SOUL JAZZ (COLUMBIA)

GEORGES ARVANITAS (1960)

SOUL JAZZ


【パーソネル】

BERNARD VITET (bugle) FRANCOIS JEANNEAU (ts)
GEORGES ARVANITAS (p) MICHEL GAUDRY (b) DANIEL HUMAIR (ds)
【収録曲】

(01-03) THIS HERE / BEMSHA SWING / OBLIVION
(04-06) SONNY MOON FOR TWO / MISTER X / POCO LOCO
(07-09) BOHEMIA AFTER DARK / MONK'S MOOD / BOUNCIN' WITH BUD
【解説】 ( 2011年02月27日更新 / 連載 970回 )

 懐かしい 『ムー』 が見つかりました。どこで見つけたのかというと、赤坂見附…ではなくて、桑名の自宅の学習机の足元の収納スペースの部分なんですけど。 ちなみにこの “赤坂見附ネタ” はイカにも応用出来ますよね。 イカを煮付けました。どこで煮付けたのかというと、赤坂煮付け…って、それだけだと何のことだか分からなくて、イカには応用出来ないことが判明したんですが、ちなみにこの学習机はですね、ここ20年ほど学習の用途に用いた実績はなく、もっぱら単なる雑品置き場として利用しております。 その隣にあるパソコン用のデスクも同様で、パソコンや学習はもっぱら、勝原トンネル…ではなくて、桑名の自宅の自分の部屋のコタツで執り行っております。 勝原 (かっぱら) トンネルって、あまりにもローカルだし、“かつはらトンネル” と読まれちゃったらそれで終わりなので、ネタの素材としてはイカ以下だったな。…と、深く反省しているところでありますが、そのコタツというのがですね、学習机の足元の収納スペースのすぐ前に置かれていたりします。 結果、学習机の足元の収納スペースには目が届かないので、日頃はあまり気にしていなかったんですが、先週、部屋の掃除をするのにコタツをずらした際、ふと目が届いてしまいました。 古い本やら雑誌やらゴミやらが積み重なって埃を被っていて、掃除しろよ!…と思わずにはいられないような状況で、いつも気にはなっていたんですが、あまりにも汚くて目障りなので見なかったことにして、コタツで目隠しをして、終了。 そうこうしているうちに7年余が経過してしまった。そういうスペースだったりするわけです。 そんなことではいけない! 心から反省した僕は、食べ物を反芻したり、反政府暴動に走ったりして、反省の意を表した次第でありますが、で、先日、そのゴミの山の中から1冊の 『ムー』 を発掘した次第なんですが、いつのヤツなのかと思ったら、 2003年11月号。 うーん、何だか微妙ですなー。 今から30年も前の雑誌となれば、1回分の原稿を賄えるくらいの価値がありそうなんですが、たかだか7年前。 無理やり引っ張れば、何とか使えない事もないかも知れない。 そんなレベルでありますな。 仕方が無いのでとりあえず “ジブライト” の話から進めてみたいと思います。

 僕の部屋にはですね、 “ジブライト” があります。 どんなヤツなのかというと、 こんなヤツ 。 いつ買ったのかというと、昭和56年4月28日。 どうしてそんなことが分かるのかというと、購入年月日がマジックで書いてあるからなんですが、何だか無駄に几帳面だったんですな、子供時代の僕って。 昭和56年ということは、西暦に直すと 1981年。 今からちょうど30年前ということになります。 さば君が13歳の時に買ったという事になるんですが、今ではもう作っていないんですかね? 試しにググってみたら、 「じぶ…」 まで入力したところで候補に挙がったのが、じぶんrock、ジブリ美術館、ジブラルタ生命などなど。 ジブライトは出てきませんなぁ。 ローマ字仮名変換でも一発でカタカナにしてくれなくて、 “痔ブライト” などと出てきちゃったりするんですが、とりあえず こんなサイト がヒットしましたな。 『パラふり別館・懐mono』 の No.009 のところに出てきます。 デスクライトのことを、Zライトと総称するのはまだ分かるが、ジブライトと呼ぶヤツ。ジブジブライト ジブライト 自分のライトはジブライト…。 「デスクライトのことを、Zライトと総称するのはまだ分かるが…」 のほうが、意味がよく分からんっ! 自分のライトはジブライト、めっちゃ分かるやんっ! これを書いた人の良識を疑いたくなっちゃいますが、あ、 016. 腕時計のベルトにアルミ・カレンダーをつけてるヤツ。銀行・生保でよくもらった。 あった、あった!確かにそういうカレンダー、あった! 024. 遠足の時、じいさんの形見みたいな軍用風水筒 (モスグリーンの布製カバー付) を持ってくるヤツ。  それ、普通にあったー。みんな持ってたー。僕も愛用してたー。じいさんの形見でも、何でもないっ! 025. おまえなんやねん? 「人間!」 なにしてんねん? 「息!」 って答えるヤツ。 そんなヤツおらんやろー。 026. 教室の電灯スイッチをパチパチして、「ディスコや!」 と、喜んでるヤツ。 そんなヤツもおらんやろー。 結局のところ、アルミ・カレンダー以外にはまったく共感出来る要素の無いサイトであることが判明しましたが、ま、とりあえず13行くらいは引っ張ることが出来て、何より。 ちなみに僕のジブライトは引っ張られ過ぎてバネの部分がヘタってしまって、決して僕の意図した位置には止まってくれなかったりします。

 とまあそんなことで、本題です。 7年ほど前の 『ムー』 にどんな記事が載っていたのかを紹介するという、そういう、ショぼい企画です。乞うご期待! ということで、まずは特別とじ込み付録 『邪気を封じて運気を呼ぶ!光のマントラ護符』 。 そんないいものが綴じ込まれていたのかぁ! 『ムー』 って買うだけ買って、まともに読んだ験しが無かったりするんですが、何故かというと面白くないからなんですけどね。 中を開かずにそのまま放置する事もあるので、どんな特別な付録が綴じ込まれているのか気付かないことも多いんですが、まさか “光のマントラ護符” だったとは! 7年前、これを見逃してしまったばかりに邪気に捕らわれ、運気にも逃げられ、ウンコの話ばかりを書くような、そんな大人になってしまいました。不覚です。深く反省しております。 で、これ、どんなものなのかと思ったら、 こんなもの なんですな。ただの厚紙やん! 学研と言えば 『学習』 や 『科学』 の豪華な付録のイメージが強いだけに、 『ムー』 の付録のショぼさには激しく落胆してしまうんですが、せめて “石膏で作る立体・光のマントラ護符” だったらよかったのにー。 ま、頑張ってそんな付録にしてみたところで、石膏が固まるまで待ち切れずに生乾きの状態で型から出そうとして、粉々に粉砕。 そういう失敗作が出来ちゃうのは目に見えているんですけどね。 “石膏で作る大判小判” も “立体日本地図” もゴミ箱送りにしちゃった僕が言うんだから、間違いありません。 で、この厚紙はいったい、どうやって使えばいいのかと思ったら、野外で自然浴を行う際に東西南北の四方にマントラ護符を置いて、できれば自分の体の前面と後面 (懐と背中) にも両面テープで貼り付けて、結界を張るのに使うんだそうで。 運気は呼べるのかも知れませんが、周囲から人が去っていっちゃうでしょうな、こりゃ。 修行の道は厳しいです。

 で、続いては総力特集です。 『憑き物の謎と妖魔の真実』。 ムーの総力特集はムーの人達が総力を挙げて取り組んだものだけに、期待の度合いも大きいんですが、号によって当たり外れが大きかったりします。 というか、僕の興味の系統がかなり限られているので、八割方はハズレだったりするんですが、UFO系と河童系くらいなんですよね、僕が積極的に読もうという気になれるのは。 大本教とかは駄目です。出口王仁三郎とか、名前が強引過ぎるにも程がありますよね。 普通に出口三郎でいいぢゃん。…という思いが先に立って、中身にまで踏み込む気になれないんですが、で、今回の憑き物系はどうなのかというと、購入当時に読んだ記憶がまったくないので、恐らくソソられるものがなかったのでしょう。 で、今回、ざっと中身を見たところ、稲荷の祠を取り壊して、タヌキを汁にして食ったオッサンが、キツネとタヌキの双方にダブルで取り憑かれた。 そんな話が載っておりました。 そりゃ、憑かれもしますわいな。 が、よくよく考えたら稲荷の祠を壊したのはともかくとして、狸汁のほうはアレですよね。 僕もよく、牛さんを薄切りにして炭火で焼いたり、豚さんをブロック状にして衣をつけて油で揚げたり、鶏さんを細切れにして串に刺してタレと塩で味付けしたり、サバさんを味噌で煮込んだりして食っているんですが、ちょっと食ったくらいでいちいち取り憑かれていては、面倒で仕方ありません。 食われたほうは、運が悪かったと思って諦めて貰うしかないと思うんですよね。 インパラとか、ライオンの餌になるために生まれて来たような生き物もいたりするワケだしー。

 ということで、総力特集に関しては以上です。 微力ながら、スペクタクルな憑き物世界の一端を浮き彫りにすることが出来たのではないかと自負しておりますが、続いてはえーと、 『2003年10月、世界大戦の秒読み!封印されたマザー・テレサの預言』 って、マジっすか!? マザー・テレサというのはアレですよね。 テレサ・テンのお母さん。 多分、そういう人なんだと思うんですが、1997年の時点で、2002年8月から、疫病がアジアに蔓延するだろう。最初は保健機関は無視するだろう。しかし、疫病は拡大し、犠牲者は急増、多くの魂が生け贄になる。 そんな預言を残していたんだそうです。 で、その 2002年には何が起こったのかというと、新型肺炎SARSの蔓延。 おお、的中してるやんっ! 試しに 「SARS マザー・テレサ」 でググってみたら、 鬼塚五十一先生のビデオ がヒットしたんですが、51歳にもなって、しょうもない講演をしているんですな、 鬼塚センセイ。 いや、もしかしたら五十一というのは年齢ではなくて、名前なのかも知れませんが、ヨハネ・パウロ2世の亡き後の教皇として預言された 「オリーブの栄光」 と 「ペトロ2世ロマーノフ」 とは? えー、ベネディクト16世はー? で、五十一クンも講演で述べたようですが、テレサたんは中東戦争も預言していたようですな。 ムーの記事に詳しいんですが、 2003年10月に、中東で戦争が勃発するだろう。それはとても有名な人物の暗殺から始まる。このショッキングな出来事は、アメリカに対抗する者たちの自爆攻撃を起こすだろう。…って、これは、も、もしかして、 “911テロ” の預言だったりするとか!? 一瞬、背中に戦慄が走ったんですが、アメリカ同時多発事件が起こったのは 2001年ですよね。 後付けで適当に書いたとしか思えなくて、背中に走った戦慄を返せ! …と思わずにはいられませんが、ま、 2003年10月に誰か有名な人物が暗殺されていたりすれば、テレサを許してやってもいいんですけどー。 その有名な人って、もしかしてアラファト議長? それともアラブ諸国の国王・首長、宗教指導者? あるいはオサマ・ビンラディンだったりするかも? …というのがムーの人の推測なんですが、アラファトも、ビンラディンも、ムバラク大統領も、カダフィ大佐も 2011年2月26日現在、まだ生きてますよね? 果たして、誰が殺されちゃったんでしょう?

 「2003年 事件 暗殺」 で、ググってみました。 もしかして 10月というのは誤差があるかも知れないので、この年に中東で誰かが暗殺されていたりしたら、テレサ、凄ぇ! …と称賛しておこうと思うんですが、まずは、ロムロ・キンタナール元新人民軍司令官暗殺。 この微妙にキンタマっぽい司令官はフィリピンの人なんすかね? 中東ではありませんな。 次。 ゾラン・ジンジッチ・セルビア共和国首相暗殺。 人事のもつれが原因かも知れません。 イラク戦争に伴い、米中央情報局、米軍特殊部隊で構成される特殊任務部隊がイラク国内に潜入、要人暗殺などの作戦を展開、数名のイラク高官を暗殺と報道。 …!? パレスチナのハマース指導者イスマイル・アブー・シャナブ暗殺。 …!!? イラク・イスラム革命最高評議会ムハンマド・バーキル・ハキーム暗殺。 パレスチナのハマース創設者アフマド・ヤースィーン師暗殺。 あ、よく見たらヤースィーン師の事件は 2004年3月でしたが、これも誤差の範囲だと考えることが出来て、アラブ諸国の宗教指導者、暗殺されまくりやんっ!! というか、イラク戦争が勃発したのって、2003年3月やんっ! 半年ほどの誤差があるとはいえ、マザー・テレサ、恐るべしっ!!

 …と思ったんですが、よくよく考えてみると、このムーは 2003年11月号なんですよね。 9月に発売されたんだとしても、既にイラク戦争は勃発後です。 後付けで適当に預言をでっちあげたんでしょうな、多分。 またしても一瞬、背中に戦慄を走らせてしまった己を恥じる次第でありますが、ということで最後に、とっても素敵な腕時計を紹介しておきましょう。  これ です。表紙の裏側という、めっちゃ広告料が高そうなスペースに載っていたんですが、まだこんな商売をしていたんか、ユリ・ゲラー! 写真では細かい説明文まで読めないと思いますが、無理して読む必要はありません。大したことは書いてないしー。 何でもいいけど今回のみのスペシャル特典として、 「商品があなたのお手元に届いた翌月の (日本時間) 11日午前11時11分にイギリスからユリ・ゲラー氏がパワーを送ります!!」 って、凄ぇー! 「日本国内独占販売!!限定各 111本限り!!」 らしいし、どうやら “11” という数字には素晴らしいパワーが秘められているようですな。 ちなみに僕が住んでいる家の住所は 111番地だったりするんですが、だったらもっといい事があってもいいような気がするんですけど。 「カッコイイ時計ね!!」 で話がはずみ、意中の彼女をGET!! (斎田慎吾・22歳・静岡) …いった素敵な体験が、どうして僕には起こらん!? 7年前、この時計の存在に気付いていれば、今頃はウハウハの人生だったろうに。。。  自分の迂闊さが無念でなりませんが、ちなみにこの “水晶院” という会社の名前を Google に入力すると、 「詐欺」 という単語が勝手に追加されそうになっちゃうんですが、決してユリ・ゲラー時計が詐欺だというワケではありません。 水晶院で風水の開運グッズを買ったら、詐欺の電話とか変なキャッチセールスが来なくなった! そんな喜びの声で満ち溢れておりますので、ご安心を♪

 とまあそんなことで、今日はジョルジュ・アルヴァニタスなんですが、君はジョルジュを知ってるかな? 僕は知ってます。 ジョルジュと聞いて、ジョルジュ・サンドという言葉が脳裏に浮かんだんですが、それって何でしたっけ? サンドイッチの一種? あ、フランスの女流作家っすか。 ということはつまり、ジョルジュ・アルヴァニタスも仏人なんだと思いますが、“GEORGES” と書いて、ジョージの複数形…ではなく、ジョルジュ。 山本譲二も2人以上だと “山本ジョルジュ” になるんですな。 何だかちょっとオシャレ♪ ちなみに “2ちゃんねる” で良くみる このキャラ 、“ジョルジュ長岡” という名前だったんですな。ちっとも知りませんでした。 で、長岡ではないアルヴァニタスのほうのジョルジュはというと、フランスが生んだバップ系ピアニスト。 そういうキャラのようですね。 で、今日はそんなジョルジュの 『ソウル・ジャズ』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、 澤野工房 から出ているヤツです。 ジャケ絵を描くのが面倒そうなので、出来れば無かった事にしておきたかった1枚なんですが、内容が悪くなかったので、仕方がありません。 覚悟を決めて取り上げたいと思うんですが、これ、メンバーは今ひとつですよね。 欧州人ばかりなので、知名度の点で劣るのは、やむを得ません。 が、これ、演奏曲がいいんですよね。 五臓六腑に叩きつけられる、ファンキー・ジャズ! 忘れかけられていた、熱きバップ魂が再び燃え上がる・・・ アルヴァニタスの最高傑作・遂に覚醒! ここまで焚き付けられると買わないワケにはいかないんですが、 「ジス・ヒア」 「ソニー・ムーン・フォー・ミー」 「ボヘミア・アフター・ダーク」 といった演目に、思わず釣られてしまいます。 澤野クンの思う壷でありますな。 “ビューグル” などという謎の楽器が入っているのも興味深いんですが、調べてみたら こんなヤツ なんですな。 こんなのでどうやって音程を変えるのか、不思議でならないんですが、Wikipedia によると、フランスではクレーロン (仏: clairon.日本語ではクラリオンとも表記) が当項で詳述するビューグルに相当し、一方ビューグル (bugle) と呼ばれる楽器はフリューゲルホルンに相当する。…とのことでありまして、何のことはない、普通のフリューゲルホーンだったりするみたいなんですけど。

 とまあそんなことで、1曲目です。 ボビー・ティモンズの 「ジス・ヒア」 。 これはアレです。 「これはここ」 。 恐らく、そういう意味ではないかと思うんですが、これはここ〜、行くも帰るも別れては〜、知るも知らぬも逢坂の関〜。 ちょっぴり蝉丸チックで、悪くないですよね。 で、演奏のほうはというと、超オーソドックスな仕上がりとなっておりまして、ピアノによるイントロに続いて、2管のユニゾンでテーマが演奏され、以下、参加者各自のソロがフィーチャーされるという。 アドリブ・パートの最初に登場するのは、問題のビューグルでありますな。 音を聞いた限りでは確かにフリューゲルホーンっぽくて、で、このバーナード・ヴィテットとかいう人のプレイはファンキーな味があって、悪くありません。 続くフランコイズ・ジーネアウー (?) とかいうテナーもいい感じにドライブしてるし、アルヴァニタスのピアノも適度に黒っぽくて、後半には2管のユニゾンが絡んで、それなりに盛り上がったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 五臓六腑に叩きつけられる、ファンキー・ジャズ! …という割には、ややあっさりとした仕上がりでありましたが、ま、無難な立ち上がりではなかったかと。

 で、次。  「ベムシャ・スイング」 。 セロニアス・モンクの書いた変な曲で、個人的には何となく妖怪人間ベムが素振りをしている絵面が浮かんでくる作品だったりします。 すげぇ違和感があるんですけどね、体育会系のベム。 演奏のほうはビューグルという楽器の持つ息苦しさを全面に押し出したテーマ部に続いて、以下、参加者各自のソロがフィーチャーされるという、そういうアレだったりします。 アドリブ・パートの最初に登場するのはビューグルの人のなんですが、宇宙犬ビーグル号の冒険を思わせるようなワクワク感こそないものの、バター犬のような妖しさは多分に感じられ、で、続いてミシェル・ガウドリー(?)とかいう人のベース・ソロがフィーチャーされて、終盤、そこに2管が地味に絡んで来て、でもって、テーマに戻って、おしまい。 熱きバップ魂は早くも鎮火傾向でありますが、ま、今後の経緯を注意深く見守ることにして。

 で、次。  「オブリビョン」 。 あまりよく知らん曲なんですが、バド・パウエルのオリジナルのようです。 純粋なトリオ演奏ではないんですが、管楽器の人たちの出番はお飾り程度でありまして、アルヴァニタスのピアノ、そしてダニエル・ヒューマー(?)とかいう人のタイコを前面に押し出した、そういうアレでありました。 とりあえず熱きバップ魂は再燃したようで、何よりなんですが、何でもいいけどフランスの人って、名前の読み方が分かりづらくて、その点だけは何とかして欲しいですな。仏人1号とか、フランソワーヌ3世とか、そういうのにしていただけると助かります。 で、次。  「ソニー・ムーン・フォー・トゥ」 。 「2人の為の坊やの月」 ですか。 坊やというのは誰の事かというと、ロリンズっすよね。 曲そのものは極めてシンプルなリフ物でありまして、リスや裸婦ほどにはソソられるものがないんですが、アドリブの出発点としては、こういう単純なヤツのほうががよかったりするんでしょうな。 2管のユニゾンによるテーマ部に続いて、仏人1号・2号・3号の各自が、ドライブ感に溢れた軽快なソロを披露してくれちゃってます。 …といった展開に期待してたら、最後のビューグルの人は、思ったほど爽快な出来ではなかったりしたんですが、変に奇を衒わずに、トランペットとかコルネットにしておいたほうがよかったんじゃないっすかね? ま、バーナード君も後半に入ると、それなりに頑張ってくれているので、全体の出来としては悪くない仕上がりだったりするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次。  「ミスターX」 はマックス・ローチのオリジナルです。  “スパルタンX” というファミコンのゲームではラスボスとして活躍してくれましたよね、ミスターX。 あらゆる武術を身につけた史上最強の敵!…と銘打っておりながら、ローキックの連発であっけなくヤラレちゃうと ここ の後半に書かれておりますが、詳しい攻略法に関しては ここ を見て貰うとして。 しゃがみキックを連打していれば安全と言う訳ではなく、運が悪ければ (稀にですが) 負ける事もあります。…って、さすがは史上最強の敵だけあって、手ごわいですなぁ。。。 で、曲のほうはというと、なかなかカッコいい感じの仕上がりで、テーマの直後に登場するアルヴァニタスのソロが、なかなかいい感じに燃え上がってます。 続いて、ビューグルとテナーの8バースが出てくるという演出も凝ってるし、2管のバトルはやがて4バースへと転じて、で、最後はドラムのソロで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、短いながらも充実した、いい出来でありました。

 ということで、次。  「ポコ・ロコ」 。 パウエルのオリジナルのようです。 そんな曲、あったっけ? …と思ったら、 「ウン・ポコ・ローコ」 なんですな、こりゃ。 普通、そっちを略すか? 日本人なら 「ウン・ポコ」 やろ!? そう思わずにはいられませんが、フランス人の感覚というのは理解不能でありますな。 ま、演奏のほうは普通にウンポコなので別にいいんですが、2管ウンポコというのも、これはこれで悪くないですなー。 アドリブ・パートでは、アルヴァニタスのパウエルっぽい弾きっぷりが最大の注目点でありまして、というか、それ以外のソロは無くて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ボヘミア・アフター・ダーク」 。 オスカー・ペティフォードの代表作でありますな。 ハゲの癖に、いい曲を作ってくれたと感謝せずにはいられませんが、ここでの仏人達の演奏は、オーソドックスにファンキーしてるな。 そんな感じの仕上がりだったりします。 ベースの人の活躍も光っていて、で、おしまい。

 今日の僕はそろそろ、解説が面倒な年頃になりつつあるんですが、残すところあと2曲です。頑張りましょう。 ということで、8曲目。  「モンクス・ムード」 。 モンクのムードに溢れた仕上がりとなっております。 で、ラスト。  「バウンシン・ウィズ・バド」 。 バドと一緒にバウンシン♪ そんな仕上がりです。 とまあそんなことで、今日はおしまい。

【総合評価】

 五臓六腑に叩きつけられる、ファンキー・ジャズ! 忘れかけられていた、熱きバップ魂が再び燃え上がる。 それって、ちょっと過大広告ちゃう? そんなふうに思っていた時期が僕にもありました。 出だしの4曲目あたりまではそうでした。 澤野工房って、ジャズ界の水晶院かよ!?…みたいな。 が、史上最強のハード・バップ・チューン、 「ミスターX」 が登場した頃から風向きが変わりました。 熱きバップ魂が再び燃え上がっているぜ! …ということで、後半の出来に関しては文句の付けようがありません。モンクの 「モンクス・ムード」 もいいです。フランコイズ君のテナーがコルトレーンっぽくて、いいです。 ウンポコとハゲの曲もいいし、で、改めて1曲目から聴き直してみると、最初はちょっとアレかと思っていたビューグルもまったく問題は無かったし、 「ジス・ヒア」 も普通に蝉丸だったし、とまあそんなことで、お薦め♪


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