STOCKHOLM SESSIONS (ENJA)

ERIC DOLPHY (1961/9/25,11/19)

STOCKHOLM SESSIONS


【パーソネル】

ERIC DOLPHY (as,fl,b-cl) IDREES SULIEMAN (tp) <#3,5,6>
KNUD JORGENSEN (p) <#1,2,7> RUNE OFWERMAN (p) <#3,5,6>
JIMMY WOODE (b) <except #4> STURE KALLIN (ds) <except #4>
【収録曲】

(01-03) LOSS / SORINO / ANN
(04-05) GOD BLESS THE CHILD / ALONE
(06-07) GEEWEE / DON'T BLAME ME

【解説】 (2010年04月11日更新)

 23時30分ちょうどの 「鳥羽2便」 は 10分ほど送れて桑名駅に登場しました。 このバス に乗るのはこれで3回目なんですが、今までは帰りだったんですよね。 池袋駅東口を 23時20分に出る 「鳥羽3便」 はいつも定刻通りだったので安心しきっていたんですが、使えない奴ですな、2便。 これならまだ尿瓶(しびん)のほうが使えるような気がするんですが、おまけに座り心地も今ひとつでありました。ついでに膝のあたりが何だか薄ら寒かったりもして、ぐっすり熟睡することが出来ませんでした。 2回目の休憩の時、双葉SAで降りて、バスに戻って、シートに座って、動き出して5分ほどして、気付きました。 膝掛け、あるやん! シートの上に膝掛けが用意されていたんですが、そうとは知らず、ずっとその上に座っていたんですよね。 道理で座り心地が悪かったんですなー。 で、膝のあたりが薄ら寒かったんですなー。 納得♪ 気付いた時には既に、道は半ばを過ぎていたんですが、とまあそんなことで、6時40分頃、大宮駅に到着〜。 熊谷基地 に行くにはここから高崎線に乗って籠原駅というところで降りればいいんですが、今回の 「さくら祭り」 のスケジュールは こう なっておりました。 何だかこう、開門前から頑張って並ぼうという意欲が、まったく沸いて来ませんな、こりゃ。 ま、航空祭ではなく、あくまでもメインは “桜” なので、こんなもんなんでしょうが、そっちがその気から、こっちにも覚悟があります。 さくら祭りの前に、他のところの桜も見に行ってやるぅ!


<唐沢川の桜堤> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 調べてみたところ、熊谷にはよさげな桜の名所がありました。 熊谷桜堤 でありますかー。 熊谷駅から徒歩 5分と、交通も尿瓶。 いや、至便。 しかも 「さくら名所100選」 。 これはもう、行くしかありません。 とまあそんなことで、行くのはヤメました。 いや、何となく唐沢川の桜堤のほうがいいかな?…という気がしたからなんですが、唐沢俊一クンには何かとお世話になってますからなぁ。 うちのサイトに書いたUFOネタを著書に引用して貰ったりとか。 深谷駅から徒歩1分と、交通のほうもこの上ない至便っぷりだし、 クオリティ埼玉 でも、穴場だと絶賛されております。 穴場と言えば吉見百穴というところも穴場っぽくてよさそうなんですが、許せる所要時間は、自宅から1時間程度だったら行く価値あり!…ですか。 自宅から桑名駅まで、既に路線バスが終わっている時間だったので、徒歩で約30分。 発車時刻の15分前には集合しろと書いてあったし、途中、急な腹痛で2回便所に駆け込んで2便に乗り遅れたりすると困るので、30分余裕を見て1時間前に家を出たら、バスは10分遅れて到着してくれたんですが、バスに乗り込んだ時点で吉見百穴に行く価値は無くなったことになりますな。 じゃ、やめるぅ〜。

 ということで、唐沢川の桜堤に行ってみました。 深谷駅って、どこ?…と思ったら、籠原駅のひとつ向こうだったので、場所的にも好都合だったんですが、いやあ、無駄に立派でしたなぁ、深谷駅。 何でも東京駅を真似して、表面だけ煉瓦造りっぽくしたそうですが、どうしてそんなことをしたのかというと、深谷にある日本煉瓦製造会社で製造された煉瓦で東京駅が製造されたという、そういう経緯によるものなんだそうです。 桑名にある養老鉄道の下深谷駅も頑張って 「しぐれ城」 風に改築して欲しいところですが、ま、乗降人員 1,174人/日程度では、やるだけ無駄ですか。 とまあそんなことで、 (写真・いちばん上) は、桜と深谷駅を絡めてみました。 で、 (写真・上から2番目) は、ここの定番らしい赤い橋と桜を絡めてみました。  (写真・真ん中) は土手に菜の花が咲いていたので、それを後ボケにして桜と絡めてみました。 で、唐沢川にはカモたんがいましたので、とりあえず撮ってみました。 (写真・下から2番目) が、それです。 カモたんは時折、 こんなふう にシンクロナイズドスイミングを披露してくれたりもして、カモ、可愛いよ、カモ♪ で、近くには下台池公園というのがあって、釣り人が多数沸いておりましたので、 (写真・いちばん下) では、釣りをしている爺さんと桜を絡めてみました。 とまあそんなことで、唐沢川の桜堤はアタリだったと評価していいと思います。


<熊谷基地さくら祭り> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、熊谷に戻って、基地と思われる方角に向かって歩いていると、ヲタ丸出しのおっさんに 「基地ってこっちですかぁ?」 と声を掛けられました。 首からカメラをぶら下げて歩いていたので、同類と思われてしまったようで、不本意です。 「みんな、あっちに歩いて行くから、あっちの方とちゃいますか?」 と、適当に答えて、それでお別れしようと思ったんですが、基地までの間、ずーっと話しかけて来て下さいました。 個人的な3つのマニフェストがどうちゃらとか、昔、刑務所にいたことがあるとかどうとかこうとか。 無視するのも大人気がないので、適当に話を合わせておいたんですが、刑務所のほうはアレです。 友達のお父さんが刑務所勤務だったので、その関係でどうちゃら。…といった、基本的にどうでもいい話でありました。 「三浦和義 (←ロス疑惑) にも会った。」 とか言ってましたが、それが何?自慢??? 僕の自慢と言えば “磯じまん” という海苔の佃煮を食ったことがあるくらいなので、ちょっぴり悔しかったんですが、悔しいので基地に入ってすぐ、その辺に展示してある用廃機を撮影する振りをして、何とか尾行をまくことに成功しました。 とりあえず落ち着いたところで撮影開始〜。 まずは (写真・いちばん上) 。 用廃機と桜を絡めてみました。 で、 (写真・上から2枚目) 。 陸軍っぽいミニタリー車と桜を絡めてみました。 で、そうこうしているうちに、いよいよ展示飛行の開始〜。 ま、そうこうするまでに2時間くらいかかったんですが、砂場の横に腰を下ろして、基地内のデイリーヤマザキで買ったサンドイッチを食べたりしながら、のんびり飛行開始を待つというのも悪くないです。 それはそうと、どうしてこんなところに砂場があるんや?…と思ったら、隊員が走り幅跳びの練習をする場だったんですな。就職してまで走り幅跳びとは、体育が大の苦手だった僕にとっては地獄のような職場なんですが、自衛隊の皆様、今日も鍛錬、お疲れ様っす。

 ということで、 (写真・真ん中) 。 ヘリコプター “CH-47J”、通称“チヌーク”、愛称 “チヌたん♪” の機動飛行であります。 機動飛行と呼べるほど激しく飛行したわけではないんですが、非行に走った少年が更生しそうな飛行は披露してくれました。 僕は極度の高所恐怖症&乗り物酔い症で、高いところでグルグルというのが大の苦手ですからね。こんなものに乗せられるくらいなら、俺、今から真面目になるよ! 明日からちゃんと学校にも行くよ! 思わず、そう行ってしまうに違いありません。問題児にはやはり、自衛隊か戸塚ヨットスクールがいちばん♪ とまあそれはそうと、このチヌたん、この角度だと、ライトとその下の模様が目と口のように見えて、何だかカワイイ♪ ちなみにこのチヌークというのは輸送ヘリなんですが、恐らく血抜きしたチヌ (←黒鯛の別名?) を運んだりするんでしょうな。 で、続いては “UH-60J” による救難展示。 (写真・下から2番目) です。 いつもの航空祭の救難展示は、何かあっちのほうでゴソゴソやってるな。…といった程度にしか見えなかったりするんですが、ここは距離が近くてサバイバー (←要救難者) の顔まではっきり分かって、いいですなー。 倒れているのはガイジンさんっぽいですね。スキーでコケて、足の骨でも折りましたかね? この後、この兄ちゃんは空中に吊り上げられてヘリコプターに収容され、で、そのヘリは最初に倒れていた地点から100mくらい離れたところに着陸することになります。 これならわざわざヘリに出動して貰わなくても、そのまま地上をズルズルと引きずったほうが早かったんじゃないか?…という気がしないでもないんですが、ま、これはあくまでも模擬展示なので、本当なら青木記念病院とかに搬送することになるんでしょうけど。 で、 (写真・いちばん下) はヘリが着陸しようとしている姿を捉えたものです。 望遠レンズの圧縮効果で、桜の木の上にヘリが乗っかってるようにも見えますな。 ちなみに、この日のグランド周辺の桜は5〜7分咲きといったところでしょうか? もし、満開を少し過ぎた時期だったら、ヘリのダウンウォッシュで桜吹雪が舞い散ることになったと思うんですが、そこのところがちょっぴり残念。。。

 この後、ブルーインパルスの飛行展示もあったんですが、不出来な写真しか撮れなかったので、今回は省略。 天気予報をみる限り、晴れっぽい?…という感じだったので期待してたんですが、実際はドン曇りだったしー。 おまけに、えらく寒い1日でありましたな。 で、その後、 “T-7” と “C-1” と “F-4” の展示飛行があったんですが、恐らく航過だけで大した事はないと踏んで、電車が混まないうちに、早めに引き上げることにしました。 ブルンパスは水平系の科目だけで、ちょっぴり物足りないし、おまけに途中、上空に邪魔が入ったようで、何だか間延びしちゃったし、航空無線もとぎれとぎれしか入らなくて、やや消化不良気味ではありましたが、ま、桜もそこそこ咲いてたし、概ね満足♪ で、今回の最大の収穫はですね、 これ です。 ちーず大福♪ 屋台で売っていたので何となく買ってみたんですが、大福と言ってもアンコ系ではなくて、餅の中にはクリームチーズが入っておりました。 半冷凍状態で売られていたのか、1時間ほど放置して食べたら、中のチーズがちょうどアイスクリームみたいになってました。 「雪見だいふく」 のチーズ味みたいな感じで、おいちい♪ めっちゃ、おいちい♪ 家に帰って調べてみたら、 ここ が作っているんですな。 ノーマルタイプの ちーず大福 のところに 「男性に人気」 とか、 「とくに10代後半〜30代前半の方、感動してます」 とか書いてあるんですが、40代前半の男性の方である僕も、感動しました。 こんなに感動したのは浣腸されて以来と言っていいかも知れませんが、足の骨を折った時、手術の前にされちゃったんですよね、浣腸。 いや、ぜんぜん感動的ではなくて、単なる屈辱だったんですけど。 ちーず大福は まるマちゃん も褒めておりますが、 「オジロファントム」 とか 「ヘリの帰投」 とか、なかなかのヲタっぷりでありますが、勝手にブログのリンクを貼ったりして、申し訳ありません。 そのうち、きっとアクセス解析から辿られて、僕の悪行がバレちゃうに違いありませんが、あの会場にこんなギャルがいたんですなー。 どうせならムショ帰りのオッサンではなく、まるマちゃんに声を掛けて欲しかったと思わずにはいられません。

 ということで、ブルンパスが終わった時点で会場を後にしました。 来る時はストーカーのおかげで、それどころじゃなかったんですが、帰り道はGPSでログを取ってみました。

熊谷基地アクセス(平面図)♪ 熊谷基地アクセス(断面図)♪

 思ってたよりも遠いなぁ。…という気がしていたんですが、基地の中からだと3キロくらいあったんですな。所要時間は約40分。ちょっと疲れました。。。


<熊谷桜堤> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 今回の僕の行程表は このように なっておりました。寸分の隙もない完璧なプランでありますな。 さすが、血液型がA型♪…と思わずにはいられませんが、基地から駅までが意外と遠くて、14時28分発の秩父鉄道に乗り遅れました。ああん。。。 長瀞かたくりの郷 は諦めなければなりまませんな、こりゃ。 こうなったらもう、熊谷桜堤に行ってやるぅ! …ということで、行ってみました。 花見客で、めっちゃ盛り上がっておりました。 人多過ぎで、ゆっくり写真を撮るには不向きな 「さくら名所100選」 でありますな。 いやあ、朝のうちに穴場の唐沢クンのほうに行っておいて正解でした。 ということで、作品のほうは芸術性、皆無です。 もはや、真面目に解説を付ける気にもなりませんが、ここでちょっと気になったのが 「焼きまんじゅう」 。 基地の外に出ていた屋台でも売っていたんですが、群馬の名物なんすかね? 見た感じ、饅頭というより、大きな団子みたいな感じで、ちょっぴりソソられるものがありました。 が、今、ここでこれを食っちゃうと、 かんぽの宿・寄居 の晩飯が食えなくなっちゃうこと、必至。 いやあ、デイリーヤマザキのサンドイッチなんかやめて、基地外の屋台で買っておけばよかったですなぁ。 あの時はオッサンをまくことばかりに気を取られて、そこまでの余裕が無かったんですよねー。 で、桑名の金魚祭りの屋台では見かけない食い物として 「きゅうり一本漬」 というのもあったんですが、これも群馬名物??? あ、でも、よく考えたら熊谷って、群馬ではなくて、埼玉ですよね。 ということは別に、焼きまんじゅうなど食わなくても、まったく問題はなかったわけですな。 いやあ、デイリーヤマザキのサンドイッチにしておいて正解でした。…って、ま、それが埼玉らしい食い物だとは、まったく思えないんですけど。 とまあそんなことで、僕の深谷&熊谷観光は、おしまい♪

 今回、新たに Panasonic HDC-TM300 というデジタルビデオカメラを買ったので、ちょっと試し撮りしてみました。 無駄に重いので、時間と気持ちに余裕のある人は、右クリックで動画ファイルを保存するなどして、試しに見てやってください。

  ★熊谷基地さくら祭り 2010年4月4日 (高画質版) ★ ( 640×480 : 137MB )

  ★熊谷基地さくら祭り 2010年4月4日 (低画質版) ★ ( 640×480 : 64MB )

 編集するのにえらく時間が掛かって、労力の無駄でありましたが、最後のシーンで何となく、砂場の近くで見ていたんやな。…というのが、お分かり頂けたのではなかろうかと。 それ以外には大した見所もないので、わざわざ時間を掛けてダウンロードするまでもないような気がするんですが、それはそうとヘリで吊り上げられるのって、やっぱり嫌そうですなぁ。。。 クルクル回らないように下からロープで引っ張ってはくれてるみたいなんですが、安定感がなさそうで、めっちゃ怖そう&気持ち悪そう。。。 横に100m移動するだけのことなら、這ってでも自力で何とかしたいところなんですが、 ま、足を骨折してたりすると、なかなかそういうワケにもいかないんですけど。 一度、元気なうちに経験しておくと、いざという時の心構えが出来て、いいと思うんですけどね。 こういうイベントの際、ガイジンに頼むのではなく、要救難者を観客の中から選んで、実際にやらせてみるとうのはどうですかね? 名付けて、 “吊るし上げ体験” ♪ 三浦和義と顔見知りのオッサンとか、もう、籠原駅から出た時点で即座に身柄を拘束して、吊るし上げて頂きたいところなんですが、とまあそんなことで、この話の続きは、次回♪

 ということで、今日はエリック・ドルフィーなんですが、いやあ、久しぶりにメジャー系の登場ですな。 このところ、無理に地味でマイナーなキャラを選んで、結果、失敗に終わることが多かったんですが、もう大丈夫。 ドルフィーがきっと、何とかしてくれます。 もしドルフィーが駄目だったとしても、ドルーピーがきっと、何とかしてくれます。 面白かったですよね、 『トムとジェリー』 の真ん中。 で、今日は 『ストックホルム・セッションズ』 というアルバムを紹介したいと思います。 名前を見ると、何だかライブ盤っぽい感じがするんですが、そーうではないっ! (← 「天才クイズ」 の博士風に。) もし、桑名市民会館での収録で、「桑名市出身のマラソン選手と言えば、宗兄弟で、ある?」 という問題が出されたりすれば、博士はきっと力強く、 「宗ではないっ!」 と全否定してくれるに違いありませんが、ここに収められた演奏は、ドルフィーがヨーロッパ滞在中の1961年にスウェーデンの首都ストックホルムで録音されたもので、死後に発表された貴重な遺産とも呼ぶべき内容である。…と、日本語ライナーで佐藤秀樹クンが書いているような演奏が収められております。ライブでもないのに、何故このような演奏が行なわれたのか、その経緯はサダカではないんですが、共演者も基本、地元のスウェーデン人である模様です。 スウェーデンと言えば学研の 『中一コース』 だか 『中二コース』 だか 『中三コース』 だかに連載されていた、あだち勉(つとむ)の漫画に 「スウェーデン食わぬは男の恥」 というフレーズが出て来たんですが、あれって 「据え膳食わぬは」 の洒落だったのか!…という事に気が付いたのは、もっとオトナになってからでありました。 そもそも 「据え膳」 と言われても中学生には何の事だかよくわからなくて、かなり無理があるやろ、あだち勉!? …と思わずにはいられませんが、よっぽどネタに詰って、苦し紛れだったんでしょうな。 その気持ち、よく分かります。 そんなツトムくんもお亡くなりになってしまいましたが、お亡くなりになったと言えば、木村拓也コーチ、死んじゃいましたなぁ。 くも膜下出血、怖いですなぁ。。。 37歳って、あまりにも若過ぎですよね。 若いと言えばドルフィーも36歳でお亡くなりになってしまったんですが、その死因は糖尿病から来る心臓発作だったようで。 糖尿病も怖いですなぁ。。。 で、この据え膳モノは、そんなドルフィーが33歳だった頃に吹き込まれたもので、ブッカー・リトルと 「ファイブ・スポット」 で熱いバトルを繰り広げていた頃でありますな。 1961年の 9月と11月、2つのセッションが収録されているんですが、その間の10月にはリトルがお亡くなりになるという、悲しい出来事も起きております。 尿毒症の為、23歳の若さで急死って、人間、いつ逝っちゃうか分かったものではありませんなぁ。。。 僕もとりあえずプリン体の取り過ぎには気を付けようと心に誓った次第でありますが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 冒頭から3曲、ドルフィーのオリジナルが続くんですが、まずは 「ロス」 。 ロス疑惑の三浦和義クンに捧げたものではなく、友達であるレスター・ロビンソンという人のために書かれた曲なんだそうですが、初リーダー・アルバム 『アウトワード・バンド』 で演奏されているという情報が日本語ライナーにありますな。 個人的に、ドルフィーと言えばコレやろ?…という気がする作品なんですが、チャーリー・パーカーを出発点としながら、そこからいかにブッ飛ぶことが出来るか、そういう課題を見事に体現したプレイであると言っていいでしょう。 途中、ナッド・ヨルゲンセンというスウェーデン人 (?) のピアノ・ソロも聴けるんですが、いかにも夜の源泉らしい、厳選された音の選び方がとっても源泉徴収。 いちいち確定申告しなくて済んで、サラリーマンはラクだと思います。 以上、 3分58秒という決して長くはない演奏なんですが、ここにドルフィーの真髄が詰っていると僕は思います。 詰っているのはいい事ですよね。脳の血管が詰っちゃったりすると、ちょっと大変なんですけど。

 で、次。 「ソリノ」 。 別名 「セレナ」 とも呼ばれているんですが、セカンド・アルバム 『アウト・ゼア』 の中で聴かれた曲との情報が日本語ライナーにあります。 これ、どっかで聴いたことがあるんだけど、どのアルバムだっけ?…と、いちいち調べる必要がなくて、佐藤秀樹くん、グッジョブ♪ 名前はめっちゃ平凡で、日本中に 1800人くらいはいそうなんですが、試しにググってみても野球の投手とか、理容師とか、行政書士とか、エログロブログの人とか、いろいろ出てきますな。 で、ここではドルフィーはバスクラを吹いておりまして、そもそもアルト編で取り上げるにはやや無理がある気がしないでもないマルチ・プレイヤーですからね、この人。 と言っても、アルトのほかはバスクラとフルートくらいなんですが、そこへ行くと木村拓也はピッチャー以外の全ポジションだから、凄いですよね。 とまあそれはそうと 「ソリノ」 なんですが、剃刀のような剃り (そり) の鋭さを感じさせるアルト・プレイとは違って、この楽器を吹くドルフィーは、重厚で獣行な三菱重工。そういったイメージがあります。 「馬の嘶き」 とか言われるところからも、その獣行っぷりが窺われるんですが、途中、夜源泉な人のピアノと、ジミー・ウッドという地味なウッドベース奏者のソロがフィーチャーされます。 12分00秒というかなり長い演奏で、正直、途中でちょっぴり飽きちゃったりもしたんですが、ま、ドルフィーの持ち味が遺憾なく発揮されていて、ま、いっかぁ。 そんな気がしないでもありません。

 で、次。  「アン」 。 この人のオリジナルは書くのが簡単で、個人的には嬉しいんですが、 「ミス・アン」 という名前で呼ばれることもありますな。 日本語にすると 「アンちゃん」 ですか。 『ひとつ屋根の下』 で江口洋介が演じていましたよね、あんちゃん。 福山雅治は 「チイ兄ちゃん」 ですか。 何か、女の子を誘拐しちゃいそうなキャラなんですが、赤い靴はいてた女の子〜、チイ兄ちゃんに連れられて、行っちゃった〜♪ 「いい爺さん」 や 「ニンジンさん」 に続く新解釈でありますが、ま、人参に連れて行かれるよりは、マシ?…という気がしないでもありません。 少なくとも人間であるには違いないので、根菜類に攫われるよりはいいですよね。 で、曲のほうはと言うと、個人的にはどうしても 「ロス」 とゴッチャになってしまうんですが、 「ロス」 と 「アン」 で、ロスアンゼルスでありますな。 そういえばロスアンゼルスで売られている “あんまん” はアンコがたっぷりで、ちょっと押すと中身がはみ出しちゃうそうですな。 そこでロスアンゼルスの “あんまん” には 「あんまん・イズ・押すアン出るス」 と書かれているんだそうで。 誰がそんなしょうもないことを言ってたのかというと、あだち勉なんですが、いくら中学生相手の漫画だからと言って、投げやり過ぎですよね、今から思えば。 で、ここでの演奏はアイドリュース・シュリーマンが入って2管編成になるところが味噌でありまして、ドルフィーって正直、どれを聴いてもソロが同じだしぃ。…と心の中で思っている人も、新鮮な気持ちでシュリーマンのソロを楽しむことが出来ます。 ブッカー・リトルのような先鋭性こそ無いんですが、安定して地味に頑張ってくれますよね、この人。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目は歌物ナンバーの 「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」 。 バスクラによる無伴奏ソロです。 例の 『アット・ザ・ファイヴ・スポット』 を始め、ライブ物だと必ずと言っていいほどコレが入っているんですが、正直、どれも同じように聞こえて、飽きました。 ということで、次。  「アローン」 。 原盤では となっているが、マル・ウォルドロンの名作としてあまりにも有名な曲。 by 佐藤秀樹。 ということはつまり、 「レフト・アローン」 であるわけですな。 こりゃ、楽しみ♪ で、ドルフィーはフルートを吹いておりますな。 この楽器を手にした彼は変態系から一転、ロマン派へと変貌を遂げるわけでありますが、ベースの弓弾きだけをバックに切々の歌い上げるテーマ部は、まさしく涙もの。 これほどまで涙を感じさせる音楽は、小泉今日子の 「艶姿ナミダ娘」 以来と言っていいかも知れません。 艶姿ナミダ娘〜、色っぽいね〜、睫毛も濡れてて、色っぽいね〜♪ いやあ、泣きましたな、ありゃ。 で、ドルフィーの吹くフルートは、ソロに入ってしまうと、どれも同じように聞こえてしまうところがネックなんですが、ま、途中からピアノとタイコも入って、それなりに色を添えてくれるし、そういえばこれ、 『ファー・クライ』 でも取り上げていたんでしたっけ? 秀樹クンがそう書いているから、多分そうなんだと思われますが、えーと、 『ファー・クライ』 。 これ ですな。 で、確かに入ってますな。 というか、読み返してみて、当時の自分の作風にちょっぴり赤面しちゃったんですが、そんな僕も今では立派な海綿体好きのオトナになりました。何よりだと思いますが、とまあそんなことで、次。

  「ジーウィー」 。 これまたよく耳にするドルフィーのオリジナルです。 シュリーマン入りの2管編成であるところが新鮮です。 「G.W.」 と表記されることもあるんですが、ゴールデン・ウィークではなくて、ジェラルド・ウィルソンの略なんだそうで。 そこの楽団に在籍したことがある関係で、こういうタイトルを付けたようですが、ドルフィーのソロのあと、シュリーマン、オフウェルマンと、ヤル気満々なマンマン・コンビがフィーチャーされております。 あ、オフウェルマンというのはヨルゲンセンが入ってないほうのセッションでピアノを弾いてるスウェーデン人(?)なんですが、とか言ってるうちにフェードアウトして、何だか中途半端な感じで終わってしまいました。 最後のところ、録音に失敗したとか? テープが切れたとか、そういうことなのかも知れません。 で、ラスト。 歌物ナンバーの 「ドント・ブレイム・ミー」 。 これもライブ盤だと、必ずと言っていいほど取り上げられていますよね。 ドルフィーとしても、まさか自分の死後、これほどまで非公式セッションが世の中に出回るとは思わずに、安心して同じような演奏に明け暮れていたんでしょうが、12分07秒もあって、彼のフルートを嫌というほど堪能することが出来ます。 で、CDには最後、 「ソリノ」 の別テイクが収録されていたりするんですが、僕もそろそろ解説に嫌気が差してきたので、ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 ヲタにとっては何とも貴重なレア・アイテムですな、こりゃ。 が、それほどではない一般的なジャズ・ファンにとっては、敢えて聴くほどのモノではないような気がしないでもありません。 あ、これ、スウェーデンで放送された 『Eric In Town』 というテレビ番組の為に収録されたものだったんですか。 よく見たら日本語ライナーにそう書いてありました。 他人事ながら、そんな番組を視聴した人、いたのか?…というのがちょっと心配だったりするんですが、でもまあ、他人事だから別にどうだっていいんですけどー。 とまあ、そんな1枚なのでありました。


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