BIG BRASS (CANDID)

BENNY BAILEY (1960/11/25)

BIG BRASS


【パーソネル】

BENNY BAILEY (tp) PHIL WOODS (as,b-cl) JULIUS WATKINS (frh) LES SPANN (g,fl)
TOMMY FLANAGAN (p) BODDY CATLETT (b) ART TAYLOR (ds)

【収録曲】

HARD SOCK DANCE / ALISON / TIPSY / PLEASE SAY YES / A KISS TO BUILD A DREAM ON / MAUD'S MOOD
【解説】

 今日は鼻水について考えてみたいと思います。というか、鼻水以外のことは何も考えられない。…と言ったほうが正しいかと思いますが、いや、このところ花粉症の症状がとっても重篤なんですよね。あまりにも体調が悪いので早引きしようかと思ったほどなんですが、世間の人の花粉症に対する認識はまだまだ甘いのが実情のようでありまして、「花粉症がひどいので、早引きしようカナ?」と口に出したところ、まるで本気とは受け取ってもらえませんでした。こっちとしてはけっこうマジなつもりだったんですが、軽く鼻であしらわれちゃいましたもんね。昨日など、会社に戻ってくるなり鼻水がとまらなくなっちゃいまして、これはもう“クールで知的”が売り物の僕としては体面が著しく損なわれてしまう非常事態でありました。しかも悪いことに、前の日に床屋に行って“坊ちゃん刈り”にされていた上に、一日中ヘルメットをかぶっていたものだから、とてつもなく変な髪形になっておりました。会社に戻って便所に入って鏡に自分の姿を映してみて、思わず愕然としてしまいましたもんね。僕は“ヘルメット着用後の髪の乱れ対策”として、ペットボトルの空き容器に水を入れておいて、それをアタマに振り掛けて修復を試みるようにしているんですが、今回はそれもあまり効果がなかったようです。これならまだ、ヘルメットを被ったまま事務所でシゴトをしてたほうがよかったかも知れませんなぁ。…と思ってしまったほどです。で、見た目が変なだけならまだしも、とめどなく流れ落ちる鼻水にも苦しめられて、僕の席にあるゴミ箱はジトっと湿った鼻紙でいっぱいという、見た目にも爽やかさが著しく欠如した状態になってしまいました。これはもう、翌朝、OLさんがゴミを捨てる際に話題の中心になったに違いありません。「なに、このティッシュ〜。」「いなばさんの鼻水っ!」「わっ、きったな〜い!素手でさわっちゃったぁ。。。」とか何とか。いや、個人的には女子高生が鼻をかんだ“使用済みティッシュ”なら素手で触るにヤブサカでない。…というか、舐めてみてもいいかも知れない。…とすら思っているんですが、僕が鼻をかんだ“使用済みティッシュ”というのは、自分でもジカに触るのは嫌ですもんね。

 花粉症女子高生と言えば、以前、マスク処理された画像を元に戻すソフトを手に入れた時の話なんですけどね。早速、試してみようと思っていろいろな画像サイトを巡回してみたんですが、最近ではマスク処理を施したものより“モロ”のほうが断然多くて、なかなかコレといったものを手に入れることが出来ませんでした。最初からモロ見えでは、まったくもって意味がないですもんね。仕方がないので自分でモロ画像にマスク処理して、自分でマスクを外したろかい?…とも思ったんですが、それも何だかむなしいような気がするので、“女子高生 マスク画像”でサイト検索してみることにしました。期待に胸を膨らませ、ヒットしたサイトにアクセスしてみると、おおっ!花粉症の女子高生がマスクをしているイラストが!…というオチだったんですが、いや、期待した僕が馬鹿でしたなぁ。。。で、花粉症対策の基本中の基本は“花粉がたくさん飛びそうな日にはなるべく外出しない”ということなんですが、現場作業を生業とする僕にとっては、それは無理な相談でありまして。仕方がないから外ではマスクを付ける事にしておりますが、この際、カッコ悪いとか言ってる場合ではないですからね。で、今日もマンポン工事に際して、口にはマスク、頭にはヘルメット…といういでたちで交通整理のシゴトなどをしていたんですが、いや、なかなか楽しいんですよね、交通整理。何が楽しいのかというと、たまに女子高生とか女子中学生が通るのが楽しいです。無論、おばさんとか婆さんなんかも通るんですが、…というか、おばさんとか婆さんの類が圧倒的大多数なんですが、こちらが「すいませーん。」と頭を下げると、「ご苦労様でっす。」と労をねぎらってくれたりします。ねぎらってくれると、こちらとしても嬉しいわけです。僕ってネギトロとか、けっこう好きだしぃ。いや、“ねぎらう”と“ネギトロ”はちょっとだけ似てる?…という気がしたのでちょっと書いてみたわけなんですが、僕ってキューバのカストロ議長とか、けっこう尊敬しているしぃ。スカトロ…というのはあまり趣味ではないんですけどね。世間では“マンポン技士=スカトロマニア”だと勘違いしている人も少なくないようですが、決してそんなことはありません。別に好きでやっているわけではありませんからね。よって、例えばクルマを買ったときのご成約記念か何かで“スカトロの裏ビデオ”、“カストロの裏ビデオ”、“カステラの裏ビデオ”のうち、好きなものを1本プレゼント♪…というような企画があったとしても、“スカトロもの”だけはパスさせて頂こうと心に決めている次第でありますが、いや、“カストロの裏ビデオ”というのも全然いりませんけどね。すると、残された選択肢は“カステラの裏ビデオ”だけになってしまうわけでありますが、いや、カステラがたとえモロ見えだったとしても、それほど嬉しくはないような気もするんですけどねぇ。

 この販売促進キャンペーンは企画として失敗だった。…と言わざるを得ませんが、それはそうと、あれほど苦しめられた花粉症が、ここ数日はどういうわけだか随分とラクになっちゃいまして。もしかして、あまりにも一度に大量の花粉を吸いすぎて、免疫機能が麻痺しちゃったんですかね?あるいは、ありとあらゆる花粉症対策を施した結果、それが見事に実を結んだということなのかも知れません。では一体、どのような花粉症対策を実施したのかというとですね、まず最初にマスクの種類を変えました。今までは普通のガーゼタイプのものを使っていたんですが、それをザ・グレートサスケのマスクに変えようか?…と思ったんですが、そのような出立ちで交通整理をしていると近所の人から後ろ指を差されるような気がしたので、すんでのところで思いとどまりました。それにザ・グレートサスケのマスクは鼻と口のところが開いているので、花粉症対策にはあまり効果がないような気もしますしね。そこで、花粉症対策用のマスクというのを買って来ました。その選択はあまりにも“ひねり”が無さ過ぎるのではないか?…という批判のあることは重々承知しておりますが、この際、もはや“ひねり”とか“ボケ”といった悠長なことを言ってる場合ではないほど事態の悪化が切迫していたわけでありまして。ちなみにこの花粉症対策用のマスクというのはどういうものなのかというと、素材は不織布で出来ていて、鼻のところにワイヤーが入っていて、下はアゴのあたりまでくるようになっていると、ま、そういった構造をしているわけでありますが、これで顔の下半分を隙間なく覆い隠せるように設計されております。隙間がないから余分な花粉を吸い込んじゃう恐れがないわけでありますな。が、これだけでは今ひとつ心もとない気がしましたので、別売りのウェットフィルターというのを重ねて装着することにしました。ジトっと湿ったフィルタにはメンソールが含まれていて鼻がスースーすると同時に、花粉を化学的に粉砕する成分と言うのも含まれているというから、大したものではありませんかぁ。が、これでもまだ何だか心もとないので、小林製薬の“鼻スースー洗浄液”も併用しました。ネーミングがあまりにも安直すぎるところがいかにもコバヤシ的ではありますが、効果のほうはサダカではありませんな。ま、確かに鼻の穴にノズルを突っ込んで、霧状の“スースー物質”を注入した瞬間はそれなりにスースーするんですが、その後、鼻の穴の中にたまった液が鼻水みたいに垂れてきて、ただうっとうしいだけ。…という気がしないでもありません。やはりマスクとフィルタと“スースー”だけではまだ不安です。“スースー”以外に“キュキュ”も必要なような気がします。そこで広貫堂の“キュキュA”という薬を飲んでみることにしたんですが、いや、僕はコドモの頃から薬物に極めて弱いデリケートな体質でありまして、ヘンな薬を飲むとすぐに蕁麻疹が出ちゃうので、いくら花粉症がひどくても内服薬の類だけは今まで封印していたんですけどね。が、この際、背に腹は変えられません。多少、皮膚が痒くなっちゃうくらいのことは我慢しなければならないほど症状が重かったわけでありますが、で、1週間ほど前から“甜茶”まで試しているんですが、するとどういうわけだか症状がすっかり軽くなっちゃいまして。“キュキュ”の即効性か、“甜茶”の底力か、あるいは意外と“鼻スースー”がよかったのかも知れませんが、いずれにせよ、症状が軽くなって嬉しい限りでありますなぁ。今のところ、副作用の蕁麻疹も出てないしぃ。

 で、花粉症の罹患期には“のど飴”の類も欠かすことが出来ません。花粉症の症状はもっぱら鼻と目に集中しているようなんですが、僕の場合、意外と喉も痛くなっちゃうんですよね。特に鼻水の滴下を押さえるために鼻の穴にティッシュを突っ込んだ場合、行き先を塞がれた鼻水が喉のほうに流れ落ちて、そこで炎症を起こすような気がします。風邪の時はよくそうして喉が痛くなっちゃうんですが、花粉症でも駄目みたいです。ま、鼻水の立場としても伊達や酔狂で流れ落ちているわけではないので、無理矢理にその進路を阻まれると自棄を起こし、喉のところで反乱を引き起こすみたいなんですよね。で、必然的に“のど飴”の類が必要になってくるわけでありますが、最近では“花粉症対策”を銘打った商品も数多くなりました。昨日、コンビニで買った森永の“気分爽快!鼻トールメントールキャンディ”というのもそのひとつですが、いや、かなり刺激が強烈で、確かに鼻の通りはよくなるんですけどね。“鼻トールメントール”の看板に偽りなし…といったところでありますが、欲張って“甜茶エキス”まで配合したのが裏目に出たのか、かなり強烈にマズいです。子供ならまず確実に泣きます。大人でも半泣き状態になります。いや、あまりにもマズくて涙がこぼれるというわけではなく、メンソールの刺激があまりにも強すぎて思わず涙が出ちゃうんですが、いや、何だか目にまで染みてきちゃいますもんね。あるいは口の中で蒸発した刺激物質がマスクの隙間から漏れて、目を刺激しているのかも知れませんが、何だか顔の中を直(じか)に通って、鼻から目にまで刺激が伝わっているような気がします。特に僕の場合、「目から鼻に抜ける」と言われるほどのキレ者であるので、そういう事態は充分に考えられるわけです。で、今もその飴チャンを舐めながら半泣き状態でこの原稿を書いているわけでありますが、先日、つい症状が軽くなったので油断をして、マスクを外してしまったことがありました。マンポンの据付工事をやっている時はちゃんとマスクとフィルタとヘルメットで武装していたんですが、事務所に戻って、ま、部屋の中だからいいかぁ。…と思ってマスクを外して原稿書きを…いや、仕事をしていたところ、夜の11時過ぎになって症状が悪化しました。どうやら僕の場合、吸い込んだ花粉の量があるリミットを越えてしまうと、堰をきったように症状が出ちゃうみたいなんですよね。で、今まで、マスクをちゃんと装着してなかった頃は夕方5時くらいから鼻水が出始めたんですが、夕方までマスクをしていると、発症タイムが深夜までずれ込む。…ということが判明しました。何のことはない、“甜茶”も“キュキュ”も“スースー”もぜんぜん関係なくて、ただマスクで物理的に花粉を隔離していただけの話だったんですな。

 マスクを外すことはよくない。…そう悟った僕はパソコンから“マスク除去ソフト”をそっと削除したのでありました。おしまい。

 ということで、今日はベニー・ベイリーなんですが、しかし何ですな。昨日は焦りましたな。いや、例の“ナウでヤングなレンタルサーバ@ろりぽっぷ♪”なんですが、契約していたカード決済会社の職務怠慢とかで、料金の引き落としがうまく行なわれてなかったらしいんですよね。…というメールが届いた時点で、この会社、大丈夫なのか?…と心配になってしまいましたが、いや、所詮は従業員4人程度の合資会社みたいですからねぇ。で、とりえあずレンタルサーバ使用料金の支払いをカード決済以外の方法でやってもらえないか?…という話だったので、僕はとりあえず郵便振替というのを選んでみました。いや、僕はてっきり郵便振替の用紙を送ってくれるものだとばかり思っていたんですが、実際には郵便振替の口座番号が書かれたメールが届いただけだったので、大いに焦ってしまいましたな。僕は世俗の事情には極めて疎いので、用紙なしで郵便振替と言われても、いったいどうすればいいのかまったく見当がつかないわけでありまして。いや、銀行振替というのは34歳にして始めてチャレンジしてみて、見事に成功したという経歴があるんですが、郵便振替というのも似たようなものなんですかね?ただ僕の場合、郵便局に口座を持っていないというのがネックでありまして、でもどうやら銀行のATMからでも郵便振替が出来る場合もあるらしいという情報もあって、ま、とりあえずは支払い期限ギリギリまで放置しておいたんですが、先日、遂にそのタイムリミットがやってまいりました。で、僕は勇気を出してコンビニに併設された十六銀行のATMで郵便振替にチャレンジしてみることにしたんですが、えーと、メニューに“郵便振替”というメニューはないので、とりあえず“銀行振替”というのを選んでみてと。振替料金は消費税込みで5250円でありますな。で、続いて振込先を選択するメニューになったんですが、“十六銀行”と“十六銀行以外の金融機関”という2つの選択肢があったので、“以外”のほうを選んでみました。すると“銀行”とか“信用金庫”とか色々な金融機関の名前が出てきたんですが、肝心の“郵便局”というのはありませんで。やっぱり駄目かぁ。…と思って諦めようとしたんですが、どういうわけだか画面には“取り消し”というメニューがどこにも見当たらないんですよね。僕は大いに動揺して、おまけに悪いこと誰かがドアを開けて中に入ってこようとしたものだからますます気が焦って、思わず半泣き情態になってしまいましたがな。いや、“戻る”というメニューを選んでも“十六銀行”と“十六銀行以外の金融機関”を選ぶところまで戻るだけで、どうやらこの機械は一度“銀行振替”を選んでしまうと、どこかの口座に5250円を振り込まない限り、開放して貰えないシステムになっているようなんですよね。ま、5分間くらい何も操作しないで放置すれば“銀行振替”のメニューがキャンセルされ、カードが戻ってくるのかも知れませんが、外ではおっさんがイラつきながら待っているようだし、とてもそれが許されるような空気であるとも思えません。進退窮った僕は、とりあえず誰の口座でもいいから適当に金を振り込んで、とにかくこの場から離れようと意を決し、自分の知っている銀行と支店の名前を選んで、口座番号には適当に“0777777”という数字をインプットしました。この口座の持ち主は5250円という謎の入金があって大いに不信に思うだろうし、僕としては5250円の丸損なワケでありますが、今はそんなことを言ってる場合ではないっ!

 が、世の中には神サマっているんですね。僕が適当に入力した口座番号は“該当者なし”ということで取扱いはキャンセルされ、5250円の不当な出費を強いられることもなく、僕の手元には無事にキャッシュカードが戻ってきたのでありました。ということで、いや最近、後半に入ってからも“前振り”が長くなりましたね。取り上げる人があまりにも地味過ぎて、どうしても後半の間が持たないんだから仕方がないですよね。で、今日も地味です。ベニー・ベイリーです。あ、“ろりぽっぷ”のほうは郵便局に行って銀行振替の用紙に必要事項を記入して、窓口のお兄さんに提出したら、それで済みました。何もそんなに思いつめるほどの問題でもなかったんですなぁ。。。ま、人はこうしてオトナになっていくわけでありますが、で、今日は喜屋武でぃ土…って、まったく意味不明の漢字変換になっちゃいましたね。“キャンディド”と書きたかったんですが、“喜屋武”と書いて“きゃん”と読むんですかね?よく、活発なギャルのことを“おきゃん”と言ったりしますが、その“きゃん”ですかね?おきゃんなおかん…とか。で、今日はキャンディドの 『ビッグ・ブラス』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、このキャンディドというレーベルには独特のカラーがありますよね。マックス・ローチの 『ウイ・インシスト!』 、日本名 『僕たち、反抗しちゃうんだもんね!』 の路線…というと分かりやすいと思いますが、前衛的でシニカルで、ちょっぴり政治に走っている。そういうアルバムが脳裏に浮かんでくると思います。でも、だいじゃぶ。このベニー・ベイリーのアルバムは、ぜんぜんキャンディドらしくない作品に仕上がっております。何も恐れることはありません。ということで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 えーと、まずは「ハード・ソック・ダンス」という曲ですね。区員C…って、またしてもアホ極まりない変換になっちゃいましたが、クインシー・ジョーンズのオリジナルらしいです。いや、このところ、トランペットのワン・ホーンの地味ィなアルバムばかり聴いていたもんだから、この手のアンサンブル・サウンドが妙に新鮮に感じられますね。で、日本語ライナーを書いているのは、我らがヤックンこと寺島靖国クンでございます。あ、ヤックンと言えばですね、ジャズ系硬派サイト“カフェ・モンマルトル”のWebマスター、雲りん(←気安く呼ぶな。)が“塩鯖市場”の出品用にワーデル・グレイのCDやら、寺島靖国団扇やら、寺島靖国の本を用意してくれているそうです。いや、企画自体が潰れちゃいましたけどね、“塩鯖市場”。が、せっかくですので、もし御入用の方がおられましたらその場で黙って手を挙げてくださいね。場合によっては僕が仲介して貴女の手元に届けることも可能かもしれません。いや、僕はいりませんけどね、ヤックン団扇。ということで、1曲目の「ハード・ソック・ダンス」でありますが、いかにもクインシーらしい、ポップな感じの作品でありますな。…と、ここまで書いたところで鼻詰まりによる行き詰まりを感じて原稿書きを中断していたところ、いやあ、とうとう始まっちゃいましたね、イラク攻撃。イクラちゃんならいくら攻撃したところで「バブー!」と怒るだけの話で、ぜんぜんたいしたことはないんですが、イラクを怒らせるとちょっと恐いかも知れません。ヤケを起こして焼岳登山とかに踏み切っちゃうかも知れませんね。恐ろしいことです。ま、江畑謙介クンは喜んでいるかも知れませんが、今、僕が問題にしていたのはエバケンではなくてヤックンでしたね。で、ヤックンが、当時あぶない才能を有したクインシーのそろそろジャズから離れてポップの世界に入り込むきざしがよく見える曲と言ったらいいのか。…と書いている通り、どことなくポップな薫りのするナンバーでありまして、ベースのピチカートにピアノが絡むイントロがとっても洒脱でありまして、続く、少し大きめの編成によるテーマのアンサンブルが、とっても解脱しておりますな。基本的にはシンプルなメロディの2回くりかえし…という単純な構成なんですが、アドリブ・パートの最初にバディ・カレットのピチカートを持ってくるあたり、ちょっぴり考えたねっ。…という気がしますよね。で、続くトミ・フラのピアノがローラーカナリア的な転がり具合を堪能させ、下世話なチャーリー・パーカーといった感じのフィル・ウッズのソロへと繋がってまいります。で、リーダーはどこへいった?…と思ったら、このタイミングでの登場となりました。ベニー・ベイリーが吹いているのはコルネットなんすかね?僕の耳にはナット・アダレイ的な響きを持って飛び込んでまいりましたが、見た目が地味な割に、意外とファンキーな演奏をする人だったんですな。で、続いてレス・スパンのギター・ソロになるんですが、いや、好きなんですよね、レス・スパン。何となく、“レースのぱんつ”の略ぅ?…といった感じがするところがイイと思うんですが、いや、“レースのぱんつ”の略称は“レスぱん”なので、ちょっぴり字余り気味ではあるんですけどね。ちなみにこの人はフルートも吹くんですが、ギターのほうはちょっぴりウエス・モンゴメリーを思わせるスタイルであるとお見受けしました。で、ジュリアス・ワトキンスの息苦しいフレンチホルン・ソロがあって、ベイリーとアート・テイラーの4小節交換があって、テーマに戻って、おしまい。5分47秒と、さして長い演奏ではないんですが、参加者全員のソロがフィーチャーされて、まずは挨拶代わりに1曲。…といったところでありましょうか。なかなかよい感じに仕上がっていると評価してよいと思います。

 ということで2曲目です。「アリソン」という曲ですね。陰毛図・アリソンのオリジナルですかね?違いますね。作曲者はスミスとだけクレジットされておりますが、どこのスミスであるかは定かでありません。しみじみ。極致のようなミュートにアルト、フルート、フレンチ・ホルンの合奏バッキングが付いてゆく。…とヤックンが書いている通りのナンバーです。あ、時節柄、フレンチホルンという楽器の名前はフリーダムホルンとかに改名したほうがいいですかね?いずれにせよ、しみじみとしたバラードでありまして、暗いと言えば確かにそうなんですが、が、しかし決して明るくはない。…といった演奏でございます。で、ソロ先発はベイリーなんですが、テーマ部で使っていたミュートを外して、ここではオープンで吹いております。トーンからすると、コルネットではなくてトランペットですかね?で、前曲のナット・アダレイ風とは少し様相が違って、今度はブルー・ミッチェル的な響きを持っている。…と言えなくもないような気がしないでもありません。いずれにせよ、Web上で間違ったことを書くと末世までの恥さらしなので、迂闊なことは書けません。今日、会社で地域限定キティちゃんについて調べていたら、ぎゃる系らしいサイトに“上高地ばーじょん@河童キティ”に関する記述があって、長野県の上高地、で何で河童??と思っていたら、姉さんが 「上高地ってたしか河童のミイラがあるんじゃなかった?」 と言って、ははぁ〜ん、と納得。 …とか書いてありましたからね。もう、姉妹揃って恥さらし…って感じぃ?いや、ホントにあるのかも知れませんけどね、河童のミイラ。で、演奏のほうはというと、ベイリーに続いてフィル・ウッズのアルト・ソロも聴けちゃったりします。これがとってもパーカー風で、とってもいいです。続くトミ・フラも相変わらずセンスのいいヤックン扇子…といった演奏を聴かせておりまして、ま、しみじみと無難なバラードに仕上がっているのではないかと。あ、扇子じゃなくて団扇でしたか。ま、どちらにしろ、僕はいりません。

 で、3曲目です。「ティプシー」という曲です。プレステージ盤『スクリーミング・ザ・ブルース』みたいな曲想と思ったらオリバー・ネルソンの曲だった。と寺島クンが書いている通りの曲であります。あ、先ほどの“上高地河童問題”でありますが、どうやら芥川龍之介が上高地を舞台に『河童』という小説を書いたのが由来みたいですね。ちなみに“那須高原@茄子キティ”も、那須高原ってたしか茄子のミイラがあるんじゃなかった?…ということではないような気がします。で、「ティプシー」でありますが、成るほど、言われてみれば確かにオリバー・ネルソンっぽい曲想でありますな。で、ネルちゃんサウンドにはちょっと大きめの編成によるアンサンブルがよく似合います。ミディアム・ファストのモダン・ブルースっぽい曲でありまして、ソロ1番手はジュリアス・ワトキンスのフレンチホルン、改め、フリーダムホルンでございます。聴いてるだけで息苦しそうで、ちっとも自由の薫りのしない楽器でありますが、1分47秒から始まる、“まさにこれ、オリバー・ネルソン節”のフィル・ウッズのソロがよろしいですな。続くベニー・ベイリーも“ハイ・ノート・ヒッター”として頑張っております。いや、色んなスタイルで吹ける人なんですな。悪く言えば器用貧乏で没個性…と言えなくもないんですが、ま、それもまた個性のひとつなわけだしー。で、レス・パンのフルート、トミ・フラのピアノと続いて、テーマに戻って、おしまい。あ、そういえば先日、“ドクターマスク”という花粉症専用マスクを買ったんですけどね。ワイヤーを使わない自然な立体構造で驚きのフィット感!…と書いてあったんですが、成るほど、マスクのカップがちょうど“ブラジャーの片方”みたいになっていて、これがなかなかのフィット感でありまして。で、ぜんぜん息苦しくもないから、こりゃいいや♪…と思っていたんですが、効果のほうは今ひとつのようでありまして、その夜、激しい鼻水発作に見舞われたのでありました。…って、いや、“レスぱん”が出てきたので“ブラマスク”の話もしておいたほうがいいかな?…と思って、ちょっと書いてみました。

 で、4曲目です。「プリーズ・セイ・イエス」です。トロンボーン奏者であるトム・マッキントッシュのオリジナルなんですが、恐らくは千石イエスに捧げられた作品ではなかろうかと。ヤックンは“地味な作風で知られる”などと書いておりますが、なかなか才気煥発なカンパチ…といった感じの曲を書く人でありまして、僕は好きですね。この「イエスってお呼び」も、なかなかファンキーな佳曲でありまして、重厚なアンサンブルも大変によく出来ているのではなかろうかと。で、ソロ先発はベイリーです。頑張ってます。ジャケット写真を見るとちょっと野卑な“コワモテ顔”なんですが、ジャケ裏に載っている小さな写真は朴訥で人がよさそうなオジさんでありまして、その横でアルトを吹いているフィル・ウッズは前髪の角度がピシっと90度で、実に決まってますなぁ。演奏のほうもパーカー・ライクで、とってもいい感じです。で、その横でフレンチホルンを吹いてるジュリアス・ワトキンス、更には1人飛ばして(←ジャケ裏の写真で)トミー・フラナガン…とソロが続いて、ちょっぴり凝ったアンサンブル・パートがあって、はっきりとした形では元テーマに戻らずに、そのままエンディングを迎えます。アタマのテーマがけっこうイイ感じだったのでちょっと勿体ないような気もしますが、ま、これもまた趣向のひとつということで。あ、そういえば“趣向倶楽部”というサイトのブラジャー試着室動画はなかなかソソられるものがありましたなぁ。ちなみにそのサンプル画像は ここ にございます。あ、その画像って言っても“90度の前髪”のほうなんですけどね。試しに定規の角を当ててみたところ少し毛がはみ出したので、正確には94度くらいあるみたいです。ということで5曲目です。「ア・キス・トゥ・ビルド・ア・ドリーム・オン」という曲です。この曲名を俳句に詠み込もうとすると、恐らく「空き巣と蛭とは、通り魔よん♪」といった、ろくでもないものが出来るに違いないのでヤメにしておきますが、ヤックンによれば“隠れたスタンダード”といった位置付けにある曲のようです。で、納豆好きの変な保父さん風のプロデューサー、ナット・ヘンホフはここまでの演奏を聴きなおしてみて、「今日の僕って、ちょっぴりアンサンブルにこだわり過ぎてるぅ?」とか思ったんでしょうね。気分を変えて、チェンジ・オブ・ペース…ということで、ベイリーのワン・ホーン演奏をここに持って来ました。よく聴くとバックには地味ぃにギターも入っていて、ソロの2番手も務めたりもするんですが、これはアレですな。ミュートによる演奏ということもあって、モロ“50年代マイルス風”の仕上がりでありますな。となるとトミ・フラのピアノだってガーランド風に聴こえてくるし、いやあ、なかなか面白いですなぁ。

 ということで、ラストです。「モーズ・ムード」という曲です。陰毛図・アリソンのオリジナルですかね?違いますね。作曲者はベイリーとだけクレジットされておりますが、これは恐らくベニー・ベイリー本人のペンによるものでありましょう。この曲想などに私はヨーロッパへ移り住まなければならなかったベイリーの人間性をみてしまう。…と、独特のヤックン節をライナーノートに見てしまう僕でありますが、何だか実にほの暗い曲調でありますな。哀愁に満ちた日本人好みのメロディに思わず胸が締め付けられますね。少し小さめのブラを試着した気分…とでも申しましょうか、ブラはきつめに、ぱんつはルーズに。それが基本ですよね。で、テーマ・アンサンブルに続いてベースのピチカート・ソロが出てくるのは1曲目と同じパターンなんですが、何だか能天気にポップだった「ハード・ソック・ダンス」とは対照的に、ムードは極めて暗鬱です。あまりにも暗いので、根が能天気なフィル・ウッズも思わずバス・クラを吹いちゃっております。が、ソロ3番手のベイリーは意外と元気だったりします。ここでの演奏を強いて誰かのスタイルに例えるとすれば、えーと…フレディ・ハバード…ですかね?いや、ぜんぜん違いますかい?上高地に河童のミイラがあるくらい間違った見解だったかも知れませんが、とりあえずテーマに戻って、最後はベイリーがラッパを吹きながら去ってゆくかのように、フェードアウトして、おしまい。なんだか気を持たせるエンディングでありますが、そんなことでまあ、今日はおしまい。

【総合評価】

 何とも地味な仕上がりで、あまり印象に残らない1枚である。…と思っていたんですが、更新が先延ばしになるに連れて何度も聴き返しているうちに、「意外と悪くないぢゃん。」と、評価が次第に好転してまいりました。よく練られたアンサンブルが嫌味にならない程度に各自のソロ・スペースも適度に用意されているし、ベイリー、ウッズ、トミ・フラのソロはどの曲でも傾聴に値する水準を確保しております。ベイリーのオリジナルはもとより、あまり聴いたことのないような曲ばかりなんですが、じっくり聴くとハマりますね。もう、ハマグリもびっくりって感じぃ?…という1枚でありました。『ビッグ・ブラ吸う』、意外と穴場です。


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