THE FREEDOM RIDER (BLUE NOTE)

ART BLAKEY & J.M. (1961/3/27)

THE FREEDOM RIDER


【パーソネル】

LEE MORGAN (tp) WAYNE SHORTER (ts)
BOBBY TIMMONS (p) JIMMY MERRITT (b) ART BLAKEY (ds)

【収録曲】

(01-03) TELL IT LIKE IT IS / THE FREEDOM RIDER / EL TORO
(04-05) PRETTY LARCENY / BLUE LACE
【解説】 ( 2011年07月03日更新 / 連載 987回 )

 待ち望んでいた “タタメット” が、ようやく届きました。 タタメットというのはアレです。 これ です。 折りたためるへルメット いつでも携帯できるヘルメット それが 「タタメット」 。 2007年12月12日国家検定合格 ヘルメット新世紀がついに始まります。 …って、何だか妙にクールですな。 普通なら

  それが 「タタメット」 ♪ ☆★☆ ヘルメット新世紀がついに始まります ☆★☆

 とか、無駄に色を変えたり、フォントサイズを大きくしたり、余計な記号を付けたりしたくなるところなんですが、あくまでも冷静沈着。 何だか、文案者の熱い思いが Webデザイナーにまったく伝わってない感じがしますな。 あんしん開錠物置 を開発したウチの会社の小椋クンもそうなんですが、こういう画期的な発明をした人って、とにかく語りたがるんですよね。 どんなきっかけで商品のアイデアを思い付いたのかを語る。 商品開発にどれだけ苦労したのかを語る。 苦労のあまり胃カタルになってしまった病歴を語る。 お正月にカタール人とカルタで遊んだ思い出を語る。 スペインのカタルーニャ地方についても語るニャ〜。 仕舞いにはネコ語まで飛び出して収拾がつかなくなっちゃうんですが、えーと、何の話でしたっけ? たためるヘルメットですか。 僕はこのアイデア商品の存在をですね、今から3ヶ月ほど前に知りました。 カーチャンに

 J( 'ー`)し アタラシイ ヘルメット、タノンデー

 …と言われて、ネットであれこれメットを当たったのがきっかけなんですが、家には既に古いヘルメットならあるんですけどね。 僕が小学5年生だった時に家が火事で燃えて、防災意識が急速に高まった頃に買ったヤツなので、かれこれ30年くらい経過している事になりますか。 色が黄色くて見た目がオシャレでない以外は、特に問題のないヘルメットであるように思えるんですが、何が不満なのか、新しいのを頼んでー。 そう言われてしまったワケなんですよね。 必要無いじゃん。 そう思わずにはいられませんでしたが、親に歯向かって、ハムを買って貰えなくなってもアレなので、大人しく注文することにしました。 ただ、普通のヘルメットを買うというのも何だか癪ですよね。 家にあるのとは違ったタイプのヤツを買ってやるぅ! そんな反抗心が芽生えたりもしたんですが、そこで目に付いたのが 「タタメット」 。 たためるヘルメットなら、たためないヘルメットの横においても邪魔にならないから、いいぢゃん♪ ということで、買ってみることにしました。 4月9日に注文した時点で 【4月下旬以降の入荷予定】 との事だったんですが、5月の連休を過ぎても何の音沙汰も無し。 どうなってるねん!? …と不審に思ったんですが、それほど積極的に欲しいモノではなかったので、そのまま静観することにしました。

 それから約1ヵ月後、 こんなニュース が。 おお、タタメットが売れとっと? 東日本大震災直後から注文が殺到して、納品まで4カ月待ちっすかぁ。 このニュースは早速 “2ちゃんねる” でも取り上げられ、というか、僕が先に知ったのはそっちのほうなんですが、自分の注目した商品が “2ちゃん” で取り上げられるって、時代を先取りしたみたいで、何だか誇らしい気分になりますなぁ。 で、ワクテカしながらレスを読み進んだんですが、ねらーの評判は今ひとつ。。。 何というか、 この一言 がすべて? いや、僕も薄々とは感じていたんですが、核心を突かれてしまいましたなぁ。 見た目がちょっとカッコ悪いとか、そういうレベルを遥かに超越してますもんね、これ。 見た目がオシャレでないと馬鹿にしていたウチの黄色い古ヘルメットが、普通にイケてるように思えてきました。 が、タタメットの眼目は “見た目” ではないですからね。 たためる。 ただ、それだけが彼の存在価値であるわけですが、その点に関する評価も決して高いものではありませんでした。 意味なくね? …みたいな。 緊急地震速報の “ピロンピロン♪” が鳴って、強い揺れがくるまでに30秒くらいの猶予があれば何とかなりそうなんですが、10秒くらいだとタタメットの立体化作業に励んでいるうちに、上から物が降ってくるに違いありません。 最初から組み立てておいたほうが無難でしょうな。 となると、たためるというメリットは、まったく意味がなくなっちゃいます。 おまけに、足軽に対するレスが これ ですからね。 こんな辱めを受けてまで、僕は頭部など守りたくないっ!!

 読み進むにつれて、僕のタタメット熱は急速に冷めてしまいました。 こんなことなら普通の防災ヘルメットにしておけばよかった。 親に対して、つまらない反抗心を起こしたばかりに。。。 深い後悔の念に駆られてしまいましたが、唯一の救いと言えば、6月の半ばを過ぎても注文した店からは何も言ってこないことなんですけど。 このまま何の連絡もなく、タタメットは最初から無かったことにして貰えるなら、どんなに嬉しいことか。 残念ですが、今回はご縁が無かったということで。 出来ればそういう方向に話を持って行きたかったんですが、駄目でした。 届いてしまったんですよね、タタメット。ほら。

たたまれたタタメット♪

 届いてしまった以上、少しでもコイツのいいところを見出してやらねばなりません。 決して安くは無かったですからね。 いい買い物をした♪ 無理にでもそう自分に言い聞かせないと、やりきれません。 自分の心に嘘を付いてでも、タタメットを賛美しよう! そんな悲壮な決意を固めた次第でありますが、で、タタメットがどれだけ凄いのかと言うとですね、たためるんですよね、これが。 今回は3個のタタメットを買ったんですが、とてもヘルメットが3個入っているとは思えないコンパクトなサイズの段ボールで送られて来て、ちょっと感動しました。 で、箱から出してみたら、ヘルメットが想像以上に綺麗にたたまれていたので感動を新たにした次第でありますが、もしかしたらこれは、マジで画期的な発明なのかも? が、その思いは立体化した瞬間、脆くも崩れさってしまいました。

組み立てられたタタメット♪

 J( ; 'ー`)し カッコワルイネー

 うーん、確かに。反論できん。。。 ただ、タタメットの名誉の為に言っておくと、たたまれた状態から立体化する際のアクションはですね、思ったよりも簡単でした。 少し力がいるのが難点で、おそらくカーチャンでは無理ではないかと思われますが、そこそこ器用なオッサンなら、大丈夫です。 いや、多分。 左側と右側を順番に 「グッ」 と押し込むと、 「カチッ」 といい感じにロックされて、ちょっと快感♪ で、この手の 「たためるナントカ」 の類というのは一度展開しちゃったが最後、二度と最初のたたまれた状態には戻らないというのが常なんですが、このタタメットは違います。 ちゃんと、たためます。 ロックを解除するのに専用の解除パーツが必要で、そいつをすぐに無くしちゃいそうなのがネックなんですが、無くしさえしなければ大丈夫。 パチン、パチンと、簡単にロックが外れます。 たたまれたタタメットは、ややもすれば膨らもうとしちゃうんですが、それを固定するオレンジ色の部品がなかなか秀逸。 カチっと固定するにはちょっとコツがいるんですが、なかなかよく考えられておりますな。 おそらくタタメット本体よりも、この固定器具を考えるのに、かなりの試行錯誤を重ねたのではないかと思われますが、で、たたむ際に上の写真のようにヘルメットの顎紐の部分を外に出してやると、ちょうど持ち手みたいになって、持ち歩くのに便利。 ハンドバック代わりに、中に小物を入れて持ち運ぶというのもいいかも知れません。 ま、ほとんど何も入らないんですけどね。 たたみいわし1枚くらいがいいところなんですが、いざという時には非常食にもなるので、たたみいわし in タタメットは、ちょっと便利かも?

裏返されたタタメット♪

 で、肝心のヘルメット性能なんですが、思ったよりもしっかりした物でした。 頭頂部には発泡スチロールも配備されていて、けっこう本格的。 サイズも額の部分のグルグルで簡単に調整出来るようになっていて、下手なドカタ用ヘルメットよりも、よっぽどハイテクです。 厚生労働省の保護帽の規格「飛来・落下物用」の型式検定に合格しているので、強度的にも安心出来るものと思われます。 少なくとも 「たたいて・かぶって・ジャンケンポン」 で叩かれたくらいでは命に別状はない。 それくらいの防御力は確保されているのではなかろうかと。 ただ、たたまれた状態ではまず確実に棒で叩かれることになると思うので、あらかじめ立体化しておくという準備作業が必要なんですけど。 つまりこれ、たためるという発想は画期的なんだけど、たたんだままの状態だと、いざという時に役に立たない。 そういう本質的な欠点を内包しているんですが、これがもし防災用でなくて工事用やバイク用のヘルメットであれば、めっちゃ画期的なんですけど。 そういう用途であれば一刻一秒を争ってかぶる必要はないですからね。 で、かぶってない時は邪魔以外の何物でもないので、コンパクトに折りたためるというのは大きな利点となります。 おまけに、たたみいわしだって持ち運べるんだから3時のおやつも安心♪ 問題はこんな糞格好悪いものを被って工事現場に出たり、公道を走ったりする勇者がこの世の中にいるのか? …ということなんですが、少なくとも僕は嫌です。 こんなもん被らされるくらいなら、たたみいわしは諦めます。 元々そんなに好きなものでもないし、悔いはありません。

 被りたくないのは地震の際も同様なんですが、ま、家にいる時にグラグラっときて、自室でかぶっている分には、さほど抵抗はないんですけど。 ただ、かぶったままの状態で外に出る勇気はありません。 大地震が発生した場合、避難所へ移動するという事態も考えられるんですが、恥ずかしいのでタタメットはたたんだ状態で、そっと非常持ち出し袋の中に忍ばせていこうかと。 そういう時には嵩張らなくてとっても便利なんですが、ただ大きな余震が発生して上からモノが落ちてきた場合には何の役にも立ちません。 自分の心に嘘を付いてでも、タタメットを賛美しよう! そう心に決めた以上、このどうにもならない見た目さえも、何とか前向きに評価しなければならないんですが、これ、ヘルメットだと思うから不恰好に見えちゃうんですよね。 メットじゃないから恥ずかしくないもん! そういう発想の転換が必要なのかも知れません。

 お手軽足軽〜! これさえ被れば、誰でも簡単に足軽になれるんだぁ♪ そういう、ドラえもんの秘密道具みたいなものだと思えば公道だって堂々と歩けるかも? そういう気がしないでもないんですが、実際にこれを被って町を歩いていたら、近所のガキに指をさされて笑われて、馬鹿にされて落ち込んで、足取りの重い足軽になっちゃうんでしょうなぁ。。。

 ということで、今日はアート・ブレイキーなんですが、それはそうと、実際にあったんですな、 お手軽足軽セット 。 “組立て式 足軽笠” って、タタメットに強力なライバル出現! 残念ながら既に販売中止になっているようですが、タタメットも色を黒くして家紋シールでも貼ってやれば、更に足軽っぽく変身出来るかも知れませんな。 ま、目指す方向が間違っているような気もするんですが、それはそうとアート・ブレイキー。 この人の場合、ジャズ・メッセンジャーズのアルバムが腐るほどあるので、ネタに困る心配はないんですが、そんな中、今日は 『ザ・フリーダム・ライダー』 という1枚を取り上げてみたいと思います。 『ザ・自由乗り手』 。 何だかこう、タタメットを被ってバイクで疾走してくれそうな期待感がありますよね。 ま、近所のガキに指をさされて馬鹿にされて、そのままバイクで失踪しちゃうかも知れませんけど。 で、J.M.というコンボの場合、ブレイキー以外は時代によってメンバーが大きく変わってくるので、そこのところが重要だったりするんですが、本作はフロントがリー・モーガンウエイン・ショーターで、ピアノがボビー・ティモンズ。ベースは地味なところだけがメリットなジミー・メリット。 ファンキー路線からモード路線への過渡期で、カトキチの冷凍うどん好きにはよくても、一般的にはやや中途半端な印象を持たれるかもしれません。 でも、いいんだ。 僕は好きだし、カトキチ。

 ということで、まずは1曲目。 ショーターのオリジナル、 「テル・イット・ライク・イット・イズ」 。 これがですね、悪くないです。 悪くはないんだけど、そんなによくもない。 そんな感じの出来だったりするんですが、何と言うか、とりとめのないファンキー・チューン。 そういった作風でありますな。 短めのテーマが2管のユニゾンで演奏された後、モーガンのソロが登場するんですが、これは普通にいいと思います。 続くショーターのソロも普通にいいです。 続いて登場するボビー・ティモンズは、鋭いドライヴ感をたたえたモーガンのソロや、強烈な集中力を感じさせるショーターのソロとはうって変わって陽気にはしゃぎ回りながらも、2人に負けず劣らず躍動感にあふれたソロを披露してくれる。 …と、ナット・ヘンホフが原文ライナー (訳:林田ひめじ) に書いているんですが、そんなに陽気にはしゃぎ回っているようには思えませんな。 無駄にブロック・コードで盛り上げたりする場面もないしー。 ま、躍動感にあふれれいるのは確かにその通りでありまして、動き回るヤク (←ウシ科の哺乳類) くらいは躍動していると思うんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 曲そのものの出来は、決して一般ウケするものではなかったようにも思えるんですが、演奏そのものは完璧でした。

 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「ザ・フリーダム・ライダー」 。 いいですよね、自由なライダー。 房総半島とかを暴走するんでしょうな。 気分爽快でしょうな。 一方、僕はというと、そのうちに熱暴走しちゃいそうなパソコンで何の得にもならないレビューを書かされれていて、気分は不快です。室温は朝10時の段階で 33℃を超えましたな。 おかげさまで今年の桑名も順調にヒートアップしておりまして、先週の水曜日の最高気温は 37.5℃で、全国3位。 翌日は少し下がって 37.3℃だったんですが、ランキング的には全国1位っ! ま、僕はガンガンにエアコンの効いた岐阜市内の事務所でぼーっとしていたので、直接関係は無かったんですが、暇なのでずっと順位をチェックしていました。 先行逃げ切り型とか、最初だけ調子よくて途中で伸び悩むヤツとか、最後の直線で差し切られたりとか、色んなタイプの観測地点があって、けっこう楽しいんですよね。 で、この日は中盤で桑名クンが先頭に立って、そのまま逃げ切りそうな勢いだったんですが、最後の最後に揖斐川 39.2℃というのが出てきて、抜かれてしまって、ポカーン。 後から分かったんですが、どうやらアメダスの2m横で舗装工事をしていて、その熱を拾っちゃったらしいんですよね。 審議の結果、揖斐川クンは失格 (記録無し) ということになって、何とか1位を確保することが出来たんですが、上位の選手がドーピングで失格になって金メダルが転がり込んだ室伏クンのような気分でありましたな。

 とまあそれはそうと 「ザ・フリーダム・ライダー」 なんですが、これ、原文ライナーを見るとちっとも気分爽快な話ではなかったんですな。 1961年春、バス・ターミナルのレストランで人種によってカウンターを分けるという人種差別は、違法である。そういう最高裁判決が出されたそうです。 で、その判決が実際に効力を持っているかどうかを試そうと、人種平等会議というところが黒人と白人が一緒になって南部を縦断する “フリーダム・ライド” という運動を始めたと。 5月4日に 13人の “フリーダム・ライダー” ( 7人の黒人と 6人の白人) が2台のバスに乗って、ニューオーリンズへ向けて出発したと。 が、内1台は暴徒の投げた焼夷弾で焼き討ちされて、もう1台は何とかバーミンガムまでたどり着いたが、乗客はひどい暴行を受けてしまったと。 ちなみにブレイキーがこの曲を吹き込んだのは同年の 5月21日でありますな。 いわば、マックス・ローチの 『ウイ・インシスト』 のブレイキー版? 怒りに震える気持ちは痛いほど分かるんですが、音楽の世界に 「政治」 を持ち込まれると聞いているほうとしては、正直つまらん。 そう感じでしまう僕の汚れた心をどうかお許し下さい。 ま、ブレイキーの場合、1曲だけに留めてくれたので、まだ救いはあるんですが、ちなみにこれはですね、 7分28秒に及ぶ壮大なドラムの無伴奏ソロだったりします。 ブレイキーの熱い思いはよく理解できるんですが、クソ暑い夏の自室にこもって聞きたいような代物ではありませんな。。。

 ということで、3曲目。 ウェイン・ショーターの 「エル・トロ」 。 これはいいです。 トロ好きの人もエルちゃん好きの人も、そのどちらをも納得させる会心の一作です。 エルちゃんというのはアレです。 The かぼちゃワイン。 今の季節、ちょっと暑苦しいキャラではあるんですが、で、この 「エル・トロ」 はですね、情熱のラテン・フレーバーが日本人の情熱を激しく揺さぶってくれて、秀逸です。 トロくはなくて、むしろスピーディーなテンポ設定だったりするんですが、テーマの後、ショーター → モーガン → ティモンズの順で、各自の良好なソロが展開されております。管楽器2人と熱さと、クールなピアノのとコントラストがいいですな。 で、最後はテナーとトランペットの8バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、ほとんど書くことはありませんでしたが、よかったっす。

 で、次。 かつてのリー・モーガンはスマートで、おしゃれで、自信に満ち、人をからかうような雰囲気を備えていた。 「プリティ・ラーセニー」 は、そんな彼を彷彿させる作品だ。 …と、原文ライナーにヘンホフくんが書いておりますが、じゃ、何すか? 今のモーガンはデブで、ダサくて、自信喪失してるとでも言うんすか? ちなみにこれ、録音されたのは 1961年なんですが、発売されたのは 63年らしいんすよね。 2年ですっかりオッサン化しちゃったとか? ま、夏休みが終わったら急にケバくなっていた女子生徒とかの例もあるので、決して珍しい話しではないんですけど。 身を持ち崩すのなんて、あっという間ですからね。 人間なんて、タラよりも身が崩れやすい生き物なのかも知れません。 タラちゃんの将来がちょっと心配なんですが、子供の頃はタラだったのに、中学に入ったらグレた。 タラ (タラ科) から、グレ (メジナ科) へ。 科を超えた成長だって、あり得るかもー? とまあそれはそうと 「プリティ・ラーセニー」 なんですが、これはアレです。 「可愛い窃盗罪」 です。 どういう意味なのかと思って調べたら、意外な答えが出たのでちょっとビビったんですが、アレですかね? 可愛いパンツを盗んじゃうとか? その気持ち、分からんでもないですよね。 いや、パンツを盗むという行為はまったく理解不能なんですが、どうせ盗むなら可愛くないパンツよりも、可愛いパンツ。 その気持ちは理解できます。 「盗人にも三分の理」 という言葉もありますしね。 いや、あまり関係は無いんですけど。 で、曲のほうはアレです。 ヒップなファンク。 そんな感じだったりするんですが、で、ソロ先発はモーガンです。 勢いよくソロに突入し、たちまち 「言いたいことを言ってのける才能」 がどうのこうのと、ヘンホフくんが難しいことを書いておりますが、もっと分かりやすく言えば 「モーニン」 っぽい感じ。 それですべてでしょう。 続くショーターはこの手のファンキー・チューンを吹かせても、一筋縄ではいかない長縄クン。 そういった感じのソロだったりするんですが、ちなみに僕の敬愛する長縄クンはですね、入院しちゃいました。 脾臓がどうのこうのと言ってましたな。 秘蔵ビデオを見過ぎ? 残念ながら、いや、幸いにも近日中に退院するみたいですが、出来ることならあと1年くらい静養して頂けると嬉しいかな?…と。 で、続くティモンズのソロはちょっぴり 「モーニン」 っぽかったりするんですが、ま、浪人っぽいよりは遥かにマシだと思うし、でもって、ジミー・メリットの地味なベース・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 モーガンのオリジナル、 「ブルー・レース」 。 「青いレースのパンツ (すけすけ) 」 ですか。 いや、パンツとか、すけすけとか、そんな英単語はどこにも見られないんですが、すいません。 僕の願望が入ってしまいました。 個人的には 「透けない白いパンツ」 のほうが好きなんですが、レースで作ってしまった以上は、透けて欲しい。そういう気持ちはよく分かります。 試しに 「青いレース パンツ」 で検索したら こんなの が出てきて、ちゃうやろ!…と思わずにはいられませんでしたが、で、これはアレです。 ホーン・セクションが入った曲としてはやや複雑なメロディ・ラインをもつこの作品でも、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのあらゆるラインアップに共通する 「若さと情熱」 という特徴にふさわしい、表情豊かで何物にも束縛されないソロが次々に展開させる。 そう原文ライナーに書かれているような演奏が展開されております。 流れるような曲調で、それほど複雑とは思えなかったりするんですが、テーマの後、すぐにティモンズのソロが出てくるところが何だかクールで格好いいですな。 ブレイキーのバッキングも切れ味抜群。 以下、モーガン → ショーターと続くソロは表情豊かで、何物にも束縛されないところが素晴らしいっすよね。 緊縛プレイとか、何か楽しいんだか、まったく理解不能だしー。 とまあそんなことで、テーマに戻って、今日は以上です。

【総合評価】

 政治に走って自分ひとりでタイコを叩いてしまったのは汚点でしたが、それ以外は完璧でしたな。 実質4曲入りみたいなもので、これくらいだと最後まで飽きなくて済むので、大丈夫。 1曲あたりの密度が濃いので、物足りないということもなくて、適性です。 ファンキー・ジャズの熱狂とモード・ジャズの知性とがいい感じに融合した、ユーゴ人好みの作品でありました。


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