INNER CRY BLUES (LUNAR MODULE)

GRACHAN MONCUR V (2007/2/7)

INNER CRY BLUES


【パーソネル】

ERIK JEKABSON (tp) GRACHAN MONCUR V (tb,vo) MITCH MARCUS (ts)
BEN ADAMS (vib) LUKAS VESELY (b) SAMEER GUPTA (ds)
【収録曲】

(01-03) G TRAIN / INNER CRY BLUES / HILDA
(04-06) A FOR POPS / BLUE RONDO / SONNY'S BACK! 〜 CLIFFORD BROWNING
【解説】 ( 2011年05月15日更新 / 連載 980回 )

 こんぴら船々 追い手に帆かけて シュラシュシュシュ 茶壺に追われてとっぴんしゃん 抜けたらどんどこしょ 俵のねずみが米食ってチュウ チュウチュウチュチュ 夏のお嬢さん〜 ビキニがとっても似合うよ〜♪ ということで、行ってきました、 金刀比羅宮 。 前回 、丸亀城の急な坂道を下っていて、膝がカクンとなったところまで話が進んでいたと思うんですが、丸亀から琴平までは道路の渋滞と琴平での駐車場探しの手間を避ける為、JRで行くことにしました。


< 金刀比羅宮 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、到着しました。 四谷と言えば怪談、ヤルタと言えば会談、十念寺と言えば戒壇なんですが、金毘羅さんと言えば階段。 あ、十念寺というのはアレです。 これ です。 “かいだん巡り” って、階段を巡る企画じゃなかったんだ! …という事に気付いたのは、かなり大人になってからなんですが、金毘羅さんの参詣というのは、まさに “階段巡り” といった感じの企画でありますな。 本宮までで785段、その先の厳魂(いづたま)神社というところまで行こうとすると、1368段もあるんですか。 いづたま神社まで行けば、かきたま汁が食べ放題♪ …みたいな特典があれば、ちょっと頑張ろうかという気にもなるんですが、本宮よりも地味な神社があるだけなら、わざわざ無理をすることもありませんな。 ただでさえ膝がカクンとなって、785段も危ういんですよね。 ま、膝がイカくん (←イカの燻製) になったわけではないので、無理すれば何とかなると思うんですが、ということで (写真・いちばん上) 。 琴平の駅の近くにある “高灯篭” 。 これはアレです。高いです。 27.6mもあるそうです。 1865年に完成したんだそうで、歴史もあります。立派です。 で、しばらく歩くと地方の商店街っぽいところに出ました。 骨付鳥の店も3件ほどありました。 パチモン臭いテイクアウトの店と、わりとまともそうな田中屋と、うどんがメインで骨付鳥はオマケっぽい店。 この面子なら断然、田中クンがよさそうなんですが、とりあえず今は先に進むとして、で、しばらくすると参道の入り口っぽいところに到着しました。 ここからはただひたすら、階段を上ることになるわけですな。 さ、頑張りましょう。

 しばらくは両側に土産物屋が立ち並ぶ俗っぽいエリアが続いて、そしてようやく (写真・上から2番目) の “大門” に到着。 ここまで 365段ですか。 この数字には 「人生はワンツーパンチ」 という教訓的な水前寺清子が込められているのではないかと思うんですが、で、この門を潜った先は 五人百姓 という五人のオバサン以外は商売を認められていないので、俄然、厳かなムードが高まってきます。 五人オバサンが販売している “加美代飴” は、プチ金槌で割って食べる飴ということで、 松魚つぶ の代替品としての活躍が期待されたんですが、試食してみたらただ甘いだけのベッコアメだし、形が鰹節なわけでもないし、同じ飴ばかりを5人がかりで売る価値は見出せませんでした。 “加美代飴” は1人だけにして、残りの4人は “加美乃素” にしたほうがいいんじゃないっすかね? それが嫌なら “紙おむつ” でもいいんですが、で、更に階段を昇っていくと、やがて (写真・ちょうど真ん中) の “旭社” に到着します。 これはアレです。立派です。 あまりに立派なので清水次郎長の代わりにお参りした森の石松は、これが本宮だと勘違いしてここで引き返しちゃったんだそうです。 代参のお駄賃は “かし久の石松鍋” という約束だったんですが、本宮にお参りしてない事に気付いた次郎長親分は立腹して、森の石松に石松鍋の掻き揚げを与えずに、素うどんにしちゃったそうで。 自業自得とは言え、不憫な話ですなぁ。 ま、個人的にはあの掻き揚げの桜海老の殻があまり好きではないので、ぜんぜん悔しくはないんですけどー。 むしろ、掻き揚げを抜いて貰ったら思わずガッツポーズが出て、ガッツ石松鍋になったりするんですが、で、小林旭を祀った旭社を過ぎて、最後の嫌がらせのような急な階段を昇れば、御本宮はもうすぐです。

 ということで、到着しました。 本宮には本宮ひろ志が祀られているものだとばかり思っていたんですが、違いました。 では、誰が祀られているのかと思ったら、大物主神(おおものぬしのかみ)と祟徳天皇。 神様のほうはわりと大物ですな。 が、天皇のほうは小物臭が漂っております。 桑名には天武天皇社という、日本で唯一、天武天皇を主神としてお祀りしているチンケな神社があるんですが、天武クンの知名度に比べれば、祟徳なんて雑魚キャラですよね。 どんな天皇なのかと思ったら、日本史上最強の怨霊なんだそうで。 言われてみれば確かに、いかにも祟りそうな名前ですよね、祟徳。 どうして祟るようになったのかと言うと、保元の乱に敗れて、讃岐に流されて、以下略。 ま、詳しいことは来年の大河ドラマ 「平清盛」 を参照してください。 ARATA が崇徳クンを演じるようです。そんな胡散臭いヤツで大丈夫なんですかね? まだキャンドル・ジュンのほうがマシなような気がするんですが、で、本宮の近くには展望台がありました。 が、黄砂の影響か、あまり眺めはよくなかったので、写真は省略。 その代わりと言ってはなんですが、 三菱エンジンの額 を掲載しておきます。 海の神様なので、船関連のグッズがいろいろ奉納されているんですよね。 で、これは、おおっ! “S6R2−MTK3” やん♪ 相模原製作所の “S” 、6気筒のR2型、舶用(マリン)の “M” 、ターボ付きの “P” 、インタークーラーの “K” やん♪ …と、どうでもいい職業知識を遺憾なく発揮することが出来て、思わずこのエンジンのオイルフィルターと燃料フィルターを注文したくなっちゃいます。 どんな時でも仕事のことを忘れない超マジメ人間ですからね、僕。 お仲間の “S6R−PTA” というエンジンが 足を出した のも、今となってはいい思い出です。 あ、エンジンが壊れた原因はタタリでありましたか。 真ん中あたりにそんな結論が書かれておりましたが、あ、ひなのちゃん、宇能鴻一郎センセイと川上ソークン先生を取り違えておりますな。 僕にとって 「ひなのネタ」 は黒歴史なので、自分でもあまり読み返したくはなかったりするんですが、他に崇徳クンに貢がれた船グッズとしては、馬鹿でかい船のプロペラとか、堀江謙一クンの モルツマーメイド号 とか。 こんな山の上まで船の実物を運び込むのって、けっこう大変だと思うんですが、 「船頭多くして船、山に登る」 という諺もありますからね。 船頭さえ多く雇えば、意外と簡単なのかも知れません。 堀江貴文、堀江淳 ( ← 「メモリーグラス」 を歌ったオカマ歌手 ) と並ぶ “世界3大堀江” の一人なので、船頭を雇うくらい、楽勝だったんでしょう。 で、後は意図がまったくよく分からない 象の像 なんかもあったりしました。

 ということで、金毘羅さんは以上です。 散策の足跡は こちら (↓)。

   “金刀比羅宮散策” の軌跡  ( ← Click Here!! )

 で、断面グラフは こちら(↓)。

金刀比羅宮散策断面図

 JR琴平駅から往復4キロ、所要時間はきっかり2時間。 宝物殿で宝物を愛でたり、臓物殿でミノやハツやセンマイやコブクロを食う時間を含めると、その倍は見ておいたほうがいいでしょう。 お土産には 「幸福の黄色いお守り」 がオススメ。 こんな黄色いの、他の神社では買えません。 (←多分。) ウコンで染めてあるんですな。 ウコンにどのような効能があるのか定かではありませんが、少なくともウンコで染めるよりはよさそうな気がします。 運気は上がりそうですけどね、ウンコ染めのお守り。 ウコンのほうは二日酔い解消には効果がありそうですが、で、骨付鳥なんですが、琴平の田中クンちで食べるのは、やっぱりやめにしました。 どうせならやっぱり、元祖で本家の 一鶴 で食べてみたいですよね。 ここまで来て田中屋というのは、伊勢のお土産に赤福ではなく、御福餅を買って帰るようなものです。 ま、恐らく、どちらも似たような味だと思うし、場合によってはパチモン扱いされている御福餅のほうが美味しかったりするのかも知れませんが、赤福じゃないと世間が許してくれません。 で、御福餅ならまだしも、一鶴=白い恋人、田中屋=赤い恋人だったりしたら? 博多のお土産にあるらしいんですよね、赤い恋人。 めんたい味のコンニャクらしいんですけど。 ま、さすがに田中屋のが骨付のコンニャクである可能性はゼロに等しいと思うんですが、朝からうどんを2杯食って、まだそんなに腹も減ってないし、とまあそんなことで、JRで丸亀まで戻ることにしました。 で、駅の近くにある “一鶴” の丸亀本店に行ってみました。 何だかお洒落な店構えで高級感も漂っていて、一人ではちょっと入りにくい雰囲気がありますな。 ま、今回は大橋渡クン (仮名) と一緒に瀬戸大橋を渡ってきたので大丈夫なんですが、中に入ってしまえば壁際で孤独感を味わえるカウンター席が用意されているので、お一人様でもぜんぜん大丈夫でした。

 今回、骨付鳥を食うに当たって心を悩ませた事があります。 “おや” にするか “ひな” にするか、それが問題です。 歯ごたえのあるおやどりは噛み締めるたびに肉汁の旨味が口の中に広がります。 やわらかくてジューシーなひなどりは食べやすいのでお子様からお年寄りまで誰からも好まれます。 そういう違いがあるようなんですが、何だか “ひな” を頼むのって、自分がお子様かお年寄りであるのを公言しているみたいですよね。素人くさいというか、何と言うか。 無論、お子様からお年寄りまでなので、その中間に位置する青少年や中高年でもぜんぜん大丈夫だと思うんですが、骨付鳥の玄人は “おや” を頼むのが暗黙の了解になっているんだとか。 でも、硬い鶏肉って、あまり好きではないんですよね。 名古屋コーチンみたいな高級地鶏も、硬いだけでちっとも美味しいとは思えません。 心情的には断然 “ひな” なんですが、プライドがそれを許さないんですよね。 かといって、通ぶって “おや” を頼んで、硬いやないけ!…ということになっても嫌だし、ここはまあ、おや×1、ひな×1というのが無難なところでしょうな。 大橋渡クン (仮名) はド素人なお年寄りなので、ひなを頼んでもまったく恥ずかしくはないわけです。 実際のところ、渡クンは “おや” を拒絶してくれやがったんですが、となると、ひな×2っすかぁ。。。。 せめて注文の際に迷いを見せないことで、玄人らしさを演出するしかないんですが、僕は事前に骨付鳥の実態と一鶴のメニューについて、完璧に研究し尽くしておいたので、その点は大丈夫。 骨付鳥はかなりスパイシーなので、ビールは必須。 ただ、車の運転があるのでアルコールは厳禁。 そこでサッポロプレミアムアルコールフリーを注文。 骨付鳥は焼きあがるまでに時間が掛かるので、サイドメニューを頼んで無聊を慰めるのが吉。 ということで “かわ酢” というのを注文。 骨付鳥は皿にたっぷり油が溜まるので、それにキャベツやおにぎりを浸して食うのが通。 ということで “おにぎり” も頼んでみました。 キャベツは頼まなくても勝手に付いてきます。 ということで、待つことしばし。 まずはサッポロプレミアムが届けられ、しばらくして “おにぎり” と かわ酢 が到着しました。 鶏の皮を素揚げにして、酢の物にしたって感じ? 正直、どちらかというと珍味の類で、それほど美味ではないような気もしたんですが、これはあくまでも味に期待したのではなく、本命の骨付鳥が焼き上がるまでの時間潰しグッズですからね。僕の注文は間違っていないし、無論、反省もしません。 端で突付いているだけで楽しいんや! 何か文句あるか!?

 そしていよいよ、メインディッシュが登場。 これ です。 “ひな” は “おや” に比べると値段も安いし、もしかして “ひな” だから大きさも小さい? …という事態を懸念していたんですが、なんのなんの。 “おや” と比較したわけではないんですが、ボリューム満点♪ で、早速、一口齧ってみると、アチっ!! 口の中を火傷して、皮がペロンと捲れて、その後、1日半ほど苦しむ事態になってしまったんですが、おおー、美味いっ♪ 味付けはというと、確かにかなりスパイシーです。 というか、ちょっと辛過ぎ。 が、皮がパリパリで、美味ちい♪ めっちゃ美味しい♪ かなり高温で焼いているようで、この皮のパリパリ感が普通の鶏のモモ焼きとの差別化のポイントだと思うんですが、パリパリし過ぎて皮が身から剥がれてしまって、むき出しの肉が残ります。 ま、肉は肉でジューシーで美味しいんですが、出来れば皮と肉はセットで食べたいところなんですけどね。 皮が剥がれちゃうのと、自分の口の中の皮も剥がれちゃうのが欠点なんですが、で、肉や皮と同じくらい楽しみだった油。 これは正直、ちょっと期待ハズレでありました。 ただの油なんですよね、これ。 おにぎりに吸わせてもキャベツを浸しても、基本、油の味しかしません。 シーチキンの缶詰の残留サラダ油。 ほとんどアレです。 僕はあの油にウスターソースを混ぜて舐めるのが好きなんですが、テーブルの上にソースは置いてないし、せめて油にも少しスパイスが効いていたらいいんですけどね。 結果、おにぎりも不要だったかな?…という気がしないでもないんですが、そんなの食ってみなければ分からないので、僕の注文は間違っていないし、無論、反省もしません。

 家に帰って調べてみたら、琴平の田中屋の骨付鳥は一鶴に比べるとスパイスが控えめみたいですな。 メニューには骨付鳥の他にフライとかもあるようなので、 もしかしたらテーブルの上にウスターソースが置いてあったかも知れないし、手頃な焼かれ具合で、僕の口の中の皮も剥がれなかったかも? でも、田中屋に行ってたら、絶対に後悔してたと思うんですよね。 味が薄かったし、熱々じゃなかったし、残った油にウスターソースを混ぜて舐めるのって、めっちゃ貧乏臭いやん! …みたいな。 ま、一鶴も一回行っておけばそれで気が済んだし、またいつの日か讃岐を訪れる機会があるとすれば、今度は田中クンちにしてみるか、あるいは “おや” にチャレンジするか。 いずれにしろ、 “かわ酢” は買わずにおこうと思います。 とまあそんなことで、この続きはまた来週。

 ということで、今日はグラチャン・モンカー3世なんですが、まず最初に謝っておきます。今日の後半はですね、書くことがありません。ネタ用に 『インナー・クライ・ブルース』 というアルバムを買ってみたんですが、聞いてみた結果、ハズしたな。そういう結論に達しました。 が、取り下げる気はありません。ジャケ絵でラクをする為なら、演奏があまり面白くない事くらい、余裕で耐えてみせるぜ! そういう心意気で頑張りたいと思うんですが、これ、2007年の録音だったんですな。ネット通販で見つけた時、まさかそんな新しいヤツだとは気付かずに、見た目だけで注文しちゃいました。不覚でした。深く反省は…していませんが、そんな最近まで生き延びていたんですが、グラモン3世。 あ、でも、ジャケットに “Dedication Album Vol.1” と書いてあるところを見ると、これを吹き込んだ直後にお亡くなりになったとか? …と思ったら、どうやら他のジャズ・ミュージシャンに奉納された物のようですが、とまあそんなことで、まずは1曲目。  「ジー・トレイン」 。 カッコして (for Duke Ellington) と書かれているので、エリントンに捧げられた作品ということになるんですが、となるとタイトルは 「A列車で行こう」 のもじりでありますな。 で、これがですね、すごく出来がいいです。 トランペット、トロンボーン、テナーの3管で、ピアノ抜きのヴァイブ入りという編成なんですが、新主流派でモーダルなムードが、そこかしこに漂いまくっております。 録音年は無駄に新しいんだけど、ぜんぜん問題ないぢゃん♪ 意外な展開に小躍りしたくなった程なんですが、テーマ・メロディはキャッチーだし、グラモン3世のソロにアンサンブルが絡むアレンジもお洒落だし、ま、さすがに途中で合奏の人たちがクドくなってきちゃうんですが、空気を読んで途中で裏に引っ込んでくれるし、で、続いてミッチ・マーカスという人のテナーがみっちりフィーチャーされます。 決して分かりやすい吹きっぷりではないんですが、ちょっぴりエリック・ドルフィーのバスクラを彷彿させるものがあったりして、何とか耐えられる範囲内。 続くエリック・ジェカブソンのトランペットは 「ジェンカ」 を踊る与謝野蕪村みたいだし、で、最後を飾るベン・アダムスのヴァイブ・ソロは、特にネタは何も思い浮かばなかったんですが、出来そのものは悪くなくて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 何事に関しても超保守的な僕なんですが、これなら十分に “当たり” なんじゃないか? そのように評価していいのではないかと思われます。

 …と思ったのも束の間、掛け軸やら壷やらが飾ってあるのは床の間、続くタイトル曲の 「インナー・クライ・ブルース」 で、僕の気分は泥沼。 なんスか、この斬新な前衛サウンドは? そういえば昔から、こういう小難しいヤツでしたよね、グラチャン・モンカーって。 今更ながら、それを知らされた思いでありますが、年をとって性格が丸くなったとか、そういう話とも無縁だったようです。 先鋭的なんだけど、陰気臭い。 そういった世界が延々と、10分20秒ほど繰り広げられております。 やめて欲しいです。 やめて八女茶を飲ませて欲しいです。 演奏のほうは概ね、重厚なアンサンブルをバックに各自のソロがフィーチャーされるという形なんですが、時おり集団即興演奏っぽくなったり、アルバート・アイラーっぽいプリミティブな童謡風のメロディが出てきたり、とにかくまあ、いろいろ。 何をやってくれても、押しなべて面白くないところがツライです。やめて欲しいです。八女茶のお供に大阪名物の 「面白い恋人」 を食べさせて欲しいです。 普通のゴーフルみたいなんですが、少なくともコンニャクよりはいいですよね。 とまあそんなことで、おしまい。 で、3曲目。  「ヒルダ」 。 これはアレです。 「アサダ」 「ヒルダ」 「ヨルダ」 の “一日三部作” の真ん中ではないかと思うんですが、もしくは 「ヒルダ」 「ミミズダ」 「ゴカイダ」 の “環形動物三部作” の一部だったりするとか。 で、曲の出来はですね、悪くはないです。 新主流派風のモーダル・サウンドが戻って来てます。 で、グラちゃんがですね、ヴォーカルを披露してくれております。 決して旨いとは思わないんですが、朗読のようなものだと思っておけば、ぜんぜん大丈夫。 で、アドリブ・パートでは普通にトロンボーンを吹いてくれてます。 テナーやトランペットやヴァイブの人も出てきます。 余計なバック・アンサンブルとかも無いし、普通にオーソドックスで、安心な仕上がり。 1曲目だけのアルバムかと思ったら、3曲目も大丈夫でした。 ちょっぴり見直しました。

 で、次。  「ア・フォー・ポップス」 。 カッコ書きが復活して (for Louis Armstrong) となっております。 が、ちっともサッチモっぽくはなくて、どっちかというと、恥毛。 そんな感じだったりします。 いや、ちっとも恥ずかしい毛なんかではなくて、ミンガスあたりがやってくれそうな集団即興演奏風で、むしろ何だかカッコよかったりします。 というか、間違ってますね、僕。 2曲目の後半、何だかアルバート・アイラーっぽいプリミティブな童謡風のメロディが出てきたな。 …と思っていたのが、実は 「ヒルダ」 の始まりで、グラちゃんの歌が出てくるのが4曲目の 「ア・フォー・ポップス」 だったみたいです。 なるほど。あれなら確かにそれなりにサッチモっぽかったですよね。 で、ミンガスあたりがやってくれそうな集団即興演奏風なのが5曲目の 「ブルー・ロンド」 。 これはアレです。マクリーンの曲です。 カッコ書きのほうも (for Jackie McLean) となってます。 しばらくテーマ・メロディが出てこないのでちょっと分かりにくいんですが、言われてみれば確かに 「青ロンド」 ですな。 オリジナルの 『ワン・ステップ・ビヨンド』 にはグラちゃんも参加していたので、ここで取り上げたのは当然のなりゆきであると言えましょう。ピアノレスのヴァイブ入りという楽器編成も似ているしー。 グラちゃんのソロそのものは正直、やや退屈な感じがしたりもするんですが、続くテナーはそれなりに変だし、ヴァイブの人もなんとなく地味だし、これで 11分23秒というのは、精神修行には悪くない選択だと思います。

 ということで、ラスト。 ソニー・ロリンズに捧げられた 「ソニーズ・バック」 。 (T) が 「ソニーズ・バック」で、 (U) が 「クリフォード・ブラウニング」 という2つのパートに分かれているようですが、とりあえずグラモン3世の歌が出てきたりします。 つぶやき調で、あまりノリのよろしくない歌唱っぷりだったりするんですが、そこに適度にテナーが絡んできて、ま、それなりに盛り上がっていると評価出来ない事もないという気がしないでもありません。 歌が消えた以降のテナー・ソロは、まずまず健闘していると思います。 で、以下、トロンボーンとトランペットのソロがあって、ヴァイブのソロが出てきて、ベースのソロもフィーチャーされて、でもって、歌が出てきて、おしまい。 どの辺りが2部構成だったのか今ひとつよく分からなかったんですが、ということで、今日は以上です。

【総合評価】

 2曲目あたりの印象が悪過ぎて、ハズレの予感が漂いまくっていたんですが、改めて聞き直してみると、決してスカというわけではありませんでした。 骨付鳥を食ってレジで料金を払ったらスクラッチカードを1枚くれて、10円玉で削ってみたら、「かわ酢」 無料券 (ただし 1,000円以上お食事をされた場合に限る) が当たったぜ! …みたいな。 ま、何も当たらないよりはマシだと思って、自分を慰めるしかありません。


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