PYRAMID (ATLANTIC)

THE MODERN JAZZ QUARTET (1959/8/22,25,12/21,1960/1/15)

PYRAMID


【パーソネル】

MILT JACKSON (vib) JOHN LEWIS (p) PERCY HEATH (b) CONNIE KAY (ds)
【収録曲】

VENDOME / PYRAMID
IT DON'T MEAN A THING ( IF IT AIN'T GOT THAT SWING)
DJANGO / HOW HIGH THE MOON / ROMAINE

【解説】 (2007年09月02日更新)

 野球を見にいきました。いつのことかというと、えーと、8月の11日でしたか? お盆休みの最初の日あたりではなかったかと思うんですが、詳しいことは忘れてしまいました。…というくらい、ちょっと前の話であります。ネタとしてはやや新鮮味がなく、スーパーの寿司だったら50円引きのシールを貼られるところなんですが、ま、食中毒を起こすようなことはないと思うので、とりあえず皆さまにお届けしてみようと思うんですが、僕は今まで、野球の試合をあまりナマで見たことがありません。 ざっとカウントしてみると “1プロ・1高校・1大仏” といったところなんですが、2年前、ナゴヤドームで巨人VS中日戦を見たのが初めてのプロ野球観戦体験でありまして、それ以外は僕が高校3年生だった頃、母校の海星高校が夏の甲子園に出場したので、その応援に行ったという経験があるくらいです。1、2年生の頃は地方大会の応援にも行かされたりしたんですが、ま、それは無かったことにして。 で、最後の “1大仏” というのは何かというと、僕が小学生の頃、うちのおかんが日本ハムの工場でパートをしていた関係で、ファイターズのファンクラブに強制加入させられたことがあったんですよね。 その絡みで一度、藤井寺球場まで近鉄VS日ハムのデーゲームを見に行くことになったんですが、球場の前まで行ったら雨で中止になってしまって、結局、奈良で大仏を見て帰りました。 ということで、今回のナゴヤドームがプロ野球としては2回目の観戦ということになるんですが、対戦カードは前回と同じ巨人VS中日。 切符を取ってくるサバ兄が巨人ファンである関係上、どうしてもこういうことになってしまいます。 ちなみに僕のセリーグ好きな球団ランキングは、阪神>広島>ヤクルト=ヨコハマ>中日>巨人となっておりまして、世間でいうところの首位攻防戦も、個人的には最下位決定戦みたいなムードになってしまうんですが、ま、どちらが負けてもさほど悔しくないという点では、気楽な立場であると言えるわけなんですけど。 とりあえず試合の行方のほうはどうだっていいので、カメラを持って傑作写真をモノにするというところに意義を見出してみることにしますかね?

D50に装着♪(フード逆付け・ワイ端) D50に装着♪(テレ端・フード取付け)

 とまあそんなことで、僕は愛用の Nikon “D50” に、手持ちの中ではもっとも望遠が効く “AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)” というレンズを装着することにしたんですが、APS-Cサイズのデジタル一眼レフに装着するとテレ端の焦点距離は35mm判換算で450mmとなって、パンチラ撮影とかにもなかなか威力を発揮してくれることになります。ただ、重くて馬鹿でかいのが難点だったりするんですが、特にレンズをテレ端まで伸ばしてフードを付けると堂々たる体躯になってしまって、こんなのを首からぶら下げて大垣桜高等学校の前とかをうろうろしていたら、僕にまったくその気が無くてもあらぬ誤解を受けてしまう恐れがあります。 お陰で今まで使う機会がなかったんですが、ついにその実力を試す時が来ましたな。 これくらいの望遠レンズともなると、三脚の使えない野球場の観客席では手ブレが懸念されるところなんですが、そこはニコンの誇る最新技術、レンズ内光学式手ブレ補正システム “VR”(Vibration:振動 Reduction:減少) に期待するしかありません。 なんでもこのレンズに搭載された “VRU” というシステムはシャッタースピードにして4段相当の手ブレ軽減効果があるそうですからね。 囲碁・将棋にしろ、柔道・剣道・合気道にしろ、4段というのはなかなかの実力だと思うし、三段跳びの選手の4段ともなれば、一段余分に飛びすぎて失格になっちゃうくらいの凄さですからね。これはもう、かなり期待が持てるのではなかろうかと。

VR効果テスト♪

 実戦配備に先立って、とりあえず自宅でテストをしてみることにしました。レンズの性能を測るには、やっぱり “はかり” だよね?…という気がしたので、とりあえず自分の部屋にあった “はかり” を写してみたんですが、焦点距離はテレ端の300mm(35mm判換算450mm)、絞りは開放で F5.6、条件を厳しくするため ISO感度をこのカメラでは最低の200に設定して、フラッシュ無しで撮影したところ、シャッタースピードは 1/5秒となったんですが、“VR” をオンにした場合とオフの場合では、これだけ (↑) の差が発生しました。 オンの場合でもよく見ると微妙にブレてるやんっ!…という事が分かるんですが、敢えてそういう余計なことを言わないでおくというのがオトナというものでありまして、ま、右側のブレブレ写真からすると、その効果は必要十分であると言えそうなんですけどね。 ボディ内手ブレ補正と違ってレンズ内手ブレ補正の場合、ファインダー像も補正されるからフレーミングがやりやすいんだもんね! ピントだって正確に合わせられるんだもんね!…というのがニコンやキヤノンの言い分だったりするんですが、なるほど、確かにファインダー像が安定しない右側の写真は、はかりの上のほうが切れてしまっていて、構図的にも今ひとつだったりしますよね。 いやあ、まるで “やらせ” であるかのように、ニコンにとってはいい宣伝になるテスト結果が出ましたなぁ。 ちなみに世間一般の通例として、手持ちで手ブレを起こさないシャッタースピードは “1/焦点距離” であると言われております。 300mmの望遠なら、シャッタースピードは 1/300秒より速くないと手ブレを起こすという計算ですな。 1/5秒でここまで撮れるとは、“VR” 恐るべしっ!…と評価してもいいのではないでしょうか。

焦点距離テスト♪

 2年前のナゴヤドームは内野のかなりいい席で、強いて問題点を挙げるなら、ファールボールよけのネットがちょっと邪魔かな?…ということくらいだったんですが、写真にネットが写り込んだりしたら、せっかくの傑作も台無しになっちゃいますからね。 が、今回に限って言えば、それはまったくの杞憂でありました。 現場に到着して初めて、5階席やんっ!めっちゃ上のほうの席やんっ!…という状況であることが判明したんですが、僕たちの上にはあと2列しか座席がありませんでしたけどね。 ネットに邪魔されることなく球場の全貌を把握することの出来る特等席だねっ♪…と評価することも出来ようかと思うんですが、怖いやんっ!高所恐怖症の僕がちょっと恐怖を覚えるくらいの高所やんっ! これだけ選手まで距離があると、450mm相当でもどれくらい手前に引き寄せることが出来るのか、分かったものではありませんが、実写テストの結果、だいたいこのような (↑) 感じだったんですけど。 右側がこのレンズのテレ端 (35mm判換算450mm) で撮ったもので、なんとかぎりぎり、実用の範囲内といったところですかね? で、左側は 35mm判換算138mmの画角で撮影したものなんですが、138mmというと 35mmスタートの4倍ズーム機、もしくは 28mmスタートの5倍ズーム機のテレ端がだいたいこの焦点距離になるので、一般的なコンパクトデジカメの光学ズームではこれくらいの大きさに撮るのが精一杯ということになりますな。 アカンやん、5階席の上から3列目! ちなみに倍率が7倍とされる双眼鏡で覗いてみたところ、右側の写真よりもさらに大きく見えたりしたので、さすがその筋のスペシャリストだけのことはあって、意外と侮れない実力の持ち主であることが判明しました。 撮影を目的としない覗きの場合は断然、双眼鏡のほうがお薦めでありますな。

 今ひとつ撮影には適さないロケーションでありましたが、周辺環境にはわりと恵まれておりまして、というのも、僕のすぐ斜め前の席に座っていたのがですね、わりと若いギャルだったからなんですけどね。 世間一般の判断基準でいうと、若いと言えるかどうかちょっと微妙な微妙なところではあるんですが、サバ君的にはぜんぜん大丈夫でした。 隣に小4くらいの男の子が座っていたので、おそらくそのママではないかと思うんですが、もしかしたら年の離れたお姉さんなのか?…と思えなくもない、そんな感じの若いギャルでありました。 で、このギャル、最初のうちは普通の格好だったんですが、何を思ったのか途中から頭にミッキーマウス風のカチューシャをつけたりして、ちょっぴりコスプレ会場的な雰囲気を醸し出したりしておりましたが、で、球場に到着した時点では空白だった僕の左側の席には、4人連れの家族がやってきて座るということになったんですが、父・母・妹・姉といった内訳の家族でありますな。この順番で僕の右のほうから歩いて来て、左のほうの席から順に腰を下したので、僕の隣がですね、“姉”ということになったんですよね。世間一般の判断基準を持ってしても、若いギャルと判断せざるを得ない年代でありまして、私服だったので断言は出来ないんですが、女子高生ですかね、ありゃ? 僕たちの席は3塁側なのでジャイアンツサイドということになるんですが、数から言うと圧倒的に中日ファンのほうが多くて、この女子高生の家族たちもドラゴンズの小さなバットを手に持って、熱心に応援を繰り広げているのでありました。 この時点で中立的な立場だった僕は、今日はドラゴンズのほうを応援しよう!…と心に決めた次第でありますが、ま、いちばん嫌いなチームと2番目に嫌いなチームとの対戦ということになれば、2番目のほうを応援するというのが筋ですからね。

チアドラゴンズ激写テスト♪

 ある程度ノイズが乗るのは覚悟の上で ISO感度を1600に上げたところ、300mmのテレ端、絞り開放 F5.6という条件で、なんとか1/100秒までシャッタースピードを稼げることが判明したんですが、そのようにして撮影したのが、これ (↑) であります。 名付けて “チアドラゴンズ激写テスト♪” ま、被写体は別にチアドラゴンズでなくて、巨人軍のデーモン・ホリンズとかでもよかったんですが、どちらも語尾に “ンズ” が付きますからね。 いずれにせよ、手持ち撮影でも十分にギャルの肋骨あたりを捉えることが出来ることが判明して、“VR” の威力がここでも実証されたと言っていいと思います。 とまあそんなことで、続いてはレンズの性能とは直接関係のない “連写テスト” に移りたいと思うんですが、僕の持っている “D50” の場合、連写性能は秒間2.5コマとなっていて、けっして褒められたものではありません。どちらかというとショボいほうだと思うんですが、果たしてこの程度のスペックでスポーツの決定的瞬間を捉えることが出来るものなんでしょうか?

連写テスト(ピッチャー編)♪

 まずは “投手編” 。 この時のシャッタースピードは 1/160秒だったんですが、ちなみに、こんなふうに (↑) 4枚の写真が4コマ漫画みたいに出力されるわけではなくて、連写した4枚の写真を後から編集したものなんですが、投球モーションに入ってボールが手から離れるまで、だいたい4コマでいい感じに収まっておりますな。 秒間2.5コマというスペックから逆算すると、だいたい 1.6秒くらいで、この状態からああなってこうなって、最後にこうなんだねっ!…ということが判明して、実に有意義なテスト結果が得られたように思われます。

連写テスト(バッター編)♪

 続いては “バッター編” 。 トータルで300枚くらい撮って、その3分の2くらいは打者を狙ったものだったんですが、4枚並べて使えそうな連続写真はこのシーンくらいしかありませんでした。 足を上げてタイミングを計って、少し足をおろして球筋をじっくりと見極めて…、で、結局は見逃すんかいっ!…といった作品になってしまいましたが、ボールを打ちにいった場合には、だいたい3コマめでくらいで終わってしまうんですよね。 バッティングというのは1秒ちょっとの勝負であったのか!…ということが判明したテスト結果となったわけですが、ちなみにこの時のシャッタースピードは 1/125秒。 ピッチャーが投げたボールというのはそんな僅かな時間のうちに、これだけの距離を進むものなんだねっ♪…という事を3コマめに記録された球の軌跡から感じ取っていただけたら幸いなんですが、バットがボールを捉えた瞬間を写すというのは、なかなか難しいものでありますなぁ。…ということを思い知らされたような気がします。

連写テスト(ドアラのバク転編)♪

 連写テストの最後を飾るのは “ドアラのバク転編” 。 7回裏のドラゴンズの攻撃が始まる前に行なわれるこのパフォーマンスはジャイアンツ・ファンを冷遇する意味で、一塁側のほうで行なわれることになるので、僕の席から撮影するのは最悪の条件ということになります。 頭、めっちゃデカイやんっ! 陽和中学校の卒業アルバムのクリコちゃんの顔と同じくらいデカイやんっ!…というのは事前の情報からある程度は覚悟していたいたんですが、こうして写真でみると、やっぱりデカイですなー。 が、このドアラくん、頭がデカイわりには意外と動きが俊敏だったりして、バク転中の写真を見ると、かなりブレていますもんねー。 チアドラゴンズのほうはわりと大丈夫なのに、ドアラくんだけブレているところを見ると、手ブレではなくて被写体ブレだと思うんですが、シャッタースピード 1/80秒でも捉えきれない素早い身のこなし。ドアラくん、侮れません。 普通、これだけ頭がデカイとバク転して宙に浮いた時点で頭のほうから落ちて、後頭部強打→脳震盪→タンカで搬送…という経緯を辿りそうなものなんですが、それでも何とか立ち直って、また頭の部分が上に来てますもんね。 もしかしたらドアラくんの頭というのはただデカイだけで中身のほうはスカスカで、案外めっちゃ軽かったりするのかも!?…という、“ドアラくん、アホ疑惑” が浮上するテスト結果となりました。

バットをへし折られるホリンズくん♪

 とまあそんなことで、次です。 チアドラゴンズばかり写すな! デーモン・ホリンズも写せ!…というコアなファンの声にお応えして、カシャっと1枚。 いいですよね、ホリンズ。 僕の初恋の相手は “ホリさん” という名前の女の子だったので、ホリンズと聞くと心が何だか “ンズンズ” しちゃうんですが、ちなみに僕はサカナ料理がさほど好きではないので、「今日の晩ご飯は “ウズの塩焼き” やで。」 と言われても、あまり心がウズウズしたりはしないんですけど。 ちなみにウズというのはイサキの地方名のようなんですが、イサキというのは大変に潔いサカナとして知られているようです。 で、敵ながらアッパレ、甘茶でカッポレな、僕の愛するホリンズちゃんでありますが、思いきりバットをへし折られて、敢え無く凡打に終わってしまったのでありました。

スコアボードに入り込んで注意されるオッサン♪

 続いては “オッサン” です。 僕の初恋の相手はオッサンではなかったので、オッサンと聞いても別に燦燦 (さんさん) とした気分にはなれずに、どちらかというと惨憺たる思いに駆られるわけなんですが、ウザいですからね、オッサン。 ウズという魚はウズいんですが、オッサンはウザいです。 オッサンのどういうところがウザいのかと言うと、野球の試合中にスコアボードのところに入り込んで、場内放送で注意されたりするところがウザいんですが、こういう迷惑なオッサンは見せしめのためにも、世間のさらし者にしなければなりません。 さらしたれ、さらしたれー!

ナイスキャッチ♪(誰?)

 ピッチャーが投げる瞬間やバッターが打つ瞬間というのは、連写性能に優れ、レリースタイムラグの少ないカメラを使えば何となく写せるような気がしないでもないんですが、機材の能力だけではどうしてもカバー出来ないのが “打球” でありますな。 テレビだとカメラが勝手に追いかけてくれるので、見ているほうは何の苦労も要らなかったりするんですが、生だとなかなかそういうワケにもいきません。 僕は顔もスタイルも性格も頭もよくて、まったく非のうちどころのない好青年であるわけなんですが、唯一の弱点は目が悪いことだったりします。 だったら眼鏡をかければいいぢゃん。…と思われるかも知れませんが、ぜんぜん似合わないので、嫌です。 眼鏡をかけた自分の姿を鏡で見ると、ぼやーっとしている時は、けっこうイケてるかも?…という気がしないでもなかった自分の顔が、実はかなり不細工であるということが判明して、愕然とすることになるんですが、そんなわけでクルマを運転する時以外には眼鏡をかけないようにしているんですけどね。 特にこの日は隣に女子高生が座っていたから尚更なんですが、眼鏡なしのイケてる横顔を維持できる反面、打球の行方が分かりにくいのには閉口しました。 閉口するあまり、段違い平行棒でもやってみようか?…と思ったりもしましたが、ま、そんなものをやってみたところで何の解決にもならないに違いないので、とりあえずヤメておくことにして。 で、生の目にも分かりにくい打球をカメラのファインダー越しに追いかけるというのは至難の業なんですが、ふわーっと高く上がった内野フライとかなら何とかならないでもないんですけどね。 ということで、ナイスキャッチの瞬間を捉えた貴重なショットが、これ (↑) だったりするんですけど。 一塁側のカメラマン席のほうにフラフラと上がったフライ。 それを必死で追いかけるジャイアンツの選手。(←誰?) 遠目にも、こりゃ、ファールやな。…と思われた打球を、この誰だかよく分からん選手は見事にキャッチしたわけなんですが、よくもまあ、これだけボールとぜんぜん違う方向を見ながら、グラブの中に収めたものでありますなー。 カメラマン席に陣取ったプロのカメラマンの動きも三者三様でありまして、いちばん左の兄ちゃんは仕事を忘れて、選手の動きに目を奪われているように見えますな。ま、一応、カメラを構えてはいますけど。 そこへいくと真ん中のカメラマンはいちばん危害を加えられやすい場所に位置しているにも関わらず、決してファインダーから目を放すことなく撮影に没頭していますよね。 これぞプロや!…といった姿を見せてもらった思いでありますが、いや、伊達にアタマが薄くなってるワケではありませんなー。 ま、このカメラアングルでは巨人の選手の股間のアップくらいしか撮れないような気もするんですが、それはそうと、いちばん右っ! アンタ、どこ見てるねん???

 …と、細切れのどうでもいい写真ばかりで、結局のところ、試合のほうはどうやったんや?…と思われる人もいるに違いないので、最後にその経過を簡単に報告しておこうと思うんですが、中日・小笠原、巨人・パウエルの両先発が好投し試合は1−1のまま延長へ。…という、なかなかの好試合だったんですよね、これがまた。 投手戦だから進行もスムーズで、こりゃ、早く帰れるな♪…と思ってすっかり安心してたら延長戦に突入してしまったんですが、10回以降はどちらのチームも点が入りそうで入らないという、なんともスリリングな展開でありました。 ドラゴンズは小笠原クンの後のピッチャーが岡本と岩瀬、一方のジャイアンツはパウエルから豊田、上原とつないで、共に最後の切り札まで投入して、延長11回でも勝負がつかず。 12回に入って、互いに投手の台所事情がちょっと苦しくなって来たんですが、ドラゴンズは平井が表の攻撃をなんとか0点に押さえて、そしていよいよ運命の12回裏。 ま、悪くても引き分けやな。…ということが確定して、中日ファンとしては一安心なんですが、一方の巨人ファンは恐らく、ジャイアンツのピッチャー、野口!…という場内放送を聞いて、不安に駆られたことでありましょう。 だ、大丈夫か? 案の定、野口クンは先頭打者にヒットを打たれ、その先の原監督は必死の一人一殺作戦に出るわけですが、西村と山口が投げ終わった時点で、ランナーは2、3塁。 ジャイアンツのピッチャー、姜建銘(ジャン・チェンミン)!…という場内放送を聞いて、嫌な予感はピークに達したものと思われます。 そ、そんなケンミンの焼きビーフンみたいなピッチャーで、だ、大丈夫か? 対するドラゴンズは代打として若手のホープ、堂上剛を送り込んで来ました。 そして、運命の1球目・・・。

堂上クン、サヨナラ3ラン♪

 打った瞬間、ドーム中が騒然となりました。 サ、サヨナラか…!? 僕は劇的なサヨナラ勝ちの瞬間をカメラに納めるべく、カメラをホームベースのほうに向けて走ってくる選手を待ち受けていたので、打球の行方をまったく見ていなかったんですが、3ランホームだったんですな、ありゃ。 家に帰ってネットで結果を見るまで、僕は普通のヒットだとばかり思っていたんですが、おかげでホームベース付近でのキャッチャーとランナーのクロスプレー!…みたいな緊迫した場面にはならず、最後の写真は凡作に終わってしまったんですけど。 とまあそれはともかく、劇的なサヨナラ勝ちなのは間違いないよね!? めちゃめちゃ盛り上がる球場内で、こ、ここはとりあえず、隣の女子高生と喜びを分かち合わなければ!…とも思ったんですが、終電の時間が気になっていたこともあり、めっちゃ不機嫌なサバ兄に急かされるように、僕はナゴヤドームを後にしたのでありました。 おしまい。

 ということで、持ちネタが切れたベース編に変わって、今回からヴァイブ編をお届けしようと思うんですが、まずは無難なところで、ザ・モダン・ジャズ・カルテット。 いやあ、無難ですなぁ。 名探偵はコナンなんですが、M.J.Q. は無難です。 で、今回、アルバムを選定するにあたって ( jazz giant artist index ) をチェックしてみたんですが、え? M.J.Q. って、2回しかやってへんの?…というのがちょっと意外でありました。 このコーナーはメジャーどころほど冷遇される傾向にはあるんですが、それにしても少なすぎますよね。やはり、昔、昆布青年が酷評していたのに気を遣ったということなんでしょうか? ほら、 ここ ですよね。 ま、昆布くんの言わんとすることも解らないではないんだけど、でもまあ、とりあえずジャケ絵を書くのが簡単そうだしぃ。…ということで、今日は 『ピラミッド』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、いいですよね、ピラミッド。 学研の 『ムー』 の熱心な読者である僕にとっても、 「宇宙人グレイの正体は河童だった!!」 などという総力特集は、どうも胡散臭いような気がしてならないんですが、ピラミッドねたはまだわりとマシだったりするんですよね。 総力を挙げて取り組むに値するテーマだと思うんですが、この1959年から60年にかけて録音されたM.J.Q. のアルバムは、その製作意図が今ひとつ不明瞭だったりします。 選曲も再演モノとスタンダードが中心で、自主的なベスト物を目指したということなのか、あるいは製作サイドにコマーシャルな含みがあったのか。 M.J.Q. に 「ジャンゴ」 とかやらせたら、売れるんちゃうか?…みたいな。 そういう、いやらしい男にはなりたくないものですが、いやらしい女の子というのは、ちょっといいかな?…という気もするんですけどね。 とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょうかー。

 まずはアレです。ジョン・ルイスの 「ヴァンドーム」 です。 これはえーと、『モダン・ジャズ・カルテット&ミルト・ジャクソン・クインテット』 というアルバムで演奏されていたのではないかと思うんですが、いかにもジョン・ルイスらしいヨーロピアンで、トレビアンで、あとはえーと…、語尾に “アン” の付く言葉は “赤毛のアン” くらいしか思い付かなかったので先に進みますが、そもそも 「ヴァンドーム」 というのはどういう意味なんですかね?…と思って調べてみたところ、パリにある広場の名前みたいなんですけど。 なるほど、だからヨーロピアンなムードが漂っているわけなんですな。 いやあ、懐かしいですなぁ。パリ。 僕は今までパリには一度の行ったことがないんですが、紀文の “パリパリポテト” はよく食べていたんですよね。 見た目は餃子っぽいのに、食べてみるとパリパリ (←半濁音) というか、バリバリ (←濁音) に近い食感だったりして、その意外性がナイスだったりするんですが、パリには一度も行ったことがないので、ヴァンドーム広場に関しては特に懐かしくはありません。ナッツの菓子とかのほうが懐かしいです。 で、演奏のほうはどうなのかというと、これはアレです。 『モダン・ジャズ・カルテット&以下略』 のヴァージョンと比べるとテンポも速めになっていて、よりアグレッシブな茶渋。…みたいになっております。これはもう、キッチンハイターの出番やろ?…みたいな。 で、テーマ部はロンド形式というんですかね? ピアノとヴァイブが同じメロディを、少しずつずらして演奏する形になっておりまして、そういうところが実にM.J.Q. でありますなぁ。 U.F.J. とかだったら通帳くらいは作ってくれるでしょうが、こういう手の込んだ演奏というのは、まず出来ないような気がします。

 で、ソロ先発はミルト・ジャクソンなんですが、…とか言ってるうちにテーマに戻って、演奏は終わってしまって、いや、わざわざ途中で改行を入れるほどのことでもなかったですかね? 2分30秒という、ほんのちょっとした小品といった感じの作品で、ま、ここはひとつ、オープニングの挨拶代わりに。…といった位置付けなのでありましょう。 ということで、次です。アルバム・タイトル曲の 「ピラミッド」 。 いいですよねぇ、ピラミッド。 僕はピラミッドと、ヘルメットと、マホメットと、豆ホットの中では、豆ホットがいちばん好きなんですが、いいですよねぇ、温かい豆、豆ホット。 で、ピラミッドはその次くらいに好きなので、この曲にも期待出来るかな?…という気がするわけなんですが、これはアレです。1957年のミュージック・インで、マヘリア・ジャクソンが歌った感動的なゴスペル・シンギングから、ベーシストのレイ・ブラウンが書き下ろしたブルース形式のジャズ・オリジナルである。…と、日本語ライナーに藤本雄三クンが書いているとおりの曲ではないかと思います。もしかしたら雄三クンが口から出まかせを書いているという可能性もゼロではないんですが、ユウジ君 (←僕の本名) は、ユウゾウ君を信じることにします。 で、確かにこれ、かなりディープな雰囲気のスロー・ブルースだったりするんですが、M.J.Q. がやるとあまりアーシーにはならずに、けっこう都会的な近鉄のアーバンライナーだったりするんですな。 J.F.K. というのは阪神ファンの僕にとって、なんとも頼もしい存在なんですが、ここまでの演奏は出来ないに違いありません。いやあ、さすがはモダンなジャズの4人組でありますなぁ。 ま、どちらかというとジャズ的な要素は薄い部類の4人組だったりするんですけど。

 で、この4人の中ではヴァイブのミルト・ジャクソンが、断然ブルースを感じさせる存在であるわけなんですが、テーマに続くミルトのソロはテンポも少し速くなって、何ともブルージーなブルンジ人。…といった仕上がりとなっております。 続くジョン・ルイスの取り澄ましたようなピアノ・ソロは、土着系の日本人には今ひとつ評判がよくなかったりするんですが、ま、それが嫌なら M.J.Q. なんか聴かなければいいぢゃん!…ということで、ま、人の好みはそれぞれですからねー。 で、終盤はこの2人と、更にはベースとドラムスも加えた、総計4名による絶妙の絡み具合が堪能出来るわけでありますが、グループ・エクスプレッションという点では、この人たちの団結力はさすがだと思いますね。 ちなみに僕はグループによるエクスプレッションとか、集団での立ちションとか、そういうのはどうも苦手だったりするんですが、隣のヤツにチラっと見られて、勝ったな!…みたいな勝ち誇った顔をされたり、逆に哀れみに満ちた視線を投げ掛けられたりするのも、何だか癪ですからね。 とまあそんなことで、最後に再びテンポが遅くなって、テーマに戻って、おしまい。

 次です。4曲目です。エリントンの有名なナンバー、 「イット・ドント・ミーン・ア・シング・イフ・イット・エイント・ゴット・ザット・スウィング」 。 世の中で、これほど見事なまでに韻を踏んでいる曲名というのはそうそう無いような気がするんですが、いちいち 「イット・ドント・ミーン・ア・シング・イフ・イット・エイント・ゴット・ザット・スウィング」 とフルネームで記載するのはあまりにも面倒なので、最初の 「イット・ドント・ミーン・ア・シング」 まででヤメにしておくか、あるいは 「スウイングしなけりゃ意味ないね」 という邦題を使っておいたほうが、労力を節減出来て、懸命だと思います。  「スウイングしなけりゃ意味がない」 という訳語を使う人もいるんですが、個人的には 「意味ないね」 のほうがいかにもバンマスっぽい感じがして、好きです。 ちなみにバンマスというのはバンド・マスターの略語であって、決して「今日の晩ゴハンは鱒やで。」 を略したものではないんですが、そんなこと言われても、サカナ料理がさほど好きではない僕は、ちっとも嬉しくありませんからね。 「晩ご飯はマースカレーやで。」 というのなら、かなり嬉しいんですけどね。 けっこう美味しいですからね、オリエンタルのマースカレー。 (←名古屋ローカル。) で、演奏のほうはと言うと、これがまた見事なまでにタイトル通り、スウィングしちゃったるね♪…といった感じでありまして、こういう路線のM.J.Q. って、僕はけっこう好きですね。やっぱ、スウィングしてナンボやろ、ジャズは? こうなってくると俄然、ミルト君がヤル気になってくるわけなんですが、ストップ・タイプをうまく使ったルイスのソロも、これはこれでなかなかいい感じです。後半、リズムが入ってきてからはコニー・ケイとの絡みも絶妙でありまして、そこにパーシー・ヒースも加わって、血の気の薄いチアノーゼ・トリオ、けっこう頑張ってるやーん♪

 ということで、4曲目。 M.J.Q. に 「ジャンゴ」 とかやらせたら、売れるんちゃうか?…という、いやらしいオトコの戦略によって選曲されたものと思われる、 「ジャンゴ」 でありますな。 昔、鳥羽水族館にいましたよね、ジュゴンのジュンコちゃん。 ま、 「ジャンゴ」 とは何の関係もなかったりするんですが、コドモ心にも、こんなん、ぜんぜん人魚とちゃうやん!…と言いたくなるような生き物でしたけどね、ジュゴン。 まだ人面魚のほうが人間らしいような気がするんですが、人魚伝説のモデルは、東洋ではジュゴン、西洋ではマナティーというのが定説ですが、その他にも、イルカやウミガメやエイとする説もあります。…などと、どこかのサイトには書かれておりました。 ま、確かに ここの一番下 を見ると、エイってめっちゃ人間やん!…という気がするんですけどね。 あ、リンク先のページの (もどる) をクリックすると前回のネタに行ってしまうので、ブラウザの 「戻る」 ボタンで帰ってきてくださいね。 で、話を 「ジャンゴ」 に戻しますが、人魚のモデルがジュゴンであるという説があるのに対して、「ジャンゴ」 のモデルは間違いなく人間であることが確認されているんですが、伝説のジプシー系ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトがその人でありますな。 ちなみにうちのおかんは純子という名前なので、いずれ、ジュンコ・霊園入ると、そいういう事態も覚悟しなければならないんですが、どうせこれ、人寄せパンダなワケだしぃ。…というので、演奏のほうは端から馬鹿にしてかかっていたんですが、何の何の。 アルバム 『ジャンゴ』 のバージョンよりも、こっちのほうがいいという人もいるくらいで、あなどってはいけません。 元々この曲は2部構成みたいになっていて、Aの部はスローでしんみりと、で、Bの部でテンポが速くなって、スインギーに転じる。…というのが定番のパターンなんですが、ここではそういう余計な小細工は弄さずに、基本的に早めのテンポでいくという戦法が取られております。 個人的には、や、やっぱり 『ジャンゴ』 のバージョンのほうがいいかな?…という気がするんですが、そういうのはきっと、素人の意見として、世間では馬鹿にされることになるんでしょうなぁ。。。

 で、5曲目です。 「ハイ・ハウ・ザ・ムーン」 。 あ、違いました。  「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」 ですな。 時々、単語の順番が分からなくなってしまうんですが、“這う蝿だもーん♪” と覚えておくといいかも知れませんね。 飛ぶこともあるんですが、基本的には這うシーンのほうが多かったりしますからね、蝿。 で、これ、普通にやっても、どうしても能天気になってしまいがちな曲調だったりするんですが、そこはさすが M.J.Q. だけあって、それなりに格調高く仕上げてくれておりますな。 そうそう。テンポをグッと遅くして、ベースのアルコ弾きなんかを加えると、重厚になるんだよね。…というのを、身をもって教えてくれているわけなんですが、そうそう。こういう料理法を取る人というのも、確かにいます。 で、この荘厳モードの場合、途中でガラっとテンポを速くして、一挙に“月が出た出た月が出た〜♪” …な、盆踊りモードに持っていくというのが定番なんですが、そこはさすが M.J.Q. だけあって、誰でも考え付きそうなパターンに持っていくような事はありません。 ま、確かに途中からグッとテンポが速くはなるんですが、格調の高さはずっと維持されておりまして、ソロの前半はミルトのヴァイブを中心に、で、後半はそこにルイスのピアノが絡んでカルテットっぽくなって、で、スインギーに盛り上げておいて、最後のところでスーッとテンポを落とすところなど、ま、定番といえば定番なんですが、なかなかよく練られた水飴のような1曲であると評価していいと思います。 水飴をねりねりして食べると美味しいですからねー。 僕は子供の頃、水飴を舐めるのが大好きだったんですが、たまに風邪をひいたりすると、おかんが水飴に大根を漬け込んで飲ませてくれたりして、いい迷惑でありました。せっかくの水飴が、めっちゃ大根臭くなってしもてるやーん! 何でも、それを飲むと咳や喉にいいという話なんですが、そんな民間療法、あるんですかね?

 ということで、ラストです。 「ロメイン」 。いかにもロマンチック…なのか、そうでもないのか、ちょっと微妙な感じのタイトルなんですが、作曲したのはハゲ系のギタリスト、ジム・ホールなんですな。 ハゲてるくせに結構いい曲を書くので、なかなか侮れないんですが、ハゲてる癖に女の子にソーセージを食べさせていたりして、油断もなりませんしね。 これ がその証拠写真なんですが、曲そのものは M.J.Q. の芸風にマッチしたなかなか格調の高いものとなっているので、ちょっと悔しくはあるんですが、ソーセージの件は見て見ぬふりをするしかなさそうです。 で、演奏のほうもなかなか悪くなかったりするんですが、実はこの原稿を書いている翌日には電験3種の試験があったりするので、ま、今日のところはこれくらいにさせて貰うとして。 さ、明日のことは綺麗さっぱり忘れようっと♪

【総合評価】

 M.J.Q. の諸作の中でもわりと地味で目立たない、同級生の佐野クンのような1枚なんですが、分かりやすい選曲が破綻のない演奏で繰り広げられておりまして、ま、隠れた影の実力派。…といったところでしょうか? 正直、最後の2曲あたりはちょっと飽きてしまいましたが、M.J.Q. というのは、だいたい似たような感じの演奏が続く傾向にありますからなぁ。 ま、その中でもタイトル曲の 「ピラミッド」 と、 (前略) 意味ないね」 のあたりは純ジャズとしても楽しめる仕上がりで、ま、悪くないのではないでしょうか?


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