REJOICE! (PACIFIC JAZZ)

RED MITCHELL (1960/10)

REJOICE!


【パーソネル】

JIM HALL (g) FRANK STRAZZERI (p)
RED MITCHELL (cello) JIMMY BOND (b) FRANK BUTLER (ds)
【収録曲】

(01-03) JIM'S BLUES / OH , YOU CRAZY MOON! / REJOICE!
(04-06) BLACK EYED PEAS / YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO / NIGHT IN TUNISIA
【解説】 ( 2011年08月28日更新 / 連載 995回 )

 1通のメールが届きました。 タイトルには 「相互リンク願い」 とあります。 相互リンク。 おお! 懐かしい響きでありますな。 「キリ番ゲット」 や 「踏み逃げ禁止」 と同じくらい懐かしい感じがします。昭和の香り…とまでは言いませんが、20世紀の香りがしますよね。 梨っぽいというか、何というか。 今から十数年前、個人のほ→むぺ→じが雨後のタケノコのようにウジャウジャと地上に姿を現したんですが、それらには大抵、オプションとしてアクセスカウンターと掲示板が完備されておりました。開設当初は誰しも、カウンターがタクシーの料金メーターのように景気よく回転しまくり、掲示板にはお盆休みのナガシマスパーランドのジャンボ海水プールのように、老若男女がゴミのように押し寄せる。 そんな状況を頭に描いたに違いありません。 人がたくさん来てくれるのは嬉しいんだけど、老若男女のうち “老男” というのはいらないよね。  “若女” だけでいいよね。 そんな贅沢な希望を抱いたりもします。 が、現実は明治のチョコレート効果・カカオ95%と同じくらい甘くはありません。 掲示板はずーっと閑古鳥状態、カウンターは1ヶ月が経過しても、いまだに2桁のまま。うーん。。。 厳しい現実に直面して赤面し、こうなったらもう、石綿を食べてやるぅ! …と、自棄を起こしそうになるんですが、そんな中、唯一の心の救いと言えば、たった一人なんだけど、いつも僕のほ→むぺ→じを見てくれているらしい固定読者の存在であります。 アクセスする度に、必ず “1” だけカウンターが増えているんですよね。 どんな人なのかは分かりませんが、誰かがずっとチェックしていてくれている。 こんな嬉しいことはありません。 どんな人なのかは分かりませんが、きっと可愛い女子高生であるに違いありません。 彼女はきっと、そのうちに掲示板にも書き込みしてくれるに違いなく、それがきっかけでメル友になって、桑名まで会いに来てくれることになって、ナガシマスパーランドで一緒にテレコンバットに乗ったり、照れながらコンバットでゴキブリを退治したり…。 いやあ、夢は膨らみますなぁ♪

 そんなある日のこと、いつものように自分のサイトにアクセスして、カウンターがいつものように “1” だけ増えているのを確認してニンマリして、何気なく 「再読込」 のボタンをクリックしたところ、ん? カウンターが “1” 増えた? そしてその瞬間にすべてを悟ります。 今までずっと、自分の見た分だけがカウントされてたんかぁ!! ま、カウンターを効果的に増やす方法が見つかっただけでも収穫でありますが、そうして自分で数だけ増やしてみたところで空しいだけですからね。 僕は100の大台に乗せた時点で、きっぱりと意図的な数字稼ぎから足を洗ったんですが、それにしても、どうして誰も僕のサイトを見てくれないんすかね? 内容がつまらないから。 そういう可能性がまったく無いわけではないんですが、つまるか、つまらないかは実際に見てみないと分かりません。 端から見向きもされないということは、存在そのものが知られてないからではないか? その可能性に気付いた時、人はある行動に走ることになります。 そう、それが “相互リンク” です。 寄らば大樹の陰というか、長いものには巻かれろというか、長芋にはマカロニというか、とにかくまあ、超人気サイトにリンクを貼って貰うことによって、そのおこぼれに預かろうという、そういう魂胆でありますな。 よそ様のほ→むぺ→じにリンクを貼って貰うというのは、露出狂に前貼りを貼って貰うよりも簡単だったりするんですが、基本的にメールを出せばいいだけですからね。

 貴殿のサイト 『潮来のイタロウのほめぱげ』 を見て、いたく感銘を受けました。 ところで貴殿は、おでんが好きかな?僕はそんなに好きではありません。 それはそうと、潮来のイタロウにはいたく感銘を受けたので、イタいイタロウくんに、我が 『塩サバ通信』 の宣伝活動を委託したいと思います。ということで、相互リンク、ヨロシク☆

 そんな文面を送りつけてやれば、まず確実に無視されます。 が、常識的な態度で相互リンクをお願いすれば、まず普通は何とかしてくれます。とりあえず相手のサイトを褒めちぎっておくのが得策です。 潮来のイタロウって、何でこんなつまらんサイトのカウンタが 「13043」 も回ってるんや? …といった嫉妬心が渦巻いたりもするんですが、相手サイトのアクセス数が多いほど、相互リンクの効果も大きいわけですからね。ここは我慢のしどころです。 『女子高生ひなののほ→むぺ→じ』 とか無駄に20万アクセスを突破してたりして、内容は無いのに集客力だけはありそうなので、リンクをお願いしようかと思ったりもしたんですが、とまあ、それはそうと 「相互リンク願い」 。 どんなお相手なんすかね? 女子中学生とかなら内容不問で望みを適えてあげてもいいなと思いつつ、メールの内容を読んでみると。 この度は御社様のサイトを拝見させていただきまして、相互リンクをしたくご連絡をいたしました。 「御社様」 じゃねえ! 「貴殿」 や。 おでんがそんなに好きではない 「貴殿」 や! うちのサイトを見て会社組織だと思っているようでは、中身をほとんど読んでないに違いないですが、検索しているうちに何度か御社様のサイトを拝見させていただいており、これも何かのご縁と感じた次第でございます。 ほお、なるほど。 我が 『塩サバ通信』 は無駄に分量だけはあるので、検索で引っかかる可能性はそれなりに高かったりするんですが、これも何かのご縁と感じて頂けたのであれば、この出会いは大切にしなければなりません。 出会い系サイトでなければ、相互リンクの話に乗っかってもいいかも? そんな思いに駆られながら更に読み進んでみると、私は、月間100万PV以上のWEBサイトであり霊を語るサイトでは国内最大級の “霊の教科書WEB”の管理人です。精神世界(スピリチュアル界)や占い、心理(カウンセリング等も含む)、霊界などの目には見えない不思議世界を追求しています。非科学的見解と科学的見解を取り入れ、真実の追究をして、より多くの人へ伝えて行きたいと考えております。 うーん。。。 相互リンクを申し出てくれた人にこんなことを言うのも何ですが、胡散臭っ!めっちゃ胡散臭っ! 試しに覗いてみたら、 こんなサイト なんですな。

 『霊の教科書』。 嫌いではありません。少なくとも “レイノルズ数” よりはいいです。  カルマン渦やレイノルズ数よりも、カルマ (業) や霊のほうがまだマシです。 かつて、ひなのちゃんに 心霊写真 を語らせた事もあるし、ま、今となっては汚点以外の何物でもないんですが、で、僕がこのサイトでいちばん気になったのが、ここ です。 在宅フリーライター募集、報酬あり。 おお♪ 在宅でフリーにライトして報酬が貰えるなんて、何て美味しい! フリーライターだから、フリチンでもいいんですよね? ライターで火をつけて回っても大丈夫なんすよね? いや、在宅フリーライターということは、ライターで火をつけるのは自分の家ということになると思うので、そは自粛しておこうと思うんですが、で、報酬というのはいかほどなのかと思ったら、一文字 1.5円。 イカがほどほどに買えるレベルですな。 例えば、今、僕が書いているこの原稿の場合、「1通のメールが届きました。」 から 「めっちゃ胡散臭っ!」 までで、ざっと数えて 2,800字くらい。 ということは、4,200円っすか。 イカが1杯 500円として、8.4匹分。 イカがいっぱいとまでは言えませんが、ほどほどに買えるやん♪ 「1通の、メールが、届きましたぜー!」 とか 「めっちゃ、胡散臭っ!!!!!」 とか、無駄に水増しすれば、それだけ、余分に、報酬を、得ることが、出来るし、文章を簡潔にまとめるのが苦手で、いつもダラダラになっちゃう僕にとっては、まさにうってつけの仕事。 何でもいいけどイカって、いくら 「イカめし」 の容器になるからって、 「1杯」 などと容器のような数え方をするのは、いかがなものか? そんな気がしますよね。 …とか、思い付きで付け加えるだけで、 109.5円プラス。 美味しい。美味し過ぎる♪ 僕は “イカめし” など、ちっとも美味しいとは思わないんですが、この話には乗っていいかも知れませんなー。 ただ、僕は霊に関してはほとんど何も知らないので、霊の教科書クンに気に入って貰える原稿が書けるかどうか、ちょっと心配だったりするんですが、プロメンバーによる審査があるみたいですからね。 ※記事の内容が極端に浅い、あるいは文法の書き方や文言が霊の教科書の定める一定基準レベルより大きく下回った場合は不合格メールは届きません。またその理由もお答えできません。 そんな注意書きもあったりして、プロメンバーに気に入られないと、完全に無視されちゃうみたいです。 実際にどんな記事が掲載されているのか、よく研究しておいたほうがよさそうですなー。

 ということで、読んでみました。 織田無道 。 おお、さすがに、ひなのちゃんよりは記事の内容が深いですな。 深いだけど不快ではなくて、文法の書き方や文言も一定基準レベルに達していると思います。 何でもいいけど 「文法の書き方」 や 「一定基準レベル」 って、日本語の基準レベルとして、ちょっとどうか? …という気がしないでもないんですが、続いては 心霊写真 。 おお、わりと常識的な意見でありますな。 思ったよりも、まともなサイトなのかも知れない。 そんな気もしてきたんですが、まとも過ぎて面白みがない。そう言わざるを得ません。 もっとネタになるかと思ったのに、駄目じゃん! 前半、どうでもいい “相互リンク” の話で水増ししたのは正解だったと言わざるを得ませんが、ということで、最後に 霊の教科書 相互リンク&アクセスランキング のところを簡単にチェックしておきましょう。 表示順は逆アクセスランキングとなっています。 …って、余計なことをしてくれますなぁ。 うちのサイトなど、最下位付近に埋没しちゃうこと必至なんですが、 「同病相憐れむ」 の心理で、現時点でもっとも不人気なサイトをチェックしてみたところ、 『大田区 賃貸|仲介・管理|不動産の巳芳商事』 というのが出てきたんですが、これはまあ何と言うか、どうして 『霊の教科書』 なんかと相互リンクしようと思い立ったのか、その真意を諮りかねるレベルでありますな。 『紙コップ販売』 なんかも同様。 その一方、 『路地裏』 なんてのは、自称 「国内最大級の霊的知識の集合体」 なんかよりも、よっぽどネタになりそうです。 総カウント 2837414 って、アクセス数も半端ではありません。 潮来のイタロウを越えたと言ってもよさそうですが、ジャズ好きにとっては『アセンションの全貌』 というのも何だか気になりますな。 コルトレーン的なスピリチュアル世界が展開されているかも? そんな期待を持ってアクセスしてみました。 これ です。 おお、ただ字が読みにくくなるだけの効果しかない、趣味の悪い無駄な壁紙。 何だか、懐かしい “20世紀の個人ほ→むぺ→じ” の香りがしますな。 でも大丈夫。 内容的にはしっかり21世紀しております。 以前から原子力の危険性も指摘していたみたいだし、もしかして菅直人に匹敵するほどの慧眼の持ち主だったりするのかも? 僕にはここまでの慧眼はなくて、ただ睾丸があるだけの紅顔の美少年だったりするので、ちょっぴり尊敬してしまいますが、戦慄すべきは、この 「2010年から2012年に何がおこる?」 という記事。 科学では解明できない現象や大規模な地震、異常気象がおこります。 おお、東日本大震災が予言されている…と、言えなくもないやんっ! で、 スパイラルライト も出現しちゃったんですなぁ。 ここ数年は 『ムー』 を買っていないので、ちっとも知りませんでした。 で、他のリンク・ページはというと、特にこれといってネタになりそうなものはなかったので、このお話は以上です。

 とまあそんなことで、せっかく相互リンクにお誘い頂いたんですが、いろいろと熟慮させて頂いた結果、このお話は

 ということで、今日はレッド・ミッチェルです。 レッドなのでフォントを赤にしてみたんですが、ベーシスト編はこれでおしまい。 でもって、ベース編は前回でおしまいということになります。 どういうことなのかと言うと、今回取り上げる 『リジョイス』 というアルバムではベースではなくてチェロを弾いているんですよね、赤ミッチェル。 いいですよね、チェロ。  『おくりびと』 でモックンが弾いてました。  『セロ弾きのゴーシュ』 でゴーシュも弾いてました。 ジャズの世界ではたまにサム・ジョーンズが上手に弾いてたりします。 クラシックみたいに弓を使うのではなく、ピチカートでやっちゃうのが特徴なんですが、由美かおるは好きでも、弓弾きは嫌いだったりしますからね、ジャズ好きの人。 荘厳な楽器というイメージの強いチェロも、指で弾くと意外とファンキーだったりするんですが、このアルバムにはギターのジム・ホールが参加していて、おまけに普通にベースも入っていたりするので、弦楽器好きの人にはいいかもしれません。 何だかゲンがいいですからね、弦楽器と、はだしのゲン。  「ゲンがいいでゲソ。」 と、イカ娘も言っておりましたが、とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずはジム・ホールが書いたブルースであるところの 「ジムズ・ブルース」 。 地味なんだけど、事務的ではないブルース。 そんな感じの仕上がりだったりするんですが、何でもいいけどこれ、ライブ盤だったんですなー。 心づもりが出来ていなかったので、ちょっと焦ってしまったんですが、そうと分かれば、これはこれで悪くないですな。 寛いだアフター・アワーズな 雰囲気が満載で、ギターとチェロの絡みによるテーマ部が何とも言えず、いい感じ。 少なくとも、矢名完次 ( ← 「名探偵・荒馬宗介」 の登場人物 ) よりは、いい感じです。 で、ソロ先発はチェロのピチカートっすか。 いや、普通にギターっすかね? あまりにもスムーズなので、どっちなんだかよく分かりません。 で、続くフランク・ストラゼリ (?) とかいう人は、たぶん白人なんだと思われますが、そのピアノ・スタイルには適度な黒さがあって、エロいのが嫌いで黒いのが好きな僕としては、大満足。 で、続いてチェロのピチカート・ソロで大いに盛り上がって、最後はドラムスとベースの絡みでそれなりに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いや、正直このアルバムにはさほど多くのものは期待していなかったんですが、普通にいいじゃん!

 で、次。  「オー・ユー・クレイジー・ムーン」 。 あまり聞いたことのない曲なんですが、ヴァン・ヒューゼンの名前がクレジットされているので、普通に歌モノなんだと思われます。  「おお、あなたは気が狂った月」 って、あまりマトモな歌にはなりそうもないんですが、 “crazy moon” で何らかの意味を持った熟語だったりするのかも知れません。 こういう場合は辞書よりもグーグル先生のほうが役に立ったりするんですが、 「Crazy Moon〜キミ・ハ・ムテキ〜」 という、嵐の歌があるみたいですな。 嵐って、ゲームセンターあらし? 肝心の意味はよく分からんかったんですが、で、曲のほうはというと、カントリー風の小唄って感じ? チェロの指弾きが何となくローカルな雰囲気を醸し出しているんですが、カモシカっぽい香りがあったりもしますよね。 で、演奏のほうはというと、チェロのソロの後、ピアノのストラゼリくんが登場します。 前曲ほどではないものの、ここでも安定した実力を発揮してくれていて、何より。 中盤以降はフランク・バトラーのタイコとジムのギターと誰かのベースがフィーチャーされていて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 正直、1曲目ほどのインパクトは無かったんですが、ま、安定路線でありました。

 個人的には、このあたりでバラードを聞いてみたい気分だったりするんですが、続いてはアルバム・タイトル曲の 「リジョイス」 。 赤ミッチェルのオリジナルでありますか。 となると、メロウなバラードには期待が持てそうにないんですが、ま、今井メロのラップみたいなので無ければ我慢します。 で、実際の出来はどうなのかというと、まさかのヒップホップ系! …だったりするワケもなく、普通にスインギーな歌物風のナンバーでありました。 ピアノがテーマを演奏するというのが、嫌味がなくていいですな。 そろそろチェロのピチカートにも飽きてきた頃だしー。 こういう趣向ならミッチェルは普通にベースを弾いててもよさそうなんですが、実際のところはどうなんだかよく分かりません。 とにかく、ストラゼリのピアノとバトラーのブラッシュワーク、それに誰かの掛け声 (←ノリノリ♪) とが目立ちまくっておりまして、で、中盤になってようやくギターとチェロの音も聞こえてくるので、ベースはやはり、地味なジミー・ボンドに一任の模様でありますが、最後はドラムスとピアノの絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いかにもライブらしい生感に溢れていて、いやあ、よかったっす。

 ということで、次。  「ブラック・アイド・ペアス」 はオスカー・ぺティフォードのオリジナル。 「黒い目のエンドウ」 などと、それっぽい名前が付けられておりますが、その正体は…? 「ブルース・イン・ザ・クローゼット」 やーん、これ。 ま、元々がベース弾きのハゲたおっさんが作ったものなので、チェロのピチカートにはぴったりマッチしているんですが、曲そのものはシンプル至極。 個人的には “有名な割にはあまり大したことがないような気がするジャズの曲・ベスト10” の第8位くらいにランクされているんですが、ま、アドリブの出発点としては、こういう単純なのもいいのかも知れませんけど。 で、その肝心のソロの出来はというと、うーん、まあまあ? 声を出してハモりながら、いい気分で弾いてるみたいですけどね、ミッチェル本人は。 で、続くジム・ホールもそれなりに事務的で、個人的にはやはり、ストラゼリくんのピアノが最強! …という気がするわけなんですが、最後はタイコとチェロの4バースで大いに盛り上がって、…と思ったら、盛り上がる前にすぐテーマに戻ってしまったんですが、ということで、おしまい。 ま、無難な出来でありました。

 で、残すところ、あと2曲。 どちらもスタンダードなので気が楽なんですが、どういう曲なのかを言葉で説明する手間が省けますからね。 「みんなもよく知ってる」 と書いておけばそれで済むわけで、で、知らない人のことは無視するとして。 ということで、5曲目です。  「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」 。 「帰ってくれれば嬉しいわ」 という邦題で知られる、みんなもよく知ってるナンバーでありまして、説明は不要でありましょう。 もし説明が必要な人がいたとしても無視しますけど。 日本語のタイトルだけ見ると、嫌な客に居座られている状況しか浮かんでこなかったりするんですが、正確、かつ、ひなのちゃん風に言うと、 「早く帰ってきてくれたら嬉しいのぉ♪」  そういう事になるでしょう。 彼が帰ってきたら、あんなことやら、こんなこと。ああん、そんなことまでぇ♪ いやあ、期待に胸が膨らみますなぁ。 もっとも、歌詞の意味からすると 「あなたのもとに帰れたら嬉しい」 というのが更なる正解なんだそうですが、で、こいつをチェロのピチカートでやるとどうなるかというのは、何となく想像がつきますよね。 で、実際に聞いてみたら、ほぼ思ったとおりの出来だったんですが、期待を裏切らないというか、サプライズに欠けるというか。 ま、思ったほどスインギーではなくて、斜に構えたようなシニカルな味があったりもするんですけど。 (cello)→(g)→(p)→(b)と続くソロも、ちょっぴりダーク広和な雰囲気だったりして、とまあそんなことで、最後に弦楽器軍団の絡みがあって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。  「ナイト・イン・チュニジア」 。 日本名 「チュニジアの夜」 でありますな。 チュニジアから始まった民主化革命も、ついにはリビアのカダフィ大佐に大差をつけて勝つところまで突き進みましたが、で、最後くらいは何の迷いもなく、パーっと能天気に盛り上がって欲しいですよね。 君たちなら出来る! そう信じておりますが、実際のところ、まあまあそここ盛り上がっていて、何よりだと思います。 とまあそんなことで、今日はおしまい。

【総合評価】

 正直このアルバムにはさほど多くのものは期待していなかったんですが、普通にいいじゃん♪ 1曲目が終わった時点で、そのような感慨を抱いたんですが、終わってみれば、その1曲目だけでしたなぁ。 …といった事態に陥ることもなく、何とか最後まで遣り遂げてくれました。 ま、途中で多少の浮き沈みは見られたんですが、トータルで見ても一定基準レベルは余裕でクリアしております。 ライブ特有のアバウトな盛り上がりも見られるし、ベースでなくてチェロを弾くという企画そのものも悪くはなかったと思います。 ま、そういうのは6曲中2曲くらいに押さえておいたほうがよかったような気はするんですけど。 フランク・ストラゼリのピアノが思わぬ拾い物だったので、まんざら捨てたものではない。 そんな1枚なのでありました。


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