【アルバム名】
AT PIED PIPER (RGB)
【リーダー名】
IKE ISAACS (1967)
【パーソネル】
JACK WILSON (p) IKE ISAACS (b) JIMMY SMITH (ds)
【収 録 曲】
SOULIN' (THEME) / IMPRESSIONS / MERCY,MERCY,MERCY /
I'LL DROWN IN MY OWN TEARS / SOULIN' / WALK ON BY / RED "I"
【内   容】
「さばぴょんの、わくわくガルビ紀行」第2回です。本日は新羅(シーラ)ホテル 、海鮮鍋、ソウル市内の屋台あたりについて書いてみたいと思います。ガルビは出ませ ん。ということで、まずは新羅ホテル。前回も少し書きましたが、マイケル・ジャクソ ンも泊まりました。今回「さばぴょんも泊まった!」ということで、今後ますます株が 上がることが予想されます。ちなみに私が泊まったとは1127号室でした。忘れると いけないので「いいフナ」と覚えました。1138号室だったら「いいサバ」だったの に、もぉ、新羅ったら気が効かないんだからぁ。。。で、このホテルがどれほど立派か と言うのは、嘘つきで詐欺師なれど性格はよさそうな添乗員のお兄さんが「新羅に泊ま るの初めてなんですよぉ♪」と、仕事そっちのけで胸をときめかせていたことでも明ら かですが、果たしてきわめて立派でございました。景福宮を模した門やら貴賓館なんか があって、広くて綺麗なロビーはもう、ホテル四日市屋も真っ青。ただの職人宿だもん ね、四日市屋。んで、ちょっぴりレトロなムードのルームキーを受け取って若い男と2 人、ルンルン気分で部屋に向かい、ガバっとドアを開けたところ、いきなり目の前に2 つ仲良く並んだベッドが飛び込んでまいりました。一瞬ダブルベッドかと思い、貞操の 危機!という言葉が脳裏に浮かんだ次の瞬間、2つのベッドを引き離す作業に取り掛か りました。なんとか約30センチの空間を確保し、ようやく人心地ついたところで改め て部屋の中を見回すと、テーブルの上にキーボードがあるのを発見。おお、インターネ ットTVやん!さすがは新羅ホテルっ!激しくカンドーした私は直ちに塩サバ通信にア クセスしたというコトの次第であります。ちなみにこのインターネットは24時間使い 放題で料金は25000ウォンでした。日本円で2500円弱。この「料金なんでも1 0倍の世界」にはちょっぴり戸惑いますなぁ。ジュースの自動販売機に「700」とか 書いてあって、何ぃ、700円?嘗めとんのか、われー!と逆上し、ちょっと冷静にな ってから計算してみると「700ウォン、ということは10で割って70円かぁ。安い やん!」ということが判明して嬉しくなると。基本的に飲食物や日常雑貨の類いは日本 の50〜70パーセントという感じでしょうか。日本のホテルのすけべビデオが10分 100円だからインターネット24時間使い放題で2500円は安いのか高いのか?も っとも塩サバ通信を合計20分くらい見た以外にはほとんど利用しなかったので、えら く高いものになってしまいました。
 
 さて、その日の夕食はホテルからバスで15分くらい走ったところにある食堂で の海鮮鍋。食べると股が痒くなって、もぉ。。。といった鍋ではなく(←それは疥癬鍋 )、海老やら貝やらサカナやらが入った鍋物ですな。僕ってば水産系のさばのくせに、 外国で出てくるこの手の鍋って苦手なんだよねー。で、バスで15分のハズが市内の大 渋滞に巻き込まれて45分程かかってしまい、ようやくたどりついた海鮮鍋は思ったと おりキムチ汁に海産物をブチこんだだけのものでございました。最初の予定表では「宮 中鍋」と書いてあったのが、バスの中で貰った予定表ではいつの間にか「海鮮鍋」に名 称が変更されていたんですが、空気量不足で燃焼状態極めて悪く、一酸化炭素バリバリ やん!といった感じのカセットコンロで調理されたゴッタ煮は、まさしく宮廷の味ねっ ♪で、ここでのオススメは鍋よりもタコの刺身でございますな。ぶつ切りにされてもま だ「うにゅうにゅ」とうごめいている小振りのタコの足は吸盤で激しく皿にへばりつい ていて、引き剥がすのが一苦労。それを箸、もしくは面倒になってきたら素手で無理や りに引っぱがし、オイル系のタレをつけて口の中に放り込むと頬っぺたの内側に吸盤が 吸い付いて、とっても楽しいのぉ♪(注:「吸盤プレイ」等、悪用は絶対禁止!)日本 では味わえない楽しみなので、一度経験されることをオススメします。
 
 今ひとつ海鮮鍋では満足が出来なかったので、おじさんたち計6名で屋台を覗い てみました。「ヤスイヨー、ヤスイヨー!」と日本語でおっさんがポン引きしている屋 台はいかにもアヤシイので、その隣の屋台に入ってみました。キムチが出てスープが出 て、これがなかなかオイシイのであります。平べったい冷凍ケースの中に肉やら貝やら が並んでいて、それを焼いてもらうわけですな。店のおばちゃんは日本語がある程度通 じるんだけど結構アヤシイといった感じで、やはり屋台というのは異国情緒があります なぁ。とりあえずビールを貰い、「トリ肉、焼キトリ」というのを焼いてもらい、ケー スの中の貝を指さして「コレ、何?」と尋ねたところ、「牡蛎」という回答が得られま した。「ドウヤッテ食ベル?」と更におばちゃんを追及すると、「生デ食ベル」と。君 はソウルの屋台で生牡蛎を食べる勇気はあるかい?僕はないっす。焼いて貰って味噌を つけて食べました。おいしかったっす。料金、6人で80000ウォン。こうしてソウ ルの夜は更けていきました。
 
(本日の料理順位)
 
1位:屋台  2位:生タコ  3位:ビビンバ  4位:海鮮鍋
 
あ、屋台でも金魚を飼うような小さめの水槽に小振りのタコが元気よく泳いでおり ました。その水槽を指さしておばちゃんに「タコ1匹!」と叫べば、生きたまま料理用 の鋏でジョキジョキとタコの足を切って皿に盛ってくれるハズです。ということで次回 はいよいよガルビだいっ!
 
 @ さ、人材不足で地味極まりないトロンボーン編は昨日でヤメにして、今日か らは夢と希望に溢れた派手派手ベーシスト編だーい♪トップバッターはこれまた華やか なアイク・アイザックス。楽しみですねっ。今までの塩通ならここで、
 
  ・ あ〜、イクぅ〜♪ あ〜、イイっ、座屈♪
 
   > 座位&屈伸。
 
などと品位のカケラもない俳句を詠むところですが、今の僕は違います。新羅ホテ ルに泊まって人間がひと回りもふた回りも格調高くなった僕ってば、詠む俳句だって全 然違います。
 
  ・ ぎぼあいこ 挨拶クスっと ちゃーみんぐ
 
   > 笑顔がス・テ・キ♪
 
たいして代わり映えしないねっ。で、アイク・アイザックスって誰や?と疑問をお 持ちの皆様に、有名盤をひとつ紹介しておきましょう。プレスティッジ盤『レイ・ブラ いや〜ん・トリオ』。ここでベースを弾いているのがアイザックスです。んで、この『 アット・パイド・パイパー』というアルバムもトリオ編成で、ピアノがジャック・ウィ ルソンというのが通好みでイイですなぁ。ドラムスはジミー・スミスという人ですが、 オルガンのジミー・スミスとは別人だと思います。全米で500万人はいそうな名前な ので、ジャズ界に2人くらい同姓同名がいても不思議ではありません。ついでに言うと アルバム・タイトルにある「パイド・パイパー」というのは黄ばみがよく落ちる漂白剤 のことではなく(←それはワイド・ハイター)、「ハメルーンの笛吹き男」のことであ ります。このアルバムはライブ盤なので、ジャズ・クラブの名前なのかも知れません。 んじゃまあ、とりあえず聴いてみましょうね。
 
 1曲目の「ソウルイン」はジョー・ヘンダーソンの曲。ヒジョーに寛いだムード の演奏で、いいわ、いいわぁ♪って思っていたらぁ、すぐに終わちゃってぇ、あ〜ん、 全然物足りないのぉ。。。これはまあ「前戯」ということで、ホンバンはまたあとでネ ッ♪本格的な演奏は2曲目の「インプレションズ」から始まります。コルトレーンの有 名なモード曲ですが、ここでのジャック・ウィルソンのプレイがもぉ最高っ。モードは どーも、と毛嫌いしている人でもだいじゃぶ。ノリにノったウィルソンのプレイは、あ 、そうそう。韓国の味付け海苔、見つかりましたぁ。朝、食べましたぁ。とっても美味 でしたぁ。で、ノリにノったウィルソンのプレイはとってもスインギー。モード・ジャ ズの小難しさをみじんも感じさせません。ソロの最後のところはちょっとマイルスの「 ソー・ホワット」っぽいですな。で、そのあとアイザックスの長めのウォーキング・ソ ロとジミー・スミスのドラム・ソロも聴けます。オススメの1曲でございます。はい、 次。3曲目の「マーシー・マーシー・マーシー」はご存じ、ジョー・ザビヌルの代表作 。
キャノンボール・アダレイの演奏で有名ですが、ここでのジャック・ウィルソンも アーシーな味を活かしたなかなかの好演であります。アドリブらしいアドリブはなく、 軽くテーマをフェイクしていく感じですね。4曲目の「アイル・ドロウン・イン・マイ ・オウン・ティアーズ」もゴスペル・ライクな曲。途中観客が“アーメン”と叫ぶとこ ろなんか、たまりません。と日本語ライナーで佐藤太郎くんも書いております。なんで もいいけど名前があまりにも安易だぞ、佐藤太郎!ライブならではの寛ぎまくったムー ドがたまりませんな。お酒でも飲みながら一緒に「いぇーい!」と叫んでください。
 
 続いてお待ちかね、前戯だけでは満足出来なかった「ソウルイン」のホンバンが 始まります。ジョー・ヘンにしては素直なメロディをもった曲ですな。ブルージーな雰 囲気もございます。シングルトーンにときおりブロックコードを交え、スインギーに弾 きまくるウィルソンが素晴らしいっ!レッド・ガーランドの最良のプレイに匹敵する出 来栄えであります。アイザックスのウォーキング・ベースも、ぼく必聴モンですな。( ←「ぼく、ドラえもん」風に。)6曲目の「ウォーク・オン・バイ」は馬鹿ラック・ナ ンバー。いかにもバカラックらしい曲調が涙を誘います。「ベタベタのクール感」とで も申しましょうか。申してる本人もどういう意味なのか今ひとつよくわかりませんが。 ここではジミー・スミスが変則的なビートでなかなかよく健闘しております。ラストの 「レッド“I”」は、このアルバムを作ったRGBというレーベルの主幹者で、ベーシ ストでもあるレッド・カレンダーとアイクとの共作。アルバム2枚作っただけで消えた らしいですけどね、RGB。ラテン・ファンクっぽいサウンドがカッチョイイっす。以 上、秋の夜更けにふと取り出して、養命酒なんぞを飲みながら聴いてみるといいんでな いか?という1枚でございました。あ、今からこの面倒なジャケ絵を書かねばならんわ けですが、絶対ロクなもんにならんでしょうな。ところでこの、どっからどうみても「 ベタな日本人」といった感じのガキ、いったい何者?


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