( UPDATE 99/04/09 )

怪しい図書室




このページでは、私が個人的に面白いと思った本をジャンルを問わず紹介しています.
あくまで個人的な嗜好に基づいた書評ですので、誰が読んでも面白いとは限りません. なので、紹介されてた本を苦労して探して早速読んだが面白くなかった、どーしてくれるっとかメール貰っても、 ごめんなさい、どーしたらいーんでしょうかね.しょうがないですね.でも読んでみて欲しい、 いや是非読みなさいなという本ばかりを集めてみたつもりです. まぁ、騙されたと思って...





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■ SF・ファンタジー小説 ■


SF 書籍名 SFその歴史とヴィジョン
著者名 ロバート・スコールズ、エリック・ラブキン共著
出版社 TBSブリタニカ
発行日 1980年11月20日
SFその歴史とヴィジョン

これは1977年にアメリカで出版されたSCIENCE FICTION:History,Science,Visionの翻訳です. 本書は、いわゆるSF評論家ではない「主流文学」の評論家によって書かれたにもかかわらず、 本格的なSF小説論としてとっても評価の高い本でした. 日本では、TBSブリタニカのBOOKS’80シリーズの一冊として出版されたので、 他のシリーズと頁数を合わせる為に一部抄訳となっており完訳ではないのがとっても残念ですが、 それでもとっても刺激的で面白い本です.
ただ、如何せん出版されたのが随分と昔なので内容的には古く、 当然ギブスンやスターリングに代表されるようなサイバーパンクSF(って死語だろうか) とかにも一切触れられていません. でも1970年代以前にかかれたSF小説を読むにあたっては格好の入門書でもあるし、 次に何を読もうかと迷ってる時なんかには今でも十分参考になるかと思います.
普通のSF書評ではあんまり触れられることのない、カレル・チャペックの「R・U・R」や「山椒魚戦争」、 ザミャーチンの「われら」、デヴィッド・リンゼイの「アルクツゥールスへの旅」 等の貴重なSF小説についても詳しく解説されています.
ただ、紹介しておいてなんですが多分この本、絶版になってると思います、未確認ですけど(ォ. でもSF小説に興味のある人はなんとか手に入れて読んでみてください.それだけの価値はある本です. 僕も高校生の頃、この本を手掛かりにして沢山のSF小説を読み漁りました.幸せ〜.

SF 書籍名 流れよわが涙、と警官は言った
著者名 フィリップ・K・ディック
出版社 早川書房(ハヤカワ文庫)
発行日 1989年2月15日
流れよわが涙〜

既に故人である巨匠フィリップ・K・ディックの作品です.
ディックといえば映画「ブレードランナー」の原作となった「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が有名ですが、 この作品もまた彼のまぎれもない代表作の一つです.
ディックの作品は、昨日までの現実がある日突然ドロドロと崩れていき、 悪夢の様な非現実の中を主人公がさ迷うという、カフカの一連の作品を思わせる様な作風を得意としますが、 この「流れよわが涙〜」の主人公であるジェイスン・タヴァナーも超有名人のTVスターという現実から、 ある日目覚めると、自分が安っぽいホテルのベッドに横たわる、スターでも何でもない、 しかもIDカードさえも持たない「存在しない男」 であるという非現実の中に放り出されます.そして、過去に一切記録が無い、 出生証明すら存在しない不穏分子として警察に追われ、 最後には犯してもいない殺人事件の犯人に仕立てられてしまいます.
ディックは人物描写が実に巧みで、 タヴァナーを遺伝子操作によって生まれた強靭な精神と肉体を持つスイックスという超人として登場させ、 突然自分を襲った不条理な非現実に戸惑いながらも、 この状況になんとか立向かおうとする強靭なタフガイとして魅力的に描き、 また、タヴァナーを追う警察本部長バックマンさえも絶対的な警察権限を持ちながらも、 同時に極めて特異な精神的な弱点を持つ苦悩者としてたっぷりの思い入れをもって描いていて、 本作品はSF小説というよりはむしろ人間小説として楽しめます.名作です.是非読んでみて下さい.
ディックには他にも「ユービック」、「高い城の男」(2作品ともハヤカワ文庫)、 「暗闇のスキャナー」(創元SF文庫)等の名作があります.こちらもお薦めです.
最後にもう一つ.この作品が書かれた1970年代はじめに、 小説の舞台となる1988年をディックがどの様な未来として想像していたか、 実際と比較して楽しんでみるという意地の悪い読み方も出来ます(笑). 本書によれば1988年には火星に植民地があって、 世界中の警察はお互いに(月や火星の植民地とも)コンピュータのネットワークで繋がってて、 にも拘らずCDはまだなく音楽はもちろん33回転のレコードで売られてます(爆笑). 因みに「ユービック」では1992年には、 超能力者が太陽系の他の惑星も含む全世界で暗躍していて、一企業が出張の為に月まで飛べる飛行船を所有していたり、 恒星間旅行も可能になってます.ん〜、いい世の中になったもんだね.

SF 書籍名 世界の中心で愛を叫んだけもの
著者名 ハーラン・エリスン
出版社 早川書房(ハヤカワ文庫)
発行日 1979年1月31日
世界の中心で〜

あの「伝説」の男、ハーラン・エリスンの短編集です.
この著者の経歴や逸話は、もしかしたら彼の作品よりもずっと面白いかも. この本の訳者あとがきによると、 著者はあちこちで問題を起こすトラブルメーカであり、若い頃は不良少年で16歳の頃に 「時間と空間の巡礼」という本を万引きしようとして捕まり、 店主からえんえんと説教されて作家になる決意をかためた様な男で、 1956年に発表した「光る虫」はジェイムズ・ブリッシュから「SF史始まって以来の駄作」とこき下ろされ、 同年、20篇近くの作品を発表するものの生活苦しく、製材所工員、トラック運転手、書店員、 コピーライター等と職を転々とする.処女長編を発表した頃は陸軍で兵役を勤めていたが、 フォートノックスに転勤になった時、他の兵士との雑居生活を嫌い、 こっそりトレーラーを買ってそのなかでしたい放題の生活をしていたが、 バレて以前から彼を憎んでいた大尉のオフィスに呼び出され 「今度こそ軍法会議にかけて連邦刑務所に送り込んでやる!」といわれると、 「勝手にしやがれ!」答えるなりオフィスを飛び出して娯楽室の電話ボックスに隠れ、 SF作家で弁護士でもある親友のヘンズリーに電話を掛けて、 ヘンズリーは知合いの民主党上院議員のスチュアート・サイミントンに手を回した. 二十分後、エリスンを捜し回っていた大尉のところに議会から「エリスン兵卒に手出しをするな」 「その事件の処理はペンタゴンが行う」等と書かれた4通の通達が届き、その結果、 エリスンの刑罰は兵舎の窓拭き3週間ですんだという.「二度と顔を出すな!」といわれて除隊した後は、 ハリウッドでTVシナリオの仕事を掴んで成功、手がけた作品は「バットマン」「アウターリミッツ」 「アンタッチャブル」「ハニーにおまかせ」「ヒッチコック劇場」等多数. TV界で揉まれてからは暴力を振るわなくなったが、そのはけ口として小説を書きまくり、 60年代半ばにはSF界でもその才能を開花させるも、何事もやりすぎてしまうことが多く、 彼の手によるあのSFアンソロジー「危険なビジョン」に至っては、 アンソロジーにもかかわらずその4分の1が彼の解説、多弁にして毒舌家、 後先を省みず歯に衣着せずに誰彼かまわず攻撃するのでいつもトラブルを抱えている... と、まぁ、こういう人ですよ、エリスン君って人は.こんなのが自分の近くにいたらヤだね、俺は.
さて、この短編集は15本の彼の作品が収められているちょっと分厚い本ですが、 表題の「世界の中心で愛を叫んだけもの」や評価が高く映画化もされた「少年と犬」、 傑作「ガラスの小鬼が砕けるように」等など刺激的な作品がたくさん収録されていて読み応えたっぷりです. エリスンの書く作品はどれも暴力的なバイオレンス描写が多く、学生時代に初めてこの短編集を読んだ時は、 それまで「優等生」みたいな海外SFばっかり読んでた僕はとってもショックを受けましたが、 それは同時に彼の作品の強烈な魅力でもあります.
特に大好きな「世界の中心で〜」は、冒頭のウイリアム・スタログが大量無差別殺人をたんたんと進めていく描写の恐さ、 彫刻室座楕円星雲のある惑星でスタログの巨大な彫像が発見される意外性、 難解だけどそれまでの伏線が全てつながる交叉時点のくだり等、 初めて読んだ時は、読みながら背筋がザワザワするほどの興奮を覚えた記憶があります.
もしかしたら人によってはかなり好き嫌いがはっきりする作品だとは思いますが、取敢えずお薦めしておきます.

SF 書籍名 死霊狩り(全3巻)
著者名 平井和正
出版社 角川書店(角川文庫)
発行日 1975年5月15日(角川文庫版第1巻初版)
死霊狩り

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SF 書籍名 武装島田倉庫
著者名 椎名誠
出版社 新潮社(新潮文庫)
発行日 1993年11月25日(文庫判初版)
武装島田倉庫

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ファンタジー 書籍名 ライオンと魔女
著者名 C・S・ルイス
出版社 岩波書店(岩波少年文庫)
発行日 1985年10月8日(文庫判初版)
ライオンと魔女

ファンタジー小説が好きな方なら絶対この本は読んでるって断言できるほど、有名な一冊.
「ナルニア国ものがたり」は、 トールキンの「指輪物語」と並ぶファンタジー小説の最も優れた傑作の一つですが、 「ライオンと魔女」はその「ナルニア国ものがたり」の一話目に当たります.
主人公の一人ルーシィが疎開先の屋敷にあった衣装だんすの奥に潜り込んだら、 そこは雪が積もった真夜中の森の中につづいていて、街灯が一本だけぽつんと立って辺りを照らしていて... って感じでいきなり導入部分から面白そうじゃないですか!わくわくしません?
話自体は、白い魔女に占領されて永遠の冬に閉じ込められているナルニア国っていう不思議な世界があって、 そこに迷いこんだ4人の兄弟姉妹が力を合わせて白い魔女を倒し、ナルニア国に平和をもたらした後、 元の世界に帰っていくという典型的な勧善懲悪型のストーリーなんですが、 逆にこのわかりやすいストーリー展開のおかげで感情移入がしやすく、とても楽しく読み進めることができます. 本当に面白いファンタジー小説です.どうせ子供だましだろうって敬遠しないで是非是非読んで下さい. きっと子供の頃に感じた冒険心やドキドキ感を再び味わうことができる筈です.
「ナルニア国ものがたり」は本書も含めて全7冊あり、どれも極上のファンタジーとしてとても楽しめますが、 巻を重ねるごとに宗教的な雰囲気が強くなってきます. 特に最終巻は宗教色がかなり濃いストーリー展開になってるんですが、 でも逆にそれが「ナルニア国ものがたり」独特の荘厳さを感じさせててイイ感じです.


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■ 探偵・怪奇小説 ■


怪奇 書籍名 怪奇と幻想 −第3巻− 残酷なファンタジー
著者名 チャールズ・ボーモント他、矢野浩三郎編
出版社 角川書店(角川文庫)
発行日 1975年12月30日
怪奇と幻想

怪奇小説のアンソロジーです.
中学生の頃に、僕はこの本を学校の近所にあった本屋で購入しました. その頃ブームになっていた横溝正史の文庫本を物色していた時に、 同じ緑色の背表紙のこの本が横溝正史の中に混じっているの見つけて何気なく手に取っちゃった訳なんですが、 表紙の気味の悪いイラストに一緒にいた友人と思わず無言で見入ってしまいました. で、結局その時は横溝正史は買わずに、僕はこの第3巻を、一緒に並べてあった第1巻を友人が購入しました. 「残酷なファンタジー」というサブタイトルがつけられた、気味の悪い話ばかりを集めたこの本を、 なんだか後ろめたい気分を感じながらも中学生の僕はワクワクして読んだ記憶があります.
15篇の短編が収められていますが、オーガスト・ダーレス(収録は「淋しい場所」)、 フィッツ=ジェイムス・オブライエン(収録は「墓を愛した少年」)、レイ・ブラッドベリ(収録は「毒薬ごっこ」)、 D・H・ロレンス(収録は「木馬を駆る少年」)、ロバート・ブロック(収録は「弔花」) といった有名どころの作家によるあまり有名でない作品と、 あまり知られていない作家の優れた作品を同時に収録したおいしいアンソロジーです. 創元推理文庫の「怪奇小説傑作集」は評価の定まった有名どころの短編ばかり集めたアンソロジーですが、 それとは違った方向性のアンソロジーとして評価できます.僕にとってはとても大切な一冊です.
残念ながら既に絶版になっていますが、古本屋なんかで時々見かけることがありますので、 もしかしたら意外に手に入りやすいのかもしれません. 実際、友人に買われちゃった第1巻も5年後に京都の古本屋で無事購入出来ました(笑). 第2巻については未だにお目にかかれてませんが...


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■ 純文学 ■


純文学 書籍名 他人の顔
著者名 安部公房
出版社 新潮社(新潮文庫)
発行日 1968年12月20日(文庫判初版)
他人の顔

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■ 児童文学 ■


児童文学 書籍名 いやいやえん
著者名 中川李枝子著、大村百合子画
出版社 福音館書店
発行日 1962年12月25日
いやいやえん

私はこの本を多分、小学生の1、2年生ぐらいの頃に親戚の人から貰いました. 私と妹はこの本に熱狂して奪い合うようにして何度も読み返したんですが、 読むだけでは飽き足らず、私はこの本に「どいなおき」と署名し、秘密の場所に隠して自分のモノにしようとしました. この行動は妹の激しい怒りを買い、私がいない間に家中を家捜ししてまんまとこの本を見つけ出した彼女は、 私の署名に「X」をしてそのすぐ上に「れいこのほん」と書き足した後、 自分の本棚に堂々と並べました. これを見つけ怒り心頭に達して見境をなくした私は、 再びこの本を取りあげて妹の署名の上からクレヨンででっかく「どいなおき」 と書き直して自分の学習机の奥深くにしまいました. これに対しても当然のごとく妹は猛反撃に出て、もう、 それこそ血を血で洗う数限りない戦いが繰返されたんですが、 そうこうしているうちにこの本はどこやらへ行ってしまいました. そんな訳で、この本は「伝説の傑作」として(憎しみの記憶とともに) ず〜っと僕の心の中に存在し続けてきましたが、 成人した後のある日、本屋の棚に何冊もこの本が並んでいるのを見つけて、 なんだよ!伝説でも何でもないじゃん!と軽い怒りを覚えながらも、 やっとこの傑作を再び楽しむことができました.
さて、本書は児童文学としては高い評価を受けていて、もう、古典といってよく、 ロングセラーとして現在も売れ続けているので多くの人がかつて読んだことがあると思います. 一応、4歳から小学校初級むきとなってますが、別に大人が読んでもいいじゃん、面白いんだから.
主人公の「しげるちゃん」は本能のおもむくままに行動する、 煮ても焼いても喰えないようなこ憎たらしいクソガキなんですが、 この「しげるちゃん」が通っているちゅーりっぷ保育園を舞台に、 鯨やクマやオニの子供、人喰い狼等も登場してシュールなストーリーが展開されています.
誰が読んでも楽しめる本だと思いますが、特に小さいお子さんをお持ちのお父さん、お母さんに強くお薦めします.


児童文学 書籍名 兎の眼
著者名 灰谷健次郎
出版社 新潮社(新潮文庫)
発行日 1988年1月25日(文庫判初版)
兎の眼

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■ ノンフィクション ■


ノンフィクション 書籍名 闘うプログラマー −ビル・ゲイツの野望を担った男達−(上下2巻)
著者名 G・パスカル・ザカリー
出版社 日経BP出版センター
発行日 1994年12月10日(上巻初版)
闘うプログラマー

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■ コミックス ■


コミックス 書籍名 ウルフガイ(全2巻)
著者名 平井和正原作、坂口尚画
出版社 奇想天外社
発行日 1979年10月10日(復刻版第1巻初版)
ウルフガイ

ベストセラーになった平井和正の原作小説「狼の紋章」を「職人」坂口尚がコミカライズしたものです.
もともと坂口尚に渡される平井和正の原作原稿は小説として書かれていて、 コミック連載終了後にその原作原稿を小説として発表したものが「狼の紋章」らしいので、 このコミック版「ウルフガイ」と小説「狼の紋章」の内容は基本的にはほとんど一緒です.にも拘らず、 ある意味ではこのコミック版「ウルフガイ」の方が原作「狼の紋章」よりも読む者を強く引きつけると思われるのは、 坂口尚の群を抜いた画力と表現力が、主人公犬神明やヒロイン青鹿晶子に強烈な存在感を与えているせいでしょうか. とにかくいつ読んでものめりこんでしまう魅力的な作品です.
因みに僕が「ウルフガイ」シリーズに触れたのはこのコミック版が最初でしたが、 もしも小説版の方を先に読んでいたら、こんなに「ウルフガイ」にハマっちゃうことはなかった様に思われます. それ程、単に原作のコミック化だけで終わらせない坂口尚の力量が発揮されてる一冊です.
ストーリーについては触れません.簡単に説明しても面白さが全然伝わんないので. 一言で言うと、悩める無敵の「狼男」の話です...っていうと、なんだか怪しげでしょ、 やっぱり実際に読んでみないとわかんないと思います、この面白さは...是非読んで下さい〜.
ただ...一つだけ問題があります. この本、絶版になっちゃってます(爆笑).というか、出版社そのものがあるのかないのかよくわかんない状況です. 古本屋でも結構高値がついてると予想されますので、手に入れるのはかなり困難かもしれません. まぁ、小説のほうは比較的容易に手に入ると思われるので取敢えずそちらの方からどうぞ.
(ところで、雑誌「ぼくらマガジン」に掲載されたこのコミック版「ウルフガイ」 には単行本化されていない原稿がまだあるようです. ある雑誌に載ってた数枚の写真には坂口尚が描いた「虎4」が登場してたので、 小説「狼の怨歌」の途中までがコミカライズされていたと思われます. 読みたいっ!どなたか、「ぼくらマガジン」お持ちの方、ご連絡ください〜)

コミックス 書籍名 絶対安全剃刀 −高野文子作品集−
著者名 高野文子
出版社 白泉社
発行日 1982年1月19日
絶対安全剃刀

もう天才ですね、高野文子は!
どこか懐かしさを感じさせるキュートな絵柄、 笑えるストーリーの裏にちらちら見え隠れする子供の様な残酷性、無国籍感が漂う不思議な雰囲気、 とにかくどの作品を読んでもゾクゾクして嬉しくなっちゃいますね、僕は. 惜しむらくは、その超寡作ぶり.僕はもっとたくさんの高野文子作品を読みたいです.
さてさて、この「絶対安全剃刀」は彼女の処女作品集です.1977年頃に描かれた初期の作品から、 円熟味が増した1981年頃の作品までが幅広く収録されていますが、 白眉は何といっても「田辺のつる」でしょう! 「慢金超1号」に掲載され、その衝撃的なテーマで読者の度肝を抜いた (僕ももちろん抜かれましたよぉ〜、あぁ)あの問題作、 せんべえ齧りながら寝転んで「慢金超」読んでた読者を思わず正座させた(僕も正座しましたぁぁ〜) あの「田辺のつる」が読めます!すげえですよ、「田辺のつる」は.ホントに.
他にも、かわいらしくも物悲しい「ふとん」、なんか高野文子らしくないけど面白い「アネサとオジ」、 情緒あふれる「玄関」等、全部で17篇の短編が楽しめます.
高野文子を知らない方、まだ手遅れではありません. 今すぐ本屋さんへ走って「絶対安全剃刀」GETです! 見つからなければ第2作品集「おともだち」でも可、こっちのほうが手に入りやすいかな.

コミックス 書籍名 同棲時代(全3巻、追悼版)
著者名 上村一夫
出版社 双葉社
発行日 1986年4月14日(追悼版第1巻初版)
同棲時代

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コミックス 書籍名 奇子(上下2巻)
著者名 手塚治虫
出版社 大都社
発行日 1985年12月30日(上巻初版)
奇子

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コミックス 書籍名 神の左手悪魔の右手(全6巻)
著者名 楳図かずお
出版社 小学館
発行日 1987年7月1日(第1巻初版)
神の左手悪魔の右手

楳図かずおの代表作といえば何といっても「漂流教室」ですが、実はこの作品もかなり凄い.
全部で5話からなる恐怖譚ですが、どの話、どのページをとっても凄惨で強烈、そして意表を突く奇抜な展開. 例えば、最終話ラストで主人公「想」の姉、泉が「影亡者」に襲われてあわや喰い殺される瞬間、 泉の顔が次第に何か恐ろしいものに変貌していき、そして口から出た言葉、
「わたしは想だ!!わたしはユメの中でいま...お姉ちゃんになっている!! そして私の正体はヌーメラウーメラ!!この世のもとなり!!もとはうたえり!! 神の左手!!悪魔の右手!!!あの世の者!!消えよ!!」
そう!主人公の八天王小学校に通う小学一年生「想」君は、神でありながら、同時に悪魔でもあり、 そしてこの世の創造者なのです!このとんでもない設定だけでも、もう、くらくらしてきます.
第1話の途中までは何だか映画「エルム街の悪夢」に近い雰囲気でストーリーが展開するので、 やっぱり作者もあの映画意識してんのかなぁって感じなんですが、 さすが楳図かずお、話が進むにつれて楳図独特のあのシュールで気味の悪いシーンががんがん展開していきます. マネキンの面をつけて錆びたハサミで子供を切り裂いてまわる老婆、死ぬと恐ろしい顔になる女教師、 その正体が無数に集まった女郎蜘蛛である洋館の女主人、 自分でやった猟奇殺人の様子を絵本に描いて娘に見せる父親など、 奇怪な登場人物が繰広げる血みどろの惨劇にはホントーに恐怖を感じます.
怖い話が大好き!っていうあなたにお薦めします.但し、気持ち悪くなっても知らんからね.


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■ 実用書 ■


実用書 書籍名 冒険手帳 −火のおこし方から、イカダの組み方まで−
著者名 谷口尚規著、石川球太画
出版社 主婦と生活社(21世紀ブックス)
発行日 1972年6月25日
冒険手帳

この本は、サブタイトルが示している通り、 野外活動に関するあらゆるノウハウを提供してくれるサバイバル教本です.
今でこそサバイバルテクニックやアウトドア関係の解説書は多いですが、 私が中学生の頃はあんまりそういうのが無くって、 この本を本屋でたまたま見つけた時は「お〜っ?」って感じで珍しい掘り出しモノにでもあたった気分でした. 内容は素晴らしく、文章は読んでて楽しいし、石川球太のイラストもきれいでとってもわかりやすいです.
当時、中学生だった僕は、 なんかとんでもない事でも起きんかなぁ、ある日突然、世界中で電気が使えんくなるとかさぁ、 朝、目が覚めていきなり無人島とかにいたりしたらとっても楽しいのにィ〜!!! などと夢想しながら、寝床で布団をかぶったまま貪るようにこの本を読んだものです. 20年以上も前に出版された本ですが、アウトドア関連の解説書で未だにこの本を超えるものは出てません.
内容は、捕まえた兎や鳥の解体の仕方、食べられる昆虫の種類と料理の仕方及びその味 (因みに、クモは足をちぎって食べればチョコレートの味、 カブトムシの幼虫はたき火で焼いて食べれば香ばしい味がして絶品等など)、 食べられる野草と料理法、毒のある野草、兎や鳥・魚の捕獲方法、ガの幼虫から釣り糸を作る方法、 ロープの結び目の種類とその目的、ナイフの使い方、小石や木の枝を使った通信方法、 腕時計を使って方角を知る方法、観天望気術(雲の形や風の流れで天候を予知する方法)、 自然にあるものを使って遊ぶ方法、様々な条件下での応急処置の方法等など、 多岐にわたる様々なノウハウが載っていて冒険心を思いっきり刺激してくれます.
本書は残念ながら現在は絶版になってるようで(未確認)、本屋さんに行っても手に入りません. でも、出版されてから僕が購入した版が印刷された4年間の間になんと141版も版を重ねているので、 かなりの部数が出た本のようです.きっと古本屋を探せば見つかるでしょう.

実用書 実用書 おもちゃの作り方 −輪ゴム、割りバシ、針金でできる94種−
著者名 石川球太
出版社 主婦と生活社(21世紀ブックス)
発行日 1973年12月10日
おもちゃの作り方

この本は、サブタイトル通り、輪ゴムや割りバシ、 針金等の身近にあるものを使っておもちゃを作る方法を楽しく紹介した本です.
割りバシ鉄砲、下駄スケート、竹とんぼ、糸電話、針金で作る三輪車、糸巻き戦車、針金銃、 竹で作った水鉄砲、のぞき眼鏡、竹ヨット、からくり人形、弓鉄砲、拡大模写スケール、風車、はた織り機、 はばたく飛行機等など、懐かしいおもちゃや楽しいおもちゃの作り方がいっぱい載ってます. また、ラジオペンチやヤスリといった工具の種類、作りたいおもちゃに適した針金の太さ、 針金でバネを作る方法、ブリキの曲げ方、竹の加工方法等、 こうしたおもちゃを作るにあたって必要となる知識についても解説されているので、 安心しておもちゃ作りにとりかかれます. 著者は名著「冒険手帳」にも関わっている漫画家の石川球太なので、 きれいで楽しいイラストがとてもわかりやすくて、見ているだけでわくわくしてきます.
中学生の頃、僕は友人たちと一緒にこの本に載っていたおもちゃを片っ端から作って遊びました. 是非とも手に入れて遊んで頂きたい一冊なんですが、 「冒険手帳」同様この本もおそらく絶版になっていると思われます.古本屋で探してみてください. 同じ出版社からは、やはり石川球太氏による「遊びのガキ大将」という多人数でやる「遊び」 を紹介した本も出ています.これについても見つけ次第即GETです!!!


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■ コンピュータ書籍 ■


インターネット 書籍名 新・HTML&CGI入門
著者名 笹木望、太田晶宏、藤崎真美共著
出版社 エーアイ出版
発行日 1996年12月6日
新・HTML&CGI入門

このホームページは未だにテキストエディタとPainterだけで作られています. いろいろとホームページ作成用のいいツールがあるのは知ってるんですが、 このやり方に慣れちゃっていて、別に不満も感じていないし高度なことをやろうとも思っていないので、 当分はそうしたツールを使うつもりはありません. ただ、全てのタグをそらで覚えてるわけではないし、どうしても思ったとおりの表示が得られなくて、 HTMLの記述の仕方を確認したくなる時があります.その時に助かるのがこの本です.
最新のHTMLに関する本ではないし、 載っているのはホントに基本的なことばかりなんですが、とにかくわかりやすい. 写真や図版も多くて見やすいですし、特に表示例についてはかなりブッ壊れてて笑えるので、 とっつきやすさはピカイチの解説書でしょう. 私が最初にホームページを作ろうと思った時にこの本を購入してHTMLを覚え、 更新を続けている現在もこの本しか見ていません.
これからホームページを作ってみようという方で、 あんまりお金をかけたくないからツールは買えないよって人にお薦めします.

CG 書籍名 ペインター ワウ!ブック
著者名 シェール・スライネン・ペンダビス、ジム・ベンソン共著
出版社 グラフィック社
発行日 1996年5月25日
ペインター ワウ〜

この本は、完成しているCG作品を紹介しながら、 その作品中で使われているテクニックについて詳しく解説しているペインターの素晴らしい指導書です. しかも膨大な量の優れた作品が掲載されているので、 イマジネーションを刺激してくれる良質のCG作品集としても充分利用価値があります.
実は「怪しい実験室」の作品を制作する際に使用したテクニックは全てこの本で学んだものです. 最初にこの本を手に取った時は、 僕が持っているペインターでホントにこんな事ができるのか!と興奮してしまいました.
ただ、本の中で使用されているペインターはバージョン3と古く、 バージョン4以降のペインターを使用している方はメニューやダイアログが変更されているので注意が必要です. 特にバージョン5以降、ペインターはマスク処理が大きく変更されているので、 バージョン5や5.5しかご存じない方は戸惑われるかもしれません. 幸い、付録のCD−ROMには英語版ペインター3の体験版が収録されているので、 それを使って本のテクニックを確認しながら、現在のバージョンの機能に置換えていけば解り易いと思います. そのくらいの手間をかけても充分メリットが得られる本です、この本は. 全てのペインター使いに強くお薦めします.
定価4800円と結構なお値段ですが、付属CD−ROMにはペインター3の体験版の他にも、 使える素材がたっぷり収録されているので充分ペイ出来ると思います.

CG 書籍名 Painterスーパーアートワークス
著者名 石川浩二、他19名
出版社 翔泳社
発行日 1998年6月30日
Painterスーパー〜

ペインターを使ってイラストを仕上げる過程を詳細に紹介した実践的な解説本です.
いや〜、ホントよく出来た本ですねぇ(笑).是非ご購入ください〜(爆笑).
自分が関わった本を薦めるなんて、あつかましいにもほどがありますが、 でも、まぁ、僕が担当したへなちょこなページはおいておくとして、 ペインターを使ってイラストを完成させる為にどういう機能を使ってどういう効果を出しているのか、 ここまで実践的かつ詳細に解説した本は他にあまり知りません. 僕を除く多くの執筆者がプロとして活躍されている実力者ばかりなので、ホント、 初中級のペインター使いには役立つ情報満載なのです.
取敢えず遠慮気味に強くお薦めしておきます〜.


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