興味深いニュースを見ました。アメリカでペプシコーラが、ポイントキャンペーンのテレビCMを流したのですが、その内容が700万点を集めるとハリアー戦闘機(約26億円)が貰える、というジョークで構成されていたそうです。ところがこれを真に受けた男性が約8000万円分のコーラを買って本当に700万点を集めてしまったとか。この男性は裁判所に訴えてハリアーをよこせ、と主張したんだそうです。
しかしいくらアメリカと言えども、これはさすがに認められませんでした。連邦裁判所は「常識ある視聴者ならジョークとわかるはず」と、男性の訴えを退けたそうです。至極もっともだと思います。
なにせこんな主張が通ってしまったら、広告を作っている方にとってはたまったものではありません。広告制作の手法のひとつとして大袈裟な表現というのは定番です。商品の特徴をデフォルメして見せることで、わかりやすく伝えていくわけですが、そのデフォルメを全てそのままストレートに受け取られてしまったら大弱りです。
このペプシを訴えた男性が、どういう意図でこんなことをしたのかわかりませんが、アメリカには雑多な人種民族が住んでいるだけに、ジョークがジョークとして通じない部分があると思います。日本の受け手はアメリカに比べればはるかに高度な解釈力を備えていますから、アメリカの広告よりある意味難解な表現手法を用いています。
なんでもグローバルスタンダードという名のアメリカ流を取り入れるのが流行の昨今ですが、広告界でも世界に通じる広告表現を、みたいなことを言われることもあります。こんなところまでアメリカナイズされるのが良いのか、と僕自身は思っていますが、そういう意味でも、こんな妙な訴訟が認められなくて良かったと思います。
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