MANTECA (VERVE)

DIZZY GILLESPIE (1954/5/24,6/3)

MANTECA


【パーソネル】

DIZZY GILLEPIE (tp) & His Orchestra

 < #1 >  QUINCY JONES (tp) J.J.JOHNSON (tb) LUCKY THOMPSON (ts)
      WADE LEGGE (p) LEWIS HACKNEY (b) CHARLIE PERSIP (ds) & Others
 <#2-4> FILBERTO VALDES (fl) ALEJANDRO HERNANDEZ (p) ROBERT RODRIGUEZ (b)
      JOE MANGUAL (bongos) UBALDO NIETO (timbales) CANDIDO CAREMO (conga) & Others

【収録曲】

( 01 )  THE MANTECA SUITE ( MANTECA THEME 〜 CONTRASTE 〜 JUNGLA 〜 RHUMBA=FINALE )
(02-04) NIGHT IN TUNISIA / CON ALMA / CARAVAN

【解説】 (2009年06月14日更新)

 体重計を買ってきました。どうしてそんなものを買ったのかというと、おかんに 「体重計、買っておいで。」 と言われたからなんですが、どうして急にそんなことを言い出したのかは、よく分からんのですけど。 常に単なる思いつきだけで発言しますからね。 ま、確かにウチには、焼けた直後に買ったんちゃうか?…と思われるような年代物のヤツしか無かったのは確かなんですけど。 僕の家が火事で燃えたのは小学5年生の時だったので、だとすれば30年モノということになりますか? さすがにそこまで古くは無いような気もするので、あるいは焼けて10年くらい経ってからの購入品なのかも知れませんが、とにかくまあ、家にそんなものがある事などすっかり忘れていたほどでありまして。

 で、いつもの僕なら 「そんなもん、いらん。」 の一言で片付けるところなんですが、今回ばかりは言いつけに素直に従うことにしました。 というのもですね、このところちょっと痩せたような気がするんですよね。 毎年の健康診断で太り気味とか、やや肥満と言われていた頃には、体重など測る気もしなかったんですが、痩せたとなれば話は別です。頑張って減量に励んだ成果を自分の目で確認したい。そういう気分になりますよね。この数ヶ月というもの、血の滲むような努力をしてきましたからなぁ。体重を減らすにはジョギングとか、ウォーキングとか、トレッキングとか、ハイキングとか、語尾に 「ング」 の付く行為がいいと言われているんですが、僕もちゃんと実践しました。何をやったのかと言うと、サザエさんのエンディングの 「んが、んぐ。」 を3回ほど見ました。 あと、腹筋とか背筋なんかを鍛える “筋関係” の運動も効果的だと思うんですが、こちらのほうも、ぬかりはありません。 ちゃんとサヤエンドウの筋を取ったりしましたからね。 …と書いてから、試しに 「んが、んぐ」 でググってみたら、どうやらあの演出は1991年10月13日の放送を最後に中止になったみたいなんですが、どうやら投げ食いを子供が真似すると危険というのが理由みたいなんですけど。言われてみれば最近はジャンケンだったような気がするんですが、おかげで僕の嘘がバレてしまいました。ネタのためなら平気で嘘を付きますからね、僕。 こうなってくるとサヤエンドウの筋取りも怪しいものなんですが、とにかくまあ、僕が減量のために “ング運動” も “筋トレ” も、何もしなかった事だけは確かでありまして。

 では、どういうところで血の滲むような努力をしたのかというと、なるべく昼飯のカロリー摂取を少なくするように頑張りました。 以前、 ここ で試算をしたら、昼飯は 650kcal が適切という結果が出て、 「先生、俺、今日で鍛錬隊員をやめるよ!明日からは食わない桑名人になるよ!」 …と、声高らかに宣言したわけなんですが、あれからちょうど1年。 自分の言葉に嘘は無かったと自信を持って言う事が出来ます。 特に 「今日で鍛錬隊員をやめるよ!」 のほうは確実に実行出来たと言ってもいいんですが、 「食わない桑名人」 のほうも、ま、1週間に2日程度はあまり食わないようにしているので、達成率は2割8分5厘といったところですか。 2009年06月12日現在のセリーグの打率で言うと、ヤクルトのガイエルと同じくらいということが言えるのではなかろうかと。  “が言える” と “ガイエル” で韻も踏んでいるし、なかなか立派な成績ではありませんかー。 ちなみに、あまり食わないようにするのに、何を食っているのかと言うと、少し前までは コモのパン” が定番だったんですけどね。 ふっくらチョコブレッド (366kcal) と野菜クロワッサン (155kcal) 、計 521kcal で、かなり腹が膨れます。 が、ある日、バロー桑名東店でプチ改修が行なわれて以来、ふっくらチョコブレッドが見当たらなくなってしまいました。 俺の “ふっくら” を返せ〜!バーロー!

 …と、バローを罵倒したい気持ちでいっぱいなんですが、ヤマザキのランチパック (たまご) が1個あたり 115kcal と意外に低カロリーであることが判明したので、最近はもっぱらこれを食っています。もっともコレは1個あたりの数値なので、1パックだと倍の 230kcal になるんですけど。 フジパンのスナックサンド (たまご) は 90kcal なので、こっちのほうがいいぢゃん。…と、思わず手が伸びそうになったんですが、こちらは小さめのパンが3個入っているんですな。もうちょっとで騙されるところでした。 ランチパック (たまご) + 野菜クロワッサン = 385kcal ですか。 まだまだ食えますな。 こういう時に備えて、イオンのライトミールシリーズ を買っておくと便利なんですが、ライトミールブランサンド・カカオ味(4枚入り) が美味しいです。1枚あたり 24.5円で 88kcal 。 3枚食っても 264kcalなので、 + ランチパック (たまご) + 野菜クロワッサンで 649kcal となります。 このライトミールブランサンド・カカオ味はとっても美味しいんですが、食っているとボロボロ崩れて、カスがこぼれちゃうのがちょっと難点です。3枚来れば、 12kcal 分くらいはこぼれるんじゃないですかね? ま、そのうち 10kcal 分くらいは拾って食べているので、となると、お昼のカロリー摂取量は 647kcal ということになりますか。規定量より 3kcal も少ないから、余裕で合格と言うことになりますな。 これでまだ腹が減るようなら、“ライトミールこんにゃくゼリーカロリーゼロ” を気が済むまで食えばいいわけでありまして、いくら食っても 0kcal って、まさに夢のような食い物でありますな、コンニャク。 いくらコンニャクとは言え、カロリーがゼロというのはちょっと怪しいような気もするんですが、調べてみたら 100mL 当り 5kcal 未満ならゼロカロリーと表示してもいい。…という決まりがあるんですな。 ライトミールこんにゃくゼリーカロリーゼロは 180g なので、 ≒ 180mL と考えると、最悪の場合 8.9kcal くらいはあるのかも知れません。 しまった!カロリーオーバーやん!

 今後、ライトミールブランサンド・カカオ味を食べる時は、崩れてこぼれた分を拾って食うのはやめよう!…と心に誓った次第でありますが、とまあ、そんな苦労の甲斐あって少し痩せたような気がするので、新しい体重計を買って、その成果のほどを確かめてみることにしました。 とりえあず家の近所のミスタートンカチを覗いてみて、そこに無かったらネット通販で買おうと思っていたんですが、無事にトンカチで発見♪ちゃんと売ってるとは、トンカチの癖に生意気ですなー。 体脂肪も測れるやつが2種類あったんですが、普通に上にのっかるだけのタイプが 5980円、普通に上に乗っかるだけでなく、両手で棒のようなものを持って測る高級そうなタイプが 6890円。 1000円の違いなら高級そうなタイプのほうがいいかぁ。…と思って、6980円のほうを買いました。 9800円くらいするものと予想していたんですが、こういう機器はホントに安くなりましたなぁ。 いやあ、いい買い物が出来ました。ミスタートンカチ、万歳っ♪

 オムロンの カラダスキャン HBF-356 というヤツなんですが、ネット通販ではいくらで売られているのかと思って 価格.com を調べてみたら、ん?最安価格 3700円? 安っ! しかもユーザーレビューの満足度、低っ! どうやら評判の悪い機器を、ぼったくり価格で買わされてしまったようなんですが、いやあ、よくない買い物だったようですな。ミスタートンカチのアホー! ま、買ってしまったものは仕方がないので、とりえあず測定を始めてみましょうか。 まず 最初に個人データを入力しなければならないんですが、身長はえーと、167.0cmですな。 昔は 168.0cmくらいあったような気がするんですが、毎年、健康診断で測る度に 0.5cmずつ縮んでいるんですよね。去年はついに 166.5cmになってしまって愕然としたんですが、僕にも見栄というのがあるので、ほんのちょっぴりサバを読んで 167.0cmにしておきました。 性別は “男” でいいと思います。あまり男らしいほうではないと思うんですが、おっさんは嫌いでギャルのほうが好きなので、趣向的にはノーマルだと思います。 で、最後は年齢の入力なんですが、41歳の春だから、元祖天才バカボンのパパだから〜♪ …って、いつのまにか、あんなオッサンと同い年になってしまったんですなー。かなり哀しいものがあるんですが、で、体重はというと、えーと、 63.6kg? 昔は 70キロを越えてたこともあるんですが、かなり痩せたと言えるんですが、1ヶ月程前、安曇野の温泉旅館で測った時は 62キロを切ってたんですけどね。 も、もしかして、リバウンド? あ、でも今回はジーパンを穿いたままでの測定ですからね。脚の骨を折って入院していた時に体重を測ってくれた看護助手のお姉さんは 「ギプスが 500gあるから。」 と言って、測定結果から 0.5kg引いた数値を記録しておりましたが、ジーパンというのもけっこう重いですからね。 ギプスが外れてから測った時には、きっちり 500gだけ体重が減っていたので、さすが看護助手のお姉さん。プロやな!…と感心したものですが、ということで、正確を期するためにパンツ一丁で測りなおすことにしたんですが、いや、どうせならフリチンになりたかったところなんですけどね。 が、フリチンで体重計に乗って、電極棒を握って腕を真っ直ぐ前に伸ばしている自分の姿を想像したら、ちょっとアレなものがあったので、パンツ分は誤差の範囲内だと考えるとして。

  体重62.8kg  BMI22.5 基礎代謝1415kcal
  体脂肪率23.4%  内臓脂肪レベル8

 というのが測定結果でありました。 BMI というのは肥満度を示す指標で、 22 がベストなんだそうですが、おおっ、ほぼ標準っ♪ これでもう、太り気味とか、やや肥満とか、言わせないぜ! 内臓脂肪レベルは9以下が標準のようなので、何とか大丈夫だったんですが、体脂肪率は 20%を超えていて、やや高いという評価でありました。 総合的に見ると、どうやら “かくれ肥満” ってヤツぅ? 鍛錬を怠ってカロリー制限だけでダイエットしようとすると、体重は減っても体脂肪率は増えてしまって、駄目ぢゃん!…という結果に終わるようなんですが、ま、個人的には見た目だけ痩せれば、別にそれでいいような気もするんですけど。 で、基礎代謝というのは何なのかと思ったら、生きていくのに最低限必要なカロリーのことなんだそうです。 基礎代謝 1415kcal ですかぁ。 この数値が少ないのか、多いのか、普通なのか、今ひとつよく分からんのですが、 ここ を見ると、40歳前後の男性で約 1450kcal らしいので、めっちゃ標準と言えるのか、あるいは、やや少なめなのか。 50歳前後で 1400kcal と言うことは、 47歳相当?アカンやん! で、基礎代謝を増やすにはどうすればいいのかと言うと、運動して筋肉を付ければいいんだそうで。  先生、俺、今日から鍛錬隊員に復帰するよ!…と、力強く宣言したいところではあるんですが、腹筋とか背筋とかの筋トレは、長続きしないでしょうなぁ、多分。。。 筋トレが無理でも、せめてサヤエンドウの筋取りくらいは頑張ってみようと思うんですが、とまあそんなことで、来年の今頃の測定結果に、乞うご期待♪

 とまあそんなことで、今日はディジー・ガレスピーです。かなり長期に渡ってお届けしてきたピアノ編もさすがにネタが尽きたので、今回からトランペット編ということになるんですが、この楽器はさほど人材が豊富でないので、すぐに片づくと思います。 ま、目標は10枚ということで。 演奏スタイルの古いほうから順に紹介していこうと思うんですが、となると手始めはルイ・アームストロングあたりが順当なところかと思うんですが、ルイ君のアルバムって、1枚も持っていないんですよね。桜樹ルイのすけべビデオなら何本かあるんですどー。 とまあそんなことで、第1回はガレスピーということになったんですが、この人に関しても既に手持ちのネタは尽きてしまったので、仕方なく通販で確保することにしました。 Amazon を当たってみて、その結果、目についたのがこの 『マンテカ』 だったんですが、いいですよね、マンテカ。 名前からして、いかにも満点でテカテカってか?…といった気配が伝わってくるんですが、名盤。ディジー・ガレスピーの最高傑作にしてラテン・ジャズの金字塔。キリスト教徒にとっての聖書、イスラム教徒にとってのコーランのようなアルバムだろう。あらゆる言葉はこの音楽の前には全ての力を失う。キューバ音楽とジャズの最高の形での結合がここにある。とにかく聴くべし。…と、カスタマーレビューで八王子男爵 (東京都) も絶賛しております。八王子男爵が言うんだったら間違いないですよね。これはもう、買うしかありません。ということで、買ってみました。 ということで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 このアルバムはレコードで言うところのA面・B面で、それぞれ違ったセッションが収録されているんですが、そのA面のすべてを占めるのが超大作 「ザ・マンテカ・スーツ」 でありますな。 何だか、テカテカの背広を彷彿させるタイトルだったりするんですが、ここでいうスーツというのは組曲のことですよね。 「マンテカ組曲」 。 CDにも日本語で、ちゃんとそう書いてあります。組曲でも例えばパーカーの 「ヤードバード組曲」 など、どこが組曲なんだかよく分からなかったりするんですが、この 「マンテカ組曲」 は大丈夫。  「マンテカ・テーマ」 「コントラステ」 「ジャングラ」 「ルンバ=フィナーレ」 と、ちゃんと4つの曲が組になっております。コントラストかと思ったらコントラステだし、ジャングルかと思ったらジャングラだし、語尾のところで微妙にラテン化しているところが一興なんですが、とまあそんなことで、まずは   「マンテカ・テーマ」 。 これはアレです。いわゆる、マンテカのテーマです。レッド・ガーランドなども取り上げているテカテカのラテン・ナンバーなんですが、ガレスピーとギル・フラーとチャノ・ポゾの共作でありましたか? ピアノ・トリオ+コンガ (ボンゴ?) でも、なかなか派手な演奏だったんですが、それがオーケストラとなると、もう桁違いに筋違い。…といった感じでありまして、腹筋とサヤエンドウの筋では筋違いな話だし、急に無理な筋トレをしたりすると、筋を違えて大変だったりします。

 出だしこそパーカッション中心で、わりとお静かだったりするんですが、そこにピアノが加わり、トロンボーンのアンサンブルが加わり、やがてガレスピーが出てきて吼えまくり、何ともクソ喧しい世界が展開されることになるんですが、途中、サックスが出てくるあたりはちょっぴりムーディだったりもして、なかなかよく出来ていると思います。 で、テーマに続いてテナーのソロが登場するんですが、これはおそらくラッキー・トンプソンなのではないかと思われます。特に根拠があるわけではないんですが、もし、まぐれで当たっていたら、ラッキー♪…みたいな。 さほど長いソロではなく、すぐにアンサンブルの波に飲まれてしまうんですが、ま、オッサン風呂の湯を飲まされることを思えばぜんぜんマシなので、ラッキーくん (たぶん) としても諦めがつくのではなかろうかと。 で、しばしテーマの合奏が続いた後、ガレスピーのソロになるんですが、このあたり、バックの人たちが急に静かになるので、全体の中ではかなり地味なパートであると言えるでしょう。 ま、その分、トランペットの音はよく聞こえるんですけど。 で、続いて打楽器が地味にフォーチャーされて、最後にわーっと盛り上がって、おしまい。 …と思ったら、まだしつこく続いていたようなんですが、とまあそんなことで、今度こそ間違いなく、おしまい。

 続く 「コントラステ」 もガレスピーとフラーの共作のようですが、出だしの部分の雰囲気はアレです。ストリップ音楽の定番、 「タブー」 。 あの妖しいムードが色濃く感じられます。下品なところが何とも言えずに品が無くてアレなんですが、続いて出てくるテーマはまったく 「タブー」 ではありませんな。わりとムーディな仕上がりとなっておりまして、無駄に騒がしいだけがラテンでない事に気付かされた思いでありますが、とか言ってる間に、いつもの能天気な世界に変貌しつつあったりするんですけど。 マンテカっぽいメロディも出てきたりして、組曲というのはどこまでがアレで、どこからがソレなのか、今ひとつ判然としないものがあったりするんですが、ソロらしいソロはなく、概ね合奏を主体に演奏は進められていきます。 …と思ったら、ここでガレスピーのソロが始まったんですが、この人、おちゃらけたイメージが強すぎて、日本ではあまり人気がなかったりしますよね。 が、こうして聴いてみると、普通に悪くなかったりして、けっこうアレだったりするんですが、とまあそんなことで、最後のほうはカデンツァもあったりして、パート2はおしまい。

 続いては 「ジャングラ」 ですか。 いや、普通にマンテカのメロディが聞こえているので、どこで区切られているのかまったく分からなくなってきましたが、とりあえずガレスピーがソロを取っております。 ラッキー・トンプソンと思しきテナーのソロも出てきます。ワイルドでいいと思います。ワイルドなのは、悪いど。…という人にとっては、ちっともよくないかも知れませんが、少なくとも僕は嫌いではありません。 その後、ちょっと新しい曲っぽい感じのテーマの合奏があったり、その他いろいろあったりして、4つめの 「ルンバ・フィナーレ」 が一体どこからどこまでだったのか、まったくよく分からないまま終わってしまいました。とにかくまあ、とっても組曲であったことだけは確かでありまして、全般的に派手派手で、ま、よかったのはないでしょうか。

 ということで、2曲目です。おなじみ 「ナイト・イン・チュニジア」 。 日本では 「チュニジアの夜」 という名前で知られております。この曲のおかげで僕はチュニジアという国に親近感を抱いておりまして、 “愛・地球博” でチュニジアのパビリオンを見かけた時も思わず中に入ってしまったんですが、ま、さほど面白い出し物でもなかったんですけど。 やはり冷凍マンモスが、マンモスよかぴー (←のりピー語) でした。 ただマンモスを冷凍しただけやん!…としか言いようがない出し物だったんですが、えーと、何の話でしたか。 「チュニジアの夜」 ですか。 レコードで言うところのA面はディジー・ガレスピー・オーケストラによる演奏だったんですが、ここからはディジー・ガレスピー&ラテン・アメリカン・リズム名義ということになります。ジルベルト・ヴァルデスというフルート吹きが入っているようで、フルートの音が出てきたので、いつの間にか最初の組曲が終わっていた事に気付いたんですが、ラテンとフルートって、何だか今ひとつマッチしていないような気がしないでもありません。 とにかくまあ、ピーヒョロな横笛をバックにガレスピーがお馴染みのテーマを吹いて、そのままソロ・パートへと突入することになります。バックのアンサンブルが無いので、何だかえらくお静かに聞こえてしまいますな。 トランペットに続いてはフルートのソロ…と思ったら、ほんの8秒くらいで出番が終わってしまって、ヴァルデスくん、ちょっぴり不憫デス。 その後、ガレスピーの短いソロを挟んで、フルートが主導するテーマの再提示があって、ということで、おしまい。 ま、悪くは無いんですが、オーケストラの音の洪水にさらされた後では、迫力不足の感は否めません。 でもまあ、悪くはなかったので、よかったのではないかと思います。

 で、次。 「コン・アルマ」 。 お馴染みのラテン調ナンバーが続いて、嬉しくなっちゃいます。 ガレスピー君って、トランペッターとしては日本であまり人気がないんですが、作曲家としては愛されてますからな。この 「コン・アルマ」 もラテンの哀愁を感じさせる、いかにも日本人好みのメロディとなっておりまして、それだけにガレスピーの、おちゃらけたような吹きっぷりが遺憾でなりません。これは、いかんです。もっと真面目にやれって!…と思わずにはいられませんが、基本的に照れ屋なんでしょうな、おそらく。 真面目にやるのが、マンモス恥ずかピー♪…みたいな。 その言葉遣いのほうがよっぽど恥ずかしいと思うんですが、ソロに入ってからは、わりと普通に頑張っていると思います。 中間部で聴かれるアレジャンドロ・ヘルナンデスのピアノ・ソロがなかなかいい感じで、これは、あれじゃ。 んどろ・へるなんですじゃ。…と、長老も納得の出来ですな。 今ひとつ意味がよく分からんのですが、所詮は年寄りの言うことなので、大目に見てあげてくださいね。 で、後半は再びガレスピーの出番なんですが、そろそろ照れが出てきたのか、若干のおちゃらけが見られます。 ま、許容の範囲内ではあるんですけど。 サイドマンでは唯一、キャンディド・キャメロがメジャーだったりするんですが、おそらく彼のコンガも効果的だったりするに違いなく、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 「キャラバン」 。 作曲にガレスピーは絡んでいないんですが、これまたラテン系ですよね。ミュート・トランペットとフルートの絡みでテーマが演奏された後、アレジャンドロのピアノ・ソロ…というか、テーマのおさらいみたいなパートがあって、その後、ガレスピーが出てきてアドリブを取ります。急速調をものともしないテクニシャンぶりが見事な八事 (やごと) ハウジング。…といった感じでありまして、いや、そんな名古屋ローカルな住宅展示場は全国では通用しないので、急速調をものともしないテクニシャンぶりが見事な雄琴 (おごと) 温泉。…のほうがよかったかも知れません。 ま、そんな関西ローカルな温泉街が全国に通用するとも思えないんですが、続いては恐らく、キャンディド・キャメロのコンガ・ソロでありましょう。僕は未だにコンガとボンゴの区別がつかないので、あるいはジョー・マンガルのボンゴ・ソロなのか、もしくはウバルド・ニエトのティンバレス・ソロだったりするのかも知れませんが、とにかく何らかの打楽器がフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。エンディングはちょっぴり地味でしたが、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 名盤。ディジー・ガレスピーの最高傑作にしてラテン・ジャズの金字塔。キリスト教徒にとっての聖書、イスラム教徒にとってのコーランのようなアルバムだろう。あらゆる言葉はこの音楽の前には全ての力を失う。キューバ音楽とジャズの最高の形での結合がここにある。とにかく聴くべし。…という八王子男爵の評価は、そんなに大きくは間違ってなかったと評価していいのではなかろうかと。そんな大袈裟なものでもなかったんですけどね。普通に楽しい1枚なのでありました。


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