RICHARD’S ALMANAC (ARGO)

RICHARD EVANS (1959/7/21〜23)

RICHARD'S ALMANAC


【パーソネル】

JACK WILSON (p) RICHARD EVANS (b) ROBERT BARRY (ds)
【収録曲】

TREES / VERA / I'M GLAD THERE IS YOU / THE PREACHER
CRAZY RHYTHM / BYE BYE BLACKBIRD / DAYBREAK / CONSU
SHOULD I / JEEPERS CREEPERS

【解説】 (2007年08月26日更新)

 海遊館 を回遊して来ました。 “海遊館” はまさしく、回遊するという表現が相応しい建物の構造になっていたんですが、ちなみに僕はお魚がさほど好きではありません。ランチが3種類ある店で、Aランチが 「鶏の唐揚げ」 、Bランチが 「カレイの煮付け」 、Cランチが 「ちくわの磯辺揚げ」 だったりしたら、真っ先にBを除外して、鶏とちくわでちょっと悩むことになるんですが、平ぺったいだけで、たいして美味しくないですからね、カレイ。 子供の頃から魚釣りの趣味もなかったし、水族館にもあまりソソられるものがなくて、釣る・見る・食べるの3方面からサカナにはあまり興味がなかったりするんですが、動物園と水族館ではどちらが好きかというと、んーと、まだ動物園のほうがマシですかね? 動物園にはいろいろな動物がいるんですが、水族館には基本的にサカナの類しかいませんからね。サカナというのは基本的にサカナの形をしていて、どれも似たようなものなので、出だしの部分はいいとしても、30%ほど進んだあたりから次第に飽きてきて、後半はダラダラになってしまいます。 特に後半がタラみたいなシケた魚だったりすると、ダラダラ感が更に高まることになるんですが、でもまあ、今年の夏のサバ家の旅行は、海遊館っ!…ということに決まってしまったので、とりえあず写真撮影にでも活路を見出すとして、あとはまあ、カツオとかがいれば活路が更に開けるような気がするんですが、とまあそんなことで、とりあえず行って来ました。

 花火撮影のコツに関してはいろいろと勉強したんですが、水族館撮影に関しては今ひとつよくわからなくて、ただ、盗撮のテクをある程度は応用出来るような気がするんですけどね。 周囲が暗い、気付かれたら困るのでフラッシュが使えない、それでもバレたらすぐ逃げられるように三脚は使わない。…という悪条件の元、盗撮は常に手ブレとの戦いになるんですが、水族館というのも条件としては似たようなものかと。 ただ、サカナ撮影の場合、望遠でなくても大丈夫なので、まだ気持ち的には楽だったりするんですが、実際に現場で撮影してみて、どうしてもコレだけは押さえておかなければならない重大なポイントがあることを発見しました。それは何かというと、レンズフードは使わないということなんですが、どうしてかと言うと、人ごみに紛れてフードが外れて、落としちゃうからなんですけどね。 僕のカメラのもいつの間にか落としてしまっていたようで、後ろにいたオバチャンにツンツンと背中を突付かれて、何事かと思って振り向いたら、「これ、落としたんちゃう?」 と、フードを渡されたりしたんですけど。 同じようにサバ兄もフードを落としてしまって、が、誰からも拾ってもらえずにちょっとイジけておりましたが、写り込みを防ぐのに水槽にピタッとフードを密着させるという手法はなかなか有効だったりするんですが、落として泣くのがいやだったら多少みっともないのは我慢して、フードをビニールテープでぐるぐる巻きにしたほうがいいかも知れません。 あるいは、日頃からオバチャンと仲良くしといて、落としてもすぐに拾ってもらえるようにするとか。 …という撮影のポイントが判明したところで、では早速、中に入ってみることにしましょうか。

魚のとおりぬけ・アクアゲート♪

 海遊館では、まず最初にトンネル型水槽 「魚のとおりぬけ・アクアゲート」 をくぐり、エスカレーターで最上階 「日本の森」 まで上がります。…と、オフィシャルサイトにもあるように、まず最初に登場するのが “魚のとおりぬけ・アクアゲート” でありますな。青い水と黄色い魚とのコントラストが抜群でありますが、こういう水槽にサバとかを泳がせても保護色と化してちっとも目立たないに違いないので、ここはやはり熱帯系のオサカナでないと駄目ですよね。 僕の持ってるニコンの “D50” は感度を上げすぎるとノイズまるけになって今ひとつ駄目なんですが、相手が水槽だとあまり分からないような気がするので、耳に息を吹きかけると 「ああん♪」 となっちゃうくらいの高感度だって、積極的に活用出来そうです。ただ ISOを1600まで上げても、F2.8の絞り値でシャッタースピードは1/15秒なので、オサカナが微妙にブレちゃってますな。なるべく動きの少ないカレイみたいな魚を狙ったほうがいいかも知れません。 ま、被写体としてはサバと同じくらい地味なので、たとえボケやブレなく撮れたところで、さほど嬉しくはなかったりするんですけど。 で、続く “日本の森” は極めて地味な企画でありました。 唯一の見所はカワウソたんなんですが、カワウソは周囲の色と同化していてビジュアル的には今ひとつだったので、ここは軽く通過させて貰うとして、で、ここから先は順路に従って各水槽をめぐりながら、らせん状にスロープ(一部階段です)をおりていきます。…ということになるわけです。 まさしく海遊館を回遊するという形になるわけですが、8階から7階あたりにかけてのコーナーには、いわゆるオサカナ系ではない生き物達がたくさん見られました。

ラッコたん♪

 まずは、ラッコたん♪ ラッコ、ラッコ、ララ、ラッコ ラッコ、ララララ、ラッコ ラッコ、笑ってラッコ いたずラッコ ラッコはいいな いつも遊んでる すこし気取って エヘヘヘン♪…と、水森亜土も歌っているように、ラッコというのはいつも遊んで動き回っているので、写真に撮るのはなかなか大変です。 連写機能を使って、たまたまいい感じに撮れたのがこの1枚なんですが、いや、なかなか賢そうな顔をしたラッコでありますな。 ラッコはお腹の上に石を置いて、そこにアワビなんかを打ち付けて殻を割ったりするくらいなので、基本的にはかなり賢い動物なんだと思いますが、中にはやっぱりちょっとアホなラッコとかもいると思うんですよね。アワビと間違えてワサビを食べて、めっちゃ辛かったりするヤツとか。 “アワビ” と “ワサビ” では、最後の “ビ” しか合ってへんやん!…という気がしないでもないんですが、何せ相手はアホなラッコなので、絶対に無いとは言い切れません。 ま、いずれにせよ、ラッコたんというのはめっちゃ可愛くて、思わず抱っこしたくなりますよね。ラッコと乱交…まではしたくありませんが、ラッコとラッキョ狩り♪…とかには、ちょっと行ってみたいような気もします。 とまあそんなことで、次です。

イグアナたん♪

 イグアナたん♪ ラッコと違ってコイツはぜんぜん動かないので、撮影はわりと楽なんですが、いやあ、ニヒルですなぁ。 哺乳類と爬虫類の違いというか、恒温動物と変温動物の差というか、イグアナというのは何とも冷血な感じがしますよね。 いや、変温動物なんだから周囲が暑ければ、それなりに熱い血潮が滾ったりもするんでしょうが、あまり抱っこしたくないタイプの生き物であることだけは確かです。 こういう生き物がウロチョロしているような地域には、なるべくなら住みたくないものでありますが、メキシコあたりではイグアナたんを食べちゃうらしいですけどね。 鶏肉のような味がするそうなんですが、どうやって食べるんですかね? 一口大にカットして、タレをからめて炭火で焼いて、炊き立てのゴハンの上にのせて “イグアナ丼” にして食べたら、けっこう美味しいかも?…という気もするんですが、ちなみにイグアノドンという恐竜の名前は “イグアナの歯” を意味するんだそうで。 “歯” が “ドン” になるわけですな。 ちなみにティラノザウルスとかの “ザウルス” は “とかげ” の意味なんだそうですが、確かにトカゲとかイグアナなんていう奴らからは、恐竜の生き残りのプチ版…といった気配が感じられたりします。毛は生えていませんが、そんな気配はあります。 ちなみに恐竜には毛が生えてたという説もあるんだそうですね。飛鳥昭雄先生が 『恐竜には毛があった!!』 などという本を執筆なされておりますが、ま、 『ムー』 の総力特集に寄稿されている先生なので、信憑性のほどは定かではないんですけど。

ペンギンたん♪

 今ひとつソソられるものがない水族館の生き物たちの中で、僕が唯一、楽しみにしているのがペンギンたん♪…なんですが、いや、今回は不覚にもカワウソとか、ラッコとか、イグアナあたりでも結構よろこんでしまったんですけど。 が、やはりペンギンたんの可愛さは別格と言ってもよくて、ただこの海遊館ではさほど優遇されている存在では無さそうな感じだったんですけどね。 わりと暗い感じの水槽の中に幽閉されていて、ま、それでもやはりペンギンは人気者なので、かなりの人がたかっていたりして、おまけに飼育係の兄ちゃんが中で何やら作業をしたりしていて、写真撮影はやや困難なものとなってしまいました。 何やら鍾乳洞のようなモチーフが施されていたんですが、白黒のペンギンがほとんど保護色になってしもてるやんっ! 特に右側でぼーっと直立姿勢をとっているペンギンのほうは、ぼーっと眺めていると思わず見落としとしてしまいそうなんですが、で、ペンたんの写真を撮るなら、やっぱりペンタックスのカメラのほうがいいですかね? ニコンのカメラでは今ひとつ、ニコやかな感じを出すことが出来なかったんですが、それはそうとこのペンギンは何という種類なんすかね? エンペラーペンギン、アデリーペンギン、フンボルトペンギン、イワトビペンギン…と、ペンギンにもいくつかの種類があるんですが、個人的には “ジェンツーペンギン” がいちばん好きっ♪ 名前が何となく “ゼンジー北京” に似ているところが好きっ♪

グレート・バリア・リーフ♪

 “南極大陸” の次は “タスマン海” ということになるんでしょうか? 海水をくみ上げて茶色いビンに詰めればそのまま “タフマン” になりそうな名前のこの海、いったいどこにあるんすかね? サバ兄は、「そりゃ、タスマニアの辺りやろ。」 などと適当なことを言っておりましたが、あるいはそれで正解なのかも知れません。 ごくたまにマトモな事を言ったりしますからなぁ、サバ兄も。 で、ここにはカマイルカが泳いだりしてたんですが、人だかりが出来てあまり近寄れなかった上に、イルカの動きが速過ぎて、ジャンプの瞬間を写したるでぇ!…という僕の意気込みとは裏腹に、人様にお見せするような作品は、1枚たりとも物にすることが出来ませんでした。カマっぽいイルカだと思って馬鹿にしてたら、なかなか侮れませんなぁ、カマイルカも。 ということで、掲載の写真は続く “グレート・バリア・リーフ” で撮ったものなんですが、いやあ、さすがはグレートなバリアのリーフですなぁ。 僕は基本的にサカナ系の形をした生き物がさほど好きではなく、特に淡水魚などという輩は地味でどうしようもない奴らだと思うんですが、カラフルな熱帯魚がこれほどたくさん集結していると、見事という他ありませんなー。 基本的に地味な奴らしかいなかった “東京タワー水族館” も、ちょっとはここを見習え!…と言いたくなりますが、ま、けっこうコアなお魚好きらしい塩通のギャル系読者たちは、東京タワーでも楽しそうにしてましたけどー。

太平洋大水槽♪

 建物の6階相当部分にまで下りてくると、いよいよ真ん中のほうに見えてくるのが “太平洋大水槽” でありますな。 この辺りの構造はオフィシャルサイトの 館内マップ を見て頂けるとよくわかるんですが、6階・5階・4階と中心側に十字型の大きな水槽が備え付けられていて、その周囲を地味目の水槽が取り囲むという形になっているんですよね。 ぐるぐる回遊しながら降りていくと、いつまでたっても太平洋大水槽が見えていることになるわけですが、深さ9m、最大長34m、水量5400トンというのだから、とてつもない大きさであります。 この巨大水槽が海遊館のハイライトであると言っていいと思うので、ここでは写真を3枚ほど用意しておきました。 いちばん上は、海遊館と言えばコレやろ!…といったシンボル的な存在であるところの、ジンベイザメ。 2代目の 「遊ちゃん」 は残念ながら今年の5月に死んでしまったので、今、ここにいるのは4代目の 「海くん」 ということになります。 海遊館で飼育されているジンベイザメは、オスなら 「海くん」 、メスは 「遊ちゃん」 という名前を世襲するというシステムが採用されているようなんですが、性別不明だったりする場合は 「館くん」 もしくは 「館ちゃん」 ということになるんですかね? ちなみに僕は子供の頃、“舘ひろし” のことを “館 (やかた) ひろし” だよねっ♪…と、勘違いしてたんですけど。何だかこう、広い館に住んでいそうで、いい感じなんですけどね、館ひろし。

 ちなみにジンベイザメというのは全長15mほどまで成長するらしいんですが、今いる海くんは5mを少し切るくらいでしょうか? ジンベイザメとしてはかなり小型の部類なのか、あるいはまだ子供なのかは定かではありませんが、5mでも水槽の中を悠然と泳ぐ姿は、なかなか趣があります。ただ、写真的にはあまりにもデカ過ぎて、なかなかフレーミングが難しかったりするんですけど。 もともと僕は苦手だったりしますからね、フレーミングの左手の法則とか。で、真ん中のヤツはメガネモチノウオでありますな。 というより、ナポレオンフィッシュという名前のほうが馴染み深いかも知れませんが、ナポレオンにしては、ちょっとアホそうな顔にも見えたりするんですけど。 で、顔と言えば、いちばん下のエイちゃん、こうしてアップで見ると、なかなか面白い顔をしてますよねー。 アメリカン・アニメのキャラに、こういう表情のヤツっていませんでしたっけ?

イワシたん♪

 で、大水槽と向かい合うように並んでいる小水槽のほうはですね、はっきり言って地味です。 “瀬戸内海” “ケルプの森” のあたりは特筆すべき生物もおらず、ま、続く“チリの岩礁地帯” のイワシたんは、なかなかスペクタクルでしたけどね。地味なイワシもこれだけの数が集結すると壮観でありますなぁ。ジャズファンなら思わず、エルビン・ジョーンズの 『ライブ・アット・ザ・ライトハウス』 のジャケを思い出してしまうところでありますが、いや、シャケは泳いでいませんでしたけどね。 で、続く “クック海峡” は、海が狭まっているな。 その先の “日本海溝” は、海が溝になっているな。…という感じがするだけで、ま、生き物としてはカメとかカニといった、カ行系のものがいるだけで、あまり大したことはありません。 ここまでくるともう、終わったも同然やな。…という黄昏た雰囲気が漂い始めるんですが、でも大丈夫。最後にはこんなコーナーが待ち受けているのでありました。

ふあふあクラゲ館♪

 ふあふあクラゲ館♪ “ふわふわ” ではなくて “ふあふあ” というところに若干の違和感を覚えてしまうんですが、ここまはたカメラマン泣かせのコーナーでもありました。とにかく暗いっ!…んですよね、これがまた。 幻想的な雰囲気を演出するためにはやむを得ないところなんでしょうが、めっちゃ手ブレするちゅうねん! 下手をするとシャッタースピードが 1/4秒とかになっちゃいますもんね。 そんな中、なんとか頑張って撮ったクラゲたんを3種類ほど紹介したいと思うんですが、いちばん上のヤツがクラゲ普及型でありますな。典型的な日の丸構図で工夫がまったく感じられない上、輪郭線も今ひとつシャープでなかったりするんですが、クラゲなんて奴は輪郭があって無いようなものなので、しょうがないんだって!(←反省の色なし。) で、普及型とは言っても、普通に普及しているタイプのクラゲに比べて、随分と足の部分が短くてコンパクトな形状をしているように思われます。ネクチクラゲの類なんですかね? 何となく根暗で無口なタイプのように見受けられますが、で、真ん中の奴はウジャラケクラゲと呼ばれるタイプのものであります。 無論、正式な名前ではなくて僕が勝手に付けた名前なんですけどね。 写真だと、スローシャッターによって光の動きが筋のように写っているかのように見えるかも知れませんが、この長いウジャウジャした毛のような部分を含めて、1匹のクラゲとなっております。 気持ち悪いやんっ!うざこらしい (←方言?) やんっ! これはえーと、赤いからアカクラゲですかね? 別名、ハクションクラゲとも呼ばれるんだそうで、触手がちぎれやすくて、乾燥すると乾いた刺糸が風で舞い上がってクシャミが出るので、こう呼ばれているんだそうです。 乾燥しても人様に迷惑をかけるとは、どうしようもないクラゲでありますなぁ。。。

 で、いちばん下は何とも幻想的な奴だったりするんですが、僕が名前を付けるとするなら、クリスマスイルミネーションクラゲといった感じでしょうか? 正式にはカブトクラゲなどという、あまりロマンティックではない名前が付けられているようですけど。 何だか妖しく光っているんですが、自力で発光しているわけではなく、体中に生えた繊毛の列 (櫛板) が光を反射して、キラキラするんだそうです。 シンプルな形といい、なんともお洒落なクラゲたんでありますなぁ。 ちなみに、日本各地に普通に生息している種類なんだそうですが、透きとおっているので発見するのは困難なんだとか。 クラゲ好きの人は普通のミズクラゲとかで我慢するしかなさそうですが、で、クラゲと言えば何といっても海水浴ですよね。 ビキニが似合うギャルと一緒に海水浴にいって、キティちゃんの浮き輪につかまってプカプカと浮かんで遊んだりしていると、クラゲに刺されたりしますよね。 「いやーん、ヘンなところをクラゲに刺されちゃったぁ。。。」 「どれどれ?どこかな?ここかな?それとも、こっちかな?」 「いやーん、サバくんのエッチぃ♪」 とか、そういうシチュエーションって何か、めっちゃ楽しそうやんっ!…という気がするんですが、今年の夏もそういう機会に恵まれることがないまま、終わろうとしておりますなぁ。 来年の夏は是非、ビキニギャルと海水浴でクラゲプレイだねっ♪…というのを目標に、とりあえず1年間、生きていこうと思います。 とまあそんなことで、今日のところはおしまい。

 ということで今日はリチャード・エヴァンスなんですが、そんな人、知ってますか? 僕は知りません。 知りませんがCD屋さんで 『リチャーズ・アルマナック』 というアルバムを見掛けたので、とりあえず押さえておきました。 で、その結果、どうやらこの人はベーシストらしいということが判明したわけなんですが、ジャケットの写真を見る限り、なかなか人懐っこそうなキャラではありますな。読書好きでなかなか勉強家でもあるようですが、地球儀をそばに置いているところを見ると、子供の頃の夢は航海士とかだったりしたのかも知れません。 航海士の夢を捨ててジャズ・ベーシストなんかになったりして、後悔してないか?…というと、にこやかな表情を見ている限りでは自分の選んだ人生にまったく悔いは無さそうなんですが、ちなみに僕の子供の頃の夢は大工さんか八百屋だったりしたんですけど。 子供の頃、火事で燃えちゃった僕の家を建て直してくれた大工さんの姿を見て感動を覚えたからとか、そういったことではなくて、3時になるとおやつを食べられて、いいよなぁ。…と、羨ましく思ったからなんですけどね。 八百屋のほうは僕の叔父さんが近所で営んでいる姿を目の当たりにして、マミーの当たりの “世界のコイン” を好きなだけ自分のものにすることが出来て、いいよな♪…というのが志望動機だったりしたんですけど。 でもまあ、八百屋のオッチャンのヒロシくんはマミーを買わなくてもどんどん勝手に景品の “世界のコイン” を横流ししてくれたので、敢えて自分が八百屋になるという必要性が薄れてしまったんですが、そんなヒロシくんが先日お亡くなりになって、寂しいことでありますなぁ。 とまあそんなことで、この 『リチャーズ・アルマナック』 というピアノ・トリオのアルバム、リーダーのリチャード・エヴァンスがベーシストということになると、ではいったい誰がピアノを弾いているのか?…と思ったら、ジャック・ウィルソンだったりすることが判明したので、僕は思わずこれを購入することにしたわけなんですが、マニア受けのするピアニストとして、日本の一部のファンの間では意外と人気のある人だったりします。 ドラムスのロバート・バリーという人に関しては寡聞にしてよく知らんのですが、ま、普通にタイコを叩いてくれていれば、それでいいということにして。 ちなみにタイトルの “ALMANAC” というのは調べてみたらどうやら、 “年鑑” といった意味であるようなんですが、とまあそんなことで 「リチャードの年鑑」 、いってみましょうかぁ。

 まず最初は 「ツリーズ」 という曲です。タイトルは、首を吊りーず。…といった意味ではなくて、木の複数形ではないかと思うんですが、ということは 「木々」 ということになりますか。日本語にするとそっけないが、ぐいぐい引き込まれるようなテンポ、前半はピアノのシングルトーンから、徐々にリズミックなアプローチへと変化していく様は、聴いていてわくわくする。ピアノ・トリオのお手本ともいえる曲だ。…と、日本語ライナーに菅原正晴クンが書いている通りの演奏が展開されております。確かにそうですよね。日本語にするとそっけないです。作者のところには “Rasbach-Kilmer” というクレジットがあるので、恐らく歌モノの類なんだと思いますが、ミィデアム・テンポのいかにも小唄小唄した感じのナンバーであります。で、僕が楽しみにしていたジャック・ウィルソンのピアノなんですが、何だかスリー・サウンズのジーン・ハリスみたいだったりして、ちょっと違う感じがしてしまいました。もうちょっとクールな新主流派風のスタイルをイメージしてたんですが、意外とベタなんですよね。 普通にタイコを叩いてくれればいいと思っていたロバート・バリーも何だか、どんつくしてるしー。 どうやらリーダーのリチャード・エヴァンスという人の志向はこういう路線であるらしいということで諦めるより他ありませんが、続く2曲目の 「ヴェラ」 はですね、そんなエヴァンス君のオリジナルとなっております。めっちゃ明るくて軽いラテン調のナンバーとなっておりまして、あまり賢そうな感じはしないんですが、能天気に聴き流す分には肩が凝らなくて悪くないですよね。巨乳ギャルはけっこう肩が凝ったりするそうなんですが、こういう貧乳タイプの演奏もたまには悪くないかも知れません。 「アタシ、貧乳だけど肩が凝るのぉ。。。」 といったタイプだったりする場合、どのように対処していいのか少し悩むとろこでありますが、ま、そんなに気にするなって! サバ君、貧乳というのもけっこう好きだったりするし、海でクラゲに刺されたりすると、腫れてちょっぴり大きくなるかも知れないしぃ。

 と、ここまで、かなりあっさりしたペースで進んできましたが、続く3曲目は 「アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー」 でありますか。僕はジミー・ドーシーの作ったこの曲がけっこう好きだったりするですが、地味ながらドシっとしたメロディを書きますからね、ジミー・ドーシー。 バラードでしっとり演って欲しいタイプの曲なんですが、エヴァンス君は今ひとつ場の空気を読めないタイプだったりするのか、ミディアム・テンポなんかで料理しちゃっておりますな。 おまけにリズムのほうも相変わらず “どんつく系” だったりするんですが、サビのところでテンポが落ちて、リズムがオーソドックスな4ビートに転じるなど、なかなか工夫の感じられるアレンジが施されていて、これはこれで悪くはないという気もするんですけどね。意表をつくという点ではコメヒョーやタキヒョーに匹敵するものがあったりして、いや、名古屋にある質屋の名前だったりするんですけどね、コメヒョー。 いらんものは、コメヒョーに売ろう!…というのがキャッチフレーズで、イラン人がいらんものを換金しているという噂をよく耳にしますが、一方のタキヒョーというのは名古屋にある繊維メーカーでありますな。 で、これまでのところ今ひとつ個性を発揮出来ずにいたような気がしないでもないジャック・ウィルソンがここに来てようやく開眼の兆しを見せ始めておりまして、特に “片手でテーマのメロディを弾きながら、もう片方の手でアドリブしちゃうぜ奏法” は驚愕に値するテクニックだと思います。 僕の場合、右手でマル、左手で三角を書こうとしても、どうしても両方がおにぎりみたいになっちゃったりするので、両手に違う仕事をさせるというのはまず無理だと思うんですよね。2本の手でもこんな具合なので、もし千手観音みたいに手が千本もあったりすれば、きっとパニックになっちゃうと思います。手が千本もあれば色んな仕事を同時にこなすことが出来て、めっちゃ便利だよね♪…と思っていても、実際のところは1000個同時にマルを書くような作業しか出来ないに違いありません。 その点、ジャック・ウィルソン君は手先が器用でうらやましい限りでありますが、特技を披露出来てすっかり満足したところで、テーマに戻って、おしまい。 ちなみに後テーマではラテン風のリズムが封印されて、しみじみモードでエンディングを迎えるという趣向が施されていたりします。…と思っていたら、最後はやっぱり賑やかモードに戻ったりしていましたが、いずれにせよ、なかなか凝ったアレンジで楽しめる作品であったような気がします。

 で、次。  「ザ・プリーチャー」 。 これはアレです。ホレス・シルヴァーの有名なゴスペル・ナンバーですよね。 僕はゴスペルが “おすぺ” ほど好きではなかったりするんですが、泥臭くてオシャレな気分に欠けるところが都会派でアーバンな僕の趣向とは相容れなかったりするんですよね。特にこのシルヴァーの 「ザ・説教師」 という曲は説教臭い上に抹香臭かったりもするので、よくありません。そんなアーシーなナンバーをジャック・ウィルソンがどのように料理しているのかと思ったら、アサリの泥を吐かせないまま、そのまま汁物にしちゃったような感じで、ま、テーマ部はともかくとして、シングルトーンを駆使したアドリブ・パートはそれなりに砂の成分がろ過されているようにも思えるんですが、ピアノのソロに続いて短くベースのアルコ・ソロが出てくるあたり、そういえばこれって、ベーシストがリーダーなんだっけ?…というのを改めて思い出させてくれますよね。いずれにせよ、ジャック・ウィルソンがジュニア・マンスっぽくなっているという点では、それなりに興味の持てる1曲であると言えるかも知れません。 で、続く5曲目は 「クレイジー・リズム」 という曲です。タイトルとは裏腹に、リズムのほうはクレイジーでもなんでもなくて、むしろクレバーな感じすらするんですが、メロディのほうも明るく正しく爽やかで、正統派の歌モノと言えるのではなかろうかと。ミュージカル 『ヒアズ・ホウ』 の中の1曲なんだそうですが、日本語ライナーで菅原クンが書いている通り、ロバート・バリーの ドラム・ショーケースになっていると言えましょう。全体的に小振りなドラマーだが、巧みなブラシを堪能できるトラックだ。…とのことなんですが、ソロ先発はジャック・ウィルソンでありまして、アドリブに入ると同時にテンポも速くなって、いかにもこの人らしい鮮やかな指捌きを堪能出来るというシステムになっております。 で、後半はバリー君がバリバリに頑張ってくれているわけなんですが、いやあ、これは実にバリバリ君 (←聖教新聞の連載漫画) でありますなぁ。 とまあそんなことで、レコードで言うところのA面は以上です。

 さ、続いてはB面ですな。僕はA面とB面とラーメンとソーメンなら、ラーメンがいちばん好きで、続いてがA面だったりするんですが、そこに 「Gメン'75」 も加わったりすると、ちょっと悩むことになっちゃうんですけどね。Gメンとラーメン、どちらも捨て難いですからなぁ。ソーメンは別に捨ててもいいんですけど。 ま、いずれにせよ、演奏がややマンネリ化して飽きのくることが多いB面の評価は僕の中ではあまり高くなかったりするんですが、A面の後半になるにつれて次第にエンジンの調子がよくなってきた感のあるこのアルバムの場合、一体どういうことになってますかね? その、気になるB面の冒頭はお馴染みのスタンダード、 「バイバイ・ブラックバード」 なんですが、イントロはなんとバド・パウエルの 「アイブ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン」 の出だしをそのまま弾いている。…とのことなんですが、実際に聴いてみると、どれどれ。 んーと、今ひとつよく分かりませんね。 ま、確かにどこかで聴いたことのあるような出だしではあるんですが、そんなことよりも僕はテーマ部がピアノとピチカート・ベースのユニゾンで弾かれていることに興味を覚えました。途中からベースはメロディから離れて普通の伴奏に転じるんですが、ストップタイムをうまく使って、その部分をベースの無伴奏ソロにするなど、随所に由緒とヨイショの感じられるアレンジとなっておりまして、で、ここでのジャック・ウィルソンは曲が曲だけにちょっぴりレッド・ガーランドを彷彿させるものがあったり、無かったり、よく分からなかったりして、で、その後、かなり長めのベースのピチカート・ソロがフィーチャーさせることになります。それが何とも言えずに地味だったりするところがリチャード・エヴァンスのお人柄なんだと思いますが、蕎麦殻の枕と花柄のパンツが好きそうな、そんな人柄に見受けられますからね。ちなみに僕は花柄よりも、イチゴとかサクランボなんかのフルーツ柄のパンツのほうが好きなんですが、ちょっと子供っぽいところが可愛くっていいですよね。イチゴ模様のパンツだから子供に見られちゃう♪…と、 「だってパンツだもんっ!」 でも歌われておりますが、僕は最初にこの歌詞を見た時、子供がイチゴのパンツを覗き見するのか?…とか思ってしまいました。子供はイチゴが好きですからなぁ。 が、よく考えたらそうではなくて、もしかしたらコレは、イチゴぱんつを穿いたギャルは幼く見られちゃうという意味なんですかねー? いやあ、日本語というのは難しいです。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続く7曲目は 「デイブレイク」 です。デイをブレイクする、すなわち夜明けをイメージしたこの曲は綺麗なバラードでありまして、ジャック・ウィルソンの弾くシングル・トーンが何とも言えずにシングルなトーンです。日本語ライナーにはウィントン・ケリーばりの、引っ張るシングル・トーンなどと書かれておりますが、ま、そう言ってしまっても、あながち大きな間違いではないと言えるかも知れません。細かく聴いてみるとケリーとはまた違ったスタイルだったりするので、小さな間違いではあったりするんですが、ま、ジョージ・デュビビエが白人だと断言してしまった僕のミスからすると、で、それはそうと僕が学生時代にナガシマスパーラン度のプールでアルバイトしていた頃の担当社員だった三須クンというのはウザいキャラでありましたな。小さなミスをあげつらう非常に細かいキャラでありまして、彼のチェックは “三須のミス・チェック” と呼ばれ、バイト生から嫌がられておりました。客が溺れ死んじゃうような致命的なミスでなければ、あまり細かいことは気にするなって! 客の女の子と一緒にビーチボールでバレーをして遊んでいるだけで怒られちゃいましたからね。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 で、続く 「コンス」 はウィルソンのオリジナルなんですが、どことなくコーンスープを思わせるような微妙な甘さがプチ・スイートだったりします。僕はけっこうコーンスープが好きで、コーンのスープさえあれば “昆布のすまし” はいらないよな。…という気がするんですが、ま、すましはすましで美味しいとは思うんですけど。ちょっとおすましな女の子というのも、ちょっと味噌汁な女の子よりはいいと思うし、ワルツ・タイムが何とも言えずにいい感じで、ウィルソンという人はメロディメーカーとしてもなかなかの才能の持ち主だと思います。メロディメーカーと言えばメロディというチョコレートを作っている不二家というメーカーが有名なんですが、そこはかとない哀愁を感じさせる、いかにも日本人好みの佳曲でありまして、どことなくイタリアンな雰囲気が感じられるところもいいですよね。たたみかけるタタミイワシのようなフレージングの聞かれるウィルソンのソロも良好で、個人的には本アルバムのベスト・トラックに認定したいと思います。いすゞのトラックといい勝負って感じぃ?

 ということで9曲目です。 「シュッド・アイ」 。 これはアレですな。童謡ライクなキュートでプリティな作品でありまして、でもってジャック・ウィルソンのソロもノリがよくて、白子海苔といい勝負って感じぃ? ウォーキング・ベース風のリチャード・エヴァンスのソロもいかしていて、p→ds→p→ds の4バースもあったりして、全体として、そつなくまとまっていると思います。 で、ラスト。 「ジーパーズ・クリーパーズ」 も歌物ナンバーなんでしょうか?これまた可愛らしい感じの曲で、ジーパーズとクリーパーズで韻を踏んでいるところも素晴らしいですよね。 ちなみにタイトルの意味は今ひとつよく分からんのですが、ピアノ・ソロのあと、短くウォーキング風のベース・ソロが出てくるところは前曲と同じパターンで、ちょっと新鮮味がないですよね。 ま、エヴァンス自身もそういう空気を察したのか、すぐに終わっているので特に問題は無いんですが、テーマの再現部のところがドラムとの掛け合い風になっていたりするところはなかなかよく考えられていて、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 1曲目の雰囲気がスリー・サウンズだったので、どうなることかと懸念されたんですが、終わってみれば結構よかったよね♪…という印象が残る1枚なのでありました。 特にB面の出来がよかったのにはラーメン好きの僕としても、ちょっと意外なところだったんですが、このアルバムのB面は少なくともソーメンには勝っていると思います。 ベーシストのリーダー作で、それなりにベースのソロもフィーチャーされているんですが、地味なのでさほど耳障りではなく、で、期待度がかなり低かったドラムスのロバート・バリーの出来が素晴らしく、トリオとしてのバランスもバッチリだねっ♪…という気がします。 さ、みんなも買いましょう。


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