炎症をすばやく治める、非常に強力な効果を持った薬です。副腎皮質ホルモンとも言います。
即効性がありますが副作用も強く、よく両刃の剣に例えられます。しかも、副作用は、かなり後からでることが多いので、副作用と気づかずに病気が複雑化します。また中止した後に悪化するので副作用と気がつかないのです。
病院、医院、薬局などで、炎症性疾患、アレルギー性疾患などに、ひろく使用されています。
内服剤(セレスタミン、ベタセレミン、セレスターナ、ヒスタブロック、エンペラシン、プレドニン、リンデロン、リネステロン、メドロールなど)、外用剤、吸入剤(アルデシン、ベコタイドなど)、点耳薬(リンデロンAなど)、点鼻薬(アルデシン、フルナーゼなど)、点眼薬(フルオメトロン、リンデロンなど)、坐薬(ポステリザン、プロクトセディルなど)、口腔用、歯科用、注射剤などがあります。
ステロイド外用剤には、いろいろの種類があります。
現在、保険診療で使用される主なステロイド外用剤を強さで分けると次の様になります。
@最も強い | デルモベート |
Aきわめて強い | ジフラール、ダイアコート、フルメタ、マイザー、リンデロンDP、メサデルム |
Bかなり強い | アンテベート、ビスダーム、ネリゾナ、テクスメテン、ブデソン、トプシム、シマロン、アドコルチン |
C強い | パンデル、リンデロンV(G)、ベトネベート(N)、ベトノバール、ボアラ、プロパデルム、エクラー、フルコート |
D普通 | ロコイド、アルメタ、グリメサゾン、レダコート、ケナコルト、リドメックス |
E 弱い | キンダベート、パルデス、ロコルテン、テラ・コートリル、プレドニン眼軟膏、ネオメドロール眼軟膏、ケナログ、デスパコーワ、エキザルベ |
これは、有名メーカーの薬です。後発品という、上記と同じ有効成分と言われている薬もたくさんあります。薬剤名で判断しないで、薬を持参して医師に相談しましょう。
詳しくはこちらをどうぞ。
市販(薬局)のステロイド外用剤
しっしん、かぶれ(皮膚炎)、虫さされ、かゆみ止め、あせも、ただれと書いてある外用剤の中には、ステロイド(副腎皮質ホルモン)が含まれているものがたくさんあります。薬の箱にステロイドと書いてない事も多く、中の説明書には書いてあっても、わかりにくく、たいていの方は読まれません。
有効成分として、次のものはステロイドです。もちろん、ここに書いてないものもたくさんあります。
デキサメタゾン | 酢酸デキサメゾン | プレドニゾロン | 酢酸プレドニゾロン | 酪酸クロベタゾン |
吉草酸酢酸プレドニゾロン | ヒドロコルチゾン | 酢酸ヒドロコルチゾン | 酪酸ヒドロコルチゾン |
商品名はいろいろあって、全部は紹介できませんが、
ウナコーワA | 液体ムヒS | エスアランD軟膏 | エスアランDクリーム |
エマゼン軟膏 | エマゼンクリーム | エマゼンローション | オイチミン |
オイチミンクリーム | オイチミンD | オイチミンローション | オイラックスHクリーム |
オイラックスG | オイラックスデキサゲル | オイラックスデキサ軟膏 | シオノギD軟膏 |
セロナ軟膏 | セロナクリーム | セロソフト | セロナローション |
タクトクリーム | テラ.コートリル軟膏 | ベリベアー軟膏 | ベリベアークリーム |
マキロン軟膏 | ムヒアルファS | ラナケインコーチ軟膏 | ラリーエイ軟膏 |
ラリーエイクリーム | リビメックスコーワ軟膏 | リビメックスコーワクリーム | リビメックスコーワローション |
レスタゾン軟膏 | ロコイダン軟膏 | ロコイダンクリーム | ワーボンE軟膏 |
パルデス軟膏 | パルデスクリーム | ピータゾン軟膏 | ナガラベース(西濃地方に流通) |
ミルドベート軟膏(資生堂) | デミスロン軟膏 | 新サニアゾルD | エスジールAE軟膏 |
ワーボンプラス軟膏 | レチゾンコート | コーチゾン 雪の元 | テレス軟膏・クリーム |
ピロットクリーム・軟膏 | アレルギールクリーム・ジェル | デキサ・チョーセイ軟膏 | カユミックS軟膏 |
新テシトン軟膏 | プロタッチ | サンメディックローションS | ローヤルエンチクリーム |
プレバリンクリーム | フジアローH | エスアランHクリーム | 新デキサGゲル |
ダイヤコーチノンG | オイラックスPZクリーム | 強力トリコマイシンG | テミスロン軟膏 |
皮炎霜 | 桃源クリーム・ローション |
などがよく販売されています。他にこの表にない薬もいろいろあります。詳しくは薬を持参して、医師に相談してください。ステロイドを勝手に止めると酷く悪化します。また、時には死の危険性もありますので、絶対勝手に止めないでください。乾癬などで急に止めると膿疱性乾癬になる場合があります。
病院、診療所などで保険診療で処方するステロイド外用剤は、これらのステロイドより強い薬が多いのですが、薬局でも、フルコートF軟膏、ベトネベートN軟膏、ベトネベートNクリームなど、強いステロイド外用剤も販売されています。
使用し始めるのは簡単だが、使用中止が困難な薬・・・それがステロイド・・・あたかも麻薬のごとく・・・ |
たらお皮膚科では、すべての疾患にステロイドを使用しない方針で診療を行っています。もし、すでにステロイドを使用された場合は本を読んで頂くと大変役に立つでしょう。詳しくはこちらをどうぞ。