【アルバム名】
NOISY SILENSE−GENTLE NOISE (MPS)
【リーダー名】
DAVE PIKE (1969/1/21)
【パーソネル】
DAVE PIKE (vib,tambourine) VOLKER KRIEGEL (g,sitar)
HANS RETTENBACHER (b) PETER BAUMEISTER (ds)
【収 録 曲】
I'M ON MY WAY / REGARDS FROM FREDDIE HOROWITZ /
SOMEWHAT,SOMEWHERE,SOMEHOW / NOISY SILENCE-GENTLE NOISE / MOTHER PEOPLE /
MATHER / VIAN-DE / TEAMING UP / WALKIN' DOWN THE HIGHWAY IN A RED RAW EGG
【内   容】
 長崎の“水産系ぎゃる”から「えるびん情報」が届いております。ありましたよ ねぇ、エルビン。ヤクルトによく似た乳酸系の飲料で、小さな牛乳瓶みたいなやつに入 ってたんでしたっけ?コドモの頃、「世界のコイン・プレゼント」というのをやってた ような記憶があります。やってなかったかも知れませんけどね。なんせ、20年ほど前 の話なので、何かほかのものとカン違いしてるかもしれませんが、とにかくエルビーを 1本買うと、その場で「世界のコイン」をくれると。店先には様々な国のコインが入っ たビニール製のケースみたいなのが吊り下げられておりまして、コドモ心にも「“これ くたーせいしん”をくすぐる、みごとな“けいえいせんりゃく”であるな。」と、深く 感心したのを覚えております。コドモに限らず、オトコというのは色々なものを集める のが好きですからね。切手集めだとか、テレカ集めだとか、ベリカード集めだとか、仮 面ライダーカード集めだとか、相撲消しゴム集めだとか。昔あったんですよねぇ、相撲 消しゴム。力士の形をした消しゴムで、「ガチャガチャ」で手に入れることが出来まし た。字を消そうとすると鉛筆の粉が無駄に広がって紙が真っ黒になるという、消しゴム としては「使わないほうがマシ!」というようなシロモノでありましたが、かといって 、こんなもの何に使うというのだ?といったものでありました。私は「トントン相撲」 (筆者注:紙相撲みたいなもの)の力士にして遊んでましたけどね。決まり手はたいて い「押し倒し」で、時には「はっけよーい、のこった!」で、トン!と叩いた瞬間、両 者がその場で倒れ伏すといった行司泣かせの取組もありましたが、ごく希に「上手投げ 」が見事に決まったりして、なかなかに面白かったような気がします。この相撲消しゴ ムの難点は「若乃花」ばかりが出ることでありまして、若乃花の顔をした力士に違う四 股名を付けるといった難儀を強いられたものです。20人くらいいた力士のうち、約半 分は「若乃花のカオ」してましたからねー。
 
 さて、そんな「若乃花にオンブにだっこ状態」に甘んじていた相撲消しゴム業界 でしたが、ある日、画期的なニューフェイスが登場しました。名付けて「マグネット相 撲消しゴム」。ゴムに磁石の粉を練り込んでみました。といった感じの「もはや消しゴ ムとして活動する気はさらさらない!」といった感じのシロモノでありましたが、どう せ最初から字を消そうという意志が極めて希薄な連中だったので、それはたいした問題 ではありません。それよりも、相撲消しゴムをマグネットにして、何がうれしい?とい うことが問題ですね。でこぼこしてるから、例えば冷蔵庫にメモを貼りつけるといった 用途にも使えないし、よしんばそれが可能だったとしても、「火曜日・玉子特売日」と かいうメモを“黒姫山”でとめている主婦がいるとしたら、かなり問題のある光景であ ると断言せざるを得ません。ただ、色がブラックで見た目にも力強く、普通の相撲消し ゴムよりも重いのでトントン相撲の力士としてはかなり優秀でありました。問題は「マ グネット相撲消しゴム力士」同士の取組になったときでありまして、両者は強い磁気パ ワーによってひしと抱き合った状態になってしまい、いつまでたっても勝負がつかん! 結局、マグネット相撲消しゴム力士は「品位に欠ける」という理由により、トントン相 撲業界から永久追放処分となったのでありました。
 
 えーと、「世界のコイン・プレゼント」のお話。一般市民のガキ共は、少ないお 小遣いをはたいて「乳酸飲料」を飲んで、コインのコレクションを増やすことを余儀な くされたわけなんですが、特権階級に属していたぼくは、もっと簡単にコインを手に入 れることが出来る「裏ルート」に通じておりました。親戚のおぢさんが近所で八百屋を やってました。そこへお使いにいくと、おぢさんは“おだちん”として「世界のコイン 」をくれました。
この時ですな。僕が「大きくなったら八百屋になろう!」と心に誓ったのは。結局 、コドモの頃の無垢な夢を実現させることは出来なかったわけですが、あの頃の純真な ココロを見失うことがないよう、今でも折りを見てはその乳酸飲料を嗜んでいるのでご ざいます。って、そりゃ「エルビン」やなくて「エルビー」やがな、ばしっ!
 
 ということで、エルビン情報。
 
 昨日はですね、エルビンの話と言うか、奥様がいかに曲者だったかと言う話を聞 いたの。えるびんがインターナショナルエルビンというお店を構えていたことは以前お 話しましたけども、実は奥様が金もうけ主義の方でミュージックチャージが¥5000脱痰 ですって!田舎町長崎にはそうそう金持ちやジャズキチが居るわけでもないですので、 あっけなく潰れちゃったのね。
 
 実はこの奥様、長崎に音楽学校みたいなのを作ろうとしてたそうなんですけども 、長崎県や市に金銭的な援助の交渉してみたけど駄目だったんですって。そんなに文化 高くないしね。だめでしょうね。更にこの奥様、日本人の共演者とエルビンとだけでは 打ち合わせさせなかったんですって。必ず奥様を介さないと駄目だったんだって。そん で不評だったらしいの。その後全国ツアーをやったらしいのね。演奏はとても素晴らし いものだったそうですけど、最初に奥様のご挨拶があって、長々としたものだったから 、はよはじめろ!ってお客は思ってたって言ってたですわ。取り敢えず今は長崎には住 んでないんだってさ。
 
 読み返してみると、それで?っていう内容ですね。ま、いっか。
 
 えるびんの奥さん(ケイコさん?)って、そういう人だったのね!ということが よくわかる、たいへん心あたたまるお話でした。おしまい。
 
 @ ということでエルビンがらみのアルバムを紹介するのかというと、そういう ことではなく、本日はデイブ・パイクでございます。デイブ・パイクとエルビン。どう 考えても接点はありませんね。あえて共通点を探せば
 
  ・デブはイクぅ〜♪ 燃える、ビンビン!
 
  > 僕、デブ専。
 
という、極めて低レベルな俳句に詠み込まれているということぐらいですが、こん なところで接点を持ったとしても誰もよろこばないですよね。エルビンのことは忘れま しょう。で、このデイブ・パイクという人はエバンスと共演した『パイクス・ピーク』 というアルバム1枚で知られていると言ってもよろしかろう。で、他に何があるのかと 思ったら「デイブ・パイク・セット」というグループを作って、ジャズ・ロックみたい なプレイを演ってたんですねー。この『ノイジー・サイレンス・ジェントル・ノイズ』 というアルバムも「ザ・デイブ・パイク・セット」名義となっております。なんでもい いけどこのグループのメンバー、読みにくいですなぁ。フォルカー・クリーゲル?ハン ス・レッテンバッハー?ペーター・バウマイスター?あ〜ん、20回聞いても覚えられ そうにないのぉ。。。で、1曲目の「アイム・オン・マイ・ウェイ」が、これまたベタ なジャズ・ロック調で、一聴して「なんじゃこりゃ?」と思ってしまいましたがな、お ぢさん。パイクくん、「あいやいあいや〜♪」って頑張ってるんだけどね。このアルバ ム、失敗だったか?と思いつつ、2曲目へまいりましょう。「リガーズ・フロム・フレ ディ・ホロヴィッツ」。あ、これはイイっすね!すぱにっしゅ・ごー・ほーむ!な雰囲 気が、とっても哀愁のアンダルシア。相変わらずパイクくんの唸り声がうるさいんです けどね。ま、ヴァイブ・プレイが佳境に達すると、思わず声が出ちゃうのぉ♪って昆布 くんも書いておりましたけどね。で、この曲ではフラメンコを思わせるクリーゲルくん のギターが大活躍。ヴァイブとギターとラテンのカラミが、とっても素敵よねっ♪
 
 3曲目の「サムホワット、サムホエア、サムハウ」でもクリーゲルくんのギター がいい味を出しております。バラード調の綺麗なナンバーでございます。はい4曲目。 タイトル曲の「騒然とした静けさ、紳士的な雑音」はちょっぴりヘンな曲。こんなわけ のわからんタイトルがついてるんだもん、しかたないよね。あ、ギター・ソロの途中で ダブル・テンポになってからは「ノリノリでイェーイ!」って感じですね。ソロ2番手 のパイクも最初のうちはおとなしめですが、途中からやっぱり「ノリノリでイェーイ! 」になってまいります。
レッテンバッハーの無伴奏ベース・ソロも聴かれますな。これはかなり「前衛じゃ ず風」です。で、再現部のテーマを聴いてみると、これはこれで「まあまあやん。」と いった感じの曲ですね。続く「マザー・ピープル」で聴かれる、人をバカにしたような 音色はなんでしょうね?あ、ライナーによれば「最近流行のフィードバックやエコー・ サウンド」だそうです。2/4、3/4、7/4と、めまぐるしくビートの変化する前 衛風のナンバーで、何が何だかよくわからん。次へいきましょう。「股ーる」。あ、シ タールが入ってますな。「股ーる」だからシタールなのか?とってもシャレてるねっ♪ ってカンジなんだけどぉ、演奏としては失敗ね。どうもこのアルバム、だんだんと“い まひとつ”になってきましたなぁ。と思っていたら、「ヴィアン・デ」で持ち直しまし た。新主流派サウンドを思わせるクールなバラードでございます。3曲目の「サムなん とか」と同じく、とか書いてるうちに終わりました。8曲目の「チーミング・アップ」 は、再び意味不明の前衛風サウンド。こういうの、私ゃ好かん。はい、ラストです。「 赤い生卵に乗ってハイウェイを行く」。この“赤い生卵”というのは「パイクの古式ゆ かしいオンボロ車、シトロエン2CV」のことらしいっす。いいですなぁ、オンボロ車 。死語の世界ですなぁ。13/4拍子の曲で3/4、4/4…と、2、3小節ごとに拍 子が変化していくんだそうで。はあ、そうですか。ようするに新主流派っぽいのから民 族風、ジャズ・ロック風、前衛風、フリー風、痛風と、なんでもアリなんですね、この グループ。


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