リバウンド現象
作成 たらお皮膚科

アトピー性皮膚炎、男児(顔の皮疹が悪化) アトピー性皮膚炎ステロイドを止めた後に続出する
丸い貨幣状湿疹様皮疹。かゆみが強い。
乾癬性紅皮症・・・リバウンド(乾癬にきわめて強いステロイド外用薬を20年間使用して、脱ステロイド開始約2週間後(背部)

写真撮影および掲載について患者様の同意を得ています

ステロイド(外用薬、内服薬、注射のいずれでも)の使用を中止した際、一時的に症状が悪化する事です。アトピー性皮膚炎の場合は、激しいかゆみや痛みと、紅斑、浮腫、滲出液、膿、亀裂、かわがめくれるといった症状(紅皮症)が、かなり長い期間続きます。また発熱、悪寒戦慄、下腿浮腫、リンパ腺の腫れ、低蛋白血症、乏尿、不眠などの全身症状が出ることがしばしばあります。大変重篤な状態になる場合があります。カポジ水痘様発疹症白内障も併発しやすくなります。人によりリバウンドの経過はいちがいには言えません。ステロイドやプロトピック軟膏を勝手に中止しないで、診察を受けてください。リバウンドの時の治療法については、個人差が大きいので、担当の医師とよく相談してください。自殺でもしない限り必ず治る病気です。焦ってはいけません。
たらお皮膚科での治療法はこちらです。

仕事によっては、休職する必要があります。特にサラリーマンの場合は、衣服やストレス、睡眠不足、付き合い、職場の環境などの関係から、どうしても仕事を休まなければならないことが多い様です。学生の場合も制服や運動、クラブ活動、ストレス、睡眠不足などの関係から、休学する必要がでてくる場合が多い様です。現在の自分の病状を冷静に受け止め、あせらずに、ある意味で開き直って、必ず治るのだと言う自信をもてば、きっと良くなります。

尋常性乾癬の場合のリバウンドは、滲出液が出ることはなく(今までの経験では)、全身の激しい落屑と紅斑(紅皮症と言います)、下腿および手の浮腫、乏尿、悪寒戦慄などの症状が出ることがあります。

リバウンド現象の比較
アトピー性皮膚炎 尋常性乾癬
ジュクジュクになる。 汁は出ない
かゆみが極めて強い かゆみはあるが比較的軽い
掻くと汁や血が出やすい。
傷がつきやすい。
掻いても汁は出ない、傷がつきにくい
細菌感染やウイルス感染が起こりやすい 細菌感染が起こりにくい
鱗屑は少ない 鱗屑が非常に多い
皮疹が多形 皮疹は単調

治療を開始してもどんどん良くなるとは限りません。むしろ一時的な悪化を覚悟しなければなりません。一番残念なのは勝手に転院されることです。今までの治療や薬に関する情報が無駄になります。しばしば入院が必要なことがありますので、転院したい際は必ず相談してください。