今月の話題2003年6月

乾癬の脱ステロイド療法
作成たらお皮膚科

@約15年前から、乾癬にステロイド外用薬や、時にセレスタミンを内服されておられた方です。

脱ステ約2ケ月経った頃、紅皮症の状態。全身が真っ赤。 脱ステ約3ケ月経ったころ。正常皮膚がだいぶ出てきている。 脱ステ約4ケ月経ったころ。小さい乾癬の皮疹があるが、ほとんど正常皮膚にもどった。


A20年以上に渡って、乾癬にステロイド外用薬を使用されておられた方です。

ステロイドを止めて10日目。背部。躯幹が真っ赤で激しい落屑をみる。(紅皮症) ステロイドを止めて約3週間。背部。紅斑、落屑がだいぶおさまってきている。 ステロイドを止めて約5週間。さらに紅斑、落屑が改善している。 ステロイドを止めて約3ケ月。背部。ほぼ正常な皮膚の色になった。離脱前より乾癬の皮疹も改善している。
ステロイドを止めて10日目。大腿部。ステロイド使用中よりも紅斑、落屑が増加。 ステロイドを止めて約1ケ月。大腿部が真っ赤で激しい落屑をみる。(紅皮症) ステロイドを止めて約3ケ月。大腿部。ほぼ治癒。離脱前より乾癬の皮疹も改善している。
リバウンド(手背);ステロイドを止めて約3ケ月後 左の状態から約10週間後(ほぼ治癒)


乾癬ステロイドを長期に渡り使用すると、だんだん効き目がなくなったり、ステロイドの使用を中止すると離脱症状(リバウンド現象)が出ることがあります。
アトピー性皮膚炎の離脱症状(リバウンド現象)と比べると、ジュクジュクにならないことが大きく異なります。口渇、四肢、特に下腿(すね)の浮腫(むくみ)、乏尿、悪寒戦慄、全身倦怠感、温度感覚のずれなどの自律神経失調状態も出現します。

どんな疾患でも、自己判断でステロイドの使用を中止するのは大変危険なので、もし、脱ステロイドを行う際は、脱ステに理解がある医師のもとで行った方が良いでしょう。