THE KING AND I (SAVOY)

WILBUR HARDEN (1958/9/23,30)

THE KING AND I


【パーソネル】

WILBUR HARDEN (tp) TOMMY FLANAGAN (p) GEORGE DUVIVIER (b) G.T.HOGAN (ds)
【収録曲】

GETTING TO KNOW YOU / MY LORD AND MASTER / SHALL WE DANCE / WE KISS IN A SHADOW
I HAVE DREAMED / I WHISTLE A HAPPY TUNE / HELLO , YOUNG LOVERS / SOMETHING WONDERFUL

【解説】

 今年もまた誕生日3月19日)が近付いてまいりました。いや別に、ぎゃる系読者に「おめでとぉ♪」を言って欲しいとか、プレゼントに“電子ブロック”を買って欲しいとか、エルヴィン・ジョーンズに「さばのバースデイ・マーチ」という曲を書いて欲しいとか、そういった下心があって誕生日の日付を強調文字にしているわけではなくてですね、僕はその日をちょっぴり憂鬱な気分で迎えようとしております。…といっても別に大した話ではないんですが、運転免許証の書き換えに行かねばならんのですよね。免許を持ってなくて、年齢確認装置付きの自動販売機で“すけべグッズ”を買うことが出来ず、やむをえずスイスまで行って“ピンク・ゴッド”を買ってきてしまった某レーザー技士にはわからないと思いますが、運転免許証には有効期限というものがありまして、何年かに1度、更新手続きというのをしなければならないという、そういうシステムになっているんですよね。で、運転免許証の有効期限は長らくの間、3年間ということになっていたんですが、10年ほど前からでしたか、優良なドライバーに限って、有効期限を5年間にする。…というふうに制度が改正されました。いわゆるゴールド免許証というやつですな。個人的には運転免許証に有効期限など必要なく、オカマを掘って自分のクルマと相手のクルマを廃車にしちゃったり、俳人の爺さんを撥ねて廃人にしちゃったりといった重大な事故でも起こさない限り、更新手続きなどしなくてもいいのではないか?…という気がしないでもないんですが、5年もの間に道路交通法が改正されていたり、視力が落ちていたり、精力が減退していたり…といった社会的、及び肉体的な変化が生じている可能性がありますので、ま、やむを得ないかな。…という気もするんですけどね。で、5年間ならまだ許せるんですが、優良でないドライバー、すなわち不良ドライバーの免許の有効期限が3年間というのは、ちょっと短すぎるんじゃないですかね?かく言う僕は今まで一度も“ゴールド免許証”というのを貰ったことがなくて、いままでずっと3年ごとの更新を余儀なくされているんですが、いや、3年間のうちに必ず1回だけ捕まるんですよねー。3年の間に2回以上捕まったことはないんですが、1回も捕まらなかったことはない。…という、微妙なバランスの上にこれまで約15年間のドライバー生活を営んできた次第でありますが、ではここで、過去の3回の“捕まり具合”を簡単に振り返ってみましょうかね?

 えーと、あれは今から6年ほど前のことでありましたか。僕はシゴトで三重県の海山(みやま)町というところを走っていたんですが、桑名から延々と150キロほどの距離を走り続け、現場まであと数キロ…という時点までやってきたところで、いきなりおまわりさんに捕まりました。容疑はスピード違反でありました。俺、スピードなんかやってねーよぉ。やってるのはマジックマッシュルームだよぉ。…と言っても許してくれませんでした。ま、捕まったこと自体は交通ルールを守らなかった僕が悪いんだから仕方がないんですが(←心にもないオトナの態度)、僕を捕まえた途端に警察の人達がそそくさと店じまいを始めたのには、ちょっとムカっとしましたね。ちょうど昼の12時を少し過ぎた時間帯だったんですが、「今日、何人ゲットしたの?」「えーと、29人でっす。」「ノルマまであと1人かぁ。じゃ、あと1人“カモ”を捕まえたところで引き上げて、メシにするぅ?」「今日はウドン屋にしましょうか?」「あ、じゃ、俺、鴨南蛮♪」…などという会話をしている時に、運悪く僕が通りかかったんでしょうね。普段なら「見逃してもいいかな?」と思われるような19キロオーバーなどというチンケな速度違反であったにも関わらず、警察官が早く鴨南蛮を食べたいがために僕が犠牲になったようなものでありまして、まことに遺憾だと思わざるを得ません。これはいかんことだと思います。嫌がらせで、取調べで思いっきりゴネまくって、鴨南蛮タイムを1時間くらい引き伸ばしたろかい?…とも思ったんですが、僕も腹がへっていたので大人しくサインしちゃいましたけどね。しかし、こんなことならドライブイン紀州路で便所に行っておくべきでしたなぁ。いや、“紀州路”で便所に行こうかな?…と思ったんですが、もうちょっと先の尾鷲ドライブインまで我慢するかぁ。…と思い直してちょっとスピードを速めた矢先の出来事でしたからね。僕の類稀なる忍耐力の強さが裏目に出てしまったわけでありますが、いや、“紀州路”は半分潰れかかっていて便所がクソ汚いのでヤメにしたんですが、これからは汚い便器にもメゲない強靭な精神力を身につけなければならないなぁ。…と、しみじみ実感してしまった出来事でありました。おしまい。

 で、続いては31歳の秋であります。軽井沢でシゴトをしていて白馬を経由して帰る途中、いきなりおまわりさんに捕まりました。容疑はスピード違反でありました。僕を捕まえたのは宮嶋歩であります。この憎いオトコの名前は今でも忘れることが出来ませんが、何せこのコーナーでも以前、“宮嶋歩を激しく糾弾する”という原稿まで書いちゃったほどですからね。ちょっとスピード出したくらいで、いちいち捕まえるな!…と言いたくなりますよね。ちなみに僕は決して無謀なスピードを出したりしない、とっても優良なドライバーでありまして、例えば高速道路でも平均時速は80キロをキープしております。僕はカーナビの“到着予定時刻”の算出基準として高速道路の時速を80キロに設定しているんですが、距離にして200キロくらい走っても到着予定時刻は“±1分以内”しか変動しませんもんね。我ながら見事な安全運転&経済運転だと思わざるを得ませんが、ま、一般道路ではクルマの流れに合わせて走っていると、どうしても20キロや30キロくらいの速度超過はしちゃいますけどね。よくクルマが落ちることで有名な堤防道路など、制限速度50キロのところを90キロくらいで走っておりますが、あんなところを60キロくらいで走っていると後ろから思いっきり追い抜きをかけられて、かえって危険を誘発することになっちゃうので、これはまあ、“善意のスピード違反”といったほうがよいでしょう。 僕を追い抜いていったクルマが対向車線を走ってきたトラックと正面衝突して、炎上して、運転手が黒焦げになったりしたら、自業自得とは言え、ちょっと寝覚めが悪いですもんね。でもまあ、この道路はクルマを脇にとめて取調べをするだけのスペースもないので、いくら飛ばしても大丈夫ではなかろうかと。対照的に注意しなければならないのは南濃大橋を渡ってタマゴの自販機のところを左折して名神の羽島ICに至る町道でありますな。最近、インターの直前のところでよく“ねずみ捕り”をやっております。対向車がパッシングして知らせてくれたので助かったんですが、あそこはスピードを出しやすいところなので要注意ですな。まわりはタンボでクルマを脇にとめるスペースも腐るほどあるしぃ。で、幸いにもこの3年間はスピード違反で捕まったことはなくて、今度はいよいよ“ゴールド免許証”?…と思っていたんですが、あ、思い出しました。そういえば1年ほど前に、信号無視で捕まりました。これもほとんど「ハメられた。」と言ってもいいような状況だったんですが、この件に関しましては ここ に詳しく書いてありますので今回は言及しませんが、そういえばこんなコーナーもあったんですなぁ。。。

 で、おとり捜査とはいえ、この信号無視の件があったので“ゴールド”は無理やろな。…と諦めてはいたんですが、三重県公安委員会から届いた“運転免許証更新手続きのお知らせ”というハガキを見て、愕然としましたね。“優良運転者”は無理としても、“一般運転者”として地元の警察署で形式だけの講習をチャチャっと受けたら、終わりやろ。…と思っていたんですが、何と“違反運転者”扱いされておりました。スピード違反で捕まった時は“一般運転者”だったのに、それよりも罰金が安くて、実質的には何の危険性もなかった信号無視もどきで、“違反運転者”。これはもう、アフタヌーンショーの“納得いかないコーナー”で取り上げてもらうより他はないほど、納得がいきませんな。“優良運転者”と“一般運転者”は地元の警察署で更新手続きと講習が受けられるんですが、“違反運転者”の場合は津の運転免許センターまで行かなければなりません。おまけに講習手数料を1700円払って、120分もの講習を受けなければならんじゃないかっ!どうしてくれる、深山征夫!…と、なんだか非常にムカついたので今回は本名で、しかも強調文字で糾弾してしまいましたが、 面倒くさいですなぁ、津まで行くの。そういえば嘉門達夫「替え唄メドレー」に、ようこそ三重へ、津っ津津っ津♪…という、「私の青い鳥」の替え歌がありましたが、同じく「替え唄メドレー」にあった、洗剤、箱、2杯〜♪…という渡辺真知子の「迷い道」の替え歌はちょっとおかしいと思うんですよね。洗剤、箱、2箱ぉ〜♪、もしくは、洗剤、箱、スプーン2杯〜♪…というのが正しい日本語ではないかと思うんですが、それにしても違反者扱いされるのはどうにも納得がいかず、冤罪、過去、2回ぃ〜♪…という気がしてなりませんね。ちなみに過去2回の冤罪のうち、もうひとつは僕が小学校の時に起こった“平和の鐘料金着服事件”でありまして、昔、あったんですよねぇ、“平和の鐘”という名前の鉛筆が。この鉛筆を買うと、その収益の一部が原爆絡みの平和活動資金として利用されるというので、学校で半強制的に買わされるシステムになっていたんですが、その料金徴収係を僕がやったことがあるんですよね。が、当時はとっても性格がいい加減で、机の引き出しの中も破局的に汚かった僕はみんなから集めた鉛筆代をどこかにやってしまって、いや、あるいは意図的に着服して“イヨさん”で銀矢サイダーを飲んだり、味カレーを買う料金に流用したんだったもしれませんが、とにかくまあ、紛失してしまったと。で、“平和の鐘”担当教師から「お金はどうした?」と追及されることになったんですが、幸いにもその教師がちょっとボケかかっていたので、「ほら、3日前にセンセに渡したじゃないですかぁ!」と強引に言い張って、「あれ、そうだったっけ?」ということになって、着服問題はうやむやのうちにどうにかなっちゃいました。…という事件なんですが、あ、“過去のアヤマチ”として心の奥に抑圧してすっかり忘れ去っていたのに、書いているうちに思い出してしまったじゃないですか。迷宮入りになってしまった“修学旅行須磨水族館禁止土産購入事件”同様、犯人は僕だったのか!?…という意外な展開に自分でもびっくりしているところでありますが、結局、「生徒から預かったお金を紛失もしくは着服してしまった。」ということにされてしまったフジタ先生、どうもすいませんでした。ま、コドモのやったことですんで、大目に見ろって。(←態度がでかい上に、反省の色なし。)

 ということで今回の“違反者講習”は過去の罪の報いとして、黙って受けることに致します。

 ということで、今日はウィルバー・ハーデンです。で、洗剤、箱、2杯♪…に関連する話題でありますが、僕は昨日、石鹸を配って回っておりました。いや、岐阜県の平田町というところでマンポンの工事をすることになったんですが、車両通行止めにする必要があるので、近隣地区の住民に挨拶に行ったほうがいい…というんですよね。マンポン技士のタケムラ君から「スーパーで台所用の洗剤を買って来て、近隣に挨拶に行ったほうがいいっすよ。」…と忠告されたんですが、面倒なのでシカトしようと思っていたところ、役場の担当者からも「近所に挨拶したほうがいい。」と言われたので、仕方なく挨拶回りをしました。が、台所用の洗剤はヤメました。ほら、ああいうのって各家庭によって“贔屓の銘柄”が決まってますよね?ウチは先祖代々から“ママレモン”と決まっているの。…とか、“チャーミーグリーン”じゃないと、ヤなの!…とワガママをいう奥さんとか。で、“チャミグリ派”のママのところに“ママレモン”を持っていって、「まあ、どーもすいません。」と、ちっとも嬉しくなさそうな口調で言われ、で、工事をしている時にそばを通りかかって、「あらあ、まみちゃん。あんなところでウンコの工事してるわぁ。ばっちぃから近付いたら駄目よぉ。」などと言われたら僕としても立場がないですもんね。そこでまあ、銘柄にさほどこだわりがなくて、無難なところかな?…と思って石鹸が3つパックになっているやつを持っていったんですが、みんな気持ちよく受け取ってくれて、まずはよかったです。若奥さんとか、お留守番の女子高生とかと話が出来るチャンスかも?…とかすかに期待してたんですが、そのような出会いはまったくと言っていいほどありませんでした。ま、期待した僕がバカでしたね。で、気がかりなのは留守で挨拶の出来なかった家が何件かあったことなんですが、そのうち朝日新聞の投書欄に「岐阜市の某うんこ業者は、工事の時にウチだけ石鹸をくれなかった。」などという投稿が掲載されるかも知れませんね。ま、その場合には、「ほら、3日前に渡したじゃないですかぁ!」と強引に言い張って何とかその場を凌ごうと思っておりますが、ということでウィルバー・ハーデンです。えー、この人に関してはですね、まったくもって知識を持ち合わせておりません。50年代にサヴォイに何枚かリーダー作を残しておりまして、僕もそのうちの何枚かを持っているんですが、いずれもジャケットには本人が登場しておりませんので、どんな顔をしているのかすら知りません。ということで、『ザ・キング・アンド・アイ』です。いってみましょう。

 えー、『ザ・キング・アンド・アイ』と言われてもあまりピンとこないかも知れませんが、日本語で『王様と私』…と言うと馴染みがありますよね。ああ、『王様と私』ね。『王様と私』と言うと、えーと…、何だかよくわかんないんだけど、とにかく『王様と私』よね。…という程度には知られていると思います。僕もその程度の知識しか持ち合わせていないんですが、ジャケットには「ザ・ヒット・ミュージカル、ミュージック・バイ・リチャード・ロジャース、リリックス・バイ・オスカー・ハマースタイン2世」と書いてありますので、そういうことなんでしょう。しかし何ですな。このアルバムのジャケットも、いかにもサヴォイ盤らしく、地味で変ですよね。地味で変。略して“ジミヘン”なジャケットがこのレーベルの特徴なんですが、こんなもの、演奏を聴く前にジャケットを手に取った時点でパスされちゃいますよね。ましてやリーダーが素性のよくわからんウィルバー・ハーデンではセールス的にはまったく何の期待も出来ないわけでありますが、そこのところを懸念してか、日本盤CDではウィルバー・ハーデンとトミー・フラナガンの双頭コンボみたいな扱いになっておりますな。ま、ピアノにトミ・フラが入ってたところで売り上げが飛躍的に増大するとも思えんのですが、ま、地味極まりないウィル・ハデの名前だけを前面に出すよりはまだマシであろうかと。で、ハーデンのアルバムと言うと、コルトレーンなどの参加したジャム・セッション風のものが頭に浮かぶんですが、本作はハーデンのワン・ホーンとなっております。ますます中身が地味化していることが懸念されますが、ま、彼のトランペットをじっくりと聴くにはいいかも知れませんね。ということで、では1曲目から聴いてまいりましょう。

 えーと、まずは「ゲッティング・トゥ・ノー・ユー」ですか。この『王様と私』というミュージカルはわりと名前が知られているわりに、これといったスタンダードが生まれていないような気がするんですが、これもよく知らん曲でありますな。が、作曲者はリチャード・ロジャースであります。大ハズレはないと判断していいと思いますが、これもなかなか可憐な曲でありますな。で、演奏内容について触れる前に『王様と私』というミュージカルがどのようなものであるかを説明しておくとイメージもわきやすいかと思いますが、というか、そうでもしないと後半の原稿の間が持たないような気がするんですが、えーと、『王様と私』。1860年代のバンコク。夫に先立たれたイギリス人女性アンナは、息子と共に封建的なシャムの国にやってくる。王室の子供たちの家庭教師に雇われたアンナは王室に文明の息吹を吹き込もうとするが、しきたりを重んじる頑固なシャムの王様と対立してしまう。二人は衝突を重ねながらも交流を深めてゆき、やがては愛し合うようになる…と。あ、なるほど。だからジャケットのイラストがタイ風なんですな。で、マーガレット・ランドンは、アンナ・レオノーウェンズの日記『The English Governess at the Siamese Court』を基にして小説『Anna and the King of Siam』を執筆。ランドンの小説は、20世紀フォックス社が46年にレックス・ハリスン、アイリーン・ダン、リンダ・ダネールの主演で『アンナとシャム王』として映画化する。この映画に感銘を受けた作曲家のリチャード・ロジャースと台本作家のオスカー・ハマースタイン2世は、この作品をステージ・ミュージカルとしてリメイクする事を思い立つ…とあります。『王様と私』というタイトルには今ひとつソソられるものを感じないんですが、『アンナとシャム王』でも似たようなもんですね。何だか梅宮アンナと羽賀研二の顔しか浮かんできませんもんね。ここは大人しく原題のまま『ザ・キング・アンド・アイ』としておいたほうがいいような気がしますが、で、1曲目の「ゲッティング・トゥ・ノー・ユー」でありますが、なんともまあ、ソフトな演奏でありますな。トランペットのワン・ホーンというとケニー・ドーハムの『静かなるケニー』が日本では人気が高いんですが、あれに似たような雰囲気があります。ピアノも同じトミ・フラだしぃ。ただ、あのアルバムにそこはかとなく感じられるファンキーさはハーデンの演奏からはあまり感じられず、よくも悪くもミュージカル曲集だなぁ。…というところはありますね。ただ、ハーデンの吹くトランペットのトーンは伸びやかでありまして、日本語ライナーで小川隆夫クンが指摘しているマイルスからの影響も感じられます。月の家円鏡からの影響は感じられません。で、トミ・フラのピアノ・ソロをツボを押さえておりまして、実に無難な仕上がり具合でありますなぁ。

 ということで、2曲目です。「マイ・ロード・アンド・マスター」です。ゆったりしたテンポのバラードでありまして、しばらくピアノ・トリオによる演奏が続きますが、これが実にいい感じです。先日、裏本サイトからダウンロードした“すけべ画像”を整理しておりまして、やっぱり『イイ・感じ?』という裏本のモデルはそれほどイイ感じではないなぁ。…という感を新たにした次第でありますが、作ったほうとしてもあまり自信はなかったんでしょうな。『イイ・感じ?』…ってクエスチョンマークがついてますもんね。が、それはともかくとして、ここでのトミ・フラのプレイは“?”抜きでいい感じです。デュビビエのベースも効いてますね。で、やがてハーデンが入ってきて綺麗なテーマを吹くわけでありますが、いや、心に染みるメロディでありますな。僕は今、下唇に口内炎が出来ておりまして、お昼に食べたカレーうどんのツユが染みて、半泣きになっちゃいましたが、それに次ぐ本日2度目の落涙でありました。ストレートに旋律をなぞるだけでアドリブらしいアドリブもないんですが、そこがまた悪くないんですよね。余計なことをしてくれなくて、ホントによかった。…という感じですね。で、この曲に関する感想は以上でありまして、で、3曲目はこのミュージカルで最もポピュラーだと思われるナンバーです。「シャル・ウイ・ダンス?」です。先ほど、僕が勝手に引用させていただいたサイトでも、世界中で大ヒットした周防正行監督の邦画『Shall We ダンス?』(96)で効果的に使われていた名曲…と紹介されておりますが、僕はこの映画を見たことがないので、果たして本当にこの曲が効果的に使われていたのかどうか、サダカではありません。この曲自体、聴いたことがありません。で、ハーデン版の「シャル・ウイ・ダンス?」はジョージ・デュビビエのピチカート・ソロで幕を開けます。この部分、とってもジャジーですね。で、ハーデンが出て来てテーマを吹くわけですが、曲自体はわりと普通ですな。特筆すべき点はこれといって無いような気がするので先に進もうと思いますが、4曲目は「ウイ・キス・イン・ア・シャドウ」という曲です。僕たちは車道でキスをした。…という意味でしょうか?そんなことしていたら、きっとクルマに撥ねられると思います。もし、僕がそのような場面に遭遇したとしたら、間違いなく撥ねます。どうせ違反運転者なんだから、この際、気兼ねなく撥ねます。で、曲そのものはバラードですね。ハーデンがイントロの一節を吹いて、テーマと思われる部分はピアノ・トリオによる演奏となっておりますが、なるほど、これだと日本盤CD販売の担当者が思わずトミ・フラの名前をクレジットしたくなる気持ちもワカランでもないですね。が、すぐにハーデンが登場してテーマと思われるメロディを吹き始めるので、これだけで思わずトミ・フラの名前をクレジットしちゃったのは、やはり目先の欲に目がくらんだと批判されても仕方のない部分もあろうかと。で、テーマに続いてトミ・フラのソロになるわけですが、これがじつにイイ・感じ?…でありまして、あ、ちなみに最近の僕のお気に入りは『ないしょ話』という本なんですが、再び登場するハーデンはストレートに旋律をなぞるだけでアドリブらしいアドリブもなくて、やはりジャズとして聴くにはちょっと物足りないですかねぇ?…と、A面の4曲を聴きおえて、だんだんそんな気もしてまいりました。

 ハーデンの奮起に期待して5曲目を聴いてみると、えーと、「アイ・ハブ・ドリームド」という曲ですか。今までと似たような感じですな。しかしこのミュージカル、シャム王国を舞台にしながら音楽的にはまったくと言っていいほどアジアン・テイストが感じられませんな。ま、アメリカ人の考えるアジア的音楽作品というのはたいてい失敗に終わるに決まっているので別にいいんですが、この曲でのハーデンはちょっぴりアドリブらしいものも聴かせておりまして、デュビビエのピチカート・ソロもあったりして、ジャズ的にはわりと評価の出来る作品に仕上がっておりますな。で、6曲目は「アイ・ホイッスル・ア・ハッピー・チューン」です。ぼくは口笛で幸せな曲を吹く。…というタイトルに相応しく、トミ・フラがイントロでメルヘン的なピアノを弾いているところが面白いですね。何だか聴いているほうまで心が少年時代に戻っていくようですね。裏本サイトを見るオトナなんて、心が穢れてるよ。…と思ってしまいますよね。そういうオトナにはなりたくないものですよね。で、ハーデンのプレイはミュートを使っていることもあって極めてマイルス的でありまして、えーと、書きたいことはそんだけです。7曲目、「ハロー・ヤング・ラバーズ」…って、あ、これは有名なナンバーですね。“ヤン・ラバ”の略称で知られるスタンダードでありますが、こんな曲でしたっけね?このアルバムは何だか似たような曲ばかりでありまして、ちっとも印象に残りませんね。ハーデンの更なる奮起に期待して最後の曲にいきたいと思いますが、「サムシング・ワンダフル」何か素晴らしいもの…という意味ですかね?これはですね、シャムの王様がヒロインのアンナに「何か欲しいものはないかい?」と尋ね、それに対してアンナが「何か素晴らしいものが欲しいわ。」と答え、王様が彼女のために鋳物製のサバみたいな魚の置物をプレゼントして、「何か“サバらしい鋳物”じゃなくてぇ!」とアンナがツッコミを入れるという、ミュージカルのクライマックスの場面で歌われたナンバーではなかろうか。もしそんなシーンがこのミュージカルのクライマックスだとしたら、これはもう、どうしようもない駄作であると言い切らざるを得ませんが、こんなネタしか思いつかないようでは、僕のスランプからの脱却もまだまだ先のことでありますなぁ。。。

 ということで、今日はおしまい。

【総合評価】

 勝負は最初の2曲だけ…といった感じですね。その後はダレます。非常にダレます。おかげで後半の曲解説は極めてヤル気のないものになっちゃいましたが、今日、床屋でくれたチョコボールはキャラメル味ではなくてピーナッツ味だったので、ま、よしとしておきましょう。あ、オモチャのカンヅメが“夢カン”という新しいシリーズになったんですな。ま、ハズレちゃったからどうでもいいんですが、ハズレの黄色いくちばし5枚で、毎月抽選で“おでかけホルダー”があたるという新しい企画も始まったんですね。ハズレばっかりぢゃん。…という顧客からのクレームを裁ききれなくなったんでしょうな。「チョコボールを入れて出かけよう!」って、そんな実用性のないグッズ、僕はいりませんけどね。いや、“サバらしい鋳物”もいりませんけど。


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