CLEVELAND STYLE (EMARCY)

 JIMMY CLEVELAND (1957/12/12,15)

CLEVELAND STYLE


【パーソネル】

JIMMY CLEVELAND (tb) ART FARMER (tp) BENNY GOLSON (ts)
DON BUTTERFIELD (tuba) <#1,2,7> JAY McALLISTER (tuba) <#3,4,5,6>
WYNTON KELLY (p) EDDIE JONES (b) CHARLES PERSIP (ds)

【収録曲】

OUT OF THIS WORLD / ALL THIS AND HEAVEN TOO / POSTERITY
LONG AGO AND FAR AWAY / A JAZZ BALLAD / JIMMIE'S TUNE / GOODBYE EBBETS FIELD

【解説】

 子供の頃の夢いうのは、大人になると意外と簡単に叶うものなんだね。…というのが今日のテーマなんですが、いや、何のことかというと、“電子ブロック”の話なんですけどね。僕は子供の頃、ブロック遊びが好きな少年でありました。ブロックには無限の可能性が秘められております。ひとつひとつはまったく何の意味ももたない単純な“部品”であるブロックを組み合わせることによって、どのような複雑な造形でも作りあげることが出来るというのが僕の想像力を刺激しました。ちなみに僕が得意としていたのは“一直線の橋”だとか、“カマボコの板”だとか、“直方体の固まり”といったものだったんですが、いや、僕は血液型がA型で根が几帳面なもんで、ついつい左右対称のものを作ってしまうんですよね。センスがないとかそういった問題ではなくて、性格の問題であるわけなんですが、誰も僕の作ったものを褒めてはくれませんでした。おかげで僕はブロック遊びがすっかり嫌いになってしまったんですが、周囲のオトナの無理解がコドモの貴重な才能を摘み取ってしまった顕著な例として、肝に銘じておかなければなりません。で、ブロック作家としての道を絶たれた僕が次に選んだ道は、コロッケ研究家でありました。ブロックコロッケなら、を踏んでいるからいいかな?…と思ったのがその主な動機だったんですが、世の中、なかなか“”だけで生きていけるものではなくて、それに何より、僕は“コロッケの研究”にはまったくソソられるものを感じなかったので、この道も結局はヤメにしちゃったんですが、大して旨くもないですもんね、コロッケ。ま、それはおそらく、うちのおかんが八百屋で買ってくるコロッケがあまりにもチープで安っぽくて、大して旨くもなかった。…という原体験に基づくものであって、もっとリッチで高くて高級なコロッケというのは、チープで安っぽくて大して旨くもないコロッケに比べると、ま、そこそこは旨かったりするんだろうな。…という気はするんですが、ちなみにうちのおかんは自分は八百屋で安いコロッケを買ってくる癖に、コロッケ(←物まね芸人)に対する態度は極めて冷淡だったりします。桑名市民会館コロッケがやってくる!S席:5000円…というチラシを見て、「コロッケに5000円も出すんやったら、ドブに捨てたほうがマシや。」…とか言ってましたもんね。いや、ドブに捨てるくらいなら、もっと旨いコロッケ、食わせろって!

 ということで本題に戻ります。行数稼ぎのために今まで一度もなりたいと思ったことのない“コロッケ研究家”の話まで出してしまいましたが、えーと、もしかしたらみんなは知らないかも知れないけど、学研から 「大人の科学マガジン」 という雑誌が出ております。ああ、その雑誌なら知ってるよ。第1号の付録が “ポンポン蒸気船” で、第2号が “探偵スパイセット” なんやろ?…って、おおっ!アナタ、とっても詳しいねー。で、僕はその第2号のほうを買ってみたんですが、その付録の“探偵スパイセット”には正直なところ、100%の満足感が得られたわけではありません。“大人の科学”だけに、もっとリッチで高級感に溢れたものなんぢゃないか?…と期待してたんですが、意外とこう、チープで安っぽかったんですよね。これなら子供の頃の 「科学」 の付録と一緒ぢゃん。…みたいな。ま、このシリーズの意図として、昔を懐かしんでノスタルジーに浸る。…といった一面もあるわけだから、“復刻版”的な作りにする方向性もワカランではないんですが、何せ相手はもうオトナなんだから、もうちょっとこう、オトナっぽい作りにして欲しかったかな?…という気がしないでもありません。例えば薬品等を収納するケースなんですが、ボール紙を折り曲げて両面テープで貼り付けて組み立てるといった小学生の工作じみたものではなく、輪島塗の重箱にして、蓋の部分には蒔絵の手法で“土俵入りをする横綱輪島”のイラストをあしらうとか。ま、それだけだと何の箱なんだか持っている本人も分からなくなっちゃうと思うので、書道界の重鎮に依頼して “探偵・スパイセツト” という文字をデカデカと入れて貰うといいと思います。 そんなケースを持ち歩いている探偵やスパイがいたら、一目で怪しまれるぢゃないか!…と思われるかも知れませんが、敵にわざと自分の身分を明らかにしておいて、その上で職務だけは完璧こなす。それでこそ真の“オトナの探偵”、もしくは“プロフェッショナルなスパイ”と言えるわけでありまして。

 指紋検出の際に用いる “トリの羽根” 。これもいけません。セットの中には“着色前の赤い羽根募金”のようなものが1枚入っておりましたが、とても“オトナの道具”とは思えないようなチープで安っぽいつくりでありまして。でも、世の中には、 “弘法は筆を選ばず” という諺もあることだしぃ。…と思われる人もいるかも知れませんが、その実、弘法大師ほど書道の際に用いる筆に拘った人はいないと言われております。すくなくとも、マグマ大使よりは筆に対する思い入れも深いんぢゃないか?…という気がするわけなんですが、あまり書道とかするタイプには見えませんもんね、マグマ大使。ま、おそらく学研の人はパートのおばちゃんを養鶏場に派遣して、落ちている羽根を拾わせて来たものと思われますが、そんなことはコドモのすることです。コドモというのは揖斐川の堤防で白い貝殻を拾ってきたり、日進小学校の校庭でシジミの貝殻を拾ってきたり、富士ゴルフ練習場でネットのほころびから外に飛び出したゴルフボールを拾ってきたり、東洋ベアリングの工場で材料につかう鉄の玉を拾ってきたり、空き地で子猫を拾ってきたり、とにかくまあ、落ちているものならもう何だって拾ってきちゃいますからね。 で、拾ってきたものを“宝物”と称して庭に穴を掘って埋めて、「タイムカプセルだぁ。20年後に掘り返すんだぁ。」…とか言って喜んだりしておりますが、んなもの20年後に見たら、ただのガラクタだってば。…といったロマンのないオトナにはなりたくないものでありますが、ただ、拾ってきたモノの中で、子猫だけは穴を掘って埋めたりしないほうがいいと思いますけどね。掘り出してみたら、埋めた時のままの可愛い姿で 「にゃ〜♪」 と鳴いて、20年ぶりの感動の再会。…ということにはならず、まず確実に白骨化していると思います。 世の中、ロマンだけでは何ともならない現実に直面して愕然とすることになると思いますが、えーと、何の話でしたか。“トリの羽根”ですか。

 コドモ相手ならニワトリの羽根でもいいかも知れませんが、何せ相手はオトナです。もっと素材にもこだわって欲しいところですよね。たとえば、えーと・・・、トリはトリでも、“汲み取り”だとか。…って、自分で書いてて思わず赤面しちゃうような子供じみた発想でありましたが、えーと、話題を転じましょう。試験管。これはいけません。プラスチック製の、もの凄くチープで安っぽいのが付いてましたもんね。長さ約3センチ。一目見て、オトナをナメとんのか!?…と思ってしまいましたもんね。自分のモノと比較して、あまりにも同レベルだったから、思わず腹が立ってしまった。…とそういったことではなくて、いや、いくら僕でも3センチということはありませんからね。ま、3センチでも実用上はまったく支障がないので、コレで問題がないと言えばそれまでなんですが、やはり素材には拘って欲しかったと思います。せめてガラス製にして欲しかったですなぁ。ま、コドモ相手なら、ガラスは割れるから危ない。…という論理も成り立つんでしょうが、何せ相手はオトナです。ガラスが割れて指を切ってしまったところで、「ガラスが割れて指を切っちゃったぢゃないか!」…と文句を言うようなオトナ気のないオトナというのはそうそういるものではなくて、むしろ指を切っちゃったら“血液判定”の実験も同時に出来て、まさに一石二鳥。で、ひとつの石で2羽の鳥を捕まえることが出来れば、これはもう“羽根”の材料にも事欠かないわけでありまして。

 で、「大人の科学マガジンVol.3」 は、いつ発売になるんだろう?…と思って調べていたら、マガジンではない 「大人の科学」 というシリーズも発売されているということが判明しました。これは何かというと、 「科学」 の付録の部分を独立させてうーんとオトナ向けに豪華にしたものというか何と言うか、こういうのを求めていたんだよぉ、僕は!…と、声を大にして大便をしたいと言うか、いや、大便はぜんぜん関係ないんですが、とにかくまあ、そういった企画であるわけでして。例えばどういうのがあるのかというと、“エジソン蓄音機”だとか、“電波カー”だとか、“電池実験セット”だとか、“地球分析キット”だとか、“デジロボ”だとか、“鉱石ラジオ”だとか、“電子ブロック”だとか、“からくり人形”だとか、“ベルリナー蓄音機”だとか、“からくり人形”だとか。“からくり人形”が2回も出てきましたが、これは何もどさくさに紛れて姑息な行数稼ぎを計ったわけではなくて、“お茶くみ人形”と“弓ひき童子”の2つのタイプがあるんですよね。“お茶くみ人形”のほうは“からくり人形の定番”のようなものなので知ってる人も多いと思いますが、最新作の“弓ひき童子”というのはアレです。周囲の制止や観客の迷惑を一切顧みず、問答無用でベースのアルコ・ソロを延々と繰り広げるポール・チェンバースをモチーフにした人形…って、そんな傍迷惑なものではなくて、弓を曳いて矢を射る童子の人形。ま、そういったものですね。いや、ベースの弓弾きをするからくり人形があれば、それはそれで凄いと思うんですけどね。で、値段のほうはアレです。安いものなら数千円程度なんですが、 “弓曳童子(組立式)” に至っては9800円(税別)もします。組み立てるのが苦手な人を対象にした“弓曳童子(完成品)”というのも発売されているんですが、こちらのほうは14800円(税別)もします。いやあ、さすがはオトナですなぁ。こうなってくると 『特選街』物欲ライター宇野が書いていたように、組立式のほうを買って器用な友達に3000円で作って貰ったほうがいいのではないかと。いや、僕だったら500円で引き受けますけどね。僕の場合、飛び抜けて器用というわけではないんですが、弓を曳かずに童子を車で轢いちゃうようなものなら組み立てられるのではないかと。

 とまあそういうことで、思わず買ってしまいました、“電子ブロック”。いや、“蓄音機”とか“デジロボ”あたりにも激しく惹かれるものを感じたんですが、やはり子供の頃にむちゃくちゃ欲しくって、でも高すぎて手が出ずに“マイキット”で妥協してしまったという悔しい思い出がある“電子ブロック”の魅力には勝てませんで。ちなみに“マイキット”の思い出に関しては ここ に書いてあるので参照してもらうとして、あ、ここを読むと、“電子ブロック”を買って貰えなかった僕は普通のブロック犬小屋やらなんやらを作って無聊を慰めた。…みたいな話の展開になっておりますな。毎回、話の内容が違っているところが僕のいい加減なところでありますが、子供の頃、どうしても手に入れることが出来なかった“電子ブロックEX−150”が、オトナになった今なら通販サイトの“購入”というボタンを1クリックするだけで自分の物になるわけだから、世の中は便利になったというか、オトナになるというのは素晴らしいことだというか、でも何だかちょっぴり味気ないというか。ちなみにお値段のほうは9800円(税別)でありました。オトナになった今でも、単なる思い付きのノスタルジーで購入するにはちょっぴり抵抗のある価格ではありますが、でも“抵抗”のブロックだって14種類14個も入っているわけだしぃ。ちなみにこの“電子ブロック”、当初は電子ブロック機器製造株式会社という、“電子ブロック”以外には何にも製造してないんだろうなぁ。…と思われるようなメーカーの製品だったらしく、学研の“マイキット”とはライバル関係にあったらしいんですよね。ちなみに“マイキット”も“電子ブロック”も、最初に登場したのは1964年昭和39年)のことだそうでありまして、ということは僕が生まれる4年ほど前からこの世に存在していたわけなんですな。それが1972年になって2つの会社が提携を結び、“学研電子ブロック”として売りに出されることになったと。で、今回復刻されることになった“学研電子ブロックEXシリーズ”の発売が1976年ということで、僕が欲しがっていたのがちょうどこのタイプということになるわけです。当時の値段が150種類の回路を組むことの出来る“EX−150”で13000円っ!…って、これは当時のコドモにとっては到底手に入れることの出来ない“高嶺の花”だったわけでありまして、いや、僕がクリスマス・プレゼントに買って貰うのを遠慮したのもやむを得ないような価格設定だったわけですな。何せ、当時の僕の家は火事で焼けたばかりだったので、到底そんな余裕は無かったわけでありまして。

 で、その“電子ブロック”が今、僕の手元にございます。何かこう懐かしさと言うか、子供の頃からの夢が叶ったヨロコビと言うか、とにかくこう、満足感で目頭がじーんと熱くなるような感動が得られるかな?…と思っていたんですが、案外、そうでもありませんでした。ふーん、こんなものかぁ。…といった、わりとあっさりした感慨。ま、その程度のものでしたね。で、“電子ブロック”って意外と小さいものだったんですな。取っ手の部分を含めてもA4版くらいの大きさ。写真だと、こういう感じ でありますな。“マイキット”のほうはこれの倍くらいの大きさだったので、高いくせいに小さいぢゃん。…とか思ってしまいました。で、ブロックの作りも思っていたよりもチープで安っぽい感じです。“抵抗”とか“ダイオード”とか“トランジスタ”の足に板バネをハンダ付けして、安っぽいプラスチックのブロックに引っ付けただけやん!…みたいな。ブロックの数も全部で46個と、思ったよりも少なかったです。何かこう、少年時代の僕の中では、300個くらいのブロックがひしめいていて、押入れの中がパンクする。…といったイメージがあったんですが、ブロックを挿入するスペースが8列×6行、2つ分のスペースを使う部品が2つあるので、(8×6)−2=46個。そんだけ。ま、たった46個のブロックで、150種類もの回路を組み立てることが出来るんだぁ♪…と物事を前向きに捉えることも出来るんですが、これが9800円というのは、ちょっとぼったくりなんとちゃうか?…という気がしないでもありません。ま、復刻するにあたって“金型”を最初から作り直したという話なので、コスト的にはこれでギリギリの線なんでしょうけどね。とまあそういうことで、では早速、最初の実験から取り掛かってみることに致しましょう。

 ます最初は “電気回路と電流” という実験です。えーと、使用するブロックは“パイロットランプ”と“リードブロック”。そんだけ。ブロックの並べ方としては、 こういう感じ になりますね。“+Aout”というところが電池の+側、“−0UT”というところが電池のー側につながっているので、その間に“パイロットランプ”と“リードブロック”を並べて回路をつなぐことが出来ればOK。本体のメインスイッチを“ON”にすると電気が流れて“パイロットランプ”が点灯します。おおっ、凄ぇ! とまあ、回路的には何の不満もない完璧なものであったんですが、実際にブロックを並べてみて気が付いたハード的な問題点について列記してみると、まず第一にブロックの安定性の問題。ケースにびっしりブロックが詰まっている時はいいんですが、このようなスカスカの回路の場合、隣にブロックがない関係で、何だか微妙に傾くんですよね。角度で言うと、3度くらい。ま、多少傾いてしまったところで、板バネの力で押し付けられているので電気回路的には問題がないんですが、神経質なA型性格である僕には、この微妙な傾きが気になってしかたありません。しゃんとしろ!…と、思わずブロックを叱咤激励したくなっちゃいます。続いて“リードブロック”の問題。“リードブロック”というのは中に何のデバイスもセットされていない、 要するに“ただの線”のブロックなんですが、少ないブロックで複雑な回路を構成しなければならない関係上、“T字型”になったり“十字型”になったりしているものが多いんですが、今回のような“縦一直線”の回路の場合、回路上はまったく何の役にもたっていたい横線の部分というのが出てきて、それが何だかとっても不愉快なんですよね。ま、回路として間違っているわけではないんだけど、無駄な部分が多すぎるというか、見た目が汚いというか、芸術性に欠けるというか。几帳面なA型性格である僕には、この“不必要な横線”が気になってしかたありません。で、回路を組むにあたって、とりあえずブロックをすべて箱の蓋などにブチまけなければならないので周囲がちっとも片付かないし、そのゴチャゴチャのブロックの中から任意のものを見つけ出すのは至難の業だし…と、気になる点を挙げていけば限がないんですが、やはり最大の問題点はこの一言に尽きるのではないだろうかと。すなわち、やってみると、それほど面白くはなかった…と。うーん。。。

 ということで、今日はジミー・クリーブランドです。ジミ・クリの 『クリーブランド・スタイル』 というアルバムです。このアルバムはアレです。メンバーがアレです。アレというのはアレです。メンバーが豪華です。ジミ・クリのトロンボーン、アート・ファーマーのトランペットに、ベニー・ゴルソンのテーナー…とくれば、これはもう“ジャズテット”的な演奏であろうな。…ということが容易に想像出来るわけでありますが、更にはチューバも加えてサウンドに厚みを持たせ、でもって、リズム・セクションにはウイントン・ケリーエディ・ジョーンズチャーリー・パーシップ…と小粋なところを押さえ、このメンバーで演奏が悪かったら嘘ぢゃん。…とか思いつつ聴いてみると、それほど面白くはなかった…と、あらかじめネタばらしをしておきますが、その原因はアレですよね。“電子ブロック”の場合、まず最初にやった実験というのがあまりにも基本的すぎて、ちっとも面白いものではなかった。…という点が挙げられようかと思います。回路がつながっているとランプが点灯するんだけど、途中のブロックをひとつ抜き取っちゃうとランプは消灯しちゃう。すなわち、電気というのはよどみなく流れ続けることによって初めて、仕事をすることが出来るんだね。…ということを学童・児童に周知徹底するという意図があったんでしょうが、実験としてはあまりにも単純。“マイキット”の時もそうでしたが、こんなん、150種類のうちのひとつに数えるなよ!…と思わずにはいられません。基本は大切だね。…というのもワカランではないんですが、もうちょっとこう、学童・児童の興味をソソるような回路を考えて貰わないとぉ。その点で言うと、No.12 の“エレクトロニックすいみん機イヤホン式)”というのはいいですね。名前が物凄く大層なところがいかにも子供だましで素晴らしいと思います。早い話がイヤホンから“雨だれ”みたいな音が聞こえてくるという、ただそれだけの話なんですが、それを“エレクトロニックすいみん機イヤホン式)”…の名付けるあたり、実にこう・・・・・・・・・・・・、あっ。“雨だれ”の音につられて思わず居眠りしてしまいましたが、“リードブロック”の絶対数が不足している関係上、“抵抗ブロック”や“ダイオードブロック”のデバイスが接続されてない端子を“リードブロック”の代用にする…みたいなギミックもあって、回路的には本当に汚いものになっちゃうのが難点。その点、実際に部品をリード線で接続していく方式の“マイキット”のほうが実践的な意義があると思います。ま、“電子ブロック”のほうはパズル感覚で何気に電子回路も学べちゃう…みたいな軽い気持ちで取り組んだほうがいいかも知れませんね。

 で、ここでジミー・クリーブランドという人のプロフィールを紹介しておこうと思うんですが、参考資料はCDの日本語ライナーです。大村幸則クンが書いております。えーと、初レコーディングを体験したのが1950年、以後、もっぱらオーケストラ畑で活躍してきた…と。簡単に言えばそういうことになりますね。リーダー作としては本作を含め、エマーシー&マーキュリー系計4枚。以上。…という、とっても地味な存在の人であるようです。サイドマンとしては、『ギル・エヴァンスの個性と発展』 なんかに参加しているようですね。ということで、1曲目です。 「アウト・オブ・ジス・ワールド」1945年にハロルド・アーレンが作曲、ジョニー・マーサーが作詞した同名映画の主題歌で、ジョン・コルトレーンのハードな演奏でも知られている。ソロをバックにホーン・アンサンブルを配すなど4本の管楽器を生かしてリトル・ビッグ・バンドといった趣を生み出していくウィル金子…って、絶対そう変換すると思ってましたが、ウィルキンスの編曲が印象深い。…と、大村クンが日本語ライナーに書いている通りの演奏だと僕も思います。…って、いきなり“手抜きモードばりばり全開”という感じでありますが、だって昨日(12月5日)は忘年会だったし、明日はスキーの予定だしぃ。ヤル気皆無。…というのが今日の僕の実情です。ちなみにお泊まり忘年会は長良川温泉の“岐阜グランドホテル”ということろで行われたんですが、いやあ、温泉でしたなぁ。かなり茶色っぽくて鉄サビっぽい泉質でありまして、飲むと下痢しちゃうのがネックなんですが、もし浴槽の中で下痢便を漏らしちゃったとしても、気付かれにくいのがポイントではなかろうかと。で、“岐阜グランドホテル”はとってもグランドでありました。何より、部屋まで案内してくれたお姉さんがとっても可愛かったのがよかったと思います。宴会の時の仲居さんは娘から貰ったというキティちゃん腕時計をしていたりして、そういうところもとってもよかったと思います。で、 「アウト・オブ・ジス・ワールド」 でありますが、テンポはミディアム・ファスト、リズムはラテン。テーマ部のアレンジはボントロ主体の主旋律にホーン・アンサンブルが絡む感じ。で、サビの部分はかなり複雑なアンサンブル。AABA形式の“最後のAの部”は“最初と2回目のAの部”とはアレンジを変えていて、いやあ、ウィルキンスの編曲センスが冴えますなぁ。で、ソロ先発はファーマー。大村クンの指摘どおり、ホーン・アンサンブルが絡んでおります。もう、絡みすぎぃ。…と言いたくなるような感じでありまして、それは続くクリーブランドのソロのバックでも同じ。で、ゴルソンをフィーチャーしたパートがあって、テーマに戻って、おしまい。全体的にアレンジがキツ過ぎてアドリブ軽視のケーシー高峰、結果的にジャズ的スリルに欠ける嫌いがあるな。…というのが、さほど面白く思えない要因ではなかろうかと。

 2曲目、 「オール・ディス・アンド・ヘブン・トゥー」 。ジミー・ヴァン・ヒューゼンの曲だそうです。僕、好きなんですよね、ジミ・ヴァン。…と思って期待していると、ま、確かにヴァン・ヒューゼンらしい作りの曲ではありますな。テンポはミディアム・スロー、アレンジはゴルソン。でもって、アンサンブルはかなりコテコテの金コテ仕上げ。…って、このところ建築屋さんと一緒に仕事をすることが多いので、こういう用語も使えるようになってきたんですが、要するにお盛んな左官屋さんが金コテを使ってモルタル塗りの表面を平らに仕上げる作業のことを“金コテ仕上げ”というんですよね。で、僕は先日、マイ・ハッカーを駆使して、差し筋作業に奔走してまいりました。“差し筋”というのはアレです。鉄筋を差す。あるいは、差された鉄筋。そういった作業もしくは状況を示す言葉なんですが、要は“餅網状2段構え”に組まれた鉄筋に対し、縦方向にコンクリートから飛び出すように差された鉄筋とでも申しましょうか、言葉で説明するのは難しいので写真で表現してみると、 こんな感じ。3箇所をきっちり結束しておけば雄々しく屹立するんですが、2箇所だけだとすぐにフニャっと曲がってしまって、不甲斐ないことこの上なし。結果、コンクリート打設の際に土建屋のおっさんに蹴倒されまくってタイヘンでありました。足首まで生コンに埋まった状態で“差し筋修復”に明け暮れる羽目になって、左官屋の兄ちゃんに邪魔臭そうな目で睨まれたりしましたが、土建屋が蹴倒すからアカンのやて!…ということで、「オール・ディス・アンド・ヘブン・トゥー」 のアレンジがコテコテ。…というところまで話が進んでいたと思います。別の言い方をすれば、分厚いアンサンブル…と褒めることも出来ようかと思いますが、ソロ先発はゴルソンですかい。ちなみにこのアルバムでゴルソンがアレンジを担当しているのはこの1曲だけなんですが、ソロの出来自体に関しては可もなし、不可もなし。続くファーマーのソロのほうが出来はいいですな。で、3番手のクリーブランドもそれなりに頑張っていて、アドリブ・パートではホーン・アンサンブルもわりかし控えめだったりしてジャズ的な魅力という点ではこの2曲目のほうがマシなんですが、あ、短いながらもケリーのソロも聴けたりして、全体的にはまあまあかな?…といったところですかね。

 ということで、タイムリミットまであと1時間。明日は朝の4時に起きるとして、今夜は9時には就寝したいところなんですが、“スキー場ガイド”のコーナーも日曜日を前に更新しておきたいですしね。ということで、先を急ぎます。3曲目は 「ポスタリティ」 。イギリスの作曲家、トレヴァー・ダンカンという人の作品なんだそうですが、小粋な歌モノ…といった感じの洒脱なナンバーでありますな。ウィルキンスのアレンジもくどくなく、冴えております。で、ソロ先発はファーマーのミュートなんですが、そこにチューバの低音とホーン・アンサンブルが絡んでくるあたりが小粋でいて、洒脱ですな。この曲は小粋洒脱。この2フレーズ・クリティクスで押し通そうと思いますが、その後、ゴルソン、クリーヴランドとソロが続きます。バックのアレンジが小粋で洒脱です。それでいて、えーと・・・、いや、どうでもいいボケを考えているだけの余裕はありませんな。その後、テーマに戻って、おしまい。続いて4曲目は 「ロング・アゴー・アンド・ファー・アウェイ」 。中学・高校時代、アゴの長いルックスの少年というのは必ず“ロング・アゴ”というあだ名で呼ばれることになるわけですが、あまりにも常軌を逸して長い場合には、“超ハイパー・ウルトラ・スーパー・ストロング・ロング・ロング・アゴ”とか。あ、この辺りのテキストは英語関連なので、ロンドンのジャック君にもわかって貰えたかも知れませんね。いや、英語といっても丸っきり、ただのカタカナなんですけどね。で、業務多忙につき掲示板のレスを書く暇もないので、かれい技士の“冬場に入って、やはりアクセス解析ではスキー関連がトップを独占しているのでしょうかね?間違っても「ぱんつ」とか「女子高生」ではないと思いますが。”…という質問にこの場をお借りして答えておくと、ここ最近1週間の検索ワードを見てみると、“勝手にしやがれ”というのが 554P で、断トツ。続いて“歌詞”というのが 358P で第2位。第4位には“沢田研二”が 139P で入っていて、いや、どうしてこんな言葉が上位を占めているのか、理解に苦しみます。スキー場関連では“スキー場”“オープン”“スキー場オープン”というのが8位までに入っておりますな。で、“女子高生のパンツ”が13位、“女子高生”が15位、“パンツ”が22位で、“スキャンティ”が24位。コーナー別ではとっくに連載が終了している“レッツ・プレイステーション”が意外と検討していて、2210アクセス、全体では1週間で 16017アクセスと、かなり頑張っております。あとは訪問者の性別年齢層…なんてデータが分かればいいと思うんですが、今のシステムではそこまでは無理でありましょうな。ま、読んでくれているのは、おっさんばっかりやん!…みたいな結果が出ても嫌なので、ま、“知らぬが仏”ということで。で、「ロング・アゴー・アンド・ファー・アウェイ」 でありますが、ジェローム・カーンの作曲で、アイラ・ガーシュインの作詞。で、どこかで聴いた曲だと思ったら、チェット・ベイカーヴォーカル・ヴァージョンなどでも知られており…という解説で納得。ソロ・オーダーはジミ・クリ、ファーマー、ケリー、ゴルソンですな。アドリブにホーン・アンサンブルが絡んで、アレンジ的にはとっても洒脱。

 5曲目はアーニー・ウィルキンスのオリジナルで、 「ア・ジャズ・バラード」 という曲です。これだけ作編曲家としての才能を持ち合わせておりながら、曲のタイトルを付けるセンスが無さ過ぎぃ。というか、そのまんま過ぎぃ。で、曲のほうはタイトル通りのジャズ・バラードでありまして、クリーヴランドのトロンボーンが主導する主旋律にホーン・アンサンブルが絡むアレンジがとってもお洒落ですな。いや、あまりに小粋で洒脱…を連発するのも何なのでちょっと変えてきたんですが、言ってることは一緒ですね。でもって、ここではケリーのソロが実にいい味を出しております。ということで、残り2曲。「ジミーズ・チューン」ジミー・クリーブランドのオリジナルです。トロンボーン奏者としての腕前はなかなかなのに、曲のタイトルを付けるセンスが無さ過ぎぃ。というか、そのまんま過ぎぃ。で、曲のほうはタイトル通りのジミーのチューンでありまして、トロンボーンがリードし、テューバがそこにカウンター・メロディを付けていくというテーマの展開がユニーク。…と大村クンが書いている通りの演奏が展開されます。ソロの順番はジミ・クリ、ゴルソン、ファーマー、ケリーです。ということで、ラスト。「グッドバイ・エベッツ・フィールド」 はウィルキンスのオリジナル。出だしの部分は地味で陰気です。が、テーマ自体はファンキーでグルービー。ま、そういった曲でありますな。ということで、おしまい。

【総合評価】

 いやあ、後半の3曲は完璧にヤル気喪失状態でしたね。全体的にはアレンジ重視のカバヤのジューC。…といった感じなんですが、いや、けっこう好きなんですけどね、ジューC。少なくとも兵六餅よりは好きですね。…って、そんなものと比べること自体、間違っているような気もするんですが、アドリブ命!…みたいな演奏を期待していると、ちょっぴり肩透かしを食らったような気分になって、後半3曲でヤル気をなくす。ま、そういった1枚ではありますな。


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