TRIPLE THREAT (RIVERSIDE)

JIMMY HEATH (1963/6)

TRIPLE THREAT


【パーソネル】

JIMMY HEATH (ts) FREDDIE HUBBARD (tp) <#1-4,7> JULIUS WATKINS (frh) <#1-4,7>
CEDAR WALTON (p)  PERCY HEATH (b)  ALBERT HEATH (ds)

【収録曲】

GEMINI / BRUH SLIM / GOODBYE / DEW AND MUD
MAKE SOMEONE HAPPY / THE MORE I SEE YOU / PROSPECTING

【解説】

新屋敷周辺まっぷ♪

 君はどこで文房具を買っていたかな? 僕はですね、もっぱら木村さんを利用しておりました。 木村さんというのは日蓮が立っている顕本寺とは道路を挟んだ反対側、潰れちまった栗山歯科とも道路を挟んだ反対側に位置していた文房具屋さんでありまして、その辺りの状況を分かりやすく図示すると、ま、 (←) こういう感じになるんですけど。 こうして見ると、サバ家というのはなかなか便利なところにありますなー。 集団登校の集合場所に若干の理不尽さが感じられたものの、小学校が目の前にあって通学には至便。 よっちゃんイカが食べたくなったら駄菓子屋の “いよさん” に行けばいいし、いや、よっちゃんイカは “いよさん” には売ってなかったような気もするんですが、そういう場合は紋次郎イカで代用すればいいわけですからね。 虫歯になっても、ヤブであることさえ我慢すれば栗山歯科に通院すればいいし、原因不明の高熱に苦しめられた時は中村内科に行けば座薬を3日分ほど処方してくれるに違いありません。 その甲斐も無く、もしお亡くなりになったとしても大丈夫。電話をしてものの3分もすれば、道路を挟んだ向かい側からお坊さんが1人、歩道橋を渡って出張サービスに来てくれます。しかも曹洞宗と日蓮宗、どちらでもお好きな宗派を選べるところなど、実に気が利いてますよね。おじいちゃんの時は日蓮宗だったから、おばあちゃんは曹洞宗にしてみるぅ?…みたいな。 で、法事の席で、お寿司でも取るぅ?…ということになったら、桑名を代表する寿司屋であると誤解される恐れが多分にある “桑名寿司” というところに電話をしてみましょう。助六寿司のいなり抜きであれば、快く引き受けてくれるものと思われます。 うちのほうでは “いなり寿司” のことを “揚げ寿司” と呼んでいたんですが、桑名寿司の大将は揚げ寿司を作るのが苦手だったんですよね。 どうしてもと言うのなら、作らんこともないんやけど。…といったスタンスだったんですが、無理を言って作って貰ったところで、小僧寿司チェーンのいなり寿司ほどにも出来がよくなかったので、わざわざ頼むだけ無駄やな。…というのが衆目の一致するところだったように思います。 揚げ寿司が大の好物で、巻寿司はどちらかと言うと嫌いだった僕にとって、これほどまで使えない助六を作る寿司屋は桑名寿司以外には無かったわけですが、とまあそんなことで、文房具を売っていた木村さんなんですけどね。

 この店のおばさんはですね、あまり愛想がよくなかったような気がします。子供相手に消しゴム1個とか売ってみたところで、さほど儲からないような気もするし、万引きをするガキは多発するしで、愛想よくしろと言っても、それは無理な相談だったのかも知れません。 で、このお店はおばさんの愛想もよくなかったんですが、商品の品揃えもあまりよくありませんでした。 ま、せいぜい幅3メートル、奥行き50センチくらいの小さな店だったような気がするので、必要最低限の物しか置いてなかったような感じですな。 よって、この店では銘柄とかをあまり気にする必要がなく、 “消しゴムの小さいほう” とか、 “HBの鉛筆” とか、 “画用紙” とか “習字の墨の固まりのほうやなくて、液体のほう” といった普通名詞だけで商取引することが可能だったんですが、小学生も3年くらいになると次第に色気のようなものが出てきたりして、木村さんに売っているような普通の文房具では、何だか物足りなくなってしまうんですよねー。 そうなったらもう、ここに行くしかありません。

 

<ミドリヤ・パル・エル新光堂・ユアーズの今現在> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 “ミドリヤ” 。 いつもならこの部分は紫色にするところなんですが、ミドリヤなので敢えて緑色にしてみました。 で、今まで文房具屋と言えば木村さんしか知らなかった僕にとって、ミドリヤさんというのはまさに “みどりのパラダイス♪” でありましたな。略して “みどパラ♪” 。 ま、そのように訳してみたところで何がどうなるわけでもないので、今後、この略語が出てくる事は無いものと思われますが、で、文房具と言えば こんなん 出てるんですなー。 おーっ、ボクシー、懐かしぃー♪ 特にこのボールペンはですね、スーパーカー消しゴムを使ったレースでは必須アイテムとなっておりまして、中のバネをびよ〜んと伸ばして反発力を強めたり、あまりにも伸ばし過ぎて、うまくボールペンの中にセット出来なくなったりして、その度にミドリヤさんまで買いに走ることになったものでありましたなー。 四角くて平たくて持ちにくくて、字が書きにくいやんけ!…と思わずにはいられない欠陥商品のようなボールペンだったんですが、その独特の形状のために机の上に置いた時の安定感は抜群でありまして、 “スーパーカー消しゴムを飛ばすためのボールペン” として、圧倒的な支持を集めたものでありました。 ちなみにこれ、白いポッチのほうを上向きにして、そこを人差し指でポチっと押して消しゴムを飛ばすというのがスタンダードだったんですが、レースに勝つために新しい様々な技が開発されました。僕なんか白いポッチを人差し指で押すだけではなくて、中指で押したり、薬指で押したり、小指を使ったりという、かなり高級なテクをマスターしましたからね。 そうすることによって、人差し指で押した場合に比べてどんな差違が生ずるのかというと、別に何にも変わりやしないんですが、こいつ、何で小指なんか使っとるんや?…というので対戦相手がちょっぴり動揺するという効果はあったような気がします。 僕はさらに相手の動揺を誘うために、 “ボールペン裏返し方式” というのを新たに編み出したりもしました。 これはですね、白いポッチのほうを下向きにして、ボールペンを机の上に押し付けるようにして、間接的に白いポッチを作動させるという方法だったんですが、消しゴムを飛ばす方向やら強さやらを微妙に調整するのが難しくなって、相手が予期せぬようなトリッキーな動きをするのが特徴でありました。 もっとも、相手が予期しないだけでなく、自分でもどこに飛んでいっちゃうのかよく分からなくて、いいことなど何ひとつとして無かったんですけどね。 ま、 “策士、策におぼれる。” とは、この事かぁ。 …という、諺の勉強にはなったと思うんですけどー。

 で、そのミドリヤさんの今現在の姿がですね、いちばん上の写真であります。何だかすっかり小綺麗になっていて、あまり昔の面影は感じられないかも知れませんが、建物そのものは昔からこんな格好でしたかね? ちなみにこのミドリヤさんと道路を挟んだ反対側には森永のホモ牛乳を売ってたりする牛乳屋さんがあるんですが、高校時代、その店の娘と一緒の塾に通っておりました。可愛くて、頭がよくて、性格もよい。…という3拍子揃ったギャルだったんですが、今頃、元気に暮らしてますかねー? 塾は同じでも高校は別だったので、僕はいつも彼女の顔を見たくて、ミドリヤに寄ったついでに牛乳屋の前の自販機で森永のピクニックを買って、意味もなく周囲をウロウロしながら飲んでいたものでありますが、もし “桑名 ミドリヤ ホモ牛乳” でサイト検索してこのページを見つけたら、掲示板に書き込みしてなー♪ と、 “2人目のアイスまんじゅうちゃん” に期待しつつ、続きましては、えーと、 “パル” でありますか。 こんにちは〜、パルです〜、ふふふふふ〜んふふ、ふふふふふ〜ん♪ って、もはや 「パルの歌」 の歌詞もうろ覚えになってしまいましたが、駅前に聳える超高層ビル (6階建て♪) のパルはですね、僕達にとって、誇りでもあり、憧れでもあり、イナベにはこんなんないやろー? と自慢出来る、画期的なショッピング&レジャースポットでありました。員弁 (いなべ) パルなんか、2階建てくらいのショボいところでしたからねー。 イナベにだけは勝てる!…というのが桑名市民の唯一の心の拠り所だったんですが、その桑名パルにはいったいどんなテナントが入っていたのかというと、まず1階にはですね、 “まつ重” という文房具屋さんがありました。…と言う話は、だいたい このあたり で語り尽くされているので、重複は避けることにしますが、あ、 「パルの歌」 はこの頃に比べて、格段にハミングの割合が増えておりますな。それだけ、記憶が薄れているということだと思いますが、それにこの過去ログにはミドリヤの名前が出て来ませんね。言われてみれば確かに、万年筆のインクと水性ボールペンは “まつ重” のほうで買っていたような気がします。

 で、この昔の原稿にもあるように、バブルのつけが溜まって桑名パルは潰れてしまって、しばらく廃墟のまま放置されて、幽霊ビルとして 「噂の東京マガジン」 でも取り上げられたそうですが、かつての市民の誇りだったパルも、すっかり桑名の恥さらしみたいになってしまいましたなぁ。。。 と思っていたらその廃墟もようやく取り壊されて、今では立派な18階建てのビルになりますたー♪ (上から2番目の写真を参照。) 以前に聞いていた噂に比べて、微妙に1階分だけ高くなったようですが、えー、なになに? サンファーレ? また、何だかつまらない名前が公募で付けられてしまったものでありますが、ニューパルとか、ネオパルとか、新パルとか、帰って来たパルとか、そんな名前のほうがよかったんですけどねー。 ちなみにこの全国で初めての駅前再再開発事業になるらしいビルは3〜18階の部分がマンションになっていて、1〜2階は商工会議所とかテナントとかが入ったりしております。 もしかして、すがきやと、シルバー模型と、コマチヤと、かどやが復活!?…というのを期待してたんですが、ローソンとか、スギ薬局とか、おはなちゃんとか、総本家貝新とか、何だかつまらない店ばかりが入って、おまけに未だに空き店舗になっているところもあったりして、駅前であるにも関わらず、非常に閑散として雰囲気が漂っておりまして、将来がちょっぴり心配でありますなー。 ま、マンションのほうは即日完売のようだったので、幽霊ビルが残ったままの状態よりはよかったと思うんですけどー。 ということで、続いては3枚目の写真でありますが、あーっ!  “エル新光堂” が、こんな飲み屋になってしもとるー! 田町にある新光堂の本店は狭くて古くて汚くて、品揃えも今ひとつだったので、僕達はもっぱら駅に近いほうのエル新光堂を利用してたんですよねー。 最初にこの名前を見たとき、何?エロ新光堂?エロいのばかり売っているのか?…と思って、期待に胸と股間を膨らませたものでありましたが、あ、股間の部分は余計でしたかね? 小学生の同級生だったアイスまんじゅう好きギャルは、稲葉クンがすっかりエロいおっさんになってしもたぁ。…と、かなりショックを受けているようなので、言葉を選ばなければなりません。 とりあえず股間をやめて、眉間に変えてみますかね? 最初にこの名前を見たとき、エロいのばかり売っているのか?…と思って、期待に胸と眉間を…膨らまへんちゅうねん! ということでエロ新光堂なんですが、ここにはエロいのばかりではなくて、学習参考書とかもちゃんと売られておりまして、まじめな勉強好きの青少年だった僕は、もっぱらそういうものばかりを購入しておりました。 エロいのは古いほうの新光堂、通称 “エス新光堂” (←ラージの “L” に対して、スモールの “S” ) のほうで買うことにしてましたからね。 そういえば高校時代にはロリ系の写真集 「プチトマト」 が普通に売られていたのが今となっては信じられないところですが、一方のエル新光堂はというと、この細い路地のほうに、よく “けった” を止めとったよなぁ。…というのが懐かしく思い出されるのでありました。

 で、最後はですね、 “ユアーズ” でありますかぁ。アーズではなくて、ユアーズと、真ん中にアクセントを持って来るのが正解なんですが、ここはですね、一号館系列のスーパーなんですけどね。 普通の一号館よりは規模が大きくて、衣服の類いなんかも売られていたような気がします。 今ではすっかり名前が変わってしまいましたが、えー、なになに? 生鮮百円館? どうせ一号館グループなんやから、生鮮百号館とかにして欲しかったところなんですが、ま、名前はどうあれ、外観的には昔のユアーズのままでありますなぁ。 ユアーズに限らず、桑名スポーツとか山本病院のあたりも昔からちっとも変わってなくて、進歩がなくてとってもいいことだと思います。


<新町界隈> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 昔の面影がまったくなかったり、微妙に変わっていたり、まったく進歩がなかったりする駅前エリアでありましたが、では最後に “新町界隈” を紹介して、この3回シリーズの企画の締めとさせて頂きたいと思います。 えーと、アイスまんじゅう好きのギャルからのメールにですね、新町の寺田クンとよく一緒に遊んでいたのぉ♪ …などと書いてありましたので、昨日、慌てて取材に行ってまいりましたー。 新町というのは冒頭の地図にある木村さんやら、栗山歯科やら、萱町のバス停やらのある通りから1本西に入ったところでありまして、昔の東海道だったりするんですよね、このクソ狭い路地が。 その昔、本多忠勝クンの指示で行われた慶長の町割りによって、このエリアにはたくさんのチンケな神社仏閣が集められたわけでありますが、どれも極めてチンケであまり大したことのない神社仏閣でありますので、わざわざ見るまでもありません。そっかぁ!寺が多いから、寺田クンが住んでいたのかぁ!…ということに今頃になって気付いたりもしたんですが、いや、それは単なる偶然で、たまたまだったのかも知れませんけどね。 ということで、まず最初の写真でありますが、これは “亀久” でありますな。 新町と呼ぶにはちょっと無理のある場所で、行政区分上では鍛冶町に分類されることになるんですが、細かいことを気にしてはいけません。 で、この亀久というのは何をやっているところなのかと言うと、 “ほねつぎ” なんですけどね。幸いにも、僕は今まで一度も骨を折ったことがないので、亀久で骨をついで貰ったことはないんですが、同時に柔道の道場も経営しておりましたので、もし “腕ひしぎ十字固め” で腕を折られたりしても、すぐに隣で骨をついで貰えるという、実に合理的なシステムになっておりました。 何だかこう、自分でシロアリをばら蒔いておいて、それを自分で退治するという、悪徳シロアリ駆除業者のようなところでありますなー。 (一緒にすな! by 亀久。) それはそうと亀久さん、昔のまんまや〜♪

 で、続いては2枚目の写真です。桑名にも東京があったんや〜♪ ということを示す貴重なスナップでありますが、これは精肉の “東京屋” でありますな〜。 いかにも東京屋らしく、当時からとってもお洒落で都会的でアーバンな店構えだったんですが、今でも変わらずアーバンなままでありますなー。 いや、子供の頃から、こんなことろで肉買うやつ、おるんか?…と思ってしまうほど、うらびれた雰囲気が漂っていたんですが、でもまあ、コロッケくらいならエエかぁ。…という気がしないでもないので、総菜の類いとか、ハムやソーセージを買っていた人はいるみたいでしたけどね。 ハムならまあ、プリマハムで買ってきたやつを切って売るだけなので、さほど品質の点でも心配することは無かったものと思われます。 が、コロッケなら萱町の八百屋にだって売っているし、ハムやソーセージはスーパー一号館で買えば済む話なので、よくぞこの厳しい生存競争を耐え忍んで、店を維持していたものでありますなー。 コドモ心にも、何で飯を食ってるんやろ?…と思ってしまうほど、客がいなかったような気がするんですが、ま、恐らく売れ残りのコロッケやハムなんかをおかずにして、それで飯を食っていたんだと思うんですけどね。 コロッケやハムが大好きだった僕にとって、それはなかなか魅力的な食生活に思えるわけなんですが、さすがに毎日毎日、ハムとコロッケだけでは、飽きるやん!…ということに気付いたのか、そのうちに店をたたんでしまったわけなんですけどね。

 で、精肉屋と同様、それだけで飯を食っていけるのか?…と心配になってしまうのが個人経営の時計屋さんなんですが、こちらのほうは商品がおかずにならないだけに、尚更ですよねー。 が、何と! “イナバ時計店” は今でもちゃんと商売を続けておりましたー。 やるやん、イナバ君♪ ちなみにこの時計屋のおっさんと僕との間には、何の血縁関係も、愛人関係もなかったわけなんですが、よくうちに間違い電話がかかってきたりしておりました。 ほら、あの時計屋さん、何ちゅう名前やっけ? えーと、イナバぁ?…というので、電話帳の “い” のところをめくって、稲葉ナントカ (新屋敷) というのを発見して、え? あそこ、新屋敷やったぁ? うん、何か “新” の字が付くとこやったで〜。 というので、新町のイナバさんと間違えて、うちに電話をかけてくるんですよね。 “新” だけで判断すな!…と思わずにはいられませんが、いきなり 「時計屋やん?」 と聞かれても困るんですよね〜。 で、このイナバ時計店では同姓のよしみで時計の電池交換くらいは頼んだような気がするんですが、あまり愛想のよくない親父だったりして、印象はあまりよくありません。 もういいっ!ミスタートンカチで、電池を交換して貰うっ!…ということになって、ここ30年ほどこの店の前を通る機会も無かったわけなんですが、まだやってやんですな〜。 “デジタルはCASIO” という看板が何とも懐かしい限りですが、当時の小学生にとってデジタルの腕時計というのは方向指示器付きの5段変速自転車と並ぶ、あこがれのアイテムでしたからね。 ところでこの写真を撮るためにカメラを持って付近の路上をうろうろしてところ、イナバ時計店の向かいの民家のおばちゃんに、うさん臭そうな目で見られてしまったんですが、ちらっと家の表札を見たら、寺田と書いてありました。もしかしてあれ、寺田クンのおかんやったのかもー? いずれにせよ、誰か知っている人に見られしないか、ドキドキものの取材活動でありましたなー。 で、おばちゃんの隙をついて、ちょっと離れたところから盗撮する羽目になったので、かなり斜めのアングルになっているところは大目に見て頂きたいと思います。

 で、取材と言えば、板東英二もやって来たのが “いもや” でありますなー。 恐らく 『そこ知り板東リサーチ』 の取材ではなかったかと思うんですが、残念ながら僕はその番組を見ておりません。 お店の前にあった手書き看板によると、どうやらNHKのテレビでも紹介されたようですが、毎年、お盆と正月の年2回、ワタナベのおじさんに連れられて、サバ兄やそのお子供たちと一緒にこの店で買い物をするというのがここ数年の恒例行事となっております。 で、いもやのおっちゃんとおばちゃん、僕が子供だった頃から換算すると30年くらいたっている筈やのに、ちっとも高齢にはなってなくて、見た目がまったく昔のまんまだったりするので、かなりビビります。桑名に来てタイムスリップ気分を味わうなら、もうこの店しかないでしょう。 ちなみに僕とサバ兄は当時、この店でよくジョカリなんかを買ったりする、かなり上得意のお客様でありました。 そのせいもあってか、サバ家が火事で燃えた時にはたくさんお菓子をタダで恵んでくれたりしたんですが、あのジョカリはサバ兄が家のお金をくすねて資金調達をして買ったものでしたからね。 このお菓子を持って帰って、家の金をちょろまかした悪事がバレたらあかん。…というので、僕たちは食べ切れないお菓子を桑名庁舎の敷地内か何かにこっそりと隠しておいたんですが、数日後にそこを訪れてみると、誰かにすっかり食い散らかされていたのでありました。僕たちのお菓子を返せ〜! と思わずにはいられません。

 ということで、あ、ちょっと調べてみたら 『そこ知り板東リサーチ』 ではなくて、 『今ドキ晴ドキ調査隊』 の取材だったんですな。 その番組名、もうちょっと何とかせい!…と思わずにはいられませんが、放送日は 2006年04月01日って、わりと最近だったんですねー。 しまった!…という思いは、アイスまんじゅう好きのギャルが昔、パルでハゼドンのサインを貰ったという話を耳にした時以来の強いものがあったりするんですが、とりあえず、こんなもんでええかな〜?  という、3回シリーズの地元探勝企画は、これにておしまい♪

 ということで、今日は ジミー・ヒース です。ジミー・ヒースというのは、どちらかと言うと地味なヒースやな。…といった感じのする人でありまして、ジミー、パーシー、アルバートのヒース三兄弟なんやよね。…ということ以外、あまり話題に上ったりしませんよね。 ま、ハンク、サド、エルビンのジョーンズ3兄弟のように一人だけSMの世界に走っていることもないし、ウエス、バディ、モンクのモンゴメリー兄弟のように一人だけメジャーになって、真ん中のお兄ちゃんだけ、ずるい!…と、仲違いする心配もなくて、3人がそれぞれ平等に地味で、バランス的にはよく出来た兄弟だと思います。 ちなみにサバ兄弟はというと、弟のほうが文化・芸術の分野や、ディーゼルエンジンやマンホールポンプに関する知識では大いに勝っておりまして、サバ兄のほうは、ま、パソコン系を別にすれば、家のお金をくすねる才能くらいしか無かったりするんですが、今日紹介する 『トリプル・スリート』 というアルバムにはヒース3兄弟が仲良く顔を揃えております。その他、フレディ・ハバードシダー・ウォルトンといった新主流派の先鋭部隊を加えて、さらにはフレンチホルンのジュリアス・ワトキンスまで入れて3管編成にしているところがいかにもこの人らしいんですが、ジミー・ヒースというのはテナー1本で勝負をするというより、どちらかというと作編曲のセンスに秀でた人ですからね。 ま、いうなれば、地味なベニー・ゴルソンやな。…といった位置付けになるんですが、個人的にはフレンチホルンの音って、けっこう好きだったりするんですよね。そういえば最近は “お箸で楽しむフレンチの店” というのがけっこう増えてきましたよね。僕はどちらかと言うと、 “お箸で楽しむ破廉恥な店” のほうによりソソられるものを感じてしまうんですが、一体どうやってお箸で楽しむんやろ? もしかして、あんなことやら、こんなこと。ああん、そんなことまでぇ♪ …などと、いろいろ想像力を掻き立てられるところがいいと思います。 とまあそんなことで、では1曲目から聴いて見ることにしましょうかぁ。

 まずはジミ・ヒス君のオリジナルで、 「ジェミニ」 という曲ですね。ジェミニというのは双子座のことなんですが、双子と言えば僕の場合、真っ先にヤナガワ兄弟の名前が脳裏に浮かびます。とっても素行が粗暴な双子の兄弟だったんですが、親が大工をしておりましたので、あるいは立派な土建屋に成長しているかも知れませんな。粗暴なキャラを活かして砂防ダムとかを作らせたら、結構いい仕事をしそうな感じがするんですが、経理関係とかそういった仕事をさせたりするのはちょっと無謀だと思います。 で、この曲はアレです。 フレンチホルンとベースの絡みによる何とも息苦しいイントロに続いて、ピアノが入って来てイン・テンポになって、でもって、テーマ部をみんなで合奏する。…といった流れになるんですが、これはアレですね、ワルツタイムのナンバーなんですね。 双子座だからどうしても三拍子になっちゃうわけですが、どうして双子座だと三拍子なのかと言うと、相手が2人いるから、どうしても3Pになっちゃうわけでありまして。 で、双子と言えば僕の高校時代の同級生と結婚してしまったワタナベさんちの娘=サバ君の従姉妹がですね、この前、双子を産んだんですよね。男の双子なんですが、将来、ヤナガワ兄弟にならない事を祈らずにはいられません。 ま、嫁ぎ先の名字が水谷なので、将来はきっとミズタニ兄弟になることと思われますが、将来の勤め先は水谷建設で決まりですかね? 是非とも水建で大いに出世して、桑名の花火大会で二尺玉を10発くらい上げて欲しいところでありますが、フレンチ主体でテナーとトランペットが付随する形式のテーマに続いてのソロ先発はフレディ・ハバードでありますかぁ。 何とも派手な吹きっぷりで、ジミー君の地味な持ち味をややぶち壊している感が無きにしもあらずなんですが、ま、この人は元来、こういうキャラですからね。

 …とか思っていたら、派手だったのは出だしの部分だけで、それ以降はわりと落ち着いた感じで、というか、すぐに中間ハモりのパートに移行して、ソロ自体がさほど長くはなかったりしたんですけど。 で、続いてはジミー・ヒースのソロですか。この人の吹くテナーはあまり特徴がなくて、フレージングも実に教科書的だったりするんですが、ここではわりとワイルドな感じに仕上がっておりまして、でもって、続くフレンチホルンのソロは、息苦しいですなぁ。。。 このままではこの前の健康診断のバリウム検査と同様、窒息寸前か?…といった感じなんですが、いや、バリウム検査の担当はですね、若くてけっこう可愛いギャル系の先生だったんですが、ベッドの上で右方向にローリングしろとか、今度は左を向いて横になれとか、息を吸ってそのままじっとしていろとか、かなり人使いが粗くて、ちょっと辛かったんですよね。あれがもしオッサンだったりしたら、僕は恐らく途中で検査を放棄していたと思いますが、ジュリアス・ワトキンスは回りの空気を察してすぐに引っ込んでくれて、窒息する前に中間ハモりのパートに移行してくれて、何よりだと思います。 で、この辺りのアレンジは、さすがやな。…といった感じなんですが、 前テーマ → ソロ回し → 後テーマ といった単純な流れだけでは絶対に終わりませんからね、この人の場合。 で、こうしてハモっているところを耳にすると、フレンチホルンという地味な楽器の選択も、なるほど!…と思えてしまうんですが、ま、サウンド的にはトロンボーンでも十分に代役は勤まるんですけどね。 で、しばらくみんなで合奏を楽しんだ後にシダーが出て来て軽快なソロを披露して、でもって、後テーマに戻って、おしまい。 彼の持ち味が十二分に発揮されている、そんな1曲だったと思います。

 ということで、2曲目です。 「ブル・スリム」 というジミ・ヒス君のオリジナルなんですが、タイトルはよく分かりません。とにかくまあ、 “BRUH” がスリムになったんだろうな。…というのは何となく想像が付くんですが、かく言う僕も去年に比べると5キロほどスリムになっておりました。いつも、あと10キロ痩せましょう。…とコメントされるところが、今年はあと5キロで済むことになったわけでありますが、そもそもこの病院はですね、標準体重の設定がちょっと厳しすぎるんですよね。昔からよく言われていた身長−105=標準体重という公式なら、あと3キロほど痩せれば大丈夫ということになるんですが、心電図測定の時のルームランナーやらバリウム検査やらで、かなり激しく運動させられましたので、体重測定が検査のいちばん最後だったら、あと100グラムくらいは軽くなっていたに違いありません。 あ、でもバリウムを100グラムくらい飲まされたような気がするので、プラスマイナスするとチャラですかね? 来年は是非、心電図→検尿→バリウム→下剤服用→うーん、すっきり♪…の後で体重測定。 というスケジュールにして頂きたいところですが、で、この曲はアレです。 明るく御陽気なハード・バップ…といった感じのナンバーでありまして、それほどクドくはない3管のアレンジがなかなか適切だと思います。 アルバート・ヒースの切れ味鋭いドラミングも、新屋敷公園のドラミちゃん程度には出来がよくて、あ、前回の写真では紹介しませんでしたが、遊具に書かれたドラミちゃんの絵は、ドラえもんに比べればまだマシだったんですよね。 とか言ってるうちに空が急に暗くなって、かなり激しい雨が降って来て、雷が鳴って、おっ、停電!…という事態になってしまったんですが、いや、原稿をザウルスで書いていて、本当によかったです。これがもしデスクトップのパソコンだったりしたら、瞬時にしてパーになっちゃうところでしたが、CDのほうも一度リセットされてしまって、えーと、2曲目のテーマのところまで話が進んでいたんですよね。

 ソロ先発のヒースが、やはり 『ザ・サンパー』 の頃から比べるとちょっぴりワイルドになったアドリブを披露しておりまして、 でもって、続くハバードのソロも今度はスペースもしっかり確保されていて、いかにもこの人らしい伸びやかなフレーズを連発して、で、シダーのソロはいつもながらのクール・ファンキーでありますな。 ということで、テーマに戻って、おしまい。 ワトキンスのフレンチホルンはテーマのところだけしか出番がなくて、ま、それはある意味、賢明な措置だったと言えるかも知れません。 で、続く3曲目は歌物ナンバーの 「グッドバイ」 でありますかぁ。 日本語にすると 「さようなら」 。桑名ではよく、ほなな〜♪ と言ったりするんですが、3管の重厚なアレンジとフレンチホルンの重苦しさが実に効果的でありまして、ショーター入りの3管ジャズ・メッセンジャーズを彷彿させる新主流派ライクなバラードの名品に仕上がっております。 時折アンサンブル・パートを挟みながら、もっぱらヒースのワンホーンで演奏の中間部が進められていくことになるんですが、 とか思っていたら、今度はハバードのソロでありますかぁ。この人の吹くバラードというのも悪くはありませんよね。 で、出来ればこのままシダーのピアノに流れていって欲しいところやよね。…と思っていたら、まったくその通りの展開でなっておりまして、そのブルージーなムードがもう、たまらん (ち会長とか言わない。) …と、懐かしいギャグを披露しておいて、そういえば、サマランチ会長の好物は、お子様ランチ♪ なんてのもありましたなー。 とまあそんなことで、3管ハモりのテーマに戻って、おしまい。 じゃ、ほなな〜♪

 …で終わってしまいたいところなんですが、演奏のほうがまだ4曲目ほど残っております。アルバート・ヒースのシャープなドラミングで幕を開ける 「デュー・アンド・マッド」 は、いかにもジミー・ヒースらしいファンキーな作品に仕上がっております。タイトルは 「爽やかさ、そして、ぬかるみ」 といった意味ですかね? “DEW” というのは露のことで、露のような新鮮味や爽やかさを示す言葉としても使われるようなんですが、そういえば昔、マウンテンデューなどという清涼飲料水がありましたよね。 山というのはとっても新鮮で爽やかなものなんですが、ひとたび雨が降ったりすると “ぬかるみ” になって、靴がどろどろになるんやよね。…といった、そういう情景を詠み込んだ曲なのかと思ったら、さにあらず。 “DEW” にはまた、俗語でマリファナという意味があったりするんですよね。で、一方、 “MUD” のほうはと言うと、こちらは阿片でありますか。いかにもヤク中でラリラリだったジミー・ヒースらしい曲名でありますが、ま、ファンキーというのはジャンキーと紙一重だったりしますからね。 で、演奏のほうはと言うと、アルバート・ヒースの太鼓によるイントロがあって、3管ハモりのテーマがあって、でもってソロ先発はジミー・ヒースでありますかぁ。 で、ソロ2番手はジュリアス・ワトキンスでありますかぁ。 で、中間ハモりの短いパートを挟んで、ソロ3番手はフレディ・ハバードですかぁ。 で、ソロ4番手はシダー・ウォルトンでありますかぁ。…って、いよいよソロの順番くらいしか書くことがなくなってしまったんですが、そう言えばジミー・ヒースって、あまりアレンジで4バースとか8バースを使わないよな。…という新たな事実に気が付いたりして、で、ここでも小節交換のパートはなくて、すんなりと後テーマに戻って、おしまい。 しかし何ですな。 こういう “アレンジに凝っている系のサウンド” というのは、作っているほうは大変なんやろうけど、聴いているほうとしては、あまり何曲も連続してやられると、ちょっと飽きちゃうんだよね。 と、毎日毎日、おかずがハムとコロッケだった東京屋の家族の気持ちが少しだけ分かったような気がするんですが、そこでジミー・ヒースは考えました。 彼はここで2曲ほど、自身のテナーをフィーチャーしたカルテットの演奏を持って来るわけなんですが、いや、録音日の違うセッションなので、ジミー・ヒースというよりも、どちらかと言うとプロデューサであるオリン・キープニュースの意向なんだと思うんですけど。 ここはシンプルにワン・ホーンで行こう!…という、そういう意向だったんでしょう。

 そのワン・ホーン・カルテットによる演奏の1曲目はですね、歌物の 「メイク・サムワン・ハッピー」 となっております。 誰かを幸せな気分にする。その為にはとりあえず、マリファナを注射したり、阿片を吸わせたりするのが手っ取り早いのではないかと思うんですが、もっとリスクの少ない方法で合法ドラッグを使うという手もあるんですけどね。 亀田のハッピーターンの粉、通称 “ハッピーパウダー” あたりが手に入りやすくていいんですが、最近では自分で粉をふりかけるタイプも出ているみたいですからね。 で、演奏のほうはと言うと、ワン・ホーンだけに実にシンプルな仕上がりとなっておりまして、これはこれで、アリかな?…という気もしますよね。 無論、中間部で聴かれるシダーのソロもツボを押さえた整体師のような感じで、良好です。 ところで亀久って、骨をついでくれるだけでなくて、ツボとかも押さえてくれるんですかね? とりあえず高い壷を無理やりに買わされるようなことはないと思うんですが、えーと、6曲目はこれまた歌物の 「ザ・モア・アイ・シー・ユー」 でありますかぁ。 個人的にもうひとつのワン・ホーンは、バラードが聴きたい気分やよね。…と思っていたらアップテンポだったので、ちょっと残念でありましたが、純正ハード・バップな、こういうやり方もアリかな?…といった気がしないでもありません。しかしまあ、 「モア・アイ・シー・ユー」 もアップでやると、まったく違った曲のように聞こえるものでありますなぁ。 ちなみにタイトルの意味するところは、 「もっと集中治療室を」 ではなくて、 「もっとあなたに会いたい」 ですよね。 「もっとあなたに変態」 ではありません。それでは日本語として変です。そういえば昔、変態もタイヘンねぇ。…とか言ってる漫画があって、そのあまりのくだらならに、思わず大爆笑してしまったことがありました。 そういえばこの演奏ではピアノ・ソロに続いて ts→ds→ts→ds の4バースがあったりしたんですが、ワン・ホーンであまりアレンジの腕を奮えなかったりすると、普通に小節交換とかを持ってくる人だったんですな。…というのが、新たな新発見なのでありました。

 ということで、ラストです。ジミー・ヒースのワン・ホーンも悪くないんだけど、この人はやっぱり3管編成だよね。…ということを再認識したところで、オリジナル曲の 「プロスペクティング」 を持ってきましたかぁ。 “Prospecting” というのはあまり見慣れない単語なんですが、〔金・人材などを〕探し求める…の現在進行形といったところでしょうか。人材はですね、人材バンクに行けば見つかります。同様に愛人は愛人バンクに行けば見つかると思いますが、愛人バンクって、しばらく愛人を預けたりしておくと、利子が付いたりするんですかね? 残念ながら僕には愛人がいないので試したことはないんですが、で、演奏のほうはアレです。いかにも金や人材などを捜し求めているな。…といった感じの曲でありまして、地味にパーシー・ヒースのベースで始まったな。…と思っていると、そのうちにフロント陣が出てきて、みんなでハモりつつ、テーマを吹き始めます。かなり込み入った感じの作品で、やや中途半端な譜割りでジミーのアドリブ・パートに突入したりして、で、ソロ2番手はフレディ・ハバードでありますかぁ。 で、ソロ3番手はシダー・ウォルトンでありますかぁ。…って、最後は結局、ソロの順番くらいしか書くことが 無くなってしまったんですが、後テーマの前にちょっとしたハモりパートが出てくるところなどは、なかなかよく練られておりまして、そんなことでまあ、今日は以上です。

【総合評価】

 今回、 『ザ・クオータ』 とどっちにするかで2分30秒ほど迷ったんですが、 『ザ・割当』 に比べると本作のほうがちょっと聴き、ちょっぴり地味な印象はあります。 ま、その分、飽きにくいかな?…という気がしないでもないんですが、毎日おかずが肉ばかりでは肉屋の子供はそのうちに飽きてしまいますが、毎日主食がお米だったとしても、お米屋の子供は別に大丈夫ですからね。 とまあ、そんな味わいの1枚なのでありました。



INDEX
BACK NEXT