1998年11月


11月

嘉堂騎手ついに障害競走通算150勝を達成!!
(11/8・東京5R 未勝利)


 嘉堂信雄騎手は11月8日の東京5R・障害未勝利戦でベストセレクションに騎乗し、見事に勝利を収めて障害競走通算150勝を達成した。 この記録は松田博資氏(現調教師)、星野忍氏(現調教師)に次いで3人目の記録達成である。また、嘉堂騎手はデビュー以来障害一筋の騎手で平地騎乗経験がないため、 この勝利がJRA通算150勝目でもある。これまで重賞は11勝しており、ケイティタイガーに騎乗して制した昨年の中山大障害(秋)、今年の東京障害特別(春)が記憶に新しい。


もうフロックとは言わせない!  ビクトリーアップ快勝!!
 (11/15・東京5R オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ビクトリーアップ59横山 義行セ・63:38.7
2着10エアファントム59鈴木 寿牡・63:39.33 1/210
3着11シャドウクリーク59山本 康志セ・63:39.3  クビ
4着ケイティタイガー61△武士沢友治牡・103:39.4  クビ
5着ホッカイラモー59田中 剛牡・63:39.82 1/2
6着アワパラゴン62林 満明牡・83:39.9  3/4
7着トキオワイルド59出津 孝一牡・53:40.0  クビ
8着メジロファラオ59大江原 隆牡・63:40.3
9着12キングスロード59浜野谷憲尚牡・53:41.211
10着シャンパンファイト58金折 知則牡・83:41.41 1/2
中止ポレール64▲今村 康成牡・8落 馬
単 (1) 1060     複 (1) 270 (10) 650 (11) 160
枠 1−7  7160     馬 1−10  19950晴・良
出走取消 : チアズロッキー (右肘部フレグモーネ)

 前走、京都のオープン組からポレール、ケイティタイガー、アワパラゴンと実績馬が揃って東上してきた。迎え撃つ関東馬も東京障害特別(秋)2着のビクトリーアップ、平地G l 3着馬で前走の未勝利戦を快勝したシャドウクリーク、 休み明けだが前走圧巻のレコード駆けを演じた2戦2勝のメジロファラオと期待馬が集結し、レベルの高い一戦となった。
 レースはメジロファラオとケイティタイガーがややハイペースで引っ張る展開となり、アワパラゴンは控える形の3番手。昨年の京都大障害(秋)に似たような展開となった。 各馬が無難に飛越を続ける中、4つ目の第8号障害でポレールが落馬してしまった。その後は依然としてハイペースの中レースは流れ、最終障害で突き離しにかかるケイティタイガーを先頭にして、直線に向いた。直線では障害戦では珍しく、7、8頭が横に広がっての叩き合いとなった。 大外から一気に伸びたビクトリーアップが一瞬のうちに抜け出し、最後は3馬身半差をつけて快勝した。2着にはエアファントムが入り、万馬券決着となった。この勝ちで、ビクトリーアップのここ2戦のレース振りがフロックでないことを証明した。 次は中山大障害(秋)かどうかは分からないが、これからも期待できる。実績馬3頭(ケイティタイガー、アワパラゴン、ポレール)はおそらく揃って中山大障害(秋)に向かいそうだが、ポレールのケガ(跛行)の具合が心配される。

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イチバンリュウ、重賞馬2頭を一気に差し切り快勝!!
 (11/21・京都9R 京都大障害(秋))


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着イチバンリュウ58金折 知則牡・54:30.7
2着ゴッドスピード62西谷 誠牡・54:30.91 1/2
3着レガシークレスト59田中 剛牡・54:31.53 1/2
4着ヨイドレテンシ58嘉堂 信雄牡・54:31.6  クビ
5着メジロバルカン58林 満明牡・64:31.6  クビ
6着タガノゲール58酒井 浩牡・64:35.0大差
7着オンワードアトゥ58小林 徹弥牡・64:39.4大差
中止シリウスランド58佐伯 清久牡・5落 馬
中止フジヤマリジェント58出津 孝一牡・6落 馬
単 (6) 810     複 (6) 150 (2) 120 (9) 110
枠 2−6  1380     馬 2−6  1410晴・良

 3連勝中のレガシークレスト、春の覇者ゴッドスピードに注目が集まったこのレース。予想通りスタートからレガシークレストがハナを制し、スムーズに逃げていた。イチバンリュウは2番手を追走していた。ゴッドスピードは中団よりやや後ろを追走していた。 2周目に入り、最大の難関ビッグスワン(高さ80cm、幅15mのバンケット障害)を迎えた。正面からの映像もあり、よりリアルに映し出されたモニターを見ていたところ、 これと言って危ない馬はいなかった。春は危なっかしい飛越をする馬ばかりだったが、今回は全馬スムーズであった。その後、残り1周となって再び正面に戻ってきたところで2番手集団が一団になった。 第2号障害(水濠)でレガシークレストの飛越が少し短く水しぶきが上がったときにはファンがどよめいたが、ほとんどバランスを崩すことはなく問題はなかった。そして次の第3号障害を次々に飛越していく中、外目にいたフジヤマリジェントが落馬。 その直後にいたシリウスランドもあおりを受けて落馬し、2頭が競走中止してしまった。3周目に入るとメジロバルカンが積極的な飛越で先頭のレガシークレストに絡んで行き、それを見据えるゴッドスピードが3番手、ヨイドレテンシとイチバンリュウがそれをうかがう展開となった。 最終障害を飛び終えてレガシークレストとメジロバルカンの競り合いに外からゴッドスピードが捕らえにかかり直線に。一瞬ゴッドスピードが抜け出したが、その外からイチバンリュウが鋭い脚で差し切り、最後は1 1/2の差をつけて快勝した。
 イチバンリュウの勝因は3周目の向う正面で無理に行かなかったことだろう。それが最後の鋭い伸びにつながったのではないか。3走前の久々の障害戦では飛越が危なかったが、前回、今回は飛越が巧かった。また一頭、5歳のフレッシュな障害重賞馬が誕生した。 まだ底を見せておらず、これからも非常に楽しみな一頭だ。2着のゴッドスピードもようやく本来のこの馬のレースができたのではないか。最後はイチバンリュウに差されたものの、4kg差の斤量差では仕方ないことか。実力馬復活と見ていい。 59kgで戦える中山大障害(秋)制覇にやっと光明が見える内容だった。また来年からは重賞戦での斤量差も少なくなるため、この馬のこれからの活躍も見逃せない。レガシークレストは全体的に飛越が雑と言うか大きかった。これまでのレースではスムーズに飛越していて、 飛越の際にスピードが落ちず、スタミナ最小限のレースをしていた。そのため今回は最後やや力尽きた格好となった。それでもそんなに負けてはおらず、今後も大いに活躍が見込める一頭であることに違いない。 ヨイドレテンシはしぶとく4着に入った。最後はもう少し伸びるのかと思ったが、あまり手応えが残っていなかった。それでも勝ち馬からは離されておらず、実力に一端を見せた。メジロバルカンは3周目で積極的に仕掛けて行き、最終障害後一瞬先頭に立ったが、 夏当時の伸びがなかった。直線の芝と言うより、これまでのレースでは斤量差が生きていたのではないか。別定戦ではもう一押しが足りないみたいだ。タガノゲール、オンワードアトゥは最後ともに一杯。距離に限界がありそうなレース振りだった。 フジヤマリジェントとシリウスランドは落馬したものの馬は元気みたいで、最後はともに直線の芝コースを疾走していた。あおりを受けたシリウスランドは不運だった。外から徐々に前に差を詰めてきたところだっただけに残念な結果に終わった。

 このレースを以って、91回と長く続いた京都大障害の歴史にピリオドが打たれる。最後の直線での激戦は見応えがあり、京都大障害の最後を飾るにふさわしいレースとなったように思う。

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金折騎手重賞初制覇!!
 (11/21・京都9R 京都大障害(秋))


 11/21・京都9R 京都大障害(秋)でイチバンリュウに騎乗し勝利を収めた金折騎手は、平地障害通じてこれがうれしい重賞初制覇となった。 今年の金折騎手は5月に平地競走での落馬負傷で戦列を離れるなど、決して平坦な道のりではなかった。「平地の重賞でも・・・。」という言葉があったが、 平地、障害問わずこれからも頑張ってほしい。


昨年の最優秀障害馬・アワパラゴン引退

 くしくも京都大障害(秋)の当日にアワパラゴンの引退の報が入った。昨年この京都大障害(秋)で障害競走6連勝を達成したことは記憶に新しい。 前走後に右前種子骨靱帯炎を発症し、年齢も考慮に入れての引退となった。引退後は北海道で乗馬になるとのこと。

アワパラゴン
(H3生まれ、松元茂樹厩舎)



林騎手障害通算100勝達成!!
(11/29・京都5R 未勝利)


 11/29・京都5R 未勝利戦でシンメイアユチに騎乗し勝利を収めた林騎手は、障害競走通算100勝を達成した。中央競馬では史上16人目の快挙である。 ちなみに障害競走最多勝騎手は星野忍騎手で、254勝を挙げている。現役に限ると、嘉堂騎手、田中剛騎手に次いで3人目。

 林騎手はこれが今年の障害競走10勝目(平地1勝)。昨年は最優秀障害騎手のタイトルも手に入れている。重賞は6勝(すべて障害競走)で、 昨年のアワパラゴンに騎乗しての秋の重賞3連勝が記憶に新しい。


金折騎手落馬負傷

 先日の京都大障害(秋)を制し、重賞初制覇を果たした金折知則騎手だったが、11/28・京都3Rで落馬。右鎖骨々折、頭部外傷、右顔面挫傷の診断の診断を受けた。 全治にどれくらいかかるかは分からない。早期の復帰を願いたい。


カブトフドオ、初障害格上挑戦で勝利!!
(11/28・京都5R 400万以下)


 翌日の未勝利戦が14頭のフルゲートということで、初障害でありながら400万以下に出走したカブトフドオ。 中団から徐々に進出し、直線ではオーソリティーとの一騎打ちをハナ差制した。同馬は福島の4歳未勝利組であったが、障害1勝馬を相手に勝利を収めたことから、 かなりの器として注目したい。



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