏に智弁和歌山があっさりと先制して、案の定でありますな、こりゃ。 3回の表に1点を返して、何とか面子だけは保たれたんですが、4回に1点、6回には2点を取られて、 5-1 と4点差。このままズルズルと引き離されちゃう気配が濃厚でありますな、こりゃ。。。 ここでとりあえず、地味な バント写真 を1枚置いておきますが、で、その後、奇跡が起こりました。 7回表、白樺学園の攻撃。 ヒットかフォアボールかエラーか、何だったのかは忘れましたが、塁上にランナーが3人出ました。 で、どのタイミングだったのかは忘れましたが、智弁和歌山のピッチャーが変わりました。 前の日の八幡商と帝京の試合で、9回表に満塁ホームランが飛び出して、軌跡の大逆転! そんなシーンがありましたよね。 「もしここで満塁ホームランが出たら、同点やなー。」 そんなことを言いながらこの場面を見ていたんですが、いや、まさか2日続けてそんなドラマが起こるワケが無いんですけどねー。 ま、ここで1点でも返せたら儲けもの。 誰もがそんな風に思っていたに違いありませんが、出ちゃったんですよねー、満塁ホームラン。 ま、マジかよ!? 実を言うとこの時、スタンドで観戦していた人で、何が起こったのかを正確に把握していた人は、あまり多くはありませんでした。 みんな、ポカーンとしてましたからね。 で、ふとグランドに目をやると、白樺学園のユニフォームを着た選手が4人ほど、ゆっくりと走りながら次々とホームに返って来ているという。 えー、まさか満塁ホームラン? ま、マジかよー!? 次の瞬間、大歓声でありましたな。 いやあ、漫画みたい…というか、それを遥かに超越した展開が2日続けて起こるものなんですなー。

 8回表、白樺学園のバッターは佐々木くん。 何とソロホームランを放って、ついに逆転しちゃいました。 今度はスタンドの誰もが瞬時に事態を把握して、割れんばかりの大声援。うぉーーーーっ!! “しらばか学園” などと馬鹿にしていた奴は、ごめんなさいしなければなりませんな。 ゴメンなさい。 正直、こんなにやってくれるとは思ってもみませんでした。 が、智弁和歌山もさすがです。その裏、あっさりと同点に追いついて、で、9回は両チームとも得点がなくて、試合は延長にもつれ込みました。 10回表、白樺学園はヒットかフォアボールかエラーか、何だったのかは忘れましたが、とにかく2アウト2塁だか3塁だかのチャンスを作りました。 が、次のバッターが外野に凡フライを打ち上げてしまって、得点はならず。 …と思ったら、この時、急に風が強くなったんですよね。 高く上がったフライは風に流されて、外野手の間にポトリと落ちる超ラッキーなタイムリーヒット。うぉーーーーっ! 甲子園に住んでいると噂されているマモノくん、大活躍! が、この試合は、まだ一波乱ありました。 その裏、智弁和歌山があっさり1点取って、あっという間に同点。なおも1アウト1塁2塁。 続く智弁和歌山のバッターが3塁側に絶妙のバント。 こりゃ、1塁もセーフやな。 …と思ったら、それが悪送球になって、2塁ランナーが一気にホームに帰ってきて、サヨナラ〜。ああん。。。 何だかちょっとあっけない幕切れでありましたが、智弁くん側からすれば押せ押せ、白樺くん側からすれば押され押され。 あれがもし悪送球になってなかったとしても、次のバッターに打たれて終わりだったでしょう。 白樺くんもよく頑張りましたが、智弁くんは流石でありました。 素晴らしい神試合を堪能することが出来て、すっかり満足♪


第3試合 : 日大三(西東京) VS 開成(島根)  ( 試合結果 ) ← Click Here!!

 見ているほうとしては第2試合で燃え尽きちゃった感じで、あとはもう惰性でありました。 今度こそ、フルボッコな糞試合になりそうな予感だしー。 ポイントとしては開成のエースの白根クンが、超強力な日大三高打線をどこまで抑え込めるかなんですが、あとは 「21世紀枠に負けたことは末代までの恥、腹を切りたい」 という発言で有名になった野々村監督が、試合後にどんな談話を残すのかが楽しみなくらい。 一度、引責辞任したんですが、監督復帰を嘆願する署名活動のおかげで復活したんですよね、野々村クン。 来年の3月で定年になったら監督もやめちゃうみたいですけど。 一方、エースの白根クンは、とても高校生とは思えないオッサンっぽいルックスのおかげで、2ちゃんねるでも大人気。 1年生の秋の時点で、 こんな単独スレ が立っていたんですな。 2ちゃんねらーの慧眼、恐るべし!! 今となっては 【開成の伊良部】 というのが何とも哀しい限りなんですが、 【島根のジャイアン】 というキャラはすっかり定着しましたよね。 世間一般でも認知されるようになったのは去年の夏の甲子園の仙台育英戦。 5-3 の2点差で迎えた9回表。2年生エースの白根クンは打者2人を討ち取って、あっという間に2アウト。 勝利まであと一人! が、ここから仙台育英も粘ります。 中前打と死球で1塁・2塁。 更には9番・田中クンの遊撃強襲ヒットで1点差に。続く1番・三瓶クンの左前打で2死満塁。一打逆転のチャンス! が、2番・日野クンは外野へ凡フライを打ち上げてしまって、万事休す。 白根クンは不適な笑みを浮かべて、ガッツポーズ! …と思ったら、センターがまさかの落球。 白根クン、ぽかーん。 2人のランナーが帰って、まさかの逆転をくらってしまいます。 で、その裏。 開成高校も最後の粘りを見せて、2アウト1塁2塁のチャンス。 で、続くバッターの打球は左中間への大飛球。行ったー!抜けたー! 奇跡の逆転サヨナラ〜! と思ったら、レフトがダイビングキャッチで見事にこの飛球をグラブに納めて、ゲームセット。 甲子園のマモノくん、ハンパねえ! 勝利を確信してガッツポーズしちゃった白根クンは、末代までの恥でありましたが、あれから1年。 甲子園に帰ってきた開成高校は1回戦、山口の柳井学園に 5-0 で完勝して、1年前の雪辱を見事に晴らしたのでありました。 が、次の対戦相手は日大三高っすかぁ。くじ運が悪かったですなぁ。。。

 もしかしたら ジャイアン が何とかしてくれるかも知れない。 そんな期待も空しく、1回裏に日大三高があっさり先制。 3回にも2点を取られて、白根クンはあっさりノックアウト。 これはもう、糞試合確定でありますなぁ。。。 もういいっ! 帰るっ! が、さば兄とジュニア2号は最後まで見届ける覚悟のようで、そういうことなら、もういいっ! 寝るっ! 貧民2人は昨夜のあの劣悪な環境の中でも、わりと普通に寝ていたようなんですが、繊細な僕は駄目だったんですよね。 寝不足のせいか、何だか頭も痛かったし、とまあそんなことで、今年の僕の甲子園は、おしまい♪

 ということで、今日はチャールス・ミンガスです。 ベース弾きですよね。 ただこの人の場合、ただベースを弾くだけでなく、作曲や編曲も手掛けるし、リーダーとして強烈な個性を発揮するし、変に政治に走ったりもするし、どちらかというと暑苦しいキャラとして、淡白な日本人には敬遠されがちです。 松井秀喜クンも甲子園では敬遠されがちだったんですが、今年の明徳義塾は習志野相手にあっさりと負けちゃいましたな。 その習志野も日大三高にはまったく歯が立たなかったんですが、で、今日はそんなミンガスくんのアルバムの中から、日本人でもぜんぜん普通に楽しめる1枚をチョイスしてみました。  『ミンガス・スリー』 。 タイトルの通り参加者は3名です。 シンプルなピアノ・トリオ編成で、これならミンガスがいくら暴走しようとも、そんなに悪目立ち出来ないに違いありません。安心っすね。 でこれ、メンバーがまたソソられるんですが、ピアノがハンプトン・ホーズで、ドラムスがダニー・リッチモンドっすか。 めっちゃエエやん♪ ホーズのリーダー作を買ったら、たまたまベースがミンガスだった。 そのように考えれば拒絶反応も起こりにくいと思うんですが、スタンダード中心の選曲もハードルを下げてくれるし、とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみることにしましょう。

 まずはお馴染み、ジェローム・カーンの 「イエスタデイズ」 。 ホーズが自分のリーダー作でやってましたよね。 『ザ・トリオ』 の第1集か第2集か第3集だったと思うんですが、展開が読める気がします。 テーマ部はバラード風にスローに弾いて、アドリブに入ると一転、アップ・テンポでスインギーに攻める。 あのパターンでありましょう。 で、聞いてみたら案の定、出だしはパウエルっぽい荘厳な雰囲気のバラードだったんですが、テーマ部は緩→速→緩と、ちょっぴり変化が付けられておりました。 アドリブ・パートはミディアム・ファーストなんですが、いきなりベースのソロが出てくる辺り、さすがはミンガスのリーダー作だと言う気がします。 脇役に甘んじるタイプではないんですな、やはり。 で、続くホーズのソロは、サイドマンだからと言って臆する風でもなく、いつも通りにスインギーで何よりなんですが、終盤にはダニー・リッチモンドやミンガスとの絡みもあったりして、しっかりとした三位一体改革な仕上がりでありました。 ということで、次。  「バック・ホーム・ブルース」 はミンガスのオリジナル。 外野から本塁に返球したくなるようなブルースなんですが、テーマ部ではミンガスのピチカートがフィーチャーされています。 で、それに続いてホーズがいい感じで前面に押し出されてくるんですが、さすがはブルースの名手だけあって、青黒フィーリングが半端ありません。アーシーなのが苦手な僕も、マーシーな田代くんも、これならぜんぜん許容範囲なんですが、続いて登場するミンガスくんのピチカート・ソロも、ただひたすらドス黒いっすな。 ベースがこれほど前面に出てきちゃうと、普通はかなりウザく感じてしまうんですが、鰻の蒲焼きとキュウリを三杯酢で和えた料理ほど 「うざく」 ではなくて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 …と思ったら、もう一度ピアノのソロが出てきたりするんですが、とまあそんなことで、いやあ、なかなかよかったっす。

 さて、甲子園の日大三と開成との試合でありますが、うとうとして目を覚ましたら、何だか俄然と盛り上がってきました。 5点差を追う5回の表、ランナーが2人溜まったところで、バッターボックスに3番の白根クンが登場。 日大三高のエース吉永くんの変化球をちょこんと打ち返して、反撃の狼煙の2点タイムリーヒット。 更に、続く4番の森クンがバックスクリーンに飛び込む2ランホームランっ! あっという間に4点返して、その差はわずか1点っ! おーーーっ! ということで、3曲目です。 「アイ・キャント・ゲット・スターティッド」 。 日本ではもっぱら 「言い出しかねて」 の邦題で知られるガーシュイン・ナンバーです。 パソコンだとよく 「飯田市かねて」 と変換されちゃうことでも知られております。 これ、ホーズが自分のリーダー作でやってましたよね。 『ザ・トリオ』 の第1集か第2集か第3集だったと思うんですが、展開が読める気がします。 テーマ部はバラード風にスローに弾いて、アドリブに入ると一転、アップ・テンポでスインギーに攻める。 あのパターンでありましょう。 で、聞いてみたらテーマ部ではミンガスがピチカートでメロディーを弾いていて、まったく意表を衝かれてしまったんですが、というかこれ、ホーズのリーダー作で、やってましたっけ? それすら記憶が怪しくなってきたんですが、バラードが苦手なホーズが脇役に回ったおかげで、最後までスローで完遂することが出来て、これはこれでよかったのではなかろうかと。  ま、それなりにピアノのソロもフィーチャーされているんですけど。 で、次。 ハンプトンくんの新しいブルース、 「ハンプス・ニュー・ブルース」 。 ブルースが得意なハンプトンくんが大いに気を吐いています。 ネコはよく毛を吐いたりしてますけどね。 毛だけならともかく、一緒にゲロも吐いちゃうので、ネコ好きとしてもあまり嬉しくはないんですが、ここでのミンガスくんはちょっぴり控えめ。 その分、ダニー・リッチモンドがなかなか頑張っていて、ちっちも泥臭くは無いスインギーなブルースに仕上がっております。

 で、野球のほうは6回表。 ランナーを貯めたところで、キャッチャー安田クンの2点タイムリー・スリーベースヒットが飛び出して、開成高校が 6-5 と逆転っ! おおっ、凄ぇ!! 途中で帰らなくてよかったー♪ 早めに目を覚ましてよかったー♪ ちなみにこの安田クン、正捕手が怪我か何かで出れなくなって、急遽ジャイアンとバッテリーを組むことになったそうですが、身長が159センチしかないそうです。 2ちゃんねるにはよく この画像 が貼られておりましたが、何だか監督から説教されて、尚且つ、励まされているような図式でありますな。 野々村監督のアイコラ版 も出回っておりましたが、ちなみに安田クンは白根クンのおうちに下宿しているそうで、私生活で2人は大の仲良しなんだとか。 ジャイアンの母ちゃんが作る料理が美味しくて、苦手だった 「おひたし」 が食べられるようになったというエピソードも伝えられております。 白根クンの好きな食べ物は煮物、嫌いな食べ物はブロッコリーだそうですが、とまあそんなことで、5曲目。 「サマータイム」 。 超お馴染みのナンバーをミンガスの一味はちょっと変わったアレンジで料理しています。創意工夫が感じられて、いいっすな。 で、次。  「ディジーズ・ムード」 はディジー・ガレスピーな気分に満ち溢れたミンガスのオリジナルです。 ガレスピーの有名曲 「ウディン・ユー」を改編したものなんだそうですが、香川県民が好きなもんは、ウドンよー。

 エースの吉永クンが打ち込まれて逆転を許した日大三高でありますが、その底力は半端ではありませんでした。 その裏、開成の2番手ピッチャーの森クンを攻め、大技小技を散りばめた怒涛の攻撃で一挙に6点を奪い、あっさりと再逆転に成功。 再び5点差を付けて、結局は最初の状態に戻ってしまいましたなぁ。。。 さすがにこれでおしまいかと思われたんですが、開成は粘りました。 8回表に2点を返してその差は3点。 ランナーを貯めた状態で3番の白根クンに打順が回ってきました。 ジャイアンはここまで4打数4安打と、打撃のほうは絶好調。 ここで一発出れば、もしかして、もしかするかも? 2ストライクと追い込まれ、吉永クンの投げ込む渾身のストレートに渾身のフルスイングで応えるも、バットは空を切って、三振っ! 続く森クンも討ち取られて、これで勝負は決まっちゃいました。 ということで、ラスト。 歌物ナンバーの 「ローラ」 。 デヴィッド・ラスキンが 1944年の同名の映画主題歌として書いたもので、スタンダード・ナンバーになったこの曲を彼等はバラードとして演じているが、注意深く聴けば常識的なバラード・プレイの枠を越えようと努力していることに気付く筈。 テーマ部分でのミンガスの動き、リリカルな響きにビートを利かせていること、エンディングなどにそういった努力が感じられる。 そう、日本語ライナーで久保田高司クンが書いている通りのプレイが繰り広げられているんですが、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 ピアノ・トリオだろうと何だろうと、ミンガスの存在感は半端なかったっすな。 ホーズの出来そのものは完璧だと思うんですが、これはやはりミンガスのリーダー作であることを認めざるを得ません。 で、今日の決勝戦は 11-0 で、日大三高の圧勝でしたな。 3回戦くらいまではマモノ大活躍の面白い試合が多かったんですが、それ以降は各チームのピッチャーの疲れもあってか、やや一方的なゲームが多かったような気がします。 そんな中、日大三高の吉永クンは最終戦、5安打完封勝利っすか。 僕がナマで見た試合ではパカパカ打たれて、先行きが心配だったんですが、連投で疲れている筈の大会終盤になって、見事なピッチングを披露してくれましたな。 打つほうは調子に乗せると手が付けられなくなっちゃうし、まさしく最強のチームでありましたなぁ。 今から思えば、そんな日大三高を一瞬ながらも追い詰めた開成高校って、けっこう強かったのかも? このアスキーアート も、まんざらではありませんね。 ちなみに白根クンと安田クンは甲子園で、お揃いの勝負パンツを履いていたそうです。 ジャイアンが買ってくれた “かわいいブタのマークが入ったやつ” なんだそうですが、いやあ、青春っていいですなぁ♪


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