THE EMINENT JAY JAY JOHNSON VOL.2 (BLUE NOTE)

J.J.JOHNSON (1953/6/20,1954/9/24,1955/6/6)

THE EMINENT JAY JAY JOHNSON VOL.2


【パーソネル】

J.J.JOHNSON (tb) KENNY CLARKE (ds)
HANK MOBLEY (ts) <#1-3,6-8> HORACE SILVER (p) <#1-3,6-8> PAUL CHAMBERS (b) <#1-3,6-8>
CLIFFORD BROWN (tp) <#4,5,10> JIMMY HEATH (ts,bs) <#4,5,10> JOHN LEWIS (p) <#4,5,10> PERCY HEATH (b) <#4,5,10>
WYNTON KELLY (p) <#9> CHARLIE MINGUS (b) <#9> SABU (conga) <#9>

【収録曲】

(01-03) "DAYLIE" DOUBLE / PENNIES FROM HEAVEN / YOU'RE MINE YOU
(04-06) TURNPIKE / IT COULD HAPPEN TO YOU / GROOVIN'
(07-08) PORTRAIT OF JENNIE / VISCOSITY
(09-10) TIME AFTER TIME / CAPRI
【解説】 ( 2011年04月24日更新 / 連載 977回 )

 突然の訃報に接して、途方に暮れてしまいました。 見慣れない服を着た〜君が今、出ていった〜♪ いやあ、名曲ですよね、大澤誉志幸の 「そして僕は途方に暮れる」 。  何だか物凄く中途半端な終わりかたをするので、カラオケで歌ってもちっとも盛り上がらないのがネックなんですが、だいたいからして “誉志幸” という名前がちょっと強引過ぎますよね。 どうせならもうちょっと族っぽく “夜死癒奇” とかにしたほうがよかったんじゃないかと思うんですが、それはそうと、お亡くなりになってしまったんですなぁ、スーちゃんとサツキたん。 55歳と39歳でしたっけ? 若過ぎますよねぇ、特にサツキたん。 僕よりも年下の女の子なのに。 一方、スーちゃんのほうは、お亡くなりになるにはあまりにも早過ぎるんですが、いつの間にか55歳になってたんですなー。おまけに夏目雅子のお兄さんの奥さんだったんですなー。 ちなみに夏目雅子の旦那は伊集院健でしたっけ? 豪にして優!静にして動! オンナにはまったく興味が無いのかと思ったら、両刀使いだったんですな、健さん。 あ、伊集院健ではなくて、伊集院静のほうですか。 「知っているのにわざと間違える〜 65点の人が好き、好き、好き〜♪」 という松本ちえこの好みに合わせて、わざと間違えてみたんですが、ちょっとわざとらしかったですね。 ちなみに僕はキャンディーズの3人の中では、田中好子がいちばん好きな子だんですが、好子の 「好」 は 「好き」 の 「好」 だから、スーちゃん。 そういう由来があるんだそうですね。 最初は 「ヨッチ」 という愛称だったんだけど、ラン・ミキ・ヨッチでは語呂が悪いので、ラン・スー・ミキになったんだとか。ついでにいうとキャンディーズは当初、伊藤蘭、藤村美樹、太田裕美というメンバーになる予定だったとか。 ま、これらは “キャンディーズ検定(初級)” レベルなので、キャンヲタなら当然、押さえておかなければならない知識なんですけど。

 ということで、スーちゃんに哀悼の意を表する意味で、 キャンディーズ検定(初級) に挑戦してみたいと思います。 いや、まったく自信は無いです。 ぜんぜん知らないのにマグレで当たって65点が取れれば上出来なんですが、やってみたら、おおっ! 3問中3問正解 / 全国1位 あなたは 『元祖おたく』 です。 おお、意外とやるじゃん、僕♪ 全部で3問しか無いって、検定としてちょっとどうか?…と思わずにはいられませんが、初期のシングルではスーちゃんがセンターでメインボーカルだったというのはわりと有名ですよね。 残りの2問に関しては半分マグレだったんですが、キャンディーズのバックコーラスで “CCB” は無いやろ?…というのは何となく分かったんですけど。 1問だけわざと間違えて 66.7点にしておくべきだったと、今になってちょっと後悔しているんですが、それはそうとヨッチも太田裕美も、かすりもしませんでしたなぁ。 僕の出題予想もたいがいなんですが、ということで、続いては キャンディーズ・マニアック検定 に挑戦。 これでもし “ヨッチ” が出てこなかったら、今後3年間 “よっちゃんイカ” を絶つ。それくらいの覚悟で臨んでみたいと思います。

 とまあそんなことで、やってみました。 10問中2問正解、おまけに “ヨッチ” は問題外。 元祖おたく (初級) ではあるが、マニアではない。おまけに出題予想はテラカス。 そういうキャラである事が判明したんですが、ああ、俺の “よっちゃんイカ” がぁ。。。 ま、ここ5年くらいは一度も口にした事がないので、あと3年くらいは余裕で我慢出来るような気がするんですが、 よっちゃんイカにしておいて正解でしたな。 うまい棒なら、しばらく立ち直れないところでした。 自信がないので、あまり実害のないイカにしておいたんですが、よくよく考えたらマニアック編に基礎知識である “ヨッチ” が出てこないのはむしろ当然でありまして、イカを絶つ必要は無いような気がしてきました。 以下、イカは自主解禁させて貰うとして、で、キャンディーズに対する僕の思いは ここ を見て下さい。 無駄に太字が多くて押し付けがましいのがネックなんですが、 イカ娘とのコラボ商品 が買えないのは、あまりにも寂し過ぎるしー。 そういえば、今ではすっかり 「さほどイカが好きではない大人」 になってしまった僕なんですが、子供の頃は結構イカ好きだったんですよね。 紋次郎いか とか、よくカジってました。 “だんご紋次郎いか(80本)” の商品写真を見ると 「名古屋名物」 と書かれているんですが、名古屋にある株式会社一十珍海堂というところが作っていたんですな。 小学校低学年の頃は、紋次郎ばかりを食っていたんですが、高学年になって イカの姿フライ に興味がシフトしました。 遠足や社会見学には、必ず持って行きました。 で、海のほうに行ったりすると、必ずお土産に “のしいか” を買っていました。 何というか、甘い味がするウェッティなスルメみたいなヤツ。 食べると手がネチャネチャするのがネックなんですが、噛み締めるとイカの味がして、なかなかいい感じ。 そんなイカ系珍味が大好きだった僕も、何故か大人になったら急速に “イカ愛” が冷めてしまったんですが、それはイカん事ですかね? ま、イカが嫌いになったところで別に誰に迷惑を掛けるわけでもないので、ま、いーか。

 ということで、続いてはサツキたんです。 キャンディーズは雲の上の存在だったので、スーちゃんがお亡くなりになったと聞いても、正直あまり実感が湧かなかったりするんですが、サツキたんには一度だけ会ったことがありますからね。 その訃報に接して呆然としてしまったんですが、彼女の事をいつまでも忘れないように、その悲しいお知らせを魚拓にしておきたいと思います。 これ 。 【元気なころのサツキ】、これまた泣ける写真でありますなぁ。。。 ちなみに僕がサツキに会った時の話は ここ に書かれております。 今週の疑問:「ホントにそんな名前なのか???」 とか言っちゃってますが、サツキとジロー。 間違いなくそういう名前だったようです。疑ったりして、ゴメンな、婆ちゃん。 もしかして、元気なころのサツキの姿が写っているのではないかと期待したんですが、残念ながら婆ちゃんと孫娘だけですな。 この時はカバを見ている人ばかりに目がいって、正直、カバそのものの印象がまったく何もなかったりするんですが、そうですかぁ。あのサツキが逝っちゃいましたかぁ。。。 僕はこのニュースを “2ちゃんねる” の 【訃報】上野動物園の人気カバ「サツキ」、震災の日に足を滑らせて死ぬ というスレで知ったんですが、39歳だったんですな。 まだ若いのにぃ。。。 ちなみにカバの平均寿命は野生で40〜50年、飼育下では45年。39歳は人間で80歳に相当するんだそうです。 ま、80歳相当なら、それなりに長生きしたと言えるんですが、震災の日に足を滑らせたというのが何とも哀れです。 こんなところにも地震の犠牲者が。 もっとも、足を滑らせたのは午後4時頃らしいので、地震はあまり関係ないんじゃ?…という気がしないでもないんですが、足を痛めて自分の体重を支えられなくなって、内臓が圧迫されて、急激に食欲が落ちちゃったんだとか。 美味しいものを食べられずに衰弱してしまって、(´;ω;) カワイソス。 ちなみに速報では両親が 「オスのデカオとメスのザブコ」 となっていて、その名前、もうちょっと何とかならなかったのか?…という意見が多数見られたんですが、ちなみに僕は最初、カーチャンの名前を 「ブサコ」 と読んでしまいました。 が、動物園のオフィシャルだと、カーチャンは 「ナゴヤ」 になってますな。 それもちょっとどうかな?…という気がするんですが、 「ナゴヤ」 よりはまだ 「ザブコ」 のほうがいいですよね。 で、娘は5月生まれだから 「サツキ」 なんですな。 とりあえず可愛い名前を付けて貰えて何よりなんですが、あ、 この動画 の説明を見ると、本震はなんとか乗り越えたものの、余震に驚いて前脚を痛めちゃったんですな。 「早くよくなるといいね。」 というコメントが、泣けます。 カバたん、(´;ω;) カバイソス。

 ということで、 “カバねた” が尽きたので、とりあえず わが愛しのキャンディーズ (5) 危ない土曜日 というのを視聴してみました。  こんな歌があったんですな。ちっとも知りませんでした。 知らなかったので、気になって聞いてみたんですが、なかなかの名曲でありますな、こりゃ。 スーちゃんがセンターなので、初期の作品なんすかね? …と思って調べてみたら、通産3枚目のシングルなんだそうで。 正式には 「危い土曜日」 という表記みたいです。 「あぶい土曜日」 もしくは 「きい土曜日」 ? 今日で確認できる限り日本で最初にオタ芸の原型を生んだ曲なんだそうですが、バックでは “MMP” の人たちがバリトンサックスを吹いたりして、頑張っておりますなー。 キャン検 (初級) に出てきた “CCB” でない事だけは確かなヤツって、 “MMP” が正解だったんすなー。 んなもん、 (初級) かー? ま、ファンなら誰でも知っている常識問題なのかも知れませんが、で、この 『わが愛しのキャンディーズ』 のシリーズ、結局のところ最後の (20) まで全部見てしまいました。 “全キャン連” 、笑えますなー。 今ではこのヲタク達も立派なオッサンになっているんでしょうなー。 改めてキャンディーズの歌を聞いて、 「わな」「哀愁のシンフォニー 」 といった楽曲の完成度の高さに驚かされましたが、で、解散コンサートの最後を飾った「あこがれ」「つばさ」。 どちらも知らない歌だったんですが、めっちゃ泣けました。 地震、津波、スーちゃん、カバのサツキたん、スギ花粉、ヒノキ花粉。 このところ泣いてばかりで、鼻紙の消費が半端でないんですが、大のキャンディーズ・ファンとして知られる石破茂クンも、さぞや悲しんでいる事でありましょう。  これ を読むと、どうやらミキちゃんが好きみたいなんですけどね、シゲルくん。 映像を見たらスーちゃんだけでなく、ランちゃんとミキちゃんも普通に可愛いやん♪ …という事に気付いたので、ゲルの趣味を笑う気はさらさらありませんが、「歩く月刊明星」の異名をもつ石破さんは…って、ここは普通に笑ってもいいでしょう。 それにしても 「夢中だったキャンディーズを語る石破茂防衛相」(←当時)、めっちゃ嬉しそうで、キモいですなぁ。。。

 ということで、最後に “2ちゃんねる” のスーちゃん追悼スレに貼られていた写真を紹介して、本日の締め括りとさせて頂きたい思います。 何というか 「青春そのもの」 といった感じがして、眺めているだけで思わず胸が熱くなってしまう1枚です。 1970年代後半。今から思えば日本がいちばん輝いていた時代だったかも知れませんなぁ。 これからの日本がどうなってしまうのか誰にも分からないんですが、イカ好きの素直な子供だったあの頃に思いを馳せて、謹んでスーちゃんに捧げたいと思います。 題して、キャンディーズ (右)と昭和のおまえら (左)

 ということで、バリトンサックス編は早々にネタが尽きたので、今日からはトロンボーン編となります。 ま、これも数回で終わることになると思うんですが、まず手始めはJ.J.ジョンソン。 有名ですよね。実力の程も半端ではありません。 が、日本では今ひとつ人気がない。 そういうキャラだったりします。 どうしてなんすかね? あまりにも完璧過ぎて、親しみが持てないとか? キャンディーズを見習って、コントとかにも真面目に取り組めば石破クンも認めてくれたんでしょうが、ま、そういう性格でもなさそうですからね。 優等生路線もやむなしといったところでしょうか。 で、今日はそんなJJクンの 『ジ・エミネント・ジェイ・ジェイ・ジョンソンVOL.2』 というアルバムを紹介しようと思うんですが、以前に取り上げた 『 (同) VOL.1 』 の続編でありますな。 読み返してみたら、かなりあぶない “ファイル交換ソフトねた” だったのでリンクを貼るのはヤメておきますが、第1集だけ紹介するというのも、ちょっとアレだよね?…という気がするのが 5%、前回のジャケ絵を流用することが出来て、とっても楽だよね♪ …という思いが 95%。 そういう割合で今回の採用が正式に決まったんですが、3種類のセッションの寄せ集めたものなんですな、これ。 恐らく最初は10インチ盤のレコードで出されたものと思われ、第1集に入っていた曲の別テイクが出てきたりするのが無理矢理なんですが、サイドマンの顔ぶれには大いにソソられるものがあるし、どっちにしようか迷った超有名盤 『ダイヤル・JJ5』 の出来が、僕的にはちょっとアレだったので、とまあそんなことで、 『ジ・著名なJ.J.ジョンソン第2集』 、頑張って聴いてみることにしましょう。

 1曲目、 「ダイリー・ダブル」 。 JJのオリジナルです。 ハンク・モブレイホレス・シルバーポール・チャンバースケニー・クラークという、何とも純正ハード・バッパーな面子を従えておりまして、こりゃ、大いに期待が持てますな。 ま、所詮はJJなので、そこまで多くは期待してなかったりもするんですが、曲そのものの出来は思ったよりもよかったっす。  55年物にしては、それなりにファンキーで、モブレイ → JJ → シルバーと続くソロも、短いながらもしっかりアドリブしてます。 特にピアノの出来が何とも秀逸だったりするんですが、最後は2管とドラムスとの絡みできっちり盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、立派にハード・バップしていて、何より。 ということで、次です。  「ペニース・フロム・ヘブン」 。 「天国からのそのもの」 ? いや、“Pennies” というのは、ナニではありませんな。 じゃ、ナニなのかと言うと、調べてもよく分からなかったんですが、チェンバースのベースが目立つイントロに続いて登場するテーマは、何ともブルージーな雰囲気。 トロンボーンという楽器の持ち味がよく出ておりますが、こういう人間臭いプレイも、普通に大丈夫なんですな、JJくん。 メンバーは前曲と同じでありまして、tb→ts→p の順で、各自の卓越したソロを堪能することが出来ます。 ベースのピチカート・ソロもフィーチャーされます。 アルコじゃなくて、本当によかった♪ …と、安堵せずにはいられない安藤クン。 そんな感じだったりするんですが、でもって、最後は2管の絡みでそれなりに盛り上がって、テーマに戻って、おしまい。 以上ここまで、思ったよりもずっと健闘していて、何より。

 ということで、3曲目です。 「ユーアー・マイン・ユー」 。 「あなたが私のものである、あなた」 ですか。 意味不明になるだろうと思いつつ翻訳サイトに掛けたら、案の定だったんですが、これはアレです。 しみじみとしたバラードです。 ホレス・シルバーはよく、バラードが弱いと言われたりするんですが、ここでのイントロは完璧。 やればできる!国際秘宝館の館長もそんなことを言ってましたよね。 「館長の浣腸ショー♪」 というのも、やろうと思えば出来るに違いありません。 ま、やってみたところで誰も喜ばないので、やらないだけの話なんだと思うんですが、で、テーマ部は基本、JJ君のワン・ホーンっすな。 で、そのままアドリブ・パートへと流れていくんですが、何とも言えずソウルフルっす。 ソウルと言えば、自衛隊とアメリカ軍の人たちが “ソウルトレイン作戦” というのをやってましたよね。 津波で大きな被害を受けた仙石線の復旧に頑張ってくれているようですが、アメちゃんってネーミングのセンスが抜群ですよね。よく働いてもくれるので、ご褒美に飴ちゃんでもあげたいところなんですが、大根生姜のど飴とか、喜んでくれますかね? ま、恐らく嫌がらせと思われるだけだと思うんですが、 なおこちゃん も 「まずい!まずすぎる〜。」 と言ってるしー。 ここはやはり、 「うまい、うますぎる!」 の十万石饅頭のほうがいいっすかね? 2ちゃんねるの銘菓スレによく出てくるので名前だけは知っているんですが、 こんなCM だったんですなー。 何というか、渋い、渋すぎる〜。 で、演奏のほうはピアノの短いソロを挟んでテーマに戻るんですが、今度は2管のハモリになっていたりして、なかなか工夫されている、工夫され過ぎている〜。

 で、次。  「ターンパイク」 。 第1集にも入っていた、JJのオリジナルの別テイク物です。 曲としては前回と同じなので、解説もそのまま流用すればいいんですが、「ターンパイク」というのは“有料道路のことで、植民地時代のアメリカで、道路をパイク(遮断棒)でふさぎ、料金を払うとそれをターンさせて通したことからこの名前がある。”…とのことでありますが、この演奏から3年後、ブラウニーがペンシルヴァニアのターンパイクで土手に激突して死んじゃったことを思うと、何か運命的なものを感じずにはいられない。…って、いかにも安手のライナーノート書きが言いそうなことでありますが、いかにもターンパイクらしいスピード感に溢れた3管ハーモニーがいい感じですね。サビの部分のハモリ具合など、53年モノにしては実にハード・バピッシュでありまして、さすがは才人のJ.J.らしいアレンジだと思います。…と、昔の僕は書いているんですが、今でもその思いはまったく変わっておりません。 確かに、いかにもターンパイクらしいスピード感に溢れた3管ハーモニーがいい感じです。 ちなみに3管の内訳はJJ以下、クリフォード・ブラウンジミー・ヒースという面子なんですが、ブラウニーのソロが聴けるというだけで、ブラが大好きで、ウニがあまり好きではない僕としては、大満足。 この人、同じ曲でも別テイクでは、まったく違ったアイデアでアプローチしてくれますからね。 ま、敢えて2つのテイクを聴き比べるというような面倒なことはしませんが、僕が記憶している限りでは、まったく別の曲であると言ってもいいような気がしないでもない。 そんなソロが展開されております。 それに対してジミー・ヒースという人は、どんな曲を演っても同じようなソロに聞こえちゃったりするんですが、ここでは急速調をもろともせず、かなり頑張っていると評価していいのではなかろうかと。 続くJJもトロンボーンとは思えないようなテクニシャンぶりを発揮しておりまして、終盤はそこに残りの2管も絡んできたりして、でもって、ホレス・シルバーが出てきて頑張って、最後は “合奏→ds→合奏→ds→b→合奏” の形でテーマを演奏して、おしまい。 別テイクなんですが、凄い。凄過ぎる〜。

 で、5曲目。 歌物ナンバーの 「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」 。 大好きな曲なので、めっちゃ期待が持てるんですが、トロンボーンでこれをやったら、こんな感じになるだろうな。…と、僕が頭に描いていたそのままのバラードに仕上がっておりました。 メンバー的には前曲と同じなんですが、ブラちゃんとヒース君はお休み。 ピアノのソロもなく、基本、JJがストレートにテーマを吹くだけなので、展開としてはやや単純なんですが、とまあそんなことで、おしまい。 で、次。  「グルーヴィン」 。 JJのオリジナルです。 名前からしてグルーヴィなファンキーチューンを期待してしまいますが、それで正解。 政界を揺るがすような問題作ではないんですが、アーシーでブルージーで、ちょっぴり息苦しかったりもするナンバーです。 55年のモブレイ入りのセッションでありまして、 tb→ts→p の順で各自のソロが披露され、なかではシルバーがなかなかいい感じだったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 あまりアーバンな作風ではないので、好き嫌いの意見は分かれるかも知れませんが、ま、1曲くらいはいいかと。 で、次。  「ポートレイト・オブ・ジェニー」 。 バラードとミディアム・スローの中間くらいのテンポでJJくんがしみじみとテーマを吹いて、ピアノのソロがあって、トロンボーンに戻って、おしまい。 ほんのちょっとした小さな小品でありました。

 8曲目の 「ヴィスコシティ」 は、なかなかいい感じのJJのオリジナル。 JJとモブレイとシルバーが、いい感じのソロを取っております。 …と、ここまで書いたところでちょっと飽きてきて、気分転換に “2ちゃんねる” を覗いたら、【企業】長野のイカ加工食品製造「丸三小池食品」が自己破産申請し倒産へ などというスレが。 僕が 「さほどイカが好きではない大人」 になってしまったおかげで、丸三くんと小池さんに苦労をかけさせてしまって、申し訳ない。。。 ググってみたらどうたら “峠の塩丸いか” というのを作っている会社みたいなんですが、個人的にはあまりソソられる珍味でもないので、ま、自己破産申請もやむ得なイカと。 で、とか言ってるうちに演奏のほうはテーマに戻って、おしまい。 ということで、次。  「タイム・アフター・タイム」 。 何故か1曲だけ第2集に回された1954年のセッションです。 トロンボーンのワン・ホーンで、ピアノがウイントン・ケリー、ベースがチャールス・ミンガス、ドラムスがケニー・クラーク。 更にコンガのサブーが入ってたりするのも 「さぶ」 の愛読者としては嬉しい限り。 個人的にはどうでもいいんですけどね、コンガも 「さぶ」 も。 で、演奏のほうは、冒頭のケリーとミンガスの絡みが何とも興味深かったりするんですが、トロンボーンでこれをやったら、こんな感じになるだろうな。…と、僕が頭に描いていたそのままのバラードでありました。

 ということで、ラスト。  「カプリ」 。 第1集収録曲の別テイク物なので、前回の解説もそのまま流用すればいいんですが、 「カプリ」 はジジ・グライスのオリジナルだそうです。いい曲を書くんですよね、ジジ・グラって。股座(またぐら)というのもいいですけどね。どこがどういいのか?…と聞かれると困るんですが、何となくいいです。で、 「カプリ」 。タイトルからして、何となくラテン系?…とか思っていたら、わりと普通の4ビート系でありましたが、シンプルな3管アンサンブルがいいですな。 …という、そういう曲だったりします。 グリコのカプリコが好きな人なら楽しめるんじゃないかと思うんですが、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 正直、あまり期待はしていなかったんですが、普通によかったです。 録音年は古めなんですが、しっかりハード・バップしておりますな。 JJくんもまだ若かったからなのか、けっこうバリバリ吹いているし、サイドマンの出来もいいし、ま、 「JJ」 とか 「CanCam」 なんかを読んでるギャルの受けは悪そうなんですが、爺ィには受けるかも知れない。 そんな感じの1枚なのでありました。


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