THE CAT (VERVE)

JIMMY SMITH (1964/4/27,29)

THE CAT


【パーソネル】

JIMMY SMITH (org) LALO SCHIFRIN (arr,cond)
THAD JONES (tp) JIMMY CLEVELAND (tb) KENNY BURRELL (g)
GEORGE DUVIVIER (b) GRADY TATE (ds) & Others

【収録曲】

THEME FROM “JOY HOUSE” / THE CAT / BASIN STREET BLUES
MAIN TITLE FROM “THE CARPETBAGGERS” / CHICAGO SERENADE
ST. LOUIS BLUES / DELON'S BLUES / BLUES IN THE NIGHT

【解説】

 「はっさく」は、どうして「はっさく」と言うんでしょうね?…というネタを書こうとして、1週間がたちました。いやあ、今週は何かと忙しかったですな。何をしていたのかというと、火曜日は穴を掘っておりました。JAZZ風の言い方をすれば、「いやあ、“HOLE”を“DIG”していてねぇ、アット・チューズデイ。」といったところですかね?何故、“HOLE”を“DIG”していたのかと言うと、古くなったポンプ場を改修するにあたって、仮設のポンプを設置することになったんですが、その流入側の配管と吐出側の配管を既設の水道管に接続しなければならなくなったと、ま、こういうことなんですけどね。で、既設の水道管というのは道路のどこかに埋まっているハズなので、穴を掘って探し出さなければならないと、ま、こういうことなんですけどね。そのような土建屋的な哀愁に満ちた労働というのは、ホワイトカラーたる僕にはまったくそぐわないものでありまして、いや、「まぐわい」は好きでも、そぐわない仕事はしないというのが僕のポリシーでありまして、だから僕は元請けである土建屋のオニーサンに「掘って♪」と、“ひなのマーク”付きで頼んでみたんですが、その答えは「吐出側は機械が入るからイイけど、流入側のほうは手で掘らなければならないから、ヤダ。」という、つれないものでありました。で、仕方がないので流入側のほうは自分で掘ることにしたんですけどね。

 ところで、穴を掘るのに用いられる建設機械に「ゆんぼ」というのがありますよね。サイバラ先生の漫画に「ゆんぼくん」というのがありますが、その「ゆんぼ」でございます。僕たちは常日頃から何気なく「ゆんぼ」「ゆんぼ」と称してバカにしているわけでありますが、しかしこれ、よく考えてみるとヘンな名前ですよね?どうしてこのような名前がついたんでしょうね?で、実はこの疑問に対する僕なりの回答というのは既に考えてありまして、「小松製作所がヤンマーに対抗して考え出した。」というのがその答なんですけどね。ヤンマーといえば、言わずと知れた「ヤン坊・マー坊天気予報」があまりにも有名でありますが、それに対抗するキャラとして、コマツが「ユン坊」というのを考えたんぢゃないカナ?…というのが僕の説なんですが、いや、「コマツなら“コン坊”のほうがイイんじゃないか?」という意見が出されるであろうことは重々承知はしておりますが、“コン坊”だと、何となくゲバって棍棒を振り回していた頃の記憶がよみがえり、トラウマ的な嫌悪感に駆られる恐れがあるのではないか?…という全学連世代に対する配慮から、“コン坊”と字面がよく似ている“ユン坊”というのに落ち着いたんぢゃないカナ?…というのが僕の説なんですけどね。

 そこでちょっと「ゆんぼ」の名前の由来について調べてみました。あ、今ふと「油圧の力で棒状のシリンダーを動かすから、“油ん棒”?」という新説を思いついたんですが、調べてみたら僕の考えというのは、まったくもって間違っておりました。コマツの公式サイトに載っていた情報によれば、「ユンボ」というのは「フランスの建機メーカー(さば注:おそらく「ユンボ社」というところ)が油圧ショベルにつけた商品名」ということでありました。なるほど。オフロード用の四輪駆動車が「ジープ」と呼ばれるようになったのと、似たようなものなんですな。だから正確に言えば「コマツ製のユンボ」というのは存在しないことになりますが、では何と呼ぶのかというと、先ほど説明の中にも出てきた「油圧ショベル」という言い方の他に、「パワーショベル」「ショベルカー」「バックホー」といった名称があるようです。ちなみに「パワーショベル」というのはコマツが独自に使っていた呼び方で、「ショベルカー」というのは警察や報道関係で使われる用語なんだそうです。で、「バックホー」というのは「後ろ(back)を掘る(hoe)」という意味なんだそうで、ほぉー、「ホー」には「掘る」という意味があったんですな。その筋の人たちの間では、今後「バックホーぷれい♪」というのが流行るかも知れませんね。

 はい、これで「ゆんぼ問題」は解決。ヤン坊もマー坊も油ん棒も、まったく関係ありませんでしたね。しかしフランス起源とはちょっと以外でしたな。「うぃ、めるしぃ、ゆんぼぉ?」とか言ってるんですかね?で、吐出側の水道管のほうは図面によれば広い道路に埋まっているようなのでユンボでナンボでも掘れるとして、問題は流入側のほうでございます。こちらは両側をフェンスに挟まれた狭い道でありまして、ユンボが入らないからヤダと。いや、入ろうと思えば入れるような気がしないでもないんですが、ま、要するに「面倒だからヤダ!」というのが本当のところでありましょう。ワガママな土建屋ですなぁ。。。ちなみにここは舗装されていない土の道でありまして、上にある小学校の児童が通学路として利用されているので、危なくて機械を使えないという一面もあるんですけどね。で、吐出側のほうは金曜日に掘るという話だったんですが、月曜日の夕方になって、「明日、どうも掘るらしい。しきりにそんな気がしないでもない。」といった不確実な情報が入ってまいりまして、「ふーん。予定が変わったのかぁ。。。」と思いつつ翌日に現場に行ってみると、「え?今日は掘らんでぇ。」と言われてしまい、まったくもって、とんでもないガセネタだったわけですが、いや、ちゃんと確認しなかった僕が悪いんですけどね。で、わざわざ2時間半もかけてやってきて、そのままオメオメと引き上げるのも何なので、時間潰しに流入側のほうを掘ってみることにしたんですが、幸い、近くにある「コメリ」という名前のニワトリのマークの付いた農業ディスカウント・ショップにスコップが売っておりましたので、あ、「コメリ」というのは店の名前でありまして、ニワトリの名前ではありませんので念のために書いておきますが、いや、今の文脈だと、どちらとも読み取れますからね。ホワイトカラーたるもの、そのレポートは常に正しい理解を得られるものでなければならないわけでありますが、さてここで、ちょっとこのページを見てください。

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 いや、今ここを見てみたら、この付近のページの“INDEX”“BACK”“NEXT”マークがすべて“×印”になっておりまして、チェックしてみるとファイル名の大文字・小文字が間違っておりました。すべてを直すのにえらく手間取ってしまい、こんなことなら見なけりゃよかったなぁ。。。と、激しく後悔していることろでありますが、ここに落とし穴を掘る話が出てきますよね。この中で僕は「一般にコドモの作った落とし穴というのはせいぜい20センチも掘ればイイところでありまして、これでは漫画のように、ずぼっ!と落ちるというような効果は期待が持てません。」と書いているわけでありますが、実際に穴を掘ってみると、思ったよりもけっこう深く掘れるものなんだなぁ。。。ということが明らかになりました。それはひとつ、僕がオトナになったという事と、もうひとつ、「コメリ」で買ったスコップがコドモ時代の経験を活かした「先が尖ったタイプ」であったということも大きかったと思いますが、4時間ほどかけて、70センチは掘ったんじゃないですかね?これなら、ずぼっ!と落ちると表現しても、それほど遜色は無いな。。。と言ってもいいほどの出来映えでありましたが、いや、こんだけ掘っても出てきませんでしたけどね、水道管。掘っても掘っても出てこないので、いっそ、自分で水道管の切れっぱしでも埋めて、捏造したろかい?とも思ってしまいましたが、ま、充分に時間も潰れて当初の目的も達成したことだし、掘った穴をそのまま埋め戻して、何事もなかったかのように会社へと戻ったのでありました。僕の手が「神の手」と呼ばれるようになる日は、まだまだ遠いですなぁ。。。

 さ、今日からオルガン編です。まず手始めはジミー・スミスです。「ジャズ・オルガンの神様」と言われている人ですからなぁ。神様をないがしろにすると罰が当たるというのはホントのことでありまして、事実、ウチの家では便所の屋根の上に物干しを作ったところ、便所の神様が怒って家が火事で燃えました。この火事が便所神・大便命(←「だいべん・いのち」じゃなくて、「おおたよりのみこと」って読んでネ♪)のタタリであることは、丸焼けになった二階の押入れにしまってあったポータブル便器だけが不思議と焼け残ったことからも明らかでありますが、この話は前にもどこかに書きましたよね?いや、“大便命”というのは新しいキャラですけどね。とういうことで、神様に敬意を表してオルガン編の最初に持ってきたわけでありますが、どのアルバムにしようかと考えて、結局のところヴァーブ盤の『ザ・キャット』というのにしちゃいました。「スミスの俗化路線、ここに極まり。。。」といった感じのベタなアルバムで、熱血ヂャズ・ファンの評価は最低レベルでありますが、いや、書くのが簡単そうなジャケットの魅力には勝てませんで。。。ピンぼけの黒ネコを1匹書いておけば、それでOKっすからね。もう、「OK牧場」もびっくり!…といった感じのお手軽さでありますが、いや、桑名にあるピザ屋さんなんですけどね、「OK牧場」。カントリー・ムード満点で、ぎゃるの評判もよいようですが、媒染剤としては明礬(みょうばん)がイイようです。とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみましょうね。

 1曲目です。「“危険がいっぱい”のテーマ」です。えーと、危険がいっぱい、危険がいっぱい…。えーと、特に何も思いつかなかったのでさっそく演奏のほうに入っていこうと思うんですが、あ、そうそう。邦題は「危険がいっぱい」となっているにもかかわらず、原題をみると“JOY HOUSE”になっているんですよね。「“楽しい館”は、危険がいっぱい」ということなんですかね?楽しいな。うれしいな。るんるん♪とか、いい気になっていると、ボったくられたり、バックをホーされて、「ほぉー♪」とかなっちゃうんですかね?恐ろしいことだと思いますが、いや、本人は「ほぉー♪」とか言って嬉しそうなので、別にイイとは思うんですけどね。で、児山紀芳クンの書いた日本語ライナーによれば、ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン、ジェーン・フォンダ主演の映画『危険がいっぱい』(64年6月封切ずみ)の主題歌で、曲はこのアルバムの編曲者ラロ・シフリン自身が作曲したもので、演奏は、スミスのオルガンを中心にダイナミックなバック・アンサンブルが随所に配され、掘られたバック、あんさん、ブルっと大コーフン♪…といった演奏に仕上がっているということでありますが、いや、「バックねた」はもう充分ですね。で、このアルバムの最大のポイントは、シフりん君の手による「トランペット6、フレンチホルン4、トロンボーン4、チューバ1とう、前例をみない大胆な編成になるブラス・アンサンブル」(←紀芳クン談)にあるわけですが、いや確かに、なかなかの迫力でありますな。個人的にはオーケストラ物というのはあまり好きではないんですが、ポップな雰囲気もあって、「ぢゃづ素人のスミス入門」には悪くない選択かも知れませんね。スミスのソロ自体もそれほど馬鹿にしたものではありません。でもやっぱり熱血ヂャズ・ファンからは馬鹿にされちゃうでありましょうな。。。

はい、2曲目です。タイトル曲の「ザ・ねこ」です。あ、これこれ。この曲です。最近、クルマのコマーシャルか何かで耳にして、「誰の何という曲だっけ?」と、ずっと気になっていたんですが、ジミー・スミスの「ザ・キャット」でありましたかぁ。ちなみにこの曲も「危険がいっぱい」に挿入されたシフりんのオリジナルということでありますが、えーと、「映画ではドロンの相手役のジェーン・フォンダが、ドロンと密話を交わすシーンで子猫が登場するが、この曲はそのバックを飾ったもの。」(←紀芳クン談)ということであります。しかし、「密話」っていったい何なんでしょうね?「今晩、どや?」とか、そんな会話なんすかね?子猫が登場するということなので、「今晩、ニャンニャンどや?」とか。ちなみに僕は“cat”というと、以前に1回だけメールが来たことのある某・主婦のメルアドの最初の部分を思い出してしまうんですが、いや、それはこの場に書くのも憚られるような“xxxxxcat@”というものだったんですけどね。伏せ字の部分には「“ら抜き”プラッシー」が入るわけでありますが、こんな「危険がいっぱい」のメルアドを公然と使用して、だいじゃぶなんですかね?僕なんか“sabapyon@”でも恥ずかしくてシゴトでは使えませんけどね。で、演奏のほうは「バレルの歯切れよいリズミックなコーディングが序奏をつけると、スミスの弾くテーマのメロディーがこれに重なって、演奏はやがてスミスのヴァイタルなアドリブへと入る」と。まさにその通りの演奏でありまして、紀芳クンの解説になんら異議を唱える点はございません。時折絡むホーン・アンサンブルは相変わらず迫力満点だし、全体的にカッコいい仕上がり具合となっておりますな。スピーディーなクルマのコマーシャルにはもってこいでありましょう。

 以上の2曲はポップ色がかなり濃厚でありましたが、3曲目の「ベイジン・ストリート・ブルース」になると、ちょっぴりジャジーなムードが垣間見えるようになってきます。かなりディープでアーシーなブルースでありまして、この手のサウンドはオルガンにはもってこいでありますな。グラディ・テイトの軽めのドラミングは若干チープではありますが、ま、所詮はオルガンなんて、ピアノが買えないビンボー人のための楽器だよなぁ。。。という気もするので、これはこれでイイのではないかと思います。…と、大したことも書いてないうちに4曲目になっちゃいましたね。このアルバムは1曲あたりの演奏が4分前後と短めのものが多いので、注意しないとすぐに終わっちゃって不甲斐ない思いをすることになるんですが、4曲目は「大いなる野望」ですかぁ。よく昔から「野望とゴボウは紙一重」というようなことを言いますが(←編集部注:言いません。)ゴボウは“ごぼうサラダ”にすると結構オイシイですよね。たっぷりとゴマのかかった“きんぴらごぼう”をアツアツのご飯の上にのせて“きんぴらごぼう丼”にするのも僕は好きですね。あとはえーと…と、ごぼう料理のバリエーションを考えているうちに5曲目の「シカゴ・セレナーデ」が始まりました。「ムーディーなバラード・ナンバーがここで登場する。」と日本語ライナーにはありますが、バラードというよりはミディアム・スローのナンバーでございます。テーマ部をケニー・バレルが演奏していて、アルバムの流れをここでちょっと変えてみるぅ?…というプロデューサーの意図が垣間見られる ナンバーでありますな。ま、いいでしょう。

 はい、6曲目です。今日の曲解説はちょっぴり手抜きではないか?…という意見もあろうかと思いますが、僕もそう思います。だって、手ェ抜いてますもんね。で、6曲目は「セント・ルイス・ブルース」ですね。言わずと知れたW.C.ハンディ、日本名・便所ハンディの便による、いやペンによる古典的なブルースでありまして、で、通常よりかなり速いテンポで演奏されております。BN1500番台で活躍していた頃の“バッパー・スミス”を彷彿させるフィンガー・ワークが圧巻ですね。愛媛特産の柑橘類は伊予柑ですけどね。ところで「はっさく」は、どうして「はっさく」と言うんでしょうね?「ゆんぼ問題」が解決した今となっても、この問題だけは未解決のままでありますが、7曲目はスミス自らのペンによる「ドロンのブルース」でございます。タイトルからもかわるように、「ジミー・スミスが友人であるアラン・ドロンに捧げて書いたオリジナル・ブルース」とのことでありますが、アラン・ドロンと友達とは、大したものでありますなぁ。曲自体はシンプルでリラックスしたナンバーでありまして、ラストの「ブルース・イン・ザ・ナイト」も以下同文です。以下同文というと、僕はどうしてもイカを思い出してしまうんですが、そういえば「下足煮れど、胴は刻んで、イカソーメン」という句もありましたよね。それがどうした?と言われると困りますけどね。ということで、さ、天皇賞でも見ようっと。



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