- 【アルバム名】
- THE EDDIE COSTA QUINTET (MODE)
- 【リーダー名】
- EDDIE COSTA (1957/7)
- 【パーソネル】
- ART FARMER (tp) PHIL WOODS (as) EDDIE COSTA (p,vib) TEDDY KOTICK (b)
- PAUL MOTIAN (ds)
- 【収 録 曲】
- GET OUT OF THE ROAD / IN YOUR OWN SWEET WAY / BIG BEN / NATURE BOY /
- BLUES PLUS EIGHT / I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS / STRETCH IN "F"
- 【内 容】
- ヤングのみんな、「ヤング弁当」食べてるかい?この半年来、名古屋・丸の内界
隈ではお弁当屋さんが飛躍的に増大しております。鼻の長い動物は?それは象だい!と
いうくらい増大しちゃって、モー大変。と、和田金牧場のウシくん達も嘆いておりまし
た。所詮はウシですなあ。言うことがつまらん!「いいんでないカニ〜。」のカニさん
とほとんど同レベル。こう言った不用意な発言でOLさんをフリーズさせるのはたいて
いおぢさんでありまして、こういうおぢさん達には是非「ヤング弁当」を食べていただ
いて超若者感覚をマスターして戴きたいと思います。で、そもそも「ヤング弁当」とは
何か?
-  
- ここのところ増大の一途をたどっているお弁当屋さんなんですが、これはいわゆ
る「ほか弁」とは趣を異にします。道端にパラソル立てて売っている「出張お弁当屋さ
ん」といった感じの販売形態でございまして、コンビニ弁当みたいなのにお茶かジュー
スをつけて500円。というのがパターンですな。ほかにサンドイッチなどの軽食を商
っている店もあるようです。客層はOLさんが主体のようで、どうも定職屋でメシを食
っててもOLさんと向かい合わせになって、右側が80点で、左のほうはウンとオマケ
して42点くらいやな。とか品定めする楽しみがないなあ。。。と思っていたら、こん
なところで弁当買って食べてたんですな。おそらく、定食屋でヘンなおぢさんと向かい
合わせになっちゃって、ウンとオマケして42点って、おおきなお世話よっ!だいたい
おぢさんって「いいんでないカニ〜。」とか、そういうつまんないことしか言わないの
よねぇ。。。ということで、うっとぉしいから敬遠しているんでしょうね。その気持ち
、よ〜くわかります。ぼくもヤだもん、そんなおっさん。
-  
- で、この手の「コンビニ弁当屋」の跳梁で、既設の「ほか弁屋」は経営が苦しく
なってきたんでしょうな。店先に大きな看板を出して、やんぐなOLさんの確保に躍起
になっているようです。そんな看板に書いてあったんですよね「ヤング弁当・510円
」。消費税くらいまけろ!って感じなんですが、このとってもオシャレな「ヤング弁当
」のほかには「田舎弁当」というのと「おふくろ弁当」があるようです。ヤングには「
ヤング弁当」、おぢさんには「田舎」か「おふくろ」と、ターゲットを客層別にしぼっ
ているようでありまして、このへんの経営戦略は「冴えてるぅ〜♪」としか言いようが
ありません。私はその看板を横目に「やんぐ弁当くださ〜い♪」などと屈託なく注文で
きる人類など存在するのであろうか?と哲学的な思想にふけりつつ、定食屋へと歩を進
めていったのでありました。
-  
- 定食屋で「春巻き定食」を食べながら、ふと思いました。なぜこれを「春巻き」
と人は呼ぶのか?この「春巻き」のいったいどこの部分が「春」なのか?なぜ「秋巻き
」ではいけなかったのか?一般的に「〜巻き」というのは巻くほうか巻かれるほうか、
どちらかの名前をつけますよね。昆布で巻いてあるから「昆布巻き」。カンピョーが巻
かれているから「カンピョー巻き」。死体を海に沈めるときはよく「簀巻き」にしたり
しますが、あれはスノコで巻くわけですから「巻いたほうが勝ち」のパターンですね。
この「巻くか巻かれるかの法則」を「春巻き」にも摘要すると、巻いているほうか巻か
れているほうかの、どちらかが「春」ということになります。じゃ、あの皮みたいなの
が「春」なのか?というとそうではなく、あの皮にはちゃんとした名称がございます。
「春巻きの皮」という名前ですね。その名前できちんとスーパーでも売られております
。あれが「春巻きの皮」である以上、ここに「巻いたほうが勝ち」の法則を摘要すると
「春巻きの皮巻き」というものになってしまい、決して「春巻き」にはならないわけで
す。
- では、巻かれているほうが「春」なのか?あの巻かれている中身はなんと言ったら
いいのか、要するに「春巻きのグ」としか表現しようがないものなんですが、そうする
と「春巻きの皮」と同じ結論に至ってしまうわけでございます。うーん、困った。。。
-  
- ここまで論を進めてきて、私はハタと思い当たりました。世の中には「巻くか巻
かれるかの理論」だけで語ることの出来ない「巻きもの」もあるではないか。そうです
、スカーフの「マチコ巻き」。例えば、まいっちんぐマチコ先生がスカーフを「マチコ
巻き」にしていればそれは当然「マチコ巻き」なんですが、例えヨシ子先生がスカーフ
を「マチコ巻き」にしていてもそれは「ヨシコ巻き」ではなくて「マチコ巻き」である
という、あの「マチコ巻きの法則。これこそが「春巻き」に摘要すべきただひとつの真
理ではないでしょうか?
-  
- 「春巻き」の語源:おそらく春巻男とかいう名前の人が考案した。
-  
- 「ああ、すっきりした。」私は大きく頷いて、定食屋の椅子から立ち上がったので
ありました。
-  
- @ さ、エディ・コスタです。あ、本日の「春巻き語源論」なんですが、気にな
って後で調べてみたら、私の思い付きも満更デタラメではありませんでした。って言う
か、ほとんど正解でした。
-  
- > 唐の時代、宮廷に仕えた料理人「春暁」が考案したため「春巻」の名が付いたと
伝えられている。(「中華料理の起源」より無断引用。)
- http://www.tyu-ka4000nen.ne.jp/harumaki/maki-maki.html
-  
- さて、エディ・コスタです。エディ・コスタの『エディ・コスタ・クインテット
』というアルバムです。モードというレーベルの「乳(にゅう)吸ったシリーズ」とい
う作品群でございまして、“ういんなー・だうん・びーつ・淫多茄子なる・栗ちっく・
ぽーる”とかなんとか書いてあります。なんのことだかよくわかりませんが、きっとい
かがわしい意味なのではないかと。ヴァイブのアルバムだしぃ。で、一般的にヴァイブ
のアルバムというと、あ、ヴァイブだねっ♪イイ感じだねっ♪というふうに聴くことが
出来るわけなんですが、このアルバムの1曲目を聴いてみて、私は思わず「あれっ?」
と首を傾げてしまいました。なんか、どうもヴァイブのアルバムらしくない。どうして
なんだろう?何故なんだろう?とつらつら考えてみたところ、私はとある事実に気がつ
いて、ハタと膝を打ちました。そっかぁ、1曲目にはヴァイブが入ってないんだぁ♪エ
ディ・コスタはヴァイブとピアノの併用主義者でございまして、日本ではどっちかとい
うと『ハウス・オブ・ブルーライツ』のおかげで、ピアニストとしてのイメージが強い
かも知れません。が、本国アメリカでは逆に「ヴァイブ、もっとぉ♪」と、その巧みな
器具さばきが珍重されたようでありまして、その音楽生活のほとんどを「ヴァイブの上
手なスタジオ・ミュージシャン」として過ごしたそうで。あげく、1962年に交通事
故のため、わずか31歳で夭折しております。もし、今でも生きていたとしたらおそら
くはこの「ぢゃづ・ぢゃいあんと」で取り上げられることもなく、ひっそりとオクラホ
マの片すみで遺伝子組替大豆の栽培に励んでいたであろうに、人生って不思議なもので
すね〜。書いていることが今ひとつよくわからん。
-  
- で、このアルバムにはアート・ファーマーとフィル・ウッズが入っておりまして
、このようなハード・バップ的なセッションというのは、コスタにとっても異色ではな
いでしょうかね?よくは知りませんが。1曲目はウッズのオリジナル、「ゲット・アウ
ト・オブ・ザ・ロード」。ファンキーというより「ハード・バピッシュ」といった感じ
の曲調で、とはいってもちょっぴりファンキーなムードもある、なかなかの佳曲でござ
います。ソロ先発はアート・ファーマー。彼らしい抑制のきいたソロが聴かれます。つ
づいてコスタのピアノ・ソロ。コスタというと前述「ハウス・オブ・ブルーライツ」の
パーカッシブなプレイと「襟こすった!インネンつける、なんとか」というジャズ俳句
が思い浮かぶんですが、ここではパウエル派と言ってもよいプレイを聴かせております
。続くフィル・ウッズのソロもいいですな。ポール・モチアンは終始スインギーなリズ
ムを叩きだしております。以上、全体を通して「あっぱれ」というデキでありました。
次。「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」。
- ご存じデイブ・ブルーベックの佳曲でございます。はい、お股せ!ここでコスタの
ヴァイブが登場します。あ、お股せ!で思い出しましたが、ウチの会社のおぢさまは三
重県にある「小俣(おばた)町」のことを「おまたちょう」と大きな声で言っておりま
した。そういえば「墨俣(すのまた)町」のことは「すまたちょう」と言っております
な。あ〜ん、おまたですまたぁ〜♪どうでもいいけど、新聞のテレビ欄の「サタ・スマ
」が「サス・マタ」に見えてしまって困っている今日この頃。こんなワタシを寸又峡温
泉に連れてって♪で、この演奏、ヴァイブが叩きだす主旋律にミュート・トランペット
がカウンタでカラむという洒落たアレンジがなされております。コスタのソロは途中「
なんとか」という曲のメロディを引用したりして、くつろぎに溢れております。続く芸
術農民のミュート・プレイも彼らしい歌心にあふれていてよろしいですな。あ、いま気
がついたんですが、ヴァイブのバックでピアノが鳴ってません?原文ライナーを見ると
、フィル・ウッズがピアノの伴奏を付けていると解釈しても、あながち間違いではなさ
そうな英単語が並んでおりました。さばぴょん、大発見だねっ♪
-  
- 3曲目の「ビッグ・ベン」は1曲目に続くフィル・ウッズのオリジナル。これま
た、なかなかの佳曲ですな。やるぢゃん、うっづ!メロディアスなテーマに続いて飛び
出してくるウッズのソロは「後家殺し」の面目躍如。サトルな農民とのコントラストが
いいですね。ここでのコスタはピアノに専念しておりますが、正統派ハードバップとい
えるソロを聴かせてくださいます。はい、4曲目。スタンダードの「自然少年」をミデ
ィアム・テンポで料理しております。テーマ部のハーモニーがちょっぴりウエスト派っ
ぽいですな。続くコスタのピアノ・ソロはシングルトーンを基調とした、なかなかのス
グレもの。ブラシとスティックを使いわけ、途中で長めのストップ・タイムを入れたり
して、ポール餅餡の職人芸とリズム・アレンジが絶妙です。マクリーンを思わせるウッ
ズのファナティックな吹きっぷりもよろしい。が、エンディングはちょっと失敗してる
ねっ♪ま、それも人間。続く「ブルース・プラス・エイト」はコスタのオリジナル。な
んでもいいけどなかなかヴァイブが登場しませんな。「イイ娘、いるよ!」とポン引き
に言われて入ってみたら、確かにいることはいるんだけど、相手をしてくれるのは「よ
くない娘ばっかりぢゃないか!」という情況に似ておりますが、コスタのピアノ、悪く
ないしぃ。ここではかなり「ゴンゴン」といった感じの「ごんたくんプレイ」に徹して
おります。いろんなタッチで弾ける人ですね、エディ・コスタ。ソロの後半は4バース
で大いに盛り上がり、ウッズの「いかにもバップ」といったフレーズも聴けるんですが
、ここでもエンディングは唐突です。俗に言う「高橋ユキヒロ・エンディング」?
-  
- さ、ヴァイブ好きの皆様、おまた〜。ロジャース=ハートの「時さえ忘れて」で
ございます。このアルバムではヴァイブが「チェンジ・オブ・ペース」の役目をしてい
るんですね。しみじみとしたバラード演奏となっております。ここでもピアノはウッズ
でしょうか?リーダーのフィーリングによる“ヘッド”アレンジがサクセスである。と
、原文ライナーにあります。ここでもファーマーのミュートがうまい効果をあげており
ます。コスタのヴァイブはタッチがかなり硬質ですね。いかにも「金物、どついとるね
ん!」といった感じ。「強い」んぢゃなくて「堅い」んですぅ♪さ、ラストですね。今
日の原稿も長かったですね。アルバムの最後を飾るのはファーマーのオリジナル「スト
レッチ・イン“F”」。急速調のバピッシュなナンバーで、ジャム・セッションなんか
に用いられそうな感じの曲ですね。これ、どっかで聴いたことあるんですけどね。とに
かくまあ、各人の超絶的なソロ回しが堪能でき、秀逸です。
-  
- 以上、ヴァイブ編で紹介するにはちょっと無理があったか?という感じはします
が、モードというレーベルの「にこにこイメージ」を払拭する、東海岸の薫りのする名
ハード・バップでございました。おしまい。
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