HOMECOMING (COLUMBIA)

DEXTER GORDON (1976/12/11,12)

HOMECOMING


【パーソネル】

WOODY SHAW (tp,fl) DEXTER GORDON (ts) RONNIE MATHEWS (p)
STAFFORD JAMES (b) LOUIS HAYES (ds)

【収録曲】

(Disk-1)
GINGERBREAD BOY / LITTLE RED'S FANTASY / FENJA
IN CASE YOU HAVEN'T HEAD / IT'S YOU OR NO ONE
(Disk-2)
LET'S GET DOWN / 'ROUND MIDNIGHT / BACKSTAIRS
FRIED BANANAS / BODY AND SOUL

【解説】

 君は虫が好きかな? 僕はですね、とっても嫌いです。 虫というヤツは何だか虫が好かないというか、近くに虫がいると虫酸が走るというか、出来ることなら虫などという奴らは無視して生きていきたいと思っているんですが、蒸しパンというのもあまり美味しくないですしね。 が、世の中には昆虫好きというヤツが結構いたりして、特に少年と呼ばれる年代の人種にその傾向が強かったりするんですが、例えば塩サバ2号なんかも子供の頃はけっこう昆虫好きだったようです。家に “昆虫採集セット” があったりしましたからね。 ピンセットや虫ピンなんかはまだ分かるとして、中には青い容器の殺虫剤やら、赤い容器の防腐剤、更には注射器までが入っていて、お医者さんごっこに悪用する子供が頻発するという、今から思えば恐るべきデンジャラスなおもちゃでありましたな。 かなり高価なものだったような印象があるんですが、調べてみたら駄菓子屋で200円くらいで売られていたみたいです。意外と安いものだったんですなー。 注射器なんかオモチャの水鉄砲みたいなヤツではなくて、ちゃんとブスっと刺せるだけの立派な針が付いていましたからね。 その実力のほどは、やがて麻薬の乱用にも使われて、法律で販売が規制されるようになることからも分かるんですが、いや、僕もお医者さんごっこが好きな研究熱心な少年だったんですが、さすがにそこまでハードなプレイは試したことがありません。 おもちゃの聴診器を買ってきて女の子の服を脱がせて診察するといった、そういう実用的な路線のほうが好きでありました。 「あー、ちょっと風邪気味ですなー。」 って、そりゃ、冬の寒い最中に体育館の裏で服を脱がしたりすれば、風邪もひきますってばー。

 とまあそんなことはどうでもよくて、当時はかなり勉強熱心だったらしい塩サバ2号は、親父に 「 “ファーブル昆虫記” 買ってー!」 と、おねだりしていた模様でありまして。 昆虫採集セットとか、新しい本とか、おにいちゃんんばっかり、いいもん買って貰えるぅ!…と、弟の僕としては大いに不満だったわけですが、ま、その憂さは夜中にこっそり青い容器の殺虫剤を注射するなどして晴らすことにして。 が、親父はですね、間違えて違う本を買ってきてしまったんですよね。 「 “ファーブル昆虫記” を頼んだのに、 “シートン動物記” なんか買って来たー!」 と、塩サバ2号は大いに憤慨しておりましたが、ま、フンコロガシの話を楽しみにしていたみたいなので、憤慨するのをやむを得ないところかとは思いますけど。 でもまあ、ファーブルもシートンも同じように真ん中あたりに長音記号 (ー) が入っているガイジンさんの名前だし、本のタイトルも “○○記” と語尾が同じになっているので、間違えても仕方ないような気もするんですけどね。 えーと、よしひこ (←さば2号の本名) に頼まれたの、なんやっけ? 確かあたまが片仮名で、最後に “記” が付いて…、というので 『パタリロ西遊記』 を買ってこなかっただけ、まだ健闘したと言えるのではないでしょうか。

 で、一方、子供の頃からあまり昆虫が好きではなかった僕でありますが、特に蜂なんてヤツは最悪ですよね。 蜂は刺されるから嫌、犬は噛まれるから嫌い、漆はかぶれるから駄目、ミミズは小便をひっかけると局部が腫れるから、これはちょっと嬉しいかも?…と、僕は身体に実害を及ぼす恐れのある動植物というのがどうにも苦手なんですが、ところで君は “オコジョ” という生き物を知っているかな? 冬は毛の色が白くなるイタチ科の動物なんだけど、志賀高原のマスコットキャラとして有名ですよね。 そんなオコジョに僕は先日、とある場所で遭遇してしまったんですが、その場所というのがですね、大垣市の某水源地の敷地内なんですけどね。 そこで仕事をしていた僕たちは3時の休憩タイムに木陰に座り込んで、西脇設○産業殿提供のライフガードなどを飲んでいたりしたんですが、いや、何だかマニアなジュースを持ってきてくれるんですよね、この下請けさん。 で、親方の西脇二元クン(仮名)は自ら持参した水筒に入れたお茶を飲んでいたんですが、水筒のコップの中を覗き込んで、「あ、オコジョが入っとる。」 と、一言。 はあ?…と思いましたね。志賀高原に棲息しているイタチ科の動物が大垣市などにいる筈がないし、もし仮にいたとしても体長約15センチのオコジョがコップの中になど入るわけがありません。 おっちゃん、ついにボケたか?…と思ってしまったんですが、いつも仲が悪くて互いに対立ばかりしている息子の貧クン(仮名)も、この時ばかりは、 「あ、ほんとや。」 と、親父さんの意見に反発するでもなく、そこで試しに僕もコップの中を覗いてみると、そこには何やら小さな虫のようなものが浮かんでおりました。 どうやらそれがオコジョらしいんですよね。 昨日もやはり同じ場所にオコジョがいて、貧クン(仮名)は、 「刺されると洒落にならん。蜂にチクチクと刺されているような痛みが1日続いて、その後、化膿して腐って皮が剥ける。」 などと、かなり嫌なことを教えてくれたので、ここはひとつ虫バージョンのオコジョの正体に付いて調べてみたいと思います。 ・・・。 えー、その正体が判明しました。どうやら “イラガの幼虫” みたいです。地方によってはオコジョ、もしくはオコゼと呼ばれているそうで、見てみ、ほらー、気持ち悪いでー。 Click Here!!

 とまあそんなことで、嫌なものを見てしまったあとは、綺麗なお花の写真でお口直しと致しましょう。 先日、栂池自然園と白馬五竜山野草園、志賀高原の東館山高山植物園と蓮池〜長池〜三角池〜木戸池のプチ池巡り、焼額山の稚児池、小雑魚川沿いの湿原、さらには湯の丸高原と高峰高原の間にある池の平湿原などを散策して、たくさん写真を撮って来ました。おかげでお花の写真は溜まりまくる一方でありまして、いや、お金が溜まるとか、田丸屋のわさび漬けが溜まるというのならともかく、写真ばかりが溜まってもなかなか捌くことが出来なくて、さば君としてはちょっと困っているところでありまして、とりあえず在庫と化している5月の連休に撮ったのをまとめて片付けておくシリーズの第2弾であります。


<レンゲ> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 まずはこれ、羽島市の “れんげ祭り” の会場で撮ったレンゲの写真であります。 この時のお話は このあたり に書いてあったりするので、詳しくはそっちを読んで貰うとして、ま、そっちを読んでもらえば今回は特に付け加えることもほとんどなかったりするんですけど。 とにかくまあ、れんげ畑にはたくさん蜜蜂が飛んでいたよなー。 という記憶が今回の前フリにつながったんですが、こういうところで見かける蜜蜂というのはですね、あまり怖くなかったりするんですよね。 東館山高山植物園には女子高生の思しき若いギャルがたくさん来ておりまして、いや、別にそれが嬉しかったとか、楽しかったとか、目の保養になったとか、そういうことではまったく無いんですけどね。 そもそも僕は大の人妻好きとして知られておりまして、女子高生とかにはまったく興味がありません。 あんなもの、ちょっと若くて、キャピキャピしていて、ピチピチしていて、可愛くて、ラブリーで、キュートで、パンツが見えそうになっているだけの話で、ちっともソソられるものがありませんからね。 そもそも僕はネイチャー派のカメラマンでありますので、姉ちゃんの写真とかにはまったく興味がなくて、今回も東館山で見かけた女子高生の写真は1枚も撮っておりません。 山に来ている女子高生というのはミニスカートを穿いていないので、駅の上り階段で見かける制服姿の彼女たちと比べると、あまりソソられるものがない。…というのが実情でありまして、次期総理大臣候補と目されている安倍晋三クンには是非、教育基本法を改正して、女子高生の志賀高原合宿の際は制服着用を義務付けて頂きたいところだと思います。

 とまあそんな僕でありますが、彼女たちの会話というのは聞く気がなくても勝手に耳に入ってくるものなんですよね。 果たしてどんな話をしているのか?…というのが気になって、注意深く耳を傾けていたら、

 「こういうところの蜜蜂って、ぜーんぜん怖くないよねー。」
 「お花に夢中で、人間なんか眼中にないって感じやよねー。」

 という会話が耳に入ってきたんですが、そうそう、まったくその通りなんだよぉー!おねえちゃん達、実にいいところに気が付いたよねー。こういうところの蜜蜂って、お花に夢中で人間なんか眼中にないから、ぜーんぜん怖くないんだよねー。 おじさんもまったく同じことを羽島の “れんげ祭り” で感じたんだよー。 ということを彼女達に伝えて、仲良くなろうかとも思ったんですが、恐らく気色悪がられるだけのような気がしないでもないので、すんでのところで思いとどまりました。 ということで、掲載した写真のほうなんですが、一番上が “お祭り会場” の全貌を記録したものであります。一面が薄紫ピンク色…というんですかね? 僕は色弱なので今ひとつ色の表現には自信がないんですが、とにかくまあ、一面がレンゲ色に染まる中、手前のほうに黄色い花を配して、春らしい空気を切り取ってみました。 が、ピントが甘くて、作品としては駄作に終わっております。あまりにもダサくて、人に見せる価値もありませんが、でもまあ、もう人に見せちゃったものは今さらどうしようもないしー。

 で、上から2番目はですね、レンゲのお花をアップで捉えたものであります。レンゲって、遠目に見ている分には、一面がレンゲ色に染まっているなぁ。…というふうにしか見えないんですが、こうしてアップでじっくり観察してみると、なかなか凝った意匠をしているんですよね。 花びらの形が蓮の華に似ているから、蓮華っ! と言われると、なるほど、そっかぁ。…というような気もするし、でも、言われなければそれほどでもないような気もするし、もともとこの花は “紫雲英(げんげ)” という名前で呼ばれていたんですよね。 なるほど、確かに一面にレンゲの花が咲いている様子というのは、紫色の雲のような感じがありますもんね。 じゃ、残った “英” の部分はどう考えればいいのかとか、どうして “紫雲英” と書いて “げんげ” と読むのかとか、残された課題は少なくないんですが、北海道の増毛山系だけに見られる “増毛紫雲英” (マシケゲンゲ) などというのもあるそうですね。何だか煮詰めて頭から降りかけてブラシで叩いてやれば毛が生えてきそうな感じがあって、そのうち “紫電改” に続く “紫雲英” という名前の増毛剤が出てくるかもしれません。

 で、下の2枚はですね、レンゲの花の蜜を吸いにやって来た蜜蜂の姿を捉えたものです。虫嫌い、特に蜂とオコジョが大嫌いな僕でも、お花畑の中ではここまで仲良くなれるのぉ♪…という貴重な証拠写真でありますが、いや、晶子さんのようにイラガの幼虫の写真とかは撮りたくないですけどね。 こうして見るとオコジョはともかく、蜜蜂というのはコロコロしていて、なかなか可愛いではないですかー。 そういえば昔、岐阜の金山の旅館で出された蜂の子の佃煮には、蛆虫ライクな幼虫に混じって、小さな蜂の形をしたヤツも混入していたな。…ということを思い出しましたが、別にチクチクするわけでもなく、蜂蜜みたいに甘いわけでもなく、ごく普通の佃煮の味なのでありました。



<カタクリ> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 カタクリの花を求めて岐阜県は山県市の辺りをさまよい歩き、結局、 「カタクリの花、終わりました」 という手書きの看板を見ただけで終わってしまったという話は ここ に書きましたが、今回はその麒麟児です。いや、リベンジです。 普通、麒麟児とリベンジは間違わへんやろ?…という気がするし、最近ではあまり “リベンジ” という言葉を耳にしなくなりましたが、パソコンで変換しようとしても “利便時” としか出てきませんしね。 で、下痢便時に行くところと言えば便所と相場が決まっているんですが、カタクリのリベンジに赴いた先は “ひるがの高原” というところでありました。いいですよね、ひるがの高原。 何だかこう、ああん、昼間っからぁ♪…といった開放感を感じさせる、明るい響きがこの地名からは感じられます。 冬場はもっぱらスキーやスノーボードに興じるヤングな若者達が群れ集うスポットであるわけですが、5月にジメジメした性格のおじさんが向かったのは “ひるがの湿原植物園” というところでありました。  “ひるがの湿原” と平仮名で書くと、明るく開放的なんだか、ジメジメしているんだか漠然とした感じになっちゃうんですが、正しく漢字で表記しようとすれば “蛭ヶ野湿原植物園” 。紛うことのないジメジメ系のスポットであると言えるでしょう。

 ちなみに僕は昆虫が嫌いなんですが、蛭というのはもっと嫌いです。見た目が超グロい上に、血を吸われるという身体的な実害まであって、もう、生き物としては最悪の部類に入るんですが、唾液の中にはヒルジンと呼ばれる比類なき蛭的な成分が含まれていて、血がなかなか止まらなくなるというのも嫌ですよね。 血を吸うけど顔は可愛いとか、見た目はグロいけど血はすぐに止まるとか、どれかひとつだけならまだ我慢出来ないこともないんですが、グロくて、血を吸って、しかもヒルジン。 生きている価値などない生き物であると言ってもいいでしょう。 そんな蛭の恐怖に怯えながらもぼくが蛭ヶ野の地に行くことにしたのは、 “ひるがの湿原植物園” にミズバショウの花が咲いているという情報を耳にしたからなんですが、公園として整備されていて、湿原保護協力金という名目の入園料を 300円ほど取られたりするこの湿原で、ミズバショウだけでなく、思わぬカタクリの花にまで出会うことが出来たとは、思わぬ僥倖でありました。 ま、いかにも人工的に植えただけやな。…といった感じに、築山のところに3株ほどあっただけなんですけど。

 カタクリの花には “春の妖精” という別名があります。いいですよね、春の妖精。少なくとも “イラガの幼虫” よりはいいよな?…と思うわけなんですが、独特の青紫ピンク色とでも言うんでしょうか、僕は色弱なので色の表現については返す返すもあまり自信がなかったりするんですが、その独特の色合いと、うつむいて咲く可憐な姿がなんとも奥ゆかしくて、いいですよね。 ユリ科の植物らしく、最初のうちはいかにもユリっぽい感じの蕾が下を向いているんですが、やがて花が開いて、そのうちに花びらが反り返ったような形になります。 その反り返り具合は “植物界の荒川静香” と呼ばれているほどなんですが、可憐なお花と比べると、葉っぱのほうはけっこうデカくて、変な模様がついていたりして、あまりキュートではなかったりするんですけどね。 写真に撮る場合は敢えて葉っぱをフレームから外したほうがいいかも知れませんが、顔はとっても可愛いのに、超下半身デブ…みたいなギャルの場合、あまり下のほうは見ないようにするのが礼儀というものでありまして。 でまた、花びらを正面から見ると六角形の独特の紋様があって、これが桜の花のような形に見えたりするそうですが、いや、細かいところにも実によく気を使っているお花なんですねー。 で、花びらと共に重要な構成要素となっている “おしべ” と “めしべ” 、この2つを合わせて植物界の専門用語では “花毛” と称するようなんですが、カタクリの花毛は数は少なめで、その分、長さと太さはかなりしっかりしたものとなっております。 特に “おしべ” にはかなり濃い紫色の花粉がたっぷり付着していて、専門用語ではこれを “花クソたっぷり♪” と称するようなんですが、可愛いカタクリちゃんなら、たとえ花毛が飛び出してようと、花クソにまみれていようと、趣味の悪いパンツのような変な柄の葉っぱが生えてようと、すべてが許せてしまうんですよねー。 いやあ、いいですなぁ、カタクリ。 来年は是非、養殖ではない天然物のカタクリリンが自生している様子を、とくと拝見してみたいと思っております。


<フクジュソウとミズバショウ> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 “ひるがの湿原植物園” の築山にはカタクリリンの他に、黄色い “フクジュソウ” のお花も咲いておりました。 フクジュソウの写真は 本編 のほうでも紹介しているんですが、天気が悪くて花びらが開いていなかったこともあって、 ミズバショウ編 とならぶ失敗作になってしまったな。…というのが僕の心の中ではずっとわだかまりになっていたんですよね。 例えば親友である和田クンの彼女の真理ちゃんを好きになってしまった場合、和田か真理か、どちらを選ぶにせよ心にわだかまりが残ることになるんですが、ま、僕だったら間違いなく真理ちゃんを選びますけどね。 ま、和田クンが和田金 (←松阪牛で有名なお店) で晩飯を奢ってくれるというのなら、ちょっと考えないでもないんですが、ちょっと考えて松阪牛のステーキやら、網焼きやら、すき焼きやらをしこたま食った上で、やっぱり真理ちゃんが好きや。…という結論を出すことになると思います。好きやという結論を出すのは、すき焼きを食べてからでも遅くはないですからね。 そんな僕もフクジュソウとミズバショウの写真の出来の悪さがずっと心のわだかまりになっていたんですが、でも、もう大丈夫。 “ひるがの湿原植物園” に咲いていたフクジュソウの花を、こんなに綺麗に撮ることが出来ましたー。 と自画自賛している次第でありますが、上のほうの写真は岩とのバランスが群を抜いて抜群だし、その下の方は花びらを透過した光によって、フクジュソウが黄金色に輝いているところが見事だと思います。何だかこう、いかにも福寿草っ!…という感じが伝わってきますからね。 これがもし、大根・茄子・鉈豆・白瓜・蓮根・生姜・紫蘇の実など7種の野菜を塩漬にしたものを細かく刻み、塩抜きしたのち圧搾して、砂糖・醤油などの調味液に漬け込んだものだったりしたら、いかにも福神漬っ!…という出来になったに違いなくて、いや、桑名の十念寺のお祭りでは “ミス桑名と七福神を写す会” という、その開催意図が今ひとつよく読み取れないイベントが行われたりするんですけど。

 で、一方、ミズバショウのほうはですね、確かに“ひるがの湿原植物園” の中にも咲いていたんですが、ここよりもむしろ道路を挟んだ反対側にある入場無料の自生地のほうが綺麗に咲いておりました。 で、そこよりも “ひるがの高原スキー場” の近くにある湿原のほうがもっと規模が大きくて、いや、長野県塩尻市の “みどり湖” で植栽されたミズバショウを見ても、ふーん。…という感じだったんですが、こうして自分たちだけの力でたくさん自生している姿を見ると、それなりに感動するものでありますなー。 ちなみに、ここ蛭ヶ野高原というのはミズバショウの自生地としては日本の南限にあたるそうですが、南限というのはインゲンよりも価値があるような気がしますよね。インゲンなんて近くのスーパーで1パック 198円くらいで売っているんですが、これが南限とか 「はだしのゲン」 になると、そうはいきません。 DVDだと定価 4725円 (税込) もしますからね、 「はだしのゲン」 。 で、ミズバショウ自生地の南限ともなると、湿原保護協力金を 300円ほど取られても仕方がないくらい価値があるに違いなく、 「はだしのゲン」 に比べればかなり安価なんですが、インゲンより高いことは間違いありません。 ただ、今年の夏はしばらく日照不足が続いて野菜が高騰しておりましたので1パック 198円では買えないかも知れず、ミズバショウもスキー場近くの湿原ならタダで見ることが出来るので、南限とインゲンの立場は逆転していると言えるかも知れません。

 で、写真のほうはというと、上のほうが自生地の全体像でありますな。やや空の青さに物足りないものがある天候だったんですが、残雪の大日岳をバックに咲き誇るロケーションはなかなかだと思います。見えているスキー場は “高鷲スノーパーク” か “ダイナランド” だと思うんですが、僕はけっこう好きなんですよね、大日岳。 少なくともエノキダケよりはいいと思います。 で、下の写真はミズバショウのアップであります。 もう、かなり固体がデカくなりかけていて、苞の部分がちょっぴりエビ反り気味ではありますが、霜焼けによる変色もなく、ミズバショウの清楚な白さがよく出ていると思います。パンツの色もこれくらい澄んだ純白であれば、頭から被ったり、ちょっぴり嘗めてみたりしても、ぜんぜん大丈夫だよね?…ということを感じさせる、清潔感あふれる仕上がりだと思います。


<ハナショウブ> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、最後はオマケ編です。桑名にある九華公園というところは、桜の花はまあまあ、ツツジの花もぼちぼち。…といった感じなんですが、 “ハナショウブ” の名所としても知られております。 ということで、ちょっと写真を撮りに行ってみました。 いやあ、大したことなかったっす。 小規模な花菖蒲園が2〜3箇所ある程度で、他の花菖蒲の名所と比べると、勝負にならないって感じぃ? でもまあ、こうして堀にかかる赤い橋を背景に入れてみると、何だかけっこうソレっぽい感じに見えちゃうところが、写真のいいところですよねー。 実際にその場を訪れてみると、現実とのギャップに愕然とする筈です。 それはそうとハナショウブの花の色というのは、けっこうドぎつい紫色をしているんですなー。 浴衣にするにはちょうどいい感じかも知れませんが、パンツの色としてはどうかな?…という気がします。 僕はやっぱり一番下の写真のような、清楚な感じの白が好きっ♪

 ということで、またしてもパンツねたに終始してしまった感がありますが、では最後に “今週の花言葉” です。

  お 花    花 言 葉 ♪
レンゲ 心が和らぐ・私の苦しみを和らげる・感化
カタクリ 初恋・嫉妬・寂しさに耐える
フクジュソウ 幸福・幸せを招く・回想・思い出
ミズバショウ 美しい思い出・変わらぬ美しさ
ハナショウブ うれしい知らせ・優しさ・心意気・優雅

 ひとつのお花に、いろいろな花言葉があるものなんですなー。 書くのが面倒になって割愛したのもいくつかありますからね。 で、レンゲはとにかく “和らげ系” であるようです。 「私の苦しみを和らげる」 。緊縛したまま放置して、苦しめに苦しめ抜いた後で、レンゲの花をそっと捧げる。これで彼女のハートをぐっとあなたのほうに引き付けることが出来るでしょう。世の中、やっぱりアメとムチですなー。 で、ミズバショウの花言葉の 「変わらぬ美しさ」 には、若干の疑問がないでもありません。 春先にはあんなに可憐で清楚だったミズバショウちゃんも夏になると思いっきり葉っぱが茂って、巨大キャベツの化け物みたいな姿になってますからね。何だかすっかり厚かましいオバハンみたいになってしまって、いや、世の中、何事も 「美しい思い出」 のまま、心の中にしまっておいたほうがいいのかも知れませんなぁ。。。 ということで、お花シリーズはとりあえずおしまい。

 ということで、今日はデクスター・ゴードンです。  『ホームカミング』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、いや、それにしても長野で過ごした3日間は充実しておりましたな。青い空と澄んだ空気、それに色とりどりのお花に囲まれて、もう、原稿なんてどうでもいいやぁ。…という悟りの境地に達することが出来ました。 いや一応、旅館でこのコーナーを書き上げるつもりで、事前にジャケ絵まで仕上げておいたんですけどね。 このアルバムのジャケットはもともとが絵画仕立てなので書くのはわりと楽だったんですが、デクスターの目が幾分スケベっぽくなってしまったところが減点対象でありましょうか。 で、この作品はですね、一時期、活動の拠点をヨーロッパに移していたデックスがアメリカに帰国した際に作られた2枚組のライブ盤でありまして、録音されたのはお馴染み、ニューヨークの “ヴィレッジ・ヴァンガード” となっております。専門用語でいうところの、いわゆる “ヴィレ・ヴァンもの” であるわけですが、ウディ・ショウが参加した2管編成になっているところがミソでありますな。僕的にはけっこう好きなんですよね、ウディ・ショウ。 ただ、スタイル的にデックスとはやや路線が違うかな?…という気がしないでもないんですが、三重交通の桑名駅前発・長島温泉行きのバスは名四国道経由と一号線経由という2つの違った路線を走っても、行き着く先はけっきょく同じでありますので、きっと大丈夫なのではなかろうかと。 ということで、では1曲目から聞いてみることに致しましょう。

 まず最初はジミー・ヒースのオリジナルで 「ジンジャー・ブレッド・ボーイ」 でありますか。 マイルスなんかも取り上げている曲なんですが、 「生姜パン少年」 というのは一体どんな少年なのか、今ひとつピンときませんよね。 そもそも生姜パンという存在自体が日本人にはあまり馴染みがないんですが、トッピングに紅生姜が入っている焼きそばパンから焼きそばの部分を撤去したような調理パンなんでしょうか? いや何だか、まったくソソられるものがありませんな。 例えるなら、豚肉が一切れも入ってなくてパイナップルばかりの酢豚みたいと言うか、麺が一本も入ってなくてサクランボばかりの冷や麦というか、いや、僕は冷や麦がそれほど好きではないので、サクランボばかりのほうが嬉しかったりするんですけどー。 とまあそんなことで、調べてみました。 “gingerbread”=ショウガパン=ケーキ《ショウガ・糖蜜入り》…って、そのままやん! ま、蜂蜜入りというところに新たな発見があったような気がするんですが、もうひとつ、こんな意味も載っておりました。 けばけばしく飾り立てたもの;[形容詞的に] けばけばしい,はでで俗っぽい。 けばけばしい派手で俗っぽい少年。なるほどぉ! これでこの問題はすっかり解決してしまいましたが、日本人好みのマイナー調の作風が多いジミー・ヒースにしては、やや前衛的な曲調だったりしますよね。ま、そこのところがマイルスにも取り上げられた要因なんでしょうけど。

 で、演奏のほうはというと、ライブだけにちょっぴりラフな仕上がりでありますな。ヘッド・アレンジ的なテナーとトランペットのユニゾンによるテーマに続いて、ソロ先発はデックスでありますな。 途中、他の歌のメロディを引用するなどして、リラックスした中にも緊張感溢れるプレイが展開されておりまして、いや、実に素晴らしい仕上がりだと思います。そんだけ。 で、続いてはウディ・ショウのソロでありますか。単独ソロというより、ルイス・ヘイズとの掛け合いみたいな形で演奏が進んで行くんですが、とってもスピード感があって、スリリングで、盛り上がっていて、いいと思います。ライブならではの臨場感といったところでしょうか。 後半はヘイズ君がバッキングに回って、ショウくんは吹き続け状態となって、会場は興奮のルツボ、海水浴場のフジツボと化していくわけですが、あ、フジツボというのもロクでもないヤツですよね。虫嫌いの僕はフジツボもあまり好きではないんですが、そのまま網で焼いて醤油でもかけたら、結構いい酒の肴になるかも?…という気はするんですけど。 で、続くロニー・マシューズのピアノ・ソロはクールな感じで、いいチェンジ・オブ・ペースとなっていて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやー、熱いですなー。

 2曲目はショウ君のオリジナルで、 「リトル・レッズ・ファンタジー」 という曲です。 冒頭、デックスが曲を紹介する声が入っておりますが、映画 『ラウンド・ミッドナイト』 のライブ・シーンを見ているみたいで、何かいいではないっすかー。 で、曲そのものもなかなかいい感じでありまして、僕個人としてはショウ君は “横浜銀蝿” の翔クンよりも作曲の才能があると思っております。…などと書いて、翔クンのファンからカミソリの刃を送り付けられたりすると困るんですが、どうせ送ってくるのならシック・ウルトラ・プラス (首振り式2枚刃スムーザー付き) の9コ入でお願いします。貝印の普通のカミソリはリストカットするには便利なんですが、ヒゲを剃るにはちょっぴりデンジャラスなんですよね。 で、演奏のほうはというと、モーダルな曲調だけにソロ先発のデックスのフレージングには一部、やや無理が感じられるところもあったりするんですが、続くショウ君は自分で作った曲だけにさすがでありますな。 よくツボを押さえているというか、ツボにはまっているというか、フジツボが膝の傷口から出てくるというか。 数ある “都市伝説” の中で、このフジツボの話は僕がいちばん苦手なタイプなんですが、まだ “寿がきやのラーメンのダシは蛇ガラ” という話のほうが許せますよね。 ということで、マシューズのピアノ・ソロがあって、スタッフォード・ジェイムスのベース・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。 いや、ライブ盤というのは演奏が派手で悪くないんですが、解説として書くようなことは、あまり無いものでありますなぁ。。。

 …ということが判明したので、残り8曲ほどはザクっと大ざっぱに触れるだけで、適当に片付けておくことにして。 えーと、3曲目は 「フェニア」 という曲です。デクスターのオリジナルなんですが、歌物ライクなメロディを持ったなかなかの佳曲でありますな。ウディ・ショウと横浜銀蝿の翔、それにキダ・タローの作曲センスと比べると、ま、唯一、勝てそうなのは翔クンぐらいやろな。…という気はするんですが、比べる相手があまりにも偉大過ぎますからね。3位に食い込んだ成績は大いに誇っていいと思います。 ということで、4曲目はショウ君オリジナルの 「イン・ケース・ユー・ハブント・ハード」 ですか。 どこかで聴いたことがるようなメロディなので、そこそこ有名な曲なんでしょうが、ラテンのリズムがなかなかに熱いですな。 ただ、最初にソロを取るデクスターのプレイは、今ひとつ曲調とマッチしていないような気もするんですが、何だかテーマ部とアドリブ・パートで、ガラっと雰囲気が変わるような気がしますからね。 例えて言うなら、焼きそばパンのトッピングとして紅生姜を入れるべきところを、間違えて福神漬けにしちゃったみたいな感じでありまして、これではカレーパンやんけ!…みたいな。 いや、カレーパンにも福神漬けは入っていませんけどね、普通。 ということで、レコード1枚目の最後を飾るのは 「イッツ・ユー・オア・ノー・ワン」 ですか。デックスはこの曲が大のお気に入りであるらしく、ライブでは必ずと言っていいほど取り上げているんですが、僕はあまり 好きではありません。僕の好きな韓国の歴代大統領は、朴大統領、盧泰愚 (ノ・テウ) 、盧武鉉 (ノ・ムヒョン) 、全斗煥 (チョン・ドファン) という順になるんですが、この曲はまあ、チョン・ドファンよりはちょっとだけ、マシぃ?…といったところでしょうか。 そもそも、どうして僕が朴大統領のことを好きなのかというと、 「僕、大統領。」 という軽いノリが 「ぼく、ドラえもん。」 みたいでいいかな?…という、ただそれだけの理由なので、ほとんど何の意味もない順位であると言えるわけなんですが、で、演奏のほうはと言うと、デックス本人が気に入っているだけのことはあって、アドリブのほうはなかなかいい出来だとは思うんですけどね。 ということで、1枚目のほうはおしまい。

 残る1枚のほうは段落2つ分くらいで片付けてしまおうと思いますが、まず最初は 「レッツ・ゲット・ダウン」 でありますか。ピアニストのロニー・マシューズのオリジナルのようでありまして、ちなみに僕はこのマシューズという人がけっこう好きだったりするんですよね。少なくともイボイボ付きの健康シューズよりはいいかな?…という気がするんですが、確かに足の裏のツボを刺激して健康にはよさそうなんですが、その前に足が痛くて歩けへんちゅうねん!…と思わずにはいられません。 で、曲のほうはというと、これはアレです。正統的バップ・ナンバーといった感じでしょうか? 演奏のほうもとっても正統的なバップとなっておりまして、とってもいいと思います。 …と、適当なコメントを書いておいて次に進みますが、 「ラウンド・ミッドナイト」 はデクスター・ゴードンが主演したジャズ映画のタイトルにもなった、セロニアス・モンク作の有名なスタンダード・ナンバーであります。僕はデックスのしみじみとしたバラード・プレイが大好きでありまして、そろそろアップ・テンポの派手派手な演奏には食傷気味だったので、ちょうどいいタイミングだと思います。 前半部は時おりショウ君が絡んでくるものの、概ねデクスターのワン・ホーンで推移して、人生の深みを感じさせる深見ランチュウのような演奏を披露しております。 深見ランチュウというのはアレですよね。深見ブランドの金魚の種類のひとつですよね。…って、んなもん、相当の金魚フェチでなければ知らないものと思われますが、僕もたった今、 “深見” でググってみて、初めて知ったんですけどね。 で、ソロ2番手のウディ・ショウは、ここではトランペットではなくてフリューゲルホーンを吹いておりまして、それがなかなかいい味を出していると思います。いいですよねぇ、フリューゲル。少なくとも “不良下痢” よりも渋い感じがすると思うんですが、良性のものならともかく、不良の下痢ともなると便所にこもりっきりになって、何かと大変ですからねー。 で、3曲目、4曲目はそれぞれ 「バックステアーズ」「フライド・バナンズ」 とデクスターのオリジナルが続いて、自分で作っただけにデックスのソロは概ね良好です。ウディ・ショウとロニー・マシューズもいい感じのソロを披露しているものと思われます。いや、多分。 ちなみに3曲目のほうはシンプルなリフ・ブルースで、4曲目は他のアルバムでも取り上げられたことのあるバピッシュなナンバーでありますな。 で、ライブの最後を飾るのは、お馴染みの 「身も心も」 でありますかー。 デックスの十八番のひとつでありまして、しみじみとしたバラード・プレイが期待されるところでありますな。

 が、実際はミディアム・ファストくらいのテンポで演奏されておりまして、ま、それはそれで悪くないとは思うんですけど。 ということで、2枚目の解説も無事、段落2つ分まで引っ張ることが出来ましたので、今日のところはおしまい。

【総合評価】

 いかにもライブらしい熱気に溢れるプレイの連続で、とっても素晴らしい1枚…というか、2枚組だと思います。 ただ、正直なところ、似たような演奏が1曲平均13分くらいの長さで延々と続くことになるので、まともに付き合っていると、途中でちょっぴり嫌になってしまいます。 3曲−2曲−3曲−2曲くらいに分割して、途中に休憩時間を挟み、その間は “すけべ動画” を鑑賞するなどして気分転換を図るといいでしょう。



INDEX
BACK NEXT