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4.醸造過程


 モルトエキスから甘いワートが作られた後、ホップの味付けと蛋白質の除去、殺菌のために1時間煮沸しなければならない。それが終わったワートは冷却し醗酵器に移し、イーストを加えて醗酵させる。その間にイーストがモルトの糖分を消化し、アルコールと二酸化炭素と複雑な風味に転化する。七日間以上の醗酵の後、ビールにイーストの餌を追加し(普通はコーンシュガー)てプライミングし、栓打ちし、炭酸を高め、飲む前に熟成させる。

 ビール造りは作り上げる技術である、と同時に混ぜ合わせる技術でもある。モルトとホップは単に湯の中で結合してワートを作るだけでなく、約1時間激しく沸騰して、蛋白質による不快味や濁りを衝突や凝固によってモルトから取り除き、過剰なホップオイルの香を蒸発させ、不溶性のホップのアルファ酸を可溶性のホップ風味に変換する。ゆっくりと長い時間煮込む事によって微妙なソースの香ときめを作り出すように、激しい沸騰によってビールの見た目を洗練し風味を形作る。

 1時間の沸騰の始めに、苦みを出すためのホップを加える。苦みと深いホップの香をつけるために30分後に2度目のホップを入れることがある。ホップの香は(苦みと混同しないように)40分沸騰させると消えてしまうためである。

 55分後、沸騰終了の直前に香り付けのホップを加える。これは、前に加えた風味付け用ホップの、よい香りの揮発性ホップオイルは、激しく沸騰しているワートから漂い消えてしまったからである。

 最も効果的な沸騰のためには、5ガロンのビールを作るために5ガロンの水とモルトとホップを沸騰させるべきである。しかし、たった4〜5ガロンしか入らない鍋の場合、3ガロンの水でも見苦しくない沸騰ができる。だが、モルト溶液の濃度が高いために、焦げ付きの危険性が大きい。更に、濃度の高い沸騰は、糖分の高いモルトが鍋の表面に触れるため、出来上りのビールの色を暗くする。

 沸騰させた後、できるだけ早く85V(29.4℃)以下に冷まさなければならない。急激に冷ますことによって沸騰で凝固した綿屑の様な蛋白質の沈澱を助け、醗酵を開始させるイーストが安全に加えられるまでの時間を短縮し、醗酵前の傷つき易いワートがバクテリアに感染する危険を減らす。鍋を冷たい水を入れたシンクに浸けたり、専用のワート冷却器を使用して、冷却期間を短縮できる。

 冷めたら、凝固した蛋白質やホップ沈澱物(これを「トラブ」と呼ぶ)を入れないように注意しながら、ワートを殺菌した醗酵器に移す。ここでイーストを加え、もし必要なら水を加えて5ガロンにし、醗酵が開始する。最初の活発な醗酵の段階では大量の二酸化炭素が作られ、ビールの表面に泡が盛り上がる。2〜3日後、泡が静まり、ビールは醗酵を続け、さらに7日位で落ち着く。

 醗酵が鎮まったら、ビールを比重計で調べ、道理に合った最終密度で、瓶詰しても安全か、を確かめる。まだ醗酵している最中に瓶詰する事は危険で、瓶の爆発を招くからである。

 醗酵したビールはアルコール分はあるが、気が抜けている。瓶詰の直前に、プライミングと呼ばれる過程を行う。それによって、穏やかな新たな醗酵がまだ残っているイーストによって起こる。プライミングでは、少量のコーンシュガー(普通4〜4.5オンス)を5ガロンのビールにかき混ぜ、イーストが消化して二酸化炭素とアルコールに変えるための餌を与える。この醗酵はビールが瓶詰栓打ちされた後に起こり、二酸化炭素は空中に逃げ出さずに、ビールに炭酸の圧力を加える。プライミングで完成ビールのアルコール分が1/4%弱高くなる。

 プライミングと栓打ちの後、ビールは種類に従って熟成させる。エールとポーター、スタウトは飲む前に醗酵温度で2〜4週間熟成する。一方、ラガー(ドイツ語で「保存する」の意)は醗酵温度で6日間置いて炭酸ガスを加えた後、きらめくように透明になるまで、4〜7週間冷蔵する。  

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