O・マンガの作者のタイプとその内容に関して知りたい(33例)

                                                                                                  

このページは、2000/01〜2007/07の7年半の間に、Q&A室での質問文と
回答文のなかで選んだもの
39例を掲載しています。なお、赤字の数字は、
質問順の通し番号です。このページを読めば、
作者のタイプを知り、それ
を通じて自分自身のことが少しクリアになるかもしれません。あなたのお
役に立てるならば幸いです。 

1  1383 小畑友紀さんのタイプを知りたい 質問者(FEE)    2006/12/03

 ご無沙汰しています。毎夜このページを読むのを楽しみにしています。最近、またマンガを読み出すようになりました。気がまぎれるので私にとって癒しグッズです。知りたいのは、マンガ家小畑友紀さんのタイプです。代表作として「まる三角しかく」「僕らがいた」などがあります。切なさとコミカルさがうまくかみ合った作品でとても好きです。タイプ4なのかなあと思うんですが自信はありません。よろしくお願いします。
回答者(りゅうとうまりこ)  FEEさん、お久しぶりです!  2006/12/07
 お待たせしました。なかなかマンガを読む時間がとれず、ようやく「僕らがいた・1巻」を読めたところです。さて、その作品から、作者・小畑友紀さんのエニアグラムのタイプは、タイプ2w1らしく見えますが、判定しているのではありません。

 1巻の出だしは、主人公の女子が高校入学したところです。少しシャイで気が小さいみたいに描かれています。しかし、実は気が小さいどころか、同じクラスのモテモテ系の男子に、知り合って間がないのに、いきなり「むかつくって言ってんの」と、ズバリ面と向かって言える女子に設定しています。このような行動パターンを思いつくのは、攻撃タイプ(825)の作者だと考えられます。

 また、1巻の最後のほうに、主人公は「どーせあたしは、調子よくて、意志薄弱で、八方美人で、責任感ばっか強いわりに頼りなくて、気弱で小心者で、見る目ないし、早まって告るし、そのくせ、すぐに人に頼るし‥‥」などと、好きな男子にしおらしく、自信なさそうに語るシーンがあります。

 タイプ2w1は、「みんなに好かれたい」と思う人が結構いますから、本人は、八方美人をしているつもりでいるようです。しかし、上記のような威勢のいい啖呵を切るようでは、とても八方美人とは言えません。ムカつく相手にも、いい子ぶるのでなければ、八方美人には入れられません。

 また、「早まって告る」とありますが、それも積極的できつい気質の人でなければ、なかなかできないことです。本人は自分を気弱で小心者だと思っているようです。本当に気弱な人ならば、ここで告白しなかったら二度とチャンスはない場合でも、できないままになってしまうのではないでしょうか。

 「責任感ばっか強いわりに」とあり、それでは他の言い方と違います。「無責任で‥」と言えばわかりますが、本人は自慢しているつもりではないようですが、それは卑下したり謙遜する場合に使うべきものではありません。タイプ2によくあることで、自慢していることに無自覚になりやすい傾向があります。次に、このモテモテ男子は、結構屈折したところがあります。そのような行動パターンは、2で、ウイング1が重い人によくあるものです。

 ところで、タイプ4らしいところは全く見つかりません。傷つきやすく気弱そうな女子に見えるのかもしれませんが、タイプ2w1の人に、そのようなところが全くない訳ではありません。ただ、きつくて短気なところが、作品の中にあちこちと出ています。他のタイプの作品に出ている女子と比較してみないとわかりにくいのではと思われます。

 

2   1338   板垣恵介さんのタイプを教えて 質問者(walkman2006/09/07
  んにちは。漫画家の板垣恵介さんのタイプを教えてください。以前、家に遊びに来た友人が持ってきたので、読んだら、キャラクターの絵柄や台詞や行動が、あまり見かけないように感じたので、質問しました。たぶん、タイプ8ではないかと思うのですが・・。以下に参考になりそうなサイトを載せました。Cでは、いくつか絵柄が確認できます。では、よろしくお願いします。
 
@http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%88%83%E7%89%99
Ahttp://www.h5.dion.ne.jp/~ikeruze/itagaki1.htm
Bhttp://www.mandarake.co.jp/shop/info_nakano/iwai/food005/index.html
Chttp://www.amazon.co.jp/%30d0%30ad-31-31/dp/4253209815/ref=pd_sim_b_1/249-3241079-9466714?ie=UTF8
回答者(りゅうとうまりこ)     walkmanさん、お久しぶり!     2006/09/10
 
 折角でしたが@は全く読めませんでした。Aには、たいして性格がわかる情報がありません。Bは食べ物の話ばかりです。C各本のレビューのところに、読者の感想文などが結構載っていました。

 従って、タイプ判定できるような情報がなかったことをお知らせします。ただBCからは、タイプ8らしいところは感じられなかったとお知らせします。

 Bこの作品には食事の場面が多そうなようで、これまでの例からは、タイプ2とタイプ7に最も多いものです。タイプ8も食い意地の張っているタイプなので、食べ物への講釈とか注文は多い人たちではありますが、作品中でとりあげていることは少ないように見受けられます。

 C読者が書いているそのままを紹介します。「父・勇次郎に対戦を申し込むッッここに『バキ』、堂々完結!!」・「かつてないスケールの親子喧嘩がここに開幕!!」・「苦杯をなめ続けるアライJr.の前に、今度は父マホメド・アライが立つ!! そして徳川光成の提案により、さらなるビッグマッチが実現!?」

 どうやら、「父と子」の対決ものが多いみたいです。そうなれば、タイプ2のほうが濃厚です。当会の理論には「男性を強く意識するタイプ261」があり、父親への対決姿勢をクッキリと打ち出すのは、この3つのタイプでは、攻撃タイプのタイプ2です。

 タイプ8は、父親とは対決しないほうで、母親に過剰反応して母親のことばかり考えている息子になります。しかし、タイプ2は父親に過剰反応するタイプです。母親には依存せず感情的になりやすいわりには、母親にはクールに突き放せる傾向があるのがタイプ2です。

 逞しくて強い主人公は、男性ならば誰もが憧れるものであり、誰もが強くなりたいと希求しています。また、筋骨隆々で格闘に強い男を創作するのは、あまりにも簡単なことでもあります。あなたがどこを読んでタイプ8だと思ったのかわかりませんが、タイプ判定は訓練を受けてさえも、一筋縄では行かないものとお知らせします。
再回答(りゅうとうまりこ)  walkmanさんへ     2007/09/15

 板垣恵介さんの作品「バキ」の一部を読みましたが、ほぼ男だけの世界を描いています。格闘技ですから、女性はでにくいのは当然だと言えます。しかし、それでもタイプ7や8のマンガ作品には、女性たちがよく登場しており、その存在は大きく描かれています。

 「男を強く意識するタイプ261」の可能性は高いでしょう。その中では攻撃的な気質のタイプ2が疑わしいと考えます。

 また、見落としていましたが、
Aの情報として、板垣恵介さんは30歳のときに「劇画村塾」にいきましたから、小池一夫先生にマンガのセオリーを習ったとあります。タイプ8は、誰かに師事されることを好みません。独学派タイプです。

 なお、「バキ」の内容を紹介するものとして「バキは強くなりたかった。実の父を倒すためにだ」というものがあり、「父親に意識が向くタイプ261」らしさは出ているように思います。

 「バキ」という作品はほぼ戦いの場面だけであり、それ以外の他の場面、たとえば、家族関係や友人関係などが載っていません。これが無いでは判定しにくいものです。全部を精読していませんが他のところも拾い読みしても、それらしいところは見つかっていません。従って、気質がよく出ている作品ではなかったので、判定する材料が少ないと言えます。他の作品なども読まなければ判断できませんが、現在、その時間は取れません。これだけでご勘弁ください。

 

3  1319 山本直樹さんのタイプを知りたい  質問者(アンリ)  2006/08/21

 漫画家の山本直樹さんのタイプ判定をお願いします。
   @
http://www.yamamotonaoki.com/
  Ahttp://www.yamamotonaoki.com/report/index.html
  Bhttp://www.yamamotonaoki.com/interview/index.html
回答者(りゅうとうまりこ)                アンリさん、はじめまして!    2006/08/22
  
 漫画家の山本直樹さんの作品は読んだことがありません。@Aについては、なぜか開かず、読めません。Bのインタビュー記事が読めましたが、ぶっきらぼうというか飾り気の無い返答があります。また頭が良さそうな方に見えました。しかし、タイプを絞れるものが見つかりません。その他、インターネット上にて性格がわかるサイトはないかと探しましたが、なかなかみつかりません。

 山本直樹さんの描くものは、エロファンタジーマンガなどと言われているようで、以下に「なんでエロを描くんだと思いますか?」と訊ねられて、答えています。
  
http://hotwired.goo.ne.jp/culture/interview/990608/textonly.html

 「うーん……大げさになっちゃいますけどね……、最終的には「死ぬ」っていうことだと思います。僕は作品の中では「死」自体はあんまり描かないですけど、どうせなんやかんややったって、人間は死んじゃうんだから、っていうのが自分の根底にあるんですね。マンガ家なんていう浮わついた商売を選ぶこと自体がそうですけどね。どうせ死んじゃうんだから好きなことやろうっていう」

 
ところで、「どうせ死んじゃうんだから、世間アッと言わせることをしたい」とか、「どうせ死んじゃうんだから、のらくら生きよう」、または、「遊んでいよう」でもいいのではないでしょうか。「好きなことをやろう」というセリフは、少しは気質が出ているような‥‥。

 次は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に書かれていたことです。
 
大胆な性描写とシャープな演出センスで問題作を発表しつづける。愛とセックスに溺れる弱い人間達が織り成す悲哀を過激に、シニカルに、そしてややユーモラスに描く。マンガ『Blue』が東京都条例で有害コミック指定を受ける。 しかし、有害コミック論争以降も山本の作風は変わらず、『ありがとう』では更に過激な描写を見せた。家が不良に占拠され、レイプ、新興宗教、いじめと様々な困難が怒涛の如く押し寄せた一家。それでも決して屈せずに奮闘した父を描く」
 
 さて、
山本直樹さんの原作本を読まない限り、タイプ判定はできません。今日は、タイプ予想をするだけになります。
 まず、彼は、
女体を美しく色っぽく描く方のようです。ネット上で取り上げられている表紙には、すべて女性の色っぽい姿態ばかりでした。それは、彼が女性性の強いタイプ(2・6・1)だからではないかと予想します。

 タイプ2は「お母さん気質」・タイプ6は「次女気質」・タイプ1は「長女気質」と、当会では呼んでいます。本性が女性的ですから、女性に違和感を持ちにくい人たちです。文章なども書き手の性別が分からない場合、男性が書いたとしても、「女性が書いたのでは」と読者が間違えることがあります。従って、この3つタイプのうちのどれかではと予想します。

 また、上記の
ウィキペディアでは、決して屈せずに奮闘した父を描く」とあります。この3つのタイプは、「父親の存在が大きいタイプ」ですから、父親が活躍する作品を描きたがるだろうと予想します。

 もう少し絞るならば、タイプ1は、かなり羞恥心が強いので、エロ漫画が描けるような気質ではありません。なお、羞恥心の最も少ないのは、タイプ2ですから、このタイプの可能性が強いのですが、タイプ6もまだ消せません。今回は、こんなところで申し訳ない。機会があったら彼の作品を読んでみようと思います。

再質問 山本直樹さんのタイプを知りたい・その2  質問者(アンリ)2008/08/25

 
 山本直樹さんの考察ありがとうございます。ヤフーで無料立ち読みページがあったので載せます。こちらを見てみてもらって、引き続き考察お願いします。やはりタイプ2でしょうか?
  
http://comics.yahoo.co.jp/list.html?list=author&author_id=yamamoto04
再回答(りゅうとうまりこ)  アンリさん、こんにちは! 2007/08/26

 無料の立ち読みページを読んでみました。タイプ2w1らしく見えます。しかし、判定しているのではありません。誤解なきようにお願いいたします。

 マンガ作品「あさってDance(4)」では、主人公は、葬式場でナンパらしきものをするようです。常識破り的な場面設定ができる人のようで、調和タイプ(369)にはあまり見かけないものです。登場人物の多くは破廉恥で厚かましくて、他人の家にも平然と押しかけていき、留守宅に勝手にあがりこむ娘もいます。ドタバタ調で、お節介な男も創作できるようです。

 また、少しのページしか読めなかったんですが、男性が作っている作品とは思えないほどで、男っぽい人は、一人も登場しません。タイプ2に関しては、たとえ男性であっても、その気質は「女性性の強い気質」だと分析しています。

 そして、表情などもとてもリアルで、感情をうまく表現しており、感情タイプ(2・3・4)でなければ描けないように思われます。そして、感情タイプの中で、厚かましいとかお節介な人間をうまく描けるのは、タイプ2しかいません。
 エロ漫画には興味がないのですが、読み応えのある作品のように見え、作者の頭のよさが垣間見られたように思います。続きを読んでみたくなりました。
 

 

4 1289 「HUNTER×HUNTER」について 質問者(エステル)    2006/06/29

 高校時代の同級生で、同性の友人が好きな漫画「HUNTER×HUNTER」の登場人物である、幻影旅団団長クロロ・ルシルフル氏のタイプ判定をお願いしてもよろしいでしょうか? 以前お読みになったことがあると思いまして、依頼させて頂きます。友人に薦められて私も読んだのですが、自ら「動機の言語化は好きではない。自分を掴むカギはそこにあるか」等の発言から、この人物はタイプ5であり、同時にアレキシサイミアなのではないかと感じました。しかし、作者が4w5でいらっしゃるので、この人物もそうなのでしょうか? お忙しいとは存じますが、どうぞ宜しくお願い致します。
回答者(りゅうとうまりこ) エステルさん、はじめまして! 2006/07/01

 以前に漫画「HUNTER×HUNTER」に関しての質問があり、回答しています。このサイトの下方、19-634にも有りますから、併せてお読み願いたい。

 
なお、二巻くらいしか読んでいないために、質問にある「幻影旅団団長クロロ・ルシルフル氏」なる人物のことは全く知りません。なお、長編らしいので、現在、それを読む時間が取れません。従って、回答はできません。あしからずご了承ください。なお、これだけではなんですから、少しだけ説明したいと思います。

 登場人物は作者の気質(=性格タイプ)を投影しています。こちらからは、全てが
4w5らしい人物に見えます。「クロロ・ルシルフル」なるキャラクターも同様になる可能性があります。ただし、もしも、作者の知っている実在の方がタイプ5で、その方をモデルとして「クロロ・ルシルフル」というキャラクターを作者が描けば、タイプ5と判定できることもあります。

 たとえば、「あたしんち」というテレビ漫画になっているものは、けらえいこさんという2
w1らしく(私からは)見える人の作品です。この作者の気質が投影されていますから、主人公のみかんちゃんも、w1らしい人物だと見ています。どの作品でも(マンガだけでなく小説でも)、主人公は、作者の気質を直接に投影しているので、「作者のタイプ=主人公のタイプ」になります。そうでないものは、まだお目にかかったことがありません。

 しかし、作者は、さまざまに登場人物を描き別けねばなりませんから、多くは想像してキャラクターを作り出していると考えられます。しかし、ほとんどが自分の気質のいろいろな側面を、幾つかのキャラクターとして描き別けているに過ぎないと見ています。一部には、たとえば、「あたしんち」「サザエさん」や、「天才柳沢教授の生活」などには、作者と違う気質の人が登場しています。実在のモデルが無ければ描けない登場人物がいます。

 
従って、読んでいないために、クロロ・ルシルフル」なるキャラクターには、実在のモデルがあるのか、キッチリとタイプ5と判定できるものなのか(実在のモデルがいたらウイングもハッキリと浮き出ているはず)、それは現在のところ判りません。

 「
自ら、動機の言語化は好きではない。自分を掴むカギはそこにあるか、等の発言」だけでは、とてもタイプ判定はできません。理屈っぽいセリフですが、理屈っぽさなら、元々4w5に備わっているものです。

 また、ウイング5があれば、その部分の気質が投影されるので、タイプ5だと感じさせられるものがあるのかもしれません。しかし、4w5の気質は、「タイプ4」と「タイプ5」にバラバラにできるものではありませんから、ウイング5の部分だけを一つのキャラクターとして作り上げることはできないと考えられます。たとえば、4w5と5w4は隣り合わせのタイプですから、よく似ているので間違えることがあるかもしれませんが、両タイプを熟知すれば、まるっきり違います。

 たとえ、クールな人物像を作りだしても、それもタイプ4自身に元々に備わった一面です。また、クールな人物や理屈っぽい人物は、どのタイプの作者でも比較的創作しやすいものです。多くの他のタイプの作者が脇役として登場させています。これは以前にも言及しています。


 なお、
アレキシサイミアなのではないかと感じました」とありますが、それは「失感情症」と訳されているようです。一般的には、無感動とか、感情が鈍くなっている、心身症やうつ病などと関連していると考えられているようです。しかし、私にはよく理解できないもので、心理学用語には、再考しなければならない用語が一杯にあるように感じています。また、読んでいないので、これに関しても何もコメントできません。申し訳ない。

 ただし、タイプ4の人の中には、表面的に見たら、失感情症的に見える人たちがいます。元々に感情発散型ではないのですから、ごく内輪な人でないと、感情的なところがあると知られていない場合があります。家族でも、当人にとっては親しめない場合があり、そういうタイプ4は家庭にも居場所がないので、本当の自分を出さないままでいたりします。無表情なタイプ4はよく見かけます。

 

回答に対する返事   エステルさんより  2006/07/03

 「HUNTER×HUNTER」の幻影旅団団長のタイプ判定の件、とても丁寧にお答え下さいまして、ありがとうございました。まだ、タイプ4と5の方の見分けも付かない者です。今後も学んで参りたいと思います。サイトでは、自分はタイプ1、他のサイトでは、1、6、2の順の頻度で判定されます。タイプ8の要素が最も少ないみたいです。次回は是非、自身のタイプ判定をお願いしたいと思います。また、正式に依頼させて頂きます。ありがとうございました。

 

5 1427 内田春菊さんをタイプ3と判定した根拠 質問者(ゆっきー)2007/03/12

今回はマンガ作品についての質問です。つい最近、貴サイトで3w2と紹介されている、内田春菊さんのマンガ「こんな女じゃ勃たねえよ」を読みました。しかし、作者の内田さんが3w2と知らなければ、多分タイプ7の作品と思ってしまったでしょう。安野モヨコさん(タイプ7)の「ハッピーマニア」にもどこか似ていると感じさせます。どのあたりからタイプ3w2と判定されたのか、きわめて深い興味を抱いています。是非とも教えていただきたいと切望します。
回答者(りゅうとうまりこ)    ゆっきーさん、こんにちは!        2008/10/02   

  現在、マンガ家などのタイプの再調査しています。以前に、内田春菊さんをタイプ3w2の可能性があると判定しておりましたが、ここも再調査中です。すみませんが、回答はしばらくお待ち願えませんか。よろしくお願い申し上げます。

再回答(りゅうとう) ゆっきーさん、こんにちは! 2007/08/31
 
 安野モヨコさんについては、後ほどマンガ作品を読んで、タイプ2w1と判定しています。タイプ誤認していたようです。2w1と判定した根拠は、こことは無関係なので、今回は回答していません。とりあえず、お知らせしています。いつか別の機会に説明できることがあるのではないかと思います。

 

 1337  野明さんのタイプを知りたい 質問者(ざくろ) 2006/09/06

 天野明さんは現在、週刊少年ジャンプで「家庭教師ヒットマンREBORN!」を連載しています。それでタイプが気になったので、もしよければ判定をお願いします。インタビューや日記が見つからなかったので、作品の試し読みのアドレスを以下に記載します。
1巻http://www.s-manga.net/comics/cm_20041004_wj_jpc_408873680X_katekyo-hitman-reborn-1k.html
2巻http://www.s-manga.net/comics/cm_20041227_wj_jpc_4088736990_katekyo-hitman-reborn-2k.html

回答者(りゅうとうまりこ) ざくろさん、はじめまして! 2006/09/09

 天野明さんという漫画家を知らないのでネットで調べてみたら、男性ではなく、女性のようです。なお、性格がわかるようなものは見つからず、上記の試し読みだけで予想するしかありません。また、試し読みでも結構たくさん読ませてくれるところがありますが、ここはほんのサワリだけですね。

 結論から述べるならば、タイプ2w1の人らしい作品に見えます。ただし、「らしい」とあるように、まだ判定していませんから誤解なきようにお願いします。作品をしっかりと最後まで読み、それ以外の作者の肉声が出ているような文なども読んでみないことには、判定できません。

 それでも一応、根拠のようなものを書き出してみます。

 1巻からみると、主人公は何をやってもダメな奴らしく、級友たちから、「ダメツナ」と呼ばれています。綱吉という徳川将軍の名前をつけられているにも関わらず、掃除当番でもないのに級友たちから当番をふられてしまいます。拒否できずに掃除しようとするダメな男子となっています。

 このようなダメな奴が次第に逞しく強くなるお話は、お定まりのものなので、ほとんどの作者が使いそうなものです。ただし、タイプ8には、掃除当番させられるというダメ男は想定できないと考えられます。ですから、タイプ8ではないだろうと予想します。

 2巻は、ほとんど「山本」という主人公の級友のことしか書いてありません。山本くんのセリフを取り上げてみます。何かいわくがありげな幼児(男)に向って、「おいおい 呼びだしといて だんまり にらめっこはねえんじゃねーの?」・「ハハハ そうか そりゃ失礼した」「ハハハ マジでお前面白いな 気に入ったね」とあります。子ども扱いしていない、対等な相手のように真正面から対峙しています。

 このような話し方をするのは、「お父さん気質」のタイプ8と、「おかあさん気質」のタイプ2のみだろうと見ています。相手は幼児で、あまりにも歳下で余裕を持っているためか、子どもでも子ども扱いしないで対等ふうな言葉使いをすることがあります。むろん、したことがない、できない人もいると思いますが…。一方、作者が子どもタイプ(17634)であれば、相手が幼児であれば、「こんなところで、どうしたの? ママとはぐれたの?」みたいな反応になることが多そうです。

 次に、山本君は、同年輩らしいカッカといらついている男に向って、「お前 牛乳飲むといいぜ イライラはカルシウム不足だ」と説教しています。まるで母親がよく使うセリフみたいです。つまり、「お母さん気質」のタイプ2のように見えます。他人の食べ物の心配までよくするタイプです。ただし、他のタイプでも使うセリフかもしれませんから、判定は出来ませんが。

 なお、このようなキャラクターは、タイプ2w1には一杯にあります。この漫画のようなマフィアとかヤクザものも、うんざりするほどあります。「ごくセン」も2w1と見ていますからね。

 ちなみに、やくざとは、親分のために命を落としてもよいという男たちの世界です。親分の代わりにムショにも入らねばなりません。つまり「自己犠牲」が最も重要視されている社会です。タイプ2の価値観が反映されているようで、実際のやくざも、タイプ2w1が多いのではないかと私は予想しています。攻撃性の強い気質でなければ、その世界は入りにくいので、攻撃タイプ825から探すところでもあります。

 なお、タイプ8は「親分」しかする気のない人間で、自己犠牲などしない気質ですからね。

 

7 1329 田こうすけさんのタイプを知りたい 質問者(もぐら) 2006/08/29

 こんにちは。マンガ「ギャグ漫画日和」の作者、増田こうすけ氏のタイプを教えてください。予想はタイプ6なんですが…。
回答者(りゅうとうまりこ) もぐらさん、こんにちは! 2008/09/01

  増田こうすけさんのマンガ作品は、読んだことがなく、インターネット上で情報がないか探してみましたが、性格がわかるようなものが見つかりません。ここの立ち読みコーナーにも取り上げてありません。従って、タイプ判定ができません。

 少しだけ、作品の表紙が載っており、そこからみると、タイプ6というよりも、タイプ7w6らしさを感じさせます。女性とキスしているシーンとか、どこか自虐的な感じがあり、それらはタイプ6にはあまりないものだからです。

 原作を読んでから、またお知らせします。できるなら、そちらで何か情報がないか探してくださると良いのですが。また、判定すると、タイプ2w1ばかり出ると少しボヤいていたので、このタイプでは無さそうなものを探して質問してくれたのかなあ、と思いつつ……、

再回答((りゅうとうまりこ) もぐらさんへ! 2007/10/07 

 お待たせしました。増田こうすけ作の「ギャグ漫画日和」の1と2を読み終えたところです。
結論から言えば、やはりタイプ7w6らしく見えます。その根拠みたいなものをあげてみます。

 1巻の
第1幕は「なめられペリー」というタイトルですが、江戸末期に浦和にやってきたペリー提督のことを題材にしているようです。主人公のペリーは、部下たちに舐められているようですが、「たまに娘にカツアゲされたりするけど‥」と言った矢先に、当の娘が登場。「パパ お金」と娘。「ヒーッ」とぺリー。「日本に着いたら、おみやげ買うんだよ。木刀とか 金くれ」と娘。「ヒィーィッあめちゃんでかんべんして」とペリー。

 このようなストーリーは、「女性を強く意識するタイプ837」らしいものと考えます。また、娘にさえ舐められている父親という設定であるならば、「父親を強く意識するタイプ261」の可能性は低くなります。なぜならば、261にとって、父親の存在は大きく、ギャグの対象になりにくいと考えられます。

 2巻の第28幕のタイトルは「眼帯」といい、伊達政宗の眼帯を老夫婦が取り合いして遊んでいます。ばあさんのほうが上手らしく、「じじいピンチ」となり、「もう全部ばあさんのルールかよ」と嘆いているセリフもあります。

 このような女に負けるという設定は、タイプ6にはあまり考えられないものです。タイプ6は強い男に憧れる気質で、女性は軽い存在で、負けることなどあまり考えない傾向があります。それゆえ、ギャグとしても取り入れる可能性は低いとだろうと予想します。その他、下ネタもよく出てきます。まさに
自虐的で、面白い話をしたがる7w6らしいところばかりに見えます。

 

 

8 1142 高橋冴未さんのタイプを教えて     質問者(見子)    2005/12/09
 
 はじめまして。私はマンガが大好きでマンガ家になりたいと思っています。それで、いろいろとアイデアを思いついてはメモするようにしています。いつかは会心のビッグな物語を作りたいという夢を持っています。友だちに教えてもらってこちらのウェプサイトを知りました。それで大好きなマンガ家・高橋冴未さんのタイプをぜひとも教えていただきたいと思いました。私自身は自分のことをタイプ4と思っているのですが、冴未さんも私と同じタイプ4のように思うのですが…。ではよろしくお願いしま〜す<(_ _)>
回答者(りゅうとうまりこ) 見子さん、はじめまして! 2005/12/11
 
 お待たせしてしまいました。マンガ家・高橋冴未さんの創作した「きらきら馨る」というタイトルのマンガ本を読んだところです。その作品から高橋冴未さんのエニアグラムのタイプは、当会からは、タイプ2w1らしく見えます。ただし判定しているのではありませんから誤解なきようにお願いします。

 少女マンガらしいマンガのようです。とっても甘くてかわいい作品のようですが、ドダバタ調もあり、かなりソコツな性格の主人公です。最後はハッピーエンドで「白馬に乗った王子様」と出会えたという訳で、安心して読める読み物と思われます。登場人物はイケメン男性ばかりで、女性があまり登場していません。これらはタイプ2の人たちの作品によくあるものです。

 ちょっとばかり現実的で下品なところもあります。成仏できないで黄泉の世界を彷徨っている主人公の姫が、
「もう300年も厠に行く間もないほど働いている」と閻魔さまに文句を言うところがあり、閻魔さまが、「厠に行きたいのか?」と訊ねています。

 一方、タイプ4は現実から逃れたがるところがあり、それゆえか、現実からかけ離れた作品を作る傾向があり、また下品な話を嫌う傾向もあります。

 この物語は平安時代の貴族社会を描いているようで、「白馬の王子様」とは、「東宮(=皇太子)」のようです。最初のセリフに
「私は東宮という己の運命から逃れたかった」とありましたから、そこだけならば、タイプ4らしいと思わされます。

 しかし、その後に
「あふれるほどの恵みを持って生まれた」と言うのです。タイプ4は、「恵み」よりも「重圧」とか「束縛」「不自由」のほうを強く意識するほうで、そこから逃れたくなるのではないでしょうか。あまりタイプ4らしく見えないところです。

 当会はタイプ4を「末っ子気質」と呼んでいますが、末っ子にとっては、暮しの心配をしないでいられる身分で、かつ自由きままに生きられることが理想になるでしょう。ですから、東宮の妃になることはこの「自由きまま」という理想とかけ離れています。あなたのタイプ4のイメージは、このマンガの主人公とは相当にかけ離れているとお伝えします。

 当サイトには、「童話や昔話から、タイプを理解する方法シリーズ」があり、「かぐや姫」を取り上げています(以下)。かぐや姫は、時の帝から求愛されても喜ばないどころか、とても困ったようで、月世界に逃げて行くというストーリーです。この「かぐや姫」のような内容ならば、タイプ4らしいとみます。

 そして、あなた自身のタイプについては、これだけですから分かりませんが、よければ以下に載せているものをお読みください。タイプ4の気質が少しは理解いただけると思います。
    
http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-201~/15-223.htm

 

9 1129  「デスノート」に登場するLのタイプ      質問者(川床)      2005/11/12

 
初めまして。集英社少年ジャンプに連載中の「デスノート」という漫画をご存知でしょうか? 以下参考サイトです。その一部に登場する、「L」というキャラクターのタイプについてお伺いします。Lの頭脳明晰で冷静で感情にドライな点で、タイプ5w4。しかし、どちらかというとおじいさんタイプというより末っ子タイプ。子供のような嗜好や挙動不審な奇行、ファッションの拘りのなさから、タイプ4w5も十分考えられると思います。(アインシュタインやニーチェと同じタイプ4w5?少々マニアックネタですが) 判定のご意見、どうぞよろしくお願いします。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a1%c9L%a1%c9
http://ja.wikipedia.org/wiki/DEATH_NOTE#.E4.B8.BB.E3.81.AA.E7.99.BB.E5.A0.B4.E4.BA.BA.E7.89.A9.EF.BC.88.E7.AC.AC.E4.B8.80.E9.83.A8.EF.BC.89
回答者(りゅうとうまりこ)        川床さん、はじめまして!      2005/11/14 
 
 紹介されたアドレスには、性格の分かる情報は載っていませんでした。それで、マンガ「デスノート
(DEATH NOTE)」の1〜3巻のみを購入して読んでみました。長い連載もののようです。原作者は「大場つぐみ」という名前になっていますが、ネットで調べると、「ガモウひろし」というマンガ家であると、たくさんのウェプサイトに取り上げられていました。

 さて、原作者がどのような名前であろうとも、女性だとて男性だとて同じに取り扱うのが当「エニアグラム性格学研究会」の考え方です。原作者の性格が、登場人物たちの性格に反映しており、また、物語の骨組みやストーリー展開の中にも、そのタイプらしい価値観が見えます。それゆえタイプ判定ができます。

 「大場つぐみ」さんのエニアグラムのタイプは、タイプ2w1らしく見えます。ただし、「らしく見える」のであり、判定しているのではありませんから誤解しないでください。そして、単行本の3冊のみで判断しているために、根拠として示せるところが大変に少なく、また、とても説明しにくいタイプのものでした。それでも、タイプ2w1らしいと感じた根拠を書き出してみます。

 まず、この物語の最初のところに「退屈だったので」という理由で、主要登場人物・死神リュークと夜神ライトは、事を起したようです。ところで、かなり昔の映画なのですが、「旗本退屈男」という時代劇映画がありました。「退屈なので、世の中の悪人たちをやっつけてやろうと決意した」というものです。「必殺仕掛け人&仕置き人」という連続テレビドラマもありましたが、全く同じテーマと言え、タイプ2w1の方が創作したものと見ています。

 この物語では、「デスノート」に名前を書かれた人間は「死ぬ」という設定になっています。時代劇では剣豪とか腕っ節の強い男が直接に悪人を倒しますから、その違いがありますが、同根だと考えられます。なお、主人公のセリフとして次のようなものがあります。

 「世の中に知らしめるんだ、正義の裁きをくだす者がいるって事を」・「誰も悪い事ができなくなる、確実に世界は良い方向に進んでいく」・「僕が、真面目で心のやさしい人間だけの世界をつくる」・「僕は日本一と言っていいくらいの真面目な優等生だよ」・「僕は正義だ」等々……。これらは、多くのタイプ2w1の作品にある「勧善懲悪のために戦う剣士たち」に共通している考え方です。

 タイプ4の作品であれば、何か大変な過去があるか過酷な運命によって、「人間を憎み出し人類を絶滅させるために殺人鬼になる」という物語を創作するほうが、違和を感じないでしょう。自身が悪魔のような存在になるのですから、正義を振りかざす必要はありません。自分を悪魔にさせた人間のほうが悪いのですから、人間たちを無差別に殺して当然だということになります。悪人だけを殺すという発想はあまり考えられません。

 この作品は、「退屈だから」という動機で、「悪人殺し」を決意したようです。このような動機もタイプ4の辞書には無い発想の仕方です。また、タイプ4の作品ならば、その悪魔と対決する人間を配置するのではないでしょうか。たとえば、浦沢直樹さん著の「モンスター」などです。

 タイプ4は「人間一般コンプレックス」に陥りやすい気質ですから、コンプレックス度が強くなれば、人間を恨み根絶したくなると考えられます。しかし、この主人公は、より良い世界にするために結局は悪を為すようです。とても偽善的です。結局のところ、リンチしているだけですからね。

 タイプ4は、タイプ2とは違い、「善い人間にならねばならない」という「ネバ人間」は有りません。偽善的にはなりにくく正義を振りかざす必要もありません。偽善的になりやすいのは、「善人にならねばならない」人たちによく起こるうるもので、タイプ2固有の問題なんです。

 タイプ4にとって、悪魔と対決する人間が、自動的に正義の士になってしまうだけのことです。とてもシンプルで、動機も理解しやすいと言えます。なりたくて正義の士になるのではなく、運命に巻き込まれてしまい、結果としてそうなるという設定が多いんです。

 また、この作品では「悪人」であることは簡単に分かることのようです。タイプ5と4w5にとって、何をしたら「悪人」と認定できるのか、それが大問題です。殺人者だと思われて刑務所に収監されていても、もしも無実であれば、どうなるのでしょうか。冤罪事件が絶えるとは思えない現状がありますからね。

 しかし、そういうことはまるで取りあげられず、簡単に悪人と認定できる人のようです。設定が大まかでズサンであると思わざるを得ません。そういうことに関心が無いために取り挙げられないのではと疑ってしまいます。

 作者は、大きな善のためには小さな悪は致し方のないことだ、という考え方をしているように見えます。しかし、タイプ4の人たちは、「小さな部分」がとても大切という考え方をするほうで、社会から見捨てられ、切り捨てられる人たちを救う人が、「正義の士」なんです。そのように設定しなければ、正義の士と認定できません。

 タイプ4は「世界の淵にいると自己認識するタイプ」です。淵にいるとは、アウトサイダー意識を持ちやすいのであり、誤認されて罪人にされるとか、虫けら扱いされて殺される人間の側に立ちやすいということです。同情心というものがもっとも高いのが防御タイプ(714)ですからね。

 タイプ5は、「事実を知りたがる人」ですから、もしも創作するならば、そこに拘って作品作りをするでしょう。裁判劇のような「事実は何か」という点が争点になっているとか、主たるテーマになっているものならばタイプ5の可能性はあるとみます。ですから、4w5の作品にも、裁判劇がよくあるようだと見ています。

 しかし、3巻のどこにも、事実を知りたがっているとか、拘っているところが見当たりません。犯罪に手を染めているのに、それにも気づかない偽善者の夜神ライトと、それに対決する「L」との心理戦、あるいは頭脳戦だけがテーマになっているように見えます。

 そして、この物語は、キャラクターを性格別けしているつもりなのかもしれませんが、どの人もみなこちらからは、タイプ2w1に見えます。描き分けているようにはとても見えません。死神リュークも夜神ライトも、その父親も、つきあっている彼女、殺された捜査官とそのフィアンセもです。むろん、Lもです。タイプ2w1が想像できるような人物像に過ぎず、他のタイプらしいところは(3巻内では)、一点も見られないと言えるくらいです。


 さて、死神リュークと夜神ライトは、最初から友だちづきあいしているようにさえ見えます。死神にリンゴを食べさせたり、盗聴器を発見するための手助けをさせているんですからね。食べさせてあげるなど、まるでお母さんがするようなことで、お母さん気質(タイプ2)の人が考え出しそうなものと言えます。

 つきあっている彼女も、バスジャックに遭った直後なのに、どこかに遊びに行かないと損だという感じになっています。気分転換がとてもうまい人たちばかり登場しています。一方、タイプ4w5も5w4も、気分転換がうまいほうではありません。悩み出すと延々と考え続ける傾向があります。

 また、夜神ライトは、試しに最初は無差別に6人も殺した凶悪犯の名前をノートに書き記して、人を殺せることが分かったようです。二人目は、若い女性にからんでいる暴走族っぽい男性をノートに書き出します。それで殺してしまいます。その他、ひったくり犯なども殺していますが、ひったくりをしただけで殺してよい人間になっていることが、背筋が凍るほど怖いと感じましたが、それは私だけなんでしょうか。

 しかし、作者はどうもそのようなことは微塵も考えていないようです。3巻目になっても、依然として正義の士であることに疑念を抱かない主人公にしています。タイプ4と5はどちらかというと、いつも自分や人々、物事にも疑念を抱くことが多く、「正義とはなんぞや」を問う傾向があります。これが正義なのかと自分に問う場面が必要であり、書かずにはいられないテーマになるでしょう。

 作者は「殺し」を軽くとり扱っており、その場面はすぐに通り過ぎているのですから、その無神経さには驚きます。作者自身にインサイダー意識があり、小さな過失は致し方ないと開き直れる人のようです。これは攻撃タイプによく起こり得る考え方で、「世界の中心にいると自己認識するタイプ825」の特長的なところです。「小異を捨てて大同に付く」という考え方もできますから、大きな視点から物事を見られるのはよいところなのかもしれませんが‥。

 防御タイプは、「小異」のところで引っかかって一歩を進ませることが困難になるタイプです。誤まって他人を傷つけても、自分のせいではないかと、自分を責めるのがタイプ4の気質です。それが真面目で優しい人たちの顕著な特長です。まして、ひったくり犯を殺しているのに、罪悪感で一杯になっていないなど、真面目で優しい人間にできることではありません。想像するにしても難しいものです。

 主人公・夜神ライトに「僕は日本一と言っていいくらいの真面目…」と言わせるなど、ちょっと信じられない展開になっています。もしも、作者がもののよくわかる人物ならば、夜神ライトを、ラストで地獄に落ちるようにしてくれるのではないかと思うのですが……。

 つまり、繊細で怖がりで神経質で真面目な人間が作り出せるキャラクターとは思えません。細かいことが気になるタイプとは、とても思えません。そして、もしも、「より良い世界にしたい」という肯定的な考え方ができるようになった作者がタイプ4というならば、なおさらに、「悪とは何か・善とは何か?」と考えずにはいられず、それらに対して敏感になるでしょう。悪人と認定できない人間を殺して、良心の呵責を感じないで済まされるでしょうか。

 タイプ5であれば、どんな罪を犯したら死刑に値するのか、また、本当に罪を犯したのか事実を調べないでいられるでしょうか? また、裁判官でもない人間が人を裁くなど、国の乱れに繋がります。人心を不安に陥れるものではないでしょうか。

 夜神ライトがしていることは、「リンチ(私刑)」であり、このようなリンチを野放しにしたら、「確実に世界は良い方向に行く」のではなく、確実に悪い方向に進むと考えます。賢さを第一に求めて愚かさを嫌うのがタイプ5ですから、このような作品を作るなど考えられません。また、タイプ5は、人間の愚かさを知っているからこそ法律やシステム、裁判制度などに関心を寄せるタイプであると知ってください。

 また、この作品は「父親と息子」という関係が主になっていて、母親はまるで出ていません。3巻までしか読んでいないので、もしかしたら、後のほうでは母親の存在が大きくなっているのかもしれませんが。それでも最初から付け足しみたいな描き方では、母親の存在が大きいタイプ4の人たちが作る作品とは言えないでしょう。母親は死んでいないものと描いたほうが、その存在が大きいためではと予想できますからね。タイプ4の作品としてみたなら、違和感があり過ぎます。


 そして「L」は、礼儀正しい立ち居振舞いをしていません。それを子どもっぽいことのように捉えているようですが、町角や電車内で、Lのようにしゃがんでいるのは、タイプ2の人たちが多いようだと見ているくらいです。防御タイプは優等生気質があり、人目をいつも意識しているために、あまりみっともない格好をしているところを見かけません。

 また、Lは甘いお菓子をよく食べているそうですが、タイプ2の人たちにも、甘党や菓子大好き人間がいて珍しくありません。それよりも、子どもっぽい無邪気さみたいなものが、
3冊のどこにも出てきません。純真無垢というような「イノセントなところ」も全く描かれていません。性急になったり切羽詰った行動も無く、とても余裕綽々な人たちばかりに見えます。また、尋ねられたら、なんでもベラベラと喋りだす人たちばかりが登場しています。オープンな気質な人が描いた作品だと考えられるところです。
 
 なお、
タイプ4w5の人でも大変にオシャレな方がいます。また、どのタイプであろうとも、探偵とか刑事役を作り出す場合、冷静な人物像を作り出すことができます。かえって簡単に想像できる人物像であり、どのタイプでも作れると言えるものです。

 それよりも、「悪人をやっつければ良い世界を作れる」と思える人物、「僕が、真面目で心のやさしい人間だけの世界をつくる」というような発想ができる人は、どのような性格の人なのかを想像して欲しいと思います。

 タイプ4であれば、「真面目で心がやさしい人間だけでは、世界は瞬く間に破壊されてしまうと恐れる」のではないでしょうか。なぜなら自身が真面目で優しいからであり、自分の弱さを憎むのであり、強さを渇望するタイプだからです。強い主人公の作品を作るのは、そこにあります。

 タイプ
5にとって、真面目で心がやさしい人間など、ものの役に立たず「愚かな人間だ」と言っているようなものです。「賢い人間だけの世界にしたい」と言わしめるならば理解できます。タイプ4w5やタイプ5にとっては、愚かな人間を見ることが苛立ちになるのであり、世界はそんなに生易しい甘いものには見えていません。

 この作品は「世界と肯定的に結びついているタイプ」の特長が著しく出ていると思われます。従って、「デスノート」というマンガ作品は、世界の中心にいて、世界は肯定的なところだと思い込んでいるタイプ2の人の性格が反映していると考えます。また、負けず嫌いなところから、ウイング1らしく見えます。

回答に対する返事      川床さんより      2005/11/23
 
 遅ればせながら、ありがとうございました。回答を読んで、竜頭さんの考えの深さと視野の広さ、またエニアグラムの奥の深さに感心しました。タイプ判定のページのところで、「昔のあなたではなく、今感じている自分であり、そうなりたい自分にしないでください。また、約8割の人が正しい自分のタイプを見つけていません」とありましたが、まさにその通りで、私は、先入観をもって判断してました。私の場合、キャラに執着しすぎていて、作者のことや、動機などを、判断材料として見落としていました。したがって、自分のタイプ判定も今まで典型的なタイプ4だと思っていたのですが、今回のQ&Aから、自己判定によるタイプに確信をもてなくなりました。これから就職活動する際に、エニアグラムを自己分析の参考にしたいので、竜頭さんから見た、タイプ判定をお願いしたいと思います。

 

10  1112 梶原一騎「愛と誠」について      質問者(あけみ)    2005/10/10


 
マンガ作品はよほど身近な人がモデルになっていないかぎり、登場人物全員が作者と同じタイプだそうですね。それについての質問なのですが、梶原一騎マンガ「愛と誠」がタイプ8と判定されていましたよね。主人公の誠や、スケバンの高原由紀はタイプ8で納得できました。でも、ヒロインの早乙女愛はタイプ2、秀才の岩清水くんはタイプ5のように見える(というか、タイプ8のように見えない)のですが、やはりこの2人も、作者と同じタイプ8なのでしょうか。特に、ヒロインの愛は、とても献身的で、マザーテレサのように弱いものを守っているように見えたので、「お父さんタイプ」だとはあまり見えないのですが。

回答者(りゅうとうまりこ)      あけみさん、お待たせしました!2005/10/18

 「愛と誠」については、2004年版の講談社コミッククリエイト発行の「運命の再会編」が手に入ったので、ザッと読んでみました。以前に発行されたものと同じなのか確かめようが無いので、このマンガ本から説明したいと思います。

 まず、タイプ8と共通点がたくさんにあり似ているタイプがあるとしたら、それはタイプ2とタイプ5です。タイプ8にとってタイプ2は成長の方向にあるタイプで、人間的な成長を果たしたならば、タイプ2に限りなく近づいてしまいます。後退すれば、タイプ5に限りなく近づいてしまいます。エニアグラム図では線が繋がっているタイプは、どのタイプでも、同様なことが言えます。

 当会では、成長の方向のタイプの性格を「内包している」と説明しています。従って、後退の方向の性格である
タイプ5の性格を内包しているのが、タイプ8です。元々に内包しており、共通点も多いので、これら2つの方向に移動しやすいと考えられます。しかし、タイプ8に生まれたならば終生タイプ8のままですから、たとえタイプ2の長所を身につけて、表面的にはタイプ2らしく見えようとも、見抜ける人にとって、元々のお父さん気質は丸見えです。


 さて、
タイプ8にとって世界は否定的なところで、自分が大切なだけで、他人は全て敵であり、またどうなってもいい存在です。しかし、本能の為せる技があり、男は女を求め、女も男を求めています。タイプ8にとって人間は信じられないが、愛し愛されたいという強い欲求が起きます。自分は相手を愛しているが、相手は自分が思うほど愛してくれているのか分かりません。相手の愛は本物なのかと疑いますが、それは「世界と否定的に結びつくタイプ(837)」にとって、必然的な帰結なんです。

 相手の愛が本物だと信じられるとしたら、それは「相手は自分のために死ねる」ということで、自分の愛の証を示す場合も、「君のために死ねる」と告げることです。もしも、相手が愛を立証するために死んだというならば、愛は本物だったというわけです。

 最近見た映画「世界でいちばん不運で幸せな私」というタイトルの映画がありますが、タイプ7w8の映画として紹介しており、先のものと同じテーマです。なぜなら、一緒に死ねば自分たちの愛は本物なので幸せなんですが、死んでしまえば愛もお終いなんですから、不運なことです。

 
「愛と誠」に登場する岩清水弘くんも、ラブレターで「君のためなら死ねる」と書いてますが、それはタイプ8にとっての愛の表現として究極かつ最大のものです。それゆえ、タイトルにあるように「真(まこと=誠)の愛とは何か」というテーマが入っていると考えられます。このように激しく性愛を求めているのがタイプ8であるために、「強く意識する対象」は「性愛の相手である」と発見しているんです。当会だけが持つ基本理論の中の一つです。

 タイプ5は愛に殉ずる人ではなく、「真実に殉ずる人」と言えるかもしれません。従って、岩清水弘はタイプ5らしいところは無く、冷静でクールですが、それはタイプ8の元々の気質です。このマンガの画を担当している人がタイプ2w1らしく、誠くんはよくカッカとしており、かなり感情的な人間に見える描き方をしています。原作者のイメージとは違っているのではと予想します。

 「ゴルゴ13」の原作者が画を担当したならば、感情の抑揚が無く、かなり冷たい無表情の主人公に描いていたでしょう。画面だけを見たら早乙女愛もタイプ8には見えず、慎ましい貞淑な女性に見えます。

 もっとも、これは単なる創作もので、タイプ8も実際には愛に殉じたりしないのではと思います。そして、女というものは弱い生き物だと、タイプ8の男性は思っており、弱い人間はとかくずるくなり、騙すかもしれないと思っているのではないかと。それゆえ、女の愛を試してしまう傾向があり、早乙女愛は幾度となく誠くんに苛められて試されています。
 
 
「マザーテレサのように弱いものを守っているように見えた」とありますが、お父さん気質の人は、基本的に弱いものを守ろうとする気質が強い人たちです。そのように見えて当然なんですが、「マザーテレサ」とはかなり違いがあります。マザーテレサにとって「愛とは慈しむ、与えること」なのではないでしょうか。

 作
者(
梶原さん)は、岩清水くんに言わしめています。「人が人を愛することは厳しいことなんだよ。それは戦いでさえある」「お互いあらゆる苦しみに耐え、試練を乗り越え、磨きあい成長していくもの」「とにかく甘やかしはいけない」  マザーテレサとはかなりの違いがあります。

 梶原一騎が登場人物を通して、自分の「愛についての考え方」を述べているものと見ています。なんでも「戦い」に捉えてしまうのが
タイプ8の特長で、それゆえ人とぶつかりやすい気質で、戦いとなれば「勝たねばならない」のです。タイプ5とは似ているところが多くとも、岩清水くんのセリフには、タイプ5らしいところがまるで見当たりません。タイプ5は事実を「知らねばならない」のであり、それが人生での最大の目的になっているタイプです。

 タイプ8は、弱い者は信用できない、強いものに迎合する汚い人間だと思いやすい気質です。ですから、作品の中にも、そのようなずるい人間をたくさんに描いています。強い人間にへいこらしたり、ゴマをすったりなど、そんないやらしい人間を内心はみくびっていますが、自分は強い人間なので、そうはならないのだと、うぬぼれているのがタイプ8です。また、弱い人間が存在しなければ、大将やヒーローにはなれませんからね。

 ここではよく細木数子さん(8w7らしく見える)を取り上げていますが、テレビ番組からは、相談されると真剣になって回答しているようにみえます。その言葉に泣いているのが、タイプ2らしい人たちが多いように見えます。泣かすことができるのですから、タイプ2の心のツボにうまく嵌まるのであり、両タイプに共通点があるという証みたいなものです。

 そして、どのタイプも誰であっても、正義の士になりたいのであり、悪者になりたいと芯から思っている人などいません。タイプ8も正義感が強い人たちであり、タイプ2もタイプ7もタイプ4も、その他のタイプも同じです。

 また、タイプ8は父親には素直になれ、ねだることができますが、母親には過剰反応するタイプです。そうなると早乙女愛の母親への反応はかなり異常なくらいで、母親コンプレックスが丸見えです。タイプ2は母親には素直になれ、父親にねだることはできにくく、父親に過剰反応するタイプです。つまり、タイプ8の行動様式が、そのまんま出ているのが「早乙女愛」と考えられます。

 そして、「世界と否定的に結びついているタイプ837」は、周りは敵ばかりの恐ろしい世界であるにも関わらず、自分を助けてくれる人間がいるとは、とても信じられません。それゆえに、かなり恩を感じる人たちで、恩義に感じて終生感謝することがあります。しかし、裏切りも終生忘れないくらいで、気性が激しい人たちです。早乙女愛は命の恩人である誠くんに対して、誠意を尽くしています。

 また、タイプ8は「目には目を」という考え方をする人たちです。相手を傷つけて悪いと思っているならば、自分も同様に傷つかなくては償いにはなりません。夫が堕ちたならば妻も堕ちることが、夫婦としてともに生きる価値があるという考え方をします。早乙女愛は、「ここにキズをつけてください。あなたと同じキズを」と述べています。

 しかしながら、作者は、自暴自棄になっている男に、捨て身になってトコトンつきあう女なぞ、本当はいないと思っているばすです。それでも理想の女性を求めており、それが「早乙女愛」なのだと考えられます。故梶原一騎さんは、現実では有り得ないことだと知っていたのではないでしょうか。しかし、喉から手が出るほど欲しいものが、女の愛です。それで、早乙女愛に試練を与えています。けっして甘やかさないのです。

 主人公たちは、愛を求めているのに、その愛を拒否したりと、他のタイプにとっては理解に苦しむ行動を取っています。その心理はとても複雑です。性愛の対象者に複雑になる傾向があり、それがよく出ているので、「愛と誠」という作品を作った人を、タイプ8と判定しています。

 ちなみに、タイプ2の人たちは、とかく優位性を保ちつつ相手を救います。ともに堕ちたりはしません。それゆえ安易な気持ちで気安くボランティア活動ができるのではない
でしょうか。しかし、激しい気質のタイプ8にとっては、それは手ぬるいことに見え、偽善的にも見えるはずです。

 また、タイプ8にとっては、愛を獲得するために自己犠牲するのであり、愛してもいない人間のために自己犠牲はしません。一方、
タイプ2の中には、安易に気安く行動に移す人がいて、困っている人にはすぐに手を差し伸べられ、また、全ての人たちを愛せるかもという楽観的な考え方をしやすいところがあります。それはタイプ8には、到底理解できないことではないかと予想します。

 むろん、それはタイプ2のなかでも、特別に優れて素晴らしい人間だけが到達できる境地だと思われる。同様に、タイプ8も、愛を獲得するために自己犠牲するなど、特別な境地に到達した人だけに有り得ることではないかと思います。ついでに、タイプ5も、真実を貫くために自己犠牲することがあるかもしれませんが、その境地に達する人がそれほど存在するとは思えません。マンガは作者の理想像を登場させているのです。
  
 タイプ8や
タイプ2、タイプ5の人たちの気質や行動様式を熟知すれば、共通点とともに相違点も見つけ出せます。また、この3つのタイプの価値観や人生観をよく理解できなければ、個々人のなかにある共通の行動様式は見つけ出せません。

 

11  1105 加瀬あつしさんのタイプが知りたい 質問者(みなみ)      2005/10/06

 
今日はマンガ家の加瀬あつし先生のタイプが知りたく、メールを送りました。現在は、週間少年マガジンで「ジゴロ次五郎」を連載しています。以前の作品では「カメレオン」などがあります。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。
回答者(りゅうとうまりこ)みなみさん、お久しぶりです! 2005/10/07
 
 「カメレオン」という漫画作品を読むことができました。加瀬あつしさんのエニアグラムのタイプは、タイプ2w1らしく見えます。ただし、判定しているのではありませんから誤解なきようにお願いします。なお、手元にあるのは、12巻だけですから、そこで、このタイプと見た根拠を説明したいと思います。 

 まず、「男の世界」だけを描いている作品だと言えそうです。他の巻には女性のことも描かれているかもしれませんが、たぶん、主たるテーマは「男同士の友情」なのではないでしょうか。そうなると、それは「世界と肯定的に結びついているタイプ(2・6・1)」の人たちによくあるものです。

  主人公のやざわ君は、かなりいい加減で調子がよくて、まさに「カメレオン」のように、その場その場で色が変わる人物のようです。節操が無いかのように見えますが、最終的には友情を大切にしている人物だと分かるような物語です。

 友を平然と裏切っているようにも見え、また、金の亡者のようなところもあり、欲望が強くて煩悩の多い主人公で、全体的にはドタバタ調のマンガです。しかし、基本的には友情を信じており、人間を信じていると考えられます。

 このようなキャラクターを想像して作ることができるとしたら、タイプ1には有り得ません。また、まるで「やくざの世界」を連想させられるような場面がありますが、それを面白おかしく描いていると考えられます。

 これは、タイプ6としても、どうもあまり考えられないものです。なぜならば、タイプ6は「次女気質」と呼んでいるように、基本的にかわいらしいところの多い気質で、やくざの世界のような空恐ろしいところには馴染めず異質に感じるのではないでしょうか。

 従って、2w1でも、ウイング1は「重くは無い」と予想しますが、このタイプは、変化球タイプと呼ぶことがありますが、追い詰められると、盛んに変化球を出す人たちがいます。ガップリ四つに組むのではなく、「ああ言えば、こう言う」となり、エンドレスになることもしばしばあります。

 主人公は、率直ではなく、屈折したところもよく見えますから、そこから見ても「カメレオン」というタイトルは、理解できるものではないでしょうか。むろん、2w1の人たち全てに該当するものではありません。

 なお、タイプ6でも、6w7のほうが2w1ととても似ており、表面的に見ていると区別できないかもしれません。同じく「ああ言えば、こう言う」となり、よくエンドレスになる人たちです。友人たちといつも「つるんでいる」のも、この2つのタイプであり、よく見かけます。そして、変化球を連発するところ、腰が軽くて調子良さそうですが、友情を信じている、人間関係を大切している人たちです。

 

12  1074   大島弓子さんのタイプを知りたい   質問者(ちーちゃん)       2005/08/12
 もし、ご存知なら漫画家の大島弓子さんのタイプを教えてください。
回答者(りゅうとうまりこ)ちーちゃんへ、お待たせしました!2005/09/03
 
 大島弓子さんは、こちらからは、タイプ2w1らしく見えます。彼女には膨大な作品がありますが、何十年も前に読んだきりなので、あまり記憶に残っていません。最新作の「ぐーぐーだって猫である」が、短い単行本になっていましたので読んでみましたが、このタイプに見えた、と根拠を出して説明できるものが見つかりませんでした。

 タイプの判別は比較的早い段階にできましたが、質問者によく分かるものとか、如実にタイプの特長が出ているところを見つけ出すのに時間がかかります。そこで、代表作「綿の国星の@」の中に収録されている短編「夏の終わりのト短調」が比較的に説明しやすそうなので、取り上げてみたいと思います。

 女高生である主人公の両親が、アメリカに3年間出張するため、叔母さん宅に預けられる間での出来事が取り上げられています。
「あたしは少々の感傷をもって両親を見送った」、「大いなる期待ですぐにかき消されてしまいました」とあります。この大いなる期待とは、「叔母さんが行動的で聡明なので、その一家と暮せるのだから、私もどんなにいいほうに変化するだろう」という期待なんだそうです。

 両親と分かれて寂しいとか、一人ぼっちになって不安になるのではなく、
「少々の感傷」だけのようです。それどころか、「よい方向に自分が変われる」と期待できるのですから、かなり前向きというか、物事を肯定的に見られる、ちょっと調子のよすぎる娘さんのように思われます。これは、全タイプの中ではタイプ2のみが想像できる、従って、創作できるものではないかと考えられます。

 叔母さんは、この娘の両親から養育を任されているので、A大に入学できるようにと配慮するだけでなく、異常なくらいに教育熱心で、主人公のために塾に通わせたり、健全な生活を押し付けるなどをします。それが、主人公にとってそれほどの苦痛になっているようには見えません。軽くかわせたり、また、塾を
「やめるのごめんなさい おばさん!」と簡単に拒否しています。このようなことは、攻撃タイプ(825)の娘さんでなければできず、他のタイプならば、苦痛とか恐怖になるような管理を叔母さんはしています。

 また、登場人物もみなタイプ2w1らしくみえます。叔母さんは姪をしっかりと躾たり管理できるように設定されています。これもタイプ8か2でないと発想できないものです。たとえば、叔母さんがタイプ1や4であれば、姪とどのように接したらよいのかと悩み気遣うだけで、自分の価値観を押し付けることなどできないでしょう。姪に対してまでも教育熱心になるなど有り得ず、また想像することもできないのではないでしょうか。想像できなければ、それを作品にすることなどできないのですからね。

 さらに、この叔母さん一家のギクシャクした関係を知って、主人公は
「私は、このへんでみなさんときばらしをしたいと思います。これは私のプレゼント 少々のアルコールは命の源 未成年の頭のためにもなります。さあ大いに飲んで騒ぎましょう。日頃のうっぷんをはらしましょう さあ おじさま!」と、酒を勧めています。かなりすごい行動力であり、他家に対して介入できるようです。まるで一家の母親のような振る舞い方です。それは、母親気質の2w1にとっては、ごく自然な発想ではないかと思います。

 しかしながら、作者はたぶん、そのような認識は無いのではと思います。女高生で寄宿している身分にもかかわらず、他家の雰囲気を変えようとするくらいな発想を持つとは、隅っこで体を小さくしているような娘さんではないようです。このようなことを考え出すのは、「自分は世界の中心にいると自己認識するタイプ(825)」の人たちしか有り得ないものと考えられます。


 

 

13  1061 CLAMPさんの作品のタイプ判定を       質問者(ゆぅ)    2005/08/01

 りゅうとうさん、こんにちは。今回はCLAMPさんが創作した漫画作品のタイプ判定をお願いします。その中でも特に「すき。だからすき」か「ちょびっツ」という作品から何タイプらしさが出ているのか、またこれらの作品でタイプ判定までできるのでしたらその根拠を教えてもらえると嬉しいです。なお、4人で構成されている漫画創作集団CLAMPですが、作品の物語は基本的に一人が考えていると聞いたことがあります。
回答者(りゅうとうまりこ)ゆぅさん、こんにちは! 2005/08/04

 4人の女性たちが「CLAMP」と名乗って、マンガを創作しているようですが、基本的には一人で作ったものでなくてはタイプ判定はできないと思ってください。それでも、とりあえず、「すき。だからすき@」ちょびっツea @〜B」をざっとですが読んでみました。

  結論から先に述べるなら、どちらもタイプ2w1の人たちが作ったものに見えます。ただ、判定しているのではありません誤解なきようにお願いします。

 「すき。だからすき」
の主人公は、ひなちゃんという、とっても元気で純粋無垢そうな女の子です。「アルプスの少女(2w1作品) 」のハイジみたいな子に近いと言えるでしょう。こしばてつやさん(2w1らしくみえる)の作品「天然少女・萬」にも似ているように思います。

 とても積極的な女の子で、恥意識は少なくて、馴れ馴れしく人に近づいて行き、少し強引なところがあります。しかし、書き手は強引なところだとは、たぶん、知らないままなのではないでしょうか。

 ひなちゃんは好きなことが一杯あるようです。「好き」という感情がとくにはっきりしているのは、タイプ2の特長であると、どこかで書いてます。また、食べ物の心配をよくしており、料理などもよく作ってあげています。このひなちゃんのような娘は、タイプ2w1(おかあさん気質)の理想の少女像の一つとしてよくあるものです。

 そして、父親との関係が何かあるらしく、慕っている教師も大きな体で、「逞しくて朴訥ふうな父的な存在」になっています。これも「父親に意識が向くタイプ261」の人たちによくある設定です。ひ弱でチャラチャラした男性を好まないことが多いんです。

 
「ちょびっツ」のほうは、浪人中の19歳の男性が主人公になっています。かなり進化した人間ペット型パソコンがあるようで、「ちぃ」と名付けられた娘が、もう一人の主人公です。全ての登場人物がみなあまり恥ずかしがるところはなく、すぐにいろいろな人と親しくなれるみたいです。浪人生に惹かれている女性が、キンピラなどを作って差し入れたりしています。こちらは、少しエロ的な描写がありドタバタ調ですが、全体としては「すき。だからすき」と、それほどの違いはありません。

 しかしながら、根拠としてハッキリと示すことができる箇所が見つかっていません。連載なので最後まで読めば、説明しやすい箇所が見つかるかもしれません。しかし探し出すことが、実は大変に時間がかかります。@巻だけのマンガであれば良いのにと思うほどです。

 ところで、4人の女性スタッフたちが全てタイプ2w1なのかという問題がありますが、これまでの全ての作品を読了しない限りは、何も言えません。ウイングの違いなどもあるかもしれませんが、全員で相談しながら作っている可能性もあるのではないでしょうか。とくに
「ちょびっツB巻」のほうは、2w1らしさが顕著に出ていないので、4人で作ったのではないかと想像させられます。

 そして、タイプ2w1の創作集団だとしたら、「それもありなん」と考えます。なぜならば、2w1同士の仲良しは、本当にいつも一緒に行動しています。不安があるのか、一人でいられない人が多くて、何でもオープンで包み隠さずに話したり、協力し合っています。他のタイプよりは、集団を組みやすい気質だと言えるでしょう。

 以上、中途半端で申し訳有りませんが、やはり一人で創作したマンガのみにしていただきたい。
回答に対する返事       ゆぅさんより       2005/08/05

 CLAMP作品の分析をしていただき、ありがとうございました。やはりタイプ2w1らしさが出ていたのですね。テレビのインタビューで「物語は基本的に一人が考えていて、他の人に描いている場面より先の展開を教えない」というような事を聞いて、簡単にタイプ判定できるものと思っていました。でもそんな事は関係なしに集団で創作した作品のタイプ判定は難しいものなんですね。それを知る事ができただけでも、今回は質問して良かったと思っています。でもこれからは一人で創作した作品のみにします。

 

14  996  マンガ家のきらさんのタイプ         質問者(いしまつ)   2005/05/01

 以前にも、マンガ家のタイプについて質問しています。とても丁寧に説明してくださってうれしく思います。もう一人ぜひともタイプを知りたい人がいて、ご迷惑をおかけしますが、教えていただけませんか。「きら」という名前で「まっすぐにいこう」という作品があります。テレビアニメ化されています。その他「ハックルベリーにさよならを」「だんだら」もあります。本名は知りませんが、公式ページ?と思うようなページはあります。済みません。よろしくお願いします。
   http://comics-news.shueisha.co.jp/common/massugu/
回答者(りゅうとうまりこ)     いしまつさん、お待たせしました!   2005/05/05

 マンガ家・きらさんのエニアグラムのタイプは、タイプ4の可能性があります(なお、下の再回答でタイプ間違いについて述べています)。取り寄せて読んだものは、「まっすぐに行こう@巻」という作品です。主人公は、超がつくほどの恥ずかしがり屋でテレ屋さんです。顔にこまかい斜線が入っている場面が随所にあり、とてもほほえましいという印象が残ります。

 ところで、言葉使いとしては汚いのですが、この「バカ」とか「クソ」が頭につく、たとえば、バカ正直、バカ丁寧、クソ真面目などと形容されるとしたら、そのほとんどは防御タイプ(714)です。優等生気質(7・1・4)の人たちの特長と言えるでしょう。しかし、どんな時にもどのような状況にいても、そのように、「バカ」が付くほどに正直になったり丁寧になったりするのではありません。ウソもつきますし、いい加減な仕事をすることもあります。

 どうも、このように書くと、常時どんな状況に置いても正直だとか丁寧だとかシャイであるはずだ、と思い込まれてしまうことがよくあります。しかし、そんなことはありません。また、それゆえ、タイプ判定は難しいのですが…。

 さて、きらさんのウイングは、この作品だけでは判定できませんでしたが、w3とかw5というような、ウイングの気質がはっきりと見えなかったので、タイプ4w4近辺にいる人ではないかと思われます。直球タイプらしさがあり、屈折していないところも、このウイングの人たちに多いのです。高校1年生の男女の恋愛物語ですが、ふたりはとても純真で無邪気で、ちょっぴり切なくなってしまうところもあります。まるで幼い小学生の初恋みたいで、ほんわか、ほのぼの物語です。

 タイプ4は「末っ子気質」で、その地のままに出せば、かわいい物語をうまく創作できるのではないでしょうか。きらさんは、とても精神状態が良さそうに見え、作者自身の素直さとか、幼さとか、優しさがとてもうまく出ている作品だと思いました。

 

再回答(りゅうとう)  いしまつさんへ    2007/09/23

 マンガ家・きらさんのエニアグラムのタイプを誤認していましたので、お知らせします。タイプ2w1の可能性のほうが高いと思われます。その根拠と、タイプ誤認した原因を以下に少しまとめています。

 主人公の「郁ちゃん」は、純情でシャイで、とてもけなげな子で、しかも繊細で気弱な気質なのか、泣き虫な女の子に描かれています。つきあっている同級の彼氏はいるが、二人ともシャイなので恥ずかしいらしく、学校では互いに知らん振りをしているためか、つきあっていることを知られていません。

 ある日、彼氏は、他の女の子の前で「(彼女は)いないけどー」と答えているのを、郁ちゃんは知ります。「あたしみたいなのが彼女じゃいやなんだよねっ」、「彼女だなんて思われたくないんだよねっ」と言い、怒っているのかショックで傷ついているのか、ともかく彼氏のもとから立ち去ります。

 このような、すぐに自分の気持ちを正直に彼氏にぶつけられるところは、タイプ4とは考えにくい。気弱であれば、彼氏の真意を尋ねることさえも恐れて、不安になって何も言えなくなるという展開でもよいのでは。そのようなタイプ4の女の子ならばしばしばよく見かけています。

 またある日、飼っている犬に危険が迫っているとわかり、二人は手を繋いで校庭を走りだし、犬の救出に駆けつけます。校舎の窓からはみんなの視線が集まっていて、「おまえら、できてたんかー」

 彼氏はそれに応えて、「わはは、ばかやろう」と笑顔で手を振り、郁子ちゃんも顔が真っ赤になるが、うれしそう。二人は「シャイ」であったはずなのに、ここではまるでシャイではなさそうです。ただ、ちょっとはシャイなのかもしれないが、それくらいのシャイさならば、タイプ2w1っぽいとみます。

 タイプ4であれば、かなりシャイゆえ、何も言い返せないだけでなく、うれしそうな表情にもなりにくいと考えられます。その後は登校もできにくいくらいになることもあると考えます。

 郁ちゃんは、男性に対しては緊張してシャイになっているが、女の友達の前ではそうではなく、また友だちには何でも話せるらしい。これは「男性を強く意識するタイプ261」らしいところであり、同年輩に近い男性の前では緊張しやすい。

 タイプ4であれば、男女に関係なく、どちらにも緊張しやすく、また友だちになんでも話すというほうではない。タイプ2が最も該当するところです。そして、最後はハッピーエンド。肯定的な世界観のある気質だと予想されるところです。

 
また、マンガは作者の願望が出ます。この作者は、「純情でシャイで、とてもけなげな子で、しかも繊細で気弱な女の子」に見られたいという願望を持っていると分析できます。そして、「まっすぐに行こう」では、タイプ4だと判定できる核心情報はなく、また、タイプ2w1と断定できるようなものもありません。それゆえ、タイプ誤認したと考えられます。

 なお、このようなキャラクターこそ「タイプ4」だとずっと思い込んでいました。研究生たちも同様です。
「純情でシャイ、けなげで繊細で気弱な泣き虫」というキャラクターは、他にもたくさんありますが、その多くをタイプ4だとみておりましたが、2w1の間違いであった可能性が高いようです。たぶん、エニアをはじめたばかりの人も、「タイプ4の作品だろう」と、ほとんどが思い込みそうです。つまり、私も例外ではなかったのです。
 
 ところが、エニア講座を13年くらい続け、タイプ判定を大量にこなしてきた結果、このような自己認識をしている人たちとたくさんに出会うようになりました。そんな、自称繊細で傷つきやすい気弱な人たちが、実はきついところもあり、攻撃的で短気でしばしば怒り出しているとわかってまいりました。
そこからやっと、タイプ4とタイプ2の違いが明確になり、やがてタイプ誤認していたことが判明してきたと言えるでしょう。

 また、このような傾向
「純情でシャイ、けなげで繊細で気弱な泣き虫」なところが、作品にも大きく描かれているために、攻撃的な気質が見つかりにくくなっていたと考えられます。なにしろ、自己認識が「純情でシャイ、人見知りで怖がり、けなげで繊細で気弱な泣き虫」なのですから‥。本人がそう言うのであれば、そんな性格なのだろうと受け入れてしまったのが、タイプ誤認の原因であろうと考えています。

 これは、タイプ判定を仕事にしているために気づき出したことで、大量にこなさない限り発見できなかったことではないかと考えています。これを専門の仕事にしている人は、他に無く、今だにいません。いわば五里霧中の中を独りで突き進んでいるようなものだったというのが、正直な感想です。どうかご理解をたまわりたいと願っています。

 

 

15 989 森恒二さんのタイプを教えて     質問者(のりたま)    2005/04/22
 
 竜頭さんお久し振りです。以前一度質問させて頂いた者です。今回は漫画家・森恒二さんのタイプを教えて頂けないでしょうか? 依頼の動機ですが、作品「ホーリーランド」の主人公の心理が、No.242の回答の最後から2・3番目の段落に書かれたタイプ4の心理と似ている気がしました。そしてその単行本の裏表紙にある作者の言葉が比較的前向きな内容なので、精神的に安定した方ではないかと個人的に感じ、ぜひタイプを知りたく思いました。どうぞよろしくお願い致します。
コラムhttp://www.younganimal.com/holyland/molyland/index.html
「一言近況集」参照http://www.journey-k.com/~shimokita/
作者本人の文章でないもの
http://blog.livedoor.jp/futoshi_sato/archives/16222032.html
「ホーリーランド特設ページ」内の「secret story」参照http://daizo-miyata.com/
回答者(りゅうとうまりこ)     のりたまさん、お久しぶりです!   2005/04/24

 「ホーリーランド」の1巻しか読んでいませんが、これまでのところは、タイプ4らしいところは、まるで見当たりません。そして、ご紹介いただいたサイトも読みましたが、森恒二さんの性格が判る情報が見つからないので、現在のところはタイプ判定ができません。

 「
単行本の裏表紙にある作者の言葉」として、「僕は暴力を肯定も否定もできない(一方的な行使を除いて)」とあります。しかし、1巻やその後のあらすじなどを読むと、暴力を肯定しているように見えます。
 少年マンガから暴力を取り去るなど、無理だとは思いますが。また、相手から一方的に暴力を受けたら、暴力は肯定できるというような言い回しに聞こえます。それは「やられたらやり返す」という意味なのでしょうか? タイプ8のような「やられる前にやっておく」ではないようで、森さんがタイプ8では無いことだけは、たぶん一致できると思いますが。

  また、タイプ4の作品は暴力を扱っていても、
987にあるように、「思いきり救いのない暗い物語」になりやすいために、結果的には暴力を否定的に扱っているように見えるものが多いんですが。

 
242では「自分を知らないということは、人生を誤り、暗闇の世界をさ迷うか、世界を見失うか、それとも、自分を見失うやもしれません」と回答しています。一方、「ホーリーランド」は、暗闇の世界から抜け出すために、暴力の世界の勝者になり、そこで自分に自信をつけたがっているように見えます。それでは暴力を肯定的に見ていると思わざるを得ません。

 副タイトルとして「どうしても強くなりたい、居場所を守る為に」とあります。この「居場所」という言葉は、最近とみに多くの人たちが使っているように感じられ、タイプ4だけが使う言い回しになっていません。この物語を見ると、自分の居場所を守っているというよりは、自ら夜の町に出かけて、相手から攻撃されるように仕掛けて、自分の強さを暴力で示しているように見えます。

 タイプ4にとっての「居場所がない」とは、自分の所属すべき場所が安住の場所ではなく、そこに居られないという気持ちを表わしています。ですから、「守るべき場所がない」ので苦しくて落ち着けないのです。「居場所を守る」というならば、自分の所属する安住の地があることになります。居場所があれば心は落ち着き安定して、自信も付けられます。また、そこを侵害されたら、立ち上がり暴力も辞さない、というのであるならば、「守る」に当り良く理解できますが…。

 タイプ4が生徒ならば、その学校に所属している正当な生徒であるはずなのに、なんだか自分だけ異質とか異端で、みんなから浮き上がり、そこに居られない気持ちになってしまうことです。また、大方は生家が居場所ではなくて居心地が悪いのですからね。

 このマンガにあるような「下北沢の某所」が居場所になリ得るという発想が理解できません。街の一角は公の場なんですから、そこが居場所になるなどほとんど有り得ないものです。

 このマンガ作品の主人公は弱々しくて繊細で傷つきやすい男子となっています。一見、暴力を怖がっているように見えますが、実は街の一角でのさばっている男をやっつけるのが目的に見えます。また、街の一角が自分たちの居場所になるとしたら、現実を見ればわかるように、暴走族やヤンキーたちではないでしょうか。

 登場人物は、男集団ばかりで、大勢でつるんでいるところを見ると、タイプ2w1が濃厚に匂ってきます。ヤンキーがたくさん登場しますが、ヤンキーになるのは、タイプ2w1・7w8・8w7という攻撃的で血の気の多い男性に多いのです。

 まだ1巻しか読んでいませんから、判定できるに到りません。連載はどこまで続くか判りませんが、少なくとも6巻くらいは読み終えて、それから判定結果をお知らせしたいと思います。それまでしばし待ってください。
再回答(りゅうとうまりこ)    のりたまさんへ     2007/10/03

 ご返事遅くなって申し訳ありません。「ホーリーランド」12巻まで読み終えたところです。結論としては、予想通り「タイプ4ではない」になります。

 この作品内容を見ると、戦いの世界だけを描いています。家族関係が全く描かれていません。「居場所がない」ことをしばしば言及しているが、事のはじまりである家族問題を取り上げていません。なぜ、そのように至ったのか説明がないために、主人公にとっての「居場所」とは何を意味しているのかわからず、説明不足ではないでしょうか。そして、それは「説明できない」からではと疑っています。

 前回、タイプ2w1が濃厚に匂ってきます」と回答していますが、今回からさらに2w1ではと考えるようになっています。ただし判定しているのではありません。核心的な情報が見つかっていないので、まだ判定できないためです。
 

 
なお、ここの上段にある16ー996では、タイプ2w1の女性作者が、マンガの主人公のキャラクターを、「純情でシャイ、けなげで繊細で気弱な泣き虫」にしています。「ホーリーランド」の主人公「神代ユウ」も、よく似たものです。そして、タイプ2w1の男性のなかにも、このような自己認識をしやすい人たちが実際にもいます。

 また、ここの上段にある5ー1338  でも、板垣恵介さんの作品「バキ」について、「ほぼ戦いの場面だけであり、家族関係などが載っていません」と回答しています。こちらのバキのほうは「弱々しくて繊細で傷つきやすい男子」にはなっていません。

 しかし、
作品内容を、戦い方とか戦術みたいなものだけに絞り込んでいるところはよく似ています。女性が重要人物として出てこないところも同様にあり、「男性を強く意識しているタイプ261」らしさだけは濃厚であるという点も、共通しています。

 

16  987  冬目景さんのタイプを知りたい     質問者(Apfel)      2005/04/17
 
 初めまして、竜頭さん。あるマンガ家のタイプが知りたくてメールいたしました。冬目景というマンガ家で、作品としては、「羊のうた」「イエスタデイをうたって」「LUNO」などがあります。絵のタッチが独特で、また、心理描写に秀でた方です。冬目景さんのインタビューが載っているホームページです。よろしくお願いいたします。
           http://books.yahoo.co.jp/featured/interview/20031105toume/01.html
回答者(りゅうとうまりこ)      Apfelさん。はじめまして!      2005/04/20

 上記のインタビューに答えているところからは、冬目景さんのエニアグラムのタイプは、タイプ4のように見えます。ただし、「見えます」というだけで、判定していないので誤解しないでください。

 そのように「見えた」根拠としては、まず「思いきり救いのない暗い物語を描きたい」と答えている点です。そういう類の物語ならば、これまでの情報の蓄積から、タイプ4の独断場と言えるくらいなものです。

 次に、「自分たちを守ろうとしている人たちにさえ甘えられない悲しみというか……。私もたぶん千砂たち(登場人物)と同じ行動をとっていただろうと思うんですよ。迷惑はかけられない、と思いこむほうですから」とあります。

 これに関しては、他の
918で回答しているように、タイプ4は過度に遠慮してしまうところがあり、人に迷惑はかけられないと、よく意識している人たちです。しかし、大抵それがために、よけいに問題を大きくしたり、迷惑をかけてしまうことがよく巻き起こるんですが…。

 作品「羊のうた」のなかに、「羊の群れに紛れた狼は、さみしい牙で己の身をさく」という表現があります。これは、他のタイプからは、かなりわかりづらい表現になるでしょう。

 タイプ4は、どこかマゾ的なところがあり、自虐的で自滅的な発想の仕方をすることが多いタイプです。たとえば、羊の群れに紛れこんだ狼なら、当分の間、食料の心配をしなくて済むと考えても良さそうなものです。または、羊たちを支配して自分の意のままに使うという設定にしても良いのではないでしょうか。ところが、そんな発想にはならず、「さみしい牙で己の身をさく」と表現しています。

 これは、周囲とは違う異質な自分を意識しやすい人たちの発想の仕方であり、「さみしい」とか「悲しみ」という言葉が、ここに出るとは、他のタイプからは、かなり唐突に感じられるものではないでしょうか。
 また、この作品を取り寄せて読んでみましたが、吸血鬼の血筋であることで苦しむようですが、その運命に抗うこともせずに、自滅的で内にこもる方向にばかり話は進みます。この発想の仕方のなかに、鮮やかにタイプ4という気質が見えます。

 また、インタビュアーは、「
一砂(主人公)は受身というか流されている感じがします」と言い、それに対して、冬目さんは「私が描く男性はいつもそうなんです(笑)」と答えています。しかしながら、主人公の姉も運命に抗うことをしない受け身な人に見え、また登場人物の全てが同じに見えていますが、冬目さん自身は、それに気がついていないみたいです。作者がタイプ4だと考えられるところです。

 なお、姉が自分の腕を切った血を弟に吸わせていますが、これも自虐的で、グロテスクな印象があり、ウイングは5らしく感じられます。やなせたかし作の「アンパンマン」にも、頭のアンパンをがついでに、冬目さんの好きな画家が、
グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、ホルスト・ヤンセンとあり、タイプ4w5ばかりであることも、なるほどと思わざるを得ません。

 

17 984 わたせせいぞうさんのタイプ      質問者(雷雲)         2005/04/16 

 はじめまして。友人がエニアグラムにハマッテおり、このサイトを知りました。マンガ家のタイプが分かるそうなので、わたせせいぞうさんのタイプを教えてください。代表作は「ハートカクテル」が良く知られています。「江戸恋もよう」「ミキハウスラブ」なども連載されたものです。暖かい人柄を感じさせる絵で大好きなマンガ家です。よろしくお願いします。わたせせいぞうさんの公式サイトです。 
           http://www.apple-farm.co.jp/index.html
回答者(りゅうとうまりこ)         雷雲さん、はじめまして!        2005/04/16 

 わたせせいぞうさんのタイプは、かなり以前に受講生から尋ねられており、タイプ3の可能性が高いとお知らせしています。ウイングはわかりかねます。

 タイプ3であるとした根拠を示さねばなりませんので、説明しやすいものを探しています。しかし、公式サイトも読みましたが、タイプ3だとはっきりと示せるところが、これまでのところ見当たりません。また、マンガ作品も読んでいますが、どうも、タイプ3に関しては、「消去法」でないと判定できないことが多いように感じられます。

 こういうことは、調和タイプ(3・6・9)に多いのですが、あまりにも自然でバランスが良くて、また常識的で、著しい特長が見つけにくい人たちだからではと考えています。また、この3つのタイプは共通点も多く、とてもよく似ていて間違えやすい人たちです。それゆえ、明確な根拠を示せる作品を探さねば、うまく説明できません。とても困難なことで、できるだけ探しみるつもりですが、それまで待って頂かねばなりませんので、よろしく。
再回答(りゅうとうまりこ)                  雷雲さんへ            2007/10/18 

 わたせせいぞうさんの漫画作品「ハートカクテル1」を読み終えたところです。ご返事が大変に遅くなってしまいましたが、どうぞご理解ください。

 さて、わたせさんの作品のほとんどは、ラブストーリーのようです。「女性を強く意識するタイプ837」に絞れると考えます。タイプ2のような男同士の闘いとか裏切りなどという激しい作品は、他のものにもないようです。気性が激しいという印象は残りません。

 全般的な感想としては、ちょっとした小粋なラブストーリーで、穏やかな描き方をしています。カラーで美しく彩色されており、タッチからも激しさを感じさせません。時間感覚ものんびりゆったりしているという印象が残ります。まったりとしたイメージで、ロマンチストらしさが随所にでています。

 部分的に見ると、小物になぜかこだわりがある人のように見えます。たとえば、パイナップルドリンクロイヤル・ワルーのステーキ・コーヒーはやわらかなオールドハワイ・コナだった・そのペリーエリスのロファーとっても似合うよ・セーターは手編みのザックリしたヤツで使用毛糸は極太オフホワイト310g・彼女のステンカラーコォトが・僕はリネンネモのように夢から目覚めた・僕はボーマージャケットのハンドウォーマーポケットからジッポを取り出した・コォトの下はオフホワイトのオックスフォードのシャツ1枚だった・チャンピオンプロダクトのスェットスーツは吸収性がすぐれている・肩口の二重織りのコットンに吸収されたカノジョの涙‥‥。 

 ロマンチックになるには、小物がうまく配置されていなければならないかように見えます。全体として上品さはあるが、読み手としては物足りなさを感じさせられる作品ではあります。

 カッコよいとは上品であることらしいとか、小粋なものを好み、わざとらしいのは嫌いらしく、さり気ないのが良いという価値観があるように見えます。ちょっと気取った作品という印象も残ります。タイプ3は、その所作が少し気取ってみえることがあります。

 

18 981  色川武大さんのタイプを知りたい    質問者(KXZ)     2005/04/09

 973では有難うございました。相談にも乗っていただき気持ちが楽になりました。今日は、最近読んだマンガで印象深いものがあり、ぜひタイプを教えていただきたいと思い立ちました。自分が読んだマンガのタイトルは「哲也ー雀聖と呼ばれた男」ですが、驚くようなキャラクターなので僕なりに調べてみましたが、本名は色川武大さんといい小説を書いており、「麻雀放浪記」がヒットしています。かなり以前に作られた作品で、阿佐田哲也という名前も持っています。僕の勝手な判断ではタイプ8らしく感じるのですがまだ未熟で自信はありません。
回答者(りゅうとうまりこ)           KXZさん、こんにちは ?         2005/04/11

 マンガ「哲也ー雀聖と呼ばれた男」のほうは読むことができました。「麻雀放浪記」を元に、さいふうめいさんという方が原案を作って、絵のほうは別の人が描いたもののようです。「色川武大」が本名で、「阿佐田哲也」という麻雀用のペンネームもあり、「朝だ、徹夜だ」から名乗ったようです。文学用の名前は「井上志摩夫」なんだそうで、かなり個性的な方だという評判はあるみたいです。

 色川さんの性格が、マンガにそのまんま反映しているならば、タイプ8の可能性もあると思いますが、タイプ2の可能性もあると考えられます。しかし、さいふうめいさんやその他、これを作るに当って関わった人たちの性格が出ているのかもしれません。

 従って、色川さん本人の著書を読まないと、判定できません。小説類を読むのは時間が取られるので、最近はお断りしているのですが。インターネット上で性格が簡単に分かるものが有るのか探しましたがまだ見つかっていません。そちらで見つけることができたなら、お知らせください。小説も短編があるそうなので、もしかしたら読めるかもしれませんが、あまり期待しないで、待って頂きたいと思います。
再回答(りゅうとう)           KXZさん、お久しぶりです!        2007/09/09

 色川さんの別名・井上志摩夫さんの著書「人斬り」「名無しの恋兵衛」を読み終えたところです。「人斬り」のほうは、相手の言うことを鵜呑みにしないとか、相手の裏をかいて騙したり、否定的な予想をする人たちばかり登場します。ですから、ここは、「世界と自分は否定的に結びついているタイプ837」なのではと思わされるでしょう。しかも、登場する若者も度胸が据わっており、大人びた言動をしています。

 しかし、タイプ8らしくない人物が登場する短編もあります。

正直で真面目、頑固一徹で人柄のよさそうな素浪人「恋兵衛」なる人物が登場します。そんなキャラクターがいるために、「タイプ8の作品なのか?違うかもしれないなあ」と感じさせられます。

しかしながら、これは創作しているものです。おひとよしの人物なら、自分の周囲にいる人物をざっと見渡せばすぐに見つけられます。作者が人間たちをよく観察しているのであれば、書き上げられるキャラクターです。従って、タイプ8を消すことはできませんが、タイプ2の可能性もあります。

 「恐婚」というタイトルの作品もあります。縛られることを嫌がる気質が見えますが、女性に惹かれやすい気質にもみえます。

 お金に関する話題も多く、関心事のようですが、守銭奴いうのではなく、豪快で磊落で余裕のある言動だと感じられる箇所も多い。「苦痛は我慢します」「うちは我慢の展覧会みたいなものですよ、なにはなくても我慢はあるの」と登場人物に言わしめています。怒り出すという場面は一つもなく、あきらめの早いところ、鷹揚なところもあります。

 また、本人のインタビューとか日記など、なにか見つからないかと探しましたが、未だに見つかっていません。故人ゆえ見つかる可能性も低いと考えられます。なお、顔写真はネット上で見つけ出すことができました(以下)。堂々とした落ち着きのある「大人の男性」という印象に見えます。
が、結論的にはまだ一つのタイプに絞れません。
     http://www.teganuma.ne.jp/ichi/bungaku/ihinten/irokawa-i.html

 

19  965 植田まさしさんのタイプ        質問者(B・A)        2005/03/10
 
 はじめまして。あまり知られていないのかもしれませんが昔、読売新聞に掲載されていた4コママンガがあり毎日楽しみに見ていました。「コボちゃん」で、植田まさしさんという方が作者です。かなり以前に見たきりで探してみないといけないと思いますが。無理にとは申しませんが良かったらタイプを調べていただけませんでしょうか?
回答者(りゅうとうまりこ)B・Aさん、はじめまして!2005/03/16

 お待たせしましたが、単行本が見つかったのでお知らせします。そのマンガはどこかで聴いたことがあるように思いましたが、記憶が定かではなく、早速に古本屋に行きましたが、やはり以前に読んだことがあったようです。

 さて、主人公の
「コボちゃん」は小学生の男児で、イタズラ好きで元気活発な子のようです。お父さんがよく登場しますが、この人が作者自身なのでしょう。家族がつまらないことですぐにケンカや言い合いになりますが、ケロリとおさまり尾を引きません。

 作者はいろいろ面白いアイデアを出しているので、マンネリ化していないようで、楽しく読めました。植田まさしさんは、こちらからはタイプ2w1らしい人に見えます。ただし判定しているのではあませんから誤解しないでください。

 

20  870 東本昌平さんのタイプ     質問者(あけみ)     2004/11/13


 漫画のタイプ判定について質問があります。多くの漫画がタイプ判定してあり、とても参考になりました。そこで疑問に思ったのですが、東本昌平さんの作品がタイプ5と判定された、その決め手となったのはどのような部分からなのでしょうか? 私も「キリン」というオートバイの漫画を少し調べてみましたが、タイプ4のような印象でした。なぜなら、バイクに乗ることについて、「なぜバイクに乗るのか?」「バイクとは何なのか?」「何故そんなことをするのか?」などと、哲学的な問いがたくさん出てきていたからです。 だけど、タイプ5と判定された、その根拠を教えてください。お願いします。

回答者(りゅうとう) あけみさん、おひさしぶりです!2004/11/18

 東本昌平さんのエニアグラムのタイプは、以前に公表しているものが間違いであるとお知らせします。発表したのが2000年ですが、その約1年後には、研究会員ともどもに、間違っていると判定しております。しかし、現在まで、改定しておらず、取り残したままのものです。
868でも回答しているように、山積みになっていることが沢山にありますが、その一つです。

 東本昌平さんは、こちらからはタイプ4w5らしい人にみえます(なお、下の再回答でタイプ
間違いだと述べています)。ただし判定しているのではありませんから誤解しないでください。なお、このタイプと予想した根拠を説明するためには、「キリン」を読了しなければなりません。当初は、2〜3冊くらいを読んだだけで判定しており、全部を読了していなかったのも一因としてあるかもしれません。また、現在でも、「キリン」の全巻を見つけ出せず読了できていません。

 なお、彼の初期作品「HiHiHi!」を取り寄せており、早急に読んで、バックナンバーにある「マンガで読み解く9つの性格」を改定したいと考えています。また、特集として、「キリン」または「「HiHiHi!」を取り上げて、タイプ5ではなかったこと、タイプ4w5らしいとみた根拠を事例を取り上げて説明できるようにしたいと思います。

 ちょっと背中に火がついた感じなのですが、あまりにも多くのやらねばならないことがあり、指摘されないと、その気になれずにいます。間違いの訂正だけでなく、以前に出した文章のちょっとした言い回しも気になっています。しかし、なかなか書き直せないでいます。

 また、当初は、故・小津安二郎映画監督をも、タイプ5ではないかと予想しておりまして、「キリン」と基調が似ており、同じタイプであると考えられました。しかしながら、小津監督の作品「生まれてはみたけれど」を受講生たちとともに、4年前くらいにビデオ鑑賞しました。その折に、小津さんをタイプ4w5であると判定しており、タイプ5ではない、と分かったのです。そして、それでは東本さんも怪しいのではないかと気付いたというわけです。

 当初に、タイプ5と判定した所以は、エニアグラム研究者で、著書も日本で出版しているドン・リチャード・リソさんが正しいタイプ判定をしていると思っていたからです。その名残があり影響を受けていたためと思われます。現在では、彼とはまるで異なる性格分析をしていますが、そこに至るまでには紆余曲折があり、当初から自信を持って判定できていたのではありません。たくさんの量を判定するほどに習熟しますが、習熟するので、間違いを見つけ出しやすくなり、訂正文を出したり、微調整などもしています。
 
再回答(りゅうとう) あけみさんへ、お待たせしました!2007/11/02   

 あれから、3年も経ってしまいました。東本昌平さんの初期作品「HiHiHi!」を、漸く読むことができました。結論から述べますが、東本昌平さんは、こちらからはタイプ2w1らしく見えます。まず、そのタイプらしいと見た根拠みたいなものを、「HiHiHi!」の中から取り上げます。

 第1話では威勢のいい若い男女が登場します。父親の反対を押し切ってバイクに乗り、彼女とデート。事故に遭って彼女は即死。主人公は重症を負います。印刷屋らしい父親も攻撃的で、取引先には低姿勢で卑屈になっているが、「てやんでぇ六回も校正させやがって」というセリフを吐きます。息子に対しては、「えーッ親に黙って免許取りやがって、今度は単車だと〜〜〜ッ 学生のぶんざいで返して来い」と怒りをぶつけます。

 主人公の息子は「そんなこといったってーッ‥‥買ってしまっちまったもん!」と軽く受け止めています。「えーッ、金はどうすんだ!」。息子「ローンだしさ アルバイトして‥」 父親「ふざけるなあ! 必要あるかそんなもん!」 息子「じゅあ学校(高校)やめて働く」と、さっぱりと、というべきか、シャーシャーとした顔つきで応えています。

 第2話は、暴走族に入りたがっている男子で、髪の毛は巨大キノコ。高校の教師から、追試で満点をとらなければ留年すると言われます。職員室から出て、「うひょーっ最高〜〜〜」、「オレはおちこぼれなんだ」と心の中でつぶやきながら、それは大したことではないような雰囲気です。「さーて、タバコにシンナー トロールに シャブにチョコ‥‥‥これから忙しくなるぞーッ よーーし」

 タイプ5は賢く知的価値が高いこと、知恵者になりたがる気質ゆえ、上記はほとんど考えられないようなところです。これを最初に読めば、タイプ5だとか
4w5だと誤認することはなかったでしょう。そこで「キリン」を読んでタイプ5だと思ったのはなぜか、その後に4w5と見誤ったのはなぜなのかハッキリさせる必要があると思い、読み直してみました。約10年ぶりの再読です。

 バイク乗りのバイクへのこだわりと、疾走場面ばかり延々と続いている作品です。「まだまだいける」「とばせ」という独白がよくあります。初めて読んだときは、性格がわかるような場面が少なく、人との関係でも淡々としているような印象があると感じられました。どこかあっけらかんとして、深刻にならないようだと感じました。

 確かに、
「哲学的な問い」らしいものは見られますが、現在読み返すとそれほど哲学的な問いとは思えません。しかし、どこか冷静な気質を感じさせたところでもあり、そういうところもタイプ5と誤認した原因ではないかと思われます。しかし、その部分は、小津安二郎映画監督の作品を鑑賞して、似ていると感じたところです。

 たとえば、9巻にある独白は次のようなものです。
「めぐる季節に同じ夏がないように、そのオリのような無力感はあきらめとなってふりつもる‥」「バイク乗りは、その理不尽さを忘れない」「バイク乗りは自分のための言葉を持っていない」「バイクで走ることが言葉であり、意志なのだ それ以外の文字や言葉など信用しない」「その男 キリンと呼ばれたバイク乗りが、かつて走ったという目の前の錆びの塊をみても 少数者の者にしか その意志を信用しないだろう‥」

 このような類の独白が、タイプ5や4w5の人たちによく起こるものではないかと予想しました。しかし、現在読み返したならば、冷静なところがない訳ではありませんが、啖呵を切ったり、暴走したがるところ、バイクで速さや運転技能を争うことに執拗で、熱気があるところなどから、「おじいさん気質」があるとは考えられないところです。
 
 さらに、羞恥心が少なそうな場面があり、タイプ4だと誤認してしまったのはどうしてなのか、正直今だに信じられない思いがします。なぜ誤認したのかと言えば、マンガ作品から作者のタイプを見破る技能が未熟であったとしか言いようがありません。

 約10年前と言えば、マンガや映画でタイプを判定できるという画期的なことに気づいた時期です。それまでは、小説や随筆、日記などから性格タイプを調べていました。身近な人々を観察するだけでは、知り得る情報は少ないのですから、そういうものを研究資料にしておりました。

 ところが、マンガから学べるとわかったのは、講座を開いて受講生たちから質問されたことがきっかけです。その後、マンガを読みこなす作業をたくさんにしたからこそ、各タイプへの理解度が進んだと言えるでしょう。そして、講座を開き、タイプ判定を仕事にしてから、大量にタイプ判定をこなすようになり、受講生からの情報もたくさん得られるようになりました。書斎の中だけの研究者であったならば、到底に不可能なものではなかったかと思います。

 また、これらによって、「おじいさん気質」「末っ子気質」という見方が、どれほどに有効なものなのかを実感するようになったと言えます。約10年前は、それほど真実味のあるものではなく、どこかおじいさんぽいところがある人、どこか少年と感じさせる人たちを、タイプ5や4だと認識していたに過ぎません。

 
タイプ判定を仕事としている人間としては、タイプ誤認をしていたことを認めるのは大変に勇気が要り、できれば頬かむりしていたいと思ったほどです。正直に言えば、全ての事から降りてしまいたい、というほどのショックを受けたとご報告したいと思います。

 しかし、過ちを認めなければ、この先に進むことはできません。皆さんからの信頼を回復するのは並大抵のことではないと思います。困難なことがわかっているつもりですが、それでも、前に進む価値のある道であると考えております。それゆえ、ここまで来た経緯を報告したいと思いました。どうぞご理解を賜りたくお願い申しあげます。

 
まだまだ、たくさんのタイプ誤認があると考えられ、その都度、明らかにするべく努力を重ねる所存です。どうか、引き続き当サイトを応援して頂きたいと思います。

 

21 844 ふなつ一輝さんのタイプ    質問者(みなみ)     2004/10/18

 今日は、ふなつ一輝さんのタイプを知りたいと思ってメールを送りました。漫画家でヤングジャンプで「華麗なる食卓」を連載しています。(漫画家が有名人に入らなかったらバッサリいってくれて結構です{笑})漫画はそれだけで他には短編集で「黄金の食卓」があるだけです。
回答者(りゅうとうまりこ)    みなみさん、こんにちは! 2004/10/22
 
 該当のマンガを読んだことがないので、まだ回答できません。なるべく近いうちに探して読んでみますから、お待ちください。
 なお、二つの作品のタイトルに、「食卓」という言葉が入っています。なんとなく、お母さん気質の人なのではないかと、予想してしまうのですが。なぜならば、お母さんというものは食事に対する関心の強い人たちのことですからね。
 たまにタイプ4やタイプ7の人たちが、調理に関心を持つことがあるらしく、こだわる気質もあるので、調理関係のマンガ作品を作り出す可能性はあるのではと見ていますが。
再回答(りゅうとう) みなみさんへ  2004/11/06

 長くお待たせしてしまいましたが、マンガ「華麗なる食卓」の作者・ふなつ一輝さんのエニアタイプは、こちらからはタイプ2w1らしい人に見えます。ただし判定しているのではないので誤解しないでください。既に、「なんとなく、お母さん気質の人なのではないかと予想してしまうのですが」と回答しています。

 1巻しか読んでいませんが、たとえば、とあるカレー店は店じまいする予定でしたが、主人公は、その主人の留守に、勝手に店を建て直そうとします。このような主体的なというか、あまりにも強引すぎるやり方を主人公にさせるとは、タイプ2しか有り得ない発想ではないかと思います。たとえば、タイプ4は、凝り性の人なので、カレー料理に凝ったとしたら、その料理の創作本くらいは描けるだろうと思います。

 しかし、その店の主人でもない、店の関係者でもなく、留守をしている娘さんと店を再建しようと提案しているほうです。娘さんに頼まれてするのではありません。どちらかというと厚かましいほどの世話焼きな人に設定されています。娘さんに頼まれて断れないというならば、拒絶できにくいタイプ4の可能性はあります。しかし、その後の展開も、まるで調子の良いもので、トントン拍子ですからね。

 ところで、なぜか、タイプ判定依頼される場合、タイプ2w1と判定してしまう人たちばかりに集中しています。タイプ6やタイプ3と判定できる人、タイプ1やタイプ5などに該当しそうな人たちを、判定依頼して欲しいなあと、無理とは思いますが、そんなことを考えています。
回答に対する返事  みなみさんへ  2004/11/08

 判定どうもありがとうございました。自分もなんとなく2w1かな?と思っていたので嬉しいです。自分もなんとなく2w1の漫画に惹かれる傾向があるように思えます。一番憧れるのが2w1で、一番苦手なのも2w1の性格だからでしょうか? よくタイプ4だと思っていた人が2w1と判定されて納得できないと言っていることがありますが、自分だったら2w1と言われたら絶対大喜びするのになあ、と思ってます。(笑) けど多分2w1の人には、タイプ4の人には分からない悩みがあるのだろうな、とも思います。話はそれましたが、もし珍しいタイプに見える漫画を発見したら竜頭さんに報告してみようと思います。そのときはよろしくお願いします。

 

22 835   許斐剛テニスの王子様」について     質問者(あけみ)      2004/10/09


 
少し前にもお世話になりました、あけみです。9つの性格と漫画についてなのですが、「テニスの王子様」のタイプがどうしても判断できないので、教えてください。私は、この作品はタイプ6なのではないかと思うのですが、ちょっとはっきりしません。作者の人には、魅力的なキャラクターを作る、驚異的な能力があると思います。だからキャラクターについては素晴らしいと思います。しかし、非常に勝利に固執するあまり、勝つためには手段を選ばないほどの、強さへのあこがれがあるように見えるので、そのあたりは共感できません。なので、私のタイプとはちがうと思います。

回答者(りゅうとう)      あけみさん、こんにちは!   2004/10/13

 「テニスの王子様」というマンガは読んだことがありません。なるべく近いうちに読んで判定したいと思いますが、それまで回答を待っていただきたいと思います。
 つぎに、たくさんのメールが届きますので、前のものは消去しなければなりません。それで、あなたのタイプ判定をしたことがあるのか、こちらには分かりません。

 また、あなたと違うタイプの人が作った作品でも、あなたなりに理解したり、また共感することもあります。逆に、あなたと同じタイプの人の作品でも、理解できないとか共感できないこともあります。従って、そういったことでは、作品のタイプは判定できません。人の性格を知るのはそれほど簡単ではなく、同じタイプでも多彩で、かなりの違いがあると知ってください。
No835への回答 「テニスの王子様」       あけみさんへ     2004/11/06

 大変にお待たせしてしまいました。作者の許斐剛さんのエニアタイプは、こちらからはタイプ2w1らしく見えます。ただし判定しているのではありませんから誤解なきようにお願いいたします。なお、このタイプらしいとみた根拠を示すことが大切なので、どこに、このタイプらしさが出ているのか探しました。

 しかし、22巻までザッと読んでみましたが、明確に示すことができる場面が見つかりません。なぜなら、テニスの勝負の場面ばかりだからです。勝つことにこだわり、負けん気の強い性格であることはよく読み取れます。短気さも見えます。しかし、それだけならば、タイプはあまり絞れません。

 それでも、一匹狼に徹しているようではなく、助け合ったりなどもして、仲間たちと協調できる場面も多いので、タイプ8やタイプ7w8ではないようだと考えられます。

 主人公・越前リョーマの家族や、家庭での過ごし方、親しい人とのさまざまなつきあい方などが取り上げられていません。そういう場面にこそ、タイプが浮き上がりますからね。リョーマは一見 クールそうに描かれていますが、対戦相手によく反応しており、とてもクールには見えませんが…。

 シリーズの最後ぐらいには取り上げられるのかもしれませんが、現在までのところ、明確に、このタイプだと示すことができません。
再回答(りゅうとう)      あけみさんへ     2007/09/18

 「テニスの王子様」は、テニスというほとんど戦いの場面ばかり描かれています。性格的なことが出ていないので他の作品「COOL」を読んでみました。結論としては、予想通りタイプ2w1らしいところばかりだったとお知らせします。

 こちらも、「戦い」が主たるテーマらしく、
許斐剛さんは戦闘好みと言えそうで、「強くなりたい意識」の強い人と考えられます。尤も、多少なりと「賢くありたい意識」もあるようで、「テニスの王子様」と同じく、頭脳戦らしきものも展開しています。

 タイトルにあるような一見するとクールで無口な主人公が登場しますが、暖かい人柄とか親切心、熱しやすい気質を垣間見せてくれます。
他の登場人物たちも活発元気そのもので、カッカしやすいようで、ある意味タイプ2w1の定番ともいうようなキャラクターです。

 なお、質問文には非常に勝利に固執するあまり、勝つためには手段を選ばないほどの強さへのあこがれがあるように見え共感できません」とあります。あなたと同じタイプ2w1ですが、それはまず男女の違いだと考えられます。

 おおまかに男女を比較すれば、女はハト派で男はタカ派です。「男は強くあらねばならない」に捉われやすい気質で能動的です。女は「強くなりたい」よりも、「美しくなりたい」に捉われやすい気質で、受動的というべきか「受け身の性」です。それでも、女性の中には「強くなりたい意識」の強い人たちがいます。その最たる人はタイプ8の女性です。エニアイプでみたら、タイプ8はタカ派になってしまいます。

 タイプ2の女性も攻撃タイプゆえ基本はタカ派ですが、2w1は男性を怖がり、男性に対して緊張しすい気質です。なおかつ男性に好かれたいので、「かわいい女」「純情な女」「うつくしい女」などになりたがる女性です。

 従って、通常の時は、「強くなりたい意識」が発現せず、それよりも気弱な女とか、繊細でけなげな女のように演じたり装う傾向があります。自己憐憫しやすいところもありますが、それはここから派生していると考えられます。

 しかし、何か事が起きればきつい気質が出てきます。従って、自分自身の中にあるいろいろな傾向を洞察できねば、同じタイプの人でも理解できず、共感することなどとてもできないでしょう。まして、他のタイプの人たちを理解することは難しいと考えます。先に自己分析を深められるとよいのではないでしょうか。当会は、マンガ作品を読み解くことで、「自分を知る」ことを追求できるように導いていると知ってください。

 

23  764    庵野秀明さんのタイプは?  質問者( にきびだんご ) 2004/07/24

 「新世紀エヴァンゲリオン」のタイプ判定をお願いします。アニメ作品を見ていて、登場人物に共感できたのはこれが初めてでした。ただ、この作品が合作である事を考えると判定はかなり大変だと思われます。エヴァンゲリオン自体、かなり古い作品なので…。そこで、この作品の脚本と監督をしていた庵野秀明さんのタイプ判定をお願いします。庵野さんの性格が登場人物に影響を与えている事は、スタッフの口からもあきらかになっているようです。よろしくお願いします。
 参考として、エヴァ公式サイト @http://www.gainax.co.jp/anime/eva/
 庵野秀明公式サイト Ahttp://www.gainax.co.jp/hills/anno/index.html
 資料集(個人サイト)Bhttp://village.infoweb.ne.jp/~fwih5694/siryou.htm#top
回答者(りゅうとう) にきびだんごさん、はじめまして! 2004/07/29


 
Aの庵野秀明公式サイトを読みましたが、その内容からみて、タイプ2w1の可能性が高いと考えられます( なお、下の再回答でタイプ間違いだと述べています)。 ただし、763でも書いてますが、判定したのではなく、可能性が高いというに過ぎません。

 雑記の第48回とあるところに、
「(自分の作品を)観賞後はすっきりさわやか爽快感。劇場を出る時は、なんかやたら元気になっていて欲しい。観た人に色々な力、エネルギーを感じて欲しい。現在を肯定し、過去ではなく、未来を志向させるもの。映画館を出た後、もう一度見たくなるもの」・「テーマとしては、友人・仲間の力。他人を信じる力。自分を信じる力。イマジネーションの力。現実の世の中を生き抜く力」と書いてあります。

 
現実を肯定できないと思うタイプ2の方も結構多く、他人を信じられないタイプ2も多いのですが。この方は、かなり肯定的な世界観を持っているように見えます。あまりにも露骨にタイプ2らしいところが漂っているように見えます。当会には、タイプ2は、「世界と自分は肯定的に結びついているタイプ」という理論があります。一度、お読みください。

 Bのインタビューのなかの資料集2で、次のように庵野さんが答えています。
「たとえば20歳を過ぎてロボットアニメや美少女アニメが好きな人間って、本当に幸福なんでしょうか。もっと大きな幸福があることを一生知らないですめば幸せかもしれない。だけど、僕はそんな幸福に疑問を持ってしまったんです」

 
ここの「本当に幸福なんでしょうか?」という疑問は、意味不明でよく分かりません。ロボットアニメが好きであることと、幸福であることがなぜか一致しているような見方です。美少女アニメが好きでも不幸な人はいるはずです。そういう人間がいると想像できない方のように見えます。たとえば、「20歳を過ぎてもロボットアニメや美少女アニメが好きな人間って、不幸なんですよ」などと言ってくれたほうが、よく理解できます。

 その後の
「もっと大きな幸福があることを一生知らないですめば幸せかもしれない。だけど、僕はそんな幸福に疑問を持ってしまったんです」とあるところは、もっと不可解で理解不能です。かなりお気楽な方に見え、この人は本当に幸せな人なのだなあと、思わず嘆息してしまうほどです。これは、「世界と肯定的に結びつくタイプ・261」の中では、タイプ2だけに起こり得るものの見方であり、タイプ1と6にもあり得ないものです。

 また、毎日が楽しくて、驚くほど平和ボケしているタイプ2の方も、結構見かけます。むろん、とじこもりをして深刻な状態にいるタイプ2もかなり存在しますが。そして、「やたら元気」というタイプ2の人もいますが、ただ騒々しいだけに見え、はた迷惑に感じることがありますが、たぶん、それを聞いたら怒り出すかもしれませんね。テレビにはそんなタイプ2がよく登場していますが…。元気で明るいことは良いことという単純なものの見方がありますが、そういうことを評価しない人間や、静かに暮したい人たちも多いことを知って欲しいと思わざるを得ません。

 
さて、ウイングはむろん、1のほうです。タイプ1とタイプ2のどちらも、世界と肯定的に結びつくタイプですから、もっともお気楽な人たちが多いタイプです。ウイング3は、、タイプ3の「世界と否定的に結びついているタイプ」で、否定的な見方もかなりできるほうです。例として宮崎駿さんなどのアニメ作品を見れば分かるでしょう。現在、特集「映画で性格を知ろう」をアップしていますから、参考にしてください。
 
その他も取り上げれば、幾つも出てきますが長くなるので、これくらいにしたいと思います。
回答に対する返事  にきびだんごさんより   2004/07/31

 ご返事、ありがとうございます。…なるほど、納得です。という事は、作品自体もタイプ2の可能性が高いという事ですね。…これは独断と偏見なんですが、タイプ2の作品はどうしても『メジャーな作品』とか『ヒット作』と言うイメージがあるので、誰でも共感できるのは当たり前と思ってしまいます。でも、実際は違うんですよね?  あと、映画で性格を知ろうその1、その2も読ませて頂きました。『冬のソナタ』についての話は、興味深く面白かったです。お忙しい中、本当にありがとうございました。
再回答(りゅうとうまりこ)   にきびだんごさんへ     2007/10/16

 現在、過去にタイプ判定したものを見直している作業をしています。そこで、庵野秀明さんのタイプを間違えて回答していたことが判明しましたので、お知らせします。結論から言えば、庵野秀明さんについて今回調べたところでは、タイプ4w5らしくみえます。

 なぜ、タイプ誤認したのか、上記を読んでみてもよくわからず、判断間違いが恥ずかしくて消去したいと思ったほどです。しかし、過ちをおかしていたことを認めないままでは、道は閉ざされてしまうでしょう。悔恨と懊悩で、もがき続け、あがき続けましたが、ここを愛読している方々に対して、正直に告げねばならないと覚悟を決めました。どうかご理解を賜りたいと思います。

 さて、「新世紀エヴァンゲリオン」をDVDで観ることができましたが、VOL・1〜4のみです。これを観てから回答すれば間違うことは無かったはずなのにと、またもや後悔と恥ずかしさで一杯になるのですが‥。VOL・1だけでも、タイプ4らしさが到るところに出ていると感じましたが、たくさんのスタッフと共同作業して作り出したもののようです。従って、登場人物などに、タイプ4らしくない人もいるように感じたのは、そのせいかもしれないと観ています。

 臆病で小心な主人公がいろいろな体験から次第に逞しくなるというストーリーは、少年漫画の定番です。タイプ2の作品にもあるため、そこだけでタイプ4と見ることはできません。しかし、VOL・1には、「人の言うことにはおとなしく従がう それがあの子(シンジ)の処世術なのよ」とあります。大人や教師、目上の指示や命令にはつい従がってしまう、体が反応てしまう傾向が、タイプ4にはクッキリとよく見えますが、それは次のセリフ(VOL・4)からも感じられるでしょう。

 シンジはチェロが弾けるようですが「なぜ(チェロを弾くのを)続けていたの」と問われて、「誰も やめろといわなかったから」と答えています。指示や命令に従ってしまう人は、やめろと指示されたり、命令されない限り、やめられないのではないでしょうか。これは自分一人で勝手に判断できる攻撃タイプ(825)には、考えられないところではないでしょうか。

 また、ミサトに、「ハイしか言えないの」と問われて、「ハイ」とまたもやシンジは答えるなど、タイプ4らしい振る舞い方を主人公のシンジにさせています。とりあえず、いい子になってしまい「ハイ!」と答えていたほうが安全だからと考えられます。

 また、「逃げる」というセリフはしばしば出てきます。防御タイプ(714)は怖がりゆえ、怖いことからは逃げ出したくなるのは当然のことではと思われます。「父親と会うのが怖い」とか、「何もかもが怖かった」というセリフもあります。「潔癖性は辛いわよ。人の中で生きていくのは‥」などもあります。

 特長的なところだと感じたのは、難しい用語をたくさん使っていることです。たとえば、「互換性・可及的速やかに・ターミナルドグマ・セントラルドグマ・テーゼ」等々、取り上げれば数えきれないほどあります。辞書で調べねばならない用語が多用されており、難解そうに見えます。ウイング5によくある傾向ではあります。

 また、女性の存在は大きそうに描かれているので、女性の存在は軽いタイプ、つまり、「男性を強く意識するタイプ261」の可能性は低くなるでしょう。そのくせ、子どもの描き方はうまく、純粋で純情、人目を気にする人たちばかり登場しますから、「子どもタイプ17634」らしいところ、「防御タイプ714」らしいところとみます。

 VOL・1〜4のみですが、そこから感じた全体的な印象としては、戦いのほとんどは「自分との戦い」ばかりで「敵との戦い」ではないように見えます。「私とは何よ」、「自分が自分でなくなる」というセリフもありますが、「自分自身であらねぱならない」というタイプ4らしいところであり、自分を見失いやすい気質を予想させます。


 また、主人公のシンジは「 他人との触れ合いを極度に恐れる内向的な感性」という紹介文もあります。「人の心の深淵を描いている作品」などとも紹介されていますが、「まさに!」という感じであり、しかも、それはタイプ4の心の深淵であり、タイプ2らしいところは全く観られません。 

 ロングインタピュー記事も読みましたが、庵野さんのものの考え方が出ていますが、実際の行動の仕方からタイプ判定をしなければ、誤認するだろうと思われます。そして、「監督不行届」という安野さんの作品を読みました。監督とは庵野さんのことで、安野さんと結婚しているようです。丸々タイプ4らしさの出ているものだと思いました。

 以下の「庵野秀明と貞本義行」対談のなかには、「庵野さんが新作を手掛ける気になった理由は何なのでしょう」という問いに対して、「もちろん、自分のためです(笑い)」とありますが、これもタイプ4の定番のセリフとみています。   
http://homepage3.nifty.com/mana/siryou1.htm

 

 

24  636  秋本治作「こち亀 」について   質問者(勇)     2004/03/09

 25−634の再回答を読んで、あいまいだった理解がはっきりとしたものに変わりました。ありがとうございました。タイプ2は慈愛と寛容を持つのが難しいのですね。そういえば、タイプ2の高橋陽一さんの「キャプテン翼」は好きなマンガですが、このマンガでも、主人公の翼は全力で敵に向かい、汚いプレーをする敵も最後には許していました。また、タイプ7の秋本治さんの「こちら葛飾区亀有公園前派出所」では、常に時代の流れをつかんだものが話題に上がり、テンションが高く、世界一のお金持ちが主人公の周りにいます。このマンガにもタイプ7がなりたい自画像が反映されているのでしょうか? 
回答者(りゅうとう) 勇さん、こんにちは!   2004/03/09

 まず、自分と違うタイプからは、予想できない反応が返ることがあります。ここでならば、タイプ2自身が「慈愛と寛容を持つのが難しい」と自覚しているとは限らないことをお知らせします。自分はそんなことは容易にできる人間であると、根拠も確信もないのに信じている人たちも意外に多いと知ってください。このような目標とは程遠い人たちもたくさんいると思います。
 
 タイプ2は、自己認識に疎い人が多く、そのためか間違った自己像を持つことの多いタイプです。自分は傷つきやすい、いじけやすい人間と思い、一方で、きつい人間だと思い、他方、自己をかなり肯定的に見て、根拠もなく自信もあったりします。人の悪口をよく言うわりに、自分を優しい人間だと思い込んでいるらしく、我欲というよりは煩悩の塊かもしれず、そんなメチャメチャさがあります。自分の正しいタイプを見つけられない人が多いのは、たぶん、そんなところからも来ているのではと考えられます。

 ただ、非暴力主義を唱えたガンジーとか、敵兵を看病するという考え方を現実のものにしたナイチンゲールなどがいます。どちらもタイプ2で、そのような慈愛と寛容の精神に到達した方も、実際にいます。理想像に近づく努力をした人物は、その他にもいて、タイプ4のなかにも、意志の強そうに見える方を知っています。

 そして、マンガの主人公や登場人物たちは、「作者にとっての理想的な人物が描かれている」という傾向は確かにあります。マンガ「こち亀」は一部しか読んだことがありませんから分かりませんが、タイプ7にとって、時流から遅れるなどは最悪のことでしょう。

 また、テンションが高い状態が、タイプ7自身には楽しんでいるという良好な状態になります。テンションが低いのは良くない、不幸であるというような認識をする人たちがいます。お金持ちになることは最大の目標で、それらは自画像と言うよりも、成りたい人物像と考えられます。

 そして、なりたい人物や目標となる人物像を訊ねたほうが、タイプが判明したりするほどですからね。

 

25  634 HUNTER×HUNTERと探偵学園Qについて 質問者(勇) 2004/02/26

 マンガの「HUNTER×HUNTER」と「探偵学園Q」についてです。「HUNTER×HUNTER」の作者は4w5らしいとされていました。「探偵学園Q」のタイプはどこかに書いていたような気もしますが定かではありません。質問したいのは、この二つのマンガに出てくる主要な登場人物についてです。
 「HUNTER×HUNTER」にはどんな困難にも立ち向かう、希望を捨てない、好奇心旺盛なゴンと、冷静で状況判断力のある天才肌のキルアが出てきます。そしてキルアは暗殺一家の出身で、そのことに悩み、ゴンの意志の強さに強く惹かれています。「探偵学園Q」にはどんな難事件でも決してあきらめず、好奇心旺盛なキュウと、どんな状況でも冷静で頭の切れるリュウが出てきます。そして、リュウは殺人計画を提案し生計をたてる一家の出身であり、自分の中に流れる犯罪者の血に悩み、キュウに惹かれています。つまり、あまりに似ていてびっくりするくらいです。探偵学園Qの作者のタイプは分かりませんが、もしタイプ4であるのなら、タイプ4はこのような二人を考えやすいかどうかということを教えていただけませんか。僕自身もマンガとはいえ、ゴンやキュウのような意志の強さには惹かれます。
回答者(りゅうとうまりこ)      勇さん、こんにちは!        2004/03/06

 「探偵学園Q」というマンガは、観たことがないので、作者のタイプは分かりません。しかしながら、「あまりにも似ているマンガ」ということならば、しばしば有ります。

 知人のタイプ4w5で趣味としてマンガを描いていましたが、ある作品をみたら、その絵の描き方やキャラクター、設定の仕方やストーリー展開さえも、富樫義博(4w5)作の「幽遊白書」にそっくりでした。本人は富樫さんの作品は読んだことはないそうで、周囲の人たちが、富樫作品のバクリだと思われるに違いないと語り合ったことがあるそうです。

 その他、このようなマンガ作品は少なくないようです。受講生たちからも、マンガのタイプ判定を依頼されたりしますが、似た作品が同じタイプであることが多いのです。


 ところで、お尋ねの件ですが、冒険物語を創作する場合、善と悪を対比させるのは基本中の基本だと思います。その場合、どのような善なる存在を作り出せるのか、どのような悪なる存在を想像できるのかです。そこに作者の性格が投影されてしまうと考えられます。

 完璧に絶対的な悪を作り出すことが、タイプ4にできるでしょうか。自分がそのような悪的な存在になってしまうとしたら、どんな生まれで、どのような環境にいたら成り得るのか、深く考えざるを得ないでしょう。
 常日頃、自分が成りたいと思っている理想的な人物像としての善的な存在、それがゴンでありキュウなのではないでしょうか。キリアやリュウは、かんじがらめに縛られて、運命に従うしかない自分、抗えない自分自身ではないでしょうか。そうなると悪として生きる道しかないのだということになります。

 
悪的な存在とは言え、いつも悲しい不安定な存在として描くのが、タイプ4の人たちに多いようです。好奇心は旺盛ですが、冷静にはなれず、すぐに感情的になってしまう自分がいます。頭が良くて、元気活発で意志が強くなりたいのですが、強く命令されると拒絶しにくく、つい従ってしまう自分がいると思います。
 ですから、弱虫ではない冷静で意志の強い自分を創作するのは当然のことだと思います。この両人物像は、まさにタイプ4w5のなかにしばしば起きる自分自身との葛藤を、2人の人物に別けて描いたのではと考えられるほどです。

 

 

26 479  「北斗の拳」のタイプを知りたい 質問者〔不死鳥〕2003/09/10

 はじめまして、私はエニアグラムの事を最近知った者です。このサイトの項目は一通り読ませて頂き、勝手に自分はタイプ4w3と思っています。質問したいのですが、私の中の漫画ベスト3の「ドラゴンボール」「キン肉マン」のタイプが知る事ができうれしいのですが、「北斗の拳」のタイプも知りたいので良かったらお願いします。
回答者〔りゅうとうまりこ〕 不死鳥さん、はじめまして!
 
 マンガ作品「北斗の拳」はヒットした作品のようで、タイトルは聞いたことがありますが、読んだことはありません。原作者の原哲夫さんの公式ページを見つけました。以下のアドレスです。インターネットで簡単に情報が得られるような時代になって、感無量です。すぐに回答できるようになるとは、本当に便利になりましたが、恐ろしくもなりますね。
    http://www.haratetsuo.com/message/message.html

 そこに、原さんのメッセージが載っていますが、その内容から、タイプ2と判定できます。ウイング1か、またはウイング2辺りの人ではないかと予想しますが、ウイングはまだ判定できません。絵の描き方にもタイプの特長があり、どっしりと存在感のある主人公で、骨太で暑く感じさせるような描き方ですね。どことなく「ジョジョの奇妙な冒険」ともよく似ており、同じタイプはよく似たタッチにもなるようです。
再回答(りゅうとう)         不死鳥さんへ    2007/06/16

 ご無沙汰しています。前回の回答で、原作者を原哲夫さんと書いていますが、それは原画の間違いでした。それで改めて回答したいと思います。原作者は、「武論尊」という名前で、本名は「岡村善行(おかむらよしゆき)で、別ペンネームとして「史村 翔(ふみむら しょう)」があります。

 このたび、ようやくにして「北斗の拳」を読み終えることができましたのでお知らせしたいと思います。原画担当の原哲夫さんと同じで、タイプ2らしく見えると回答したいと思います。なお、たまたま手に入ったのは、No12ですから、そこから根拠を取り上げてみます。

 死の灰が迫り来るとき、シェルターには残り二人しか入れません。トキは弟(主人公のケンシロウ)とその恋人にその席をゆずり自分が死ぬほうを選びます。自己犠牲を最高の英雄的な行為とみなしやすいタイプ2そのものの発想が出ているところです。尤もタイプ4にもありえますが。

 「ただ闘うのでは退屈だ」というセリフもあります。退屈ゆえ闘うとありますが、それに関しては以前の
11ー1129 で回答していますから併せてお読みください。ただし、「北斗の拳」はほとんど闘いの場面ばかりですから、通常の人間関係はあまり出てきません。それでは核心的な情報を得られません。

 ただし、これまでも回答していますが、闘い(戦い)の場面しか出てこないタイプ2の作品はかなりあるようです。
5ー133の板垣恵圭介作「バキ」 ・17989の森恒二作「ホーリーランド」・22ー835・許斐剛さんの漫画「テニスの王子様」 です。

 そこで、「むしむしころころ」という武論尊名で出されているマンガも読んでみました。こちらはくっきりとタイプ2w1と言えるような内容に見えます。

 そのようにみえる根拠を挙げたいと思います。まずやくざの世界を描く2w1の男性作者は多く、これも同様で、最後はたぶん大親分に気に入られて娘婿に収まると予想できるものでした。主人公の「大崎克一」は、軽率でハチャメチャでそそっかしく、気のいいお人よしです。ちょっとおバカなチンピラとも言え、また、その場限りのいい加減な男、というキャラクターのようです。娘も威勢のいいタンカを切って、わがままではあるが元気活発、言いたいことをズバズバ言うお転婆です。

 このキャラクターでも、タイプ4の作者が身近にいる実在の人物をモデルにしたならば描けるかもしれません。しかし、登場人物はみな同様なキャラクターで、人物ごとにキャラクターを描き別けているのではないようです。逆に、タイプ4w3らしく見える人物が一人も登場しないんです。ということは作者の気質(2w1)がそのまんま出ていると考えられます。

 ところで、タイプ2w1と4w3は、エニアグラム図上は線で繋がっています。どちらも互いの気質を内包しています。ですから、2w1と4w3はタイプ誤認しやすいと考えています。
16996でも回答していますが、2w1の作品を、4w3だと間違えて回答しています。

 

27  401  「ドラえもん」について質問者(ディオニュソス)2003/05/07

 こんにちは。ディオニュソスです。自分は「ドラえもん」が昔から好きなのですが、ドラえもんはタイプ4の作者のマンガですよね。マンガ自体は確かにそうだと思うのですが登場人物にはタイプ4がいないように思うのですが。そこで僕は考えてみました。ドラえもんタイプ9・のびた2・しずか2・ジャイアン8・スネ夫6と。あ、でも僕はマンガは読まずアニメや映画しかみないのでつくっている人が違うからそう見えるのかも… どうでしょうか 
 
回答者(りゅうとう)ディオニュソスさん、こんにちは。2003/05/10
  
 マンガの「ドラえもん」を一度だけ読んで、作者のタイプを4ではないかと見ています。マンガが、テレビアニメ化されると、原作とは少し違うことがよくあります。一般向けにしたいためか、あまり個性的ではなくなる傾向があるからです。

 仮に、テレビアニメと原作マンガでは、登場人物の性格が違っていたなら、それは、アニメのほうが製作者たちの合議でキャラクターなどが修正されたりするのではないかと予想します。そうなると、製作者たちが全員タイプ4である可能性は少なく、タイプ2や9の人たちがいたなら、その人たちの意見が通る可能性もあります。

 当会では、原作者が一人というほうを選んで、それでタイプ判定します。それでなくては、タイプ判定できません。従って、テレビアニメ化されたり映画化されたもので判定できない場合があります。

 そこで原作の「ドラえもん」についてですが、原作者がタイプ4と認められた場合、登場人物にタイプ4が全くいないということはあり得ないことです。そして、作者の気質が登場人物に投影されるのであり、そのままの4の気質が出ているとは限りません。作者の想像の産物であることを確認してください。

 次に、あなたと他のタイプ4の方が丸まると同じ性質ではありません。同じタイプ4なのに、自分とは違う考え方をする人がいて、同じタイプだとは思えない場合のほうが多いのです。

 なにしろ、生まれた環境が違い、育った環境も違い、能力も感じ方も年齢も性別も体験も違うのです。同じタイプ4といっても、あなたが考えるよりずっと多様で、全く違うタイプに見える人たちのほうが圧倒的に多いのです。

 世界中には何千万というタイプ4が存在するのです。その人たちのことが全て理解できるはずはない、とは思いませんか。それでも、タイプ4というグループに入るのであり、同じタイプは、単に共通の気質(傾向、または、行動パターン)を持っているというに過ぎません。

 従って、「ドラえもん」の登場人物に、タイプ4がいないと感じたなら、それは、あなたとは違う性格を色濃く持つ「タイプ4の作者である」という可能性はあります。なお、自分と同じタイプは「灯台下暗し」というくらいで、かえって理解しにくいのです。

 たとえば、4w3と4w5では違いが大きくて、まるで理解できないと、それぞれのタイプの受講生たちが感じています。それくらいですから、タイプ2や9、6、8などはもっと違いが大きくて、あなたの予想が全て外れるというくらいです。

 タイプ4と判定されると、なぜか、自分はタイプ4の人たちのことなら全て理解できると思い込みがちです。少し学んだだけなのに、自分はタイプ4の代表みたいな発言をする人が多いのが実態です。むろん、他のタイプも同様なことをよく言います。たとえば、タイプ6の受講生が「タイプ6はねえ、こう考えるのよ!」と自信を持って語ったことがあり、その他のタイプも同様なのです。
 
 ところで、作者は自分の性格を作品にもっとも色濃く投影していますから、主人公のほとんどは、作者の性格に近いと考えられます。しかし、それ以外の登場人物も、ほとんどはタイプ4のさまざまな変形であることが多いのです。


 ただし、作者がキャラクターを幾人かに描き分けられる場合はあります。たとえば、一人を実在の自分の兄の性格にする、もう一人を実在の自分の弟をモデルにする場合などです。他のタイプについては、実在のモデルがいないと描き分けられないでしょう。

 さて、「ドラえもん」ですが、原作マンガのほうをもう一度読んでみます。タイプ別にうまく描き分けているのか、そこまで検討して見ていませんでしたので、確認したいと思います。作者が実在のモデルをとり上げていれば、描き分けていると思うので、それまで正確な回答は待ってください。

 しかし、それでも、この段階で回答できることがあります。タイプ4の研究生や受講生たちがいますが、タイプ8の性格を説明していますが、全く理解できないというのが実情です。タイプ4にとって、タイプ8はかなり遠い存在です。行動パターンをしっかりと受講してかなりよく知っていてさえも、その行動を予測ができないのです。

 それゆえ、タイプ8という方で実在する人が家族にいないと、まず描けないと思われます。タイプ8だけではなく、タイプ4以外の全てのタイプを想像できません。ただ、タイプ2などは身近にしばしばいるので、少し理解しやすいと考えられます。しかし、タイプ8には会ったことが無い人たちばかりというのが実情です。タイプ8はめったに見かけないタイプだからです。従って、タイプ8のキャラクターを、タイプ4の方が想像して創作するなど不可能であり、ほとんど有り得ないことだと見ています。

 たとえば、
このサイトの下部にある27ー274にもある「ベルセルク」というマンガについても、タイプ8の登場人物がいると思った質問者がいましたが、全て、タイプ4でした。よって、作者はタイプ4w5にみえると回答しています。一度お読みください。

「自らを知る」というのは、もっとも困難なことの一つです。「自分」を本当の意味で理解できるようになれば、自分の欠点を受け入れられます。そして、他のタイプも理解でき、違いもしっかりと区別できるようになると思われます。全ては同時進行であると思ってください。

回答に対する返事 ディオニュソスさんより 2003/05/10

そうですかタイプ4にとってタイプ8はかなり遠い存在なのですね。最近タイプ8のさいとうたかをさんのゴルゴ13をたくさん読んでいてかっこいいなとおもっています。丁寧な回答ありがとうございました。

再回答(りゅうとう) ディオニュソスさんへ 2003/05/31

 お待たせしました。マンガの原作「ドラえもん」の中でも、「大長編ドラえもん」を漸く読むことができました。なお、「ドラえもん」は映画用と、テレビ用と、マンガ本があり、どうやらこの3つを比較すると、キュラクターが微妙に違うようです。そこで、ここでは、マンガ本に限っての解説になることを、ご了承ください。

 テレビアニメ用を見て、登場人物にタイプ4がいないように感じたみたいですが、マンガ本では、ドラえもん・のびた・しずかはタイプ4の気質が色濃く出ていると考えています。また、その場合でも、作者の想像の産物ですから、丸々の、タイプ4という気質にはなりません。

 また、「タイプ4が丸々と出ている」とはどういうことなのか、よく考えたらおかしいとは思いませんか。なぜなら、タイプ4というグループに入る人たちが、みな同じ性格ではありません。顔が一人ひとり違うように、性格も一人ひとり固有のものです。

 同じタイプでも、どれほど多彩でバラエティに富んでいるのかを知ったら、驚くほどでしょう。タイプ4を丸々描こうとするなら、何千万人もの人たちを登場させて、描き分けなくてはなりませんからね。

 なお、映画用の「ドラえもん」は、当会の研究員によると、全て、タイプ4の性格になっているようです。そして、作者の藤子さんのタイプについてですが、タイプ4らしい方とみていますが、ウイングが見つかっていません。

 次に、作者はキャラクターを描き分けるようにしています。どの子も同じ性格にしたら面白い作品にはできませんからね。ただ、うまく描き分けられる人と、うまく描き分けられない作者がいるようです。

 マンガ本のジャイアンは、タイプ4の性格に、ガキ大将的な要素をつけ加えたように見えます。また、タイプ7w8らしい性格も垣間見え、7w8の実在の人物をモデルにしたのかもしれません。それとも、モデルはなく、身近によくあるタイプなので、記憶に残っていたので描けたのかもと想像します。また、「4+7w8」とでも言えるようなキャラクターに見えます。

 また、スネオも、どこかタイプ6らしさが見えます。しかし、全刊読んでみなければ、タイプ6のモデルがあったのかはっきりと判定できません。ただ、タイプ6というよりも、「4+6」とでも言えるような性質になっていると考えられます。

 以前にも、ジャイアンをタイプ8ではないかと、受講生から訊ねられましたが、それはタイプ8という性格を全く知らないためです。強い性格とか負けず嫌いでガキ大将というだけでは、タイプ8と判定しません。それだけなら、タイプ2w1にも、タイプ7w8にもよくあるタイプです。

 タイプ8は「お父さん気質」と言い、子どもっぽい人ではありません。子どもの頃から大人の風格を持っており、大人を少しも恐れたことがない人たちです。仲間意識もなく、ジァイアンがタイプ8なら、ジァイアンが主人公になってしまい、全ての他の子どもたちを家来か手下にして、それで冒険旅行したりするでしょう。お母さんに叱られる心配などもしないはずです。一度、タイプ8の方が作ったマンガ本を読んで、どれほどジァイアンと隔たっているのか確認してください。

 ジャイアンはときに威張るみたいですが、からっきし弱虫に描かれています。どの登場人物も、子どもっぽくてかわいくて、弱虫です。そして、みんなで助け合い協力もして、心も暖かくて寂しがり屋です。

つまり、タイプ4というグループに入る性格になっています。ただ、作品では、そんな弱虫でも頑張れたり、堂々と戦っています。タイプ4も強い男になりたい願望があり、それを作品の中で実現させていると考えられます。

回答に対する返事 ディオニュソスさんより 2003/06/13

 テスト週間だったので返事が遅れました。ドラえもんの話わざわざ読んでいただいてありがとうございました。とても参考になりました。ジャイアンがタイプ8だったらジャイアンが主人公になってしまうとは・・・。それに子供のころから大人を恐れない、とは。うーん、やはり自分には想像しがたい人物です。

 

28   274 「ベルセルク」の作者や登場人物 質問者(トオル)2002/10/20
 
  こんにちわ。今回は、白泉社刊「ベルセルク」というマンガの登場人物のタイプについて質問します。ガッツとグリフィスという、話の中心となる人物達についてなのですが、私にはそれぞれタイプ2とタイプ8の性格が描かれているように思えます。また、作者のタイプ判定も、可能ならよろしく御願いします。
回答者(りゅうとう)トオルさん、こんにちは! 2002/10/25

 ネット上で調べようと、「ベルセルク」と検索したら、マンガ作品で、三浦健太郎さんが作者だと分かりました。また、2002年・手塚治虫文化賞のマンガ優秀賞を獲得しているとあり、息の長いヒット作品のようですね。知らない作品なので、なるべく早く読むようにしたいと思います。

 なお、三浦さんのファンのサイトがあり、ストーリーには、登場人物の一人ガッツは、
母の亡骸から生まれ落ちた」とあります。とても異様な生まれ方ですね。当会の理論でなら、作者は母親に意識が向きやすい4つのタイプ(8・3・7・4)の可能性があると考えられるところです。

 次に、異様なストーリーのようですから、タイプ3を消去します。なぜならば、タイプ3は常識的な枠組からはみ出す可能性は低いという気質だと見ているためです。調和タイプ同様な傾向があるとみています。

 次に、長編のようですから、タイプ7の可能性が低いだろうと見ています。従って、まだ読んではいないのですが、2つのタイプに絞れるであろうと予想しています。 

 そこを読めば分かると思いますが、作者がタイプ8だとしたら、主人公は作者の性格を投影しているため、ほとんどタイプ8の性格です。また、それ以外の登場人物も、身近にいる人物がタイプ2で、その人をモデルとして描いていたら、タイプ2になる可能性はあります。しかし、実在にいるモデルを参考にしていないなら、他の登場人物も、タイプ8になるでしょう。

 従って、作者がタイプ4ならば、主人公はタイプ4になり、タイプ2にはなりません。なぜなら、タイプ4は、タイプ2の性格を知っているのでしょうか? エニアグラム講座を少しばかり受講しても、タイプ4の人がタイプ2の性格を創作するのは、まず無理です。

そして、自分と全く違う性格の人物を、長編マンガの主人公として描き切れるものかどうか、よく考えてもらえば分かると思いますが。そして、短編ものならば、自分と違うタイプも描けるかもしれないと思います。とはいえ、なるべく早く読んで回答したいと思います。それまでお待ちください。

追加の回答 トオルさんへ、お待たせしました!2002/11/01

 まず、作者の三浦健太郎さんはタイプ4w5らしく見えます。しかし、判定しているのではありませんから誤解なきようにお願いします。

 ところで、マンガは作者の願望が出ます。男性は、どうやら強くて逞しくなりたいという願望があるようで、どのタイプの作品にも、強くて超能力の主人公がいます。従って、めっぽう強い主人公だからといって、タイプ8にはなりません。むしろ、そんな強い主人公ですから、弱いところがないはずなのですが、どうもこの作品には、繊細さや神経質さや弱さが出てしまっています。そんな点をよくよく観察してみれば、タイプを判定できるようになると考えてください。

 次に、この作品は、少しエログロがあるように思えます。かなりドキッとする描写があり、残酷すぎる場面があります。なぜか、タイプ4w5の作品に、エログロもの(エロティシズム=性的なものと、グロテスク=気持ち悪いもの)がよくみつかります。他のタイプにも、残酷な描写はありますが、タイプ4w5にダントツです。理由は、まだわかりませんが、性への興味が高いとか、人間性の汚さに視点を合わせる傾向があるためかもしれません。

 さて、先のところで、母親への関心が高いので、作者はタイプ8か4である可能性があると回答しています。それが当っていたわけですが、主人公も他も「ガッツとグリフィス」も、同じタイプに見えます。タイプを描き分けてはいません。

 作者が想像して書き上げた人物ですが、ふたりとも作者の分身だと考えられます。粗野で骨太そうで大胆かつ男性的なガッツと、洗練されて上品で貴族的かつ中性的なグリフィス」です。なぜ、タイプ8らしくないのかを、作品の中にある彼らの台詞で説明しましょう。

 @巻p103でガッツの台詞
「ムカつくんだよ。弱いやつを見てると、ひねりつぶしてやりたくなるね」
 タイプ8ならば、弱い奴がいるから、手下にできるのであり、自分の強さを示すことができる人間がいることは喜ばしいことではないでしょうか。弱いやつをひねりつぶすどころか、自分の思い通りに動く人間がいなければ困ります。自分より、強い人間をひねりつぶしたいのですからね。

 タイプ2にとっても、弱い人間がいないと困ります。「弱い人間を守る強い人間」になりたいのですからね。どうも、両タイプともに、弱い人間はぜひとも必要なようで、自分が優位に立つためだと考えられます。

 @巻p160ガッツの台詞
「アリを踏み潰すことを気にしていたら、歩くこともできゃしねえんだ」「自分の命さえ自由にできないなら、死んじまえってな」

 これは、アリを踏み潰すことを気にする人だからこその発言です。タイプ4であれば、自分の弱さを自覚しており、嫌悪する傾向がありますから、自分によく似た人も嫌悪するのかもしれません。

 タイプ8にとって、弱い人間どころか、圧倒的に自分より強そうに見える人間を踏み潰さねば、意味がなく、その人間を従わせたり、自慢にするくらいでないと、強い人間とは言えないでしょう。また、タイプ8にとって、自由とは強い人間だけに与えられるものだと考える可能性があります。あるいは、自由とは、奪い取るものだと考えるかもしれません。

 E巻の真中辺りのグリフィスの台詞
「自分が自分自身のために成す夢」「生まれてしまったから、生きる……、そんな生き方オレには耐えられない」

 タイプ8は、現実的な夢を見る人です。人々が平和で豊かな暮らしができるように、自分がリーダーになって勝ち取るものであり、自分自身のために成すのではありません。この社会を自分の思うままに改造したり、建設することです。歴史上にあるタイプ8の独裁者たち(ナポレオン・秦の始皇帝・スターリン)を思い出してください。タイプ2も、この社会をより善い社会にしたいのであり、名君と言われたり、善政を敷きたいと願うタイプです。

 
「自分自身のために成す」とは、いつも自分のことばかり考えがちなタイプ4の人らしいセリフと感じられます。また、タイプ4は、自分が無価値だと考えやすく、無気力になりやすい傾向があります。だからこそ、そんな生き方は耐えられないと、嘆くような自嘲するようなセリフが作られるのではないでしょうか。

 タイプ8も2も、自分を無価値だと考えるとしたら、全く無いわけではありませんが、稀なことですから、そのような台詞まわしは、なかなか思いつかないでしょう。むしろ、状態が悪い時は、反社会的なことをしたがり、気力に満ちて暴力的にさえなるほどです。

 タイプ8や2にとって、自分の有能さや、自分はどれほどの重要人物であるかを、周囲に知らしめることが、重大関心事になります。従って、いつもプラス発想をしています。マイナスになる自分、マイナスからの回復的な発想は、あまり無いほうではと見ています。

 

29   259 「あたしんち」について   質問者(春風) 2002/09/27
 
以前どなたかの質問で「けらえいこ」作「あたしんち」のタイプをこのコーナーで2W1と判定されていましたが、アニメの「あたしんち」を見ていると、両親や弟は違うタイプのように見えるのですが、全員が2W1なのでしょうか?
回答者(りゅうとうまりこ)春風さん、こんにちは! 2002/09/28

 けらえいこさん自身はタイプ2w1と判定しています。従って、作品も、作者の2w1の性格が反映しますが、実在のモデルを登場させていたら、2w1ではないかもしれません。

 例えば、現実の自分の父親がタイプ7だとすると、マンガの父親役をタイプ7にしようとするかもしれません。現実の自分の弟がタイプ3で、弟役をタイプ3にすると、うまくタイプ3を描けるでしょう。しかし、弟役ではなく、別の登場人物に使う可能性もあります。自分の家族や身近な人たちなら、性格がよく分かっていますからね。

 また、長編マンガだとすると、キャラクターの性格を描き分ける場合、実在の人物を知らないと、描き続けられないと考えられます。なお、「あたしんち」を観ていないので、近いうちに観て確認したいと思います。それまでお待ちください。
再回答(りゅうとう)春風さんへ、お待たせしました! 2002/10/31
 
 TVマンガ「あたしんち」についての質問は、両親や弟は違うタイプのように見えるのですが、全員が21なのでしょうか?」でしたね。

 
TVがなかなか見られず、原作のほうを読むことにしましたが、原作をTV番組化すると、少し違うことがあるかもしれません。ですから、それを考慮して欲しいと思います。原作者は、けらえいこさんで、こちらかは、タイプ2w1らしくみえます。ただし判定しているのではないので誤解しないでください。

 主人公の「あたし」は「みかん」という名前で、やはりタイプ2w1らしい気質に見えます。ところが、お父さんは、ともにタイプ9w9〜9w1らしい気質に見えます。お母さんは2w1なのかタイプ7w7なのか、ちょっとわかりかねます。

 お父さんのタイプをはっきりと描きわけているので、実在のモデルがいると考えられます。

 今日、11/01にテレピで「あたしんち」を観ましたが、原作よりも、面白おかしくしているのではないかと思いました。テレビ番組化する段階で、少し変化したように見えます。

 つまり、人気が出て、テレビアニメ化されると、原作者一人の意志で決められるのではなく、たくさんのスタッフが参加します。力関係でスタッフのほうの考え方や、その他、方針などから、原作とは違ってしまうことはよくあるほうではと考えています。

 ですから、マンガのタイプ判定はできるだけ初期作品のほうが作者の気質が出ていると考えられます。人気が出ると、その後は編集者の方針や意向に左右されて、そこで変化してしまいます。

 

 

30   216 「赤木しげる」のタイプは?質問者(利根川幸雄) 2002/07/09

 質問にていねいに答えていただいてありがとうございます。初期の福本伸行さんの作品は人情ものなのでタイプ2に見えますが、「カイジ」、「アカギ」、「銀と金」、「無頼伝涯」と「天」にも出てくる赤木しげるなどの考え方はとてもタイプ2には見えないのですが・・・。タイプ4やタイプ8に見えるところもあります。もうすこし詳しくお願いします。私が読んだマンガ家で共感できることがいちばん多かったので・・・。
回答者(りゅうとう)利根川幸雄さん、こんにちわ!2002/07/10
 
 マンガ「アカギ」の主人公・赤木しげるは、ニヒルでクールで、命を失うことも恐れぬ非情な男のように描かれています。ところで、タイプ2でも、そのようなキャラクターを描けるとは思いませんか? なにしろ、このマンガは、ほとんど麻雀の勝負の場だけですからね。たとえば、好きな女性とか両親などが登場したら、どこまでニヒルでクールに描けるのか分かりません。

 タイプ8や2、4も、その他のタイプでも、マンガ家たちは、さまざまなキャラクターを創作せねばなりませんから、いろいろなキャラクターを作り出します。むしろ、「赤木しげる」のようなキャラクターはよくあるパターンなので描きやすいと言えるほどです。

 一方、4や8は、「天」のような人情ものはあまり書けないでしょう。ですから、福本伸行さんをタイプ2w1と判定しています。例えば、「モンスター」の著者・浦沢直樹さんはタイプ4ですが、作品の中で、タイプ2のように見える世話焼きな人物を描き出しています。それと同じなのです。誰でも、そういう人物が存在することを知っていますから、創作する際に参考にして取り入れています。 

 面白い作品を作る時、さまざまな人物を作り出せるのが、優れた作者ではないでしょうか。タイプ8でも、暖かい人物を作り出していますし、タイプ4も冷酷な人物を作り出しています。むしろ、タイプ
や4のほうが、それは得意分野であり、タイプは不得意と言えるほどです。

 例えば、「アカギ12」では、赤木は勝負に勝っていながらも、相手が負けたのは誤解したり油断があったからで、
「このままで終わっちゃ、なんかフェアーじゃない気がして、言うなら不意打ち騙し合いの類だ。自分はまっとうに闘っていない」と語ります。

 ところで、勝つためには手段を選ばないのがタイプ8です。勝負には勝てばよいのであり、フェアーもアンフェアーも関係なく、勝つためならば、どんなことでもトライするのがタイプ8の勝負師です。タイプ2の勝負師は、フェアーでない勝負なら、たとえ勝っても、本当の勝利にはならないようです。

 タイプ
も勝つためならばルールなど無視するかもしれず、不意打ちや騙し合いをするのは、人間たちが通常にしていることなので、それを上回ることを考え出さねば勝てないとみます。ですから、誰も考え付かないほどの知能犯となるやもしれません。一方、赤木しげるは、フェアーに勝負したいというのですから、それほど冷酷とは言えないでしょう。

 マンガ
「無頼伝涯@」も、刑事に説得されて投降する犯人がいます。最初、刑事の鼻を少し襲撃して、「次は手加減しない」などと脅します。最初から手加減しないのが、タイプ8であり、刑事に説得されて投降するようなストーリーは、タイプ8らしくありません。

 なぜ、そこまで人間を信じられるのか不思議に思えます。次は手加減しないなど、とても甘い考え方であり、次というものがないと設定するのが、冷酷な人たちのすることです。

 タイプ2は、どんなに冷たい人間を描いても、どこかに甘さがあります。また、説得の効果があると考えるなど、「話し合えば分かり合える」という人間観を持っているとしか考えられません。タイプ4も8も、そのような人間観を持ちにくい気質です。

 さて、「フェアーな勝負」しか考えにくいのが、2・6・1(世界は肯定的と見るタイプ)であり、アンフェアーであれば、勝っても満足できにくい気質です。しかし、8・3・7(世界は否定的と見るタイプ)にとって、勝てる見込みのある勝負ならば、フェアーであろうとしますが、負けそうな勝負ならば、どんなことでもトライするのが、正しい闘い方です。

 世界は否定的なのですから、裏切りや騙しなどが当然に起きるはずなので用心して、初めから構えているはずです。相手にスキが見えたら、すぐに攻撃して、常に相手の上を行かねばと考えます。アンフェアーであろうとも、相手のスキに乗じて攻撃して勝たねばなりません。

 残りの5・9・4(世界は肯定的か否定的かどちらか分からぬと見るタイプ)は勝負事に関心や興味がないことが多く、そのような作品も少ないと見受けられます。しかし、時と場合によっては、アンフェアーでも仕方なしと考える傾向があります。

 これについては、バックナンバーにある「努力を重視する性格と、チャンスを重視する性格」「勝りたい性格と、勝ちたい性格」 というタイトルの文をお読みください。関連性があり、参考になると思います。以下です。
 
    http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-11.htm
 
回答に対する返事 利根川幸雄さんより 2002/07/10
 
 あらためて今日、福本さんの作品を読みましたら、どの作品も主人公が悪ぶっていますがどこか人のよい感じがしました。福本さん自体も、自分の人のよさを否定したい感じが、インタビューなどを読むと感じられます。ウイングはかなり重い感じがしますが、どうでしょう? 
再回答(りゅうとうまりこ)利根川幸雄さんへ 2002/07/11

 マンガ家・福本伸行さんはタイプ2w1だろうと見ています。なぜなら、彼はかなりお節介な人物を描いているからです。3寄りの方は、いざという時でないとお節介を焼かず、通常の時は、どちらかというとクールと言えるかもしれません。「天」のように、あからさまな親切心を示すのを好まないタイプです。

 しかし、ウイングは、1寄りであることが分かりますが、それほど、重い1寄りとは考えられません。なぜならば、ウイングが重くて、かなり1寄りの人は、1の優等生気質が強まりますから、「悪ぶった人物」を評価しない傾向があります。真面目で、抑制的な性格になりますから、「お堅い人」になりがちで、不良っぽい人間に憧れることも少ないでしょう。

 例えば、古いマンガですが「赤銅鈴之助」の主人公・鈴之助はいつも大真面目で、一筋で生一本で、しかも短気で曲がったことが大嫌いな若武者です。悪ぶる人物は全く描かれていません。故手塚治さんも1寄りと見ていますが、「ブラック・ジャック」というクールで影のある悪ぶった人物を描いています。「赤木しげる」と少し似ていますが、ジャックは、赤木よりも、お人好しなのが丸見えです。

 また、ご存知のように、手塚さんが創作したキャラクター(鉄腕アトムなど)は、健康的で模範優良児ばかりで、教科書にそのまま載せられるほどです。むろん、「赤銅鈴之助」も、教科書向きです。

 このような作品を書く方の性格は、1のウイングが重いと分析しています。映画ならば、「サウンド・オブ・ミュージック」(The Sound of Musicというミュージカル映画)のようなもので、この映画はタイプ1の方も、とても好む映画のようです。タイプ4で好む人もいるみたいですが。

 従って、2人は、同じくらいのところに位置する可能性がありますが、手塚さんのほうが、1のウイングは重いだろうと予想します。

 

31   215  福本伸行さんのタイプ 質問者(利根川幸雄) 2002/07/07

  竜頭さん、初めまして。 「カイジ」、「天」、「アカギ」、「銀と金」、「無頼伝涯」 などの作者の福本伸行さんのタイプが知りたいです。 あと「幽遊白書」、「レベルE」、「HUNTER×HUNTER」などの作者の冨樫義博さんのタイプも知りたいです。できればタイプ判別理由も詳しく教えて欲しいです。是非お願 いします。
回答者(りゅうとう)利根川幸雄さん、初めまして!2002/07/09

 
マンガ家・福本伸行さん作「天@」が手元にあり、タイプ2w1の可能性が高いと判定しています。しかし、冨樫義博さんについては、あまり記憶になく、作品も手元にありませんから、後ほど、別の機会に回答したいと思います。

 「天」を読めば分かると思いますが、マージャンのプロのような?男性2人が主人公です。プロとしては負けられないはずですが、それほどは、勝ち負けに執着していないようです。なお、タイプ8の作品にもよく似たものがありますが、勝つことのみが目的となっています。

 また、天ちゃんのせりふに、「それにさ、オレみたいなもんでも、みんなの力になれるんだ」とか、「他人のためにどうして体を張るのか?」というせりふもあります。「他人と感動的にわかち合う」などもあり、かなり世話焼きな気質が見えています。

 きわめつきは、ある子どものために、折れたクリスマスツリーを支えようと、寒い屋外で一晩過ごしているほどですから、並みの親切ではありません。その場面設定は、とても不自然で、どうしても、描きたいことのようです。

 しかも、その親切心を、他の登場人物たちはやり過ぎだとかお節介とか、意外とも思わず、感動的なシーンにしています。自然な善意があるように見せていますが、作者は、何に高い価値を置いているのか、すぐに分かるほど単純な筋立てです。

 また、天ちゃんは、普段はものすごくお人好しですが、ここ一番の勝負には強いようです。急に、顔が引き締まり、男っぽくてカッコよくなります。そして、やくざも登場しますが、全て善意の人になっています。タイプ2は、悪人をうまく描くことができない傾向があり、この作品も、悪人らしい悪人が出て来ません。

 つまり、タイプ2の世界観は、「世界は肯定的」ですから、人間の本性は善だと思い込んでいます。そのゆえか、悪人を上手く描けず、描いたとしても、底の浅い悪意しか書けません。タイプ2は「善い人間にならねばならない」という囚われがあるタイプです。

 また、「お母さん気質」ですから、子どもに対しては、思い入れが強くなり、子どものためには、どんな苦労もいとわないという人物がよく登場します。義理と人情を重んじ、また、そそっかしくて善意の塊みたいな人物を創作しますが、それはタイプ2w1の男性の理想像として、よく登場する人物像です。

再回答(りゅうとう) 利根川幸雄さんへ 2002/07/13

 質問は、冨樫義博さんのタイプを知りたいとのことで、マンガ
「HUNTER×HUNTER」を読みました。そこで、富樫さんをタイプ4w5と判定しています。

 判定した根拠ですが、まず、ストーリー転回を見ると、左脳機能がキッチリと働いている方のように見えます。それは、計画的で用意周到で、起承転結などがしっかりと設定されていることです。物語の流れが、作者の感情のおもむくままでなく、ロジックが組み建てられており、骨組みがしっかりとしていることです。右脳機能しか使っていない作者は、情緒的となり、どこに行き付くのか、作者本人も全く分からないような描き方となりがちです。

 一方、感情的な表現が見事に分かりますから、作者は感情タイプと判定できます。すると、感情タイプでありながら、思考タイプ的な手法を持つ方ですから、そのどちらも併せ持つのであれば、タイプ4w5の可能性があります。ただし、感情タイプでも、賢い方は左脳機能もしっかりと使っていますから、このタイプのみとは言えず、また、5w4も考慮せねばなりません。ですから、その点を忘れないことがポイントでしょう。

 次に、この物語にある「ハンター」になるための試験と、その正解内容を考えると、「理解力と洞察力、細かいことを識別する力、純粋な暖かい心、無心さ」などが重要のようです。また、「何者なのか?」という問いが多いのが特長的ですから、「自分は何者なのかを知りたい」、あるいは、「相手が何者なのかを見抜く」ということが大切だと考えている方のようです。つまりは、タイプ4なのです。

 さらに、いろいろなタイプの人間が登場しますが、強欲な人間、弱虫、愚鈍そうな人間、冷酷な人間、裏切り者など、ありとあらゆるタイプを描き出すことができ、しかも、よく描かれているので、優秀な方ではないでしょうか。
215216で書いたように、福本さんのような「悪ぶる人間」ではなく、「悪人」をしっかりと、かなりえぐく描いておりリアルです。これは、日頃から、人間性をよく観察しており、しかも、人間たちの汚さ醜さを知っていたり考えているからではないでしょうか。

 かつ、主人公は、子どもらしくかわいくて、純粋です。主人公の年齢は、12歳ですが、童顔です。ところが、福本伸行さんの主人公も13歳や中学生ですが、かなり大人顔です。タイプ4は「末っ子気質」ですから、自己同一性が「子ども」にあり、作者が高齢化しても、童顔な主人公となりがちで、年齢設定も低いという傾向があります。

 なお、遭難する人を救助する場面もありますが、捨て身な救助で、暖かく熱いものが流れていることが分かります。福本さんの作品とよく似たところはありますが、比較できないほど素晴らしく、一級品だと感じました。

 なお、優秀な作品は、価値観が広く、さまざまな能力があり、タイプ判定しずらいので、説明するほうも難しいと言えます。つまり、そのような方は、そのタイプらしさが段々と消えていくからです。
218の言い方をするなら、厚皮饅頭になっているので、元々の気質(性格タイプ)が容易には判別できません。

 この作品からは、非常に健全で肯定的な世界観を持つ方のように見えてしまいます。そうなると、「世界を肯定的に見るタイプ2・6・1」と間違えてしまうでしょう。しかし、細かな場面設定、人物描写から、タイプ4w5だと判定しました。従って、富樫さんは、タイプ4でありながら、世界を肯定的に見ており、タイプ1に向かいつつある成長した方ではないかと予想します。

 
回答に対する返事      利根川幸雄さんより 2002/07/15

 冨樫さんのタイプは4w5だったのですね。ありがとうございます。私も自分なりにタイプ予想をしてみましたが冨樫さんはさっぱりでした。調和タイプとタイプ8ではない感じでしたが・・・。 「HUNTER×HUNTER」は、今でも少年ジャンプで連載されていて毎週楽しみにしているのですが、よくさぼることがあり、それが最大の欠点です。ウイングは重いのでしょうか?是非それもお願いします。あとホームページは面白かったので、すべて読ませていただきました。とくにバックナンバーが非常におもしろかったです。お忙しいでしょうが、更新をなるべくお願いします。お遊びコーナーの問題は難しすぎて、さっぱりでした。ヒントをお願いします。
再回答(りゅうとう) 利根川幸雄さんへ  2002/07/15      

 マンガだけでウイングを見出すのは難しいと言えます。富樫さんが、ご自分の内面的なことで言及していたり、肉声のようなものがあれば分かると思いますが。

 予想としては、ウイングは重いとも言えず、軽いとも言えず、4と5の中間辺りくらいかもしれません。お遊びコーナーは、当サイトのエニアグラム理論を読むことが、ヒントかもしれません。とくに数字の並び方などは。

 

32   219 素晴らしいと感じるポイント  質問者(ゆび)2002/07/15

 こんにちは。最近Q&Aコーナーで、漫画についての話が書かれており、大変興味深く読ませていただきました。そこで気付いたのですが、竜頭さんは「人物描写がすぐれている作品」を素晴らしいと感じているようですね。私は、どちらかといえば、「自分の知らない知識を与えてくれる作品」を素晴らしいと感じます。例えば、”ゴルゴ13”を読むと、政治・経済的な問題について理解が深まりますし、”釣りキチ三平”を読むと、様々な釣りの手法やテクニックを知る事ができます。”美味しんぼ”を読めば、色々な料理について興味をそそられますし、”天”を読めば、麻雀の打ち方やイカサマの種類・活用法について学べます。これらの作品では、作者はそのテーマについて実に良く研究しており、とても勉強になります。そして、作品の中で普通の人は余り知らない事(新しい経済手法、地方独特の釣りの技法、未知の料理法、 特殊な状況下での麻雀の打ち方や画期的なイカサマ)を取り上げているので、非常に素晴らしいと感じます。逆に、”HUNTER×HUNTER”は全て空想の世界の話であり、現実感に乏しく、あまり素晴らしいとは感じません。さて、このように、人によって素晴らしいと感じるポイントは違うわけですが、これは、やはりタイプによる傾向の違いなのでしょうか。
回答者(りゅうとう) ゆびさん、こんにちわ! 2002/07/16
 
 まず
、「人物描写がすぐれている作品」も素晴らしく、その他、描画力なども評価することがありますよ。マンガを読むと、いろいろな知識を得られるでしょう。しかし、マンガから得られる知識は、単なるきっかけ作りであり、知識としては不充分であることが多いのではないでしょうか。それでも、多方面に興味を広げてくれるものとして、役立つものと思っています。 そして、当会では、マンガは性格やタイプを理解するための重要な参考書となっています。 

 元々知的好奇心の旺盛な人は、マンガから得られる知識では物足りません。また、マンガから得る知識だけで満足する人は、それを突破口として、さらに知識を深めるとは限りません。また、知識量が多く博識になっても、自信には繋がらず、洞察力も理解力も深まらない人もいて、いろいろだと思います。そして、学ぶ人はマンガに限らず、どんなところでも、どこからでも学びますからね。
 
 例えば、タイプ5は、あまりマンガを好まない方が多いのです。なぜなら、タイプ5は「おじいさんタイプ」といい、その本質性から、マンガは子どもが読む本だと見ている傾向があります。生まれながらに年寄りぽくて子どもらしさのない人ですからね。タイプ5のマンガ作者はこれまで一人も発見していません。また、タイプ5は料理の知識を得るためには、直接に料理本を購入したり自分の手で料理して、他人に尋ねたり教えを乞わない傾向があります。

 なお、現実を見ても、大人はマンガを好まず、子どもがマンガを好む傾向がありますが、エニアグラムのタイプでも、「おじいさん気質5」と「おばあさん気質9」と「長女タイプ」が、マンガをあまり読まない傾向はあるように感じています。むろん、好む人が皆無だとは思いません。

 ですから、「自分の知らない知識を与えてくれるマンガ作品を素晴らしいと感じる」のは、あなたの性格的な傾向を少しは反映しているかもしれません。

 あるタイプ6は、あなたと同じようなことを言う可能性があります。しかし、全てのタイプ6が同じ感想を持ちません。あるタイプ6は、「
HUNTER×HUNTER」は素晴らしい作品だと言うかもしれません。また、その可能性はあります。なぜなら、タイプ6は現実的ですから、現実離れした世界を創作する富樫さんのような作品を高く評価するかもしれません。つまり、自分にない要素や、持てないがゆえに、「憧れている能力を持つ人」を評価するのです。

 あるタイプ4は、あなたと同じことを言う可能性があります。なぜならば、タイプ4は自分が現実感に乏しいことを、自覚しているか自覚していないか、さまざまですが、このような作品を評価しない人がいます。自分によく似た人は、なぜか不快だとか嫌いになることがあり、それと同じ作用です。

 しかし、別のタイプ4は、富樫さんの作品に心酔したり愛読しているでしょう。なぜならば、同じタイプなので、よく理解でき共感できるからです。現実逃避したがるタイプ4が少なくないからで、現実的な映画や小説を全く受けつけない人も、かなり存在します。

 このように、
「素晴らしいとおもうポイント」は、同じタイプでも違うことがあります。富樫さんの作品をタイプ9の方が大変高く評価していますから、主人公に理解できず共感しなくとも、好むことがあります。ですから、一概には言えません。そして、どんな些細な感想も、少ない文でも、確実に、その人の性格を反映していると思ってください。

回答に対する返事     ゆびさんより 2002/07/17

 竜頭さん、回答ありがとうございました。いつもながら、迅速でびっくりしております。まず最初に、「マンガから得られる知識は、単なるきっかけ作りであり、知識としては不充分である」なるほど。私は、マンガから得る知識だけで満足していたような気がします。さすがに、竜頭さんは鋭いところをつかれますね。次に、「自分にない要素や、持てないがゆえに、「憧れている能力を持つ人」を評価する」とありますが。
 私の選んだ漫画は、「政治・経済の話、釣り、料理に関するうんちく、麻雀」と、すべて、大人の男性が好むと言われているものばかりです。もしかしたら、大人の男性への憧れかもしれませんね。 最後に、私の書いた「”HUNTER×HUNTER”があまり素晴らしいとは感じません。」とは、少し言い過ぎでした。確かに、なかなか面白い漫画だとは思います。でも、「”天”だって、素晴らしい漫画だーい! 「HUNTER×HUNTER」の方が比較できないほど素晴らしいだなん・・・、そんなことないもん!」

 

33   43  スヌーピーたちのタイプは?   質問者(やまもと) 2001/06/15

 こんにちは。 スヌーピーたちの性格心理分析という本はお読みになった事がありますか?作者のシュルツも、赤ん坊にも生まれつきの気質があると気づいていたんですね。主なキャラクター達のタイプを教えていただけませんか?自分で誰がどのタイプか考えてみたのですが本当の正解が知りたいです。よろしくお願いします。
回答者(りゅうとうまりこ)やまもとさんへ  2001/06/17
 
 チャールズ・M・シュルツ作の「SNOOPY」は世界中で愛読者がいるようですね。なお、性格心理分析の本は読んでいません。あなたの知りたいのは、スヌーピーだけでなく、チャーリーブラウンやサリーやルーシーやライナス、ペパーミントやマーシーなどですね。

 まず、作者のシュルツさん自身はタイプ9w1の可能性が高いと判定しています(なお、下の再回答にてタイプ間違いと述べています)。シュルツさんはたくさんの登場人物を書き分けているように見えます。それぞれが個性的に見えているかもしれません。しかし、残念ながら、全ての登場人物の性格は、9w1です。書き分けられてはいません。逆に、彼の描いたキャラクターが、全て9w1なので、シュルツさんの性格を、9w1と判定していると考えてください。

 例えば、ルーシーは口が悪くてジコチューな女の子に見えますが、ジコチューの強そうなタイプ2やタイプ8の性格とは、明らかに、かけ離れています。また、その他のタイプの性格にもなっていません。

 タイプ9w1は言いたいことがなかなか言えない性格ですが、ズバズバ言えるようになりたいという願望があります。身近な人、安心できる相手にはズバズバ言うこともあります。そんな自分の一面を、一人の少女として表現したと考えられます。その他のタイプも全て、このように考えられます。
 そして、シュルツさんそのもののキャラクターは、チャーリーです。主人公は、ほぼ作者の性格がそのまま描かれていると思われます。

 人の心はそれぞれに大きくて、宇宙のような広がりがあります。さまざまな9w1がいますし、一人の9w1の心の中も、さまざまな要素があり、いろいろな側面があります。それは、どのタイプであっても、同じです。そのさまざまな一面を、別々のキャラクターとして描いた、と考えます。

  タイプを描き分けているように見えますが、作者の分身のようなもので、基本的に同じタイプなのです。ドラマは、演じる役者が違うタイプですから、その役者の雰囲気に惑わされて、タイプが違うように見えます。しかし、マンガはそのようなことで惑わされませんから、明瞭です。

 次に、創作する時に、作者は、タイプを書き分けられるか? という問題があります。作者は、自分という性格が普通で、その性格を基準として、想像しながら、キャラクターを考えます。書き分けられるとしたら、実在の人物をモデルとして作っている場合でしょう。

 例えば、マンガ「サザエさん」は、タイプを書き分けています。長谷川町子さんは2w1で、サザエさんも2w1です。しかし、父親は1w2で、モデルがいます。マンガ「天才柳沢教授の生活」も、作者は2w1で、教授は作者の父親をモデルとしており、2w1とはまるで違うキャラクターです。

 しかし、シュルツさんは、実在の人物をモデルとしてキャラクターを作り出していないように見受けられます。

 作者の想像で、キャラクターは作られますが、そのタイプが想像できないことを、他のタイプは想像するのです。つまり、想像だにしないことを考えたり、感じているのが、自分と違う他のタイプなのです。
 
回答に対する返事      やまもとさんより   2001/06/16

 タイプ判定する時の考え方がよくわかりました。表面的に見たのとは違うんですね。また勉強になりました。ありがとうございます。
再回答(りゅうとう)      やまもとさんへ  2007/10/04

 さて、シュルツさんを約8年前くらいに、タイプ9w1の可能性が高いと判定しておりました。現在、過去のタイプ判定において、誤認をしていないかを調査しているところです。そこでわかってきたことは、
シュルツさんはタイプ4の可能性があり、9w1と誤認していた可能性が高いと見ています。ウイングは5なのかなと思うのですが、この作品だけでは判定できません。

 昔に遡るほどに、タイプ誤認しているようです。それはタイプ判定を仕事にしてから、判定作業を大量にこなしてきた結果として、判定技能の精度が高まったためと考えられます。逆に、以前は技能がまだ未熟であったためと考えられます。そして、タイプ誤認といっても、ケースごとにさまざまな「間違い方の違い」があります。今回は、シュルツさんをタイプ9と誤認していたのは何故なのか、それを明らかにして今後に活かしたいと取り上げています。

 約8年前くらいに9w1と判定した作品が手元になく、どのマンガだったのか思い出せません。そこで手元にある「SNOOPYのもっと気楽に」の中のC巻の「自分らしく」を取り上げています。絵を紹介できないのですが、Cの最初にあるもの(p10)は主人公チャーリーと犬のスヌーピーとの会話です。

 
・チャーリー‥‥  いや、きみの思い違いだと思うよ。
 ・  〃   ‥‥  招待状には“ブラック・タイ(ネクタイのこと)”」って書いてあった。
 ・犬のスヌーピー‥“ブラック・イヤー(黒い耳)”じゃなかったのか。


 ちなみにスヌーピーの耳は黒で、プラックが語呂合わせになっています。スヌーピーはてっきり誰かから招待されるものだと思い込んでいたので、ガッカリという訳です。ハッハッと笑えるようなものではなく、ニヤリとはするかもしれません。しかし、なにが面白いのかと、淡々としたイメージの作品になるでしょうか。

 p10の作品もよく似ています。
 
・チャーリー‥‥‥‥‥   君のおじいちゃん引退したんだろ。どうやって過ごしているんだい?
 ・フランクリン(チャーリーの友)‥‥一日中忙しいんだって‥。
 ・チャーリー‥‥‥‥‥   何してるの
 ・フランクリン‥‥‥‥    おじいちゃんしてるのさ‥


 実は、このようなちょっとしたユーモアというべきか、淡々としているがさして面白くない作品がたくさんあります。これらの作品から、タイプ9w1の可能性が高いと判定したのではと考えられます。現在ではこれらの印象があれば、タイプ4なのかと疑うようにしています。しかし、当時は、「これこそがタイプ9w1」だと思い込んでいたものです。

 また、タイプ4とタイプ9は、よく間違えられるタイプで、しばしばタイプ誤認されることがあります。タイプ9のことで講座で話していると、それは「うちの息子そのまんまです」などと言われたことがあります。しかし、詳しく尋ねると、タイプ4の息子さんとわかったりします。当サイトにも、「自分はタイプ9だと思うが、正確なタイプを知りたい」と質問文が届いていました。そこで、詳しく見ていくとタイプ4と判定できたことがあります。本人自身もこのような間違いをしやすいのですから、判定者も間違えやすいと考えられます。

 しかしながら、以下のような作品を当時詳しく分析できていたならば、タイプ誤認しなかった可能性があります。

 p30の作品は、犬のスヌーピーが、犬小屋の屋根の上に乗って、なにやら空想しているセリフ。
 
・第一次大戦の撃墜王が、愛機ソッピーズ・キャメルを駆ってフランス上空をゆく‥
 ・訓練で教わったすべてが、いま、突然よみがえる‥
 ・たとえば、下をみるな!  
(解説→どうやら、怖がりなので下を見られないよう)

 p31も、上と同じような空想をして、独り言が続いています。 
 
・第一次大戦の撃墜王が、敵陣の上空をゆく‥
 ・突然 彼は愛機を急旋回させる!
 ・何かが 彼を呼び戻している‥
 ・赤十字テントの中のドーナッツ! 

 
少年がヒーローになって愛機に乗って戦うという空想のようです。この作品を読んでいれば、子どもらしさが溢れていることがわかるのではないでしょうか。しかしながら、8年前は、タイプ4が「末っ子タイプ」という説明はしていましたが、判定に際してはあまり活用していませんでした。

 ところが、次第に「末っ子気質」という理論を活用するようになりました。それは別名というよりも、本性であり本質的には「子ども」で、しかも「無邪気で幼稚な」というような側面があるという分析ができるようになったためでもあります。
 タイプ4とタイプ9と比較したら、表面的にはとても似ているが、「最も子どもっぽい」と「最も大人っぽい」の違いがあることが、具体的に見えてきたために、両タイプの違いが明瞭になってきたと言えるでしょう。

 (注・「幼稚」と言うと誤解を受けるかもしれず、人間的に優れているかどうかとは関係ないことです。シュルツさんは作品を通してみると、とても素晴らしい人だったように見えます。また大人っぽい気質の人が人間として成熟しているのでありません。どうか誤解しないでください)

 なお、以下には、スヌーピーの公式サイトがありますから、一度覗いてみてください。マンガ作品が少しだけですが、英文のままに載っています。
                 http://www.snoopy.co.jp/

 以下の文章は、2004年に公表しているもので、そこには「幼稚園児のような愛らしさを見せる人がいます」
と書いています。以前も、タイプ4に関して子どもっぽいという傾向はあると見ていましたが、そこの捉え方がまだ曖昧であったように思われます。

 なお、シュルツさんは75歳まで、このシリーズを連載していたのですが、子どもの気持ちや子どもの目線でマンガを描くことができたようです。それは、シュルツさん自身の本性が「子ども」であったためではないかと。子どもだった頃の昔の自分を思い出してかき上げたのではなく、そのままの自分を表現したに過ぎないのではないかと思われます。また、それに気づいていれば、タイプ誤認をすることはなかっただろうと‥。

   http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-38.htm

 また、
タイプ9と誤認したもう一つの原因として、つまみぐい的な読み方をしていた可能性があります。マンガを読むのをとくに好んでいたのではなく、性格(気質)を知るための資料にしていたので、早く判定したいと思っておりました。そこがタイプ誤認に繋がったのではと反省しております。現在は、一人のタイプを知るためには、できるだけたくさんの資料を見て、より多面的に観て判断するべきであると考えています。

 なお、翻訳者は谷川俊太郎さん(こちらからはタイプ4w5にみえる)で、シュルツさんと同じタイプゆえ、共感して翻訳の仕事を引き受けたのかもしれないと想像します。また、スヌーピーマンガは、「永遠のマンネリズム」と言われています。そのような作品は「想像力のあるタイプ4に該当せず、タイプ9のほうによく起こり得るもの」、かつては見ていました。それも誤認の一因です。

 最後に、タイプ誤認はしていますが、回答の内容については、間違っているとは思っていません。現在でもそのまんま回答します。チャーリーブラウンやサリーやルーシーやライナス、ペパーミントやマーシーも、タイプ4自身のなかにある傾向で、キャラクターを描きわけていないと考えられます。