Androidスマートフォンを買いました。 というのも、この来週、ちょっと旅に出ることになったんですが、旅先でも原稿を書きたい。そういう思いが日増しに強くなってきたんですよね。 ヒマシ油で湿布をしたい。そういう思いも日増しに強くなってきたんですが、それはまあ置いといて。 振り返ってみれば僕の人生、お外で原稿を書く事への飽くなき追求の歴史でありましたな。 どうしてお外で原稿を書かなければならないのかというと、おうちで書くだけでは間に合わないからなんですが、この場合の 「お外」 というのは電車の中だとか、クルマの中だとか、旅館の中だとか。 お外と言っても中ばかりなんですが、かつてはウインドサーフィンの風待ちとか、完全屋外なシチュエーションもあったんですけどね。 で、アウトドア原稿書き機器として、僕は長らく “Zaurus” を愛用しておりました。 白黒液晶は電池の持ちもいいし、ギラギラ炎天下での視認性もバッチリだし、お外用には最高だったんですが、ただ、入力は面倒でしたな。 画面上のちっこいキーボードをポチポチと棒で突付いて書いていたんですよね、あの頃の僕。 白黒がカラーになって、反射型液晶が透過型液晶になって、時代の経過と共に見た目が派手になる反面、屋外での視認性は逆に低下しちゃったんですが、入力に関しては次第に改善されました。 パワーザウルス にはオプションで外付けキーボードが付くようになりましたー♪ ま、お外では使い物にならないし、おうちの中でも半端なく使いにくくて、こんなものを使うなら、まだ画面をポチポチと突付いてたほうがマシじゃ! そう言いたくなるような代物ではあったんですけど。
“MI-E1” にはスライド式キーボードが内蔵されて、長文もスイスイ文字入力。 おお、これは画期的でありますな。 音楽や動画も再生出来るみたいだし、大人のオモチャとしては最高ぢゃん♪ 大いにソソされるものがあったんですが、結局はこれ、買わなかったんですよね。 いや、買えなかったというのが正解かも知れませんが、クルマのローンを抱えていて、夏のボーナスが振り込まれる前にボーナス月の引き落としがあって、預金通帳の残高がマイナスになっちゃった頃? ザウルスなら問答無用で衝動買いしちゃう僕が諦めたんだから、相当ビンボーだったんでしょうなぁ。。。 後日、大きくなってお金持ちになったので、中古の “MI-E25DC” を買って雪辱を果たすことが出来たんですが、このちっこいキーボードの使い勝手は正直、今ひとつでありました。 打てないことはないんだけど、打ちたくはない。 こんなものを使うなら、画面をポチポチ突付いてたほうがマシじゃ! 結局、そういう結論に落ち着いてしまうんですが、 “SL-C760” が登場してようやく、何とか納得の出来るレベルに到達したと言えるのではなかろうかと。 無駄に長いレビューで、とてもまとも読み返す気はしませんが、USBケーブルを接続する端子の蓋が本体から完全に外れちゃうので “ウンコ分解洗浄キット” が必要とか、実にどうでもいいですなぁ。。。 ギラギラ炎天下ではまったく見えないのと、日本語変換がアホ過ぎるのが弱点なんですが、キーボードそのものは意外と使いやすく、今でもたまに思い出したかのように使っております。 思い出すのが3ヶ月に1回くらいの頻度なので、使おうとすると間違いなくバッテリーが空になっているのが面倒ではあるんですけど。
一世を風靡した一世風靡セピアでしたが、 「前略、道の上より」 の1曲だけで消えちゃいましたなぁ。 それと同じく一世を風靡したザウルスも、携帯電話の多機能化によって姿を消すことになるですが、その後継と言えるのが “W-ZERO3” でありますな。 横画面+スライド式キーボードという斬新なスタイルなんですが、無論、僕はこいつも買いました。 PHSが出始めた頃に契約して、ずっと放置していた回線があったのを思い出して、機種変更という形で手に入れたんですが、こいつのキーボードも意外と打ちやすかったりします。 ただ、電話としての使い勝手は最悪なので、すぐ “W-ZERO3[es] ” に乗り換えました。 見た目的にも機能的にも多少は電話っぽくなったんですが、画面とキーボードが小さくなって、原稿書き機器としての機能は大幅に低下。 特にキーボードは使えないレベルになってしまって、うーん。。。 ま、 “W-ZERO3” (初代) も電話機能が使えなくなっただけで、PDAとしてはまだ生きていけるんですが、僕の中では “ポメラ” 同様、 「無かったこと」 扱いになっているので、机の片隅の目立たないところで、ひっそり余生を送って貰うとして。 というか、とっくの昔に電池が切れて息絶えているに違いありませんが、ちなみに “ポメラ” はアレです。 キーボードの打ちやすさは非の打ち所がないんですが、寝転びながら使えないのが僕としては致命的でした。 旅館の布団の中やホテルのベッドの上で、ダラダラしながら原稿を書きたい。 そういう、ささやかな願いすら叶えてはくれなかったんですよね、ポメラ。 ま、最初からそれは分かっていたんですが、そういう用途で使うには、今から思えば “W-ZERO3” (初代) が最強でありました。 仰向けに寝転がって、本を読むようなスタイルで原稿を書く。 “Zaurus SL-C760” でもそれは可能なんですが、 “W-ZERO3” (初代) はキーボードにバックライトが付いているので、暗いところでも安心。 無くして初めて、その便利さを思い知った次第でありますが、とまあそんなことで、Androidスマートフォンを買ってやるぅ!
ということで “IS01” を買いました。 最初から電話機として使う気はなくて、白ロム運用するつもりなので、キャリアはどこでもよかったんですが、 “2ちゃんねる” の 『原稿書きに最適のモバイル・セットは』 というスレで高評価だったんですよね、これ。 決め手はずばり、クラムシェル型・QWERTYキーという形状。 クラムシェルって、何? …と思ったら、元は 「貝殻」 を意味する英語であるが、IT用語としては主にモバイル端末などがヒンジ部分で二つに折りたためる構造になっている形状のことである。 なるほど、言われてみればクラムって、ハマグリですよね。 桑名人ならクラムシェルやろ? そう思ってしまったとしても、誰が僕を責めることが出来ましょうか? で、個人的には 「スマートフォン=キーボード付きの電話機」 というイメージがあったんですが、最近ではキーボードが無いタイプが主流なんですな。 無論、キーボードがあるタイプもいくつかあるんですが、中ではこの “IS01” が打ちやすそうで、いい感じ? そう判断して、注文しました。 既に正規のルートでは手に入らない機種のようですが “Amazon” のマーケットプレイス で新品を発見。 「題名にロッククリア済みとありますがロッククリアしてませんのでご注意ください。」 などと下のほうに書かれていて、そこはかとないインチキ臭が漂っているんですが、電話機能を使う気はないので、関係ないっすよね。 ただ 「新品・在庫あり」 となっているのに、数日たっても何の連絡も無くて、次第にインチキ臭が強くなってきました。 気になって出品者 (←「白ロム」という名前らしい) の評価をチェックしたら、ま、88%くらいは大丈夫みたいなんですけど。 ただ、「お届け予定日の最終日に在庫切れということでキャンセルされました。そのあと高値で出品されているのを見て、大変不愉快です。もう二度と取引したくない出品者です。」 といった類の悪評もいくつか見られて、インチキ臭は完全に消え去りました。 いや、硫化水素なんかでも濃度の低いうちは卵が腐ったような臭いがするんですが、命に危険が生じるような濃度になると神経が麻痺して、逆に何の臭いも感じなくなっちゃうんですよね。 これはもう危険ラインを超えたと判断したほうがよさそうです。
ま、金さえ騙し取られなければ、キャンセルを食らうくらいは我慢出来ないこともないんですが、在庫が無いなら無いで早くキャンセルしないと、せっかくの旅行に間に合わなくなりますよね。 そこで、「在庫あり、発送準備中となっておりますが、発送予定日はいつになりますか?」 というメールを送ってみました。 言外に 「売る気が無いんなら、さっさとキャンセルしちゃうけど。」 という思いを込めて、内心、そういう展開に期待したんですが、意外にも 「明日、発送予定です。」 という返事が来ました。 で、実際は 「明後日」 に発送通知が来て、 「ささって」 に品物が到着しました。 三重県の一部では明後日の次の日 (3日後) のことを 「ささって」 というんですよね。 「しあさって」 は4日後ということになっていて、よそ者との約束でトラブルになること必至。 ま、僕としては1日も早いほうが嬉しいので、明々後日でなく、「ささって」 に届いて何よりなんですが、ちゃんと品物を送ってくることもあるんですな、白ロム。 疑ったりして正直、すまんかった。 一応、そう謝っておきますが、品物としてもまずまず “新品” だったしー。 10ヶ月くらい前の日付で修理完了品としての保証書が入っていたりして、素性としてはかなり怪しいものがあるんですけど。 “白ロム” などと名乗っておりますが、送り主の名前は個人名だったので、要は素人のオークション出品みたいなものなんでしょうな。 白露夢ヒロシ。 そういう、白ロシア系の夢見がちなヒロシだったりするのではなかろうかと思われます。
で、 “IS01” の使い勝手はどうだったのかというと、正直、今ひとつ。 詳しくは、ま、ネタに困った時にでも書こうと思うんですけどね。 次回から3回ほど 「信州・夏旅シリーズ」 で食いつなぐとして、その次あたり。 で、どういうところが使いにくいのかというと、まず “Android” が駄目です。 2ちゃんねるに 『Androidって微妙に使いにくいな』 というスレがあるんですが、確かにおっしゃるとおり。 SDカードのファイル操作とか、パソコンでの操作とは違った感覚だったりして、分かりにくいです。 で、期待していた “QWERTYキーボード” なんですが、これも思ったよりもアレでした。 凄くよさそうに見えていたのに、実際はヒロシ&キーボードって感じ? 大きさが小さめである上に、隣のキーとの間に隙間が無いので、ミスタイプ頻発なんだってば、ヒロシ! 例えば 「高速増殖炉の万景峰号がバスガス爆発」 といった文章とか、噛まずに打ち込むことなど、まず不可能です。 うーん。。。 が、ここで諦めてはいけません。 IS01” は無かったことにして、“W-ZERO3” (初代) を復活させる。 そんなことをしたら敗北を認めることになります。 いや、もうすでに復活させちゃったんですけどね。寝転びながらでも打ちやすいし、キーボードが光って暗いところでも使えるし、今から思えばめっちゃ使いやすいヤツなんですよね。 弱点と言えば見た目のダサさと、“今さら感” が半端ないことくらいなんですが、恥ずかしくて人前では使えないですからね。 「お外で原稿書き機器」 としては致命的な欠点でありまして、だからこそ新しいスマホを買うことにしたんですよね。 “W-ZERO3” は旅館の布団の中とかで人知れずこっそり使うことにして、新幹線の座席とかでは “IS01” を無理してでも使わなければなりません。 調べてみるとやはり、このキーボードに不満を持っている人は少なくないようですが、どうやら平坦過ぎるのがよく無いみたいです。 膨らみを付けてやると画期的に使いやすくなるみたいですが、じゃ、どうやって膨らませるのかちうと、1ミリ厚の透明板を貼り付けたりとか、木工用ボンドを塗ったりとか。 板は見た目がアレ過ぎて戴けないので、ボンド作戦でも試してみますかね?
・・・。 よい子は決して真似してはいけません!! そういう貴重な教訓が得られたところで、今日はおしまい♪
ということで、今日はチコ・ハミルトンです。 僕はこの人に関してあまり多くの事を知らないので、あまり書くことがありません。 仕方が無いので俳句でも詠んでみようかとも思ったんですが、やめておきます。 「恥垢」 で始まって 「ん〜♪」 で終わる。 どうせ、そんな一句しか思い付かないに違いないしー。 で、このチコくん、日本ではもっぱら 「ブルー・サンズ」 の人として知られているんですが、それ以外にはほとんど知られておりませんな。 ま、僕が知らないだけなのかもしれませんが、後はエリック・ドルフィーとの絡みでちょっと知られているくらいですか。 基本、フルートやチェロをフィーチャーした室内楽的なジャズなので、屋外露出派の間では今ひとつ評価が低かったりするのが弱みでありますな。 で、今回はネタ用に仕入れてみた 『ザ・ファーザー・アドベンチャーズ・オブ・エル・チコ』 というアルバムを紹介してみようと思うんですが、この作品はチコ・ハミルトンがインパルスに残した5枚目のリーダー作だ。 (中略) ちなみに本作ではガボール・ザボとチャーリー・マリアーノの参加が注目だ。そこにパーカッションを加えて、ハミルトンは持ち前のラテン・フレイヴァーに溢れた陽気なジャズを聴かせてくれる。 そう、小川隆夫クンが日本語ライナーに書いているような演奏が展開されている模様です。 いいですよね、チャーリー・マリアーノ。 マリアーノだっけ?アリマーノだっけ?…と、ちょっと悩んでしまうところがいいです。 ガボール・ザボもいいですな。 ガボール・ザボだっけ?ガザール・ボボだっけ?…と、かなり悩んでしまうところがいいです。 英語(?)表記だと “GABOR SZABO” だったりして、ガボー・スザボと読んじゃったりもしますよね。 で、隆夫クンには無視されておりますが、ジェローム・リチャードソンも入ってたりして、個人的にはマリアーノやザボよりも楽しみだったりします。 ま、単なるハモリ要員で、ソロを取らせて貰えない恐れは多分にあるんですけどね。 で、曲によってはクラーク・テリーを始めとする3管軍団が追加されて、こうなってくると、僕の好みとは掛け離れた演奏になってしまっているという可能性も否定できません。 ちなみに僕の好みは、間下このみとブルボンの 「味ごのみ」 だったりするんですが、アレも小魚さえ入ってなければ完璧なんですけどね。 過剰な管楽器が小魚化してないことを祈らずにはいられませんが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。
まずは、ブルースのマディ・ウォーターズが、その後はリズム&ブルースの世界で定番となったお馴染みの1曲らしい 「ゴット・マイ・モジョ・ワーキング」 。 ジャズ・ミュージシャンによるものとしてはジミー・スミスのヴァーブ盤がよく知られている…と、隆夫クンが書いてますが、僕は知りません。 で、ハミルトンのヴァージョンでは、クラーク・テリーのご機嫌なトランペットがフィーチャーされてダンサブルなナンバーに仕上がったとも書かれておりますが、確かにダンサブルなナンバーですな、こりゃ。 「モジョ、モジョ♪」とか言ってるボーカルもしくは掛け声も、何だか “喪女” っぽくて、楽しいです。 というかチコ・ハミって、室内楽っぽい 「こちらお静かね。」 みたいなタイプではなくて、普通に能天気なラテン系のオッサンだったんですな。ちょっぴり見直しました。 基本、ただ賑やかなだけやな。…といった印象しか残らなかったりするんですが、ま、これはこれで、ヨシとしておきましょう。 で、次。 歌物ナンバーの 「フー・キャン・アイ・ターン・トゥ?」 アストラッド・ジルベルトも歌っておりましたが、ボサノヴァ風にやっても、ぜんぜん大丈夫な曲ですよね。 ここではガボール・ザボのギターがフィーチャーされておりまして、前曲から一転、お静かな雰囲気の仕上がりとなっております。 ま、クソ暑い昼日中には、こういう爽やかなのもよろしかろうと。
ということで、次。 チコたんのオリジナルで、 「ザット・ボーイ・ウィズ・ザット・ロング・ヘア」 。 「あの少年」 と一緒なのが長髪の美少女なのか、ロン毛の兄ちゃんなのかでイメージが大きく変わってくるんですが、普通に綺麗なメロディの曲なので、美少女のほうなんだと思われます。そう信じたいところです。 めっちゃロマンチックなのに、ロン毛の兄ちゃん。 そういうシチュエーションはあまり考えたくありません。 ジェローム・リチャードソンの吹くアルト・フルートが、何とも言えないいい雰囲気を醸し出しているんですが、ちゃんとソロもフィーチャーされていて、何より。 で、続いてザボたんのソロが出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、4曲目。 「デイドリーム」 。 ポップス・ファンにはお馴染みのラヴィン・スプーンフルのリーダー、ジョン・B・セバスチャンが書いたヒット曲なんだそうです。 僕はポップス・ファンではない、ただのパンプスで踏まれるのが好きなだけの青年なので、この歌のことはよく知らんのですが、これはアレですな。あまりにもベタですな。 こういうのばかりを取り上げていると、辛口のジャズ・ファンから思い切りバカにさせちゃいそうなんですが、クラーク・テリーのトランペット、ダニー・バンクのピッコロ、チャーリー・マリアーノのアルトと、ソロのほうはきっちり3人分が用意されております。 が、全体的な雰囲気としてはあまりにもチープでありまして、とまあそんなことで、おしまい。
続いては、お馴染みの 「シャドウ・オブ・ユア・スマイル」 でありますか。日本名は 「いそしぎ」 ですよね。 「いそしぎ」 で画像検索してやると、鳥だとか、アストラッド・ジルベルトだとか、小林幸子とかが出てくるんですが、作詞:吉岡治、作曲:弦哲也。 あ、これは僕の知ってるのとは違ったタイプでありますな。 チコりんが取り上げているのはジョニー・マンデルが作った名曲のほうです。 いや、幸子バージョンが駄曲だと言いたいのではなくて、そっちのほうは聴いたことがないので判断のしようがありません。 「つべ」 に上がっていたんですが、別にそんなに聴きたくもないしー。 が、ちょっと気になるので、試しに聴いてみました。 MARVELOUS, GORGEOUS BEAUTIFULL AND WONDERFUL, JUST AS SHE IS TOO !!!!!! OOOOH SHE IS AND WILL BE FOR EVER MY NUMBR 1 ENKA SINGER!!!! コメントで絶賛しているガイジンがおりますな。 いや、ガイジンなのか、英語に堪能な日本人のオッサンなのかは定かでは無いんですけど。 “BEAUTIFULL” と “NUMBR” の綴り、間違ってるしー。 Sound very good!? What is“ isoshigi ”? という2年前のコメントに対し、“ isosigi ” means “a sandpiper” と、親切に答えてくれている1年前のコメントもあったりします。 で、サウンドのほうはというと、意外にも確かに、けっこうベリー・グッド。 演歌を馬鹿にしていた自分がちょっぴり恥ずかしく思えたりもしたんですが、無論、あっちのほうの 「いそしぎ」 だって負けてはおりません。 ラテン・リズムとボサノヴァを掛け合わせたようなビートの中で、マリアーノがめくるめくプレイを繰り広げる。 そう隆夫クンが評しているような演奏が繰り広げられているんですが、思ったよりもハードな仕上がりだったりしますな。 テンポはかなりゆったりしているんですが、マリたんの吹きっぷりが、何とも言えずにハスキーです。 続くザボたんのギターが若干ハワイアンなのは、お慰みということで。
6曲目の 「イヴィル・アイ」 は、そのサボのオリジナルなんですが、幻想的なリズムをバックに、彼がシングル・ノートと独特の和音を使い分けて、ユニークな世界を築いていく。 そういうアレだったりします。 独特とユニーク。 言ってる意味は同じなんですが、日本語と英語を使い分けたりして、隆夫クンもなかなか苦労してますな。 僕はそれを無断で勝手に引用させて貰うだけなので、とっても楽だったりするんですが、ま、僕は別に金を貰って書いているわけではないですからね。 手を抜いても誰からも文句はこないと思うんですが、で、次。 「マンデイ・マンデイ」 。 男女ふたりずつの4人組コーラス・グループ、ママス&パパスが 「夢のカリフォルニア」 に続いて飛ばした大ヒット曲だそうです。 コーラス・グループというところが、ちょっとパチモン臭いですよね。 お中元にはコーラスじゃなくて、カルピスの詰め合わせやろ? そう言いたくなってしまうんですが、で、これまた、いかにもヒット曲らしいベタな仕上がりなのかと思ったら、リチャードソンの吹くアルト・フルートがいい感じに渋かったりして、悪くはなかったです。 ま、テーマ部だけでアドリブも無く、すぐに終わっちゃうので、純正ジャズ・ファンとしてはかなり物足りないかと思うんですけど。
で、次。チコぴょんのオリジナル、 「マニラ」 。 フィリピンの首都なのか、ニラ+マニア=マニラなのかは分かりませんが、ニラ好きのマニ教徒という線も捨て切れませんな。 いや、捨て切って大丈夫かも知れませんが、ラテンなパーカッションをバックにギターがテーマを奏でるテーマ部は、エキゾチックな味と香りのオリエンタル・マースカレーなムードが満載。 途中で2管が入ってきてハモるという編曲もよく練られていて、でもって、ソロ先発はリチャードソンのフルートでありますか。 短いアンサンブル・パートを挟んで、マリアーノの前衛的なアルト・ソロがフィーチャーされたりもして、ジャズ的なスリルという点では、本作で一番の盛り上がりだと評価していいと思いますが、でもって、テーマには戻らずに、おしまい。 続く 「マイ・ロマンス」 はマリアーノのアルトをフィーチャーしたナンバー、最後の 「ステラ・バイ・スターライト」 ではリチャードソンのアルトが前面に押し出されていて、でもって、今日のところは以上です。
【総合評価】
ベタ過ぎる。 こんなのジャズじゃねぇ! そう言いたくなるようなナンバーもいくつかありましたが、バラエティに富んだ内容で、最後まで飽きさせません。 …ということは無くて、正直、最後はちょっと飽きちゃいました。 1曲あたりの演奏時間をもっと長くして=参加者各位のソロ・パートをもっと増やして、全7曲くらいでまとめてくれたら、よりベターだったんですけどね。 でもまあ、チコとザボのオリジナルはどれもよかったし、喪女の歌も楽しかったし、苦しゅうない、近う寄れ、チコ。 そう言いたくなる1枚でありました。