SLIDING EASY (UNITED ARTISTS)

CURTIS FULLER (1959/3/9)

SLIDING EASY


【パーソネル】

LEE MORGAN (tp) CURTIS FULLER (tb) HANK MOBLEY (ts)
TOMMY FLANAGAN (p) PAUL CHAMBERS (b) ELVIN JONES (ds)
【収録曲】

(01-03) BIT OF HEAVEN / DOWN HOME / I WONDER WHERE OUR LOVE HAS GONE
(04-06) BONGO BOP / WHEN LIGHTS ARE LOW / C.T.A

【解説】 ( 2011年05月01日更新 / 連載 978回 )

 麺類。 人類にとって非常に身近な存在です。 いざという時に役に立つのは麺類だと思います。 遠くの親類よりも近くの麺類。 そんな諺もあったりします。 確かに 「遠くの親類」 って、何の役にも立たないんですよね。 お中元に素麺とか冷麦とかを贈ってきたりして、ありがた迷惑なだけなんですよね。 麺類はやめて、カルピスとかフルーツゼリーとか桃の缶詰とか、もっと人類の役に立つものを贈ってこいって! カーチャンは麺類を貰って喜んでいるんだけど、子供にとっては嬉しくも何とも無いんですよね、あれ。 海苔や干し椎茸と並ぶ “はずれギフト” の代表みたいなものなんですが、宅急便のオッサンから荷物を受け取った際、そのあまりの軽さに眩暈を覚えてしまったりするんですが、でもアレですよね。舌きり雀の 「つづら」 の例もありますからね。 よい婆さんが選んだ 「小さなつづら」 には宝物がいっぱい。 一方、悪い婆さんが選んだ 「大きなつづら」 には化け物やらゴミやらウンコやらが、うじゃうじゃ。 ということはつまり、軽いお中元だからと言ってハズレだとは限らなくって、むしろ大当たりである可能性が大きかったりするとか? ワクワクしながら包み紙を開いてみると・・・、 「ケンミンの焼ビーフン3袋パック+焼ビーフンもっちり平めん付」 かいっ!! ま、 「小さなつづら」 が当たりである可能性が高いのは間違いないんですが、 「重いお中元」 と 「軽いお中元」 に関しては、何も論じられていませんからね。 むしろ、カンピョウとか切干大根とか麩とか、一概に軽いほうが駄目なような気がするんですが、かといって 「重いお中元」 を貰って喜んでいたら、サラダ油セットだったりすることもあるわけで、開けてみるまで中に何が入っているのか分からない。そういう 「福袋」 にも似たスリルを味わうものなんでしょうな、ありゃ。

 大人になって貰って嬉しいのは、何といっても牛肉でありますな。 今まで生きてきて、そんなものを貰ったことは一度も無いんですが、もし貰ったりすれば、めっちゃ嬉しいに違いありません。 仕事関係の取引先のエンジン屋のオッサンから、よくビールを貰ったりするんですが、僕は家でほとんどビールを飲まないので、正直、それほど嬉しくはありません。 ビーフ>>>>ビール>>>>(超えられない壁)>>>>ビーフン。 僕の “貰って嬉しいランキング” は、そういう序列になるわけですが、よく考えたら焼肉の時にはビールを飲んだりするので、それはそれで普通に嬉しいものですよね。 いつもありがとう、エンジン屋のオッサン♪ で、ビーフンはビーフンで、アレはアレでソレだったりするし、いや、一度も食べたことが無いんですけどね、ケンミンの焼きビーフン。 食べたことは無いんですが、何となく味は想像がつきます。 米粉が原料らしいので、コメッコみたいな味がするんだと思います。 美味しいですよね、コメッコ。子供の頃は大好きでした。 でもあれ、大人になってパッケージをよく見たら、ホタテ味だったんですな。 貝類の類があまり好きではないにも関わらず、ホタテ味のスナックを 「んまい♪」 と思って食べていたなんて、一生の不覚です。深く反省しなければなりません。不確実な記憶なんですが、子供の頃はホタテ味では無かったような気もするんですけどね。少なくともパッケージにホタテの文字は書いてなかったと思うんですが、ホタテだと判明してしまった以上、もう、素直な気持ちでコメッコに向き合うことは出来ません。 同様に米粉が原料であるビーフンをお中元に貰っても、素直に喜ぶことは出来ません。 米粉パン (ホタテエキス入り) とかも駄目ですな。 ま、ホタテの汁さえ入れなければ、ぜんぜん大丈夫なような気もするんですが、とまあそんなことで今日は麺類について考えてみたいと思います。題して 『麺類に面と向き合う』

 今回、麺に着目したきっかけはアレです。 スーちゃんです。 ずっと 「揖保乃糸」 のコマーシャルに出ていましたよね、田中好子。 「イボの糸」 というネーミングは “イボコロリ” とか “イボ痔” とか “宜保愛子” とかを想起させて、ちょっとどうかという気もするんですが、想起と言えば 「ソーキそば」 ですよね、沖縄の麺類は。 で、名古屋人にとってスーちゃんと言えば “寿がきや” です。 オフィシャルサイトには こんなコーナー もあったりします。 あ、母・弟・父に犬と猫までいるんですな。 名前はそれぞれ、(母)スー美、(弟)スー吉、(父)スー太郎、(犬・猫)スーザン・ボイルっすかね? 猫だけスー系の名前でなくて、のけ者みたいで可哀想なので、(犬猫)スーザン後藤にしてもいいんですが、いや、それでは何の解決にもなっていませんか。 そもそも誰なんですかね、スーザン後藤。 「スーザン」 でググったら候補の中に出てきたので、とりあえず書いてみたんですが、ちなみに昔うちで飼っていたクロコで無いほうの猫は “スーザン” という名前でした。
J( 'ー`)し カーチャン が知り合いから有償でペルシャ系雑種の子猫を譲り受けたんですが、その時点でそういう名前が勝手に付けられておりました。 が、そんなバタ臭いバタコさんみたいな名前は、やだ! …というので、 “スー子” と改名しました。 が、後にオスである事が判明して “スー太郎” に変更されました。 よって、父が “スー太郎” で、猫が “後藤” というのは、どうも違和感があって馴染めないんですが、で、 “寿がきや” と言えばラーメンですよね。 素麺、ソーキそば、ラーメンとくれば、これはもう、麺類です。 ということで今日は、麺について綿々と語ってみようと思っていたんですが、ここまで無駄に話を引っ張ってきたおかげで、本題に入らなくても何とかなるような気がしてきました。 冷麦と素麺の製法の違いとか、そういう深いところまで掘り下げるのはやめにして、うどん1本にテーマを絞りたいと思います。 いや、うどん1本だけではさすがに腹が膨れないので、うどん1杯にテーマを絞りたいと思います。

 うどんと言えば香川県。 異論は認めません。 「大阪にもあるやん。」 と主張する人がいるかも知れませんが、アレは 「うどん」 ではなくて 「うろん」 なので、駄目です。 「うろん」 は認めますが、異論は認めません。 ということで、さぬきうどん。 香川県はですね、うどんで成り立ってます。 香川県から “うどん” を取ったら、ため息しか残りません。 いや、ため息だけでなく、ため池も残るんじゃないか? …と思う人もいるかも知れませんが、ため池もすぐに干上がっちゃうんですよね。 うどんと渇水。 その2つが香川県の存在意義だというのは 【うどん】香川県のガイドライン【渇水】 というスレタイを見ればよく分かるんですが、で、僕は来週、香川県に行くことになっております。 ここ に書いたんですが、岩国フレンドシップデーの代替案です。 代替案としては どんどん庵 でうどんを食うというプランもあったんですが、どうせなら本場で食べるほうがいいしー。 で、いろいろ調べているうちに、香川にはうどんと渇水以外に、骨付鳥というのもある事が分かって、 「うどん」 よりもそっちのほうが楽しみだったりもするんですが、いいですよね、骨付鳥。 いつまでも、いつまでも〜 骨付の鳥で、いてくれよ〜♪ by ザ・タイガース。 無論、 「うろん」 も食べます。 いや、 「うどん」 も食べます。 どの店にしようか、ネットでいろいろ調べてみたんですが、 四国新聞社のサイト が便利ですなー。 四国4県を代表する新聞社みたいな名前を名乗っておきながら、コンテンツが香川NEWS、全国NEWS、スポーツ、天気、イベント、求人、就活、防犯、うどん、盆栽。 間違いなく香川ローカルでしょう。 阿波踊りとカツオとポンジュースを語らずして、四国を名乗るな! …と、他の3県から文句を言われそうですが、ちなみに香川は盆栽も有名みたいです。 うどんと渇水と骨付鳥だけでは無かったんですな。 かなり充実した都道府県のひとつと言えそうなんですが、で、試しに うどん のところをクリックしてみたところ、なんじゃこの情報量は!? 「うどん天国」 は2003年で飽きちゃったみたいなんですが、 「ヌードル写真集」 などという、健全な青少年が若いギャルの眩しい肢体が鑑賞出来るものと勘違いしてクリックしちゃいそうなコーナーもあるし、それはそうと 「特選うどん遍路」 などというテレビ番組まであるんですな。 16:53〜19:00って、まさか 2時間07分もの間、ずっと “うどん” ばかりを取り上げるとか?…と思ったら、さすがに週1回の 5分前後のコーナーみたいなんですが、で、四国新聞社のほうはというと、データーベースが充実しております。 掲載店舗数は 476件。 「うどんこらむ」 によると、セルフの店約200軒、一般店約350軒とのことなので、全うどん屋の 86.5%くらいはフォローされている模様です。立派なものですなぁ。

 一件一件の記事も決しておざなりなものではなく、うどん記者が実際に店に赴いて、うどんを食べた上での紀行文のようなものを寄稿しております。 まずいとか、ひどいとか、論外とか、加ト吉の冷凍うどんのほうがマシとか、そういうネガティブな記載はないので、その点は割り引いて見ておかなければならないんですけど。 で、各店舗のデータの詳細さが半端ではありません。住所、地図、電話番号、営業時間、営業時間、定休日、席数、駐車場、メニュー。 ここまでは、ま、基本なんですが、1玉の重さ、めんの太さ、自分で入れられる薬味、だしの素材まで書かれているんですなー。 ここまで情報を与えているんだから、自分の好みと違っていたという言い訳は許さない。 そういう圧力すら感じさせる程なんですが、一口にうどんと言っても、めんの太さは店によって様々なんですなぁ。 「麺の太い順」 にソートすると、いちばん太いところで 45mm。 ん? 4.5cm!? それはもはや、うどんというよりも団子の部類でありまして、ああん、太すぎてお口に入らないのぉ。。。 さすがにこれは記載ミスでありましょうな。 で、2番目に太いお店はどれくらいなのかというと、中太。 何だか新聞社らしからぬ不正確さがちょっぴりキュートだったりするんですが、3番目のお店は太麺が 8mm、細麺が 5mmと、好みによって2タイプから選べるようです。 ちなみに 全国乾麺共同組合連合会のサイト によると、乾麺の場合、うどんの太さは長径 1.7mm以上、短径 1.0mmから 3.8mmと決められているようなんですが、乾麺と生麺とでは違いますからね。 あ、僕がいずれネタにしようと思っていた麺類の分類の話が書かれていたので、ここは見なかったことにして欲しいんですが、一方、いちばん細い麺はというと、2mmという店がありますな。 こだわりの細麺なんだそうですが、これだけ細いとあまり “うどん” という感じがしないので、個人的には避けたいところです。 ま、好みの問題なんでしょうけどね。 中には 「めんの太さ : 店主の気分により変動」 という店もあったりして、何とも “勝手な店主” がいるものでありますなぁ。

 この麺の太さ・細さによるソートは正直あまり実用的ではなくて、エリアと営業時間帯、曜日などで店を絞り込んで、詳細画面で麺の太さやだしの素材、あるいは再度メニューなどをチェックして、行くかやめるかを決めるというのが賢い方法なのではなかろうかと。 観光客向けで無い店とかは日曜日が休みだったりするので、注意が必要です。 昼間しかやってない店も多いですな。 今回、僕はスケジュールの関係上、朝早くからやってる店で、祝日が休みでないところに行こうと思うんですが、早いところだと朝の5時から営業している店もあったりして、いやあ、さすがに本場は違いますなぁ。 で、さぬきうどんというのは “いりこ” で出汁を取ることが多いんだそうですね。 “いりこ” というのは煮干みたいなものだと思うんですが、サカナ臭くて苦手だという人もいるようです。 僕も魚介類の類があまり好きではないので、もしかしたら駄目かも知れませんが、そういう場合は昆布とか鰹節とか椎茸とかをブレンドしている店を選んだほうがいいのかも? 個人的には干し椎茸も苦手だったりするんですけどね。 お中元に貰っても、ちっとも嬉しくないし。 とまあそんなこんなで、色々と検討した結果、3件ほど候補に挙げてみました。

  ・ 本格手打ちうどん つづみ   ・ さぬきうどん 一代   ・ うどん 雅や

 このうちの1件か2件か、あるいはまったく違う店に行くことになるか、さば君の気分により変動することになると思いますが、あ、そうそう。せっかく四国まで行くんだから、出来ればお土産に 松魚つぶ を買いたいんですが、高知県以外にも売ってるものなのかどうか、調べてもよく分かりません。 高知まで足を伸ばせるかどうかは当日の天候と気分次第で、微妙なところなんですけどね。 ということで、もしこれを読んでおられる高知県民がおられましたら、 メールにてご連絡 下さい。 高知駅のキヨスク売店とかで 20個ほど買い占めて、香川県まで配達して頂けると助かります。 謝礼としまして、三重県民を代表して “ケンミンの焼きビーフン” を差し上げますので、ヨロシク☆

 ということで、今日はカーティス・フラーです。 フラーのCDはたくさん持っていて、好き嫌いの贅沢さえ言わなければしばらくネタには困らない状況なんですが、他のを買うついでに1枚注文しちゃいました。 かなりソソられるのを見付けてしまったからなんですが、ということで今日は 『スライディング・イージー』 というアルバムを紹介したいと思います。 痔には、いい痔と悪い痔があって、いい痔は治療もイージーなんですが、とまあそれはそうと、スライディング・イージー。 トロンボーンという楽器はスライドの伸縮で音程を変化させるので、こういうタイトルを付けたんだと思うんですが、吹くのは決してイージーではないそうですね。 確かに正確に音程を取るだけでも大変そうなんですが、それをイージーにこなしてこそプロと呼べるわけです。 それが出来ないようでは飯が食えません。 飯が食えなければ “うどん” を食えばいいんですが、さすがの “うどん民” でも、たまにはゴハンを食べたくなるに違いなくて、で、これ、メンバーが凄いです。 リー・モーガンハンク・モブレイトミー・フラナガンポール・チェンバースエルビン・ジョーンズ。 ユナイテッド・アーティスツ原盤なんだそうですが、湯、無いってぇと、うどんを茹でられなくて大変なので、香川県民にとっては死活問題ですよね。 そういう事情で恐らく、今まで日本ではCD化されなかったんでしょうが、アレンジは曲によってベニー・ゴルソン、もしくはジジ・グライスが担当。 何というか、演奏を聞く前からだいたい中身が想像出来ますな。 かなり期待しちゃっていいんじゃないかという気がするんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみましょう。

 まずはフラーのオリジナルで、 「ビット・オブ・ヘブン」 。 「天国のかけら」 ですか。 天麩羅のかけらなら “天かす” なんですが、天国のかけらでも “天かす” ですよね。 セルフうどんの店は 「自分で入れられる薬味」 に天かすがあると嬉しいんですが、で、これはアレです。 ゆったりとしたグルーヴィーな作風。 でもって、編曲は典型的なゴルソン・ハーモニー。 頭の中に描いていた通りのサウンドでありますな。 あまりにもベタ過ぎて、ちょっとアレだったりもするんですが、でもって、ソロ先発はモブレイでありますか。この人の持つモッサリ感を毛嫌いする人は、ケガニを毛嫌いする人と同じくらいの数がいると思うんですが、僕もそんなに積極的にはカニが好きではなかったりします。 果肉入りゼリーとカニ肉入りゼリーなら、間違いなく前者を選びます。 で、モブレイのプレイも昔はあまり好きではなかったんですが、大人になってわりかし容認出来るようになりました。 度量が広くなって、どりゃあ! …みたいな。 で、ここでのモブりんのソロは、バックでフラーが張り切っていて、ちょっぴり耳障りだったりもするんですが、ま、適度な感じに安定していると言えるのではなかろうかと。 で、続いてはモーガンのソロですか。 ここでもバックのハモり軍団が目立ち過ぎてきて、ゴルさんの趣向にちょうっと疑問を抱いてしまうんですが、とか言ってるうちにフラーのソロになりました。 バックの処理は相変わらずで、ま、さすがに続くトミ・フラのバックでは自重したみたいなんですが、でもって、最後にアンサンブル・パートみたいなのがあって、テーマに戻って、おしまい。

 次、同じくフラーのオリジナルで、 「ダウン・ホーム」 。 タイトル通り、1曲目以上にディープで泥臭いな作風でありまして、好き嫌いの評価が分かれるところなんですが、正直、個人的にはちょっぴり嫌です。 何だか思い切りニューオリンズの匂いがしますよね。 ニュービーズはスズランの香りで爽やかなんですが、オリンズのほうは土埃を想起させます。 ま、ソロ先発のモーガンが元気なので、演奏の出来自体はそんなに悪くなかったりするんですが、編曲もそれほどクドくはないので、あるいはジジ・グライスが担当しているのかも知れませんな。爺ィ臭いんですが、嫌味はないんですよね、ジジくん。 そういえば昔、テレビで 「時事放談」 という爺臭い番組をやっていたのを不意に思い出したんですが、あ、調べてみたら今でもやっているんですな。 オフィシャルサイト まであったんですが、予想の遥か上をいく爺ィ臭さに思わず笑みがこぼれてしまいました。 で、続くモブレイのソロはお世辞にもナウなヤングにうけるスタイルではないんですが、相変わらず安定感だけはありますよね。 で、フラーのソロに2管のハーモニーが絡むというアレンジはなかなかよく出来ておりまして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 トミ・フラのソロが出てこなかったのがちょっと残念なんですが、曲のイメージのわりには悪くない出来でありました。

 ということで、次。 歌物ナンバーの 「アイ・ワンダー・ホエア・アワ・ラブ・ハズ・ゴーン」 。 ゴーンという単語が入っている曲名をみると、どうしても頭の中にカルロス・ゴーンの顔が浮かんでしまうんですが、 「私は、私たちの愛がどこに行ったかと思います。」 ですか。 僕の飯島愛も卓球の福原愛も遠い世界に行ってしまったんですが、ま、卓球の愛ちゃんのほうは世界選手権に向けた合宿でドイツに行っちゃっただけなんですけど。 で、曲のほうはアレです。バラードです。 あ、歌物なのかと思ったら、ブルース・ピアニストのバド・ジョンソンという人の書いたナンバーのようですが、岡崎正通クンの書いたライナーを読んで、その事実が発覚しました。 テーマ部は恐らくゴルさんがアレンジしたものと思われる3管のハモリで演奏されて、でもって、最初にフラーのソロが登場します。 時おり、残りの2管が絡んできたりするところが 「いかにも」 といった感じなんですが、続くピアノのソロが珠玉の出来だったりします。 フラーとフラナガンの“フラフラ・コンビ”、なかなかやってくれますなあ。 ここに常磐ハワイアンセンターのフラガールとフランダースの犬とが加われば、もう怖いものは無いんですが、余計な物を入れて失敗する事も少なくないので、これはこれで正解だったのかも知れません。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。  「ボンゴ・バップ」 。 チャーリー・パーカーの曲だそうです。 名前からして恐らくラテンとバップの融合系なんだと思うんですが、AA形式のシンプル極まりないテーマは、最初の “A” がトロンボーンのワンホーンで、2回目の “A” は3管のユニゾンで演奏されております。さほどラテンっぽくは無くて、純正ビ・バップといった感じです。 で、ソロ先発はフラーなんですが、バックに2管が絡んでくるというお馴染みのアレンジが、正直、ちょっとクドいです。 で、以下、モブレイ→モーガン→トミ・フラの順で各自のソロがフィーチャーされて、で、その後、チェンバースのアルコが出てきちゃうところがちょっとアレだったりするんですが、最後にエルヴィンにもちょっとだけ出番が与えられて、でもって、アンサンブル・パートを挟んで、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 ベニー・カーターの 「ホエン・ライツ・アー・ロウ」 。 「灯ほのかに」 という邦題があるんでしたっけ? あかりほのか。 AV女優にいそうな名前ですよね。 “あかりちゃん” と “ほのかちゃん” の同性愛モノでも別にいいんですが、ググってみたら、星野あかり・夢見ほのか・朝比奈るい『美脚ミニスカ8』 というのは見付かりました。 一方、このベニー・カーターの曲は、個人的には美脚ミニスカとは比べ物にならないほど、まったくソソられるものが無かったりするんですが、編曲は恐らくジジ・グライスのペンによるものと思われ、シンプルな味付けだったりするのが救いであると言えそうです。 あ、でも日本語ライナーを見たらゴルソンの編曲と書いてありますな。 確かにフラーのバックで聞こえるアンサンブルには、その萌芽のようなものが窺えるんですが、ま、許容の範囲内と言えるのではなかろうかと。 モブレイを挟んだモーガンのソロになると、はっきりと耳障りに思えたりもするんですが、トミ・フラのピアノでちょっぴり気を取り戻すことが出来るし、続くチャンバースのソロはピチカートだから大丈夫だし、とまあそんなことで、アンサンブル・パートを挟んで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 テナー奏者のジミー・ヒースが書いた 「C.T.A.」 は、調子のいいナンバーです。 アレンジ担当はジジ・グライスっす。 岡崎クンもそう明記しているので、間違いは無いっす。 不通にハード・バピッシュな仕上がりだったりして、よかったと思います。 ということで、今日は以上っす。

【総合評価】

 予定調和的な作品でありました。 若い頃は大好きだったゴルソン・ハーモニーなんだけど、最近は年を食ったせいか、ちょっと鼻につくようになってしまった。 そういうオッサン層には手放しではお薦め出来ません。 ゴルソン担当の4曲って、どれも同じようなパターンなんすよねー。 正直、このメンバーなら余計な編曲をせずに、フリーに吹かせたほうがいい結果が得られたと思うんですが、あまりモーガンに期待し過ぎると、肩透かしかもー? でもまあ、ジジくん担当の2曲は悪くないし、トミ・フラの出来は完璧だし、フラーのリーダー作としては、ま、それなりにホタテ味。 そんな1枚なのでありました。


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