CALIFORNIA COOKIN (INTERPLAY)

PEPPER ADAMS (1983/3/26)

CALIFORNIA COOKIN


【パーソネル】

TED CURSON (tp) PEPPER ADAMS (bs)
VICTOR FELDMAN (p) BOB MAGUNSSON (b) CARL BURNETT (ds)
【収録曲】

(01-03) WALTZ FOR CELITISTE / SUMMERTIME / LAST RESORT
(04-06) NOW IN OUR LIVES / OLEO / DOCTOR DEEP

【解説】 ( 2011年04月17日更新 / 連載 976回 )

 “カステラ”。 今日はこのネタだけでどこまで行けるか勝負してみたいと思うんですが、どうしてこのテーマを選んだのかというと、 【長崎】 カステラ、被災地へ 文明堂総本店 応援メッセージ入り1200箱。 そういうニュースを目にしたからなんですけど。 応援メッセージってどんなのかと思ったら、制服姿の女子社員が1個ずつ手書きしたものなんですな。 これはちょっと嬉しいかもー? これがもし、ジャージ姿のオッサンが書いたヤツを1200枚コピーしたものだったりしたら、 「余計なモノを入れるな!」 と罵倒したくなる馬頭琴奏者の場糖金さん (43歳) みたいな失礼なヤツも出てくるんですが、女子社員 (←しかも制服姿) の手書きとなればこれはもう、嘗め回す…いや、ありがたく頂戴するしかありません。 ありがとう、文明堂の女子社員♪ カステラを作ってくれたパートのおばちゃんも、ありがとう♪ ということで今日は彼女たちに敬意を表してカステラについて徹底的に検証してみようと思い立った次第でありますが、いいですよね、カステラ。 キューバのカストロ議長の大好物だと聞いた事があるような気がします。 “2ちゃんねる” でカストロ議長のスレが立つと、まず間違いなく

   3 :名無しさん@5周年:04/10/21 17:38:06 ID:yMHKOPAy
   スカトロ禁止

   7 :名無しさん@5周年:04/10/21 17:38:27 ID:m/kkNxvW
   以下 スカトロ禁止

   11 :名無しさん@5周年:04/10/21 17:40:01 ID:tJ30QJCD
   以下、スカトロ解禁

 という流れになるんですが、そこから少しだけひねって、“カルスト台地” になったりだとか。 カストロ議長、カルスト台地、カストリ焼酎、カステラ、スカトロ、大トロ、ネギトロ…と七変化させてもいいし、カスとらない、カスとります、カスとるとき、カスとれば、カストロ議長…と五段活用させることも可能。 カストロ議長って、万能ネギと同じくらい万能なキャラでありますなー。 とまあそんなことでカステラなんですが、カステラと言えば長崎。 長崎のカステラと言えば長崎堂だよね。 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。 何と言っても長崎堂ですからね。何だかめっちゃ本場。そんな風格が漂っております。 が、大人になって冷静に考えてみると、もしかして長崎堂って、あまり大したことはないんじゃないか? そんな気もしてきました。 何故かというと、先程 「ながさきどう」 で漢字変換しようとしたら、最初の候補が 「長さ起動」 になっちゃったからなんですが、もし大したことがあるメーカーだったら、一発で変換出来てしかるべきですよね。 で、調べてみたんですが、 長崎堂 って、尾張名古屋の和洋菓子屋さんだったんですなー。 どうりで地元のローカルCMでよく目にしたわけです。 じゃ、本場の長崎のカステラはどこが有名なのかと思ったら、文明堂。 それで正解でしょう。ちゃんと一発で漢字変換出来たしー。 もっとも “ぶんめい・どう” という2つの音節に分けて変換されたっぽいので、固有名詞として辞書に登録されていたわけでは無さそうなんですけど。 日本に “ぶんめ移動” という言葉が無かったことが幸いしましたなー。 とまあそんなことで、長崎のカステラと言えば文明堂だよね。 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。 それが間違いだったというか、一概にそうとは言い切れない事に気付かされたのは、高校2年の頃でありました。 九州の北のほうへ修学旅行に行ったんですよね。 で、僕たちのバスのガイドさんが19歳のギャルでありました。 お土産に “万古焼き” を渡したという話はどこかに書いたと思うんですが、えーと…、これですな。 北九州万古旅

 10行目くらいまで読んだ時点でアホらしくなったので、万古焼きのエピソードがどの辺りに出てくるのか定かではありませんが、で、このバスガイドのお姉さんにですね、誰かが聞いたんですよね。 「長崎のカステラって、どの店が有名なん?やっぱり文明堂?」 で、それに対するお姉さんの回答は、 「あまりこういう事を言ってはいけないのかも知れませんけど、地元では “福砂屋” が有名ですねー。」 文明堂の営業妨害になるような発言は厳に慎まなければならない。 そう、19歳のギャルなりに配慮したことが窺われる口ぶりでありましたが、それを聞いてみんなは 「へぇー。」 と関心。 何も考えずに文明堂でカステラを買おうと思っていた生徒たちも大挙して福砂屋と流れて、その影響力は甚大なものでありました。 無論、僕のお姉さんの言いつけを守って福砂屋で買うことにしたんですが、いやあ、美味しかったです。 長崎堂や文明堂のカステラと食べ比べてみたわけではないので、一概にどこが一番だとは言えないんですが、少なくとも近所のスーパーに売ってる “鈴カステラ” よりも高級だったのは間違いありません。 いや、鈴カステラは鈴カステラで、普通のカステラとは別の食い物だと思って食えば、あれはあれで鈴カスだったりするんですけど。 で、福砂屋のカステラはアレですな。 下に紙がへばりついている部分の “ザラメのザラザラ感” が、命!…ですよね。 長崎堂のカステラにはあのザラザラが無かったような気がします。鈴カスは表面に砂糖がまぶしてあるんですが、ザラメでは無いので、ザラザラ感では福砂屋に負けます。 鈴カステラに砂糖なんかまぶしてあったっけ? そう思った人がいたとすれば、それはアレです。 君は間違いなく、ベビーカステラと間違えてます。 祭りの屋台とかで売っているのが ベビカス で、駄菓子屋とかで売っているのが 鈴カス 。 僕はどちらが好きかというと、断然 “鈴カス派”です。 ベビーカステラの製造現場って何だかめっちゃ美味しそうな匂いがするので、それに釣られてついつい買ってしまうんですが、実際に食べてみると、ん? 思ったほどには美味しくない? そんな食い物だったりしますよね。 パサパサしているというか、味気が無いというか。 もしかしたら本当に美味しいベビーカステラに巡り逢えてないだけなのかも知れませんが、その点、鈴カステラは違います。 けっ!こんな駄菓子。 …と、最初から偏見に満ち溢れた態度で食ってみると、ん? 意外と美味しい? 無駄にクソ甘くて、分かりやすい味がしますからね、アレは。 大人なら迷わず “鈴カステラ” やろ? そう思わずにはいられませんが、それはそうと、長崎ではどうして 文明堂よりも福砂屋のほうが格上とさてれいるんですかね? ザラメの有り無しは、ま、個人の好き好きだと思うし、 “ふくさや” にしたところで、 “MS-IME” で漢字変換しようとしたところ、 “拭くさ屋” としか出てくれなくて、少なくともマイクロソフトの人たちの間では、まったく認知されてないみたいだしー。

 ということで、調べてみました。結論から先に書きましょう。歴史が違う。どうやら、その一言に尽きるようです。 文明堂総本店は1900年(明治33年)創業。 十分に歴史があるように思えるんですが、上には上というか、昔には昔があります。 福砂屋 : 1624年(寛永元年)創業。 マジかよ!? こりゃ、半端ではありませんな。 で、長崎にはもうひとつ、カステラの老舗があるようです。 松翁軒 : 1681年 (天和元年)創業。 おお、これは “チョコラーテ” のお店ですな。 僕はこの店のカステラは一度も食べたことがないし、19歳のバスガイドさんも一言も言及していなかったんですが、名前だけは聞いたことがあります。 『探偵!ナイトスクープ』 の 「長崎の“女の都” 」 とかいうネタで、桂小枝が宣伝していたヤツですよね。 単なるパチモンのカステラ屋、略してパチカス屋だとばかり思っていたんですが、由緒正しい老舗だったんですな。 で、松翁軒と福砂屋とでは、どちらが本家でどちらがパチモンなのかというと、それは難しい問題です。 歴史の古さという点で言えば、福砂屋のほうが 57年ほど勝っているんですが、一概に歴史の古いほうが偉いとは言い切れませんもんね。 身近なところで言うと、桑名の “安永餅” と四日市の “なが餅” の問題が浮かび上がるんですが、 ここ で検証した結果、そもそも餅菓子なんてものはネーミングがどうとか、歴史がこうとかといった問題ではなく、人気があるかどうかがポイントだという結論が出ました。 それはカステラでも同様だと思うんですが、あ、この 一押しお菓子を投票 は、今でも生きているんですな。 何と、安永餅 (桑名・永餅屋老舗) は “うなぎパイ” や “白い恋人” といった超有名お菓子に次いで、堂々の第3位っ! 四日市の “なが餅” ? はぁ、何それ? ちなみにカステラはというと、福砂屋や松翁軒あるいは文明堂といった枠を超えて、 “長崎カステラ” という総合力で勝負に臨んでいるんですが、2011年4月16日 14時58分15秒現在、獲得数はたったの 4票。 対する安永餅は僕が追加で投票した分を加えて 153票。 カステラの 38.25倍も人気があるんですなー。 これは桑名人の僕としても、まったく納得のいかない結果でありまして、 “萩の月” や “生八橋” よりも上なワケがないですよね、あんな餅。 同じ餅系でいうと、普通に考えたら1位になっても不思議ではない “赤福” が入っていないし、かと思えば “下野市レストラン ふじゅう のラスク” などというワケの分からんものがけっこう票を伸ばしてるしー。

 このアンケートでは、福砂屋と松翁軒とではどちらが偉いかという点に関しては、まったく何の成果も得られなかったんですが、先程の 『カステラ、被災地へ』 というニュースは “2ちゃんねる” のスレにもなっていて、その書き込みを読むことによって、ある程度の人気度を推し量ることが出来ました。 記事の性格上、 「文明堂GJ!」 「文明堂ありがとう!」 というのが大勢だったんですが、でもカステラは福砂屋のほうが好き。 そういう人が多かったですな。 でもまあ、基本形は福砂屋のが美味しいけど、抹茶とかのは文明堂の方が美味しい。松翁軒はチョコラーテが最高♪…という意見もあったりして、それがいちばん平等で、丸く おさまる日本的な解決策であると言えるのではなかろうかと。 ただ、 「桑名の安永餅>>>>>>>>四日市のなが餅」 だというのだけは、どうしても譲れないんですけど。 で、カステラの歴史についても簡単にお勉強しておきたいと思うんですが、えーと、一般的な説では16世紀の室町時代末期に、ポルトガルの宣教師によって長崎周辺に伝えられたとされる。当初のカステラは卵、小麦粉、砂糖で作った簡素なものであり、ヨーロッパの菓子類としては珍しく乳製品を用いないことから、乳製品を生産、常用しない当時の日本にも残ることができた。カステラの製造に重要なオーブンは当時の日本には存在せず、オーブンに代替する天火として、引き釜という炭火を用いる日本独自の装置が考案された…と。 以上、 Wikipedia を丸写し。 ほうほう、なるほど。牛乳やバターは使わないんですな。おかげで一切れあたり 100〜160kcalと、意外と低カロリーだったりするようなんですが、ま、一切れの切り方によっても違うんですけどね。 こんなやつ でも切らずにそのままカジれば、一切れだしぃ。 で、高級なカステラを作るには水飴がポイントなんだそうですな。これを用いることによって、しっとりとした食感になるんだそうです。  長崎よりも更に超本場なポルトガルに行けば、もっと美味しいカステラが食えるのかと思ったら、まったくそんな事はないんだそうで。 日本にやってきたポルトガル人がカステラを食って、「ウチの国に、こんな美味いものはない!」 と呻いたという話を聞いたことがあるんですが、今のカステラは日本人が魔改造した独特の食い物であると考えたほうがいいみたいんですね。 被災者の皆さまが美味しい文明堂のカステラを食べて、少しでも心の安らぐ時間を過ごせることを願わぬにはいられませんが、何だかこれを書いているうちに、カステラが食べたくなってきましたなー。

 ということで、買って来ました。 一度、松翁軒のカステラというのを食べてみたかったんですが、近くには売っていないので これ で妥協。 パッケージが2種類あるんですが、色の濃いほうが福砂屋のカステラ、薄いほうが文明堂のカステラの味をイメージして作られております。 …って、そんなワケがなくて、中身はどちらも同じカステラの味です。 いや、多分。 「多分、同じ味。」 というのと、 「多分、カステラの味」 。 どちらの意味でもあまり自信は持てないんですが、パッケージに 「カステラ」 と明記されている以上、多分、チロルの中の人はそのつもりでこれを作ったんだと思うんですけど。 チョコ味のカステラというのは普通に美味しいと思うんですが、カステラ味というのは、ちょっと無理があったような気がします。 いや、ちょっとどころか、かなり無理があったような気がするんですが、カステラというより、カラメルの味? 中にビスケットのようなものが入っていて、 “開封してラップをかぶせずに5日間放置したらカピカピになってしまったカステラ” みたいな食感が楽しめるところは、それなりに評価していいと思うんですけど。 で、舐めているうちに何だか、舌の上にザラザラしたものが残ることに気付きました。 こ、これはもしかして、ザラメ? 福砂屋のカステラをリスペクトしているのか!? チロルくん、芸が細けぇ!! でもまあ、だからと言ってチョコが劇的に美味しくなっているワケでもなくて、チロルのカステラ味は “テラカス” だった。 …というのが今日の僕の率直な感想です。 おしまい♪

 ということで、今日はペッパー・アダムスなんですが、アダムスと言えば、美味しいですよね、“天むす” 。 おむすびの中に海老の天ぶらを入れるという発想が秀逸なんですが、修一クン、よく考え付きましたよね。 いや、 “天むす” を考案したのが修一クンなのかどうかはよく知らんのですが、 “天むす” と “いちご大福” の話をすると津市民が調子に乗るのでこの話はなかったことにして、とまあそんなことで、ペッパー・アダムスです。 いいですよね、アダムス。 個人的にはジェリー・マリガンよりも好きだったりします。 白人なんだけど、余計なところに頭を使ったりせず、純粋にアドリブだけで勝負する姿勢に共感が持てるよね。…という教官も少なくないと思うんですが、で、今日は 『カリフォルニア・クッキン』 というアルバムを紹介したいと思います。 クッキン、クッキン、クーッキン (せっせ、せっせ) あなたに届け〜恋の味♪ …という、金子信雄の楽しい夕食な世界が展開されているのではないかと期待されますが、手持ちのネタが尽きたので、新たにネット通販で確保した1枚であります。 小さなジャケット写真で見る限り、ちょっぴりアダムスの顔が老けているのが気掛かりだったんですが、いざ手元に届いてみたら、1983年の録音だったんですな。 ちょっとガックリ。 いや、テッド・カーソンが入っているので、60年代くらいの作品だとばかり思い込んでいました。 カーソンって80年代には、まだ生きていたんですなー。 イメージがブッカー・リトルと被るので、早死にしたものだとばかり勝手に決め付けておりました。もしかしたら、今でもまだ生きていたりするんですかね? 正直、すまんかったと思います。 で、1983年と言えばアレですよね。松田聖子とか、原田知世とか、柏原芳恵とか、早見優とか、河合奈保子とかが頑張っていた頃ですよね。 WOW WOW WOW 渚は〜 イマジネーション エスカレーション WOW WOW WOW 貴方と〜 コミュニケーション エスカレーション♪ …とか。 大胆すぎるビキニを選んだ選んだ奈保子タンの姿を想像して (;'Д`)ハアハア していたものでありますが、そんなところにアダムスがのこのことやって来て、若者たちに受け入れられると思うか? とまあそんなことで、あまり期待しないで聞いてみることにしましょうかー。

 まずは1曲目。 「ワルツ・フォー・セリティステ」 。 アダムスくんのオリジナルです。 おお、冒頭からなかなかいい感じやん♪ テーマそのものは極めてシンプルで、すぐにバリトンサックスのソロになっちゃうんですが、何と言うか、新主流派っぽいモーダルな雰囲気が漂っておりますな。 鈍重なイメージの強いバリサクをバリバリ吹いていて、立派です。 で、これ、カリフォルニア州コスタメサというところでのライブ録音だったんですな。 どうして急須の中には網みたいなものが入ってるの? お茶の葉っぱを漉すためさ。 そんな会話が聞こえてきそうな地名なんですが、そんなもん、わざわざ質問しなくても分かるような気がするんですけどね。 ま、聞いたのがカリフォルニア人だったりすれば、分からなくても仕方ないかも知れませんが、そうこうしているうちにテッド・カーソンのトランペット・ソロが登場します。 ドルフィーと一緒にミンガスのアルバムで 「フォーバス知事の寓話」 とかをやってた人ですよね。 おかげで、血迷って政治の道に走ってしまった左翼系ミュージシャンという印象が強かったりするんですが、ここでの演奏はアレです。 かなりウディ・ショウっぽかったりします。 孤高のジェネレーションというか、渚はイマジネーションというか、いや、いいですな、こりゃ。 続くヴィクター・フェルドマンのピアノはいい意味で保守的だったりして、が、ソロの後半に入ると結構ハイ・テンションだったりもして、で、続くボブ・マグナッソンのベース・ソロになって、気分は急速に沈静化します。 ふと思ったんですが、発生から1ヶ月を過ぎても未だに沈静化しない福島第一原子力発電所。 あれの原子炉のすぐ横で延々とベース・ソロを聞かせてやれば、さすがの燃料棒もかなりグッタリするんじゃないですかね? ま、最悪の場合、 「いつまでチンタラやっとるんじゃ!」 とブチ切れて、再臨界しちゃう恐れもあるので、あまりにも危険な賭けになるかも知れませんが、とか言ってるうちにペッパー・アダムスが再登場して、ドラムスやトランペットやピアノの人たちと熱いバトルを繰り広げて、気分は臨界点に到達します。 とまあそんなことで、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、冒頭から激しく、いいじゃん♪

 で、次。 ガーシュイン・ナンバーの 「サマータイム」 。 夏時間〜 生きるのが楽〜 魚は飛び跳ね〜 綿花は育つ〜 お前の父ちゃん金持ちで〜 お前の母ちゃんとっても美人〜♪ そういう、一見すると能天気としか思えない歌詞だったりするんですが、今年の夏はそんな暢気なことを言っていられないような気がしますな。計画停電で冷房も使えなくなったりするとか? 冷房が駄目なら、いったい何にすがればいいんですかね? レインボーか? レインボーマンにすがるしかないのか!? かなり暑苦しいぞ、ヤマトタケシ。あまりすがりたくはないんですが、スガシカオにすがるほうが、まだマシかも知れません。 で、演奏のほうはアレです。ミディアム・テンポで、わりとスインギーに料理されておりますな。 ピアノのイントロがなかなかいい感じで、でもって、テーマ部はトランペットのワン・ホーンで演奏されております。 で、そのままテッド・カーソンのソロへと流れていきます。 わりとオーソドックスな吹きっぷりで、若い頃、仙谷クンに走ってた過去からはきっぱりと足を洗った模様でありますが、続くヴィクターのピアノも適度にフェルドマンで、悪くありません。 フエル・ド・ワカメを彷彿させる弾きっぷりでありますな。 いや、フェルド…と書いた時点で、頭の中に 「増えるワカメちゃん」 が浮かんだので、何となくフランス人っぽくしてみたんですが、で、続いてベースのソロが出てきて、最後はトランペットとドラムスの4バースで大いに盛り上がって、でもってテーマに戻って、おしまい。 結局、ペッパー・アダムスは一度も出てこなかったんですが、ライブという晴れ舞台なので、サイドマンに花を持たせてみた花輪クン。そういう趣向なのでありましょう。 何でもいいけど 「花輪くん」 でググると、候補の中に 「花輪くんちの節分パーティー」 というのが出てくるのは、何故なんだぜ? 歴史に名が残るような名作だったんすかね? ちょっと気になるんですが、とりあえず先に進むとして、3曲目。  「ラスト・リゾート」 。 フェル・ド・マンくんのオリジナルです。 リゾートと言えば “離雑踏” なんですが、津島とか一宮とか尾張旭にあるんですよね。リゾートホテルではなくて、すけべホテルなんですけど。 で、 「最後の離雑踏」 というのはどんな感じなのかと思ったら、小粋な小池クン。 そんな感じのナンバーでありました。 というかこれ、フェルドマンを大フィーチャーした、ピアノ・トリオ演奏なんですな。 サイドマンに花を持たせるという次元を通り超して、リーダーがただ手抜きしているだけにも思えたりするんですが、ま、これはこれで悪くない出来なので、とりあえずはよかったと言えるのではなかろうかと。

 で、次。  「ナウ・イン・アワ・ライブズ」 。 アダムスくんのオリジナルです。 「今、僕たちのライブの最中なんだ」 なんて曲をライブでやるとは、なかなか洒落ておりますが、ついでにお土産として 「ライブ最中」 という和菓子を販売すれば完璧ですよね。 で、曲のほうはというと、いかにもライブらしいノリノリのナンバーなのかと思ったら、心に染み入るバラードだったりしたんですが、あるいはライブというのはライブの意味ではなく、 「人生」 なのかも知れません。 アダムスのバリトンサックスが、あたかも人生を噛み締めるかのように響いてきますからね。 これは深いです。 不快ではない深さは深作欣二の映画を彷彿とさせ、で、続くフェルドマンのソロはフエルトペンの匂いを想起させるソーキそば。そんな味わいがあります。 個人的にはソーキそばよりも、ソース焼きそばのほうが好きだったりするんですが、でもって、続いてボブ・マグナッソンのベース・ソロがフィーチャーされて、テーマに戻って、おしまい。 カーソン抜きのカルテット演奏だったんですが、いやあ、普通によかったっす。 で、次。  「オレオ」 。 俺よぉ、オレオが好きなんだよぉ。 そういう人は少なくないと思うんですが、美味しいですよね、ナビスコのオレオ。 一方、ソニー・ロリンズのオレオのほうは別に好きでも嫌いでもないんですが、こういうライブの場で取り上げると、盛り上がること間違いなし。 アダムスくんはカーソンと相談して、この曲を取り上げることにしたそうですが、それは大切なことですよね。 鶏を唐揚げる時、カーチャンと相談するのと同じくらい大切です。 2人の思惑が一致した結果、何ともエキサイティングな演奏が繰り広げられております。 個別のソロに関しては面倒なので詳しくは触れませんが、とにかくみんないい感じで、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。  「ドクター・ディープ」 。 何とも深そうな医者なんですが、アダムスくんが当時治療を受けていた歯医者さんの名前なんだそうで。 養老町あたりに住んでいるジャズマンなら、 「ドクター早崎よ」 という曲を作ったりするかも知れませんな。 グーグルだと 「早崎よ」 と入力しただけで、候補に 「早崎よ歯科」 と出てきたりして、そこまでメジャーになったのかと胸が熱くなる思いがしますが、で、曲のほうもブルージーでディープな味があって、(・∀・)イイ!! いかにも視界良好な歯科医という感じがすると斯界でも評判で、これなら死海に行っても司会者として十分に鹿をシカトすることが出来るでしょう。 鹿なんて、どこに行こうと、どんな職業に就いていようと、勝手にシカトすればいいような気もするんですが、個別のソロに関しては面倒なので詳しくは触れません。 とにかくみんないい感じで悪くなくて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 5人揃った賑やかなナンバーから、ピアノ・トリオによる演奏まで、バラエティに富んだ演奏で、最後まで飽きさせません。 普段は “バーモントカレー中辛” くらい辛口な僕なんですが、すべての曲がよかった♪ そのような評価を下すに、吝かでありません。 1983年の録音だからって、そんなの、まったく問題では無かったですなー。 河合奈保子に、本当のオトナの音楽というモノを教えてやったぜ! そんな気分にさせてくれる1枚なのでありました。


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