HERBIE NICHOLS TRIO (BLUE NOTE)

HERBIE NICHOLS (1955/7/29,8/7,1956/4/19)

HERBIE NICHOLS TRIO


【パーソネル】

HERBIE NICHOLS (p) AL McKIBBON (b) TEDDY KOTICK (b) MAX ROACH (ds)
【収録曲】

(01-03) THE GIG / HOUSE PARTY STARTING / CHIT-CHATTING
(04-06) THE LADY SINGS THE BLUES / TERPSICHORE / SPINNING SONG
(07-08) QUERY / WILDFLOWER
(09-10) HANGOVER TRIANGLE / MINE
【解説】 (2008年08月01日更新)

 岡崎に行って来ました。岡崎朋美のような太股ぴちぴちギャルがいっぱい歩いているのか?…と思って期待してたら、さほどでもなかったのでちょっと残念だったんですが、名古屋から乗った名鉄の車内にとても巨乳なギャルがいたので、ま、よかったのではなかろうかと。外人さんなのか、あるいはただのケバい日本人なのか、今ひとつ判然としないところはあったんですが、胸の谷間がやけに目立つ挑発的な服装をしたギャルでありました。いやあ、夏ですなぁ。真冬にあんな格好をしてたら、まず間違いなく風邪を引きますからね。名古屋のクソ暑い夏というのも捨てたものではありません。 とまあそれはいいんですが、名古屋から乗って、すぐ隣の金山駅で降りるというのは、ちょっとどうなんですかね?東岡崎駅まで行く人の立場を考えたことがあるのか?…と思わずにはいられませんが、名古屋から特急で約30分。微妙な所要時間を有意義に過ごすことが出来そうだと思った矢先に楽しみが無くなって、仕方なく窓の外をぼーっと眺めたりしていたんですが、そもそもどうして岡崎などという中途半端なところに行くことになったのかというと、全面的に僕が悪いんですけどね。 あれは7月20日、3連休の真っ只中でありましたか。自分の部屋の中を見回していて、脚が折り畳める式の小さなテーブルの上がえらく雑然としていることに気が付いたんですが、お花の名前を調べるための植物図鑑だとか、雑なジャケット絵を描くための昭和歌謡ネタのムックだとか、カメラ関係の雑誌だとか、学研の 『ムー』 だとか、いらなくなったものだとか、ゴミだとか、とりあえず雑多なものを積み上げるために使っているものなんですけどね。郵便で送られてきたカード会社や携帯電話の明細書やら、一度キティちゃんグッズを注文したら定期的に送られてくるようになったサンリオ通販の本だとか、とりあえず手元に届いたものも開封しないでそこに乗せているんですが、次第に数が増えてきて荷崩れしそうになっております。 大抵3ヶ月くらいでこういう状態になるので、年に4回ほど季節行事として片付けることにしているんですが、いよいよその “夏の部” の時期がやって来たようです。

 桑名市の基準では紙ゴミとプラゴミを分別して出さなければならないことになっているんですが、これがちょっと面倒なんですよね。特に紙封筒の宛名の部分だけが透明になってるヤツが始末が悪いんですが、まず中身のカードの使用明細とかは、個人情報保護の観点からザックリ破って捨てなければなりません。以前は乾電池式の安っぽいシュレッダーで細切れにしたりもしていたんですが、3ヶ月も溜め込むとかなりの仕事量になってしまうので、最近はあまり気にしないことにしております。 で、封筒の部は紙ゴミとプラゴミに分けなければならないんですが、貼り付けに用いられている接着剤がかなり強力だったりして、ぜんぜん綺麗に剥がれなかったりするんですよね。ヤマト糊を使えって!…と思わずにはいられませんが、そのようにゴミを処分している際、ふと1通の封書に目が留まりました。 “監理技術者講習” という文字がチラっと目に入ったんですよね。 めでたく1級電気工事施工管理技士とかの試験に合格して監理技術者資格者証を申請する場合、監理技術者講習というのを受講しなければならないんですが、その有効期限が5年間なんですよね。僕が前回受講したのは確か5年ほど前で、そろそろ更新しないとヤバいような気が薄々とはしていたんですが、でもまあ、申込書もまだ届いていないし。…というのですっかり安心してたら、こんなところに紛れ込んでおりましたか。 その封書がゴミの山のかなり下のほうから発掘されたことを考えると、それなりの年代物であると判断してもよさそうなんですが、も、もしかして、手遅れ? そういえば僕が前回この講習を受講する際も、何だか手続きが面倒そうのでしばらく申請書を放置しておいたところ、本社の山村常務から叱られたような記憶があるんですが、あ、その時の話は ここ に書いてありますな。

 そうそう。どこの会場でもいいから、とにかく早く講習を受けろ!…とか言われて、わざわざ東京まで行ったんですよね。当時の原稿に、スパゲティのナポリタンを食べるオッサンに対する激しい憤りに関する記述がありますが、あれから5年。今となっては、スパゲティのナポリタン、全然いいぢゃん?…という気がするんですが、ケチャップ味とソーセージとの相性が抜群ですもんね。 とまあそれはともかく、この時、ロリ声人妻のワカコ先生と一緒に行こうと思ったら休みだった “囲碁・将棋・ピアノサロン” というのは、大森のライブ食堂 “KITAROH” の前身に当たるお店なんですが、会社から宿泊費と交通費を支給して貰った上に夜遊びまで出来て、実に有意義な講習会でありましたな。 で、この原稿の次の回の書き出しが、今日は “七夕” について考えてみたいと思います。…となっておりますので、講習を受講したのは恐らく七夕の前であるものと思われるんですが、試しに監理技術者資格者証を確認したら、初回交付は平成15年7月24日となっておりました。ぎりぎりセーフ♪…なのかどうなのか、実に微妙なところでありますな。この監理技術者講習というのは平成16年の3月にちょっと制度が変更になって、受講者に “監理技術者講習修了証” というのが交付されることになったんですが、お役所から要求があった場合には、その修了証を提示しなければならないという取り決めもあります。 が、僕が受講した時、そんなの貰いましたかね? いや、確かに貰ったような覚えはあるんですが、果たしてそれが手元にあるのかというと、自信を持って、絶対に無いっ!…と言い切れます。 いや、家の中を隈なく探せばどこかにあるのかも知れませんが、僕は血液型がA型で神経質で律儀なわりに、整理整頓に関してはまるっきり駄目だったりするんですよね。小学生の頃もそれが原因で担任のナカヒロ先生から嫌味を言われたりしましたが、これはもう体質のようなものなので、ちょっとオトナになったからと言ってそう簡単に直るものではありません。 もし交付されたのが小学5年生の7月5日以前ということであれば、 「修了証は自宅の火事で燃えました!」 とでも言っておけば何とでもなるんですが、今から5年前というと、僕は小学5年生よりもちょっとだけトシを取ってましたからなぁ。。。

 幸い、監理技術者資格者証の公布日が平成16年2月29日以前の場合、監理技術者資格者証をもって管理技術者講習を受講していることが証明されます。…という、僕にとって非常に都合のいい取り決めがあるようなので、とりあえず今年の7月24日までは何とか言い逃れが出来そうなんですが、では次回の講習はいつ開催されるのかと思って、(財)全国建設研修センターというところから送られてきて、たった今、瓦礫の山の中から奇跡的に助け出された案内書を見たら、もっとも早いところで7月29日、会場は津の “メッセウイングみえ” でありますか。いいじゃん!有効期限はちょっとだけ切れちゃいますが、傷はかなり浅いと言えそうですよね。 その他、名古屋なら8月8日にもあるし、これならなんとか言い逃れ出来る範囲の失態で済みそうですな。 ただ受講日まで3週間を切っているのでインターネットからの申し込みが出来なくて、ちょっと面倒だったりするんですが、ま、どうせ有効期限が切れちゃうんだから8月29日の名古屋でもいいっすかね? どうせ僕の監理技術者講習の有効期限が切れてることなど、黙っていれば誰にも分からないしー。 ただ、唯一ちょっと気掛かりなのは、ちょうど受注が決まったばかりの工事が1件あることなんですが、その物件は確かサバ君が監督業務を担当することになっているらしいんですよね。 今まで管理技術者講習修了証の提示など求められた試しはないんですが、こういう時に限って役所の担当が偏屈だったりして、ややこしい事にならないとも限りません。 いやらしい事というのはわりと楽しかったりするんですが、ややこしい事というのはただ面倒なだけで、あまりよくありません。 よくよく調べてみると、監理技術者として現場に配置するときは、監理技術者資格者証を所持した技術者の内、工期のどの期間から見ても前5年以内に監理技術者講習修了証を所持した者をあてなければならない。配置された技術者は資格者証と、講習修了証を携帯し、発注者の求めに応じ、いつでも提示できるようにしなければならない。…などという規定もあったりして、さすがお役所仕事だけあって、まったく融通が利きそうにもないところが怖いんですが、そうですかぁ。求められたら必ずそれに応えなければならないんですかぁ。。。 今日は気分が乗らないからとか、人が見ているからとか、今日は “あの日” だからとか、そういう理由で拒むことは出来ないんですな。 “あの日” って、ほら、今日は8月1日で “肺の日” だしぃ。…とか、そういった言い訳は一切無用。 しかも、 「工期のどの期間から見ても前5年以内に監理技術者講習修了証を所持うんぬん」 とあるところを見ると、1ヶ月くらいの期限切れは大丈夫っす!ちょっと下痢になったりするかも知れないけど、命に別状は無いっす!…では通らない世界であるような気もします。 いや、ちょっとやばいかも知れませんなぁ。。。

 が、よくよく調べてみると、監理技術者講習を実施しているのは、何も(財)全国建設研修センターだけではないということが判明しました。 Wikipedia の下のほうに講習実施機関があるんですが、平成16年3月から民間に開放されて、届出だけ出せば誰でも講習で金儲けが出来るシステムになったみたいです。登録番号3番のところが欠番になっているのは、ウチでもちょっとやってみよか?…と、軽い気持ちで届出してみたものの、途中で面倒になって投げ出した機関があるのではないかと思うんですが、色々と調べてみた結果、 総合資格学院 というところが7月24日に岡崎で講習を実施していることが判明しました。 しかも、直前でもインターネットによる申し込みオーケー♪ というか、講習当日でも現地で受付をしてくれるみたいで、いや、何と融通の利く講習実施機関でありましょうか。 (財)全国建設研修センターにはちょっと悪いような気もするんですが、ゴミの山に紛れて分からなくなっちゃうような案内状を出したアンタが悪いんだし、とまあそんなことで、僕は早速、総合資格学院に受講の申し込みをしたのでありました。

 連休が明けて会社に行くと案の定、ちょうど受注が決まったばかりの工事に関して、サバ監督の監理技術者講習修了証が提出されてない!…というので役所から求めがあったようなんですが、ほら、今日は “あの日” だしぃ。 7月22日だから “ナッツ(722)の日” だしぃ。 とりあえず、監理技術者資格者証の公布日は平成15年7月24日だし、今度の7月24日にはちゃんと講習を受けることになってるしぃ。…というので、何とか納得して貰ったんですが、いや、危ないところでしたな。 荷物置きのテーブルが荷崩れしそうになってて、そろそろ片付けなければならないんだけど、でもまあ面倒だから、来週でいっかぁ♪…とか思っていたら、今頃はもっとややこしい事になっていたに違いありません。 虫の知らせというか、何かそんなのがあったんでしょうな。 とまあそんなことで、岡崎に行って、講師の先生がとっても親切丁寧な講義をしてくれているDVDを見せて貰って、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。 総合資格学院は総合的な資格に関する学院であるだけに、名古屋モード学園のスパイラルタワーくらい立派なところなんだろう。…と思っていたら、ワンフロアに小さな教室が3つあるだけのちょっとシケたところだったんですが、ま、東岡崎駅のすぐ前で、交通至便ではあったんですけどね。講習そのものも1日中ずっとDVDを流しているだけで、さほど熱意が感じられるももではなかったんですが、僕としてはちゃんと修了証さえ発行して貰えればまったく文句はありません。土壇場でいいところが見つかって、本当によかったっす。

 ということで、とりあえずややこしい問題が片付いて一安心なので、さ、いやらしいDVDでも見ようっと♪

 ・・・・・・・。 あ、ということで、今日はハービー・ニコルスなんですが、いやらしいDVDに思わず見入ってしまって、ちょっと間が空いてしまいました。 えーと、ハービー・ニコルスです。通称、ハビ・ニコ。 セロニアス・モンク以上に超俗的なスタイルの持ち主だった為、生前はほとんど評価される事なく不遇のまま死んじゃったピアニストとして、日本の一部のマニアの間ではわりと人気が高かったりするんですが、不遇とか不幸とか夭折とか早死にとか、そういうのに弱かったりしますからね、日本人って。不遇に痺れるシビレフグ。そういう傾向は僕にもあって、結果、こうしてハービー・ニコルスのCDを買ったりすることになるんですが、たとえ死んでからでもこうして再評価して貰って、とりあえずよかったではありませんか。 死んでから印税とか貰っても意味ないやん!…とか、そういった現実的な意見もあろうかとは思いますが、中国の古い諺に 「虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残す」 とあるように、我々東洋人は死後の名誉を重んじたりしますからね。 よく、お金持ちの家に行くと玄関を入ったところに虎の皮の敷物があったりして、死んじゃった後で鯵のひらきみたいにペタンコにされて、おまけに人の足で踏みつけられて、虎としては屈辱以外の何物でもないと思うんですが、虎皮のパンツにされてラムちゃんに穿いてもらえるのなら、わざわざ死ぬだけの価値はあると思うんですけど。 僕は別に後世に名前を残したいとか、そういう願望はこれっぽっちも持ち合わせてなくて、もし出来れば死んだ後はパンツにして欲しいと思っているんですが、とまあそんなことで 『ハービー・ニコルス・トリオ』 。 不遇だったこの人の作品の中では最もよく知られている1枚であります。 かつて考古学の世界ではわりと不遇だった土偶も、おもちゃ業界で “走る土偶” というのが作られて以来、一躍脚光を浴びることになりましたが、いや、世間で注目されたのかどうかは定かではないんですが、少なくとも当時高校生だった僕が桑名駅前パルの中にあったシルバー模型で1個買ったので、それなりの利益は得られたと思うんですよね。 で、一方の 『ハービー・ニコルス・トリオ』 は、ビリー・ホリディが歌詞を付けて歌ったことで一躍有名になった 「ザ・レディ・シングス・ザ・ブルース」 が収録されていることで日本のファンに知られることになったんですが、ただ、あのモンクよりも超俗的と言われている人ですからね。演奏を聴くにもそれなりの覚悟が必要になってくるんですが、とまあそんなことで、とりあえず1曲目から聴いてみることにしましょうか。

 まず最初は、 「ザ・ギグ」 なんですが、“ギグ” というのは何なんすかね?  工作機械の世界には治具 (じぐ) というのがあるので、これがもし 「ザ・ジグ」 というタイトルであれば、ザ・工作物を固定して切削工具を工作物に正しく当て、正確・迅速に加工するために用いる道具なんだろうな。…というのが何となくわかるんですが、 「ザ・ギグ」 。 ま、 “ギグ” というのもジャズの世界ではわりとよく使われるので、わざわざ治具を持ち出すほどのことでも無かったんですが、正確な意味はと聞かれるとちょっと自信がないので、簡単に調べておきましょう。ギグ。小さなライブハウスなどでの短いセッション。もしくはクラブなどで一度だけ演奏すること。なるほど。納得がいったところで本題に入ろうと思うんですが、曲そのものはなかなか複雑な作りになっております。このアルバムの原文ライナーはニコルス本人が書いているんですが、楽しく現代的なジャム・セッションのあらゆる様相をあらわしている。67小節のコーラスが “ラリった” 前衛的な出来事を語っている。…とのことでありまして、そうですか。ラリってますか。ラリっているジャズマンというと、ラリー・ヤングとかラリー・カールトンあたりが思い浮かぶんですが、名前から受けるイメージだけの話で、実際はどうなのかよく分かりませんけど。67小節という作りからしてちょっと普通ではないんですが、おかげでどこまでがテーマで、どこからがアドリブなのか、今ひとつ判然としなかったりします。どちらかというと知的なイメージのあるマックス・ローチがわりとワイルドなドラミングを展開しているのが印象的なんですが、ニコルスのプレイ自体はわりと流麗だったりして、モンクよりも普通っぽく聞こえたりします。今ひとつ捉えどころがないという点では、ま、似たようなものなんですけどね。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 2曲目、 「ハウス・パーティ・スターティング」 。 ハウス・パーティが始まりました。そういう内容の作品なのではないかと思うんですが、ほの暗いマイナー調のテーマから、このパーティがかなりアングラ系のものであることが窺われます。恐らく、怪しいキノコとかを摂取するのではないかと思われるんですが、怪しいキノコというと、例えば “あやしいタケ” とか。見た目は普通の椎茸なんだけど、何か怪しいんですよね、これがまた。ミステリアスな曲調は、わりと日本人にはウケがよさそうなんですが、主旋律のフェイクに始まり、次第にメロディを崩していく手法によるアドリブはモンクに通じるものがあるような気がしないでもありません。 が、中盤以降、ちょっぴりテンポを速めたりして、大胆なフレーズで演奏を盛り上げていくあたり、かなりのテクニシャンであると言えそうなんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 3曲目、 「チット・チャッティング」 。 これまた、ちょっとチャットなタイトルを付けたものでありますが、根が無口な僕はパソコンのチャットとか、ちょっと苦手だったりします。掲示板でさえ、たまにレスを書くのがちょっと面倒になったりして、先日は鮭師匠の書き込みをしばらく放置する形になって申し訳ありませんでしたが、曲のほうはというと、ちょっぴり分かりにくい系だったりしております。混み合ったナイトクラブやそういった人の集まる場所の全体的なざわめきを描写したものなんだそうですが、ま、確かに全体的にざわめいてはいるんですけどね。せわしないピアノと、やかましいタイコとの絡みで、ナイトクラブは大変なことになってしまっておりますが、お静か系が好みの僕としては、ちょっと勘弁して欲しいところでありますな。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目。 「ザ・レディ・シングス・ザ・ブルース」 。 もともと 「セレナード」 というタイトルだったのが、ビリー・ホリディが詞をつけて歌ったことにより、こういう名前に変更となりました。自ら “レディ” と称して、それで世間から許されるのは、ビリー・ホリデイとピンク・レディの2人くらいのものなんですが、そのレディがぞっこん惚れ込んだというわりには、わりとシンプルな曲調だったりしております。ドラマティックな盛り上がりの感じられるところは、それなりにさすがだとは思うんですけどね。 ニコルスのプレイはテーマとアドリブとが混然一体化した感じでありまして、なるほど、確かにそれなりにアレなんですが、ただこの1曲にあまり過度な期待をかけ過ぎると、さほどソレではなかったりもするので、ほどほどに楽しむのがいいと思います。ロシアの実業家のホドルコフスキーも、世の中、何事もほどほどにルコフするのが好きっ♪…と言っておりました。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 今日の曲解説はいつもと同じくらい中身が希薄なんですが、気にせず先に進みましょう。5曲目、 「タープシコー」 。何とも難しい名前を付けてくれたものでありますな。発音、これで合ってるのか?…というと、まったく自信は無いんですが、日本語盤のタイトルは 「舞踏の女神」 になっちゃってますしね。よって、その意味は舞踏の女神の名前であるものと思われるですが、舞踏の女神だけに好きな果物はブドウではないかと思われます。デラウエアって、こんなのブドウじゃ無いわよっ!…とか、女神だけにワガママで贅沢なことを言われる恐れがあるので、お供えする場合は巨峰にしておいたほうが無難ではないかと思うんですが、いや、女神と女王様というのは別物なので、デラでも大丈夫ですかね? でら、デラウエアだでかんわー。 …とか、名古屋系の女神だったら受け入れてくれるかも知れません。デラウエアだから駄目なのか、デラウエアで満足なのか、僕は名古屋人ではないので、 「だでかんわー。」 の微妙なニュアンスを読み取ることが出来ないんですが、で、曲そのものはアレです。いかにも舞踏の女神らしいリズミカルな作りとなっております。ちょっぴりお間抜けではあるんですけどね。わりと前衛派の舞踏であるらしく、決して聴いていて面白い類いのものではなかったりするんですが、芸術というのは得てしてそういうものだったりしますからね。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 たまにマックス・ローチのドラミングが目立ったりするくらいで、ベースのソロがフィーチャーされたり、4小節交換が繰り広げられたりすることもなく、おかげでますます余計なこと意外に書くことがなくなってしまうんですが、6曲目は 「スピニング・ソング」 。 これはアレです。回転することの歌です。作者曰く、1週間がくり返される生活について語っている。新たなる1週間の生活が、いかにして大胆で強烈なパンチとともに始まるかを語っているのだ。…ということなんだそうですが、これはサラリーマンの感覚からはかなり解離してますよね。1週間の始まりなんて、ユウウツ以外の何物でもないですからね。日曜日の午後6時半、テレビで国民的なアニメ番組を見ながら、ああ、日曜日も終わりかぁ。明日からまた仕事かぁ。…と、次第に気分が落ち込んで来る “サザエさんブルー” と呼ばれる症状は誰もが経験するところなんですが、この 『塩サバ通信』 を更新直後に読むという人は、更にその病状が深刻になってしまいます。ただでさえ気分が落ち込んでいるというのに、ロシアのホドルコフスキーって。…と、死の縁に追いやられたような気になってしまいますが、すいません。それしかネタが思い浮かばなかったもんで。。。 で、曲のほうはアレです。大胆で強烈なパンチと作った本人が言ってるわりには、何だか塩通ブルーなマイナー調の陰鬱な仕上がりとなっておりまして、ま、個人的にこういう作風はけっこう好きだったりするので、別にいいんですけどね。 で、演奏のほうもテーマの曲調にふさわしく、しみじみとした泣ける系のものになっているのかというと、必ずしもそうとは言い切れないのがこの人の特徴でありまして、アドリブに入ると何だか途端に小難しくなっちゃうんですよね。恐らく、あまり他の人がやらない方法論が取られているに違いなく、それはジャズの世界においては最も大切なことなんですが、それと、聴いてて楽しいのとは、また次元の違った話でありまして、別に人と似ててもいいから、普通に楽しいほうがいい。そう考えている一般リスナーにとっては、ちょっと敷居が高いかも知れません。今回に限って言えば人選ミス、あるいはアルバムの選択ミスと言えるかも知れませんが、ここを乗り切れば残すところ、あと4曲です。 さ、耐えましょう。

 7曲目、 「クェアリー」 。白くない普通のアリ? それはクロアリぃ。 作った本人が、軽いジャズの練習といったところだ。張りつめた単純な質問に音楽でこたえようとする試みである。…と書いているように、わりとシンプルな仕上がりになっております。 バド・パウエルがオリジナル曲のアイデアに煮詰まると、よく単純な運指の練習みたいなのでごまかすことがありますが、あれをひっくり返したようなフレーズの作品とでも言えばいいんでしょうか? ちょっぴり童謡ライクなキュートな表情もあったりして、これまで張りつめた音ばかりを聞かされてすっかり凝ってしまった肩が、 すーっと楽になったような気がします。今まで、本人も分かって難解路線を走っていたんでしょうな。1曲くらいは息抜きとして、こういうのがあっていいと思います。 というか、個人的には全曲で息を抜いてくれたほうがよかったような気もするんですが、で、続く8曲目は 「ワイルドフラワー」「野の花」 ですか。お花というのはギャルにはウケがいいので、ここも大いに期待が持てるところなんですが、作風としてはしっかり前衛路線に戻ってくれておりました。タイトルに騙されてはいけません。テーマそのものも何だか捉えどころがないんですが、アドリブに入ってからもよくわかりません。珍しくベースのソロがフィーチャーされたりするんですが、それで事態が好転するということもありません。

 で、次。 「ハングオーバー・トライアングル」 。 「せり出した三角地帯」 とでも訳すんでしょうか? ニコルス本人がライナーノートで曲名の由来について触れているんですが、もはや引用する気力すら湧いてきません。何でも、三角形の空き地をテーマにしたらしいんですけど。 三角形の空き地というのは三角ベースで遊ぶには好都合なんですが、あとは、イカの絵を描くのも便利ですかね?敷地を有効に活用出来るような気がします。ただ、頭でっかちで胴と足とが極端に短いイカになる恐れはあるんですが、曲そのものはアレですな。やっぱり何だか小難しいものになっているような気がします。テーマに続いて、ピアノのソロがあって、その後、珍しくドラムのソロがフィーチャーされたりするところはそれなりに評価していいと思うんですが、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、ラストです。 「マイン」 。 ここに来て初めてニコルスのオリジナルではない曲が取り上げられることになるんですが、これはガーシュインのナンバーなんですな。大いに期待が持てるところなんですが、さすがにテーマ部はラブリィでキュートな仕上がりとなっております。 わたしはこういう曲を作りたいのである。…とニコルスくんは語っておりますが、いい心掛けだと思います。これからはプリティでキュートな “ふたりはプリキュア路線” を目指して、頑張って欲しいと思います。 とまあそんなことで、今日のところはおしまい。

【総合評価】

 小難しいのではないか?…とかなり警戒していたところ、さほどでも無かったんですが、とか油断をしていたら、やっぱりちょっとキツかったですな。 ニコルスのオリジナルそのものは、わりとイケる感じのものがあったと思えば、まったく意味不明なタイプのものもあったりして、ま、勝率4割弱といったところですかね? 演奏を含めると更に聴いているほうのボルテージは低下してしまうんですが、ざっと一通り聴き終えて、CDがまた1曲目に戻ると、今度は意外とすんなり入っていけたりして、が、3曲目になるとやっぱりまた駄目だったりして、 「ザ・レディ・シングス・ザ・ブルース」 で再び盛り返して、以下、乱高下。 曲解説が全体的に短かったところをみると、僕としてはさほど乗り気ではなかったんでしょうな、やはり。


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