INTRODUCING MILLI VERNON (STORYVILLE)

MILLI VERNON (1956/2)

INTRODUCING MILLI VERNON


【パーソネル】

MILLI VERNON (vo) RUBY BRAFF (tp) JIMMY RANEY (g)
DAVE McKENNA (p) WYATT REUTHER (b) JO JONES (ds)

【収録曲】

WEEP FOR THE BOY / MOMENTS LIKE THIS / SPRING IS HERE
ST. JAMES INFIRMARY / MY SHIP / THIS YEAR'S KISSES / ROON RAY
EVERYTHING BUT YOU / EVERY TIME / BLUE RAIN
I DON'T KNOW WHAT KIND OF BLUES I'VE GOT
I GUESS I'LL HAVE TO HANG MY TEARS OUT TO DRY

【解説】 (2007年04月06日更新)

 動画はどうかな?…というのが今日のテーマなんですが、最近は携帯電話とか “ipod” なんかで、家にいなくてもお手軽に動画を楽しむことが出来るようになりましたよね。 ただ、僕の使っている社有の携帯電話ではぜんぜん楽しめなかったりするんですが、“N503iS” って、一体いつの機種なんすかね? えーと、2001年くらいですかー。 ワンセグやGPSはおろか、カメラだって付いていないんだぜっ!…という、恐るべきレガシーアイテムなんですが、ちゃんと “i-mode” だって使えるし、120×160ドットのカラー液晶だって付いてるし、特に不自由は感じてないのでさほど問題はないんですが、ただ墨俣町の岩田クンに思いきり馬鹿にされるのだけがネックなんですけどね。 この青年は僕のお気に入りのデジカメ Caplio G4 wide を見て思い切り馬鹿にしてくれただけでは飽き足らず、 「イナバさん、古っるい携帯使ってるねーっ!」 と、またしてもナイーブな僕のハートを傷つけるような発言をしてくれたんですが、あ、 “Caplio” の長ったらしいレビュー (2回シリーズ) を我慢して最後まで読んでも、墨俣の岩田クンに馬鹿にされた話はどこにも出て来ませんでしたな。 あるいは “jazz giant” の前フリに使ったのかも知れませんが、とにかく岩田クンは僕の大切なカプリオちゃんを見て、 「何それ、デジカメぇ?」 と、思いきり馬鹿にした発言をかましてくれたんですよね。ムカっとした僕は思わず新しいデジカメを買ってしまったんですが、同じように馬鹿にされた携帯電話もそのうちに所長に頼んで機種変更して貰うとして。 で、僕は “ipod” も持っていないので、お外で動画を楽しもうとすれば、とりあえず “Zaurus SL-C3100” のお世話になるしかないんですが、脚の骨を折って青木記○病院に入院していた際、このザウ子ちゃんには随分とお世話になりましたからねー。 病棟の3階の廊下の端っこの椅子のところに座ってザウルスで電子書籍を読んでいると、物珍しさでよく 「何、それ?」 と聞かれたりしたんですが、 「えーと、本を読んだり、音楽を聴いたり、その他にも色々と使えるんやけど…。」 と説明すると、 「ふーん。」 と、それなりに感心はしてくれました。 が、その後に必ず 「テレビは見れるのぉ?」 と聞かれることになって、 「い、いや、テレビは見れへんのやけど。」 と答えると、 「ふーん。」 と急速に興味を失った口調になって、その時点で会話は終息してしまいました。 きっと心の中で、あまり大したモノではねーな。…と思っているに違いありません。 くそーっ、そうやってみんなで僕のことを馬鹿にしてぇ! こうなったらザウルスでテレビ…は無理としても、とりあえず動画くらいは見れることを見せ付けて、 「どうや〜、動画や〜!」 と自慢してやるぅ!

 ということで、退院後、僕はザウルスの強化作戦に乗り出すことにしたんですが、とりあえず標準で “Movie Player” というソフトが入っているので、動画が見れるようにするくらいのことはさほど難しくはないと思うんですけどね。 で、とりあえず動画をたくさん保存出来るように4GBのCFカードを買ったという話は ここのところ に書きました。 で、その後、ザウルスで動画を鑑賞する方法について書こうとして、途中から横道にそれてしまいました。 横道にそれて路頭に迷って、そのまま行方不明になって、本題に戻ることなくその回は終わってしまったんですが、そういうことはこのサイトではよくあります。 まるで青木ヶ原の樹海かバミューダトライアングルのような恐ろしい話でありますが、僕がわざと元の道からそれるように誘導した為に起こっている現象でありますので、さほど不思議ではありません。 で、他に書くネタがなくなったころになって、行方不明者がふいに姿を現すことになるんですが、とりあえずザウルスで動画を見れるようにするには、動画ファイルを手に入れなければなりません。 幸い、僕のパソコンの外付けハードディスクにはダウンロードした “すけべ動画” が多数蓄積されているんですが、そういうのはやはり部屋の灯りを暗くした状態で、なるべる大きな画面で鑑賞したいところですよね。 爽やかな屋外で見るというのは、あまり相応しくないような気がします。 ま、確かに“露出モノ”とか“痴漢モノ” と言った、外や電車で見るのに適したジャンルもないわけではないんですが、人に見せびらかすにはやはり、もうちょっと健全なコンテンツも確保しておきたいところであります。 チューナー付きのパソコンとかDVDレコーダーでもあれば健全なテレビ番組を録画することが出来るんですが、生憎、僕のうちにそのようなハイテク機器はありません。 となると、ネットでダウンロードするしかないんですが、果たしてスケベでない動画を配信しているところって、あるんですかね?

 YouTube があるぢゃん!…ということに気付いたのは、春まだ浅き2月の昼下がりのことでありました。 “YouTube” というのが一体どんなものなのか、僕は今ひとつよく分かってないんですが、ユーザーがアップロードした健全爽やかな動画を誰でも無料で閲覧出来るそうではありませんかー。 長編映画まるまる1本分とか、そういうのは無いのかも知れませんが、僕の場合は誰かに自慢できればそれで気がすむわけなので、ほんの5分くらいの健全爽やかな動画が手に入ればいいわけですからね。そんなことで、早速試してみましょうかー。 何だか英語ばかりが書いてあって、どうすればいいのか今ひとつよく分からんのですが、右上のテキストボックスにキーワードを入力して、 “Search” というボタンをクリックすればいいんですかね? で、とりあえず “パンチラ” と入力して検索してみたところ、おおっ、 “自転車パンチラ” というのがあるやーん♪ おっ、こっちには “女装娘・セーラー服☆パンチラw” なんてのもー♪ 何だか宝の山に足を踏み入れたような気分でありますが、えーと、とりあえず青い字のタイトルの部分をクリックしてやればいいんですかねー? すると、おおっ、これは!?…って、 “自転車パンチラ” のほうはちっとも動画の再生が始まりませんなー。 あるいはあまりにも不健全な内容だったので、削除されてしまったのか?…という嫌な予感が広がりますが、気を取り直してもうひとつのほうをクリックしてみましょう。 するとやっぱり今度も駄目で、あるいはこれ、タイトルではなくて写真の部分をクリックするんですかね?…と思って試してみてもやっぱり駄目で、仕方なくあまりソソられるもののない “ユンソナ危うくパンチラ?” というのをクリックしてみたらタイトルの部分でも写真でもどちらでも大丈夫だったんですが、その内容のあまりのくだらなさには愕然としてしまいましたけどね。 わざわざダウンロードしてザウルスで見るまでもない出来でありますが、とりあえず試してみようと思ってタイトルを右クリックして “対象をファイルに保存” しようと思ったら、あっ、 エラーが出てしまってダウンロード出来へんやんっ!! いくら対象がどうでもいいユンソナであるとは言え、これは初っ端から難問にぶつかってしまいましたなぁ。。。

 いろいろと調べてみた結果、どうやら “YouTube” の動画は直接ダウンロードすることは不可能みたいなんですが、でも大丈夫。 世の中にはちゃんと抜け穴が用意されていて、不可能を可能にするアプリケーションというのがきちんと開発されているんですよね。 で、いくつかのソフト試してみた結果、 Craving Explorer というのがいいかな?…という結論に達したわけなんですが、見た目が “Internet Exploler” に酷似していて、通常のブラウザとして使用することも可能です。 “お気に入り” もそのまま引き継がれるので、普段よく見ているスケベ動画配信サイトにも簡単にアクセス出来るわけなんですが、今はそんなものを見ている場合ではありません。目的はあくまでも健全爽やかな動画をダウンロードすることにあるわけですからね。 で、 “YouTube” にアクセスするのもとっても簡単で、上のほうにある検索バーにキーワードを入力してやれば、画面の右側に “YouTube” の検索結果が表示されることになります。 と同時に、左側には “Amazon” の関連商品が表示されて、いらぬ物欲を刺激されてしまうことになるんですが、ま、フリーソフトなので、それくらいは我慢しなければならないところでありましょう。  で、 “YouTube” の検索結果の下の部分には

  YouTube で見る - 全画面で見る - 動画を保存( AVI / MPEG / FLV ) - 音声を保存( WAV / MP3 )

というメニューが表示されるので、用途に応じて青い字の部分をクリックしてやればオーケー。 “YouTube で見る” を選ぶと普通の “Internet Exploler” が立ち上がっちゃうところがやや面倒なんですが、ま、主眼はあくまでも動画ファイルのダウンロードにあるわけですからね。 アップロードされた生のデータである “FLV形式” だけでなく、それを “AVI” や “MPEG” に変換してくれる機能があるのも便利です。 動画ファイルの音声部分だけを “WAV” や “MP3” で保存する機能もあるんですが、果たしてそんな需要があるものなんすかね? 実際に目で見るのでなくて、音だけ聞いてあれこれ想像を膨らませることによって、より興奮の度合いを高めるんやんっ!…という、盗聴マニアからの要望なのかも知れませんが、僕は普通に目で見て楽しみたいので、そのまま動画で保存しちゃいましょう。 日本語のファイル名の場合、たまに文字化けして意味不明の文字列が出てくることがあるので、その場合は自分で適当に名前を付けてやりましょう。 ダウンロードは1ファイルずつしか出来ないんですが、あらかじめ複数ファイルを予約することが可能なので、とにかく見たい動画ファイルをクリック、クリック、クリック! もひとつおまけに、クリック、クリック、クリック、クリック、クリック!…などと調子に乗っていると後で泣きを見ることになるんですが、 “YouTube” からのダウンロードって、意外と動作が不安定だったりするんですよね。 23%くらいまで進んだところでそこから先にまったく進まなくなって、仕方なくアプリケーションを閉じると、その時点で予約はすべてパーになってしまいます。 予約状況を保存出来るような機能があるといいんですけどねぇ。。。 あまりたくさん予約を入れておいて、それが瞬時に無駄になってしまうと、もういいっ!…という、かなり捨て鉢な気持ちになってしまうので、予約は3個くらいに抑えておいたほうが無難ではないかと思われます。

 MPEG形式で保存した動画を試しに視聴してみたところ、僕のパソコンではどういうわけだか映像はちゃんと見れるものの、音声がまったく聞こえないという状況でありました。こんなん、盗聴マニアとして、最もソソられるものがない状況やんっ!…と思わずにはいられませんが、でも大丈夫。 いや、もしかしたらあまり大丈夫な状況ではないのかも知れませんが、少なくともザウルスで見ようとする限りはこれでまったく問題はありません。 ただ、“Zaurus SL-C3100” の標準プレーヤーで再生出来る動画ファイルは “MPEG-4準拠の動画で音声がG.726またはMP3準拠のASF形式ファイル(拡張子は .asf)のみ” となっております。 同じ “MPEG” なんやから、別にエエやんっ!…と、僕としては思ってしまうんですが、ダウンロードした動画ファイルをそのままCFカードにコピーしてもまったく動画は見れなくて、ということは、えーと、何らかの変換処理をしなければならないということなんすかね? いやあ、ザウルスで動画を見れるようにするというのも、なかなか骨の折れる作業でありますなぁ。。。

 そこで登場するのが このソフト であります。 2,980円もするやんっ! …というので、ちょっと購入をためらってしまいますが、ま、お外で露出プレイ物を鑑賞するためなら、これくらいの出費はやむを得ないところではなかろうかと。夜中に公園で覗きをしてたらめっちゃ風邪ひいて、薬代が 3,260円もかかったやんっ!…という状況と比較しれば、280円もお徳ですしね。それだけあればジュースを2本飲んで、うまい棒を4本も食べられるわけなので、そう考えると、かなりうまい話であると言えるかも知れません。 ちなみにこのソフトは本来、携帯電話で動画を見れるようにするのが目的のようで、となると今まで、ザウルスなんか持ってないしぃ。…というので、この話を適当に読み飛ばしていた人にとっても、俄然、有益な情報となって来ます。 “iPod動画変換” とか “PSP動画変換” というのもあるみたいだしー。  で、このソフトは有料だけに、機能のほうもなかなか優良でありまして、変換速度がかなり速いところはポイントが高いです。 同時に複数ファイルの変換も可能なので、気の短い人でも大丈夫。 “同時ランニングプロセスの最大数” を 「7」 くらいに設定して、ほれ、変換、変換!もひとつおまけに、変換、変換、変換、変換、変換っ!…などと調子に乗っていると、パソコンの処理能力を超えてフリーズしちゃうことになるんですけどー。 うちのパソコンの場合、ま、2つまでが限界かな?…といった感じでありましたが、 “YouTube” からのダウンロードに要する時間よりも短くて済むので、実用上はまったく問題はありません。 ちなみに “Zaurus SL-C3100” で見る場合、プロフィールのところを “MPEG-1 Movie (*.mpg)” というのにしてやれば大丈夫。 ザウルスで見れる動画ファイルは “MPEG-4” ではなかったのか?…という気がしないでもないんですが、この設定でパソコンでは駄目だった音声のほうもザウルスではちゃんと聞こえるようになったりするので、ま、結果オーライということで、あまり深く追求するのはヤメにしておきましょう。

 かくして僕は無事にザウルスで動画を見ることに成功したわけでありますが、このソフトで変換した動画には致命的な欠陥がありました。画面サイズがめっちゃ小さいやんっ!…というのがその問題点なんですが、せっかく出演者が頑張って露出してくれたというのに、これでは何が何だかさっぱりわからなくて、所詮は携帯電話向けの変換ソフトでありますなぁ。…と、普通の人ならそこで諦めてしまうところなんですが、すけべ動画を見るためにはどんな努力も惜しまない僕は、そんなことでへこたれはしません。いろいろと試してみて、遂にこの問題を解決する画期的な裏技を見つけ出すことに成功しました。 …と言ってもあまり大した事ではなくて、画面の右側にある“Video Size”の部分をクリックしてやれば、変換サイズを指定出来ることに気が付いたという、ただそれだけの話なんですけど。 デフォルトでは 176×144 になっていたのを、ザウルスの画面サイズに合わせて 640×480に変更して、これでめでたくフルスクリーンで動画を鑑賞出来るようになったんですが、すると今度はマシンのスペックがぜんぜん追いついてこなくて、とても動画と呼べるようなレベルではありませんでした。画面、止まってるやんっ!…みたいな。 ま、ザウルスでは 352×240 というのが精一杯みたいですな。やはり、すけべ動画は家でゆっくりパソコンで鑑賞するのが本筋であるように思われます。

ビデオ変換の設定方法♪

 ということで、僕の興味は健全爽やかな動画の鑑賞へとシフトした次第でありますが、 “YouTube” で色々な動画ファイルを探してみたところ、おおっ、 「トムとジェリー」 のテレビ版があるやんっ! DVDで売られているやつはナレーションが入ってなくて、声優のほうも今ひとつで、子供の頃に味わったあの感動がちっとも甦ってこないんですよねー。 おおっ、一休さん声のジェリー、めっちゃ懐かしいっ♪ あとは 「探偵!ナイトスクープ」 も、見たかったネタがいくつかアップされておりました。 少し前まではどういうわけだか “林先生シリーズ” が隆盛を誇っていたんですが、今ではすっかり総入替となっておりますな。 油断しているとすぐに消えてしまうので、こまめにチェックして保存しておく必要があるようです。 ちなみに “パソコンだと音声が聞こえない問題” は変換ソフトを使わない場合でも “AVI” で保存することによって無事に解決したので、ま、そういう物だと思って、あまり深くは追求しないことにして。 あ、余談ではありますが、ジャズ関係の動画というのもかなり豊富にアップされているので、 “JAZZ” で検索してみるというのも一興かも知れません。 おおっ、パーカーが、マイルスが、コルトレーンが、リー・モーガンが、めっちゃ動いるやんっ!! ちなみにジャズ関係で僕がいちばん感動したのは 「"Sound" (1966-67)」 という作品なんですが、純粋なライブ映像ではなく、ドキュメンタリー・タッチになっているところが何ともカッコよくて、おおっ、ローランド・カークがめっちゃ3本の楽器を吹いてるやんっ!…という、前から一度見たいと思っていた怪しい姿を心ゆくまで堪能することが出来ました。皆さまにも是非見て頂きたいと思わずにはいられませんが、いや、果たしてこの原稿がアップされる頃まで無事に生き延びているかどうかは保障の限りではないんですけど。 とまあそんなことで、骨の折れる作業を何とかクリアしたので、最後に “骨折” というキーワードで検索してみたんですが、その結果40件ほどの動画ヒットして、コンテンツとしてはなかなか充実しているみたいです。 中でも僕が興味をソソされたのは “[NBA]Livingston左腿骨折” という動画だったんですが、左腿骨折となると、とても他人事とは思えませんからね。ドキドキしながら視聴してみると、それは “NBA” とある通りバスケの試合中の事故を記録した動画だったんですが、おおっ、ジャンプしてシュートを決めて着地した時、脚があらぬ方向に曲がってるやんっ!! 中国人がアップしたものらしく、漢字でごく短いコメントが添えられているんですが、それが映像の内容を端的に表現していて秀逸でありましたので、最後にそれを引用して今日のところは終わりにしたいと思います。 ジャンプして、シュートして、おーっと、着地失敗。

很痛っ!

 ということで今日はミリー・ヴァーノンなんですが、ちなみに “骨折” で検索した時、 “Amazon” ではいったいどんな商品をお薦めされるのかと言うと、例えば 大腿骨骨折モデル とか。 是非とも姉妹品の “左下腿骨骨折モデル” も作って欲しいところでありますが、オプションでプレートとボルトを買って、自分で手術出来るようになっていたりすると、より一層楽しいですよねー。 いずれにせよ皆さんも、很痛很痛!…といった状態にならないよう、充分に注意して欲しいと思いますが、そんなことでミリー・ヴァーノンです。 “水羊羹のミリー” として一部マニアの間では有名らしい 『イントロデューシング・ミリー・ヴァーノン』 というアルバムを、僕はごんあぢ嬢の書き込みによって初めて知ったんですが、この作品に関する情報は一度出ただけで消えてしまった幻の一発屋、麻糸貝さんの投稿に詳しく書かれておりました。せっかくなので、ここで引用しておきましょう。

  ごんあぢさまご照会のミリー・ヴァーノン盤は、
  今回の発売元MUZAKのサイトの紹介にあるように、
  NHKの特番で向田邦子の愛聴盤として紹介されて
  人気と値段が高騰。
  以前に出た国内盤紙ジャケCDが
  関東地方の某多店舗展開中古盤店では3万円の値段で売られるほどに。
  ヤフオクではもっとしたんとちゃいまっしゃろか。
  今回の再発で値段は暴落すると思います毛ど。

 何だか、関サバ師匠が名前を変えて復活したかのようなキャラでありますが、そうですか。向田邦子の愛聴盤だったんですねー。 で、その後、ごんあぢ嬢から、そのアルバムの3曲目が 「ヨーカンを食べるときにぴったりな曲」 と書いてあったのです。…という情報がもたらされることになるんですが、確かにCDの日本語ライナーにも向田邦子と水羊羹のエピソードが書かれておりました。せっかくだから、それも引用しておきますかね? 今日の後半はもう、引用と飲尿ネタだけで押し通そうと覚悟を決めているんですが、向田邦子は1977年、 『クロワッサン』 という雑誌に次ようなエッセイを書いているんだそうです。

  水羊羹を食べる時のミュージックは、ミリー・ヴァーノン「スプリング・イズ・ヒア」 が一番合うように思います。
  この人は、1950年代に、たった一枚のレコードを残して、それ以来、生きているのか死んだのか、まったく消息のわからない美人歌手ですが、
  冷たいような、甘いような、けだるいような、生ぬくいような歌は、水羊羹にピッタリに思えます。

 いや、さすがは脚本家兼エッセイスト兼小説家だけあって、なかなかうまい事を言うもんですなー。 確かに水羊羹というのは生ぬくいですもんね。 キンキンに冷えていて、歯にしみたり、頭がキーンと痛くなったりするような水羊羹にはまだ一度もお目見えしたことがないんですが、そういう意味で水羊羹というのは “あずきバー” や “アイス饅頭” とは一線を画した食べ物であると言ってもいいでしょう。 食べると頭がキーンとなりますからね、アイス饅頭の場合。 とまあそんなことで、1曲目。 「ウィープ・フォー・ザ・ボーイ」 。タイトルを翻訳サイトにかけたところ、 「少年を欲しがって泣いてください。」 という結果が出たんですが、僕は別に泣くほど少年が欲しくはないので、そんな事を言われても困ります。出来れば “ボーイ” の部分を “多度豆” とかに変えて欲しいところなんですが、歌そのものは、なかなかいい感じですよね。このアルバムは伴奏者もなかなか渋いところを取り揃えておりまして、ピアノがデイブ・マッケンナで、ドラムスはフィリーではない、パパジョーのほうのジョー・ジョーンズでありますか。 特にデイブ・マッケンナという人はなかなかいいプレイをするので、思わず、デイブ、負っけんな!…と応援したくなってしまいますが、その他、ルビー・ブラフのトランペットと、ジミー・レイニーのギターなんかも入っていたりします。 で、この1曲目は無伴奏の独唱で幕を開けて、そこにスーっと伴奏が入ってくるわけなんですが、何ともジャズっぽくて素晴らしい演出だと思いますね。 ミリーの歌声は前回取り上げたブロッサム・ディアリーのロリ声と比べると何ともオトナでありまして、最後のほうになるとトランペットの切ないトーンが絡んできたりして、これまた何ともオトナでありますなぁ。 これがもっとオトナになって老人の域に達すると、トランペットのトーンの変わりに喉に痰が絡んで呼吸困難に陥ることになるんですが、彼女の場合、まだそこまで歳をとってるワケではないですよね。 熟女の魅力、満載っ♪…といった感じでありまして、いや、録音当時はまだ26歳ということなので、ギャル真っ盛りと言ってもいい年頃だったりするんですけど。

 ということで2曲目です。 「モーメンツ・ライク・ディス」 。 僕は豆腐は絹ごしよりも木綿のほうが好きな、木綿豆腐ライクな青年だったりするんですが、このモーメント・ライクな歌も悪くないと思います。デイブ・マッケンナの軽快なピアノのイントロに続いて登場するミリーの歌声は、いくぶん投げやりな風情が感じられたりもするんですが、貴方には他にたくさん女がいるのは知ってるけれど、もう、どうでもエエわ。…と、そういった内容の歌らしいですからね。投げやりになるなというほうが無理だという気もしますよね。ここでは仮に彼の名前をアキラとしておきますが、実にどうしようもない男でありますなぁ、アキラ君ってば。 …と思っていたら途中からテンポが遅くなって切々としたバラードに転じるですが、とは言ってもやっぱりアキラ君のことを諦め切れない、そんな切ない乙女心の現われであるものと思われ、胸を打たれる思いであります。確かに諦めるにはもったいない、とっても素敵なマイトガイですからねー、小林旭。

 で、3曲目が問題の…というか、話題の 「スプリング・イズ・ヒア」 であります。 「春が来た」 。 どこに春が来たのかというと、恐らくコンピュータ総合学園 “HAL” にではないかと思うんですが、名古屋地区の大学合格がちょっと怪しい高校3年生や浪人生にとって、 “HAL” が待っている。…というのは合言葉になってましたからねー。 ちなみに僕も大学合格がたいへんに怪しい浪人生でありまして、案の定、5つ受けた大学がことごとく不合格だったんですが、 “HAL” はやめにして、名古屋電気通信工学院という地味でギャル受けしない名前のところを選びました。履歴書とかに “名古屋電気通信工学院ロボット制御研究科卒業” と記入するたびに、 “HAL” にしておけば書くのがめっちゃ楽やったのにぃ。…という事に気付いてかなり後悔しましたが、ところでこの 「スプリング・イズ・ヒア」 。 春が来た、春が来た、どこに来た〜、山に来た、里に来た〜、野にも来た〜♪ といった能天気な歌なのかと思ったらそうではなくて、春が来たけど、心はウキウキしない。だって、アタイには彼氏がいないんだもん。…という、寂しいギャルの心情を歌ったものだったんですな。 適切な邦題を付けるとなると 「春なのに」 というのが正解でしょうか? 春なのに、涙がこぼれます〜♪ という柏原芳恵の気持ちはよく分かるんですが、僕は花粉症なので春になるとおもわず涙がこぼれちゃうんですよね。花粉症なので、ついでに鼻水も止まらなくなってしまうんですが、ここでのミリー・ヴァーノンはヴァースからしっとりとした歌声を披露しております。この時期、どうしても鼻のかみ過ぎで鼻の下の部分が痛くなってしまうので、ティッシュも歌声もしっとりとした保湿タイプのほうが嬉しいんですが、ヴァースの部分はギターだけをバックに、そして本題に入ると同時にリズムが入ってくるところが実に粋だと思います。 水羊羹に合うか?…と言われると、何とも判断しにくいところではあるんですが、冷たいような、甘いような、けだるいような、生ぬくいような歌…というのは、確かに的を得た表現だと思います。普通の羊羹ほど甘くはなく、アイス饅頭ほどには冷たくもなく、適度にアンニュイで、微妙にウォームな歌いっぷりは、まさしく冷蔵庫から出して12分ほど経過した水羊羹といった感じなんですよね。 法事の際、お坊さんに食べて貰おうと思って冷蔵庫から出したところ、意外とお経が長引いてしまって、水羊羹が生ぬるくなってしまうというのはよくある事です。 そしてミリーが次第に情感を高めていったところで、歌のほうは、おしまい。

 とまあ、この曲が終了した時点で僕の使命は終わったも同然なので、後は軽く流しておきましょう。 4曲目、 「セント・ジェームス病院」 。 僕は以前、この曲を 「セント・ジェームズ病院」 と表記していたんですが、とんでもない間違いでした。謹んでお詫びを申し上げます。 ま、 “ス” に点々があろうがなかろうが、さほど大きな問題ではないと思う人もいるかも知れませんが、例えば高級ブランドの “バレンチノ” だと思って買った財布が、実は “ハレンチノ” だったりしたら、かなりショックですからね。 ま、片仮名で書いてある時点で気付けよ!…という気がしないでもないんですが、それはそうと、セント・ジェームス病院というのはいったい、どこにあるんでしょうね? これがもし “セント・天むす病院” だったりしたら、恐らく名古屋にある病院なんだろうな。…と、ある程度の予測がつくんですが、ジェームスなんてアメリカ中のどこにでもありそうな名前ですもんね。 で、この歌は恐らく、脚の骨を折って入院した彼氏をセント・ジェームス病院までお見舞いに行くといった内容なのではないかと思っていたんですが、どうも事態はそれだけでは済まなかった模様です。日本語ライナーには、病院の白いテーブルに横たわる冷たくなった彼を見て、嘆き悲しむ女。…なんてことが書かれていましたからね。 ここで言う “冷たくなった彼” というのは、

 「俺、お前とはもう逢わないでおこうと思うねん。何て言うか、飽きたしぃー。」
 「ああん、どうしてそんな冷たいことを言うのぉ!」

 といった “態度が冷たくなった彼” のことでは無くて、生体的に体温が冷たくなった状態を示すんだと思うんですが、ああん、ちょっと骨を折っただけだって聞いてたのにぃ。。。 このあまりにも哀しすぎる歌をミリー・ヴァーノンは淡々と歌い上げているんですが、背後では何やらポクポクという木魚のような音も聞かれたりして、暗鬱たる気分に浸ることの出来る、そんな1曲なのでありました。 …って、4曲目もわりと真面目に解説してしまいましたが、続いては 「マイ・シップ」 でありますか。 僕はシップの中では “のびのびサロンシップ” がいちばん好きで、2番目は “パテックスぺたんシップ” かな?…と思っているんですが、ここでいう “マイ・シップ” というのはそういうものではなくて、えーと 「私のフネ」 ですかね? フネを自分の物だと言えるのは大金持ちか、漁師か、磯野波平くらいではないかと思うんですが、歌詞の大意はサザエさん一家とはあまり関係なくて、金や銀や宝石なんかよりも、私は本当の愛が欲しいのぉ。…という内容なんだそうです。いや、何とも安上がりなギャルですな。僕としても、金や銀や宝石なんかよりも、私はアイス饅頭が欲しいのぉ♪…と言い出すようなギャルはとっても可愛くていいと思うんですが、このしんみりとした歌をミリーはギター1本だけをバックに切々と歌い上げております。 「スプリング・イズ・ヒア」 とよく似たような雰囲気で、ま、いいんじゃないですなねー。 で、6曲目は 「ジス・イヤーズ・キッセス」 という歌です。 「今年のキス」 などという邦題が付いておりますが、いいですよねぇ、キス。 フライにして食べると、とっても美味しいです。 今年のキスは豊漁だから、とってもお値打ちだねっ♪…という明るい気分の感じられるミディアム・テンポのスインギーなナンバーでありまして、ここまでどちらかというとスローなテンポの曲が多かったので、ちょうどいいチェンジ・オブ・ペースになっております。で、ルビー・ブラフのトランペットがなかなかよく目立っているんですが、あまり目立たないところで頑張っているジョー・ジョーンズのブラッシュ・ワークにも注目したいとことです。前回のブロッサム・ディアリー盤に引き続き、今回も頭はハゲているんですが、相変わらずスインギーなタイコを叩いておりますなー、パパジョー。

 で、7曲目、 「ムーン・レイ」 。 月の光よ、私の悲しみを終わりにして、恋人を連れ戻して喜びを与えておくれ。…といった意味であると日本語ライナーには書かれておりますが、そんなことをお願いされても、月の光としても困ってしまいますよね。そういうことは月光仮面に頼んだほうがいいんじゃないか?…という気がするわけなんですが、歌のほうはしっとりとしたバラードに仕上がっておりまして、ミュート・トランペットとの絡みもなかなかにムーディであります。でまた、ディブ・マッケンナのピアノもよいですなぁ。…と、軽く流しておいて、続いては8曲目ですか。  「エヴリシング・バット・ユー」 。貴方は、すべてのものを置いていったけど、貴方だけはいない。といった彼が出て行った部屋の中を見回して途方にくれている。…といった意味であると日本語ライナーには書かれておりますが、パンツとか、シャツとか、靴下とか、スパッツとか、そういうものを全部置いたまま、部屋から出ていってしまったんですかね? ということは、その彼はフリチンで外をうろついているという事になると思うんですが、だとすればすぐに警察に保護される事になるので、さほど心配はないような気もします。 で、前曲に引き続き、ここでもルビー・ブラフの活躍が目立つんですが、歌詞の意味のわりにはミリーの歌声も何だか妙に陽気だったりするんですが、やはりパンツを担保に押えてあるということで、わりと事態を楽観視しているのかも知れません。 楽観的な歌なので、落雁を食べる時のミュージックにぴったりかも知れませんなー。 ということで9曲目。  「エヴリ・タイム」 。 またしても日本語ライナーから歌詞の大意を引用させて頂くと、何をやっても失敗する私、凧を揚げれば木の枝に引っかかる、碇を投げれば一緒に海に引きずりこまれる。 ま、そんな内容の歌だと言うことです。 いや、凧揚げはともかくとして、 “碇” のほうは、そんなヤツおらんやろ!…と思わずにはいられませんが、そういう実にくだらない歌詞であるにも関わらず、メロディのほうは意外にもしっとりとしたバラードだったりします。さすがに碇と一緒に海に引きずりこまれては、あまり御陽気に振舞うわけにはいかないのかも知れません。パンツもシャツも靴下もスパッツも、みんなべちゃべちゃになっちゃうしー。 ということで、次。10曲目。 「ブルー・レイン」 。何だかもう、タイトルを見ただけで、冷たいような、甘いような、けだるいような歌声が聞こえてきそうなんですが、案の定、 「スプリング・イズ・ヒア」 と似たような雰囲気が漂っておりますな。 ま、悪くはないんですが、ちょっぴりマンネリ化の気配が感じられないでもでもありません。 とまあ、そんなよくない噂を吹き飛ばしてくれるのが11曲目の 「アイ・ドント・ノウ・ホワット・カインド・オブ・ブルース・アイブ・ゴット」 でありまして、 タイトルが長いやんっ!…というところに若干の問題があるんですが、デューク・エリントンの作品ということもあって、なかなかブルーなフィーリングの感じられる仕上がりとなっております。ルビー・ブラフとジミー・レイニーとデイブ・マッケンナのソロもフィーチャーされていて、純粋にジャズとして楽しむなら、この曲が一番でありましょう。

 ということで、いよいよラストです。 「アイ・ゲス・アイル・ハヴ・トゥ・ハング・マイ・ティアーズ・アウト・トゥ・ドライ」 。 前曲に引き続き、 タイトルが長いやんっ!…というところに若干の問題があるんですが、 “GUESS” というのは “推測する” という意味ですよね。下種の勘繰り…と覚えておくと分かりやすいんですが、僕は “勘繰り” よりも “寒ブリ” のほうが、その “寒ブリ” よりも更に “冠二郎” のほうが好きだったりするんですけど。 とまあそれはともかくとして 「私は涙が枯れて、乾き果ててしまうのではないかと推測します。」 なんですが、いい曲ですよね、これは。 僕の場合、 『ゴー』 というアルバムに入っていたデクスター・ゴードンのヴァージョンが真っ先に頭に浮かんでくるんですが、ここでのミリーはバラードではなくミディアム・テンポのメロディに乗せて、涙が枯れるまで泣いて、ちょっと吹っ切れたかのような希望の光を感じさせる、そんな歌唱を聞かせてくれておりますな。 希望が感じられるだけに、きなこ棒を食べる時のミュージックにぴったりではないか?…という気がしないでもなんですが、とまあそんなことで、今日のところは、おしまい。

【総合評価】

 水羊羹うんぬん…というエピソードを差し置いても、充分、鑑賞に値する出来のジャズ・ボーカル作品ではないか?…という気がします。 今回、日本を代表するジャズ系サイトである 『塩サバ通信』 で取り上げられたことにより、より一層ブームに拍車が掛かる…ような気がしないでもないんですけどねぇ。 あ、それはそうと、今回は “jazz giant”の Vol.27第20回目でありますなぁ。 ということは、通算すると (26×30)+20=800回記念っ♪…ということになりますか。 嘘八百ばかりを書き連ねて、よくぞ800回まで辿り着いたものだでありますなぁ。 これからも、とりあえず連載802回くらいを目標として、ま、適当に頑張りたいと思いまっす。


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