ON THE CHICAGO SCENE (EMARCY)

MAX ROACH (1958/6)

ON THE CHICAGO SCENE


【パーソネル】

BOOKER LITTLE (tp) GEORGE COLEMAN (ts)
EDDIE BAKER (p) BOB CRANSHAW (b) MAX ROACH (ds)

【収録曲】

(01-03) SHIRLEY / MY OLD FLAME / SPORTY
(04-06) STELLA BY STARLIGHT / STOMPIN' AT THE SAVOY / MEMO : TO MAURICE
【解説】 ( 2011年07月10日更新 / 連載 988回 )

 “SS会議” でした。 それはどういう会議なのかと言うと、 これ 。 ソーラー利用の隙間商品について考えろと社長から言われたので、頑張って “ソーラー仮設便所” というのを考えたんですが、未だに発表の機会がありません。 で、この前、今後の “SS会議” で取り上げて欲しい議題を何でもいいから出せ。 そのように社長から言われたので、意見を述べたんですよね。 「初心に帰って、太陽光利用の新商品開発について議論してはどうか?」 …と。 するとですね、 「太陽光の分野には今さら新規で参入出来ないしぃ。」 と、一言で却下されてしまいました。 言いだしっぺはアンタやん、哲っ! 思わず心の中で社長を呼び捨てにしてしまいましたが、頭髪的な欠点をあげつらったりしないあたり、オトナですよね、僕って。 社長がハゲてることと、太陽光分野への参入を断念したこととは無関係ですからね。 そこを責めても仕方ありません。 ただ “ソーラー仮設便所” が日の目を見ることもないまま埋もれてしまうのは、何とも無念でありますな。 日の目を見ないと発電すら出来ませんからね、ソーラー。 どうせ日の目を見ないのなら、蛇の目を見せてやるぅ! …というので、太陽光パネルに蛇の目傘を被せるという嫌がらせオプションを考えてみたりもしたんですが、そんなもので哲クンが考え方を変えてくれるとも思えないしー。 ま、うちの会社が倒産した暁には、仮設便所屋さんに再就職してガッツリ稼がせて貰うので、せいぜい悔しがって下さいね。

 で、太陽光を捨てて、どこに活路を見出そうとするのかと思ったら、“LED” 。 どうやらソレに社運を賭ける覚悟のようです。 大丈夫なんすかね? ま、 “LSD” に組の命運を賭けるよりかはリスクが少ないような気もするんですが、“LED” なんて所詮は発光ダイオードですからね。 そんなもので飯が食えるんでしょうか? 発酵食品なら十分に飯が食えると思うんですが、ま、個人的には納豆や鮒寿司の類は大の苦手だったりするので、そんなものを食わされるよりは、発光ダイオードを売ってたほうがまだマシではあるんですけど。 ちなみに、うちの会社で扱おうとしているLED製品は これ です。 ☆ピカソナ☆ おお、なんて素晴らしいネーミング♪ 韓国の某電機メーカーと技術提携しているようなんですが、もしかして 「冬のソナタ」 に因んで名前を付けたとか? 「 “冬ソナ” の次は “ピカソナ” の時代っすよ!」 そんなセールストークをしなきゃならんのかと思うと、今から気が重いっすなぁ。 ま、そういうのは長縄部長 (←無事に退院して職場復帰した。) が得意そうなのでお任せするとして、僕個人は啓発発動に専念させて貰おうかと。 うちが販売を目指しているのは電球タイプではなく、蛍光灯タイプのLED照明なんですが、これがいったいどういう物なのか、詳しく知っている人はそれほど多くないと思います。僕もよく知りません。 商品を知らずして長縄部長に 「売ってこいっ!」 とお願いするのは気が引けるので、これを機会にちょっと勉強してみたいと思います。 題して 『LED蛍光灯の傾向と対策』 。 各部署の販売責任者はこれを読んで、しっかり営業活動に励んで下さいね。

 LED蛍光灯について語る前に、まずはLEDではない普通の蛍光灯について調べてみたいと思います。 知っているようで、詳しい仕組みに関してはよく分からなかったりするんですよね、蛍光灯。 歴史を紐解いてみると、蛍光灯の起源は 1856年にドイツのハインリッヒ・ガイスラーによって作られたガイスラー管なんだそうです。 東工大出身の菅直人クンも、この分野でもうちょっと頑張っていれば “菅管” の発明者として後世に名を残せたかも知れませんが、それはともかく、ずいぶんと古い話なんですな。 ちなみに、エジソンが白熱電球の実用化に成功したのは 1876年でありますか。 その 20年も前に蛍光灯があったというのはちょっと意外ですな。 白熱電球のほうがずっと単純そうなんですけどね。フィラメントに電気を流すと光る。伊集院光でも思い付きそうなシンプルさです。それと同時に、伊集院健と同じくらい熱いです。豪にして優!静にして動! やたら白熱しちゃうところが白熱電球の長所でもあり、短所でもあるんですが、作り置きのアメリカンドッグが冷めにくくなるのは白熱電球のいいところ。 火を使わずに 「根性焼き」 を楽しめるというのもメリットのひとつなんですが、そういう熱を積極的に活用出来る場面以外、白熱するのは無駄や邪魔以外の何物でもなくて、 “照明業界の松岡修造” としてウザがられているのが実情だったりします。

 で、一方、蛍光灯はというと、原理が考え出されたのは 1856年なんですが、実用化の目処が立ったのは 1926年頃。 ドイツの発明家エトムント・ゲルマーのグループは、管内の圧力を上げ、蛍光粉末で覆うことで、放たれた紫外線を均一な白い光に変換することを提案した。そんな話が Wikipedia に書かれておりますな。 詳しい仕組みに関しては パナソニックキッズスクール が分かりやすいかと。 「エレキはかせの研究室」。 電気に詳しそうな博士ですな。 少なくとも 「エノキ歯くそ」 よりは頼りになりそうなんですが、歯の隙間にエノキが挟まっていて、歯クソも付着。 そんなオッサンの話はあまり聞きたくありませんが、とまあそれはそうと、蛍光灯。 あの管の両側にはフィラメントが仕込まれていたんですな。ちっとも知りませんでした。 フィラメントに予熱電流を流す → 高温になった電子放出物質から電子が放出される → 両側の電極に高い電圧をかける → バチッと放電 → 管の中に封入された水銀蒸気に電子がぶつかる → 紫外線が発生 → 管の内側に塗られた蛍光物質を刺激。 そういう賢い仕組みによって可視光線を発生させているようですが、いいですよね、可視光線。少なくとも “かし久” よりはいいです。 ま、静岡のローカル食品メーカーと比較すること自体が間違っているような気もするんですが、少なくとも僕は “かし久” の 「石松鍋」 の掻き揚げの桜海老が嫌いです。

 で、蛍光灯を点灯させるにはフィラメントに予熱電流を流して、両側の電極に高い電圧をかけてやる必要があるんですが、その方法として3つのタイプがあります。 スタータ形ラピッドスタート形インバーター形というのがそれなんですが、詳しくは、ま、 ここ を見て貰うとして。 点灯方式の違いによって使用出来るランプの種類も違ってくるので注意が必要なんですが、さて、そこで “LED蛍光灯” です。 電球形のLEDランプは従来用の機器でもそのまま使えますよね。 LED蛍光灯も今の機器がそのまま使えるのであれば、それなりに普及するような気がするんですが、実際のところはどうなんすかね? 点灯の仕組みがまったく違うのでそのまま使えるとは思えないんですが、ということで、調べてみました。 駄目でした。 誰かに頼んで機器を改造して貰わなければなりません。素人では無理です。電気屋さんの出番です。便器屋さんでは駄目です。 ま、電気工事士の資格を持った便器屋さんなら何とかしてくれるかも知れませんが、ペンキ屋さんの資格を持った刺客では駄目でしょうな、多分。 綺麗に塗装してくれるか、いきなり刺されちゃうか、どちらかでしょう。 小型の安定器を内蔵したLED蛍光灯の場合は、照明機器に付いている安定器を撤去してやれば使えるようになるんですが、安定器が小型なので今ひとつ不安定で、しかも暗い。 そういう欠点があるようです。 照明器具の明るさは “全光束” というもので表されるんですが、従来型の蛍光灯の場合、スタータ形・ラピッドスタート形 (40W) で 2800 [lm] (ルーメル)、インバーター形 (36W) で 3500 [lm] 程度。 で、安定器内蔵型LED蛍光灯はというと、 15〜25W で 1100〜1800 [lm] 。 ショぼっ! 確かに消費電力は半分なんだけど、明るさも半分で、意味ないやんっ!

 内蔵型は無いぞう。 そういう機運が高まって、最近はランプでは無く、器具のほうに大きめの安定器を組み込んだタイプが主流になっているみたいです。 我がピカソナもその手合いなんですが、消費電力 21W で、全光束 2,350 [lm] の明るさを達成! 従来型のインバーター形蛍光灯と比較して、消費電力は 58.3%、明るさは 65.3%でありますな。 おお、大健闘♪ しかも従来型の蛍光灯が無駄に全体が光っちゃうのに対して、LED蛍光灯は下のほうだけ光りますからね。 ルーメルが多少アレでも、実際の明るさはそんなに変わらないよね、ウーメラ? …と、はやぶさのカプセルが帰還した砂漠地帯に同意を求めてみましたが、ちなみにピカソナのカタログには こんなグラフ が掲載されておりました。 おお、ピカたん、断トツやんっ! 他を寄せ付けない圧勝と言ってよさそうなんですが、ただこれ、同じく 2,300 [lm] 越えをクリアしているT社やP社の製品に関しては、敢えて 「見なかったこと」 にしているんですよね。 そんな恣意的な手法、椎茸が許してくれると思っているのか!? …と、キノコ類に成り代わって問い詰めてみたいと思うんですが、弱小メーカーのロースペック商品ばかりを相手にするというのは、亀田兄弟的なズルさが感じられて、決して褒められたものではありません。 おまけにこれ、安定器の寿命が今ひとつ怪しかったりするんですよね。 とりあえず3年間は保証するけど、それ以上は実績がないから、よく分からん。 そういうスタンスのようです。 ま、それは他社の製品でも同じなのかも知れませんが、もし安定器が不安定になって壊れたら、また誰かを呼んで取り換えて貰わなければなりません。 電気屋さん、丸儲け♪ 定期的に仕事が貰えて何ともボロい商売だと言えますが、果たしてこんなクソ面倒な話、お客さんが食い付いてくれますかね? 発光ダイオードで大滑りして、薄幸な人生を送る哲クンの姿が見えるような気がしてなりませんが、とまあそんなことで、おしまい。

 ということで、マックス・ローチです。 今日も暑くてまともに物を考える気がしないので、いきなり本題に入りたいと思いますが、 『オン・ザ・シカゴ・シーン』 。 超地味なエマーシー盤です。 変に政治に走ったりしていないので聴きやすそうだし、ブッカー・リトルジョージ・コールマンというフロントは悪くないし、何よりジャケ絵がシンプルで、書くのがめっちゃ楽そうなところに大いに牽かれてしまったんですが、とまあそんなことで1曲目です。 ジョージ・コールマンのオリジナルで、 「シャーリー」 。 タイトルは恐らく 「寿司ー飯ー」 という意味ではないかと思うんですが、シャリシャリした歯触りが印象的だったりしますよね、すし太郎の具のレンコン。 で、曲のほうはアレです。何と言うか、けっこう複雑? 捉えどころがなくて何とも解説のしようが無いので、解説の代わりに猥褻な行為をしたくなる。そんな感じの作風だったりします。 で、ソロ先発はリトルくん。 弱冠二十歳の彼のプレイは若干、ジャッカー電撃隊っぽいところがあったりもするんですが、まだ己の死期を悟ってないものと思われ、それなりに溌剌としていて悪くないです。 続くジョージのソロは、やや平坦な嫌いがあるものの、ピータンほど気持ち悪くはなくて、概ね、普通。 CNNの記者が 「世界一気持ち悪い食べ物」 だと言ってましたからね、ピータン。 いや、バロットやホビロンの類よりはよっぽどマシだと思うんですけど。 で、続くピアノのソロはエディ・ベイカーでありますか。 僕的にはまったくよく知らない人なんですが、ちょっぴり米菓っぽくて、悪くないと思います。 で、最後は tp → ds → ts → ds の4バースとドラムスのソロでそれなりに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 総体的な評価はというと、うーん、まあまあ。

 ということで、次。  「マイ・オールド・フレイム」 。 しみじみとしたバラード系の歌物ナンバーです。 リトルくんがワン・ホーンでテーマを吹くんですが、何というか、若者らしからぬ悲哀が感じられますよね。 若者といのは普通、悲哀よりも卑猥のほうが前面に出てくるものなんですが、この人の場合は何だか枯れちゃってます。 ま、それが独特の持ち味ではあるんですけどね。 かき餅っぽい味というか。 で、ソロ一番手もリトルっすな。 途中で倍テンポになったりして、表情豊かな山川豊。 そういったプレイが繰り広げられるんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 終わってみれば、ブッカー・リトルのフィーチャリング・ナンバーでありました。 ということで、次。  「スポーティー」 。 アトランタ生まれだが、シカゴで活躍した '28年生まれのベーシスト、ビル・リーの作曲。 そう、日本語ライナーに岩浪洋三クンが書いているところの曲です。 そういえばこれ、 『ザ・シカゴ場面の上』 というタイトルだったんですな。 録音もシカゴみたいなので、それにあやかった綾香チャン。 そういったアレだったりするんでしょうな。 シカゴというと鹿がゴマンといる、アメリカの奈良のようなところだというイメージが、まったくなかったりするんですが、ガラの悪いオッサンとかは多そうですよね。ガラガラヘビの刺繍が入った、柄の悪いシャツとかを着てそうです。 が、曲のほうはというと、普通に爽やかなスポーツ系のハード・バップといった感じで、リトル、コールマン、エディ・ベイカーの順で、ジュンって潤ってきちゃうんです。 そんな熱いプレイが展開されております。 で、最後にしっかりローチのタイコもフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いい感じに白熱した電球でありました。

 ということで4曲目です。 歌物ナンバーの 「ステラ・バイ・スターライト」 。 ヴィクター・ヤングが書いた印象的なメロディを合奏したあと、ブラウン〜ローチ的なアレンジで進行するが、リトルのソロが光り、コールマンも快調。 そう、日本語ライナーに書かれている通りの演奏が展開されております。 岩浪クンの解説、大したことねぇ! そう思わずにはいられませんが、テーマ部ではバラードと思わせておいて、アドリブ・パートに入って一転、テンポが速くなってスインギー路線に転じます。 ありがちではあるんですが、なかなかよく練られた編曲でありますな。 最初にピアノのソロを持って来たのも有効で、以下、光るリトル、快調なコールマンと続いて、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ストンピン・アット・ザ・サヴォイ」 。 とってもストンピンな曲で、コールマンのテナーがとってもフィーチャーされてます。 ということでラスト。 エディ・ベイカーのオリジナルで、 「メモ:トゥ・モーリス」 。 モーリスへのメモというと、 「もう栗鼠も理数系。」 とか、そんな感じですかね? 意味のよく分からんメモを貰って、対処に困ってしまうシマウマ。そんな哺乳類のやりとりが頭に浮かんでくるんですが、で、曲のほうはアレです。 ま、普通? で、演奏のほうはアレです。リトルくんが頑張ってます。 ジョージくんもそれなりです。 ベイカーが作曲者としての矜持を感じさせるプレイで続いて、で、最後の締めはリーダーのローチっすかぁ。ホーンとの掛け合いもドラムスのソロも余裕綽々、釈由美子。 とまあそんなことで、テーマに戻って、今日は以上です。

【総合評価】

 初めて聞いた時には今ひとつ地味だという印象を持ったんですが、改めて聞き直してみると、それなりに、ま、普通。 演奏そのものは健闘してるよね。…と、遣唐使のオッチャンも誉めているんですが、スタンダード以外のオリジナル曲の印象がちょっぴり薄いです。 とっておきのファンキー・チューンが1曲でもあれば、ヤンキー中年のハートをグッと掴めたんでしょうけど。 とまあそんなことで、来週は長野へ避暑に行ってきます。 原稿のほうは秘書が何とかしてくれると思いますが、とりあえず更新は月曜日になるものと思われるので、ヨロシク☆


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