AFRO−HARPING (CADET)

DOROTHY ASHBY (1968/2)

AFRO-HARPING


【パーソネル】

DOROTHY ASHBY (harp) RICHARD EVANS (arr) & others

【収録曲】

(01-03) SOUL VIBRATIONS / GAMES / ACTION LINE
(04-06) LONELY GIRL / LIFE HAS ITS TRIALS / AFRO-HARPING
(07-08) LITTLE SUNFLOWER / THEME FROM "VALLEY OF THE DOLLS"
(09-10) CAME LIVE WITH ME / THE LOOK OF LOVE

【解説】 (2008年05月11日更新)

 ひこにゃん、ひこにゃん、ひこにゃんにゃん♪ ということで、行ってきました、ひこにゃん城。 今年のゴールデンウィークは多度の上げ馬にしようか彦根城にしようか、ちょっと悩んだんですが、上げ馬のほうは馬が逆送して骨折者が出ていた模様なので、やめといて正解でした。骨を折ってもくたびれるだけで、何も得することはありませんからね。もともと、上げ馬というのは動物愛護団体や馬好きの人たちの間ではかなり評判が悪かったりするんですが、その点、ひこにゃんは猫好きの人たちの間でもかなり人気が高いみたいだし、血迷って逆走したりする心配も無さそうなので、バッテイ手術明けのレジャーとしては、ま、無難なところではないかと思われます。 ひこにゃんの登場スケジュールを 公式サイト で確認したところ、どうやらこの日 (5月6日) は 10:30〜11:00 13:30〜14:00 15:00〜15:30 の3回、お出ましになるようです。9時過ぎに桑名を出て、彦根に着いたのが10時半。1回目の登場に間に合うかどうか微妙なところなので、とりあえず先に城内散策を済ませておきましょうか。

<彦根城散策> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 彦根城はアレです。日本で12箇所しかない現存天守があるお城のうちのひとつです。三重県には “勝手な店主” という看板の出ているラーメン屋があるんですが、それに比べると現存天守というのは立派ですよね。勝手な店主というのは勝手に店を休みにしたり、勝手に店に勝手口を作ったりして、やる事なす事がすべて勝手なので、次第に客足が遠退いたりするんですが、現存天守のほうは昔の天守閣が現存しているというだけで客を呼ぶことが出来ます。しかもここは日本で4つしかない国宝天守ですからね。国の宝ということになるとこれはもう、もしかすると名古屋にある “湯〜とぴあ宝” よりも立派だったりするのかも知れませんが、駐車場に車を止めて、お城のほうに向かって歩いていくと、まず最初に目に入ったのが (写真・いちばん上) のようなお堀でありました。 僕は城を見る場合、桑名城とどちらが立派か?…というのを評価の基準にしているんですが、ま、桑名城は堀と石垣くらいしか遺構が残っていないので、勝てるのは同じ桑名にあった “しぐれ城” か、養老の “珍品城” くらいしか無かったりするんですけど。 で、この勝負はですね、桑名城も堀だけ見れば、そこそこ立派?…というので、1回の表に相手のエラーと、送りバントと、キャッチャーのパスボールと、犠牲フライで1点を先取したものの、その裏にパカパカと打たれまくって、打者一巡で6点取られちゃったみたいな。 彦根城は内堀と中堀がほぼ完全な形で残っているんだそうで、この写真は、えーと、内堀とそこに掛かる大手橋ですかね? この堀というのがまた立派で、優雅に屋形船が行き来したりしてるんですが、桑名城のお堀はせいぜい、金魚まつりの時に張りぼての金魚が浮かんだりする程度ですからね。

 橋を渡って城内に足を踏み入れてしばらく歩くと、長い上り坂になっておりました。桑名城はどこをどう見ても全域が海抜0m地帯やな。…といった感じで、揖斐川の堤防が決壊するとすぐに水没しちゃいそうなんですが、彦根城は琵琶湖が溢れても大丈夫そうです。 で、坂を登りきった辺りにですね、 (写真・上から2番目) のような “天秤櫓” がありました。いやあ、立派ですな。この櫓は豊臣秀吉が造った長浜城の大手門を移築したものだと言われているようですが、ちなみに桑名城にも櫓はあります。 “蟠龍櫓(ばんりゅうやぐら)” というのがソレです。カッコいい名前ですな。天秤などという貧乏臭い器具とはレベルが違います。しかもこの蟠龍櫓は完成したのが平成15年ということで、新しさという点でも圧勝であると言えましょう。彦根城には400年ほど前に造られた古い櫓しかなくて、気の毒です。 “廊下橋” を通って天秤櫓の門をくぐると、櫓の内部を見学出来るようになっておりました。 ま、内部を見学してみたところで何があるというワケでもなく、櫓の内部やな。…という事が分かるだけだったんですが、そこへいくと蟠龍櫓のほうは国土交通省が水門の管理所を造るにあたって、形を櫓っぽくしたものなのでちゃんと水門を管理する施設なんかもあって、立派です。2回の表、桑名城の攻撃は、三振振り逃げで出たランナーが盗塁して、内野ゴロの間に3塁に進んで、その後、スクイズが見事に決まって、1点返したと。 が、その裏、彦根城は先頭打者の天秤櫓が得意の天秤打法でレフトスタンドに飛び込むホームラン。 ま、1点くらいはしょうがないよね。…と思いながら急な石段を登っていくと、今度は “太鼓門櫓” というのが出てきて、2者連続ホームラン。更に坂を昇る間にもパカパカとヒットを打たれて、ランナーが3人溜まったところで国宝の天守閣が出てきて、とどめの満塁ホームラン。いやあ、桑名城のピッチャー、大炎上でありますなぁ。。。

 彦根城の天守閣はですね、わりと小振りです。出世魚のブリに例えると、小ブリくらいの大きさでしょうか?あるいはハマチ程度と言えるかも知れませんが、屋根のあたりの曲がり具合とかはなかなか凝ったものがあって、さすがは国宝やん!…といった風格が感じられます。ただ、石垣はあまり高くありませんな。静岡の石垣いちごの石垣よりはマシ?…といった程度で、しかも石の大きさとか積み上げ方がかなりアバウトで、隙間に埋まった石を引っこ抜くと、そのままガラガラと崩壊しちゃいそうです。何でも “ごぼう積み” と呼ばれる手法なんだそうで、一見すると雑なように見えて、水はけがよくて意外と丈夫なんだとか。いや、人と石垣は見掛けによらないものですな。 で、この日は連休中ということもあって非常に人出が多く、天守閣の中に入るのに30分待ちという状況でありました。 で、この日は祝日ということもあって11時からと12時からの2回、博物館の前で火縄銃の試射が行なわれるということなんですが、ここで30分並んでいるとそっちのほうが見れなくなってしまいます。火縄銃と博物館を見て、それから天守閣に戻って、30分並んで、中に入って、上に昇って、その後、天守前広場に登場するひこにゃんを鑑賞。そういう綿密なプランが立てられたわけでありますが、で、とりあえず天守の裏をぐるっと回ってみたところ、このお城は裏側のほうが石垣も高くなってて、オマケの建物とかも付随していて、絵になるな♪…ということが判明したんですが、 (写真・下から2番目) のシチュエーションでありますな。 で、この位置から “黒門” まで延々と石段を下り続けることになるんですが、この石段というのが歩くのが大変である上に、ちょっぴり危険でもあります。コケて怪我をする恐れもあるので、 “国境なき医師団” がいてくれたほうがいい石段。…と言えるかも知れません。ま、僕の場合、バッテイ手術の予後も順調で、無事に黒門に到着することが出来たんですが、ま、この黒門というのはあまり大した門でもなかったので、別にたどり着けなくてよかったような気もするんですけど。

 門そのものはあまり大したことがないんですが、ここまで降りてくるとお城に隣接する “玄宮園” というところに行くことが出来ます。今回は火縄銃の関係で立ち寄る時間がなくて、玄宮園に言及出来ないところが残念なんですが、ま、給料を減らされて減給になることを思えばそれほど残念でもなくて、中には入らなかったものの (写真・いちばん下) のように道路を挟んだ堀の反対側に長い塀がまっすぐに伸びている姿は、それなりに絵になっているのでありました。 で、続いては火縄銃試射でありますな。 が、紙面の都合により、先に博物館のほうを片付けておこうと思うんですが、彦根城にはですね、 彦根城博物館 というのがあるんですよね。桑名城にもこの手の施設はあります。 “宝物館” という名前で、金魚まつりの時とかしか公開されていないので、レア度という点ではかなり上だったりするんですが、中身のほうはというと、ま、臓物よりはマシ?…といった程度の宝物だったりするんですけど。 そこへいくと彦根城博物館はですね、立派でした。建物の格からして横綱と序二段127枚目くらいの違いがあるんですが、入ってすぐの部屋には何やら屏風のようなものが展示されておりました。ふーん。…と軽く一瞥して通り過ぎてしまったんですが、後からパンフレットを見たら、どうやら国宝だったようで。いや、そうと知っていれば、もうちょっとよく見ておくべきでしたなぁ。ま、よく見てみたところで、あまりよく分からないものである事は確かなんですが、その他、井伊直政が関ケ原合戦で着用したとされる朱塗の具足というのもありました。具足なんてのは伊豆あたりの旅館でちょっと奮発すれば伊勢海老の具足煮というのを食べられるので、さほど珍しいものでもないんですが、彦根城の初代藩主は徳川四天王のひとりである井伊直政なんですな。それを聞くと大抵のお城の関係者は、負けた。…とガックリするところなんですが、でも大丈夫。桑名城の初代藩主は同じく徳川四天王のひとりである本多忠勝だったりします。でもこっちには幕末に活躍した井伊直弼もいる!…というのなら、こっちにだって京都所司代として活躍した松平定敬がおります。 ま、今ひとつマイナーで地味なキャラであることは確かなんですが、同じ松平ということなら松平定信だって桑名藩にゆかりの人物であります。別名を楽翁公と言って、らくおうこうの明徳は、我らが心の鏡なり♪…と日進小学校の校歌にも歌われて、僕たちの心の鏡になっております。

 ということで、ま、この件に関しては何とか引き分けに持ち込めたような気がするんですが、あとはえーと、刀だとか、能舞台だとか、そんなものがありましたな。後半は能面だとか茶道具だとか、そういう地味な展示物が続いて、やや尻すぼみではありましたが、とまあそんなことで、天守閣に戻って、30分ほど並んで、中に入って、上に登ってみました。いかにも古い城らしく、スカートを穿いているとパンツが丸見えになっちゃうほど階段が急だったりしましたが、別に中に何があるというわけでもなく、せっかくの外の景色も金網に邪魔されてうまく写真が撮れず、30分並ぶだけの価値があるのかと言われると、ま、せっかくだから一応は登っておいたほうが後で後悔しなくて済むような気はするんですけどね。 とまあそんなことで、続いて火縄銃、いってみましょうかぁ。


<火縄銃試射> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 火縄銃はですね、博物館の裏の内堀に面したところで試射が行なわれました。内堀を挟んだ向こう側なのでちょっと距離があるんですが、ま、鉄砲をぶっ放すわけなので、やむを得ないところではあるんですけど。いくら空砲とは言え、目の前で火薬を爆発させられたらびっくりして、かやくご飯を喉に詰まらせたりするお年寄りが出てこないとも限りません。火縄銃試射中の食事には気をつけたいところでありますが、 (写真・いちばん上) は表門橋から見た内堀の様子でありますな。すぐ近くで銃が乱射されているというのに、時おり (写真・上から2番目) のように暢気に屋形船がやってきたりします。 ま、さすがに人が近くに来た時は鉄砲撃ちが中断されることになるんですが、この船の動きというのがどうしようもないほどトロくて、橋の上で見ているほうとしては、かなりイライラします。構わん。撃て! 気の短い殿様だったら、間違いなくそう命令しちゃうことでありましょう。残念ながら僕は殿様キングスのファンではあるものの、そこまでの権限は持ち合わせていないので、ただ船が通り過ぎるのをじっと待つしか手立てがないんですが、ま、船頭のオッチャンがひこにゃん帽子を被っていて (写真・下から2番目) 、ちょっぴりキュートだったので、今回だけは許しておきますけど。で、 (写真・いちばん下) が試射の様子なんですが、静止画だと今ひとつ迫力の程が伝わってきませんな。今回は試しに動画も撮ってみたので、 『塩サバ通信』 初の試みとして、ここはひとつ、それを公開してみましょうかね? 名付けて “火縄銃試射の試写 (シシャモ付き)



getquicktime ※動画をご覧頂くには、視聴ソフト(無料)が必要になります。

 僕は動画配信に関してはド素人なので、果たしてこの方法が適切なのかどうかは定かではないんですが、ま、少なくとも自分のパソコンでは見れたから、いっかぁ♪ でも、新しく買ったサブノートではうまく見れなくて、駄目ぢゃん! この部分(↑)に何も表示されてない場合は恐らく “QuickTime” が入ってないものと思われるので、ソフトをダウンロードして、インストールしなければならないんですが、それだけ手間をかけさせておいて、こんなしょうもない動画かいっ!…と、自分で作っておきながら、ちょっとムカついてしまいました。 すけべ動画を見るためなら、どんな苦労も厭わず、英語のサイトだって頑張って翻訳しちゃう僕なんですが、こりゃ、努力するだけ時間の手間の無駄なので、見れなかった人はそのまま放置しておいたほうが賢明なのではなかろうかと。 それにしても何ですな。火縄銃というのは1発撃つのに、えらく時間と手間が掛かるものなんですな。準備シーンは単調で、見ているほうはイライラするだけなのでカットしたんですが、銃身を上に向けて火薬と弾を入れて、棒のようなものでツンツンしている姿はちょっと間抜けです。そんなことしてる間に刀でバサっと斬られちゃったら、それでアウトですな。襲われそうになったらとりあえず手に持っている火縄を押し当てて、 「あちっ!」 と敵が怯んだ隙に作業を進めるしかありません。襲撃する側としては常日頃から根性焼きで鍛錬を重ねて、火脹れに耐えられるカラダにしておかなければなりません。 で、この日の試射ではけっこう不発もあったりして、ま、試射だからいいようなものの、これがもし本番の戦だったら、カチッ!スカ。あれ?…などと首をかしげているうちに斬殺されて一巻の終わりでしょう。特に雨降りの場合は 「縄が濡れて力が出ないよ〜。」 という、なさけないアンパンマンみたいになっちゃうので、注意が必要です。とまあ、かように楽しい火縄銃の試射だったんですが、しかしなんですな。火縄というと僕の場合、どうしても長縄所長代理 (当時) の顔が浮かんできてしまって、ちょっぴり不快です。 “長縄” というのはちょっと珍しい苗字だと思うんですが、先祖が火縄職人だったとか、先祖が長い縄で縛られる係りの人だったとか、何かそういう由来があるんですかね? ちょっと気になったので調べてみたところ、あまり関係はないんですが、 こんなサイト が見つかりました。 いやあ、長縄家は全国に 1,090世帯もありましたか!考えただけでもウザい話でありますが、ではちょっと “” が付く名前である長縄所長代理 (当時) の今日の運勢を占って貰いましょうかー。

 『長縄○さんの今日の運勢』

 今日はあなたの短所ばかりが目立つことになりそうです。そのため周囲はあなたに対して非協力的になりますので、不利な立場に立たされてしまいます。周囲を味方につけるためにも、自分の私利私欲は表に出さないようにしましょう。あなたが自分の欲を満たしている一方で、誰かが犠牲になっていることもあるのです。できるだけ控えめな行動を心がけましょう。また、人の欠点を皆の前でさらけ出すようなことはしてはいけません。

 当たってるやん!今日に限らず、根源的なところで、めっちゃ当たってるやん! 本当にもう、心の底から控えめな行動を心がけて頂きたいところでありますが、とまあ、ぜんぜん関係ないことを書いていたら、ひこにゃんについて語る時間が無くなってしまったので、この話、次回に続きまっす。

 ということで、今日はドロシー・アシュビーなんですが、ドロシー・アシュビーという名前はちょっとだけワンデー・アキュビューに似てますよね。いや、あくまでもほんのちょっとだけなので、ぜんぜん似てないと言ってもいいんですが、その前に僕の今日の運勢がちょっと気になるので、見ておきましょうかね? “稲葉” の世帯数は全国で 17,924戸ということで、長縄家に大差をつけての圧勝だったんですが、下の名前は該当する漢字がなくて、駄目ぢゃん。使えないぢゃん。 ま、この際 “稲葉ユリイカ” で、いっかぁ。…と思って運勢を見てみたところ、これまではあまりいい関係とは言えなかった人との間に、新しく友情が結ばれそうです。 などと書かれておりました。えー?もしかして長縄所長代理 (当時) と友情が結ばれたりするんですかね?それはどう考えても嫌なので、今日のところ、ユリイカはやめにしておこうと思うんですが、とまあそんなことで、今日はドロシー・アシュビーです。この人はですね、ギャル系のハープ奏者です。ハープでジャズをやるとは、また思い切ったことを考えたものでありますが、普通、ハープで思いつくものと言えば “ビルマの竪琴ごっこ” くらいですもんね。肩に青いオウムを止まらせて、 「オーイ、ミズシマ、イッショニ、ニッポンヘカエロウ」 と喋らせなければならないという、非常に手間隙のかかる遊びなので、ま、それならジャズでもやってたほうがまだ楽なのかも知れませんけど。 ギャル系でハープということになると、あまり硬派なものは期待出来ないと思われるかも知れませんが、過去に聴いたプレスティッジ盤は意外とファンキーな正統的のハード・バップだったような記憶があるので、期待していいのではないかと思います。 で、今日はカデット盤の 『アフロ・ハーピング』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんですが、合言葉は、アフロとハーピング、アフロ (アフロ) 、ハーピング (ハーピング) 、スリー、ツー、ワン、ファイヤ♪…と、思わず 『アフロ軍曹』 の節で歌いたくなってしまうようなタイトルでありますな。とてもいい名前を付けたと思うんですが、その一方、ジャケットは今ひとつでありますな。ハープの向こうの木彫りのオッサンが恐いです。火縄銃試射では音の大きさにビビって子供が泣きまくっておりましたが、この顔も恐いです。夜中に魘されます。せっかくハープなどというギャルっぽい楽器を持ってきたんだから、可愛い天子とか、勝手な店主とか、そういうのを持って来て欲しかったところなんですが、でもって、パーソネルもかなりアバウトですよね。ドロシー・アシュビーのハープに、リチャード・エヴァンスのアレンジ、その他はよく知らん (others unknown) と書かれているだけで、あまり真っ当なジャズは期待出来なさげではありますが、とりあえずまあ、聴いてみましょうか。

 1曲目はリチャード・エヴァンスのオリジナルで、 「ソウル・ヴァイブレーションズ」 。 「魂の振動」 でありますな。略して 「たましん」 。何だか多摩地方にある信用金庫みたいですが、ちなみに桑名には “くわしん” というのがあります。津にある信用金庫は “つしん” …では語呂が悪いと思ったのか、 “つしんきん” と名乗っているようですが、蒲郡には “がましん” というのもあります。ところで、この曲を作ったリチャート・エヴァンスって、どういう人だっけ?…という点についても触れておかなければなりませんが、えーと、ここ にありますな。名前からして、クールなピアノを弾く知的で叙情的なオッサン。…というイメージが僕の中では勝手に出来上がっていたんですが、このベースを弾くオッチャンでありましたか。ベース弾きというのはただベースを弾くだけで、あまり作曲や編曲といった難しい仕事は出来ない人種だと僕は勝手に思い込んでいたんですが、偏見もいいところですよね。ベーシストにもチャールス・ミンガスやオスカー・ぺティフォードといった作編曲に秀でた人がいるので、その偏った見方は直ちに悔い改めなければなりませんが、で、このリチャード・エヴァンスの作った 「ソウル・ヴァイブレーションズ」 という曲も、魂を揺さぶられる感じで、悪くないです。パーソネルでは楽器編成がまったく不明だったんですが、ハープ以下、弦楽器とかパーカッションなんかがたくさん入っていて、とっても賑やかなイージーリスニング風のオーケストラ。…といった感じでありますな。いくぶん東洋風のムードが漂っていたりするんですが、やはり竪琴ごっこの影響もあるんですかね? ちなみに僕がビルマでやってみたいのは竪琴ではなく、 “ビルマでデビルマンごっこ” なんですが、今、サイクロンの被害でそれどころではないかも知れませんけど。 演奏のほうは概ね、オーケストラをバックにハープがソロを取る形で進められるんですが、これがジャズと言えるのかというと、言えるような気もするし、言えないような気もするし、でもまあ、悪くない音楽だという気はするし、ということで、次です。

 2曲目はアシュビーのオリジナルで、 「ゲームス」 。 おむすびの中に海老の天麩羅が入っているのが “天むす” なんですが、その法則をこの曲名に当て嵌めると 「ゲームス」 は中にゲーの入ったおむすびということになりますか。ゲーというのは恐らく、ゲロのようなものではないかと思うですが、そういうものはなるだけ、おむすびの中には入れて欲しくないですよね。でもまあ、英語の曲名に “天むすの法則” を当て嵌めること自体、ちょっと間違っているような気もするので、あるいはただ単にゲームの複数形だったりするのかも知れませんけど。 で、曲のほうはアレです。ラテンのリズムに乗ったマイナー調の哀愁チューンでありまして、ハープとフルートとストリングスの絡み具合もなかなか絶妙です。ストリングスというのは根がヒモであるだけに、あまり複雑に絡んでしまうと、後でほどくのが大変なんですが、その辺はアレンジャーのリチャード・エヴァンスもよく心得ていて、いい感じのソフラン仕上げになっております。中間部では程度にハープのソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 3曲目は同じくアシュビーのオリジナルで、 「アクション・ライン」 。これまたほの暗いムードを持ったマイナー調のなかなかの佳曲でありまして、で、今回、フルートに加えてヴァイブまで追加されているような気がします。いずれも僕の好きな楽器なので、セーラー服モノのすけべビデオだと思ってたら、メイド服と喪服のコスプレもあったというような、ちょっと得した気分になってしまいました。 ま、フルートとヴァイブというのはラテン系ではわりとありがちな組み合わせなので、どちらかというとブルマにスクール水着といった感じですかね? 中間部では程度にハープのソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 こりゃ、曲名のところでボケておかないと、その先、ほとんど何も書くことがないタイプの演奏であることが次第に明らかになって来たんですが、続いては 「ロンリー・ガール」 という曲です。 Hefti-Livingston-Evans とクレジットされているので、あるいはニール・ヘフティが製作に携わっているのではないかという気がするんですが、原文ライナーを見ると確かに、Neal Heftiはそれを書きました、そして、ドロシーは最も同情的な態度における、元ハリウッド女王の寂しさを塗装します。…といったことが書かれております。パラマウント・フイルムがどうのこうのという記述も見えるので、おばあちゃんがパラマウント・ベッドで、パラマうーんと元気になったとか、そういう話なのかも知れません。うーんと元気になったのなら別に、元ハリウッド女王の寂しさを塗装しなくていいような気もするので、もしかしたら違うのかも知れませんが、ちなみに僕は個人的にロンリーなガールというのがわりと好きだったりします。ロンリーなガールを見ると思わず、ロンリー、君も孤独なのかい、ロンリー、君はひとりかい♪…と、シャ乱Qの 「いいわけ」 を歌いたくなってしまうんですが、 “シャ乱Q” 。今から考えるとヘンな名前ですよね。むかし考えた時もやはりヘンな名前だと思ったんですが、最初は “シャ乱P” という名前にする予定だったそうで、ま、それを思えばまだ “Q” のほうがマシなんですけど。 で、この 「ロンリー・ガール」 はジプシー風の旋律を持った、とっても銀座ジプシーな曲だったりするんですが、テーマ部ではハープを前面に出さず、名前のよく分からない楽器をフィーチャーしているところが新鮮だったりしますよね。 で、その後、アシュビーのソロが登場することになるんですが、やはりハープという楽器は 「ハブとマングースの決闘」 のBGMで流すよりも、ハーブティーの似合うバルコニーとか、そういう雰囲気がお似合いですよね。個人的にはあまり好きではないんですけどね、ハーブティー。何だか、歯を磨きながら紅茶を飲んでいるような気がして。

 で、5曲目です。アシュビーのオリジナルで、 「ライフ・ハズ・イッツ・トライアルズ」 。 「人生にはトライアルがある」 といった意味ではないかと思うんですが、 「人生は、とらいアルね」 と、ゼンジー北京風に訳してみてもいいかも知れません。 「人生は、とらいあるアルね」 では駄目なのかというと、別にそれでもいいんですが、これまた何とも日本人好みの曲想になっているところが立派だと思います。ドロシー・アシュビーってもしかして、泥死異阿腫毘異とかいう名前の日本人なんじゃないか?…と、ふと思ったりもしたんですが、泥死異などというおどろおどろしい苗字は名前占いにも該当が無かったので、やっぱり違うのかも知れませんけど。 で、ここでは珍しくハープ以外にフルートやヴァイブのソロもフィーチャーされたりしているんですが、そのため、ジャズっぽいという点ではこれまでで一番の出来であると言っていいでしょう。ブルマとスク水を堪能出来て、僕としても満足なんですが、ところでスク水って “すくすい” なんですかね?それとも “すくみず” なんでしょうか?個人的には “すくすい” のほうがちょっぴり積水ハイムみたいでいいかな?…という気がするんですが、積水ハイムみたいだと何がどういいのかと言われると、自分でもあまりよくは分からないんですけど。 で、次。アルバム・タイトル曲の 「アフロ・ハーピング」 。作曲者としてアシュビーの他に “Upchurch” というクレジットがあるんですが、このアップチャーチというのはどうやら、シカゴからやって来た新しいギターの才能らしいということが原文ライナーを見て判明しました。ジャズ・ファンクの名ギタリスト、フィル・アップチャーチの事ですかね?いや、僕はそんな人、ぜんぜん知らないんですが、 “アップチャーチ” でググってみたら、わりとたくさんこの人のアルバムとかがヒットしたんですけど。新しいギターの才能ということなので、後にそこそこメジャーになったとしてもさほど不思議ではないですよね。 で、演奏そのものはアレです。フルートをフィーチャーしたテーマ部が、なかなかいい感じでありまして、さほどアフロ的ではないような気もするんですが、いい曲であることは間違いありません。 で、以下、ハープ、名前のよく分からない楽器、フルートと、短めのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。名前のよく分からない楽器は、あるいは電子ピアノの類か?…という気もするんですが、タイトル曲のわりには2分59秒と、わりとあっさりした仕上がりでありましたな。ま、悪くはなかったから、別にいいんですけど。

 7曲目、 「リトル・サンフラワー」 。これはアレです。フレディ・ハバードのオリジナルです。 フレディ・ハバードのオリジナルなんですが、まるでアシュビーのオリジナルであるかのようにハープの音色とうまくマッチしておりまして、実に爽やかです。ハープのソロもわりと長めにフィーチャーされているし、フルートとヴァイブも入っているし、ま、いいんじゃないでしょうか。 8曲目、 「テーマ・フロム・ヴァレイ・オブ・ザ・ドール」 。これはアレです。 『ヴァレイ・オブ・ザ・ドール』 のテーマです。 “ヴァレイ・オブ・ザ・ドール” というのはアレですかね?人形の谷? 谷亮子の人形とか、あまり欲しいとは思わないんですが、ま、世の中にはマニアと呼ばれる人もいるので、意外と需要はあったりするのかも知れませんけど。 で、曲のほうはアレです。ボサノヴァっぽいリズムが爽やかで、ハープとストリングスとヴァイブとの絡みも絶妙で、とてもいいと思います。 9曲目、 「カム・ライブ・ウィズ・ミー」 。作曲者のクレジットに “Previn” とあるので、アンドレ・プレヴィンのオリジナルなんでしょうか? あるいはアンドレ・カンドレの作品なのかも知れませんが、どこにもカンドレとは書かれていないので、違うような気もするんですけど。いずれにしろ、日本人好みの大変にいい曲だと思います。 ということで、ラスト。 「ザ・ルック・オブ・ラヴ」 はバカラック・ナンバーではないかと思われます。いいですよね、バカラック。 バカラックと馬鹿なラッコとでは、どちらが好きかと言うと、馬鹿なラッコというのも可愛くていいかな?…という気もするんですが、この曲では、あるいは電子ピアノの類なのかも知れない名前のよく分からない楽器がちょっと前衛的なソロを弾いてたりして、今までに比べるとちょっぴり硬派なムードが漂っていたりもするんですが、ま、硬いといっても、ちょっと硬めの軟便かな?…といった程度なので、ぜんぜん大丈夫だったりするんですけど。 最後がフェイドアウトというのはアルバムの最後として、ちょっとどうか?…という気がしないでもないんですが、ま、あまり気にしなければそれほど気にならないレベルの問題だし、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 全般的にかなり適当な曲解説になってしまいましたが、ま、概ねイージーリスニングな出来栄えだしー。 正直、曲数をもう少し減らして、フルートやヴァイブのソロをもうちょっとフィーチャーして欲しかったような気もするんですが、アシュビーやリチャード・エヴァンスのオリジナルを含め、取り上げられている曲はどれも秀逸です。ハーブティーを飲みながら羽二重餅を食べる。そういうシチュエーションのBGMとして、このハーブの音色は最適です。


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