BLOSSOM DEARIE (VERVE)

BLOSSOM DEARIE (1956/9/11,12)

BLOSSOM DEARIE


【パーソネル】

BLOSSOM DEARIE (vo,p) RAY BROWN (b) JO JONES (ds) & Others
【収録曲】

'DEED I DO / LOVERMAN / EVERYTHING I'VE GOT / COMMENT ALLEZ VOUS
MORE THAN YOU KNOW / THOU SWELL / IT MIGHT AS WELL BE SPRING
TOUT DOUCEMENT / YOU FOR ME / NOW AT LAST / I HERE MUSIC
WAIT TILL YOU SEE HER / I WON'T DANCE / A FINE SPRING MORNING
THEY SAY IT'S SPRING / JOHNNY ONE NOTE / BLOSSOM'S BLUES
【解説】 (2007年03月25日更新)

 今日は “中国と台湾、対立の構図” というテーマでお届けしたいと思うんですが、そもそもこの2者の確執の歴史は 1936年に勃発した “西安事件” まで遡ることになります。 中国国民党の主席であった蒋介石は、共産党軍の根拠地に対する総攻撃を命じて西安に赴いたところを、内戦停止を主張する部下の張学良らによって、監禁されてしまいます。 そんでまあ、なんやかんやとゴタゴタがあった挙句、共産党の周恩来らが西安に入って国民党との間で手打ちが成立して、蒋介石は解放されることになるんですが、これによってまあ、 “国共合作” というのが成立することになるわけですな。 が、1945年になると再び国共内戦が勃発し、1949年には毛沢東にやられて台湾に敗走して、そこで “中華民国” を建国するわけでありますが、 毛沢東に負けたのが相当に悔しかったらしく、以来、蒋介石は毛沢東のことを激しく嫌うことになります。 これが “毛嫌い” という言葉の語源になったわけですが、いや、もしかしたら、それとこれとはまったく別の話だったりするのかもしれませんが、とにかくまあ、彼は毛沢東のことを毛嫌いして、レーザー脱毛をしたり、剃毛プレイに走ったりしたんだそうでありまして。

 で、現在の台湾総統である陳水扁 (ちん・すいへん) も当然ながら毛沢東のことを嫌っておりまして、この陳氏と毛氏との確執は本場中国では “チン毛問題” と呼ばれているそうなんですが、いや、これはなかなか、真っ直ぐな状態には戻りそうもないですな。 どうしても話がちぢれたり…、いや、こじれたりしてしまいそうなんですが、ちなみに僕は中国と台湾のどちらを贔屓にしているのかというと、断然、台湾のほうだったりします。 少なくとも今年の3月に入ってからの対戦成績でいうと、台湾の3勝、中国は0勝、“びっくりドンキー” が1勝ということになっていて、台湾が中国を圧倒しています。 これは一体どういう数字なのかというと、ハマちゃんと一緒にお昼を食べにいった回数だったりするんですが、今月はわりとエンジン関係の点検とか整備の仕事が多かったので、浜田エ○ジニアリングと一緒に仕事をする機会が多かったんですよね。 弁当を持ってくるタイプの職人さんと仕事をする時は、1人で食べに行くのが面倒なので僕も弁当を持っていくことが多いんですが、そうでない職人さんの場合は奢ってもらえることになるので、お相伴に預かることにしているんですよね。 ただ、奢ってもらう立場なのに文句を言うのはアレなので、性格が謙虚な僕はお店のタイプは基本的にお任せということにしているんですが、3日連続でハマちゃんと一緒に仕事をすることになった際、初日にお兄さんのタカシ君が連れてってくれたのは、現場からクルマで北に向かって走ったところにある台湾料理の店でありました。いやあ、僕は台湾料理というのがかなり好きだったりするので、これはかなり悦ばしい選択でありますなー。

 で、2日目。タカシ君は今度、現場から南に向かってクルマを走らせたので、どうやら違う店に行く意向のようでありますが、連れて行かれた先は屋号こそ昨日とは違うものの、やっぱり台湾料理のお店でありました。 いやあ、僕は台湾料理というのがかなり好きだったりするとは言うものの、2日連チャンというのはちょっと辛いよなー。台湾料理、ちょっと辛いしぃ。…という気がしないでもないんですが、あ、前者の “辛い” は “つらい” 、後者のほうは “からい” と読んでくださいね。 いずれにせよ、奢ってもらう身なので文句を言うわけにもいかず、もしかして3日目も台湾料理なんとちゃうやろか?…という嫌な予感を覚えたりもしたんですが、さすがのタカシ君もちょっと飽きたようで、最終日は “びっくりドンキー” のハンバーグだったんですけどね。 で、それから1週間後、今後は弟のマサル君と一緒に仕事をすることになって、お昼に連れて行かれた先がやっぱり台湾料理だったんですが、いずれも近くには中華料理の店やラーメン屋なんかもあって、選択に迷っても不思議ではないシチュエーションなんですが、まったく迷いもせずに、わき目もふらずに黄色い看板のお店を目指すんですよねー、ハマダ兄弟ってば。 いや、正式な統計を取ったわけではないんですが、一般的に中華料理の店は赤い看板を、台湾料理の店は黄色い看板を掲げる傾向にあるようで、これはやはり共産党軍が “紅軍” と呼ばれていた頃からの名残りなんでしょうか? 対する国民党の軍隊のほうは、ごく普通に “国民党軍” という名前だったりするので、敢えて黄色い看板を掲げる必然性はないんですが、やはり “紅” という色はどうしても毛嫌いするんでしょうな。 パソコンの画面の場合、黄色いフォントというのはどうも今ひとつ見にくくて、競争するにはやや不利なような気もするんですが、実際の看板は 黄色に黒文字 なので、かなりよく目立つんですよね。 ハマダ兄弟が注意を引き付けられて思わず中に入ってしまうのも、やむを得ないところであるかも知れません。

 ところで、そもそも台湾料理というのは、一体どういうものなのか?…という疑問を持っている人もいるかも知れませんが、中華料理の3大メニューが “ラーメン” “チャーハン” “餃子” であるとすれば、対する台湾料理は “手羽先” “台湾ラーメン” “台湾ちまき” の3つが代表選手であると言えましょう。 いや、手羽先というのは、ただの名古屋名物なんちゃうか?…と、関西エリアの人間としては思ってしまうんですが、名古屋ローカルでよく流れている 「味仙(みせん)」 という台湾料理店のコマーシャルでは、ジャ〜ン♪…という銅鑼の音に続いて、中国訛りの日本語で、手羽先、台湾ラーメン、台湾ちまき、本場の味、美味しいヨ!…というナレーションが入ることになっているので、台湾料理というのはそういうものなんだと思います。 ところでこの台湾ラーメンというのは全国どこでも普通に食べられている、ごく普通の麺類だとばかり思っていたんですが、どうもそうではないみたいですな。 とある東京在住のギャルが、 「えー?台湾らーめん?知らな〜い!」 などと言い出した時、僕は思わず自分の耳を疑ってしまいました。 もしその発言をしたのが可愛いギャルでなくて、ぜんぜん可愛くないオッサンだったりしたら、「嘘を付くなーっ!」 と、張り倒していたと思いますが、それくらい台湾ラーメンというのは名古屋近辺では珍しくもなんともない、ごく普通のありふれたポピュラーなラーメンですからね。 台湾料理屋でしか食べられないのかと言うとそうわけでもなく、例えばうちの会社の近くにある “一番楼” というお店は赤い看板を掲げた中華料理系のお店なんですが、ランチメニューには “チャーシュー麺とチャーハンのセット” などと並んで、 “台湾ラーメンと天津飯のセット” なんてのもあったりします。本来、激しく対立している筈の台湾と中華人民共和国の都市である天津とが、この店の中では仲良く同じお盆の上に並んでいるわけなんですが、これは何も中華料理屋の度量の深さによるものではなくて、台湾料理屋でも台湾ラーメンというのは大抵、チャーハンか天津飯か中華飯のどれかとセットになっているんですけどね。

 そもそも台湾ラーメンというのは、一体どういう麺類なのか?…という疑問を持たれた人もいるかも知れませんが、麺自体は普通のラーメンとさほど変わるものではありません。 スープもわりとベーシックな醤油ベースとなっていて、別段、台湾を感じさせるものはあまり無かったりするんですが、台湾ラーメンというのは “具” の部分がかなり特徴的なんですよね。台湾らしくバナナが入っているというワケではなくて、使われている素材はニラとひき肉と、えーと、以上。…といった、かなりシンプルな構成となっております。 ニラは茹でて適当な長さに切られたものがスープの上に漂っているだけなので、さほど問題はありません。 ちなみに “一番楼” の台湾ラーメンはニラの替わりにチンゲン菜が入っていたりするんですが、これはやはり、台湾に魂を売り渡してしまったわけでは無いことの証としての、せめてものプロテスタントなのでしょうか? ただこのチンゲン菜、葉っぱ1枚なりが茎の部分までついた状態で麺の上に乗っかっていて、非常に邪魔な上に食べにくかったりするので、大人しく普通のニラにして欲しいと思わずにはいられませんが、ヘンなところで意地を張るのはヤメにしようよ!…と、店長に忠告しておきたいところです。 で、チンゲン菜入りのものでも台湾ラーメンと称しているところを見ると、どうやら台湾ラーメンと台湾たらしめているのは “ひき肉” の部分であることが分かるんですが、確かにこの “ひき肉” はピリ辛で、かなり台湾っぽいテイストになっていたりします。 よく、台湾ラーメンは辛いと言われますが、スープそのものが辛いのではなく、“ひき肉” の味付けがスープに溶け出すことによって全体的に辛くなっているんだと思います。 で、この “ひき肉” はハンバーグや肉団子のように、しっかりとした固形を保っているわけではありません。 確かにテーブルに運ばれて来た時点では平ぺったい肉団子のような形状をしているんですが、その実、その正体はほとんど “そぼろ” であると言っていいでしょう。ラーメンに “ひき肉のそぼろ” なんか入れたら、すぐバラバラになってスープの底に沈んでしまうのではないか?…と心配になってしまいますが、その心配は決して杞憂には終わりません。間違いなく食べているうちにバラバラになって、スープと一体化して、丼の底のほうに沈んでしまうことになります。

 僕は肉が大好きです。 肉をいっぱい食いたいっ!…という “肉欲” はかなり強いほうだと思うんですが、そしてまた僕は美味しいものは最後までとっておくタイプであります。 だから当然、台湾スープの “ひき肉” は最後まで楽しみにとっておくことになるんですが、そうして麺を食べてスープをすすっているうちに、ああっ、ひき肉がどっかに消えてしもてるやんっ!!…という、実に哀しむべき事態が生じてしまうんですよねー。 どこに消えてしまったのかというと、恐らく丼の下のほうに沈んでいるんだと思うんですが、それを割り箸とレンゲで救い上げるというのは、かなりの難事業だったりします。 かなり一生懸命すくってみても、恐らく全体の70%程度しか助け出せないものと思われ、気の短い人だと、まだ全体の半分以上が沈んだままだというのに、えーい、もうエエわいっ!…という捨て鉢な気分になって、そこで食事終了という事態になりかねません。 で、その救出されなかった “ひき肉”は台湾人の主人によってスープから分離され、軽く炒めてまた次の客の “具” としてリサイクルされるんだと思いますが、そうでもしなければやっていけないんじゃないか?…と心配になってしまうほどリーズナブルなお値段だったりしますからね、台湾ラーメンと丼物のセット。 例えば、マサル君に奢ってもらったお店の “台湾ラーメンと天津飯のセット” は、たったの650円でありました。普通、麺類とゴハン物をセットにする場合、どちらかを半分くらいの量にするというのが日本人の平均的な発想だと思うんですが、台湾人にはそういう考え方が無いようで、天津飯も台湾ラーメンも、きっちり一人前ずつあった上での650円ですからね。ひき肉の再利用くらいは大目に見てあげなければなりません。

 で、この台湾ラーメンというのは、本場の味、美味しいヨ!…でお馴染み 「味仙」 の店主が今を遡ること30年ほど前、台南名物の “担仔麺” をヒントにして作ったものなんだそうですね。 ただ、辛目の味付けにしたのは台湾人の嗜好によるものではなく、名古屋人の好みに合わせたものなんだそうで、本場の台湾には日本の台湾ラーメンに相当するような麺類は存在しないんだそうです。 どこが、本場の味、美味しいヨ!…やねんっ!…と、関西人としては思ってしまうんですが、別に “本場台湾の味” と言っているわけではないので、あるいは “本場” というのは名古屋のことを意味しているのかも知れません。 となると手羽先があるのも納得のいくところなんですが、この日本風の台湾ラーメンは名古屋人の嗜好に合わせて味付けしたのが災いしたのか、名古屋周辺以外にはまったく浸透していないというのが現状のようです。 で、台湾ラーメンとよく似た麺類に “担担麺” というのがあるんですが、これは中華人民共和国の四川省あたりがルーツであるようで、言われてみれば確かに四川風の赤っぽいスープの色をしていますよね。 よく “激烈!担担麺” という枕詞が付けられていることからも分かるように、一般的に台湾ラーメンよりも辛口であるような気がします。淡々と食べているうちに口の中が辛くなって来て、思わず追加でソフトクリームを頼みたくなってしまうんですが、台湾ラーメンを食べていても、あまりそのようなことはありません。 どうやら辛さ勝負では、中国が台湾に優勢勝ちということになりそうですが、そもそも本格的な台湾料理屋はどうなのか知りませんが、大垣や養老のあたりで黄色い看板を出して台湾ラーメンを出している台湾料理屋というのは、かなり怪しい存在である気がします。台湾ラーメン以外のメニューと言えば、天津飯とか中華飯とか麻婆飯とかそんなんばかりで、普通の中華料理屋と変わらへんやんっ!…みたいな。ちなみに僕はタカシ君に奢ってもらった時は初日が “台湾ラーメンと麻婆飯のセット” で、2日目が “台湾ラーメンと鶏の唐揚げのセット、ライス付き+餃子” を食べたんですが、その1週間後が “台湾ラーメンと天津飯のセット” なので、台湾の3連勝だと思っていたのが、実は半分ほど中華を食べていたということになるわけですな。

 では一体、本格的な台湾料理というのはどういうものなのかと言うと、えーと、大腸が輪切りになって入ってるラーメンの一種の “大腸麺線” だとか、豆腐を発酵させた “臭豆腐” だとか、内臓類を煮込んだ具の入ったスープの “下水湯” だとか。 もう、名前を見ただけでもとても食べる気にはなれなくて、これなら名古屋フレーバーの台湾ラーメンのほうが、まだよっぽどマシでありますなぁ。。。 陳総統のところのお料理は、とっても “チン味” だねっ! ということで、今日のお話はおしまい。

 いやあ、もうすっかり春ですなぁ。 とっても爽やかな季節になりましたので、むさ苦しいテナー編などヤメにして、今日からしばらく爽やかにギャル系ボーカル編をお届けしようと思うんですが、春と言えばやっぱりこの人、ブロッサム・デアリーでありましょう。 どうして春と言えばこの人なのかと言うと、ブロッサムというのは本名で、彼女が生まれた時に、お兄さんが満開の桃の枝を持ってきたことにちなんで、名付けられた名前だそうです。…という逸話からして、五輪真弓の 「恋人よ」 がけっこう好きだったという逸話を持つ僕としても、春といえばやっぱりブロッサムやろ?…と思ってしまうわけでありまして。 ちなみにこの、満開の桃の枝が云々…という話は、とある台湾ラーメンの存在を知らなかったギャルが教えてくれたんですが、ただ教えてくれただけではなく、この 『ブロッサム・デアリー』 という、ひねりのないそのまんまの名前のアルバムまで、お誕生日のプレゼント♪…として、送ってくれました。 いやあ、春ですなぁ♪ ということで、ギャル系のジャケ絵を書くのは得意でないとか、CDオマケ曲を含めると17曲もあって、レビューを書くのが面倒臭い。…といった諸事情を乗り越えて、万障お繰り合わせの上、この作品を取り上げないわけにはいきません。 ちなみに僕はそれまで、ブロッサム・デアリーに関しては、名前くらいは聞いたことがあるという程度の知識しか持ち合わせていなかったんですが、眼鏡がトレードマークなんすかね? 何となく、幼稚園の先生とかを彷彿させるルックスなんですが、パーソネルのところを見ると、BLOSSOM DEARIE , piano & vocals と書いてあったりして、どうやら歌だけでなくてピアノまで弾いてしまう、いわゆる弾き語りのスタイルであるようです。 で、とあるギャルは、あまりジャズっぽくないカモ?…という感想を述べておられたんですが、共演者をみるとしっかりレイ・ブラウンジョー・ジョーンズ (←フィリーでは無くて、パパジョーのほう。) の名前がクレジットされていたりして、これはかなり期待してもいいのではないでしょうか? ということで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 まず最初は 「ディード・アイ・ドゥ」 という曲なんですが、あ、ピアノとベースとドラムスだけのシンプルなトリオ編成だとばかり思っていたのに、ギターが入ってるやんっ! ヴァーヴというレーベルはそういうところがいい加減だから、何とかして欲しいよね。…と、バーブ佐竹が言っておりましたが、僕もまったくそのとおりだと思います。 ま、ギターとベースとドラムスによるイントロはなかなかいい感じの仕上がりなので、ギターが入っていることでキダ・タローに文句を言うつもりはありませんが、やがて登場するブロッサム・デアリーは、おおっ! 噂どおり、なかなか可愛い声の持ち主でありますなー。 ロリ声フェチの僕としては何とも嬉しい限りでありますが、ジャズ的なフィーリングも必要十分に感じられて、悪くないんじゃないっすかね? 中間部ではしっかりギターのソロもフィーチャーされていて、これはまぎれもなくジャズである。…と言ってしまっても、あながち間違いではないのではなかろうかと。 ということで、この曲はおしまい。 いや、ボーカル作品というのはあまり書くことがありませんな。 あまり書くことがないのに、あと16曲分も何かを書かなければならなくて、今からちょっぴり憂鬱な気分になってしまいましたが、2曲目は 「ラバーマン」 でありますか。 1曲目ではよく分からなかったピアノの音がイントロから聴かれて、なかなかいい雰囲気なんですが、実際に歌が始まってみると、あっ!いや、これはあまりよくありませんなー。 この歌はどちらかというと、ビリー・ホリディみたいな陰惨系の声によくマッチするような気がして、もうちょっとこう、ゴムみたいにネチネチと歌ったほうがいいと思うんですよね。 ブロッサムの声はあまりにも可愛すぎて、ゴムっぽいラバー感があまり表現されていないような気がします。 ま、 「ラバーマン」 というのは “ゴム男” ではなくて “恋人” のことだと思われるので、これはこれでいいのかも知れませんけど。

 3曲目、 「エブリシング・アイヴ・ゴット」 。 あっ!地震やんっ!…と、これを書いている今現在、おうちが結構ゆらゆらと揺れておりますが、慌ててテレビを付けてみたら、おおっ、石川県の能登地方で震度6強やんっ! うちの辺りでは震度3弱といった感じだったんですが、かなり長い間ゆらゆらと揺れていたので、まだ頭がちょっとフラフラしますなぁ。 揺れが激しかった地域にお住まいの皆様にお見舞いを申し上げておいて、えーと、 「エブリシング・アイヴ・ゴット」 。 ミディアム・ファストのなかなか軽快な歌なんですが、ブロッサムのロリ声効果が遺憾なく発揮されていて、いやあ、いいですなぁ、これは♪ 中間部ではコロコロと転がるようなタッチのピアノのアドリブまで聴けたりして、ま、軽くテーマをフェイクする程度ではあるんですが、小粋な感じがよく出されていて、秀逸です。その直後、 「すりーぴん、すりーぴん、すりーぷ、すりーぷ、ああん♪」 と、しつこく繰り返す部分があったりして、いや、最後の 「ああん♪」 というのは無かったような気もするんですが、何とも可愛くて、いいと思います。いやあ、やっぱりいいですなぁ、ロリ声♪ こういうのが嫌いな人にとっては、かなりウザいキャラであるような気もするんですけど。 で、続く 「コメント・アレツ・ヴォウス」 (←で、合ってるのか?)は、あ、さっきの地震騒ぎですっかり忘れておりましたが、このCDは曲名が薄いパステル調の字で書いてあったりして、見にくいやんけ!…と思わずにはいられないんですが、 こんな色 だとか、 こんな色 だったりとか。 ま、今日はあと13曲もレビューを書かなければならないので、この問題はとりあえず保留しておきますが、この曲ではオッサンとお姉さんの混声コーラスがバックに加わったりして、なかなか華やかな世界が演出されておりますな。 ま、オッサンの声というのはただムサいだけなので、お姉さんの声だけでよかったような気もするんですが、…とか言ってるうちに終わってしまったので、とりあえずオッサン問題も保留するとして。

 5曲目、 「モア・ザン・ユー・ノウ」 。 しみじみとしたギターとピアノの絡みによるイントロがなかなかいい感じで、このままずっと聴いていたいな。…などと思っていたら、結局のところ最後まで歌が出てこなかったりして、これはブロッサムのピアノをフィーチャーしたナンバーだったんですな。 歌ばかりだと正直なところ、一本調子でちょっと飽きる嫌いがあるんですが、こういう洒落た演出が出来るところが彼女の強みでありますなぁ。 ちなみに彼女の弾くピアノは極めてシンプルで、けれん味が無くて可憐さがある。…とまあ、そういった感じなんですが、けれん味というのは時として、逆効果になることがありますからね。カレー味なら美味しくていいと思うんですけど。 ということで、続く6曲目は 「ソウ・スリル」 。 キュートな歌声がうまく活かされた小粋なナンバーです。 で、続く7曲目は 「イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スプリング」 でありますか。 今の季節にぴったりの 「春の如く」 でありますが、いや、今の季節は実際に春なわけだから、 “如く” なのは当然のような気もするんですけど。 ちなみにこの曲名を Excite翻訳 にかけてみたところ、 「春であるほうがよいです。」 などと、何とものんびりした口調の訳文が出てきましたが、とろんとしたブロッサムの歌声がうららかな春の陽気を思わせて、これぞまさしく、ロリ声の極意♪…といったところでありましょう。 で、この世界はどこかで聞いたことがあるような?…と言う気がしたんですが、これはあれです。 オスカー・ピーターソンがボーカルを披露している 『ロマンス』 というアルバムの 「POLKA DOTS AND MOONBEAMS」 と、雰囲気がかなり酷似しているような気がします。 おっさん声と幼女声。 歌声そのものは両極端なんですが、このスイートな雰囲気は桜餅を食べる時のBGMとしては最適ではないでしょうか? いや、桜餅の場合はただ甘いだけではなく、桜の葉っぱの塩気もあったほうがいいような気もするんですけど。

 続く 「トゥー・デュースメント」 はフレンチポップスを思わせるような破廉恥な…いや、ラブリー・キュートな作品でありますな。 僕はフレンチと聞くと、どうしても 「ハレンチ学園」 が頭に浮かんでしまうんですが、ということで、次です。 9曲目は究極の給食の味わいと言える 「ユー・フォー・ミー」 でありますか。 どこが究極の給食なんだか今ひとつよく分からない、ごく普通のミディアム・テンポのナンバーなんですが、ということで10曲目。  「ナウ・アット・ラスト」 。 何ともしっとりとしたバラードで、聞いていると思わず “サクサクしっとりきなこ” を食べたくなってしまいますが、いや、とあるギャルが教えてくれた、とっても美味しいらしい “きなこ菓子” なんですが、僕は未だに食べたことがないんですよね。 ちょっと調べてみたらラジオで伊集院光が絶賛していたそうですが、伊集院健クンも食べているのかどうかはサダカではありません。 硬派な健クンは、あまりお菓子とか食べたりしないんですかね? で、続く11曲目は 「アイ・ヒア・ミュージック」 でありますか。 「私は音楽を聴く」 という音楽を聴くと、確かに音楽を聴いてるけどよぉ!…という気分になっちゃうわけなんですが、ちょっぴりボサノヴァっぽい導入部に続いて、何ともキュートな “まにまにプリティ・ミュージック” を堪能出来るシステムになっております。 いや、そのように聴こえる歌詞があったりするんですけどね。 この “まにまに♪” の部分が、何だか可愛くて、好きっ♪

 で、次です。 「ウェイト・ティル・ユー・シー・ハー」 。 タイトルはおそらく、爪楊枝でシーハーしながら、貴方が来るのを待っている。…という意味なんだと思いますが、台湾ラーメンのニラがよく歯の間に挟まったりしますからね。 彼氏が来るまでに歯に挟まったニラをホジっておくというのはギャルとして当然の心がけだと思うんですが、キスした時にニラ臭かったりしたら、ちょっと嫌だしー。 歌そのものはさほどニラの香りのしない、しみじみとしたバラードだったりするんですけどね。 で、13曲目は 「アイ・ウォント・ダンス」 という曲なんですが、 「踊りたい」。 そういう時は気がすむまで踊ればいいと思うんですが、ピンクレディの 「ウォンテッド」 だろうと、なんだろうと。…と思っていたらこれ、 「私は踊るつもりではありません。」 と訳すのが正解なんですな。 “I want dance” ではなくて、 “I won't dance” ですからね。 “won't” というのは “will not” の省略形なんだそうですが、歌そのものは踊りたい気持ちを感じさせる軽快な仕上がりとなっておりますな。 ジョー・ジョーンズの小粋なブラッシュ・ワークにも注目っ!…でありまして、頭はハゲておりますが、なかなかスインギーなタイコを叩きますからね、パパジョー。 で、オリジナルのLPでは最後ということになる14曲目は 「ア・ファイン・スプリング・モーニング」 でありますかぁ。「明るい春の朝」 。今の季節にはぴったりでありますなぁ。…と思いつつ、念のために翻訳サイトにかけてみたら、どういうわけだか 「罰金は朝を跳ばせます。」 などという訳語が出てしまいましたが、いかにも春の朝を感じさせる、何とも眠たげな歌いっぷりでありますなぁ。 “春眠、暁を覚えず” という言葉があるように、春の朝というのはとことん眠いものでありますが、僕は “春眠” というのが大好きです。もう、ミンミン餃子の次くらいに好きっ♪…とまあ、それはいいんですが、この歌、アルバムの最後を飾るにしては、何だかあまりに淡々とし過ぎていませんかね? 聞き終わって僕は思わず、え?これで終わり?…と思ってしまいましたが、例えるなら、中華六種前菜、海老チリ、炒めものと来て、いよいよメインの鶏の唐揚げか?…と思ってワクワクしていたら、春雨サラダが出て、それでコース料理が終わってしまったじゃないか!…といった感じでありまして、しかたがないのであと3品ほど、追加でオーダーしますかね?

 ということで、追加メニューの1品目は 「ゼイ・セイ・イット・スプリング」 。 さっきの “春雨” が今ひとつ盛り上がらなかったので、今度は “春巻” を頼んでみたという形でありますな。 美味しいですからね、春巻。 で、期待の品がテーブルに届けられた結果、ま、不味くはないんだけど、それほど美味しいこともない春巻やな。…といった感じで、何とも普通の出来だったわけなんですが、ま、 「春の如く」 があまりにもいい感じだったので、春物にちょっと過大な期待をかけ過ぎてしまった嫌いがあるのかも知れませんけど。 で、続く 「ジョニー・ワン・ノート」 は、バック・コーラスがやかましいやんっ!…と言いたくなるような何とも賑やかな仕上がりでありまして、せっかくのブロッサム・デアリーのキュートなミラクル・ロリボイスが完全に埋没してしまっております。 中華料理で言うとゴマ団子に相当する、別に追加で注文するほどのことでもなかったかな?…といった感じのメニューでありましたが、最後の1曲、 「ブロッサムズ・ブルース」 だけは録音年月日が違っていて、1959年に吹き込まれたものであるようです。 追加で3品注文する予定がゴマ団子を食べた時点で、もういっかぁ。…ということになって、で、3年後に改めて同じ店を訪れて、単品料理を注文したという形でありましょうか? タイトルからして恐らく、ブロッサムのオリジナル・ブルースなんだと思われますが、3年ほど余分にトシを食ってる筈なのに、ロリ声によりいっそう磨きがかかっている “みがきニシン” みたいになっているところが、何とも恐ろしいところであります。 この声で歌うブルースというのは、何だか禁断の香りを感じさせるものがあって、倒錯の世界を垣間見たような気分になって、なかなか悪くありません。 甘くて美味しい “杏仁豆腐” といったところでしょうか? 少なくとも “臭豆腐” よりはいいよねっ♪…ということで、今日のところはおしまい。

【総合評価】

 総合的に評価して、ロリ声フェチにはいいかも?…というのは間違いのないところなんですが、ま、普通にジャズ・ボーカルとしても楽しめるのではなかろうかと。 適度にジャジーな雰囲気は漂っておりますので、ジャージ姿のおっさんにも受け入れられやすいのではなかろうかと。 ということで、今日のところはそんだけ。


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